JP2019148701A - 適応光学素子 - Google Patents

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松本 健志
Kenji Matsumoto
松本  健志
綾乃 田辺
Ayano Tanabe
綾乃 田辺
圭佑 磯部
Keisuke Isobe
圭佑 磯部
緑川 克美
Katsumi Midorikawa
克美 緑川
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Abstract

【課題】簡単な構成としつつ、かつ、光学系の波面収差の測定に利用できる適応光学素子を提供する。【解決手段】適応光学素子は、入射する直線偏光の偏光面と平行な方向に液晶分子が配向される第1の領域と、入射する直線偏光の偏光面に対して直交せずに交差する方向に液晶分子が配向される第2の領域とを含む液晶層20を有し、第1の領域に印加される電圧に応じて、第1の領域を透過する直線偏光の位相を変調し、第2の領域に印加される電圧に応じて、第2の領域を透過する直線偏光の偏光面を回転させる光変調素子11と、第1の領域と第2の領域のうちの大きい方から出射した光の偏光面の長軸方向と透過軸がなす角よりも、小さい方の領域から出射した光の偏光面の長軸方向と透過軸がなす角の方が小さくなるように向けられた透過軸を持ち、光変調素子の第1の領域から出射した光及び光変調素子の第2の領域から出射した光を透過させる偏光子12とを有する。【選択図】図4

Description

本発明は、波面収差の測定または補償に用いられる適応光学素子に関する。
光学系により生じる波面収差を測定し、測定された波面収差を補償するための適応光学素子が研究されている。例えば、レンズの瞳面もしくは瞳面に共役な位置に配置された波面変調器の局所領域に与える位相変調量を変化させた際に得られる、波面変調器及びレンズを介して入射する光の強度分布に基づいて、局所領域を通過する光と局所領域以外を通過する光の干渉成分を取得し、取得した干渉成分をフーリエ変換して得られる位相成分を波面歪み量として算出する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2016−125895号公報
上記の技術では、波面歪み量を正確に算出するために、取得される干渉成分のコントラストが高くなることが好ましい。干渉成分のコントラストを向上するためには、強度分布を検出するための検出器の検出面において、波面変調器の局所領域を透過した光の光量と、波面変調器の局所領域以外の領域を透過した光の光量とが略等しいことが好ましい。また、干渉成分を取得するために、局所領域を透過する光と局所領域以外の領域を透過する光間の位相差が変調制御される。したがって、上記の技術では、波面変調器には、局所領域を透過する光の光量と局所領域以外の領域を透過する光の光量とのバランスを調節し、かつ、局所領域を透過する光と局所領域以外の領域を透過する光間の位相差を変調制御することが求められる。一方、波面歪み量の測定対象となる光学系によっては、波面変調器を配置するために利用可能なスペースが限られることがあり、波面変調器は簡単な構成であることが好ましい。
そこで、本発明は、簡単な構成としつつ、かつ、光学系の波面収差の測定に利用できる適応光学素子を提供することを目的とする。
本発明の一つの側面によれば、適応光学素子が提供される。この適応光学素子は、第1の液晶層を有し、第1の液晶層は、入射する直線偏光の偏光面と平行な方向に液晶分子が配向される第1の領域と、入射する直線偏光の偏光面に対して直交せずに交差する方向に液晶分子が配向される第2の領域とを有し、第1の領域に印加される電圧に応じて、第1の領域を透過する直線偏光の位相を変調し、第2の領域に印加される電圧に応じて、第2の領域を透過する直線偏光の偏光面を回転させる光変調素子と、第1の領域と第2の領域のうちの大きい方から出射した光の偏光面の長軸方向と透過軸がなす角よりも、第1の領域と第2の領域のうちの小さい方から出射した光の偏光面の長軸方向と透過軸がなす角の方が小さくなるように向けられた透過軸を持ち、光変調素子の第1の領域から出射した光及び光変調素子の第2の領域から出射した光を透過させる偏光子とを有する。
この適応光学素子において、光変調素子の第2の領域は第1の領域よりも大きいことが好ましい。この場合において、適応光学素子は、第1の領域に印加する電圧を調節することで第1の領域を透過する直線偏光の位相の変調量を調節し、一方、第2の領域に対して第2の領域を透過する直線偏光の偏光面を、第2の領域における配向方向をまたいで回転させる電圧を印加するコントローラをさらに有することが好ましい。
さらに、この適応光学素子は、光変調素子を適応光学素子の光軸を回転軸として回転可能に支持する筐体を有し、かつ、光変調素子は、第1の液晶層を挟んで互いに対向する第1の透明電極及び第2の透明電極をさらに有し、第1の透明電極は、第1の領域を覆う第1の部分電極と、第2の領域を覆う複数の第2の部分電極とを有することが好ましい。この場合において、光変調素子は、適応光学素子の光軸に沿って配置された光学系の波面収差を測定する場合、第2の領域における配向方向が入射する直線偏光の偏光面に対して直交せずに交差するよう筐体に支持され、一方、その光学系の波面収差を補償する場合、第2の領域における配向方向が入射する直線偏光の偏光面と平行となるよう筐体に支持される。そしてコントローラは、適応光学素子の光軸に沿って配置された光学系の波面収差を測定する場合、複数の第2の部分電極のそれぞれと第2の透明電極との間に、第2の領域を透過する直線偏光の偏光面を、第2の領域における配向方向をまたいで回転させる電圧を印加し、その光学系の波面収差を補償する場合、複数の第2の部分電極のそれぞれと第2の透明電極との間に、その光学系の波面収差を打ち消す位相分布を第2の領域を透過する光に付与する電圧を印加することが好ましい。
この場合において、筐体は、偏光子を着脱可能に支持し、光学系の波面収差を測定する場合、偏光子は、光変調素子から出射して光学系に入射する光の光路上に配置されるように筐体に支持され、一方、光学系の波面収差を補償する場合、偏光子は、光路外に位置するよう筐体から取り外されることが好ましい。
あるいは、この適応光学素子は、光変調素子の入射側に配置され、第2の液晶層を有し、かつ、第2の液晶層に含まれる液晶分子が光学系の波面収差を測定する場合における第2の領域の配向方向と入射する直線偏光とがなす角を2等分する方向に配向される第1の可変波長板をさらに有し、かつ、光変調素子は、第1の液晶層を挟んで互いに対向する第1の透明電極及び第2の透明電極をさらに有し、第1の透明電極は、第1の領域を覆う第1の部分電極と、第2の領域を覆う複数の第2の部分電極とを有することが好ましい。この場合において、コントローラは、適応光学素子の光軸に沿って配置された光学系の波面収差を測定する場合、複数の第2の部分電極のそれぞれと第2の透明電極との間に、第2の領域を透過する直線偏光の偏光面を、第2の領域における配向方向をまたいで回転させる電圧を印加し、かつ、第1の可変波長板が全波長板として動作する電圧を第2の液晶層に印加し、一方、その光学系の波面収差を補償する場合、複数の第2の部分電極のそれぞれと第2の透明電極との間に、その光学系の波面収差を打ち消す位相分布を第2の領域を透過する光に付与する電圧を印加し、かつ、第1の可変波長板が半波長板として動作する電圧を第2の液晶層に印加することが好ましい。
この場合において、適応光学素子は、偏光子を着脱可能に支持する筐体をさらに有し、光学系の波面収差を測定する場合、偏光子は、光変調素子から出射してその光学系に入射する光の光路上に配置されるように筐体に支持され、一方、その光学系の波面収差を補償する場合、偏光子は、その光路外に位置するよう筐体から取り外されることが好ましい。
あるいは、この適応光学素子において、光変調素子の第1の領域は第2の領域よりも大きいことが好ましい。この場合において、適応光学素子は、第1の領域に印加する電圧を調節することで第1の領域を透過する直線偏光の位相の変調量を調節し、一方、第2の領域に対して第2の領域を透過する直線偏光の偏光面を、第2の領域における配向方向をまたいで回転させる電圧を印加するコントローラをさらに有することが好ましい。
