JP2019152807A - 焦点検出装置および焦点検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異なる被写体パターンであっても測距精度の劣化を防止するようにした焦点検出装置および焦点検出方法を提供する。【解決手段】撮影レンズからの光を瞳分割し、瞳分割された光を受光する対をなす画素から成る複数の画素部を有し、複数の画素部の光電変換により瞳分割に対応する対の画素信号列を出力する撮像素子を有する撮像装置の焦点検出方法であって、対の少なくとも一方に対応する複数の画素の画素信号から成り、瞳分割方向と異なる方向に位置する画素信号列の間の類似度を算出し(S3)、類似度が所定値より高い場合(S5Yes)、画素信号列の対の画素信号を、それぞれ対毎に、瞳分割方向と異なる方向に加算して空間的な加算画素信号を生成し(S9)、この生成された空間的な加算画素信号に基づいて位相差検出を行う(S11)。【選択図】 図9
Description
本発明は、位相差AF式により焦点検出を行う焦点検出装置および焦点検出方法に関する。
カメラ等の撮像装置において、位相差AFによって、撮影レンズを合焦位置に移動させることが一般的に行われている。具体的には、1対の焦点検出画素群(位相差検出画素群)が、撮影レンズの光軸を挟み異なる方向からの被写体光を受光し、焦点検出画素群毎に画素列データを生成する。そして、この1対の画素列データの位相差を算出することによって、撮影レンズの焦点ずれ量を算出し、この算出した焦点ずれ量に基づいて、撮影レンズの焦点調節を行う。
1対の焦点検出画素列データから位相差を算出するにあたって、画素列データのレベルが低いと、焦点検出不能状態となってしまう。そこで、1対の画素列データを時系列的に加算し、画素列データのレベルを高くする焦点検出装置が提案されている(特許文献1参照)。しかし、移動する被写体に対して時系列加算を実施すると、焦点検出結果に誤差を生じる恐れがある。
そこで、空間積算手段と時系列積算手段を備え、条件に応じて、いずれか一方の画素列に基づいて焦点検出することが提案されている(特許文献2参照)。具体的には、まず、空間積算データが第1所定閾値を超えるまで加算を繰り返し行う。空間積算手段による積算範囲の最大まで加算しても空間積算データが第1所定値を超えない場合は、空間積算手段によって、前回フレームの画素列を最大まで空間積算する。前回フレームまで広げて行った空間積算のデータが第2所定閾値を超えるまで時系列的に加算する。
上述の特許文献2に開示された焦点検出装置では、まず空間的に画素列データを加算し、この空間積算値が第1所定閾値を超えるまで、加算を繰り返している。ところが、画素データを空間的に加算する(縦線検知では垂直方向)場合に、加算する各焦点検出画素データが空間的に離れていればいるほど、被写体パターンが異なる可能性が高くなる。異なる被写体パターンを持つ焦点検出画素列データ同士を加算した場合には、測距精度が劣化してしまう。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、異なる被写体パターンであっても測距精度の劣化を防止するようにした焦点検出装置および焦点検出方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため第1の発明に係る焦点検出装置は、撮影レンズを通過する被写体からの光束を瞳分割し、瞳分割された光束を受光する対をなす画素から成る複数の画素部を有し、上記複数の画素部の光電変換により瞳分割に対応する対の画素信号列を出力する撮像素子と、上記対の少なくとも一方に対応する複数の画素の画素信号から成り、上記瞳分割方向と異なる方向に位置する画素信号列の間の類似度を算出する類似度演算手段と、上記類似度が所定値より高い場合、上記画素信号列の上記対の画素信号を、それぞれ対毎に、上記瞳分割方向と異なる方向に加算して空間的な加算画素信号を生成し、この生成された上記空間的な加算画素信号に基づいて位相差検出を行う位相差演算手段と、を具備する。
第2の発明に係る焦点検出装置は、上記第1の発明において、上記撮像素子により異なる時刻に画素信号列を取得し、この取得した複数の画素信号列を画素毎に加算し、時系列的な加算画素信号を生成するフレーム加算手段を有し、上記位相差演算手段は、上記類似度が所定値より低い場合に、上記時系列的な加算画素信号に基づいて位相差検出を行う。
第3の発明に係る焦点検出装置は、上記第1または第2の発明において、被写体輝度を検出する輝度検出手段を有し、上記位相差演算手段は、上記被写体輝度が所定輝度より低いと判断する場合に、上記類似度演算手段により類似度を算出させる。
第3の発明に係る焦点検出装置は、上記第1または第2の発明において、被写体輝度を検出する輝度検出手段を有し、上記位相差演算手段は、上記被写体輝度が所定輝度より低いと判断する場合に、上記類似度演算手段により類似度を算出させる。
第4の発明に係る焦点検出装置は、上記第1ないし第3の発明において、上記類似度演算手段は、複数の上記画素信号列の組み合わせについて類似度を算出し、上記位相差演算手段は、上記所定値より高い類似度を示す複数の上記画素信号列を抽出し、この抽出された画素信号列の範囲に含まれる上記画素信号を用いて、空間的な加算画素信号を生成し、この生成された上記加算画素信号に基づいて位相差検出を行う。
第5の発明に係る焦点検出装置は、上記第1ないし第4の発明において、焦点検出領域を設定する焦点検出領域設定手段を有し、上記類似度演算手段は、設定された上記焦点検出領域に含まれる上記画素信号列を用いて、類似度を算出する。
第6の発明に係る焦点検出装置は、上記第5の発明において、上記位相差検出手段は、上記焦点検出領域に対応して上記類似度演算手段により算出される類似度の少なくともひとつが上記所定値よりも高い場合に、上記焦点検出領域にて位相差検出を行う。
第6の発明に係る焦点検出装置は、上記第5の発明において、上記位相差検出手段は、上記焦点検出領域に対応して上記類似度演算手段により算出される類似度の少なくともひとつが上記所定値よりも高い場合に、上記焦点検出領域にて位相差検出を行う。
