本発明の一実施形態に係るエレベータ10を、図1乃至図18を用いて説明する。図1は、エレベータ10の構成を示す正面図である。図2は、エレベータ10の構成を示す側面図である。図3は、エレベータ10の構成を示す平面図である。
図4は、エレベータ10に用いられる搬器ユニット40の構成を示す側面図である。図5は、搬器ユニット40に用いられるフレーム50を模式的に示す斜視図である。図6は、フレーム50、及び搬器ユニット40に用いられる駆動装置60を示す側面図である。
図7は、搬器ユニット40に用いられる搬器70の底壁部74を模式的に示す分解斜視図である。図7では、分解された底壁部74を実線で示しており、分解されていない底壁部74を2点鎖線で示している。図8及び図9は、底壁部74の断面を示しており、具体的には、底壁部74を図7に示すVIII−VIII線断面に沿って示す断面、及び、底壁部74を図7に示すIX−IX線断面に沿って示す断面である。
図10は、フレーム50及び搬器70の連結構造を示す正面図である。図11は、エレベータ10の第2モードの構成を示す正面図である。図12は、エレベータ10に用いられる搬器ユニット40の第2モードでの構成を示す側面図である。
図13は、エレベータ10の第2モードでの構成を示す側面図であり、具体的には、ポスト20の下端近傍を示している。図14は、エレベータ10の第2のモードでの構成を示す側面図であり、具体的には、ポスト20の上端近傍を示している。図15は、搬器70に用いられる扉73の構成を示す側面図であり、扉73が閉じた状態を示している。図16は、扉73及び扉開閉機構100の構成を模式的に示す側面図である。図17は、扉73の構成を示す側面図であり、扉73が一部開いた状態を示している。図18は、扉73の構成を示す側面図であり、扉73が開いた状態を示している。
図1乃至図4に示すように、エレベータ10は、ポスト20と、ポスト20に設けられたラックギヤ30と、ポスト20に沿って移動可能に構成された搬器ユニット40と、扉開閉機構100(図16に示す)と、踏板110と、踏板開閉機構120(図15に示す)と、を有している。
エレベータ10は、例えば、建設中の建物の屋外または屋内に設置されて、作業員、資材等を、昇降する。エレベータ10は、搬器ユニット40の搬器70がフレーム50に吊られた状態で使用される第1のモードと、搬器70がフレーム50の後述する搬器支持フレーム52の上に載置された状態で使用される第2のモードと、を有している。図1乃至図4は、第1のモードのエレベータ10、または、第1のモードの搬器ユニット40を示している。
ポスト20は、一例として、一本用いられている。ポスト20は、搬器ユニット40の走行をガイドする機能を有している。ポスト20は、上下方向Vに平行に延びている。なお、本実施形態では、重力が作用する方向を下方向とし、反対方向を上方向として上下方向Vを定める。
ポスト20は、図3に示すように、搬器ユニット40が移動可能に連結可能なガイド部21と、ガイド部21を支持する支持部22と、を有している。ガイド部21は、例えば、上下方向に延びた円柱であり、例えば複数、具体例として4本用いられている。支持部22は、柱状に形成される。支持部22は、例えば断面矩形状に形成されている。支持部22は、上下方向Vに平行となる姿勢で、設置される。ガイド部21は、上下方向Vに平行となる姿勢で、支持部22の四隅に1本ずつ固定されている。
このように構成されたポスト20は、図2に示すように、複数のユニット20aを連結することにより構成される。すなわち、各ユニット20aは、ガイド部21と、支持部22と、を有している。
また、ポスト20の上端部には、図14に示すように、ハイバッファ23が設けられている。ハイバッファ23は、ポスト20への取り付け用の金具23aと、金具23aに固定された弾性体23bと、を有している。
弾性体23bは、例えばコイルばねである。弾性体23bは、搬器ユニット40の後述するフレーム50に当接して縮むことによって、搬器ユニット40の上方への移動を停止する。弾性体23bは、上下方向Vに、フレーム50の例えばフレーム本体51の一部と対向する位置に配置されている。
図1、図2、図11、及び図13に示すように、地面においてポスト20の下端近傍には、バッファ5が設置されている。バッファ5は、搬器ユニット40の後述するフレーム50のフレーム本体51の下端に当接して縮むことによって、搬器ユニット40の下方への移動を停止する。バッファ5は、例えば弾性体であり、具体例として、複数のコイルばねから構成されている。バッファ5は、搬器ユニット40の後述するフレーム50のフレーム本体51の下端と上下方向Vに対向する位置に配置されている。
ラックギヤ30は、図3に示すように、ポスト20の、例えば支持部22に固定されている。ラックギヤ30は、上下方向Vに延びている。ラックギヤ30は、例えばポスト20の下端から、ハイバッファ23の弾性体23bの下端より所定距離高い位置まで延びている。ラックギヤ30の上端は、例えば、ハイバッファ23の弾性体23bの上端と同じ高さに位置している。
搬器ユニット40は、図4乃至図6に示すように、ポスト20に移動可能に連結されるフレーム50と、フレーム50に固定された駆動装置60と、自動落下防止装置65と、フレーム50に着脱可能に固定される搬器70と、磁気スイッチ130と、を有している。搬器ユニット40は、駆動装置60により、搬器70が固定されたフレーム50が、ポスト20に沿って昇降する。なお、搬器ユニット40の上下方向は、本実施形態では、搬器ユニット40がポスト20に組み付けられた状態において上下方向Vと同じである。
フレーム50は、図5に示すように、フレーム本体51と、搬器支持フレーム52と、を有している。フレーム本体51は、例えば、梯子状に形成されている。フレーム本体51は、第1のフレーム部材51aと、第2のフレーム部材51bと、複数の梁部材51cと、を有している。
第1のフレーム部材51aと第2のフレーム部材51bとは、例えば、互いに平行に配置されている。複数の梁部材51cは、第1のフレーム部材51aと第2のフレーム部材51bとに固定されている。
また、フレーム本体51は、図2及び図3に示すように、ポスト20のガイド部21に移動可能に係合する係合部53を有している。係合部53は、図3に示すように、例えば、ポスト20のガイド部21を挟み込む一対のローラ53aを有している。係合部53は、第1のフレーム部材51aと、第2のフレーム部材51bとのそれぞれに、設けられている。係合部53は、例えば、第1のフレーム部材51aと第2のフレーム部材51bとのそれぞれに、複数設けられても良い。
このように構成されたフレーム本体51は、係合部53がガイド部21に係合された状態では、第1のフレーム部材51a及び第2のフレーム部材51bが上下方向に平行な姿勢となる。また、第1のフレーム部材51a及び第2のフレーム部材51bは、上下方向に直交する方向に並ぶ。本実施形態では、第1のフレーム部材51a及び第2のフレーム部材51bが並ぶ方向を幅方向Wとする。さらに、上下方向Vに直交し、かつ、幅方向Wに直交する方向を前後方向Fとする。
搬器支持フレーム52は、図5に示すように、フレーム本体51に固定されている。搬器支持フレーム52は、搬器70を吊ることが可能であり、かつ、搬器70を載置することを可能に構成されている。すなわち、エレベータ10は、搬器70が搬器支持フレーム52に吊るされた状態で使用される第1のモードと、搬器70が搬器支持フレーム52の上に載置された状態で使用される第2のモードと、の2つのモードのうちいずれかのモードで使用される。図1乃至図4に、エレベータ10が第1のモードで使用された状態を示して説明するが、第2のモードでは、フレーム50を上下(V方向)を反転させた状態となる。
搬器支持フレーム52は、第1の水平フレーム54と、第2の水平フレーム58と、第1の水平フレーム54及び第2の水平フレーム58をフレーム本体51に固定する固定フレーム55と、を有している。