この場合、光変調素子は、第1の液晶層を挟んで互いに対向する第1の透明電極及び第2の透明電極をさらに有し、第1の透明電極は、第1の領域を覆う複数の第1の部分電極と、第2の領域を覆う第2の部分電極とを有することが好ましい。そしてコントローラは、適応光学素子と同じ光軸に沿って配置された光学系の波面収差を測定する場合、複数の第1の部分電極のそれぞれと第2の透明電極との間に、第1の領域を透過する光の位相の変調量に応じた電圧を印加し、一方、その光学系の波面収差を補償する場合、複数の第1の部分電極のそれぞれと第2の透明電極との間に、その光学系の波面収差を打ち消す位相分布を第1の領域を透過する光に付与する電圧を印加することが好ましい。
この場合において、適応光学素子は、偏光子を着脱可能に支持する筐体をさらに有し、光学系の波面収差を測定する場合、偏光子は、光変調素子から出射してその光学系に入射する光の光路上に配置されるように筐体に支持され、一方、その光学系の波面収差を補償する場合、偏光子は、光路外に位置するよう筐体から取り外されることが好ましい。
さらに、光変調素子の第2の領域は、光軸と直交する面において第1の部分領域、第2の部分領域及び第3の部分領域に分割され、第1の部分領域と第2の部分領域が並ぶ方向と、第1の部分領域と第3の部分領域が並ぶ方向とは互いに直交することが好ましい。そしてコントローラは、光学系の波面収差を測定する場合、第1の部分領域、第2の部分領域及び第3の部分領域のうちの何れか一つを透過する直線偏光の偏光面を第2の領域における配向方向をまたいで回転させ、かつ他の二つが全波長板として動作するように、第1の部分領域、第2の部分領域及び第3の部分領域に電圧を印加し、かつ、直線偏光の偏光面を回転させる第1の部分領域、第2の部分領域及び第3の部分領域のうちの何れか一つを順次変更することが好ましい。
本発明による適応光学素子は、簡単な構成としつつ、かつ、光学系の波面収差の測定に利用できるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態による適応光学素子及びその適応光学素子を含む光学系の概略構成図である。 (a)は、光変調素子を光源側から見た概略正面図であり、(b)は、(a)の矢印A、A’で示される線における、光変調素子の概略側面断面図である。 光源側から見た、光変調素子の透明電極の概略正面図である。 入射光の偏光面と、光変調素子の各領域における液晶分子の配向方向と、光変調素子から出射した光の偏光面と、偏光子の透過軸の方向との関係を表す模式図である。 変形例による、光源側から見た、光変調素子の透明電極の概略正面図である。 (a)は、第2の実施形態による適応光学素子の光変調素子及び偏光子を支持する筐体の概略側面図である。(b)は、光軸を通る面における、筐体の側面断面図である。(c)は、筐体が有する回動支持部材の概略側面図である。 第2の実施形態の変形例による適応光学素子の概略構成図である。 (a)は、可変波長板を光源側から見た概略正面図であり、(b)は、(a)の矢印B、B’で示される線における、可変波長板の概略側面断面図である。 第2の実施形態の変形例による適応光学素子における、入射光の偏光面と、可変波長板の液晶分子の配向方向と、光変調素子の各領域における液晶分子の配向方向と、光変調素子から出射した光の偏光面と、偏光子の透過軸の方向との関係を表す模式図である。 第2の実施形態のさらなる変形例による適応光学素子の概略構成図である。 この変形例による、入射光の偏光面と、光変調素子の各領域における液晶分子の配向方向と、光変調素子から出射した光の偏光面と、偏光子の透過軸の方向との関係を表す模式図である。 さらなる変形例による、光変調素子を光源側から見た概略正面図である。
以下、図を参照しつつ、一つの実施形態による適応光学素子について説明する。この適応光学素子は、波面収差の測定対象となる光学系を透過する光の一部と他の一部との間で干渉させる。そのために、この適応光学素子は、光源側から順に、光変調素子と偏光子とを有し、光変調素子が有する液晶層は、光学系の波面収差を測定する際の参照光が透過する局所領域(以下、説明の便宜上、参照領域と呼ぶ)と、光学系の波面収差を表す光が透過するその他の領域(以下、説明の便宜上、測定領域と呼ぶ)とに分割される。そして参照領域では、適応光学素子に入射する直線偏光(以下、単に入射光と呼ぶことがある)の偏光面と平行な方向に沿って液晶分子が配向され、液晶層に印加される電圧により、参照領域を透過する光に与えられる位相変調量が制御される。一方、測定領域では、入射光の偏光面に対して45°をなす方向に沿って液晶分子が配向され、液晶層に対して、透過する光が楕円偏光となるような電圧が印加される。そして偏光子は、その透過軸が入射光の偏光面と平行となるように配置される。これにより、参照領域を透過した光の偏光面は偏光子の透過軸と平行であるため、偏光子を透過してもほぼ減衰されず、一方、測定領域を透過した光は偏光子を透過することで減衰されるため、参照領域を透過した光の光量と測定領域を透過した光の光量とが略等しくなる。また、参照領域を透過する光については、参照領域における液晶層に印加される電圧に応じて位相変調量が制御される。そのため、この適応光学素子は、簡単な構成を有し、かつ、光学系の波面収差の測定に利用できる。
図1は、本発明の第1の実施形態による適応光学素子及びその適応光学素子を含む光学系の概略構成図である。図1に示されるように、第1の実施形態による適応光学素子1は、波面測定対象となる光学系3の光軸OAに沿って、光学系3が有する集光レンズ301の前側焦点面に配置される。なお、適応光学素子1は、集光レンズ301の前側焦点面に共役な位置に配置されてもよい。また、図1に示される例では、光学系3は、光源2と適応光学素子1との間に配置され、光源2から発した光束を平行光化するコリメータ302を有するが、コリメータ302は省略されてもよい。さらに、集光レンズ301の後側焦点面には、光学系3側へ検出面が向けられるように、CCDあるいはC-MOS撮像素子が2次元状に配列されたイメージセンサといった光検出器4が配置される。
光源2は、例えば、半導体レーザ、固体レーザあるいはガスレーザといった直線偏光を持つ光を出力する発光素子を有する。そして光源2から発した光は、適応光学素子1に入射する。
適応光学素子1は、光学系3の波面収差を測定するために利用される。そのために、適応光学素子1は、光源2から発して適応光学素子1に入射した光を、適応光学素子1の光変調素子に設けられる参照領域を透過する光と測定領域を透過する光とに分割する。そして適応光学素子1の参照領域を透過した光及び測定領域を透過した光は、集光レンズ301に入射する。
なお、適応光学素子1の詳細については後述する。
波面収差の測定対象となる光学系3は、例えば、顕微鏡の観察光学系の対物レンズ、顕微鏡の照明光学系、ピックアップレンズ、あるいはレーザ加工装置のレーザ結像用の光学系とすることができる。そして光学系3は、適応光学素子から出射した光を、集光レンズ301の後側焦点面に収束させる。
本実施形態では、上記の特許文献1に記載された手法に従って、光学系3の波面収差は測定される。すなわち、光源2から発して適応光学素子1の参照領域を透過する光の位相を測定領域を透過する光の位相に対してシフトさせながら、光検出器4により、集光レンズ301の後側焦点面における強度分布を測定する。測定された光の強度分布が演算装置(図示せず)に送信され、演算装置は、その強度分布から、光源2から発して適応光学素子1の参照領域を透過した光と、適応光学素子1の測定領域を透過した光との干渉成分を抽出する。例えば、集光レンズ301の後側焦点面における強度分布I(x,y,φm)は次式で表される。
Figure 2019148701