第7の発明に係る焦点検出方法は、撮影レンズを通過する被写体からの光束を瞳分割し、瞳分割された光束を受光する対をなす画素から成る複数の画素部を有し、上記複数の画素部の光電変換により瞳分割に対応する対の画素信号列を出力する撮像素子を有する撮像装置の焦点検出方法において、上記対の少なくとも一方に対応する複数の画素の画素信号から成り、上記瞳分割方向と異なる方向に位置する画素信号列の間の類似度を算出し、上記類似度が所定値より高い場合、上記画素信号列の上記対の画素信号を、それぞれ対毎に、上記瞳分割方向と異なる方向に加算して空間的な加算画素信号を生成し、この生成された上記空間的な加算画素信号に基づいて位相差検出を行う。
本発明によれば、異なる被写体パターンであっても測距精度の劣化を防止するようにした焦点検出装置および焦点検出方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態としてデジタルカメラ(以下、カメラと略記する)に適用した例について説明する。このカメラは、撮像部を有し、この撮像部によって被写体像を画像データに変換し、この変換された画像データに基づいて、被写体像を本体の背面に配置した表示部にライブビュー表示する。撮影者はライブビュー表示を観察することにより、構図やシャッタタイミングを決定する。レリーズ操作時には、画像データが記録媒体に記録される。記録媒体に記録された画像データは、再生モードを選択すると、表示部に再生表示することができる。
また、本実施形態においては、撮像素子は、位相差検出用の焦点検出画素を有し、同じ開口の画素同士を用いて相関演算を行い、この演算結果に基づいて、被写体パターンに類似性があるか否かを判定する(例えば、図9のS3、S5参照)。類似性が高い場合には、空間的に画素データを加算し(例えば、図9のS9参照)、一方、類似性が低い場合には、時系列的に画素データを加算する(例えば、図9のS7参照)。この加算された画素データを用いて、測距演算が行われる。
本実施形態の構成を説明する前に、まず、本実施形態における焦点検出の概略について説明する。図1は、本実施形態において、撮像素子21(図6参照)上の撮像面x1に、投影された被写体Aと被写体Bのパターンを示す。図1(a)は、被写体Aのパターンを示し、撮影面x1の右側に黒色部分がある。撮像面x1には、横方向(撮像面上で長手方向)に延びる焦点検出エリア1〜5が設けられている。図1(a)においては、被写体Aに対応させて、焦点検出エリアa1〜a5と表記する。この被写体Aのパターンは、各焦点検出エリアa1〜a5において、上下方向で対応する画素の画素データは略同じ値となっている。
また、図1(b)は、被写体Bのパターンを示し、このパターンには三角形状の黒色部分がある。図1(b)において、撮像面x1の焦点検出エリアは、被写体Bに対応させて、焦点検出エリアb1〜b5と表記する。この被写体Bのパターンは、各焦点検出エリアb1〜b5において、上下方向で対応する画素の画素データは異なった値となっている。すなわち、被写体Bの黒色部分は、図1(b)に示すように、画面の右側の下側を底辺とし、右側の上を頂点する直角三角形である。このため、黒色三角形の斜辺付近では、焦点検出エリアb1〜b5において、上下方向で対応する画素の画素データは異なった値となっている。
通常位相差AF法による焦点検出の場合、適正露光状態では、焦点検出エリア毎に焦点検出の相関演算を実施する。しかし、低輝度で露光不足状態においては、1つの焦点検出エリア内のコントラスト(例えば、焦点検出画素データの最大値と最小値の差)が所定閾値以上にならず、焦点検出不能になってしまう。
図1(a)に示すような被写体Aにおいては、焦点検出エリアa1〜a5における焦点検出画素データを空間的に加算することによって、コントラストが所定閾値以上となる場合があり、この場合には焦点検出ができる。焦点検出画素データの空間的な加算は、例えば、図1(a)に示すように焦点検出エリアが横方向に延びている場合(位相差検出方向は横方向)には、上下方向に対応する位置にある焦点検出画素の画素データを加算することをいう。言い換えると、空間的な加算は、焦点検出エリア内の画素の配列方向(位相差検出方向)と、異なる方向であって対応する位置に配置されている焦点検出画素データを加算することをいう。
しかし、図1(b)に示すような被写体Bの場合には、焦点検出エリアb1〜b5における焦点検出画素データを空間的に加算しても、コントラストは所定閾値以上とはならない可能性がる。この場合には、焦点検出不能のままか、もしくは焦点検出誤差が大きくなる。
この点について、図2を用いて説明する。図2は、図1(a)、(b)の被写体A、Bを撮像して取得した焦点検出エリアa1〜a5の焦点検出画素データ、および焦点検出エリアb1〜b5の焦点検出画素データを、それぞれ空間的に加算し、さらに微分フィルタによって微分処理を施した焦点検出画素データを示す。図2の横軸は、焦点検出エリアの横方向(像高方向、もしくは水平方向)の位置を示し、縦軸は焦点検出画素の画素データ(画素値)を示す。Vaは被写体Aの焦点検出画素データを示し、Vbは被写体Bの焦点検出画素データを示す。被写体Aの焦点検出画素データVaのコントラストは、Caであるのに対して、被写体Bの焦点検出画素データVbのコントラストはCbである。すなわち、図1(b)に示したような被写体パターンの場合、焦点検出エリア内の画素の配列方向と直交する方向で画素データを加算(空間的加算)しても、コントラストは小さいままで、焦点検出が不能、もしくは焦点検出誤差が大きくなってしまう。
このように、被写体Aのようなパターンの場合には、空間的に加算することによって、焦点検出ができるようになる場合がある。一方、被写体Bのようなパターンの場合には、空間的に加算しても、焦点検出ができない、もしくは焦点検出誤差が大きくなってしまう。すなわち、空間的加算によって焦点検出が改善できるか否かは、被写体のパターンによって相違する。そこで、本実施形態においては、加算する焦点検出画素の同開口の焦点検出画素データを用いて、相関演算を実施して被写体パターンに応じた焦点検出画素データ列の類似度を算出し、この演算結果に基づいて判断する。
