JP2019146690A - 視認性評価システム - Google Patents

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Yuki Waki
有紀 脇
啓太 芳村
Keita Yoshimura
啓太 芳村
幹生 岩川
Mikio Iwakawa
幹生 岩川
弘子 小岩
Hiroko Koiwa
弘子 小岩
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Abstract

【課題】移動体の運転者の視認性を客観的に評価することが可能な視認性評価システムを提供する。【解決手段】タイミング特定部2は、自動車(移動体)の運転者の視環境を撮影する撮像装置11から取得した画像を用いて視対象の視角及び識別可能限界値を推定し、視対象の発生タイミングを特定する。電位抽出部3は、タイミング特定部2により順次特定された複数の視対象それぞれの発生タイミングに一対一に対応する複数の脳波データであって運転者の脳波を計測する脳波計測部12から取得した複数の脳波データ、の加算起点を決定し、複数の脳波データを加算平均することによって事象関連電位を抽出する。視認性判定部4は、事象関連電位の潜時に基づいて視認性を判定する。タイミング特定部2は、画像において運転者の周辺視野領域に対応する画像領域内に位置している視対象に対応する視対象領域を抽出し、視対象の視角を推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、一般に視認性評価システムに関し、より詳細には、移動体の運転者の視認性を評価する視認性評価システムに関する。
従来、脳波を用いて運転者の状態を判定し安全運転支援を行う運転注意量判定装置が提案されている(特許文献1)。
特許文献1に記載された運転注意量判定装置は、脳波計測部と、撮影部と、周辺刺激検出部と、注意量判定部と、出力部と、を備える。
脳波計測部は、運転者の脳波信号を計測する。撮影部は、運転者が運転する車両の前方の映像を撮影する。周辺刺激検出部は、撮影部により撮影された映像から、運転者の周辺視野領域内で発生した視覚刺激の発生時点を検出する。注意量判定部は、運転者の周辺視野領域で発生した視覚刺激の発生時点を起点とする、脳波信号の事象関連電位を利用して、運転者の周辺視野領域に対する注意量を判定する。出力部は、注意量判定部の判定結果に基づいて信号を出力することにより、運転者に対して注意を喚起する。注意量判定部は、周辺刺激検出部により検出された視覚刺激の発生時点を特定する情報を周辺刺激検出部から受け取る。
特許文献1には、視覚刺激は、運転注意量判定装置に設けられた発光装置の発光によって与えられてもよいし、外部環境(例えば他車が点灯させたランプ等)から与えられてもよい旨が記載されている。
特許第4625544号公報
特許文献1に記載された運転注意量判定装置では、運転者の周辺視野領域に対する注意量を判定することができる。
しかしながら、移動体(自動車等)の運転者の視認性評価技術については、視認性を客観的に評価する技術の開発が望まれていた。
本発明の目的は、移動体の運転者の視認性を客観的に評価することが可能な視認性評価システムを提供することにある。
本発明の一態様の視認性評価システムは、タイミング特定部と、電位抽出部と、視認性判定部と、を備える。前記タイミング特定部は、移動体の運転者の視環境を撮影する撮像装置から取得した画像を用いて視対象の視角及び識別可能限界値を推定し、推定した視角及び識別可能限界値を用いて視対象の発生タイミングを特定する。前記電位抽出部は、前記タイミング特定部により順次特定された複数の視対象それぞれの発生タイミングに一対一に対応する複数の脳波データであって前記運転者の脳波を計測する脳波計測部から取得した複数の脳波データ、の加算起点を決定し、前記複数の脳波データを加算平均することによって事象関連電位を抽出する。前記視認性判定部は、前記電位抽出部によって抽出された事象関連電位の潜時に基づいて前記運転者の視認性を判定する。前記タイミング特定部は、前記撮像装置から取得した画像において前記運転者の周辺視野領域に対応する画像領域内に位置している視対象に対応する視対象領域を抽出し、視対象の視角を推定する。
本発明は、移動体の運転者の視認性を客観的に評価することが可能となる。
図1は、実施形態に係る視認性評価システムのブロック図である。 図2は、同上の視認性評価システムでの移動体と視対象との位置関係の一例の説明図である。 図3は、自動車の運転者の中心視野領域及び周辺視野領域の説明図である。 図4は、同上の視認性評価システムのタイミング特定部の動作を説明するフローチャートである。 図5は、実施形態に係る視認性評価システムにおいて用いる識別可能限界値とコントラストとの関係説明図である。 図6は、同上の視認性評価システムの動作説明図である。 図7は、実施形態の変形例1に係る視認性評価システムのブロック図である。 図8は、同上の視認性評価システムにおいて用いる識別可能限界値と視力との関係説明図である。 図9は、実施形態の変形例2に係る視認性評価システムにおいて用いる識別可能限界値と背景輝度との関係説明図である。
(実施形態)
以下、実施形態に係る視認性評価システムについて、図1〜6を参照して説明する。
(1)概要
実施形態に係る視認性評価システム1は、図2及び3に示すように、例えば、自動車(移動体)20を運転する運転者30の視認性の評価に用いられるシステムである。