ここで、(x,y)は、光学系3の結像面における座標を表し、φmは、参照領域を透過した光と測定領域を透過した光の位相差を表す。またEh(x,y)は、測定領域を透過した光の電場(複素振幅)を表し、Epr(x,y)eiφmは、参照領域を透過した光の電場(複素振幅)を表す。また、参照領域を透過した光と測定領域を透過した光の位相差φmを0、2π/3、4π/3のそれぞれとしたときの光検出器4により得られる測定された光の強度分布を表す3枚の画像より、参照領域を透過した光と測定領域を透過した光の干渉成分Eh(x,y)E* pr(x,y)が求められる。そして演算装置がその干渉成分をフーリエ変換することで、参照領域を透過した光の電場と測定領域を透過した光の電場とのコンボリューションが求められる。ここで、測定領域は大きいので、測定領域を透過した光は、光学系3のほぼ全体を透過する。一方、参照領域は小さく、参照領域を透過した光の電場がデルタ関数で近似されるとすると、フーリエ変換により得られた参照領域を透過した光の電場と測定領域を透過した光の電場とのコンボリューションは、測定領域を透過した光の電場を表すことになり、その電場から、測定領域を透過した光の位相分布が導出される。そして測定領域を透過した光の位相分布は、集光レンズ301の前側焦点面における、光学系3を透過する光の位相分布に相当する。したがって、その位相分布により、光学系3の波面収差が表される。
以下、適応光学素子1の詳細について説明する。本実施形態では、適応光学素子1は、光源2側から順に、光軸OAに沿って、光変調素子11と、偏光子12とを有する。さらに、適応光学素子1は、光変調素子11を駆動するためのコントローラ13を有する。
図2(a)は、光変調素子11を光源2側から見た概略正面図であり、図2(b)は、図2(a)の矢印A、A’で示される線における、光変調素子11の概略側面断面図である。光変調素子11は、液晶素子として構成され、コントローラ13により印加される電圧に応じて、参照領域を透過する光の位相を変調し、一方、測定領域を透過した光の偏光面を変調する。
そのために、光変調素子11は、液晶層20と、光軸OAに沿って液晶層20の両側に略平行に配置された透明基板21、22を有する。また光変調素子11は、透明基板21と液晶層20の間に配置された透明電極23と、液晶層20と透明基板22の間に配置された透明電極24とを有する。そして液晶層20の液晶分子27は、透明基板21及び22に挟まれ、シール部材28に囲まれる部分に封入されている。
透明基板21、22は、例えば、ガラスまたは樹脂など、光源2が発する光に対して透明な材料により形成される。また透明電極23、24は、例えば、ITOと呼ばれる、酸化インジウムに酸化スズを添加した材料により形成される。さらに、透明電極23と液晶層20の間に配向膜25が配置される。また透明電極24と液晶層20の間に配向膜26が配置される。
本実施形態では、光源2から発して光変調素子11へ入射する光束が透過する液晶層20のアクティブ領域20a内の一部が参照領域20bとされ、参照領域20b以外の領域が測定領域20cとなる。本実施形態では、参照領域20bは、透過する光の位相を変調する第1の領域の一例であり、測定領域20cは、透過する光の偏光面を回転させる第2の領域の一例である。光軸OAと直交する面における、参照領域20bの面積が測定領域20cの面積よりも狭くなるように参照領域20bは形成される。特に、参照領域20bの面積は、光学系3により生じる波面収差の測定において参照領域20bを透過する光の電場をデルタ関数として近似可能な程度に設定されることが好ましい。例えば、参照領域20bの面積は、アクティブ領域20a全体の面積の1/1000〜1/100となるように、参照領域20bは設定されることが好ましい。また本実施形態では、参照領域20bは、光軸OAと液晶層20とが交差する点を含むように形成される。一般に、光軸OAの近傍では、波面収差は小さいので、このように光軸OAと液晶層20とが交差する点を含むように参照領域20bが設けられることで、参照領域20bを透過する光の電場がデルタ関数を用いてより良好に近似される。その結果として、光学系3により生じる波面収差をより精密に測定することが可能となる。
なお、参照領域20bの位置はこの例に限られず、参照領域20bは、光軸OAと重ならない位置に設けられてもよい。また、この例では、参照領域20bは、光軸OAと直交する面において矩形形状となるように形成されているが、参照領域20bは、光軸OAと直交する面において、例えば、円状、三角形状、五角形状あるいは六角形状といった他の形状に形成されてもよい。
図3は、光源2側から見た、透明電極23の概略正面図である。透明電極23は、参照領域20bの光源2側の液晶層20の面を覆う部分電極23−1と、測定領域20cの光源2側の液晶層20の面を覆う部分電極23−2とを有する。部分電極23−1と部分電極23−2とは、互いに絶縁される。また、部分電極23−1及び部分電極23−2のそれぞれから配線がそれぞれ引き出されており、その配線がコントローラ13と接続されている。一方、透明電極24は、液晶層20の偏光子12側の面全体を覆うように配置される。そして透明電極24も、配線を介してコントローラ13と接続される。なお、透明電極24も、透明電極23と同様に、参照領域20bを覆う部分電極と、測定領域20cを覆う部分電極とを有してもよい。そしてコントローラ13によって、部分電極23−1と透明電極24との間に、入射光の波長に応じ、かつ、参照領域20bを透過する光に与えられる位相変調量に応じた電圧が印加される。一方、コントローラ13によって、部分電極23−2と透明電極24との間に、入射光の波長に応じ、かつ、測定領域20cを透過する光の偏光面を、長軸方向が入射光の偏光面に対して90°に近い楕円偏光となるように回転させる電圧が印加される。
配向膜25及び配向膜26は、参照領域20bでは、図2(a)において矢印201で示される、光変調素子11に入射する入射光の偏光面と、矢印202で示される配向方向とが平行となり、一方、測定領域20cでは、入射光の偏光面と矢印203で示される配向方向とが45°をなすように形成される。そして液晶層20内の液晶分子27は、例えば、ホモジニアス配向される。したがって、参照領域20bでは、液晶分子27は、その長軸方向が入射光の偏光面と平行となるように配向され、測定領域20cでは、液晶分子27は、その長軸方向が入射光の偏光面と45°をなすように配向される。
ここで、透明電極23と24との間に電圧が印加されると、液晶分子27がその電圧に応じて電圧が印加された方向に対して平行になる方向に傾く。液晶分子27の長軸方向と、電圧が印加された方向とがなす角をψとすれば、液晶層20を透過する入射光は、液晶分子27の長軸方向に対して角φ(=90°-ψ)をなす。このとき、液晶分子27が配向された方向と平行な偏光成分に対する液晶分子の屈折率をnφとすると、no≦nφ≦neとなる。ただし、noは液晶分子27の長軸方向に直交する偏光成分に対する屈折率であり、neは液晶分子27の長軸方向に平行な偏光成分に対する屈折率である。そして屈折率nφは、透明電極23と24との間に印加される電圧に応じて変化する。
したがって、入射光の偏光面と液晶分子27の長軸方向とが平行となるように液晶分子27が配向される参照領域20bを透過する光について、印加される電圧に応じた光路長差Δnd(=n1d-n2d)が生じる。なお、dは、光軸OAに沿った液晶層20の厚さである。また、n1は、電圧V1が印加される場合の参照領域20bにおける、入射光に対する液晶層20の屈折率であり、n2は、電圧V2が印加される場合の参照領域20bにおける、入射光に対する液晶層20の屈折率である。そしてそれら二つの光間に生じる位相差Δは、2πΔnd/λとなる。なお、λは、入射光の波長である。したがって、コントローラ13が透明電極23のうちの部分電極23−1と透明電極24との間に印加する電圧を調整することで、参照領域20bを透過する入射光の位相を、測定領域20cを透過する入射光の位相に対して任意にシフトさせることができる。
例えば、コントローラ13は、部分電極23−1と透明電極24との間に印加する電圧を調整することで、測定領域20cを透過する光の位相に対する参照領域20bを透過する光の位相の変調量を、0、2/3π及び4/3πなどに設定する。