第1の水平フレーム54は、例えば棒状の部材から形成されている。本実施形態では、第1の水平フレーム54は、例えば断面矩形の棒部材から形成されている。第1の水平フレーム54は、フレーム本体51に対して、前後方向Fに隙間を有して配置されている。なお、フレーム本体51に対して第1の水平フレーム54が配置される側を、前側とする。第1の水平フレーム54は、例えば幅方向Wに平行となる姿勢で、固定フレーム55を介してフレーム本体51に固定される。第1の水平フレーム54の長手方向の長さは、フレーム本体51の幅方向Wの長さよりも長い。
第1の水平フレーム54の両端には、連結部54aが形成されている。連結部54aは、搬器70の上面に形成された、後述する被連結部78が連結可能に形成されている。連結部54aは、例えば、第1の水平フレーム54の両端のそれぞれから、幅方向に突出する突出部54bと、突出部54bに形成された孔54cと、を有している。突出部54bは、第1の水平フレーム54の上下方向Vの厚み内に配置されている。換言すると、突出部54bは、第1の水平フレーム54の上端と下端との間に配置されている。さらに換言すると、突出部54bの上端は、第1の水平フレーム54の上端と同じ高さ位置、または、第1の水平フレーム54の上端より低い位置にある。突出部54bの下端は、第1の水平フレーム54の下端と同じ高さ位置、または第1の水平フレーム54の下端より高い位置にある。
本実施形態では、突出部54bは、第1の水平フレーム54とは異なる、板状の吊りピース部材56を第1の水平フレーム54の両端部のそれぞれに固定することにより、形成されている。吊りピース部材56の上端は、第1の水平フレーム54の上端と同じ高さ位置、または、当該上端より低い位置ある。吊りピース部材56の下端は、第1の水平フレーム54の下端(面52a)と面一、または、当該下端より高い位置にある。
第2の水平フレーム58は、例えば棒状の部材から形成されている。本実施形態では、第2の水平フレーム58は、例えば断面矩形の棒部材から形成されている。第2の水平フレーム58は、フレーム本体51と第1の水平フレーム54との間に配置されている。
第2の水平フレーム58は、例えば幅方向Wに平行となる姿勢で、固定フレーム55を介してフレーム本体51に固定される。第2の水平フレーム58の長手方向の長さは、フレーム本体51の幅方向Wの長さよりも長い。また、第2の水平フレーム58の長手方向の長さは、第1の水平フレーム54の長手方向の長さよりも短い。
なお、本実施形態では、第1の水平フレーム54と、第2の水平フレーム58とは、同一の断面形状を有する棒材から形成されている。
固定フレーム55は、例えば、第1の梁部材55aと、第2の梁部材55bと、第1の方杖55cと、第2の方杖55dと、を有している。なお、第1の梁部材55aと、第2の梁部材55bと、第1の方杖55cと、第2の方杖55dとは、第1の水平フレーム54と同一の断面形状を有する棒部材から形成されている。
第1の梁部材55aは、例えば棒状に形成されている。第1の梁部材55aの一端は、第1のフレーム部材51aの一端側に固定されている。ここで言う一端側に固定されるとは、他端に対して一端に近い部位に固定されることである。第1の梁部材55aの他端は、第1の水平フレーム54の一端に固定されている。また、第1の梁部材55aは、第1のフレーム部材51aに直交する姿勢で、第1のフレーム部材51a及び第1の水平フレーム54に固定されている。また、第1の梁部材55aは、第2の水平フレーム58の一端が固定されている。
第2の梁部材55bは、例えば棒状に形成されている。第2の梁部材55bの一端は、第2のフレーム部材51bの一端側に固定されている。ここで言う一端側に固定されるとは、他端に対して一端に近い部位に固定されることである。第2の梁部材55bの他端は、第1の水平フレーム54の他端に固定されている。また、第2の梁部材55bは、第2のフレーム部材51bに直交する姿勢で、第2のフレーム部材51b及び第1の水平フレーム54に固定されている。また、第2の梁部材55bは、第2の水平フレーム58の他端が固定されている。
第1の梁部材55aから第2の梁部材55bまでの幅方向Wに沿う長さは、第1の水平フレーム54の長手方向の長さが、フレーム本体51の幅方向Wの長さよりも長いことから、フレーム本体51から第1の水平フレーム54に向かって漸次長くなる。
第1の梁部材55aの上端と、第2の梁部材55bの上端と、第1の梁部材55aの上端と、第2の梁部材55bの上端とは、上下方向に直交する同一平面上に位置する。第1の梁部材55aの下端と、第2の梁部材55bの下端と、第1の梁部材55aの下端と、第2の梁部材55bの下端とは、上下方向に直交する同一平面上に位置する。なお、第1の水平フレーム54と、第2の水平フレーム58と、第1の梁部材55aと、第2の梁部材55bとは、本実施形態では一例として同形状の断面を有する棒部材から形成されている。この為、それぞれの上端を同一平面上に配置し、かつ、それぞれの下端を同一平面上に配置する構成としやすい。
また、第1の梁部材55aと第2の梁部材55bとには、それぞれ、連結部58aが形成されている。連結部58aは、搬器70の上面に形成された、後述する被連結部78が連結可能に形成されている。連結部58aは、例えば、第1の梁部材55a及び第2の梁部材55bのそれぞれの幅方向外側の側面において第2の水平フレーム58の延長線と交差する位置に配置されている。
連結部58aは、幅方向に突出する突出部58bと、突出部58bに形成された孔58cと、を有している。第1の梁部材55aに形成された突出部58bは、第1の梁部材55aの上下方向Vの厚み内に配置されている。換言すると、突出部58bは、第1の梁部材55aの上端と下端との間に配置されている。さらに換言すると、突出部58bの上端は、第1の梁部材55aの上端と同じ高さ位置、または、第1の梁部材55aの上端より低い位置にある。突出部58bの下端は、第1の梁部材55aの下端と同じ高さ位置、または、第1の梁部材55aの下端より高い位置にある。第2の梁部材55bに形成された突出部58bは、第1の梁部材55aに形成された突出部58bと同様に、第2の梁部材55bの上下方向Vの厚み内に配置されている。
本実施形態では、突出部58bは、第1の梁部材55a及び第2の梁部材55bとは異なる、板状の吊りピース部材59を第1の梁部材55a及び第2の梁部材55bのそれぞれに固定することにより、形成されている。また、吊りピース部材59の上端は、第1の水平フレーム54の上端すなわち第2の水平フレーム58の上端と同じ高さ位置、または、当該上端より低い位置ある。吊りピース部材56の下端は、第1の水平フレーム54の下端(面52a)すなわち第2の水平フレーム58の下端と面一、または、当該下端より高い位置にある。
このように構成された連結部54a及び連結部58aは、本実施形態では一例として、孔54c,58cが前後方向に貫通し、孔54c及び58cは、同一高さに配置される。
第1の方杖55cは、例えば棒状に形成されている。第1の方杖55cの一端は、第1のフレーム部材51aの一端に固定されている。第1の方杖55cの他端は、第1の水平フレーム54の一端部に固定されている。
第2の方杖55dは、例えば棒状に形成されている。第2の方杖55dの一端は、第2のフレーム部材51bの一端に固定されている。第2の方杖55dの他端は、第1の水平フレーム54の他端に固定される。
第1の方杖55cから第2の方杖55dまでの幅方向Wに沿う長さは、第1の水平フレーム54の長手方向の長さがフレーム本体51の幅方向の長さよりも長いことから、フレーム本体51から第1の水平フレーム54に向かって漸次長くなる。
また、第1の方杖55cの一端55c1が、第1の梁部材55aの一端55a1より、第1のフレーム部材51aの一端側に位置する。第2の方杖55dの一端55d1が、第2の梁部材55bの一端55b1より、第2のフレーム部材51bの一端側に位置する。この為、第1の方杖55c及び第2の方杖55dは、フレーム本体51の長手方向に対して傾斜する姿勢で、フレーム本体51及び第1の水平フレーム54に固定される。
