JP2019157604A - 連結具 - Google Patents

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Abstract

【課題】木構造において部材の据え付けに用い、CLTを構成するラミナの未接着箇所など、部材中に存在する局地的な脆弱部に起因する強度の低下を回避可能な連結具を提供する。【解決手段】一方材51と他方材61を一体化する連結具は、コの字状の金物11と、金物11から突出するように配置する延長板21等の補強具と、金物11と延長板21を一体化する固定具37と、延長板21を他方材61に取り付ける棒材38等の接合手段と、で構成する。そして金物11は、一方材51に取り付ける正面板13と、他方材61の収容溝65に埋め込む側面板14と、からなり、固定具37で他方材61と金物11と延長板21を一体化する。また棒材38は、金物11から離れてスリット66と交差するように差し込み、中ラミナ63と側ラミナ64で保持させる。その結果、荷重の伝達経路が多様化し、他方材61の脆弱部に起因する強度の低下を回避できる。【選択図】図1

Description

本発明は、木造建築を始めとする各種木構造において、CLTなどの部材の据え付けに用いる連結具に関する。
木造建築は、住宅を始めとする小規模な建物を中心に普及してきたが、近年は集成材の製造技術の向上により、大断面の木材が安定して供給できるようになり、集合住宅や公共施設など、より規模の大きな建物についても、木造化が実現できるようになった。集成材には様々な種類が存在するが、その一つとしてCLTが挙げられる。CLTは、直交集成板とも呼ばれ、ラミナと称される板材を積層したものだが、層の上下で木目方向を直交させることで強度の方向性が打ち消され、しかも相応の厚さを有することから、CLT同士を連結するだけで建物の骨格を完成させることもできる。
建物の骨格にCLTを用いるため、これまでにも様々な技術開発が進められており、その例として後記の特許文献が挙げられる。特許文献1では、隣接する集成材をH型鋼で連結した床構造が開示されており、集成材としてCLTを用いることが想定されている。この床構造は、横倒しにした集成材を複数並べたもので、個々の集成材の側面には、全長に亘って上下一対のスリットを加工してある。そして、隣接する集成材の間にH型鋼を配置し、そのフランジの半分を一方の集成材のスリットに差し込み、残る半分を他方の集成材のスリットに差し込み、接着などで集成材とH型鋼を一体化する。このように、H型鋼を用いて集成材を連結することで、軽量でありながら、強度を持たせた床構造が実現する。
そのほか後記の特許文献2では、CLTを用いた外付箱型耐震開口フレームが開示されている。このフレームは、新築建築物のほか、既存建築物の開口部の補強に用い、開口部を構成する柱や土台や桁などの側面に取り付ける額縁状で、部材への取り付けには、ラグスクリューボルトを用いている。またこのフレームは、CLTをL字状に切り出した四個の部材(左上方枠・左下方枠・右上方枠・右下方枠と称する)を接合金具で一体化した構造で、フレームの角部には接合部がないため、剛性が向上する。
特開2017−25524号公報 実用新案登録第3212935号公報
CLTは、前記のように多数のラミナを貼り合わせた構造であり、CLTの厚さ方向に隣接する二枚のラミナは、十分な接着が行われている。しかし、同一層において隣接するラミナ同士の境界については、製造工程との兼ね合いから十分な接着が行われていない。このラミナ同士の境界は、一直線に並ぶことのないよう、意図的に分散配置されており、通常、強度上の問題を生じることはない。ただしこの境界付近に各種金物を配置した場合、その保持が不十分になり、強度上の問題を生じることがある。
その具体例を図9と図10に示す。図9では、コの字状の金物を用いて柱と横架材を丁字状に一体化することを想定しており、横架材には三層構造のCLTを用いている。また金物は、正面板の両端から側面板が平行に突出した構造であり、さらに正面板に形成したホゾを柱の側面に嵌め込む。そして金物は、ホゾの中心に差し込まれるボルトと、これに螺合するナットで柱に取り付けられる。加えて横架材の端部には、二枚の側面板を差し込むためのスリットを加工するほか、金物を横架材に取り付けるため、横架材の側面からドリフトピンを打ち込む。