また、測定領域20cでは、入射光のうち、液晶分子27の配向方向に平行な偏光成分と液晶分子27の配向方向に直交する偏光成分との間に、光路長差Δnd(=nψd-nod)が生じる。したがって、部分電極23−2と透明電極24との間に印加する電圧を調節することにより、液晶分子27の配向方向に平行な偏光成分と、液晶分子27の配向方向に直交する偏光成分との光路長差を調節できる。そのため、コントローラ13が部分電極23−2と透明電極24との間に印加する電圧を調節することにより、液晶層20のうち、測定領域20cは波長板として機能する。本実施形態では、コントローラ13は、測定領域20cを透過する光の偏光面を、液晶層20に入射する際の偏光面に対して90°に近い角度だけ回転させ、楕円偏光として出射させるよう、部分電極23−2と透明電極24との間に印加する電圧を調節する。なお、偏光面の回転角度は、後述するように、参照領域20bから出射して偏光子12を透過した光の光量と、測定領域20cから出射して偏光子12を透過した光の光量とが略等しくなるように設定されればよい。
光変調素子11の参照領域20bを出射した光及び測定領域20cを出射した光のそれぞれは、偏光子12に入射する。
偏光子12は、その透過軸が光源2から発した光の偏光面と平行となるように配置される。偏光子12は、例えば、ワイヤーグリッド型偏光板、あるいはヨウ素を含浸させたポリビニルアルコールを延伸することによって構成される薄膜型偏光板とすることができる。ここで、光変調素子11の参照領域20bを出射した光の偏光面は、入射光の偏光面に対して平行なまま維持されているので、参照領域20bから出射した光は、偏光子12によりほぼ減衰されずに偏光子12を透過する。一方、光変調素子11の測定領域20cを出射した光の偏光面は光変調素子11により回転され、楕円偏光となっているので、測定領域20cから出射した光は、偏光子12により減衰される。したがって、偏光子12を透過した光のうちの参照領域20bから出射した光の光量と、測定領域20cから出射した光の光量との差が小さくなる。そのため、光学系3の結像面において、参照領域20bから出射した光と測定領域20cから出射した光とにより生じる干渉成分のコントラストが向上する。
図4は、入射光の偏光面と、光変調素子11の各領域における液晶分子の配向方向と、光変調素子11から出射した光の偏光面と、偏光子12の透過軸の方向との関係を表す模式図である。図4において、光源2から発して光変調素子11へ入射する入射光の偏光面は矢印401で示される。そして矢印402に示される、光変調素子11の参照領域20bにおける配向方向は、入射光の偏光面と平行となる。そのため、参照領域20bから出射した光の偏光方向は、矢印404に示されるように、光変調素子11への入射光の偏光面と平行なまま維持される。したがって、参照領域20bから出射した光は、矢印406に示されるように、透過軸が光変調素子11へ入射する入射光の偏光面と平行となるように配置された偏光子12を透過してもほぼ減衰しない。
一方、矢印403に示されるように、光変調素子11の測定領域20cにおける配向方向は、入射光の偏光面に対して45°をなす。そのため、測定領域20cから出射された光は、楕円405に示されるように、長軸が入射光の偏光方向と直交する方向に近い楕円偏光となる。したがって、測定領域20cから出射した光のうち、偏光子12の透過軸と平行な偏光成分のみが偏光子12を透過する。そのため、参照領域20bよりも広い測定領域20cを透過した光のうち、偏光子12を透過した光の光量は、参照領域20b及び偏光子12を透過した光の光量と略等しくなる。
なお、波面収差の測定が行われないときには、コントローラ13は、部分電極23−1と透明電極24との間、すなわち、参照領域20bに印加する電圧を、参照領域20bを透過する光の位相シフト量が0となるように調節すればよい。一方、コントローラ13は、部分電極23−2と透明電極24との間、すなわち、測定領域20cに印加する電圧を、測定領域20cを透過する光の偏光面が回転しないように、すなわち、測定領域20cが全波長板として動作するように調節すればよい。
コントローラ13は、例えば、一つまたは複数のプロセッサと、不揮発性の半導体メモリ及び揮発性の半導体メモリと、光変調素子11を駆動するための駆動回路とを有する。そしてコントローラ13は、光変調素子11の参照領域20bに印加する電圧、すなわち、部分電極23−1と透明電極24間に印加する電圧を制御することで、参照領域20bを透過した光の位相の変調量を変化させる。コントローラ13は、例えば、参照領域20bを透過した光の位相シフト量を、0、2π/3、4π/3の何れかとする。なお、コントローラ13は、参照領域20bを透過した光の位相の変調量を上記以外の変調量とするように、参照領域20bに印加する電圧を制御してもよい。
またコントローラ13は、光変調素子11の測定領域20cに印加する電圧、すなわち、部分電極23−2と透明電極24間に印加する電圧を制御することで、測定領域20cを透過した光の偏光面を回転させる。
なお、コントローラ13が有するメモリには、参照領域20bを透過する光の位相のシフト量と、参照領域20bに印加する電圧との関係を表す位相シフト量参照テーブルと、測定領域20cを透過する光の偏光面の回転量と、測定領域20cに印加する電圧との関係を表す回転量参照テーブルとが予め保存される。そしてコントローラ13のプロセッサは、他の機器(図示せず)から指示された位相のシフト量に応じた電圧を、位相シフト量参照テーブルを参照することで特定すればよい。そしてコントローラ13のプロセッサは、特定した電圧を部分電極23−1と透明電極24間に印加するように、駆動回路を制御する。同様に、コントローラ13のプロセッサは、回転量参照テーブルを参照することで、指示された偏光面の回転量に応じた電圧を特定し、特定した電圧を部分電極23−2と透明電極24間に印加するように、駆動回路を制御すればよい。
なお、コントローラ13は、光学系3の波面収差を測定する際に、光検出器4から光学系3の結像面における強度分布を受信して、上記の特許文献に記載の処理を実行することで、光学系3の波面収差を求めてもよい。そしてコントローラ13は、求めた波面収差を他の機器へ出力し、あるいは、コントローラ13が有するメモリに記憶してもよい。
以上説明してきたように、この適応光学素子では、適応光学素子が有する光変調素子の液晶層が、参照領域と、参照領域よりも大きい測定領域とに分割される。そしてこの適応光学素子は、参照領域に印加する電圧を調節することで、参照領域を透過する光の位相の変調量を制御するとともに、測定領域に印加する電圧を調節することで、測定領域を透過する光の光量が偏光子により減衰されるように、その光の偏光面を回転させる。これにより、この適応光学素子は、1枚の光変調素子と1枚の偏光子とを用いて、参照領域を透過する光の位相を制御しつつ、参照領域を透過する光の光量と測定領域を透過する光の光量とを略等しくして、それらの光により生じる干渉成分のコントラストを向上できる。したがって、この適応光学素子は、簡単な構成としつつ、かつ、光学系の波面収差の測定に利用できる。
なお、変形例によれば、光変調素子11の測定領域20cにおける液晶分子27は、その配向方向が入射光の偏光面と直交せずに交差するよう配向されていればよく、配向方向と入射光の偏光面とがなす角は、例えば、40〜50°の何れかであってもよい。この場合でも、偏光子12の透過軸と光変調素子11の参照領域20bから出射した光の偏光面とがなす角よりも、偏光子12の透過軸と光変調素子11の測定領域20cから出射した楕円偏光の長軸方向とがなす角の方が大きければ、参照領域20b及び偏光子12を透過した光の光量と、測定領域20c及び偏光子12を透過した光の光量との差が小さくなるので、干渉成分のコントラストが向上する。