このように構成された搬器支持フレーム52の、フレーム本体51の他端側の面52aは、搬器70を載置可能な面に構成されている。面52aは、エレベータ10が第1のモードで使用される場合は、下面となる。面52aは、エレベータ10が第2のモードで使用される場合は、上面となる。
面52aは、本実施形態では、第1の水平フレーム54と、第2の水平フレーム58と、第1の梁部材55aと、第2の梁部材55bと、から構成されている。面52aは、例えば、フレーム本体51の長手方向に直交する平面に形成されている。搬器ユニット40がポスト20に組み付けられた状態では、ポスト20が上下方向Vに平行となることから、フレーム本体51の長手方向が上下方向Vに平行となる。この為、搬器ユニット40がポスト20に組み付けられた状態では、面52aは、上下方向Vに直行する平面となる。
本実施形態では、第1の水平フレーム54、第2の水平フレーム58、第1の梁部材55a、及び第2の梁部材55bのそれぞれの、上下方向Vに方杖55c,55dの反対側の面は、上下方向Vに直交する、同一平面に形成されている。そして、これら平面により、面52aが形成される。吊りピース部材56,59と、後述するボルト挿通部材151とは、面52aに対して上下方向Vに方杖55c,55dの反対側に突出しない。
また、フレーム本体51は、図4に示すように、被連結部78が連結部54a及び連結部58aに連結されることによって搬器70が搬器支持フレーム52に吊るされた状態において、すなわち、エレベータ10が第1のモードで使用される状態において、フレーム本体51の下端となる一端57が、搬器70の下面70aより上方に位置する長さを有している。さらに、フレーム本体51は、図12に示すように、搬器70が、搬器支持フレーム52の面52a上に載置された状態において、すなわち、エレベータ10が第2のモードで使用される状態において、搬器70の上面がフレーム本体51の上端となる一端57より上方に位置する長さを有している。
駆動装置60は、図2及び図3に示すように、ラックギヤ30に噛み合うピニオンギヤ61と、ピニオンギヤ61を駆動する駆動部62と、を有している。駆動部62は、例えば、電動モータ63と、電動モータ63の出力軸の回転を、減速してピニオンギヤ61に伝達する減速機64と、を有している。電動モータ63は、ピニオンギヤ61を両方向に回転可能に構成されている。
また、駆動装置60は、例えば、複数用いられており、具体例として、2つ用いられている。このように構成された駆動装置60は、図6に示すように、フレーム50において面52aの反対側に配置されており、フレーム50に固定されている。本実施形態では、駆動装置60は、第1の方杖55c及び第2の方杖55dの間に配置されており、フレーム本体51に固定されている。
自動落下防止装置65は、搬器ユニット40の上昇速度または下降速度が予め設定された所定の速度以上となると、搬器ユニット40の上昇または下降を停止することを可能に構成されている。自動落下防止装置65は、例えば、ラックギヤ30に係合するギヤと、このギヤの回転数を検出して搬器ユニット40の昇降を停止させるセンサと、搬器ユニット40の下降速度が所定の速度以上となるとラックギヤ30に係合した上記ギヤの回転を停止させて、搬器ユニット40の下降を停止させる遠心ブレーキと、を有している。このように構成された自動落下防止装置65は、面52aの上下方向Vに反対側に配置されている。本実施形態では、自動落下防止装置65は、第1の方杖55c及び第2の方杖55dの間に配置されており、フレーム本体51に固定されている。
搬器70は、作業員、資材等を収容可能に形成されている。搬器70は、搬器本体71と、搬器本体71に設けられて搬器本体71の開口72を開閉する扉73と、を有している。
搬器本体71は、例えば外観が直方体状に形成されている。搬器本体71は、底壁部74と、底壁部74に固定された周壁部75と、周壁部75に固定された天井壁部77と、を有している。
底壁部74は、図7に示すように、底壁部本体80と、搬器70内に収容された収容物の重さを検出する荷重検出センサ81と、を有している。なお、図7では、周壁部75及び天井壁部77は省略されている。荷重検出センサ81は、例えばロードセルである。底壁部74の下面は、平面に形成されている。底壁部74の下面は、搬器70の下面70aとなる。なお、下面70aは、本実施形態では、後述する底壁部用フレーム82の下面となる。
底壁部本体80は、枠状に形成された底壁部用フレーム82と、底壁部用フレーム82内に固定された複数の梁83と、これら複数の梁83の上に載置された底板84と、を有している。
底壁部用フレーム82は、例えば矩形の枠状に形成されている。梁83は、底壁部用フレーム82の内周面の、互いに対向する2点に固定されている。梁83は、幅方向に離間して2本設けられている。一方の梁83は、底壁部用フレーム82の前後方向Fに沿う一方の縁部の近傍に配置されている。他方の梁83は、底壁部用フレーム82の前後方向Fに沿う他方の縁部の近傍に配置されている。両梁83は、前後方向Fに延びている。
梁83は、例えば、2つの梁部材83aと、支持板部材83bと、を有している。支持板部材83bは、2つの梁部材83aの間に配置されている。2つの梁部材83aの上面83a1、及び支持板部材83bの上面83b1は、底壁部用フレーム82の上面82aよりも低い。
支持板部材83bの上面83b1の長手方向の両端部のそれぞれに、荷重検出センサ81が固定されている。梁83が上述のように配置されることから、荷重検出センサ81は、底壁部用フレーム82の内部空間の、4隅のそれぞれに配置されることとなる。
底板84は、底壁部用フレーム82内に配置されて、荷重検出センサ81上に載置される。底板84は、人や資材が載置される載置面84aを形成する。なお、図7では、底板84は、上下反転された状態が示されている。すなわち、図7では、底板84の下面84bが上方にむいており、載置面84aが、下方に向いている。実際には、底板84は、後述する梁85が下方に向いた姿勢で、底壁部用フレーム82に組み付けられる。
底板84は、例えば、底壁部用フレーム82の内縁により形成される矩形よりわずかに大きい矩形状に形成される。また、本実施形態では、底板84の下面84bに、複数の梁85が形成されている。この梁85は、底板84を底壁部用フレーム82内に配置したときに、荷重検出センサ81上に載置される位置に、配置されている。梁85は、底板84の周縁に沿って矩形状に形成されている。または、底板84の前後方向Fの中央で幅方向Wに延びている。
底板84及び梁85の厚みの合計は、底板84及び梁85の一体物を底壁部用フレーム82内に配置したときに、底板84の載置面84aと底壁部用フレーム82の上面82aとが面一、または、略面一となる厚みを有している。
本実施形態では、底板84は、上述のように、底壁部用フレーム82の内縁により形成される矩形よりわずかに大きい矩形状に形成されている。底板84及び梁85の一体物の上下方向Vの厚みは、載置面84aが底壁部用フレーム82の上面82aより若干高い位置に配置される厚みを有している。底板84の周縁部の一部例えば前部が上下方向Vに底壁部用フレーム82の内縁部と上下方向に重なっている。これは、略面一となることに一例である。この場合、底板84の周縁部の前部と底壁部用フレーム82の上面との間には、荷重検出センサ81による荷重検出を阻害しない程度の隙間が設けられている。
例えば、底板84が、底壁部用フレーム82の内縁により形成される矩形よりわずかに小さい矩形状に形成される場合では、底板84及び梁85の一体物の上下方向Vの厚みは、載置面84aが上面82aと面一となる厚みを有してもよい。