図9の横架材は、中ラミナを側ラミナで挟み込んだ三層構造だが、この図の中ラミナは、一枚の板材で構成されている訳ではなく、境界を挟んで二枚の板材で構成されている。この境界は、接着で一体化されている訳ではなく、単に板材の端面同士が接触しているに過ぎない。そのため、中ラミナを挟み込むように二列のスリットを加工する際、スリットがこの境界と交差すると、図9の下方に描くように、中ラミナが脱落してしまう。
図10は、図9の完成状態を示し、柱と金物は、ボルトとナットで一体化され、横架材と金物は、ドリフトピンで一体化され、柱と横架材が丁字状に一体化している。ここで横架材の端部の中ラミナは、図9に描いたように脱落しているため、横架材に打ち込まれたドリフトピンは、左右二枚の側ラミナだけで保持されている。そして仮に、側ラミナの木目が水平方向に伸びていると、柱と横架材を引き離す方向に過大な荷重が作用した際、側ラミナにヒビ割れが生じ、強度上の問題を生じる恐れがある。なお仮に、ドリフトピンが中ラミナでも保持されているならば、荷重が分散され、このような問題を生じにくくなる。
図10に描くようなラミナが脱落する事態を避けるには、横架材に二列のスリットを加工する際、これがラミナ同士の境界と交差しないように配慮すればよい。しかしCLTに各種加工を行う際、都度、ラミナ同士の境界に配慮するならば、余計な手間が増えるほか、CLTの切り出し作業にも影響を与え、歩留まりが低下する恐れもある。そこでラミナ同士の境界に配慮することなく、部材を確実に連結できることが望ましい。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、CLTを構成するラミナの未接着箇所など、部材中に存在する局地的な脆弱部に起因する強度の低下を回避可能な連結具の提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、一方材と他方材を一体化するために用い、コの字状の金物と、該金物の後端から突出するように配置する補強具と、該金物と該補強具を一体化する棒状の固定具と、該補強具を前記他方材に取り付ける接合手段と、からなり、前記金物は、中央に位置し且つ前記一方材に取り付けられる正面板と、該正面板の両端から突出する一対の側面板と、で構成され、前記補強具の一端側は、一対の該側面板の間に入り込み、前記補強具は、前記金物の後端から突出して前記他方材の内部に入り込み、また前記接合手段は、該金物から離れて配置してあり、前記側面板には、前記固定具を差し込むための側穴を設けてあり、前記補強具には、該固定具を差し込むための連通穴を設けてあり、該固定具が該側穴と該連通穴を貫くことで前記金物と該補強具が一体化することを特徴とする連結具である。
本発明による連結具は、木造建築を始めとする各種木構造において、一方材および他方材と称する部材を一体化するために用いる。ここで一方材および他方材は、連結される二部材を区別するため、便宜上付した名称であり、いずれもCLTなどの集成材を想定しているが、無垢材でも構わない。また一方材や他方材は、柱や梁など、特定の用途に限定されるものではなく、あらゆる箇所で使用可能である。
連結具は、金物と補強具と固定具と接合手段の四要素を中心に構成される。そして金物は、鋼板を二箇所で折り曲げたコの字状で、中央に位置する細長い正面板と、正面板の両端から突出する一対の側面板と、で構成される。この金物自体は、これまでにも二部材の連結に広く使用されており、一方材と他方材を連結する際は、正面板を一方材の表面と対向するように配置し、側面板は、他方材の端部に加工したスリットに差し込む。さらに金物を一方材に取り付けるため、正面板と一方材を貫くようにボルトを組み込む。
補強具は、金物の側面板を延長するように配置し、金物と他方材をより強固に一体化する役割を担う。そのため補強具は、一対の側面板の間に入り込み、しかもその一部は、金物の後端から突出させる。ここで金物の後端とは、側面板の各外縁のうち、正面板と対向する側を指しており、補強具の一端側は金物の中に入り込み、他端側は金物から突出しており、補強具は、金物よりも他方材の奥方に入り込む。
