JP2019156677A - ミルドファイバーを含む無機フィラーの製造方法と前記無機フィラーを含む樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)
無機フィラーの製造方法であって、
繊維長分布を有し、
個数基準の累積分布95%での繊維長(L95)が100〜10000μm、
個数基準の累積分布5%での繊維長(L5)が1〜50μm、
及び、JIS R 3420(2013年)のA法での測定で、平均繊維径(Φ)が1〜24μmである
ミルドファイバー(A)と、
金属酸化物微小粒子(一次粒子)の凝集体である二次粒子を有し、
前記二次粒子の、体積粒度分布の50%積算粒子径(D50)が、
1〜10μm、
且つ、D50≦Φ、である
金属酸化物粒子(B)とを、
B/(A+B)が、0.008〜11質量%となるように
乾式混合物を形成する、乾式混合工程、
を備える、無機フィラーの製造方法である。
(2)
前記金属酸化物粒子(B)が、シリカからなる、(1)に記載の無機フィラーの製造方法である。
また、本発明は、
(3)
前記のミルドファイバー(A)が、ガラス繊維からなる、(1)又は(2)に記載の無機フィラーの製造方法である。
(4)
前記乾式混合工程の後、前記乾式混合物を分級する、分級工程を備える、(1)〜(3)のいずれかに記載の無機フィラーの製造方法である。
(5)
前記分級工程が、乾式状態でなされる、(4)に記載の無機フィラーの製造方法である。
さらに、本発明は、
(6)
請求項1〜5のいずれかに記載の無機フィラーの製造方法によって得られた無機フィラーと樹脂材料とを混錬する、樹脂材料の混錬工程を備える、
樹脂組成物の製造方法である。
前記ミルドファイバー(A)は、繊維長分布を有し、L95が100〜10000μm、L5が1〜50μm、平均繊維径が1〜24μmで、好ましくは、L50が30〜500μm(但し、前記L5よりは長いものとする)。このような分布を備えるミルドファイバー(A)は、市中から入手してもよいし、市中から入手したミルドファイバー(A)を、乾式や湿式での分級操作によって調整して得てもよい。また、前記ミルドファイバー(A)のL50での繊維長は、30〜500μm(但し、前記L5よりは長いものとする)としてもよい。
このミルドファイバー(A)の流動性の改善は、ミルドファイバー(A)に混合される金属酸化物粒子(B)の大きさと、量が影響している。
また、D50が1μmより小さい場合、微小な金属酸化物粒子(B)がミルドファイバー(A)の表面に吸着することとなる。この場合、金属酸化物粒子(B)が吸着したミルドファイバー(A)の表面の凹凸の程度は小さく、前記ミルドファイバー(A)同士の凝集を阻害するまでには至らないものと思われる。
前記のような、ミルドファイバー(A)の表面への金属酸化物粒子(B)の吸着のことを考慮すると、前記金属酸化物粒子(B)のD50が1〜7μmの範囲内にあるものとしてもよい。特許文献3では、非凝集体の200nm以下の微小粒子が無機繊維材料の流動性を改善することが示唆されているが、凝集体(二次粒子)を用いた場合は、それとは挙動が異なると推定される。
ミルドファイバー(A)への金属酸化物粒子(B)の吸着は、「物理吸着」と思われる。
本発明の無機フィラーは、本発明の目的を阻害しない範囲で、その他の成分、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤などのカップリング剤、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、無変性ポリオレフィン樹脂などの集束剤、カチオン系、ノニオン系、アニオン系、シリコーン系の界面活性剤からなる潤滑剤、無機塩、金属塩などからなる帯電防止剤等を含んでもよい。
前記樹脂組成物は、
無機フィラーを準備する、無機フィラーの準備工程と、
前記無機フィラーと樹脂材料とを混錬する、樹脂材料の混錬工程と、を備え、
前記無機フィラーの準備工程が、
繊維長分布を有し、
個数基準の累積分布95%での繊維長(L95)が100〜10000μm、
個数基準の累積分布5%での繊維長(L5)が1〜50μm、
JIS R 3420(2013年)のA法での測定で、平均繊維径1〜24μmのミルドファイバー(A)と、
金属酸化物微小粒子(一次粒子)の凝集体である二次粒子の、
体積粒度分布の、50%積算粒子径(D50)が
1〜10μm、
且つ、D50≦Φ、である
金属酸化物粒子(B)とを、
B/(A+B)が、0.008〜11質量%となるように
乾式混合物を形成する、乾式混合工程、
を備える方法にて得ることができる。
実施例1〜9及び比較例4、5で供したミルドファイバー(A)とシリカ粒子(B)との乾式混合物は、アキシャルミキサー(杉山重工株式会社製、型番UA−02S)を用いて得られた。