なお、本実施形態では、梁85において、底板84が底壁部用フレーム82内に配置されたときに荷重検出センサ81と対向する部分には、図8及び図9に示すように、荷重検出センサ81に当接する当接部86が形成されている。当接部86は、は、例えば所定の厚みを有する板部材であり、梁85にボルト等の固定具87により固定されている。
このように、梁85に当接部86が形成される場合は、底板84の厚み、梁85の厚み、及び当接部86の厚みは、底板84が底壁部用フレーム82内に配置されたときに、底板84の載置面84aが底壁部用フレーム82の上面82aと面一、または、載置面84aが上面82aと略面一となる厚みを有している。
周壁部75は、例えば底壁部用フレーム82の上面82aに固定されている。周壁部75は、2つの側壁部75aと、後壁部76と、を有している。天井壁部77は、周壁部75の上端に固定されている。
天井壁部77の上面77aには、連結部54a及び連結部58aに連結可能な被連結部78が形成されている。本実施形態では、連結部54aが2つ形成され、連結部58aが2つ形成されることから、被連結部78は4つ形成される。被連結部78は、搬器70を搬器支持フレーム52の下方に配置したときに、連結部54a及び連結部58aのそれぞれに対向する箇所に、形成されている。図10に示すように、被連結部78は、上面77aから上方に突出する突出部78aと、突出部78aに形成された孔78bと、を有している。孔78bは、突出部78aを前後方向Fに貫通している。
被連結部78と連結部54aとを前後方向Fに対向させて、被連結部78の孔78bと連結部54aの孔54cとを前後方向F対向させた状態で、両孔78b,54cにピン79を挿通することにより、当該ピン79を介して、連結部54a及び被連結部78が連結される。
同様に、被連結部78と連結部58aとを前後方向Fに対向させて、被連結部78の孔78bと連結部58aの孔58cとを前後方向F対向させた状態で、両孔78b,58cにピン79を挿通することにより、当該ピン79を介して、連結部58a及び被連結部78が連結される。ピン79は、孔78b及び孔54cに固定可能に、かつ、孔78b及び孔58cに固定可能に設けられている。また、ピン79の、孔54c,58c,78b内に配置される部分は、例えば断面円形に形成される。
このように構成された被連結部78は、複数、具体例として4つ設けられている。連結部54aに連結される2つの被連結部78は、幅方向Wに離間して配置されている。これら2つのうち一方の被連結部78には、一方の連結部54aがピン79により連結される。他方の被連結部78には、他方の連結部54aがピン79により連結される。
また同様に、連結部58aに連結される2つの被連結部78は、幅方向Wに離間して配置されている。これら2つのうち一方の被連結部78には、一方の連結部58aがピン79により連結される。他方の被連結部78には、他方の連結部58aがピン79により連結される。このため、ピン79で連結することにより、第1のモード及び第2のモードの切り替えが容易となる。
全ての被連結部78の孔78bは、前後方向に貫通し、かつ、同一高さ位置に配置される。
また、搬器ユニット40は、第2のモードで使用される状態において、搬器70を搬器支持フレーム52の面52aに固定する第1の固定構造150と、第1のモード及び第2のモードのそれぞれで使用される状態において、搬器70をフレーム本体51に固定する第2の固定構造160と、を有している。
第1の固定構造150は、図3及び図5に示すように搬器支持フレーム52の第1の水平フレーム54及び第2の水平フレーム58に設けられた、ボルト挿通部材151と、図7に示すように底壁部74に設けられたナット152と、図12に示すように、ナット152に螺合するボルト153と、を有している。
ボルト挿通部材151は、図3及び図5に示すように、一例として、第1の水平フレーム54の、第2の水平フレーム58に対向する面に2つ、固定されている。ボルト挿通部材151は、ボルト153が挿通可能な孔151aが形成されている。孔151aは、ボルト挿通部材151を貫通している。また、ボルト挿通部材151は、第2の水平フレーム58の第1の水平フレーム54に対向する面に2つ、固定されている。
ボルト挿通部材151は、第1の水平フレーム54及び第2の水平フレーム58において、搬器支持フレーム52の面52a上に搬器70が載置されたときに搬器70に干渉しない位置に、固定されている。本実施形態では、ボルト挿通部材151は、面52aと面一、または、面52aよりも上下方向に第1の水平フレーム54及び第2の水平フレーム58の内側に配置されている。
ナット152は、搬器70を搬器支持フレーム52の面52a上に載置したときに、搬器支持フレーム52のボルト挿通部材151と対向する部位にそれぞれ設けられている。ナット152は、本実施形態では、図7に示すように、底壁部用フレーム82の内面に固定されている。
ナット152の下端は、下面70aと同じ高さ位置、または、下面70aよりも高い位置に配置されている。また、ナット152は、底板84及び梁85に干渉しない位置に配置されている。または、ナット152は、底板84及び梁85に干渉しない高さを有している。
ボルト153は、図12及び図13に示すように、ボルト挿通部材151を挿通した状態でナット152に螺合される。このようにボルト153がナット152に螺合することにより、ボルト153のヘッドとナット152との間にボルト挿通部材151が固定される。このように、第1の固定構造150によって、搬器70が、搬器支持フレーム52の面52aに固定される。
第2の固定構造160は、図1及び図2に示すように搬器70の後壁部76に形成されたボルト挿通孔161と、図2及び図12に示すようにフレーム本体51に設けられたナット162と、図2に示すようにナットに螺合可能なボルト163と、を有している。
ボルト挿通孔161は、搬器ユニット40が第1のモードで使用されるときに用いられる第1のボルト挿通孔161aと、第2のモードで使用されるときに用いられる第2のボルト挿通孔161bと、を有している。
第1のボルト挿通孔161aは、ボルト163が挿通可能に形成されている。第1のボルト挿通孔161aは、第1のモードで使用されるとき、すなわち、連結部54a及び連結部58aが被連結部78に連結されて搬器70が搬器支持フレーム52に吊られた状態にあるときに、ナット162に対向する位置に形成されている。本実施形態では、一例として、幅方向Wに離間した2つの位置に上下方向に2つ形成されている。すなわち、合計4つ形成されている。
第2のボルト挿通孔161bは、ボルト163が挿通可能に形成されている。第2のボルト挿通孔161bは、第2のモードで使用されるとき、すなわち、搬器70が搬器支持フレーム52の面52a上に載置されたときにナット162に対向する位置に形成されている。本実施形態では、一例として、幅方向Wに離間した2つの位置に上下方向に2つ形成されている。すなわち、合計4つ形成されている。
ナット162は、図2及び図12に示すように、一例としてブラケット164(図5に示す)を介して、フレーム本体51に固定されている。本実施形態では、2つのナット162が、ブラケット164を介して第1のフレーム部材51aに固定されている。また、2つのナット162が、ブラケット164を介して第2のフレーム部材51bに固定されている。
本実施形態では、搬器70は、フレーム50に固定される際には、フレーム本体51との間に隙間を有して配置される。すなわち、後壁部76とフレーム本体51との間には隙間が存する。本実施形態では、この隙間がある為、ナット162をブラケット164を介して、第1のフレーム部材51aと第2のフレーム部材51bとに固定しており、ナット162をフレーム50よりも搬器70に近い位置配置されている。
なお、ナット162は、ブラケット164を介して固定されることに限定されない。他の例では、ナット162は、第1のフレーム部材51aと第2のフレーム部材51bとのそれぞれに、直接固定されてもよい。