まず、一般的な相関演算について説明する。図3は、位相差法による焦点検出を行う場合において、相関演算の対象を示す。焦点検出画素は、撮影レンズ11(図6参照)の対をなす、いずれか一方の瞳から入射する被写体光を受光し、光電変換する焦点検出画素と、撮影レンズ11の他方の瞳から入射する被写体光を受光し、光電変換する焦点検出画素がある。基準画素列Sは、焦点検出画素の内の、対をなす瞳の内の、いずれか一方の瞳からの被写体光を受光する画素列である。また、参照画素列Rは、焦点検出画素の内の、対をなす瞳のうちの他方の瞳からの被写体光を受光する画素列である。なお、同開口の焦点検出画素とは、同じ開口を有する焦点検出画素、つまり、対を成す瞳のうちの、いずれか一方の同じ瞳から入射する被写体光を受光する焦点検出画素を意味する。基準画素列Sの画素は、基準画素としてすべて同開口の焦点検出画素であり、参照画素列Rの画素は、参照画素としてすべて同開口の焦点検出画素である。同開口データは、同開口に対応する焦点検出画素の画素データを意味する。
相関演算は、基準画素列Sと参照画素列Rの内に、それぞれ同数k個の画素からなるウインドウWsとウインドウWrの焦点検出画素データの相関をとる。図3に示す例では、それぞれウインドウのサイズは画素数k=13となる。各ウインドウ内で対応する位置に焦点検出画素データの差分を算出し、ウインドウのサイズである13画素分の差分を累積した結果である相関度Fを下記(1)式に基づいて算出する。
F=Σabs(Vs(i+k−1)−Vr(j+k−1)) ・・・(1)
ここで、Vs(i)は、基準画素列Sのi番目の画素データであり、Vr(j)は参照画素列Rのj番目の画素データを意味し、iとjの値は条件に応じて設定することができる。また、absは絶対値を算出することを意味する。また、Σは、k=1からウインドウサイズであるk=13の範囲で、算出した絶対値を累積加算するという意味である(k=1〜13)。
F=Σabs(Vs(i+k−1)−Vr(j+k−1)) ・・・(1)
ここで、Vs(i)は、基準画素列Sのi番目の画素データであり、Vr(j)は参照画素列Rのj番目の画素データを意味し、iとjの値は条件に応じて設定することができる。また、absは絶対値を算出することを意味する。また、Σは、k=1からウインドウサイズであるk=13の範囲で、算出した絶対値を累積加算するという意味である(k=1〜13)。
一般的な位相差法による焦点検出においては、基準画素列Sと参照画素列RのウインドウWs、Wrを1画素ずつずらしながら、(1)式に基づいて相関度Fを算出し、この算出された相関度Fが最小値となるずらし量に基づいて、撮影レンズ11のデフォーカス量を求める。しかし、本実施形態においては、一般的な位相差法による焦点検出演算を行う前に、同開口の焦点検出画素データによる相関演算を実施することによって、焦点検出画素データ列の類似度を演算し、その結果から、空間的加算によって、焦点検出が改善するか否かについて判断する。
同開口の焦点検出画素データによる相関演算は、次のように行う。図1(a)(b)に示したように、本実施形態においては、5つの焦点検出エリアa1〜a5(b1〜b5)が設けられている。このうちの2つの焦点検出エリア、例えば、エリアa1、a2の基準画素列(もしくは参照画素列)を決め、この2つの画素列同士で、前述の相関演算を行う。この場合には、相関度Fは、下記(2)によって算出される。
F=Σabs(Vsa1(i+k−1)−Vsa2(j+k−1)) ・・・(2)
ここで、Vsa1(i)は、焦点検出エリアa1の基準画素列の(i)番目の画素データを意味し、Vsa2(j)は、焦点検出エリアa2の基準画素列の(j)番目の画素データを意味する。なお、図1(b)に示すような被写体の場合には、Vの添え字のaをbに置き換えればよい。焦点検出エリア1、2以外のエリアに置き換える場合には、添え字の数字を、他のエリアを示す数字に置き換えればよい。
F=Σabs(Vsa1(i+k−1)−Vsa2(j+k−1)) ・・・(2)
ここで、Vsa1(i)は、焦点検出エリアa1の基準画素列の(i)番目の画素データを意味し、Vsa2(j)は、焦点検出エリアa2の基準画素列の(j)番目の画素データを意味する。なお、図1(b)に示すような被写体の場合には、Vの添え字のaをbに置き換えればよい。焦点検出エリア1、2以外のエリアに置き換える場合には、添え字の数字を、他のエリアを示す数字に置き換えればよい。
このように、複数の焦点検出エリアに対応する基準画素列の内(または参照画素列の内)の2つの画素列を決め、この画素列の焦点検出画素データ同士の間で相関演算する。図4(a)は、被写体Aについて、同開口の焦点検出画素データを用いた相関演算結果を示し、図4(b)は、被写体Bについて、同開口の焦点検出画素データを用いた相関演算結果を示す。
図4において、横軸はウインドウのずらし量を示し、縦軸は相関度Fを示す。ウインドウのずらし量は、図3において基準画素列SのウインドウWs(i)のi位置と、参照画素列RのウインドウWr(i)のi位置の差を示す。基準画素列Sと参照画素列Rの両方のウインドウWs、Wrが、いずれも列中の真ん中の位置にある場合、i=jとなり、ウインドウのずらし量0である。また基準画素列SのウインドウWsと、参照画素列RのウインドウWrが列中で最も離れた位置にある場合のウインドウのずらし量が、120、または−120である。相関度Fの最小ピークとなるウインドウのずらし量が、視差量である。視差量は、被写体パターンの上下方向での相違度(類似度)を示す。言い換えると、視差量は、画素列の配列方向と、異なる方向における被写体パターンの相違度(類似度)を示す。