前記アキシャルミキサーは混合槽の底面に主翼、前記混合槽の側面に副翼(以下、チョッパーと記載する)の二つの撹拌翼を有する。
本実施例及び比較例で得られた部材は、以下に示す方法により評価された。
パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製PT-X型)を用いて、各実施例、各比較例の無機フィラーの、安息角、圧縮度、スパチュラ角、凝集度を測定し、各値と、Carrの流動性指数表との対比から、各実施例、各比較例の無機フィラーのCarr流動性指数を求めた。また、Carr流動性指数から、各実施例、各比較例の無機フィラーの流動性の程度を以下の区分に従って、評価した。
Eガラスのガラス繊維で、繊維径が11μ、L5,L50、L95の各々が20μm、150μm、500μmのミルドファイバー(A)と、
非晶質の合成シリカで、D50が、8.0μmのシリカ粒子(B)を準備した。
具体的には、前記(A)2.0kgと前記(B)0.020kgとを前記アキシャルミキサーに投入した。そして、主翼回転数200rpm、チョッパー回転数500rpm、撹拌時間5分の撹拌条件で撹拌し、(A)と(B)との乾式混合物である無機フィラーを得た。
[実施例2]
ミルドファイバー(A)は、実施例1と同様のものを準備した。
シリカ粒子(B)は、D50が、1.8μmのものを準備した。
前記(A)と前記(B)とを、B/(A+B)が1.0(質量%)となる割合で乾式混合し無機フィラーを得た。
具体的には、前記(A)2.0kgと前記(B)0.020kgとを前記アキシャルミキサーに投入した。そして、主翼回転数200rpm、チョッパー回転数500rpm、撹拌時間5分の撹拌条件で撹拌し、(A)と(B)との乾式混合物である無機フィラーを得た。
[実施例3]
ミルドファイバー(A)は、実施例1と同様のものを準備した。
シリカ粒子(B)は、D50が、2.5μmのものを準備した。
前記(A)と前記(B)とを、B/(A+B)が1.0(質量%)となる割合で乾式混合し無機フィラーを得た。
具体的には、前記(A)2.0kgと前記(B)0.020kgとを前記アキシャルミキサーに投入した。そして、主翼回転数200rpm、チョッパー回転数500rpm、撹拌時間5分の撹拌条件で撹拌し、(A)と(B)との乾式混合物である無機フィラーを得た。
[実施例4]
ミルドファイバー(A)とシリカ粒子(B)は、実施例1と同じものを準備した。
前記(A)と前記(B)とを、B/(A+B)が1.0(質量%)となる割合で乾式混合し無機フィラーを得た。
具体的には、前記(A)2.0kgと前記(B)0.002kgとを前記アキシャルミキサーに投入した。そして、主翼回転数200rpm、チョッパー回転数500rpm、撹拌時間5分の撹拌条件で撹拌し、(A)と(B)との乾式混合物である無機フィラーを得た。
[実施例5]
ミルドファイバー(A)とシリカ粒子(B)は、実施例1と同じものを準備した。
前記(A)と前記(B)とを、B/(A+B)が1.0(質量%)となる割合で乾式混合し無機フィラーを得た。
具体的には、前記(A)2.0kgと前記(B)0.041kgとを前記アキシャルミキサーに投入した。そして、主翼回転数200rpm、チョッパー回転数500rpm、撹拌時間5分の撹拌条件で撹拌し、(A)と(B)との乾式混合物である無機フィラーを得た。
[実施例6]
ミルドファイバー(A)とシリカ粒子(B)は、実施例1と同じものを準備した。
前記(A)と前記(B)とを、B/(A+B)が1.0(質量%)となる割合で乾式混合し無機フィラーを得た。
具体的には、前記(A)2.0kgと前記(B)0.105kgとを前記アキシャルミキサーに投入した。そして、主翼回転数200rpm、チョッパー回転数500rpm、撹拌時間5分の撹拌条件で撹拌し、(A)と(B)との乾式混合物である無機フィラーを得た。
[実施例7]
ミルドファイバー(A)とシリカ粒子(B)は、実施例1と同じものを準備した。
前記(A)と前記(B)とを、B/(A+B)が1.0(質量%)となる割合で乾式混合し無機フィラーを得た。
具体的には、前記(A)2.0kgと前記(B)0.222kgとを前記アキシャルミキサーに投入した。そして、主翼回転数200rpm、チョッパー回転数500rpm、撹拌時間5分の撹拌条件で撹拌し、(A)と(B)との乾式混合物である無機フィラーを得た。
[実施例8]
Eガラスのガラス繊維で、繊維径が11μ、L5,L50、L95の各々が12μm、100μm、380μmのミルドファイバー(A)と、 実施例1と同じシリカ粒子(B)とを準備した。
前記(A)と前記(B)とを、B/(A+B)が1.0(質量%)となる割合で乾式混合し無機フィラーを得た。
具体的には、前記(A)2.0kgと前記(B)0.020kgとを前記アキシャルミキサーに投入した。そして、主翼回転数200rpm、チョッパー回転数500rpm、撹拌時間5分の撹拌条件で撹拌し、(A)と(B)との乾式混合物である無機フィラーを得た。