扉73は、図15に示すように、開口72の上側半分の範囲を開閉可能に形成される上扉91と、開口72の下側部分の範囲を開閉可能に形成される下扉92とを有している。なお、本実施形態では、開口72の下端縁近傍の範囲は、後述される踏板110によって、開閉される。このため、下扉92は、開口72の下側半分の範囲のうち、踏板110によって開閉される範囲を除いた範囲を開閉可能に形成されている。
上扉91は、開口72の上側半分の範囲を前後方向Fに覆うことが可能な大きさを有しており、一例として、平面形状が矩形である。下扉92は、開口72の下側半分の範囲のうち踏板110によって開閉される範囲を除いた範囲を前後方向Fに覆うことが可能な大きさを有しており、一例として、平面形状が矩形である。上扉91の上下方向Vの長さと下扉92の上下方向Vの長さとは、例えば略同じである。
上扉91が、当該上扉91を前後方向Fに見たときに、開口72の上側半分の範囲を覆う位置にある状態を、上扉91が上扉用閉位置P1にある状態とする。上扉91が開口を開く位置にある状態を、上扉91が上扉用開位置P2(図18に示す)にある状態とする。上扉用開位置P2は、上扉用閉位置P1に対して上方の位置である。
下扉92が、図15に示すように前後方向Fに見たときに、開口72の下側半分の範囲のうち踏板110によって開閉される範囲を除いた範囲を覆う位置にある状態を、下扉92が下扉用閉位置P3にある状態とする。下扉92が開口72を開く位置にある状態を、下扉92が下扉用開位置P4(図18に示す)にある状態とする。つまり、下扉用開位置P4は、上扉用開位置P2と上下方向Vに略同じ位置である。下扉用開位置P4は、下扉用閉位置P3に対して上方の位置である。
図18に示すように、上扉91が上扉用開位置P2にあり、かつ、下扉92が下扉用開位置P4にある状態は、扉73が開位置にある状態である。扉73が開位置にある状態とは、扉73が全開となる状態である。なお、ここで言う全開となる状態とは、扉73が予め設定される最大に開いた位置まで開いた状態にあることを示す。
図15に示すように、上扉91が上扉用閉位置P1にあり、かつ、下扉92が下扉用閉位置P3にある状態は、扉73が閉位置にある状態である。扉73が閉位置にある状態とは、予め設定される、開口72を最も閉じた位置にある状態にあることを示す。本実施形態では、上述したように、開口72の下端縁近傍の範囲は、後述される踏板110によって開閉される。このため、本実施形態では、扉73が開口72を最も閉じる位置とは、開口72において踏板110によって開閉される範囲を除いた範囲を覆う位置である。
扉開閉機構100は、図16に示すように、扉73を開閉可能に構成されている。扉開閉機構100は、回動自由に形成される扉開閉機構用滑車101と、扉開閉機構用滑車101を回動可能に形成される扉開閉機構用電動モータ102と、扉開閉機構用滑車101に回し掛けられて一端部が下扉92の上端部に連結された扉開閉機構用チェーン103と、扉開閉機構用チェーン103の他端部に連結される開閉機構用カウンターウェイト104と、下扉92の下端部に設けられる扉開閉機構用係合部105と、を有している。
扉開閉機構用滑車101は、搬器本体71、または、搬器70と一体に昇降する部分に回動可能に支持されている。本実施形態では、扉開閉機構用滑車101は、一例として、搬器本体71の一方の側壁部75aに回動可能に連結されている。
扉開閉機構用滑車101の回動軸は、幅方向Wに平行である。扉開閉機構用滑車101には、扉開閉機構用チェーン103が係合可能な溝が形成されている。
扉開閉機構用電動モータ102は、例えば、搬器本体71または天井壁部77に固定されている。扉開閉機構用電動モータ102は、扉開閉機構用滑車101を回動可能に形成されている。扉開閉機構用電動モータ102の出力軸は、例えば、減速機構を介して扉開閉機構用滑車101に連結されている。扉開閉機構用電動モータ102の出力軸の回動は、上記の減速機構を介して、扉開閉機構用滑車101に伝達される。
扉開閉機構用チェーン103は、扉開閉機構用滑車101に回し掛けられている。扉開閉機構用チェーン103は、扉開閉機構用滑車101に形成された凸部または溝部に係合可能に形成されている。このため、扉開閉機構用チェーン103は、扉開閉機構用滑車101が回動すると、この回動に伴って、扉開閉機構用滑車101に対して前側または後側に繰り出される。
扉開閉機構用チェーン103の一端部は、下扉92の上端部に固定されている。下扉92は、上扉91に対して後方(フレーム50側)に配置されており、それゆえ、下扉92は、上下方向Vに上扉91に重なっていない。このため、扉開閉機構用チェーン103を下扉92の上端部に固定することができる。
また、扉開閉機構用滑車101は、扉開閉機構用チェーン103のうち、扉開閉機構用滑車101で折り返された前側の部分が上下方向Vに平行に延びるように考慮された位置に配置されている。
開閉機構用カウンターウェイト104は、扉開閉機構用チェーン103の他端部に連結されている。なお、図16中では、下扉92が下扉用閉位置P3にあるときの開閉機構用カウンターウェイト104は、2点鎖線で示されている。開閉機構用カウンターウェイト104は、下扉92と略同じ重さを有している。
扉開閉機構用係合部105は、下扉92の下端部に設けられている。扉開閉機構用係合部105は、下扉92の前面から前方に突出しており、下扉92が上扉91と前後方向Fに重なる位置まで上方に移動すると、上扉91の下端に下方から上方に向かって当接可能に形成されている。
具体的には、扉開閉機構用係合部105は、上下方向に上扉91と重なる位置まで突出している。扉開閉機構用係合部105は、本実施形態では一例として、下扉92の下端縁部に、幅方向Wの一端から他端にわたって延びている。
図17は、上扉91が上扉用閉位置P1にあり、かつ、扉開閉機構用係合部105が上扉91の下端縁に当接する位置まで移動した状態の扉73を示している。図17では、開口72において下扉92によって覆われる範囲が開いた状態を示している。
図17に示すように、搬器本体71の下端部には、踏板110が設けられている。踏板110は、板形状である。踏板110は、支持部111によって、搬器本体71に回動可能に支持されている。なお、他の例としては、踏板110は、搬器本体71と一体に昇降する部分に支持部111によって回動可能に支持されてもよい。
踏板110の回動軸は、幅方向Wに平行である。踏板110は、踏板用閉位置P6と、踏板110が搬器本体71の外側に突出する踏板用開位置P7(図18に示す)との間で回動可能に、支持部111によって支持されている。踏板用開位置P7では、踏板110は、その上面が上下方向Vに対して直交または略直交する姿勢となる。
踏板用閉位置P6は、搬器70の昇降の際に、踏板110が建築中の建物の各フロアの床や天井に接触することがないように、搬器本体71内の収容空間に向かって退避した位置である。なお、本実施形態では、踏板110は、踏板用閉位置P6にある状態では、開口72の下端縁近傍の範囲を前後方向Fに覆う機能も有している。このため、踏板110は、踏板用閉位置P6では、上下方向Vに略平行な姿勢となる。
搬器本体71の両側壁部75aの下端部には、戻りばね112が設けられている。戻りばね112は、例えばスプリングばねであって、その軸線が前後方向Fに平行となる姿勢で配置されている。また、戻りばね112は、踏板用閉位置P6にある踏板110に対して後方から当接可能に形成されている(図16参照)。
踏板開閉機構120は、扉73の開閉に連動して、踏板110を開閉可能に構成されている。具体的には、踏板開閉機構120は、図16に示すように、回動可能に形成される第1の踏板開閉機構用滑車121と、第2の踏板開閉機構用滑車122と、踏板開閉機構用滑車121,122に回し掛けられて一端部が踏板110に連結される踏板開閉機構用チェーン123と、踏板開閉機構用チェーン123の他端部に設けられる第1の踏板開閉機構用係合部124と、上扉91に設けられて第1の踏板開閉機構用係合部124に係合可能に形成される第2の踏板開閉機構用係合部125と、を有している。