図1(a)の被写体Aのように、上下方向に類似するパターンであり、上下方向で対応する画素データがほぼ同じ値である場合には、相関度Fの最小ピークは、ウインドウのずらし量が0付近である。一方、図1(b)の被写体Bのように、上下方向に非類似のパターンであり、上下方向で対応する画素データがほぼ同じ値とならない部分がある場合には、相関度Fの最小ピークは、視差量dが0付近から離れた位置となる。
このように、同開口の焦点検出画素データを用いて相関演算を行い、その結果、視差量が小さければ、被写体パターンが類似していると判断できる。一方、視差量が大きければ、被写体パターンは異なっていると判断できる。視差量の大きい被写体Bは、空間的に画素データを加算しても、焦点検出精度の改善が見込めない。そこで、このような場合には、時系列的な加算処理を行う。時系列的な加算処理は、時系列的に異なる時刻に取得した画素データ、例えば、撮像素子から1フレーム分の画像データが出力されるたびに、取得した同一の焦点検出画素列の対応する画素位置の画素データ同士を、加算することをいう。それに対して、視差量が小さい被写体Aは、空間加算を行うことにより、焦点検出精度の改善が見込まることから、1フレームの画像データが出力されるたびに空間加算を行う。
次に、図5を用いて、類似パターンと非類似パターンが混在する被写体の場合について説明する。図5に投影されている被写体Cは、焦点検出エリアc1、c2付近では、上下方向(焦点検出画素列の配列方向と直交する方向)において、それぞれ対応する画素データの値は略同じである。この場合に、焦点検出エリアc1、c2の同開口の焦点検出画素データを用いて相関演算を行うと、図4(a)に示したように、視差量が小さくなり、類似度が高いと判断できる。
一方、焦点検出エリアc3、c4、c5付近では、上下方向において、それぞれ対応する画素データが異なる位置がある。この場合に、焦点検出エリアc2とc3、c3とc4、またはc4とc5の同開口の焦点検出画素データを用いて相関演算を行うと、図4(b)に示したように、視差量が大きくなり、類似度が低いと判断できる。
図5に示されるような、類似パターンと非類似パターンが混在している場合には、類似パターンの範囲にある焦点検出エリアの焦点検出画素データを空間的に加算し、非類似バターンの範囲にある焦点検出エリアの焦点検出画素データの空間的加算を行わない。すなわち、複数の焦点検出エリアが存在する場合に、隣接するエリアの相関結果が、類似度が高いと判断できた範囲で、最低でも2エリアを空間的に加算する。また、被写体Aのように、隣接するエリアa1〜a5で類似度が高い場合には、存在する全てのエリアを空間的に加算する。このように、類似パターンに対応する焦点検出画素データだけを空間的に加算することによって、焦点検出精度を改善させることができる。
次に、図6を用いて、本発明の実施形態の構成について説明する。本実施形態に係るカメラは、交換レンズ10とカメラ本体20から構成されている。本実施形態においては、交換レンズ10とカメラ本体20を別体に構成しているが、一般的なコンパクトカメラのように一体に構成しても勿論かまわない。また、本実施形態に係るカメラは、撮影レンズを通過した被写体光を、瞳分割法により2つの光束に分け、1対の焦点検出画素群が各光束を光電変換し、撮像データを生成する。そして、撮像データ(焦点検出画素データ)を用いて位相差を算出し、この位相差に基づいて、焦点調節動作を行う。
交換レンズ10内には、撮影レンズ11が配置されている。撮影レンズ11は、フォーカスレンズを含む複数の光学レンズを有し、被写体Sの光学像を形成する。交換レンズ10内であって、撮影レンズ11の光路中に、絞りが配置されており、この絞りの開口を検出する絞り開口検出部が設けられている。また、交換レンズ10内には、アクチュエータ12およびレンズ制御部13が設けられている。
レンズ制御部13は、CPU(Central Processing Unit)、周辺回路、およびプログラム等を記憶したメモリを有する。レンズ制御部13は、カメラ本体20内のAF演算部23から、デフォーカス量を受信し、これらの情報に基づいて、アクチュエータ12の制御を行う。アクチュエータ12は、撮影レンズ11内のフォーカスレンズを光軸方向に移動し、ピント合わせを行う。なお、フォーカスレンズの位置は、レンズ位置検出部(不図示)によって検出され、通信部(不図示)を介してカメラ本体20に送信される。
カメラ本体20内には、撮像素子21、画像処理部22、AF演算部23、記録部24が設けられている。撮像素子21は、撮影レンズ11の光軸上であって、被写体像の結像位置付近に配置されている。
撮像素子21は、複数の画素を備えており、各画素は被写体像(光学像)を電気信号に変換する光電変換部を有する。また、複数の画素は、撮像画素と焦点検出画素の2種類がある。焦点検出画素(位相差検出画素とも称す)は、画素へ入射する光束の入射方向が制限される。一方、撮像画素は、画素へ入射する光束が焦点検出画素よりも制限されない。これらの画素は2次元的に配列されている(画素配列は、例えば、特願2013−201568参照)。また、撮像素子の画素は、図1および図5を用いて説明したように、複数の焦点検出画素列(焦点検出エリア)が配置されている。
前述の焦点検出画素としては、撮影レンズ11から入射した光を2方向に分け(瞳分割)、この2方向に分けられた一方の光を受光する焦点検出画素と、他方の光を受光する焦点検出画素が設けられている。そして、一方と他方の光を受光する焦点検出画素で一対となる。前述の基準画素列Sは一方の光を受光する焦点検出画素列であり、参照画素列Rは他方の光を受光する焦点検出画素列である。撮像素子21は、撮影レンズを通過する被写体からの光束を瞳分割し、瞳分割された光を受光する対をなす画素から成る複数の画素部を有し、複数の画素部の光電変換により瞳分割に対応する対の画素信号列を出力する撮像素子として機能する。
画素へ入射する光束の入射方向の制限は、焦点検出画素と、この焦点検出画素の前面に配置されたマイクロレンズと撮影レンズ11の位置関係によって実現するようにしてもよい。すなわち、マイクロレンズの光軸に対して、焦点検出画素の位置をずらすことによって、光束の入射方向を制限することができる。このような構成を採用した撮像素子21は、1つのマイクロレンズに対応して対をなす複数の画素から成る複数の画素部を有し、複数の画素部の光電変換により瞳分割に対応する複数対の画素信号を出力する撮像素子として機能する。