他の変形例によれば、コントローラ13は、光変調素子11の測定領域20cが半波長板として動作するように、すなわち、測定領域20cを透過した光の偏光面が、入射光の偏光面に対して90°回転するように、部分電極23−2と透明電極24間に印加する電圧を制御してもよい。すなわち、測定領域20cから出射した光の偏光の長軸方向は、入射光の偏光方向と直交する方向となる。この場合、偏光子12は、その透過軸が光変調素子11への入射光の偏光面に対して、例えば数度程度傾くように配置されればよい。したがって、この場合も、参照領域20bから出射した光の偏光面と偏光子12の透過軸とがなす角よりも、測定領域20cから出射した光の偏光面と偏光子12の透過軸とがなす角の方が大きくなる。そのため、光変調素子11の参照領域20b及び偏光子12を透過した光の光量と、光変調素子11の測定領域20c及び偏光子12を透過した光の光量とが略等しくなる。したがって、この変形例によっても、適応光学素子は、参照領域を透過する光と測定領域を透過する光とにより生じる干渉成分のコントラストを向上できる。
次に、第2の実施形態による適応光学素子について説明する。第2の実施形態による適応光学素子は、波面収差を測定するだけでなく、測定された波面収差を補償するために利用できる。第2の実施形態による適応光学素子は、第1の実施形態による適応光学素子と比較して、光変調素子の透明電極の構造、及び、コントローラによる波面補償時の光変調素子の制御などが異なる。そこで以下では、上記の相違点について説明する。
図5は、この変形例による、光源2側から見た、光変調素子11の透明電極23の概略正面図である。透明電極23は、参照領域20bの光源2側の液晶層20の面を覆う部分電極23−1と、測定領域20cの光源2側の液晶層20の面を覆う複数の部分電極23−2〜23−n(ただし、nは3以上の整数)とを有する。複数の部分電極23−2〜23−nは、それぞれ、輪帯状に形成され、かつ、光軸OAと透明電極23とが交差する点Cを中心とする同心円状に配置される。なお、この例では、参照領域20bも円形状に形成されているが、上記の実施形態と同様に、参照領域20bは矩形状に形成されてもよい。
各部分電極23−1〜23−nから配線がそれぞれ引き出されており、その配線がコントローラ13と接続されている。さらに、各部分電極23−1〜23−nは互いに離して配置されることで絶縁されている。そのため、コントローラ13は、各部分電極23−1〜23−nと透明電極24間に印加する電圧を独立に制御できる。したがって、コントローラ13が各部分電極23−2〜23−nと透明電極24との間に印加する電圧を調節することで、光変調素子11は、光変調素子11の測定領域20cを透過する光に、同心円状の所望の位相分布を与えることが可能となっている。
なお、部分電極の配置パターンは上記の例に限られず、例えば、部分電極23−2〜23−nは、それぞれ、矩形形状を有し、2次元アレイ状に配置されてもよい。また、透明電極24も、複数の部分電極を有してもよい。そして透明電極24が有する複数の部分電極の配置パターンは、部分電極23−2〜23−nの配置パターンと異なっていてもよい。これにより、適応光学素子は、様々な波面収差の補償に利用できる。
光学系3により生じる波面収差が測定される場合、測定領域20cを透過する光の偏光面を第1の実施形態による光変調素子11と同様に回転させるよう、コントローラ13は、各部分電極23−2〜23−nと透明電極24との間には同一の電圧を印加すればよい。これにより、第2の実施形態による適応光学素子も、第1の実施形態による適応光学素子と同様に、光学系3の波面収差の測定に利用できる。
一方、波面収差の補償時においては、光変調素子11は、光軸OAを回転軸として、液晶層20の測定領域20cの配向方向が入射光の偏光面と平行となるように、波面測定時における光変調素子11の向きから45°回転される。さらに、コントローラ13は、波面補償時においては、測定された光学系3の波面収差を打ち消すように、各部分電極23−2〜23−nと透明電極24との間に印加する電圧を制御すればよい。すなわち、波面収差により生じる位相分布と逆の位相分布を、光変調素子11が測定領域20cを透過する光に付与するよう、各部分電極23−2〜23−nと透明電極24との間に印加する電圧が制御される。なお、測定領域20cを透過する光に与える位相変調量と電圧の関係を表す参照テーブルが予めコントローラ13が有するメモリに保存される。そしてコントローラ13のプロセッサは、例えば、他の機器から受け取った、各部分電極に相当する液晶層20の領域ごとの位相変調量に対応する電圧を、その参照テーブルを参照して特定すればよい。そしてコントローラ13のプロセッサは、各部分電極について、特定された電圧がその部分電極と透明電極24との間に印加されるように駆動回路を制御すればよい。
なお、第2の実施形態では、光変調素子11と偏光子12とは、同一の筐体により支持されてもよい。そして光変調素子11は、その筐体に対して、光軸OAを中心として回転可能なように取り付けられればよい。
図6(a)は、第2の実施形態による適応光学素子の光変調素子及び偏光子を支持する筐体の概略側面図である。図6(b)は、光軸OAを通る面における、筐体の側面断面図である。また図6(c)は、筐体が有する回動支持部材の概略側面図である。筐体5は、回動支持部材51と、筐体本体52とを有する。
回動支持部材51は、例えば、金属あるいは樹脂により形成され、略円筒形状を有する。そして回動支持部材51は、その内部に光変調素子11を保持する。光変調素子11は、光変調素子11の中心と光軸OAとが一致するとともに、光軸OAが回動支持部材51の中心線と略一致するように、回動支持部材51に保持される。そして光変調素子11は、例えば、光変調素子11の外周が回動支持部材51の内壁と接着剤を用いて接着されることにより固定される。あるいは、光変調素子11は、他の固定方法、例えば、ネジなどの固定用部材を用いて回動支持部材51に固定されてもよい。
また回動支持部材51の外周には、光軸OAと直交する面と略平行に、回動支持部材51を筐体本体52と係合させるためのフランジ51aが形成されている。
筐体本体52は、例えば、金属あるいは樹脂により形成され、回動支持部材51の外径と略等しい内径を持つ円筒状の部材であり、筐体本体52の内部に回動支持部材51が挿入される。筐体本体52の内周には、光軸OAと直交する面に沿って形成され、かつ光軸OA方向に沿ってフランジ51aの幅よりも広い溝52aが形成されている。そしてこの溝52aと回動支持部材51のフランジ51aとが係合している。これにより、筐体本体52は、回動支持部材51及び光変調素子11を、光軸OAを回転軸として回転可能に支持する。なお、回動支持部材51を筐体本体52内に配置可能とするために、例えば、筐体本体52は、円筒の長手方向に沿って分割される二つの部材により構成されてもよい。そしてその二つの部材を、回動支持部材51を挟み込むように配置した後に、例えば、その二つの部材の接合面が接着剤により固定される。あるいは、筐体本体52を構成するその二つの部材は、他の様々な公知の方向によって固定されてもよい。
さらに、筐体本体52の側壁には貫通孔52bが形成され、その貫通孔52bには固定部材52cが挿入されている。固定部材52cの外周及び貫通孔52bの内周には、それぞれネジ溝(図示せず)が形成されており、固定部材52cは、貫通孔52bに螺合している。そして固定部材52cを、例えば時計回りに回転させると、固定部材52cは筐体本体52の内部へ向かって移動し、固定部材52cの先端が回動支持部材51を押圧する。これにより、回動支持部材51は固定される。一方、固定部材52cを例えば反時計回りに回転させると、固定部材52cは筐体本体52の外側へ向かって移動し、その結果として固定部材52cの先端は回動支持部材51から離れる。固定部材52cの先端が回動支持部材51と接触しなくなると、回動支持部材51は、光軸OAを回転軸として自由に回転できるようになる。
また筐体本体52には、回動支持部材51よりも光学系3側に、偏光子12を保持するためのガイドレール52dが設けられている。ガイドレール52dは、光軸OAと直交するように設けられており、したがって、偏光子12をガイドレール52dに沿って挿入することで、偏光子12は、光変調素子11及び光学系3を通る光の光路上に配置される。
さらに、筐体本体52には、光学系3を有する装置に筐体5を取り付けるための取り付け部を有してもよい。例えば、筐体5は、そのような取り付け部として、筐体5の外周にネジ孔を有してもよい。なお、波面収差の補償時には、偏光子12は光路外に位置するよう筐体5から取り外されてもよい。