第1の踏板開閉機構用滑車121は、例えば、搬器本体71の幅方向外側において扉開閉機構用滑車101の近傍に配置されている。第1の踏板開閉機構用滑車121は、例えば搬器本体71の側壁部75aに回動可能に支持されている。なお、第1の踏板開閉機構用滑車121は、搬器本体71、または、搬器70と一体に昇降する部分に回動可能に支持されればよい。
なお、図15、図17及び図18では、踏板開閉機構120をわかりやすく示すために、踏板開閉機構120の近傍に配置される扉開閉機構100は、省略されている。なお、本実施形態では、踏板開閉機構120は、搬器本体71の幅方向外側において、扉開閉機構100と同じ側に配置されている。他の例としては、踏板開閉機構120は、扉開閉機構100が設けられる側に対して幅方向反対側に設けられてもよい。
第1の踏板開閉機構用滑車121は、本実施形態では、一例として、搬器本体71の側壁部75aにおいて扉開閉機構用滑車101の近傍に回動可能に支持されている。第1の踏板開閉機構用滑車121は、下扉92よりも後方に配置されている。また、第1の踏板開閉機構用滑車121は、踏板110の支持部111よりも後方に位置している。
第1の踏板開閉機構用滑車121の回動軸は、幅方向Wに平行である。第1の踏板開閉機構用滑車121には、踏板開閉機構用チェーン123が係合可能な突部または溝が形成されている。
第2の踏板開閉機構用滑車122は、本実施形態では、一例として、第1の踏板開閉機構用滑車121と同じものが用いられている。第1の踏板開閉機構用滑車121の径と第2の踏板開閉機構用滑車122の径は、同じである。第2の踏板開閉機構用滑車122は、搬器本体71の幅方向外側において第1の踏板開閉機構用滑車121が配置される側に対して反対側に配置されている。
第2の踏板開閉機構用滑車122は、搬器本体71、または、搬器70と一体に昇降する部分に、回動可能に支持されている。第2の踏板開閉機構用滑車122の回動軸は、幅方向Wに平行である。第2の踏板開閉機構用滑車122は、本実施形態では、一例として、側壁部75aに回動可能に支持されている。
踏板開閉機構用滑車121,122の回動軸は、互いに上下方向Vに並んでいる。第2の踏板開閉機構用滑車122には、踏板開閉機構用チェーン123が係合可能な凸部または溝が形成されている。
踏板開閉機構用チェーン123は、踏板開閉機構用滑車121,122に回しかけられており、踏板開閉機構用滑車121,122に係合している。踏板開閉機構用滑車121,122が同じものであり、かつ、踏板開閉機構用滑車121,122の回動軸が互いに上下方向Vに並んでいるため、踏板開閉機構用チェーン123において第1の踏板開閉機構用滑車121と第2の踏板開閉機構用滑車122との間の部分は、上下方向Vに平行に延びている。
踏板開閉機構用チェーン123において第1の踏板開閉機構用滑車121を挟んで後側の端部は、滑車112を介して踏板110の端部に連結されている。ここで言う端部は、踏板110が踏板用開位置P7にあるとき搬器本体71の外側に突出する先端部である。
なお、踏板開閉機構用チェーン123は、上述の端部に連結されることに限定されるものではない。踏板開閉機構用チェーン123は、踏板用開位置P7にある踏板110において、支持部111の回動軸に対して前側の部分に連結されればよい。言い換えると、踏板開閉機構用チェーン123は、踏板110において、踏板用開位置P7にあるときに外側に突出する先端、または当該先端と回動軸との間の部分に連結されればよい。
踏板110において踏板用開位置P7にあるときに外側に突出する先端と回動中心となる回動軸との間の部分の他の例としては、上記の端部の近傍であってもよい。なお、踏板開閉機構用チェーン123が上記の端部に設けられることによって、踏板110を比較的小さい力で開閉することができるようになる。
踏板開閉機構用チェーン123において踏板110に連結される端部は、幅方向Wの軸回りに回動可能に踏板110に連結されている。このため、踏板110が踏板用閉位置P6と踏板用開位置P7との間を回動する際に、踏板開閉機構用チェーン123において踏板110に連結される端部が、踏板110の回動に合わせて回動すると共に、踏板開閉機構用
チェーン123には後述するように張力が付与されるので踏板開閉機構用チェーン123
が屈曲することが防止される。
第1の踏板開閉機構用係合部124は、踏板開閉機構用チェーン123において、第1の踏板開閉機構用滑車121の後側より回しかけて前側の部分の端部に固定されている。第1の踏板開閉機構用係合部124は、踏板開閉機構用チェーン123を張った状態にすべく踏板開閉機構用チェーン123に張力を付すとともに、踏板用開位置P7にある踏板110を踏板用閉位置P6に向かって回動させることなく踏板用開位置P7に維持可能な重さを有している。
第1の踏板開閉機構用係合部124の重さについて、具体的に説明する。踏板110が踏板用開位置P7にあるとき、踏板110には、踏板開閉機構用チェーン123を介して、第1の踏板開閉機構用係合部124の重さが作用する。この重さは、踏板110に対して、踏板用閉位置P6に向かって回動させるように作用する。
このため、第1の踏板開閉機構用係合部124は、踏板用開位置P7にある踏板110を踏板用開位置P7に維持可能とするために、踏板用開位置P7にある踏板110を踏板用閉位置P6に向かって回動させることがない程度の重さを有している。
第2の踏板開閉機構用係合部125は、例えば、上扉91において第1の踏板開閉機構用滑車121が設けられる側の幅方向Wの端部に設けられている。より具体的には、第2の踏板開閉機構用係合部125は、上扉91の上下方向Vの中腹部に設けられており、搬器本体71側に突出している。第2の踏板開閉機構用係合部125は、第1の踏板開閉機構用係合部124に係合可能に形成されている。
ここで、踏板開閉機構用チェーン123の長さについて、具体的に説明する。踏板開閉機構用チェーン123は、上扉91が上扉用閉位置P1にあるときに、第2の踏板開閉機構用係合部125が第1の踏板開閉機構用係合部124に上方から下方に向かって当接して第1の踏板開閉機構用係合部124を押し下げることによって、踏板開閉機構用チェーン123を介して踏板110を踏板用閉位置P6に保持可能な長さを有している。
このように構成されたエレベータ10は、第1のモードでは、図1乃至図4に示すように、フレーム50が、ポスト20に、第1の水平フレーム54に対して、第1の方杖55c及び第2の方杖55dが上方に位置する姿勢で、係合部53により、連結される。搬器70は、被連結部78が連結部54a及び連結部58aに、ピン79により連結される。被連結部78が連結部54a及び連結部58aに連結されることにより、搬器70が搬器支持フレーム52に吊られた状態となる。
また、搬器70は、第2の固定構造160により、フレーム本体51に固定される。具体的には、ボルト163が、図2に示すように、搬器70の第1のボルト挿通孔161aを挿通してナット162に螺合される。搬器70は、被連結部78が連結部54a,58aに連結されることによって搬器支持フレーム52に吊られた状態を維持しつつ、第2の固定構造160によりフレーム本体51に固定される。
また、第1のモードでは、磁気スイッチ130は、フレーム本体51の上端となる、一端51dに固定される。また、ポスト20の下端に設置されたバッファ5は、フレーム本体51の下端となる一端51eに当接可能となる。磁気スイッチ130は、ラックギヤ30を検出する。磁気スイッチ130は、検出結果を、エレベータ10の動作を制御する制御装置に送信する。制御装置は、磁気スイッチ130の検出結果に基づいて、搬器ユニット40が、ラックギヤ30が形成されてない高さ位置まで移動したと判断すると、駆動装置60の駆動を停止する。