撮像素子21は、焦点検出画素と撮像画素から出力される画素データ(画素値)を画像処理部22、AF演算部23、撮像制御部25に出力する。画像処理部22は、画像処理回路を有し、画素データの内、撮像画素からの画素データを入力し、ライブビュー表示用画像および記録用画像のための画像処理を行う。また、画像処理部22は、記録用に処理された画像データを記録部24に出力する。記録部24は、電気的書き換え可能な不揮発性メモリを有し、記録用の画像データを入力し、記録する。また、画像処理部22は、画素データを用いて、被写体の顔を検出し、この顔の中心座標位置を出力し、また顔の中の目等の器官を検出し、この器官の特定座標位置を出力する(後述する顔検出部22a)。また、画像処理部22は、画素データを用いて、被写体追尾を行う(後述する追尾部22b)。
AF演算部23は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、周辺回路、およびプログラム等を記憶したメモリを有する。AF演算部23は、画素データの内、焦点検出画素からの画素データを入力し、位相差AFに基づくAF演算を行う。AF演算にあたって、画像処理部22から取得した中心座標位置、特定座標位置に基づいて、焦点検出.画素の位置に対応する測距エリア(焦点検出エリア)を設定し、この設定した測距エリアについて、デフォーカス量やコントラスト評価値を演算する。この演算されたデフォーカス量やコントラスト評価値に基づいて、撮影レンズ11内のフォーカスレンズを合焦位置に駆動させる。
また、撮像制御部25は、撮像制御回路を有し、撮像素子21の焦点検出画素から焦点検出画素データの読出し制御を行う。撮像制御部25は、撮像素子21の画素データに基づいて、被写体輝度を算出する。撮像制御部25は、被写体輝度を検出する輝度検出手段として機能する(例えば、図9のS1参照)。
次に、図7を用いてAF演算部23の詳細について説明する。画素データ21aは、撮像素子21から出力された画素データ(画素値)であり、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)(不図示)等に一時記憶される。
また、画像処理部22内には、顔検出回路を有する顔検出部22aが設けられている。この顔検出部22aは、撮像素子21からの撮像画素の画素データに基づいて、被写体像の中に顔があるか否かを判定する。この判定の結果、顔が含まれている場合には、顔検出部22aは、顔の位置(中心座標位置)や大きさ等を検出する。さらに、右目、左目、鼻等の器官の検出を行い、その器官の特定座標位置も検出してもよい。顔検出部22aで検出された中心座標や特定座標位置は、AF演算部23内のAF測距点設定部33に出力する。
また、画像処理部22内には、追尾回路を有する追尾部22bが設けられている。この追尾部22bは、撮像素子21からの撮像画素の画素データに基づいて、被写体の追尾を行う。追尾部22bは、例えば、顔検出部22aによって検出された顔の位置や、撮影者によって指定された被写体の位置について、撮像素子21から画素データが出力されるたびに、画素データを比較する。この比較結果に基づいて、追尾部22bは、同一の被写体が撮像領域(撮影画面)内のどこに移動したかを検出し、これによって追尾を行う。追尾部22bによって検出された追尾対象の中心座標や特定座標位置は、AF演算部23内のAF測距点設定部33に出力する。
AF測距点設定部33は、顔検出部22aまたは追尾部22bで検出された中心座標位置や特定座標位置に基づいて、これに対応するAF測距点を設定する。撮像素子21の撮像領域(撮影画面)には複数の測距点が予め対応付けられており、この複数の測距点の中から、中心座標位置や特定座標位置の近傍にある測距点を設定し、設定した各測距点の中心座標を、測距エリア設定部35および焦点検出画素生成部34に出力する。なお、測距点は、ユーザが手動で設定するようにしても勿論かまわない。
測距エリア設定部35は、AF測距点設定部33か設定された測距点を入力し、各測距エリアの中心座標として測距(焦点検出)エリアを設定する。そして、測距エリア設定部35は、測距エリアの範囲を示す座標等の情報を空間加算判断/処理部36に出力する。測距エリア設定部35は、焦点検出領域を設定する焦点検出領域設定手段として機能する(例えば、図1、図5等参照)。
焦点検出画素生成部34は、画素データ21aの内、焦点検出画素列の焦点検出画素データを入力する。また焦点検出画素生成部34は、AF測距点設定部33から測距(焦点検出)エリアの中心座標等を入力し、焦点検出画素データの中から設定されたAF測距点付近の焦点検出画素データ列を生成する。この生成された焦点検出画素データは、空間加算判断/処理部36およびフレーム加算処理部37に出力する。
空間加算判断/処理部36は、相関演算回路を有し、焦点検出画素生成部34から入力した焦点検出画素データの内、同開口の焦点検出画素データを用いて相関演算を行う。この相関演算結果から、視差量を求め(図4参照)、視差量に基づいて、焦点検出画素データに対して、空間的加算と時系列的加算のいずれを実行するかを判断する。図1〜図5を用いて説明したように、視差量が小さければ、被写体パターンが類似していると判断でき、空間的加算を行う。一方、視差量が大きければ、被写体パターンは異なっていると判断でき、時系列的加算を行う。この判断結果は、フレーム加算処理部37に出力される。なお、空間加算判断/処理部36は、測距エリア設定部35によって設定された測距エリア内の焦点検出エリアについて、空間加算判断を行う。
空間加算判断/処理部36は、対の少なくとも一方に対応する複数の画素の画素信号から成り、瞳分割方向と異なる方向に位置する画素信号列の間の相関度を算出する相関度演算手段として機能する。相関度演算手段は、複数の画素信号列の組み合わせについて相関度を算出する(例えば、図5参照)。相関度演算手段は、設定された焦点検出領域に含まれる画素信号列を用いて、相関度を算出する。