固定具は、金物を他方材に取り付ける役割と、金物と補強具を一体化する役割を兼ねており、他方材の表面から差し込む棒状の部品である。従来、コの字状の金物は、その側面板を貫くようにドリフトピンやボルトを差し込んで他方材に取り付けているが、本発明では、このドリフトピンやボルトと固定具と称しており、固定具は、側面板のほか、補強具も貫くものとする。そのため側面板には、固定具を差し込むための側穴を設けるほか、補強具には、側穴と同心に揃う連通穴を設ける。
接合手段は、補強具を他方材に取り付けるために用いる。補強具は、前記のように金物の側面板を延長するように配置するが、補強具は、金物から離れた位置で他方材と一体化させる必要があり、これを実現するために接合手段を用いる。接合手段は、補強具と他方材を物理的に一体化できるならば、その具体的な構成は自在である。ただし接合手段として接着剤を用いることはない。
本発明では補強具を用いるため、他方材には、補強具を埋め込むための溝などを加工する。この溝などは、補強具が本来の機能を発揮できるよう、適正な形状に仕上がる必要がある。なお、他方材として三層構造のCLTを用いる場合、固定具は、左右両側の層を貫くように差し込み、また補強具は、中央の層と強固に一体化させる。その結果、金物に作用する荷重は、常に三層全体で受け止められる。
このように、金物と補強具と固定具と接合手段の四要素を中心に構成される連結具を用いることで、金物と他方材を強固に一体化することができ、部材中に存在する局地的な脆弱部による影響を受けることなく、確実に他方材と金物を一体化することができる。また荷重の一部は、補強具を介して伝達されるため、応力の局地的な集中を回避でき、ヒビ割れの発生を抑制できる。
請求項2記載の発明は、補強具と接合手段の具体例を示すもので、補強具は平面状の延長板で、且つ接合手段は棒材で、該延長板の一端側には連通穴を設けてあり、他端側には該棒材を差し込むための後穴を設けてあることを特徴とする。延長板は、単純な鋼板であり、その一端側は、金物の側面板の間に差し込み、他端側は金物から突出させる。さらに延長板には、固定具を差し込むための連通穴を設ける。また接合手段となる棒材は、固定具と同様、ドリフトピンやボルトで、固定具から離れた位置に差し込む。そのほか延長板の連通穴は、原則として、金物の側穴に応じた数量を設ける。
このように、補強具として平面状の延長板を用いるほか、他方材に延長板を取り付けるための接合手段には、ドリフトピンやボルトなどの棒材を用いることで、実質的に側面板が延長された状態になり、強度が向上する。なお延長板を埋め込むため、他方材にはスリットを加工するが、このスリットの幅は、金物の側面板の間隔よりも狭く、断面欠損が抑制され、強度上の問題を生じにくくなる。
請求項3記載の発明も、補強具と接合手段の具体例を示すもので、補強具はコの字状の曲げ板で、且つ接合手段はネジ釘で、該曲げ板は、中央に位置する中板と両側に位置する横板とで構成され、該中板は、正面板と対向するように配置し、該ネジ釘は、一対の該横板の間から該中板を抜けて他方材に差し込まれることを特徴とする。
曲げ板は、金物と同様、鋼板をコの字状に折り曲げたもので、中板の両端から横板が突出しており、中板は、金物の正面板と対向するように配置する。また横板の一端側(中板の反対側)は、金物の内部に収容し、横板の他端側は、金物から突出させて他方材の内部に入り込ませる。さらに中板は、他方材の内面に接触させ、その後、中板を貫くようにネジ釘を差し込むと、曲げ板が他方材に取り付けられる。なお横板には、固定具を差し込むための連通穴を設ける。
このように、補強具としてコの字状の曲げ板を用いるほか、他方材に曲げ板を取り付けるための接合手段には、ネジ釘を用いることで、実質的に側面板が延長された状態になり、強度が向上する。なおネジ釘は、固定具に対して直交方向に差し込まれるため、曲げ板が確実に他方材と一体化するほか、他方材を金物に取り付ける手段が多様化し、強度上の問題を生じにくくなる。