[実施例9]
Eガラスのガラス繊維で、繊維径が11μ、L5,L50、L95の各々が10μm、80μm、300μmのミルドファイバー(A)と、
実施例1と同じシリカ粒子(B)とを準備した。
前記(A)と前記(B)とを、B/(A+B)が1.0(質量%)となる割合で乾式混合し無機フィラーを得た。
具体的には、前記(A)2.0kgと前記(B)0.020kgとを前記アキシャルミキサーに投入した。そして、主翼回転数200rpm、チョッパー回転数500rpm、撹拌時間5分の撹拌条件で撹拌し、(A)と(B)との乾式混合物である無機フィラーを得た。
[比較例1]
Eガラスのガラス繊維で、繊維径が11μ、L5,L50、L95の各々が20μm、150μm、500μmのミルドファイバー(A)を準備した。
この無機フィラーから実施例1と同様にしてCarr流動性指数を求め、流動性の程度を評価した。
[比較例2]
Eガラスのガラス繊維で、繊維径が11μ、L5,L50、L95の各々が12μm、100μm、380μmのミルドファイバー(A)を準備した。
この無機フィラーから実施例1と同様にしてCarr流動性指数を求め、流動性の程度を評価した。
[比較例3]
Eガラスのガラス繊維で、繊維径が11μ、L5,L50、L95の各々が10μm、80μm、300μmのミルドファイバー(A)を準備した。
この無機フィラーから実施例1と同様にしてCarr流動性指数を求め、流動性の程度を評価した。
[比較例4]
ミルドファイバー(A)とシリカ粒子(B)は、実施例1と同じものを準備した。
前記(A)と前記(B)とを、B/(A+B)が1.0(質量%)となる割合で乾式混合し無機フィラーを得た。
具体的には、前記(A)2.0kgと前記(B)0.001kgとを前記アキシャルミキサーに投入した。そして、主翼回転数200rpm、チョッパー回転数500rpm、撹拌時間5分の撹拌条件で撹拌し、(A)と(B)との乾式混合物である無機フィラーを得た。
Carr流動性指数は40.5、流動性の程度は「低い」であった。
[比較例5]
ミルドファイバー(A)とシリカ粒子(B)は、実施例1と同じものを準備した。
前記(A)と前記(B)とを、B/(A+B)が1.0(質量%)となる割合で乾式混合し無機フィラーを得た。
具体的には、前記(A)2.0kgと前記(B)0.273kgとを前記アキシャルミキサーに投入した。そして、主翼回転数200rpm、チョッパー回転数500rpm、撹拌時間5分の撹拌条件で撹拌し、(A)と(B)との乾式混合物である無機フィラーを得た。
Carr流動性指数は45、流動性の程度は「低い」であった。
Claims (6)
- 無機フィラーの製造方法であって、
繊維長分布を有し、
個数基準の累積分布95%での繊維長(L95)が100〜10000μm、
個数基準の累積分布5%での繊維長(L5)が1〜50μm、
及び、JIS R 3420(2013年)のA法での測定で、平均繊維径(Φ)が1〜24μmである
ミルドファイバー(A)と、
金属酸化物微小粒子(一次粒子)の凝集体である二次粒子を有し、
前記二次粒子の、体積粒度分布の50%積算粒子径(D50)が、
1〜10μm、
且つ、D50≦Φ、である
金属酸化物粒子(B)とを、
B/(A+B)が、0.008〜11質量%となるように
乾式混合物を形成する、乾式混合工程、
を備える、無機フィラーの製造方法。 - 前記金属酸化物粒子(B)が、シリカからなる、請求項1に記載の無機フィラーの製造方法。
- 前記のミルドファイバー(A)が、ガラス繊維からなる、請求項1又は2に記載の無機フィラーの製造方法。
- 前記乾式混合工程の後、前記乾式混合物を分級する、分級工程を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の無機フィラーの製造方法。
- 前記分級工程が、乾式状態でなされる、請求項4に記載の無機フィラーの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の無機フィラーの製造方法によって得られた無機フィラーと樹脂材料とを混錬する、樹脂材料の混錬工程を備える、
樹脂組成物の製造方法。
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JP2001081336A (ja) * | 1999-09-16 | 2001-03-27 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | ガラス繊維含有熱可塑性樹脂成形材料および製造方法 |
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