また、空間加算判断/処理部36は、加算回路を有し、空間的加算を行うと判断した場合には、空間的加算を行う。空間的加算は、2つの焦点検出画素列において、焦点検出画素列の配置方向と異なる方向(図1の例では、直交する方向)に位置する焦点検出画素データ同士をそれぞれ加算し、この加算を焦点検出画素列の全画素に対して行う。
空間的加算は、例えば、焦点検出エリア(焦点検出画素列)a1において、撮像面上でのx方向の位置x[1]位置にある画素データをa1x[1]とし、x[2]位置にある画素データをa1x[2]、・・・とする。同様に、焦点検出エリア(焦点検出画素列)a2において、撮像面上でのx[1]位置にある画素データをa2x[1]とし、x[2]位置にある画素データをa2x[2]、・・・とする。焦点検出エリア(焦点検出画素列)a3、a4、a5においても、同様に、画素データの値を決める。この場合、空間的な加算された焦点画素データは、位置x[1]において(a1x[1]+a2x[1]+a3x[1]+a4x[1])となり、x[2]において(a1x[2]+a2x[2]+a3x[2]+a4x[2])となる。位置x[3]以降においても、同様に、対応する位置において、焦点検出画素列a1〜a5の各焦点検出画素データを加算する。
なお、図5を用いて説明したように、類似度の低い焦点検出エリアについては、空間的加算の対象から除外して行うようにしてもよい。空間加算判断/処理部36は、算出した空間加算値を、デフォーカス量演算/信頼性判定部38に出力する。
フレーム加算処理部37は、フレーム毎の焦点検出画素データを加算する加算回路を有する。フレーム加算処理部37は、空間加算判断/処理部36が、空間加算を行わず、時系列的加算を行うと判断した場合に、フレーム加算処理部37は、時系列的加算を行う。すなわち、フレーム加算処理部37は、焦点検出画素生成部34から出力された焦点検出画素データを入力する。そして、フレーム加算処理部37は、フレーム加算処理を行い、またはフレーム加算処理を行わないで、焦点検出画素データをデフォーカス量演算/信頼性判定部38に出力する。フレーム加算処理部37は、撮像素子により異なる時刻に画素信号列を取得し、この取得した複数の画素信号列を画素毎に加算し、時系列的な加算画素信号を生成するフレーム加算手段として機能する(例えば、図9のS7参照)。
デフォーカス量演算/信頼性判定部38は、空間加算判断/処理部36からの空間加算値、またはフレーム加算処理部37からの時系列的加算値を入力し、いずれかの出力を用いて、焦点検出画素データの位相差を算出し、この位相差に基づいてデフォーカス量を求める。この位相差およびデフォーカス量の算出は、公知の方法であることから、詳細な説明を省略する。
前述の空間加算判断/処理部36およびデフォーカス量演算/信頼性判定部38は、相関度が所定値より大きい場合、画素信号列の対の画素信号を、それぞれ対毎に、瞳分割方向と異なる方向に加算して空間的な加算画素信号を生成し、この生成された空間的な加算画素信号に基づいて位相差検出を行う位相差演算手段として機能する(例えば、図9のS9、S11参照)。フレーム加算処理部37およびデフォーカス量演算/信頼性判定部38は位相差演算手段として機能し、この位相差演算手段は、相関度が所定値より小さい場合に、時系列的な加算画素信号に基づいて位相差検出を行う(例えば、図9のS7、S11)。位相差演算手段は、被写体輝度が所定輝度より低いと判断する場合に、相関度演算手段により相関度を算出させる(例えば、図9のS1Yes、S3参照)。位相差演算手段は、所定値より大きい相関度を示す複数の画素信号列を抽出し、この抽出された画素信号列の範囲に含まれる上記画素信号を用いて、空間的な加算画素信号を生成し、この生成された加算画素信号に基づいて位相差検出を行う(例えば、図5参照)。位相差演算手段は、焦点検出領域に対応して相関度演算手段により算出される相関度の少なくともひとつが所定値よりも高い場合に、焦点検出領域にて位相差検出を行う(例えば、図5参照)。
また、デフォーカス量演算/信頼性判定部38は、算出されたデフォーカス量の信頼性を判定する。図8を用いてデフォーカス量の信頼性の判定について説明する。図8は、相関評価値F(m、l)が最小値となる付近における一対の焦点検出画素データ列の相対位置(シフト量)と相関評価値F(m、l)を示すグラフである。このグラフでシフト量がminにおいて相関評価値F(m、l)は最小となっている。ここで、相関評価値F(m、l)は離散的なデータであるので、最小値近傍の複数の相関評価値F(m、l)を用いて補間処理を行い、真の最小値に対応するシフト量ZRを算出する。シフト量ZRを求めると、シフト量ZRに所定係数を乗算してデフォーカス量を算出する。
デフォーカス量演算部/信頼性判定部38は、位相差AFの信頼性評価値として、相関評価値F(m、l)の相関度傾きFsを使用する。すなわち、図8に示す例において、相関評価値F(m、l)の最小値(FMIN)とこの最小値の前後の2個のF(m、l)であるFM、FPのうちで大きい方の相関評価値FMを通る直線の傾きFs[k]が、信頼性を表す信頼性評価値となる。この信頼性評価値が所定値より低い場合には、焦点検出不能と判定される。
レンズ駆動選択部39は、デフォーカス量演算/信頼性判定部38から出力された相関結果(相関演算の結果から求めたデフォーカス量、デフォーカス方向)に基づいて、撮影レンズ11の駆動方法および駆動方向を選択し、レンズ制御部13に出力する。レンズ制御部13は、前述したように、AF演算部23からのデフォーカス量に基づいて、撮影レンズ11を合焦位置に移動させる。
次に、図9に示すフローチャートを用いて、本実施形態におけるAF動作について説明する。このフローは、不揮発性メモリに記憶されたプログラムに基づいてAF演算部23内に設けられたCPU等が図6、7に示す各部を制御することにより実行する。