さらに、回動支持部材51及び筐体本体52の側面には、光変調素子11が有する透明電極に電圧を印加するための配線を通す孔が形成されていてもよい。
この変形例によれば、適応光学素子は、波面収差の測定だけでなく、波面収差を補償するためにも利用できる。そのため、波面収差の測定と波面収差の補償とで別個の素子を用いなくてよいので、光学系全体の構成が簡単化される。
第2の実施形態の変形例によれば、適応光学素子は、光源2と光変調素子11との間に、波面収差の測定時には全波長板として動作し、波面収差の補償時には半波長板として動作する可変波長板をさらに有してもよい。
図7は、本発明の第2の実施形態の変形例による適応光学素子の概略構成図である。この変形例による適応光学素子6は、波面収差測定対象の光学系3の光軸OAに沿って、光源2側から順に、可変波長板14と、光変調素子11と、偏光子12とを有する。さらに、適応光学素子6は、光変調素子11及び可変波長板14を駆動するコントローラ13を有する。なお、図7では、光検出器4の図示は省略されている。この変形例による適応光学素子6は、第2の実施形態による適応光学素子と比較して、可変波長板14を有する点と、コントローラ13が可変波長板14を駆動する点で相違する。そこで以下では、可変波長板14及びコントローラ13による可変波長板14の制御について説明する。
図8(a)は、可変波長板14を光源2側から見た概略正面図であり、図8(b)は、図8(a)の矢印B、B’で示される線における、可変波長板14の概略側面断面図である。可変波長板14は、例えば、液晶素子として構成され、コントローラ13により印加される電圧に応じて、全波長板あるいは半波長板として動作する。なお、図8(a)において、可変波長板14に入射する入射光の偏光面の方向は矢印801で表される。
可変波長板14は、液晶層30と、光軸OAに沿って液晶層30の両側に略平行に配置された透明基板31、32を有する。また可変波長板14は、透明基板31と液晶層30の間に配置された透明電極33と、液晶層30と透明基板32の間に配置された透明電極34とを有する。そして液晶層30の液晶分子37は、透明基板31及び32に挟まれ、シール部材38に囲まれる部分に封入されている。
透明基板31、32は、例えば、ガラスまたは樹脂など、光源2が発する照明光に対して透明な材料により形成される。また透明電極33、34は、例えば、ITOにより形成される。さらに、透明電極33と液晶層30の間に配向膜35が配置される。また透明電極34と液晶層30の間に配向膜36が配置される。
本実施形態では、光源2から発して可変波長板14へ入射する光束が透過する液晶層30のアクティブ領域30a全体を覆うように透明電極33及び透明電極34は設けられる。また、配向膜35及び配向膜36による液晶分子37の配向方向は、矢印802で示されるように、入射光の偏光面と光変調素子11の測定領域20cの配向方向とがなす角を2等分する方向に設定される。この例では、光変調素子11の測定領域20cにおける配向方向が光源2から発した入射光の偏光面に対して45°傾いているので、配向膜35及び配向膜36による液晶分子37の配向方向は、光源2から発して可変波長板14に入射する入射光の偏光面に対して22.5°をなす方向に設定される。
図9は、入射光の偏光面と、可変波長板14の液晶分子の配向方向と、光変調素子11の各領域における液晶分子の配向方向と、光変調素子11から出射した光の偏光面と、偏光子12の透過軸の方向との関係を表す模式図である。図9において、光源2から発して可変波長板14へ入射する入射光の偏光面は矢印901で示される。矢印902に示される、可変波長板14の配向方向は、入射光の偏光面に対して22.5°をなす。
光学系3により生じる波面収差を測定する場合、コントローラ13が、透明電極33と透明電極34の間、すなわち、液晶層30に、入射光のうちの液晶分子37の配向方向と平行な偏光成分とその配向方向に直交する偏光成分との間の位相差が0あるいは2πとなる電圧を印加することで、可変波長板14は全波長板として動作する。そのため、光源2からの光が可変波長板14を透過しても、その光の偏光面は回転しない。したがって、光源2からの光が光変調素子11に入射する際、矢印904で示される、光変調素子11の測定領域20cにおける配向方向と入射光の偏光面とは45°をなす。したがって、第2の実施形態による適応光学素子及び第1の実施形態による適応光学素子と同様に、波面収差の測定時においては、測定領域20cから出射された光は、楕円906に示されるように、長軸が入射光の偏光方向と直交する方向に近い楕円偏光となる。またこの例でも、矢印907で示されるように、偏光子12の透過軸は光変調素子11へ入射する入射光の偏光面と平行となる。したがって、測定領域20cから出射した光のうち、偏光子12の透過軸と平行な偏光成分のみが偏光子12を透過する。
一方、矢印903に示される、光変調素子11の参照領域20bにおける配向方向は、入射光の偏光面と平行となる。そのため、参照領域20bから出射した光の偏光方向は、矢印905に示されるように、光変調素子11への入射光の偏光面と平行なまま維持される。したがって、参照領域20bから出射した光は、偏光子12を透過してもほぼ減衰しない。そのため、参照領域20bよりも広い測定領域20cを透過した光のうち、偏光子12を透過した光の光量は、参照領域20b及び偏光子12を透過した光の光量と略等しくなる。
また、光学系3により生じる波面収差を補償する場合、偏光子12による光量の減衰を避けるために偏光子12は光路から取り除かれてもよい。この場合において、波面収差の測定時において偏光子12を光路内に配置し、一方、波面収差の補償時において偏光子12を光路外へ退避させるために、例えば、図6(a)〜図6(c)に示される筐体において、偏光子12は、筐体本体52のガイドレール52dに着脱可能に取り付けられればよい。そしてコントローラ13が、透明電極33と透明電極34の間、すなわち、液晶層30に、入射光のうちの液晶分子37の配向方向と平行な偏光成分とその配向方向に直交する偏光成分との間に位相差πが生じる電圧を印加することで、可変波長板14は半波長板として動作する。
ここで、液晶分子37は、矢印902に示されるように、可変波長板14に入射する入射光の偏光面に対して22.5°をなす方向に沿ってホモジニアス配向されているので、可変波長板14が半波長板として動作する場合、可変波長板14に透過した光の偏光面は、その配向方向をまたぐように45°回転される。したがって、可変波長板14から出射した光の偏光面は、矢印908で示されるように、光変調素子11の測定領域20cにおける液晶分子の配向方向と平行となる。そこで、第2の実施形態と同様に、コントローラ13は、光変調素子11を透過する光に対して光学系3により生じる波面収差を打ち消すような位相分布を与えるよう、液晶層を挟んで配置される各部分電極と透明電極間に電圧を印加すればよい。
この変形例によれば、波面収差の測定時と波面収差の補償時とで、光変調素子11を回転させなくてよい。そのため、この変形例による適応光学素子は、アライメント調整を簡単化できる。
なお、この変形例において、適応光学素子は、光変調素子11と偏光子12との間に、さらにもう一つの可変波長板を有してもよい。
図10は、本発明の第2の実施形態のさらなる変形例による適応光学素子の概略構成図である。この変形例による適応光学素子7は、波面収差測定対象の光学系3の光軸OAに沿って、光源2側から順に、可変波長板14と、光変調素子11と、可変波長板15と、偏光子12とを有する。さらに、適応光学素子7は、光変調素子11、可変波長板14及び可変波長板15を駆動するコントローラ13を有する。なお、図10では、光検出器4の図示は省略されている。この変形例による適応光学素子7は、図7に示される適応光学素子6と比較して、可変波長板15を有する点と、コントローラ13が可変波長板15を駆動する点で相違する。そこで以下では、可変波長板15及びコントローラ13による可変波長板15の制御について説明する。