次に、第2のモードでの搬器ユニット40について、図11乃至図14を用いて説明する。第2のモードでは、フレーム50が、ポスト20に、搬器支持フレーム52が下端側に配置される姿勢で、係合部53により、連結される。搬器70は、搬器支持フレーム52の面52a上に載置される。このように、第2のモードでは、搬器ユニット40は、搬器70に対して、駆動装置60及び自動落下防止装置65が下方に配置される。
また、搬器70は、第1の固定構造150によって、搬器支持フレーム52に固定される。具体的には、図12に示すように、ボルト153がボルト挿通部材151を挿通してナット152に螺合される。
また、第2のモードでは、磁気スイッチ130は、フレーム本体51の上端となる、一端51eに固定される。また、ポスト20の下端に設置されたバッファ5は、フレーム本体51の下端となる一端51dに当接可能となる。
次に、搬器ユニット40の動作について、説明する。まず、搬器ユニット40の上昇動作について、説明する。作業員が搬器70内に乗り込んだ後、搬器70内に設けられるコントローラを、搬器70を上昇させるべく、操作する。コントローラに入力された操作は、制御装置に送信される。
コントローラが操作されると、制御装置により、電動モータ63が駆動される。電動モータ63の出力軸の回動は、減速機64を介してピニオンギヤ61に伝達される。ピニオンギヤ61が回動することによって、ポスト20に固定されるラックギヤ30に対してピニオンギヤ61が上方に移動する。このことによって、搬器70が上昇する。
同様に、搬器ユニット40を下降させるべくコントローラが操作されると、電動モータ63の出力軸は、搬器70を上昇させる場合に対して逆回転をする。電動モータ63の出力軸が上昇する場合に対して逆回転することによって、搬器70が下降する。
また、自動落下防止装置65は、搬器ユニット40の昇降速度が所定の速度を超えたことを検出すると、ブレーキにより搬器ユニット40の昇降を停止する。
また、万が一、搬器ユニット40がラックギヤ30が形成される範囲を超えて上昇すると、第1のモード及び第2のモードの両モードにおいても、図14に示すように、フレーム50のフレーム本体51がハイバッファ23の弾性体23bに当接することによって、搬器ユニット40の上昇が停止される。
また、万が一、電動モータ63が回転フリーになるなどして、搬器ユニット40が落下すると、図2及び図13に示すように、バッファ5がフレーム本体51の下端に当接することによって、搬器ユニット40の下降を停止する。
また、荷重検出センサ81の検出結果は、エレベータ10の動作を制御する制御装置に送信される。制御装置は、荷重検出センサ81の検出結果に基づいて、搬器70に収容された作業員や荷物の合計荷重が、設定された上限値を超えると、搬器70の昇降を行わない。この上限値は、搬器70を安全に昇降するために設定された値である。この制御装置は、ランプはスピーカ等で、収容された作業員や荷物の荷重が上限値を超えたことを周囲に報知してもよい。
次に、扉73の開閉動作について、説明する。なお、扉開閉機構用電動モータ102の駆動を制御する制御部は、例えば、搬器70が昇降している場合では、扉開閉機構用電動モータ102を駆動しないように設定されている。
まず、扉73を、閉位置から開位置に移動する動作、言い換えると、下扉92が下扉用閉位置P3にあり、かつ、上扉91が上扉用閉位置P1にある状態から、下扉92を下扉用開位置P4に移動し、かつ、上扉91を上扉用開位置P2に移動する際の動作を説明する。
作業員が、扉73を開くべくコントローラを操作すると、扉開閉機構用電動モータ102が駆動し、扉開閉機構用滑車101が、下扉92を上方に移動すべく回動する。すると、扉開閉機構用滑車101の回動に伴って扉開閉機構用チェーン103が後方に繰り出されることによって、扉開閉機構用チェーン103が下扉92を、図15に示す下扉用閉位置P3にある状態から上方に持ち上げる。
下扉92が上昇すると、図17に示すように、下扉92に設けられる扉開閉機構用係合部105は、上扉用閉位置P1にある上扉91の下端縁に、下方から上方に向かって当接する。
上扉91が上扉用閉位置P1にある状態では、上扉91に設けられる第2の踏板開閉機構用係合部125が、第1の踏板開閉機構用係合部124を上方から押し付ける状態が維持されている。このため、下扉92が移動しても、この移動に伴って踏板開閉機構用チェーン123が繰り出されることがないので、踏板110は、踏板用閉位置P6に保持される。
下扉92がさらに上昇することによって、下扉92に設けられる扉開閉機構用係合部105が、上扉91を上方に押し上げる。このため、上扉91は、下扉92の上昇に伴って、上昇する。
上扉91が上昇すると、上扉91に設けられる第2の踏板開閉機構用係合部125が上扉91に伴って上昇する。第2の踏板開閉機構用係合部125が上昇すると、第1の踏板開閉機構用係合部124も上昇するため、踏板110が踏板用閉位置P6から踏板用開位置P7に向かって回動を開始する。
踏板110の回動開始について、具体的に説明する。踏板用閉位置P6では、踏板110には、戻りばね112の弾性力による、踏板用開位置P7へ向かって回動するように作用する力と、踏板開閉機構用チェーン123によって伝達される、踏板用閉位置P6に保持しようとする力とがつり合う。
一方、上扉91が上昇することによって踏板開閉機構用チェーン123が後方に繰り出されると、当該踏板開閉機構用チェーン123による、踏板110を踏板用閉位置P6に保持しようとする力がなくなるので、踏板110は、戻りばね112の弾性力(復元力)による踏板用開位置P7へ向かって回動させる力のみ作用するので、この内在する復元力によって、踏板用開位置P7に向かって押し出される。
この際、第1の踏板開閉機構用係合部124の重さによる、踏板110を踏板用閉位置P6に向かって回動するように作用する力よりも、踏板110の自重による、踏板110を踏板用開位置P7に向かって回動するように作用する力の方が大きいために、踏板110が、踏板用閉位置P6から踏板用開位置P7に向かって回動を開始する。
上扉91が、上扉用閉位置P1と上扉用開位置P2との間の位置まで上昇すると、踏板110は、踏板用開位置P7まで回動する。踏板110は、開口72の下端縁から建築中の建物において搬器70が停止しているフロアにわたされる。
踏板110が踏板用開位置P7に到達することによって、第1の踏板開閉機構用係合部124の上方への移動が停止する。このため、上扉91が、さらに上方に移動すると、第2の踏板開閉機構用係合部125は、第1の踏板開閉機構用係合部124から離れる。
図18に示すように、下扉92が下扉用開位置P4にあり、かつ、上扉91が上扉用開位置P2にある状態まで開くと、つまり扉73が開位置まで開くと、扉開閉機構用電動モータ102が停止される。扉73が開位置にある状態を維持するために、扉73が開位置まで開くと、扉開閉機構用電動モータ102の出力軸の回転は、ロックされる。
例えば、搬器70には、下扉92が下扉用開位置P4にある状態を検出するスイッチが設けられている。下扉92が下扉用開位置P4にあることをスイッチが検出すると、スイッチの検出結果に基づいて、扉開閉機構用電動モータ102の駆動を制御する制御部が、扉開閉機構用電動モータ102を停止する。
なお、本実施形態では、下扉92が下扉用開位置P4にある状態では、上扉91も上扉用開位置P2にあるため、スイッチは、扉73が開位置にある状態を検出するために下扉92が下扉用開位置P4にある状態を検出する。他の例としては、上扉91が上扉用開位置P2にある状態をスイッチが検出するようにしてもよい。なお、扉73が開位置にある状態を検出する手段は、上記のスイッチに限定されるものではない。
下扉92が下扉用開位置P4まで上昇し、かつ、上扉91が上扉用開位置P2まで上昇すると、搬器70に荷物や作業員を乗降可能となる。
このとき、踏板110が踏板用開位置P7にあるため、踏板110が、搬器本体71の開口72の下端縁と、搬器本体71が着床するフロアとの間の隙間Sを埋める。このため、荷物の搬入または搬出作業の効率よく行うことができる。