レリーズ釦が半押し(1stレリーズ)されると、図9に示すAFのフローに従い動作を開始する。まず、低輝度で露光不足状態か否かを判定する(S1)。ここでは、撮像制御部25は、撮像素子21からの画素データに基づいて、被写体輝度値を算出し、この被写体輝度値が所定輝度値よりも暗い場合に、低輝度で露光不足と判定する。この判定の結果、露光不足状態でない場合には、ステップS11の測距演算に進む。
ステップS1における判定の結果、低輝度で露光不足状態の場合には、所定エリアの同開口同士の画素データで相関演算を実施する(S3)。ここでは、空間加算判断/処理部36が、前述したように、所定の複数のエリア内の同開口の焦点検出画素データ列の間で、相関演算を行う。
相関演算を行うと、次に、類似度が高いか否かを判定する(S5)。ここでは、空間加算判断/処理部36が、相関演算結果から、視差量を求め(図4参照)、視差量に基づいて、類似度が高いか否かを判定する。図1〜図5を用いて説明したように、視差量が小さければ、被写体パターンが類似していると判断でき、一方、視差量が大きければ、被写体パターンは異なっていると判断できる。
ステップS5における判定の結果、類似度が高い場合には、空間的に焦点検出画素データを加算する(S9)。ここでは、被写体パターンの類似度が高いと判断された場合であり、空間加算判断/処理部36が、焦点検出画素生成部34から出力された焦点検出画素データに対して、空間的加算処理を行う。
一方、ステップS5における判定の結果、類似度が高くない場合には、時系列的に画素データを加算する(S7)。ここでは、フレーム加算処理部37が、撮像素子21から焦点検出画素データが出力されるたび(フレーム毎)に焦点検出画素データを加算する。前述したように、類似度が低い場合には、空間的加算を行っても、焦点検出精度が改善されないことから、1フレーム分の画像データが出力されるたびに、対応する焦点検出画素データ同士で加算処理を行う。この処理によって、加算後の焦点検出画素列のコントラストが大きくなり、焦点検出精度を改善することができる。
ステップS7またはS9において焦点検出画素データを加算すると、次に、測距演算を行う(S11)。ここでは、デフォーカス量演算/信頼性判定部38が、空間加算判断/処理部36またはフレーム加算処理部37から入力した焦点検出画素データを用いて、相関演算を行い、デフォーカス量を算出する。ステップS11において、測距演算を行うと、AF動作のフローを終了する。1stレリーズ釦が継続して押下中の場合は、再度AF動作のフローがステップS1から繰り返し実行される。1stレリーズ釦が押下されていない(離された)場合は、再度、1stレリーズ釦が操作されると、ステップS1から処理を行う。
以上説明したように、本発明の一実施形態においては、移動する被写体に対して時系列加算を実施すると、焦点検出結果に誤差を生じる恐れがある。そこで、空間積算手段(例えば、空間加算判断/処理部36参照)と、時系列積算手段(例えば、フレーム加算処理部37参照)を、条件に応じて使い分けて、焦点検出を行い、焦点検出精度を上げている。
また、本発明の一実施形態においては、低輝度条件で露光不足状態の場合(図9のS1Yes参照)、空間的に加算する各焦点検出画素データのうち、同じ開口の画素データ同士の相関演算が実施される(例えば、図4、図9のS3参照)。この相関演算の結果がある所定範囲内の近い値であれば、被写体パターンが類似しており、複数の焦点検出画素列上の画像は、同一被写体であると判断される(例えば、図1(a)、図4(a)、図9のS5Yes参照)。この場合には、空間的な画素データの加算処理が実施される(例えば、図9のS9参照)。空間的な加算処理は、1フレーム分の画像データを取得した時点で、短時間で実施できる。また、加算処理を行うことにより、焦点検出画素データのコントラストが大きくなり、焦点検出精度が向上する。
また、本発明の一実施形態においては、同じ開口の画素同士の相関演算結果が所定範囲外の値であれば、被写体パターンが類似しておらず、複数の焦点検出画素列上の画像は、異なる被写体であると判断する(例えば、図1(b)、図4(b)、図9のS5No参照)。この場合には、空間的に画素データを加算せずに、時系列的にフレーム加算処理を実施する(例えば、図9のS7参照)。
また、本発明の一実施形態においては、対の少なくとも一方に対応する複数の画素の画素信号から成り、瞳分割方向と異なる方向に位置する画素信号列の間の相関度を算出している(例えば、図9のS3参照)。そして、相関度が所定値より大きい場合(例えば、図9のS5Yes参照)、画素信号列の対の画素信号を、それぞれ対毎に、瞳分割方向と異なる方向に加算して空間的な加算画素信号を生成する(例えば、図9のS9参照)。この生成された空間的な加算画素信号に基づいて位相差検出を行う(例えば、図9のS11参照)。このため、異なる被写体パターンであっても測距精度の劣化を防止することができる。
なお、本発明の一実施形態においては、位相差AF検出のために、撮像素子21に位相差AF検出用画素を配置した所謂、像面位相差AFを採用している。しかし、これに限らず、撮像素子21とは別に位相差検出部を設けるようにしても勿論かまわない。
また、本発明の一実施形態においては、画像処理部22内の顔検出部22aおよび追尾部22bは、それぞれ顔検出回路および追尾回路を有していたが、ハードウエア回路に代えて、CPUとプログラムによってソフトウエア的に構成してもよく、ヴェリログ(Verilog)によって記述されたプログラム言語に基づいて生成されたゲート回路等のハードウエア構成でもよく、またDSP(Digital Signal Processor)を利用して構成してもよい。これらは適宜組み合わせてもよいことは勿論である。また、CPUに限らず、コントローラとしての機能を果たすプロセッサであればよい。