請求項1記載の発明のように、一方材と他方材を一体化するため、金物と補強具と固定具と接合手段の四要素を中心に構成される連結具を用いることで、金物は、固定具と補強具の双方を介して他方材に取り付けられるため、荷重の伝達経路が多様化し、金物と他方材を強固に一体化することができる。したがって、他方材としてCLTを用いる場合でも、その加工時、ラミナ同士の境界に配慮する必要がなく、施工に先立つ手間が増えることがない。また、CLTの切り出し作業に影響を与えることもなく、歩留まりの低下も生じない。
本発明による連結具は、CLTでの使用を想定したものだが、CLT以外の集成材においても、接着不良による局地的な脆弱部が存在する可能性があるほか、無垢材においても、節などによる局地的な脆弱部が存在することがある。しかし本発明では、金物と他方材との間に作用する荷重の伝達経路が多様化するため、局地的な脆弱部に起因する強度の低下を回避できるほか、個々の固定具に作用する荷重が軽減されるため、あらゆる部材において、安定した連結を実現できる。
請求項2記載の発明のように、補強具として平面状の延長板を用いるほか、他方材に延長板を取り付けるための接合手段には、ドリフトピンやボルトなどの棒材を用いることで、実質的に側面板が延長された状態になり、強度が向上する。なお延長板を埋め込むため、他方材にはスリットを加工するが、このスリットの幅は、金物の側面板の間隔よりも狭く、断面欠損が抑制され、強度上の問題を生じにくくなる。
請求項3記載の発明のように、補強具としてコの字状の曲げ板を用いるほか、他方材に曲げ板を取り付けるための接合手段には、ネジ釘を用いることで、実質的に側面板が延長された状態になり、強度が向上する。なおネジ釘は、固定具に対して直交方向に差し込まれるため、曲げ板が確実に他方材と一体化するほか、他方材と金物を一体化する手段が多様化し、強度上の問題を生じにくくなる。
本発明による連結具の形状例と使用状態例を示す斜視図で、この連結具は、一方材と他方材を一体化するために用いられ、金物と延長板と固定具と棒材などで構成される。 図1の一方材と他方材を一体化する過程を示す斜視図で、一方材の上面には金物を取り付け、他方材の内部には延長板を取り付けてある。 図1の一方材と他方材が一体化した状態を示す斜視図である。 補強具として曲げ板を用いた連結具の形状例と使用状態例を示す斜視図で、補強具とその周辺以外は、図1と全く同じ構造である。 図4の一方材と他方材を一体化する過程を示す斜視図で、一方材の上面には金物を取り付け、他方材の内部には曲げ板を取り付けてある。 図4の一方材と他方材が一体化した状態を示す斜視図である。 本発明による連結具を用いて柱と横架材を一体化する場合を示す斜視図で、ここでは柱が一方材になり、横架材が他方材になり、さらに補強具として延長板を用いている。 図7と同様、連結具を用いて柱と横架材を一体化する場合を示す斜視図だが、ここでは補強具として曲げ板を用いている。 本発明が解決しようとする課題を示す斜視図で、コの字状の金物を用いて柱と横架材を丁字状に一体化することを想定しており、横架材には三層構造のCLTを用いているが、横架材にスリットを加工することで、その一部が脱落する。 図9の完成状態を示す斜視図で、柱と金物は、ボルトとナットで一体化され、横架材と金物は、ドリフトピンで一体化され、柱と横架材が丁字状に一体化しているが、過大な荷重が作用することで、ヒビ割れが生じる恐れがある。
図1は、本発明による連結具の形状例と使用状態例を示し、この連結具は、一方材51と他方材61を一体化するために用いられ、金物11と延長板21と固定具37と棒材38などで構成される。そして図1の一方材51は、水平方向に敷設される板材で、対する他方材61は、直立する壁材で、他方材61の下端面が一方材51の上面に載り、双方の接触面を連結具で一体化する。なお他方材61には、三層構造のCLTを用いており、左右の側ラミナ64の間に中ラミナ63が挟み込まれており、中ラミナ63と側ラミナ64では、木目方向がほぼ直交している。
連結具を構成する金物11は、鋼板をコの字状に折り曲げた形状で、これ自体は従来から広く普及しており、細長い矩形状の正面板13の両端から側面板14が突出しており、正面板13には、円柱状のホゾ15を三箇所に設けてあり、個々のホゾ15の中心には、中穴16を設けてある。また側面板14には、同心で三組の側穴17を設けてあるほか、側穴17と同等の機能を発揮する側溝18を一組設けてある。そして図1では、正面板13を下に向け、側面板14が他方材61の内部に入り込む。