可変波長板15は、光学系3の波面収差を測定する際には全波長板として動作し、一方、光学系3の波面収差を補償する際には、半波長板として動作する。そのために、可変波長板15の構造は、可変波長板14の構造と同一とすることができる。さらに、可変波長板15が有する液晶分子の配向方向は、可変波長板14が有する液晶分子の配向方向と同一とすることができる。したがって、光学系3の波面収差を測定する際、コントローラ13が、可変波長板15の液晶層に対して全波長板として動作する電圧を印加することで、適応光学素子6による光源2からの光の変調は、適応光学素子6による光源2からの光の変調と同様となる。
一方、光学系3の波面収差を補償する際、コントローラ13が、可変波長板15の液晶層に対して半波長板として動作する電圧を印加することで、光変調素子11の測定領域20cから出射した光の偏光面(すなわち、入射光の偏光方向に対して45°傾く)は、可変波長板15を透過することで、配向方向をまたいで(可変波長板14の透過時とは逆向きに)45°回転される。その結果として、可変波長板15から出射されるその光の偏光面は、偏光子12の透過軸と平行となる。
したがって、この変形例によれば、波面収差の補償時においても、偏光子12を光路から取り除かなくても、偏光子12による光量の減衰が最小化される。そのため、この変形例による適応光学素子は、アライメント調整をより簡単化できる。
第2の実施形態のさらに他の変形例によれば、波面収差の測定時においても、光変調素子の測定領域における液晶分子の配向方向が入射光の偏光面と平行となり、参照領域における液晶分子の配向方向が入射光の偏光面と45°をなすように光変調素子は配置されてもよい。
図11は、この変形例による、入射光の偏光面と、光変調素子11の各領域における液晶分子の配向方向と、光変調素子11から出射した光の偏光面と、偏光子12の透過軸の方向との関係を表す模式図である。図11において、光源2から発して光変調素子11へ入射する入射光の偏光面は矢印1101で示される。そして矢印1102で示される、光変調素子11の参照領域20bにおける配向方向は、入射光の偏光面に対して45°をなす。したがって、参照領域20bは、透過する光の偏光面を回転させる第2の領域の他の一例となる。そしてこの変形例では、波面収差の測定時において、コントローラ13は、参照領域20bを透過する光の偏光面を参照領域20bにおける配向方向をまたいで回転させる電圧を、参照領域20bに印加すればよい。例えば、コントローラ13は、参照領域20bが半波長板として動作する電圧を参照領域20bに印加すればよい。ただし、この例に限られず、コントローラ13は、参照領域20bを透過する光の偏光面が参照領域20bにおける配向方向をまたいで回転し、参照領域20bを透過後に楕円偏光となるような電圧を参照領域20bに印加してもよい。参照領域20bが半波長板として動作する電圧が印加されると、参照領域20bから出射した光の偏光方向は、矢印1104に示されるように、光変調素子11への入射光の偏光面に対して90°回転する。またこの例では、矢印1106で示されるように、偏光子12の透過軸は、入射光の偏光面に対して90°をなす方向から数度程度傾けられる。したがって、参照領域20bから出射した光は、偏光子12を透過してもほぼ減衰しない。
一方、矢印1103に示されるように、光変調素子11の測定領域20cにおける配向方向は、入射光の偏光面と平行となる。そのため、光変調素子11の測定領域20cは、印加される電圧に応じて、上記の実施形態における参照領域と同様、透過する光の位相の変調量を調節できる。すなわち、測定領域20cは、透過する光の位相を変調する第1の領域の他の一例となる。したがって、波面収差の測定時において、コントローラ13は、光変調素子11の測定領域20cに印加する電圧を調節して、その領域を透過する光の位相シフト量を、例えば、0、2π/3、4π/3に設定できる。この場合、光変調素子11の測定領域20cを透過した光の偏光面は、矢印1105に示されるように、入射光の偏光面と平行なまま維持される。したがって、光変調素子11の測定領域20cから出射した光のうち、偏光子12の透過軸と平行な偏光成分のみが偏光子12を透過する。そのため、参照領域20bよりも広い測定領域20cを透過した光のうち、偏光子12を透過した光の光量は、参照領域20b及び偏光子12を透過した光の光量と略等しくなる。
この変形例についても、波面収差の測定時と波面収差の補償時とで、光変調素子11を回転させなくてよい。そのため、この変形例による適応光学素子は、アライメント調整を簡単化できる。また、波面収差の補償のため、光変調素子11を駆動しながら、波面収差を測定することもできる。この場合、コントローラ13は、第2の実施形態と同様に、光変調素子11の測定領域20cを透過する光に、その光学系の波面収差を打ち消す位相分布を付与し、さらに、測定領域20cを透過する光全体の位相をシフトするように電圧を印加することで、波面補償と同時に波面収差を測定することができる。このようなプロセスを繰り返すことにより、より高精度の波面収差の補償ができる。
また、光学系3により生じる波面収差を測定せず、波面補償のみを行なう場合、光量の減衰を抑制するために、偏光子12は光路から取り除かれる。そしてコントローラ13は、第2の実施形態と同様に、光変調素子11の測定領域20cに、測定された波面収差を補償する電圧を印加すればよい。
なお、集光レンズ301の後側焦点面に光検出器4を配置することが困難なことがある。あるいは、光学系3がレーザ走査顕微鏡の対物レンズである場合に、集光レンズ301の後側焦点面に試料が配置された状態で光学系3の波面収差を測定することが求められることがある。このような場合、測定される波面から、試料による波面情報をキャンセルすることが可能なように、図11に示される変形例において、参照領域20bがさらに複数の部分領域に分割されることが好ましい。
図12は、この変形例による、光変調素子16を光源2側から見た概略正面図である。この変形例による光変調素子16は、第2の実施形態による光変調素子と比較して、参照領域20bの構造が異なる。そこで以下では、参照領域20b及びコントローラ13による、光変調素子16の参照領域20bの駆動について説明する。
この変形例では、参照領域20bは、光軸OAと直交する面において、3個の部分領域20b−1〜20b−3に分割される。部分領域20b−1と部分領域20b−2とが並ぶ方向と、部分領域20b−1と部分領域20b−3とが並ぶ方向とは、互いに直交する。そして透明電極23のうち、参照領域20bを覆う部分電極は、個々の部分領域を覆うようにさらに3個に分割され、かつ、互いに絶縁されるとともに、互いに別個に信号線を介してコントローラ13と接続される。したがって、コントローラ13は、部分領域20b−1〜20b−3のそれぞれごとに、独立に印加する電圧を制御できる。
波面収差を測定する際、コントローラ13は、3個の部分領域20b−1〜20b−3のうち、何れか一つを透過する光の偏光面を参照領域20bにおける配向方向をまたいで回転させ、他の二つが全波長板として動作するよう、各部分領域に電圧を印加する。例えば、コントローラ13は、3個の部分領域20b−1〜20b−3のうち、何れか一つが半波長板として動作し、他の二つが全波長板として動作するよう、各部分領域に電圧を印加する。そして図11に示される変形例と同様に、コントローラ13により、光変調素子16の測定領域20cを透過する光の位相の変調量を、例えば、0、2π/3、4π/3に変更しつつ、試料が配置された集光レンズ301の後側焦点面をカメラにより撮影することでその後側焦点面の3枚の画像を得る。
透過する光の偏光面を回転させる部分領域を変更しつつ、上記の処理を行うことで、最終的に9枚の画像が得られ、それら画像に基づいて、例えば、上記の特許文献1に記載された(23)式の演算を行うことで、試料の情報がキャンセルされ、光学系3の波面収差が測定される。
この変形例によれば、適応光学素子は、測定対象となる光学系の焦点面に光検出器を配置できない場合でも、その光学系の波面収差を正確に測定するために利用できる。なお、上記の実施形態または変形例による適応光学素子も、測定対象となる光学系の焦点面の画像が得られる場合には、その光学系の波面収差を測定するために利用できる。