また、AF演算部23内の各部は、CPUとプログラムによってソフトウエア的に構成する以外にも、各部の一部または全部をハードウエア回路で構成してもよく、ヴェリログ(Verilog)によって記述されたプログラム言語に基づいて生成されたゲート回路等のハードウエア構成でもよく、またDSP(Digital Signal Processor)等のソフトを利用したハードウエア構成を利用してもよい。これらは適宜組み合わせてもよいことは勿論である。デフォーカス量の演算や、信頼性評価や、コントラスト評価値の演算、位相差画素の生成等は、画一的な演算処理を繰り返し行うことがハードウエア回路で構成することが望ましい。また、CPUに限らず、コントローラとしての機能を果たす素子であればよい。
また、本実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもミラーレスカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型コンピュータ、ゲーム機器等に内蔵されるカメラ、医療用カメラ、顕微鏡等の科学機器用のカメラ、自動車搭載用カメラ、監視用カメラでも構わない。いずれにしても、位相差法によって焦点検出を行う焦点検出装置であれば、本発明を適用することができる。
また、本明細書において説明した技術のうち、主にフローチャートで説明した制御に関しては、プログラムで設定可能であることが多く、記録媒体や記録部に収められる場合もある。この記録媒体、記録部への記録の仕方は、製品出荷時に記録してもよく、配布された記録媒体を利用してもよく、インターネットを介してダウンロードしたものでもよい。
また、本発明の一実施形態においては、フローチャートを用いて、本実施形態における動作を説明したが、処理手順は、順番を変えてもよく、また、いずれかのステップを省略してもよく、ステップを追加してもよく、さらに各ステップ内における具体的な処理内容を変更してもよい。
また、特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず」、「次に」等の順番を表現する言葉を用いて説明したとしても、特に説明していない箇所では、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
10・・・交換レンズ鏡筒、11・・・撮影レンズ、12・・・アクチュエータ、13・・・レンズ制御部、20・・・カメラ本体、21・・・撮像素子、21a・・・画素データ、22・・・画像処理部、22a・・・顔検出部、22b・・・追尾部、23・・・AF演算部、24・・・記録部、25・・・撮像制御部、33・・・AF測距点設定部、34・・・焦点検出画素生成部、35・・・測距エリア設定部、36・・・空間加算判断/処理部、37・・・フレーム加算部、38・・・デフォーカス量演算/信頼性判定部、39・・・レンズ駆動選択部、x1・・・撮像面、a1〜a5,b1〜b5,c1〜c5・・・焦点検出エリア
Claims (7)
- 撮影レンズを通過する被写体からの光束を瞳分割し、瞳分割された光束を受光する対をなす画素から成る複数の画素部を有し、上記複数の画素部の光電変換により瞳分割に対応する対の画素信号列を出力する撮像素子と、
上記対の少なくとも一方に対応する複数の画素の画素信号から成り、上記瞳分割方向と異なる方向に位置する画素信号列の間の類似度を算出する類似度演算手段と、
上記類似度が所定値より高い場合、上記画素信号列の上記対の画素信号を、それぞれ対毎に、上記瞳分割方向と異なる方向に加算して空間的な加算画素信号を生成し、この生成された上記空間的な加算画素信号に基づいて位相差検出を行う位相差演算手段と、
を具備することを特徴とする焦点検出装置。 - 上記撮像素子により異なる時刻に画素信号列を取得し、この取得した複数の画素信号列を画素毎に加算し、時系列的な加算画素信号を生成するフレーム加算手段を有し、
上記位相差演算手段は、上記類似度が所定値より低い場合に、上記時系列的な加算画素信号に基づいて位相差検出を行うことを特徴とする請求項1に記載の焦点検出装置。 - 被写体輝度を検出する輝度検出手段を有し、
上記位相差演算手段は、上記被写体輝度が所定輝度より低いと判断する場合に、上記類似度演算手段により類似度を算出させることを特徴とする請求項1または2に記載の焦点検出装置。 - 上記類似度演算手段は、複数の上記画素信号列の組み合わせについて類似度を算出し、
上記位相差演算手段は、上記所定値より高い類似度を示す複数の上記画素信号列を抽出し、この抽出された画素信号列の範囲に含まれる上記画素信号を用いて、空間的な加算画素信号を生成し、この生成された上記加算画素信号に基づいて位相差検出を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の焦点検出装置。 - 焦点検出領域を設定する焦点検出領域設定手段を有し、
上記類似度演算手段は、設定された上記焦点検出領域に含まれる上記画素信号列を用いて、類似度を算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の焦点検出装置。 - 上記位相差検出手段は、上記焦点検出領域に対応して上記類似度演算手段により算出される類似度の少なくともひとつが上記所定値よりも高い場合に、上記焦点検出領域にて位相差検出を行うことを特徴とする請求項5に記載の焦点検出装置。
- 撮影レンズを通過する被写体からの光束を瞳分割し、瞳分割された光束を受光する対をなす画素から成る複数の画素部を有し、上記複数の画素部の光電変換により瞳分割に対応する対の画素信号列を出力する撮像素子を有する撮像装置の焦点検出方法において、
上記対の少なくとも一方に対応する複数の画素の画素信号から成り、上記瞳分割方向と異なる方向に位置する画素信号列の間の類似度を算出し、
上記類似度が所定値より高い場合、上記画素信号列の上記対の画素信号を、それぞれ対毎に、上記瞳分割方向と異なる方向に加算して空間的な加算画素信号を生成し、この生成された上記空間的な加算画素信号に基づいて位相差検出を行う、
ことを特徴とする焦点検出方法。
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