金物11を一方材51に取り付けるため、埋設板41を用いている。埋設板41は、一方材51の上面に加工した凹部54に埋め込む鋼板で、ネジ釘49で一方材51に取り付ける。そのため埋設板41には、ネジ釘49を差し込むための釘穴44を設けてあり、釘穴44の入口は内径を拡大してあり、そこにネジ釘49の頭部を収容する。また埋設板41には、金物11のホゾ15を嵌め込むためのホゾ穴45を設けてあり、その奥にはメネジ46を形成してある。このメネジ46は、埋設板41と金物11を一体化するボルト36を螺合するために用いる。なおこのボルト36の軸部は、金物11のホゾ15の中穴16を経てメネジ46に螺合し、ボルト36の頭部は、ホゾ15の内部に収容される。
補強具として機能する延長板21は、単純な鋼板だが、金物11よりも厚みを増してあり、金物11と隣接するように配置し、その下部は金物11の側面板14の間に入り込むが、その上部は金物11よりも突出する。そして延長板21の下部には、四個の連通穴27を設けてある。この連通穴27は、金物11の側穴17および側溝18と同心に揃え、双方を貫くように固定具37を差し込むことで、金物11と延長板21が一体化する。また延長板21の上部には、四個の後穴28を設けてある。後穴28には棒材38を差し込む。
他方材61の下面中央には、金物11を埋め込むための収容溝65を加工してある。ここでは、一対の側面板14の間隔が中ラミナ63の厚さとほぼ等しいため、収容溝65の両側には、側ラミナ64が露出する。また収容溝65の奥方には、延長板21を差し込むためのスリット66を加工してある。スリット66は、中ラミナ63の中央部だけを削り取った形態であり、スリット66を加工された部位の中ラミナ63は、側ラミナ64と接着が維持されている。そのため、スリット66の加工によって中ラミナ63が脱落することはない。そのほか、延長板21を他方材61に取り付けるための接合手段については、棒材38を用いている。
他方材61の側面には、上下にピン穴67、68を加工してある。下側のピン穴67は、固定具37を差し込むためのもので、途中で収容溝65と交差して反対面に到達する。また上側のピン穴68は、棒材38を差し込むためのもので、途中でスリット66と交差して反対面に到達する。ここでの固定具37と棒材38は、いずれもドリフトピンであり、ピン穴67、68に差し込んだ後は、摩擦で保持される。
固定具37は、金物11の側穴17および側溝18のほか、延長板21の連通穴27を抜けて反対面に到達し、他方材61と金物11と延長板21を一体化する。また棒材38は、他方材61と延長板21を一体化する。そのため金物11は、固定具37と棒材38の双方を介して他方材61と一体化することになる。
図2は、図1の一方材51と他方材61を一体化する過程を示しており、一方材51の上面には金物11を取り付け、他方材61の内部には延長板21を取り付けてある。図のように、一方材51の凹部54には埋設板41を埋め込み、これをネジ釘49で一方材51に取り付ける。さらに埋設板41の上面には、金物11の正面板13を載せ、一対の側面板14の間にボルト36を差し込み、金物11を埋設板41に取り付ける。この状態では、一対の側面板14が上方に突出する。
他方材61のスリット66には延長板21を差し込み、さらに、他方材61のピン穴68に棒材38を差し込むことで、他方材61と延長板21が一体化する。なお延長板21の下部は、収容溝65の中央に位置しており、その両側には、金物11を収容するための隙間が確保されている。そのほか、一方材51や他方材61に加工する凹部54や収容溝65やスリット66やピン穴67、68は、金物11や延長板21などが正しく配置できるよう、所定の精度で加工する必要があり、一方材51と他方材61を隙間なく接触させる。
図3は、図1の一方材51と他方材61が一体化した状態を示す。金物11は、埋設板41を介して一方材51と一体化しているほか、固定具37を介して他方材61とも一体化している。さらに本発明では、延長板21と棒材38を用いており、他方材61と金物11がより強固に一体化している。なお他方材61の下端面は、一方材51の上面に接触しており、埋設板41や金物11や延長板21は完全に埋め込まれ、外部に露出することはない。