以上のように、当業者は、本発明の範囲内で、実施される形態に合わせて様々な変更を行うことができる。
1、6、7 適応光学素子
2 光源
3 光学系
301 集光レンズ
302 コリメータ
4 光検出器
5 筐体
51 回動支持部材
52 筐体本体
11、16 光変調素子
12 偏光子
13 コントローラ
14、15 可変波長板
20、30 液晶層
21、22、31、32 透明基板
23、24、33、34 透明電極
25、26、35、36 配向膜
27、37 液晶分子
28、38 シール部材
23−1〜23−n 部分電極
20a アクティブ領域
20b 参照領域
20b−1〜20b−3 部分領域
20c 測定領域

Claims (10)

  1. 第1の液晶層を有し、前記第1の液晶層は、入射する直線偏光の偏光面と平行な方向に液晶分子が配向される第1の領域と、前記入射する直線偏光の偏光面に対して直交せずに交差する方向に液晶分子が配向される第2の領域とを有し、前記第1の領域に印加される電圧に応じて、前記第1の領域を透過する前記直線偏光の位相を変調し、前記第2の領域に印加される電圧に応じて、前記第2の領域を透過する前記直線偏光の偏光面を回転させる光変調素子と、
    前記第1の領域と前記第2の領域のうちの大きい方から出射した光の偏光面の長軸方向と透過軸がなす角よりも、前記第1の領域と前記第2の領域のうちの小さい方から出射した光の偏光面の長軸方向と前記透過軸がなす角の方が小さくなるように向けられた前記透過軸を持ち、前記光変調素子の前記第1の領域から出射した光及び前記光変調素子の前記第2の領域から出射した光を透過させる偏光子と、
    を有する適応光学素子。
  2. 前記第2の領域は前記第1の領域よりも大きく、
    前記第1の領域に印加する電圧を調節することで前記第1の領域を透過する前記直線偏光の位相の変調量を調節し、一方、前記第2の領域に対して前記第2の領域を透過する前記直線偏光の偏光面を、前記第2の領域における前記配向方向をまたいで回転させる電圧を印加するコントローラをさらに有する、請求項1に記載の適応光学素子。
  3. 前記光変調素子を前記適応光学素子の光軸を回転軸として回転可能に支持する筐体をさらに有し、
    前記光変調素子は、前記第1の液晶層を挟んで互いに対向する第1の透明電極及び第2の透明電極をさらに有し、
    前記第1の透明電極は、前記第1の領域を覆う第1の部分電極と、前記第2の領域を覆う複数の第2の部分電極とを有し、
    前記光変調素子は、
    前記光軸に沿って配置された光学系の波面収差を測定する場合、前記第2の領域における前記配向方向が前記入射する直線偏光の偏光面に対して直交せずに交差するよう前記筐体に支持され、
    一方、前記光学系の波面収差を補償する場合、前記第2の領域における前記配向方向が前記入射する直線偏光の偏光面と平行となるよう前記筐体に支持され、
    前記コントローラは、
    前記光学系の波面収差を測定する場合、前記複数の第2の部分電極のそれぞれと前記第2の透明電極との間に、前記第2の領域を透過する前記直線偏光の偏光面を、前記第2の領域における前記配向方向をまたいで回転させる電圧を印加し、
    一方、前記光学系の波面収差を補償する場合、前記複数の第2の部分電極のそれぞれと前記第2の透明電極との間に、前記光学系の波面収差を打ち消す位相分布を前記第2の領域を透過する光に付与する電圧を印加する、請求項2に記載の適応光学素子。
  4. 前記筐体は、前記偏光子を着脱可能に支持し、
    前記光学系の波面収差を測定する場合、前記偏光子は、前記光変調素子から出射して前記光学系に入射する光の光路上に配置されるように前記筐体に支持され、一方、前記光学系の波面収差を補償する場合、前記偏光子は、前記光路外に位置するよう前記筐体から取り外される、請求項3に記載の適応光学素子。
  5. 前記光変調素子の入射側に配置され、第2の液晶層を有し、かつ、前記第2の液晶層に含まれる液晶分子が前記光学系の波面収差を測定する場合における前記第2の領域の前記配向方向と前記入射する直線偏光とがなす角を2等分する方向に配向される第1の可変波長板をさらに有し、
    前記光変調素子は、前記第1の液晶層を挟んで互いに対向する第1の透明電極及び第2の透明電極をさらに有し、
    前記第1の透明電極は、前記第1の領域を覆う第1の部分電極と、前記第2の領域を覆う複数の第2の部分電極とを有し、
    前記コントローラは、前記適応光学素子の光軸に沿って配置された光学系の波面収差を測定する場合、前記複数の第2の部分電極のそれぞれと前記第2の透明電極との間に、前記第2の領域を透過する前記直線偏光の偏光面を、前記第2の領域における前記配向方向をまたいで回転させる電圧を印加し、かつ、前記第1の可変波長板が全波長板として動作する電圧を前記第2の液晶層に印加し、
    一方、前記光学系の波面収差を補償する場合、前記複数の第2の部分電極のそれぞれと前記第2の透明電極との間に、前記光学系の波面収差を打ち消す位相分布を前記第2の領域を透過する光に付与する電圧を印加し、かつ、前記第1の可変波長板が半波長板として動作する電圧を前記第2の液晶層に印加する、請求項2に記載の適応光学素子。
  6. 前記偏光子を着脱可能に支持する筐体をさらに有し、
    前記光学系の波面収差を測定する場合、前記偏光子は、前記光変調素子から出射して前記光学系に入射する光の光路上に配置されるように前記筐体に支持され、一方、前記光学系の波面収差を補償する場合、前記偏光子は、前記光路外に位置するよう前記筐体から取り外される、請求項5に記載の適応光学素子。
  7. 前記第1の領域は前記第2の領域よりも大きく、
    前記第1の領域に印加する電圧を調節することで前記第1の領域を透過する前記直線偏光の位相の変調量を調節し、一方、前記第2の領域に対して前記第2の領域を透過する前記直線偏光の偏光面を、前記第2の領域における前記配向方向をまたいで回転させる電圧を印加するコントローラをさらに有する、請求項1に記載の適応光学素子。
  8. 前記光変調素子は、前記第1の液晶層を挟んで互いに対向する第1の透明電極及び第2の透明電極をさらに有し、
    前記第1の透明電極は、前記第1の領域を覆う複数の第1の部分電極と、前記第2の領域を覆う第2の部分電極とを有し、
    前記コントローラは、
    前記適応光学素子と同じ光軸に沿って配置された光学系の波面収差を測定する場合、前記複数の第1の部分電極のそれぞれと前記第1の透明電極との間に、前記第1の領域を透過する光の位相の変調量に応じた電圧を印加し、
    一方、前記光学系の波面収差を補償する場合、前記複数の第1の部分電極のそれぞれと前記第2の透明電極との間に、前記光学系の波面収差を打ち消す位相分布を前記第1の領域を透過する光に付与する電圧を印加する、請求項7に記載の適応光学素子。
  9. 前記偏光子を着脱可能に支持する筐体をさらに有し、
    前記光学系の波面収差を測定する場合、前記偏光子は、前記光変調素子から出射して前記光学系に入射する光の光路上に配置されるように前記筐体に支持され、一方、前記光学系の波面収差を補償する場合、前記偏光子は、前記光路外に位置するよう前記筐体から取り外される、請求項8に記載の適応光学素子。
  10. 前記第2の領域は、前記光軸と直交する面において第1の部分領域、第2の部分領域及び第3の部分領域に分割され、前記第1の部分領域と前記第2の部分領域が並ぶ方向と、前記第1の部分領域と前記第3の部分領域が並ぶ方向とは互いに直交し、
    前記コントローラは、前記光学系の波面収差を測定する場合、前記第1の部分領域、前記第2の部分領域及び前記第3の部分領域のうちの何れか一つを透過する前記直線偏光の偏光面を前記第2の領域における前記配向方向をまたいで回転させ、かつ他の二つが全波長板として動作するように、前記第1の部分領域、前記第2の部分領域及び前記第3の部分領域に電圧を印加し、かつ、前記一つを順次変更する、請求項7〜9の何れか一項に記載の適応光学素子。
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