次に、扉73を、開位置から閉位置に移動する動作を説明する。図17,18に示すように、開口72が開位位置にある状態、つまり、上扉91が上扉用開位置P2にあり、かつ、下扉92が下扉用開位置P4にある状態で、作業員が、扉73を閉めるべくコントローラを操作する。
すると、扉開閉機構用電動モータ102が、扉73を開く際の回転方向に対して逆方向に回転し、扉開閉機構用滑車101も、扉73を開く際の回転方向に対して逆方向に回転する。
扉開閉機構用滑車101が扉73を閉じる方向に回転することによって、上述した、扉73が開く際の動作に対して逆の動作が行われて、扉73が閉じる。
搬器70には、例えば、下扉92の位置を検出するスイッチが設けられており、このスイ
ッチが、下扉92が下扉用閉位置P3にあることを検出すると、スイッチの検出結果に基
づいて、扉開閉機構用電動モータ102の駆動を制御する制御部が、扉開閉機構用電動モータ102の駆動を停止する。
なお、スイッチは、扉73が閉位置にある状態として、下扉92が下扉用閉位置P3にある状態を検出している。下扉92が下扉用閉位置P3にある状態を検出する手段は、上記のスイッチに限定されるものではない。
扉73が閉位置にある状態では、扉73を開くべく操作がなされない状態で不意に扉73が開くことがないよう、扉開閉機構用電動モータ102の出力軸の回転は、ロックされている。
このように構成されるエレベータ10では、搬器70に対して搬器支持フレーム52を上方に配置して、被連結部78及び連結部54aにより、搬器70が搬器支持フレーム52に吊られた状態となる第1モードと、搬器70に対して搬器支持フレーム52を下方に配置して、搬器70を搬器支持フレーム52の面52a上に載置した状態となる第2モードとの、両モードで使用することが可能となる。
第1のモードは、搬器70に対して駆動装置60及び自動落下防止装置65が上方に配置されるので、搬器70を地面に近い位置まで下降させることが可能となる。この為、エレベータ10を第1のモードで屋外で使用することにより、作業員や資材を搬器70に乗降する為のステージやスロープの作成が不要となるので、作業員や資材の搬器70への乗降作業の効率を向上することが可能となる。
第2のモードは、搬器70に対して駆動装置60及び自動落下防止装置65が下方に配置されるので、搬器70を建物の最上階に着床させても、駆動装置60及び自動落下防止装置65が建物の天井に干渉することがない。この為、エレベータ10を第2のモードで屋内で使用することにより、当該エレベータ10が設置された状態であっても建物の天井壁を形成する作業を行うことができる。この為、建物の建設に工期が長期化することを防止できる。
このように、エレベータ10が、屋外に適した第1のモードと、屋内に適した第2のモードとで使用可能となることから、エレベータ10の稼働率を向上することが可能となるので、エレベータ10の所有台数を多くする必要がない。この為、設備投資に係る費用を小さくできる。
すなわち、第1のモードでのみ使用可能なエレベータ、及び、第2のモードのみで使用可能なエレベータを所有する場合は、それぞれのエレベータを複数台所有しなければ、建物の建設に対応することができないので、設備投資に係る費用が増大する。これは、建物によって、屋外で使用するエレベータの台数、及び、屋内で使用するエレベータの台数が異なる為である。
さらに、搬器支持フレーム52の連結部54aを、第1の水平フレーム54の上下方向Vの厚み内に配置することにより、連結部54aが、第1の水平フレーム54に対して上下方向に突出しない。換言すると、連結部54aが、面52aから突出することがない。同様に、第1の梁部材55aに形成された連結部58aを、第1の梁部材55aの上下方向Vの厚み内に配置し、第2の梁部材55bに形成された連結部58aを、第2の梁部材55bの上下方向Vの厚み内に配置することにより、連結部58aが面52aから突出することがない。この為、面52aに搬器70を載置しやすくなる。
さらに、面52aを、上下方向Vに直交する平面とすることにより、搬器70を面52aに載置しやすくなる。
さらに、第1のモードにおいて、フレーム本体51の下端となる一端57を、搬器70の下面70aより高い位置に配置することにより、バッファ5の上下方向の長さを十分な長さ確保しつつ、搬器70をより地面に近い位置に着床させることが可能となる。
換言すると、搬器ユニット40が第1のモードで使用される状態では、搬器70の下面70aとフレーム本体51の下端となる一端57との間に、バッファ5の一部を配置可能な収納スペースS1が設けられる。この収納スペースS1により、搬器70をより地面に近い位置に着床させることが可能となる。
さらに、荷重検出センサ81を、底壁部74の上下方向Vの厚み内に配置することにより、底壁部74及び荷重検出センサ81を含めた一体物の厚みを薄くすることが可能となる。この為、搬器70を、地面により近い位置に着床させることが可能となる。
さらに、ポスト20の上端部にハイバッファ23(図14参照)を設けることにより、ポスト20を短くすることが可能となるので、ポスト20と建物の天井壁とが干渉することを防止できる。この効果について、具体的に説明する。
ポスト20は、エレベータ10の安全性の観点から、ポスト20の上端部にラックギヤ30を設けない場合がある。ポスト20の上端部にラックギヤ30を設けないことにより、搬器ユニット40がポスト20の上端部まで上昇しても、ピニオンギヤ61とラックギヤ30との係合が解除されるので、搬器ユニット40の上昇が停止される。
しかしながら、このように、ラックギヤ30を設けない部分を設けることにより、ポスト20の長さが長くなるので、ポスト20が建物の天井壁に干渉する場合が生じる。または、ポスト20により、天井壁の形成作業を行えない場合も生じる。
しかしながら、本実施形態では、ポスト20の上端にハイバッファ23を設置することにより、ポスト20の上端部にラックギヤ30が形成されない領域を広く確保する必要がないので、ポスト20の長尺化を防止できる。この為、ポスト20と建物の天井壁との干渉、または、ポスト20により建物の天井壁を形成できないということの発生を防止できる。
また、搬器ユニット40が第2のモードで使用される状態では、フレーム本体51の上端となる一端57は、搬器70の天井壁部77の上面77aよりも低い位置に位置する。この為、磁気スイッチ130の一部を、上面77aよりも低い位置に配置可能となるので、上面77aに対する磁気スイッチ130の上端の高さ位置を低くすることができる。
換言すると、搬器ユニット40が第2のモードで使用される状態では、フレーム本体51の上端となる一端57と上面77aとの間に、磁気スイッチ130の一部を配置可能な収納スペースS2が設けられる。この収納スペースS2により、搬器70を建物の天井により近い位置まで上昇させることが可能となる。
さらに、扉73を、上方に開く構成とすることにより、第1のモードで使用される場合においても、扉73が地面等に干渉することがない。
さらに、扉73を、上扉91と下扉92とに分割するとともに、上扉91と下扉92とを、上扉91と下扉92との移動方向に対して交差する方向の一例である前後方向Fに離間して配置することによって、開位置P2,P4にある上扉91と下扉92とを前後方向Fに重ねることができるので、搬器本体71から上方に突出する扉73の突出量を小さくすることができる。
また、踏板開閉機構120によって、踏板110の開閉動作を、扉73の開閉動作に連動させて自動的に行うことができる。
なお、本実施形態では、底壁部74の底板84は、梁85及び当接部86を介して荷重検出センサ81上に配置された。このように、底板84は、他の部材を介して間接的に荷重検出センサ81上に配置されてもよい。または、底板84は、直接、荷重検出センサ81上に配置されてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。