他方材61に差し込まれた固定具37は、側ラミナ64だけで保持され、中ラミナ63に接触することはない。したがって固定具37に作用した荷重は、側ラミナ64だけに伝達される。対して棒材38は、必ず中ラミナ63と側ラミナ64の双方で保持され、荷重は双方に伝達される。しかも中ラミナ63と側ラミナ64は、木目方向が直交しているため、強度の方向性が打ち消され、ヒビ割れを生じにくくなる。なお延長板21の厚さは、中ラミナ63の厚さよりも薄くすることが容易で、必然的に延長板21は、中ラミナ63で挟み込まれる。
図4は、補強具として曲げ板22を用いた連結具の形状例と使用状態例を示し、補強具とその周辺以外は、図1と全く同じ構造である。したがって、一方材51の凹部54に埋設板41を埋め込み、埋設板41の上面に金物11を取り付け、固定具37で他方材61と金物11を一体化する。また、補強具となる曲げ板22は、鋼板をコの字状に折り曲げたもので、細長い矩形状の中板23の両端から横板24が突出しており、他方材61に加工した収容溝65に埋め込み、中板23を収容溝65の奥面に接触させる。なお横板24には、金物11の側穴17と同心となる連通穴27を設け、中板23には釘穴26を設けてある。
金物11の正面板13と曲げ板22の中板23は、対向するように配置し、曲げ板22の横板24の下部は、金物11の側面板14の間に入り込み、側穴17と連通穴27を同心に揃え、そこに固定具37を差し込むことで、他方材61と金物11と曲げ板22を一体化する。また、曲げ板22を他方材61に取り付けるための接合手段には、ネジ釘39を用いている。このネジ釘39は、一対の横板24の間から釘穴26を抜けて他方材61に差し込まれる。
図5は、図4の一方材51と他方材61を一体化する過程を示しており、一方材51の上面には金物11を取り付け、他方材61の内部には曲げ板22を取り付けてある。図のように、一方材51の凹部54には埋設板41を埋め込み、ネジ釘49で埋設板41を一方材51に取り付け、さらに金物11をボルト36で埋設板41に取り付ける。また、他方材61の収容溝65に曲げ板22を配置し、その中板23を収容溝65の奥面に接触させた後、ネジ釘39を差し込み、曲げ板22を他方材61に取り付ける。なおネジ釘39は、他方材61の中ラミナ63に差し込まれ、曲げ板22は、中ラミナ63に取り付けられている。
図6は、図4の一方材51と他方材61が一体化した状態を示す。ここで固定具37は、他方材61と金物11と曲げ板22を一体化しているが、固定具37は、側ラミナ64だけで保持され、中ラミナ63とは接触していない。しかし曲げ板22は、ネジ釘39を介して中ラミナ63と一体化している。そのため金物11は、中ラミナ63と側ラミナ64の双方と一体化しており、荷重は中ラミナ63と側ラミナ64の双方に伝達され、CLTの特徴を十分に引き出すことができる。
図7は、本発明による連結具を用いて柱と横架材を一体化する場合を示し、ここでは柱が一方材52になり、横架材が他方材62になり、さらに補強具として延長板21を用いている。図7では、金物11の正面板13を一方材52の側面に接触させ、その後、ホゾ15にボルト36を差し込むことで、金物11を一方材52に取り付ける。なお、ボルト36の先端部にはナット35を螺合させ、金物11を一方材52に引き寄せる。また他方材62には、三層構造のCLTを用いており、左右の側ラミナ64の間に中ラミナ63が挟み込まれている。そして他方材62の端部には、金物11を埋め込むための収容溝65を加工してあり、その奥方には、延長板21を差し込むためのスリット66を加工してある。
他方材62の側面には、左右二列のピン穴67、68を加工してあるが、そのうち端部寄りのピン穴67には、固定具37を差し込む。この固定具37は、金物11の側穴17および側溝18のほか、延長板21の連通穴27に差し込まれ、他方材62と金物11と延長板21を一体化する。また内寄りのピン穴68には、接合手段である棒材38を差し込む。このピン穴68は、スリット66と交差しており、棒材38を介して他方材62と延長板21が一体化する。スリット66の両側には、中ラミナ63が残っており、棒材38は、中ラミナ63と側ラミナ64の双方で保持される。なお仮に、スリット66を加工した位置に中ラミナ63同士の境界(図9参照)が存在していた場合でも、中ラミナ63は側ラミナ64に接着されており、中ラミナ63が脱落することはない。
図7の下方に描くように、一方材52に金物11を取り付け、他方材62に延長板21を取り付けた後、他方材62を一方材52に接近させ、収容溝65の中に金物11の側面板14を配置し、最後に固定具37を差し込むと、連結具を介して一方材52と他方材62が一体化する。このように、固定具37と棒材38を用いることで、他方材62と金物11は強固に一体化され、さらに延長板21と棒材38により、金物11は確実に中ラミナ63とも一体化される。なお図7では、図1のような埋設板41は用いていない。
図8は、図7と同様、連結具を用いて柱と横架材を一体化する場合を示しているが、ここでは補強具として曲げ板22を用いている。曲げ板22は、他方材62の端部に加工した収容溝65に埋め込まれ、ネジ釘39を介して他方材62に取り付ける。このネジ釘39は、曲げ板22の中板23の釘穴26を抜け、他方材62の中ラミナ63に差し込まれる。また曲げ板22は、固定具37を介して金物11と一体化する。そのため金物11は、中ラミナ63と外ラミナ64の双方と一体化し、強度上の問題を生じることがない。
11 金物
13 正面板
14 側面板
15 ホゾ
16 中穴
17 側穴
18 側溝
21 延長板(補強具)
22 曲げ板(補強具)
23 中板
24 横板
26 釘穴(曲げ板に設けてある方)
27 連通穴
28 後穴
35 ナット
36 ボルト
37 固定具
38 棒材(接合手段)
39 ネジ釘(接合手段)
41 埋設板
44 釘穴(埋設板に設けてある方)
45 ホゾ穴
46 メネジ
49 ネジ釘(埋設板の取り付け用)
51 一方材(床材)
52 一方材(柱)
54 凹部
61 他方材(壁材)
62 他方材(横架材)
63 中ラミナ
64 側ラミナ
65 収容溝
66 スリット
67 ピン穴(側穴および連通穴と揃うもの)
68 ピン穴(後穴と揃うもの)

Claims (3)

  1. 一方材(51または52)と他方材(61または62)を一体化するために用い、
    コの字状の金物(11)と、該金物(11)の後端から突出するように配置する補強具と、該金物(11)と該補強具を一体化する棒状の固定具(37)と、該補強具を前記他方材(61または62)に取り付ける接合手段と、からなり、
    前記金物(11)は、中央に位置し且つ前記一方材(51または52)に取り付けられる正面板(13)と、該正面板(13)の両端から突出する一対の側面板(14)と、で構成され、前記補強具の一端側は、一対の該側面板(14)の間に入り込み、
    前記補強具は、前記金物(11)の後端から突出して前記他方材(61または62)の内部に入り込み、前記接合手段は、該金物(11)から離れて配置してあり、
    前記側面板(14)には、前記固定具(37)を差し込むための側穴(17)を設けてあり、前記補強具には、該固定具(37)を差し込むための連通穴(27)を設けてあり、該固定具(37)が該側穴(17)と該連通穴(27)を貫くことで前記金物(11)と該補強具が一体化することを特徴とする連結具。
  2. 前記補強具は平面状の延長板(21)で、且つ前記接合手段は棒材(38)で、該延長板(21)の一端側には前記連通穴(27)を設けてあり、他端側には該棒材(38)を差し込むための後穴(28)を設けてあることを特徴とする請求項1記載の連結具。
  3. 前記補強具はコの字状の曲げ板(22)で、且つ前記接合手段はネジ釘(39)で、該曲げ板(22)は、中央に位置する中板(23)と両側に位置する横板(24)とで構成され、該中板(23)は、前記正面板(13)と対向するように配置し、該ネジ釘(39)は、一対の該横板(24)の間から該中板(23)を抜けて前記他方材(61または62)に差し込まれることを特徴とする請求項1記載の連結具。
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