視認性評価システム1は、自動車20の運転者30の運転中の視環境に出現する視対象40に対する運転者30の視認性を評価する。ここにおいて、「視環境」とは、運転者30に運転者30の視覚を通じて認識される環境である。視認性評価システム1は、運転者30の視環境に発生する視対象40を運転者30に対する感覚刺激(視覚刺激)として利用し、運転者30の脳波の事象関連電位(Event-Related Potential:ERP)を利用して視認性を評価する。「事象関連電位」とは、脳波の一部であり、外的な事象に時間的に関連して生じる脳の一過性の電位変動をいう。視認性評価システム1では、「事象関連電位」として、運転者30の脳波において、外的な視覚刺激の発生タイミングを起点として約300ミリ秒付近に出現する陽性成分(「P300」と呼ばれている)を利用する。「陽性成分」とは、0μVよりも大きい電位をいう。P300の潜時は、例えば、250ミリ秒〜600ミリ秒の範囲である。
(2)構成
(2.1)視認性評価システムの全体構成
実施形態に係る視認性評価システム1は、図1に示すように、タイミング特定部2と、電位抽出部3と、視認性判定部4と、を備える。タイミング特定部2は、運転者30の視環境を撮影する撮像装置11から取得した画像を利用して、運転者30の視環境に発生する視対象40(視覚刺激)の発生タイミング(発生時点)を特定する。電位抽出部3は、脳波計測部12により計測した運転者30の脳波に基づいて事象関連電位を抽出する。視認性判定部4は、電位抽出部3によって抽出された事象関連電位の潜時に基づいて運転者30の視認性を判定する。ここにおいて、「潜時」とは、視覚刺激が発生した時点を起点としてP300のピークが出現するまでの時間である。つまり、「潜時」とは、視対象40の発生タイミング(発生時点)から脳波のP300に対応する上記範囲において電位がピークになるまでの時点である。視認性判定部4は、潜時が短いほど視認性が高いと判定し、潜時が長いほど視認性が低いと判定する。
また、視認性評価システム1は、視認性判定部4の判定結果を出力する出力部5を更に備える。
撮像装置11及び脳波計測部12は、視認性評価システム1の構成要素ではないが、説明の便宜上、視認性評価システム1の各構成要素についてより詳細に説明する前に、撮像装置11及び脳波計測部12について説明する。なお、視認性評価システム1が撮像装置11と脳波計測部12との少なくとも一方を備えていてもよい。
脳波計測部12は、運転者30の脳波を計測する。脳波計測部12は、例えば、脳波計である。脳波計測部12は、例えば、運転者30の頭部に装着された複数の電極における電位変化を計測することによって脳波信号を検出する。
運転者30の頭部に装着する複数の電極は、導出電極、基準電極及び接地電極を含む。複数の電極は、例えば、国際10−20法に基づいて、例えば、導出電極をPz(正中頭頂)、基準電極をA1(右耳朶)、接地電極を前額部に配置する。導出電極は、Pz(正中頭頂)の代わりに、Pz周辺のCz(頭蓋頂)又はOz(後頭部)に配置してもよい。脳波計は、ヘッドマウント式脳波計であってもよい。
撮像装置11は、例えば、動画撮影が可能なカメラである。撮像装置11は、運転者30の視環境を撮像する。撮像装置11は、例えば、運転者30の頭部に装着可能に構成されており、運転者30に設けられる。撮像装置11は、運転者30に設けられる場合に限らず、例えば、自動車20のダッシュボードの上、バックミラーの後ろ等に配置されていてもよい。撮像装置11の横方向の視野角は、例えば、135度である。また、撮像装置11の縦方向の視野角は、例えば、105度である。これらの視野角は、一例であり、特に限定されない。また、撮像装置11による動画のフレームレートは、例えば、60fpsである。この場合、撮像装置11は、1秒間に60フレームの画像を出力する。
(2.2)視認性評価システムの詳細
視認性評価システム1は、撮像装置11によって撮影された映像に基づいて、脳波の事象関連電位を分析する際の起点となる視対象40(視覚刺激)の発生タイミングを特定する。より詳細には、タイミング特定部2は、自動車(移動体)20の運転者30の視環境を撮影する撮像装置11から取得した画像を用いて視対象40の視角及び識別可能限界値を推定し、推定した視角及び識別可能限界値を用いて視対象40の発生タイミングを特定する。一例として、タイミング特定部2は、視対象40の視角が識別可能限界値を上回ったタイミングを視対象40の発生タイミングとして特定する。
運転者30の視環境は、自動車20の運転座席に着座した運転者30が前方を向いた状態で自動車20の運転中に見える環境である。より詳細には、運転者30の視環境は、例えば、夜間に自動車20のヘッドライト(前照灯)を点灯させた状態で自動車20が道路50上を走行しているときに運転者30に見える環境である。
タイミング特定部2は、撮像装置11から取得した画像内の視対象に対応する領域を抽出し、視対象40の視角を推定する。ここにおいて、視対象40とは、視環境において道路50の路面を含む大地よりも上に見える物体である。ここにおいて、「物体」は、自動車20の運転者30にとって危険と感じられる危険対象物であり、例えば、道路に飛び出した歩行者等である。「視対象40の視角」とは、運転者30の眼と視対象40(物体)の左右両端を結んだ二直線のなす角の大きさである。したがって、視対象40の視角が大きいほど、運転者30の眼には、視対象40が大きく見える。
タイミング特定部2は、画像内の視対象に対応する領域を抽出する際に、撮像装置11から取得した画像において運転者30の周辺視野領域A2(図3参照)に対応する画像領域内に位置している視対象に対応する視対象領域を抽出する。ここにおいて、「周辺視野領域A2」とは、運転者30の視野領域A0のうち、運転者30の視線方向D1(図3参照)を中心として定まる中心視野領域A1(図3参照)以外の3次元の領域をいう。中心視野領域A1は、運転者30の視線方向D1を軸とした円錐を想定したときに、その円錐の側面と視線方向がなす一定の角度によって囲まれた3次元の領域として定義できる。この一定の角度は、例えば、約10度である。一例として、「周辺視野領域A2」とは、視線方向D1を中心にした約20度の範囲(中心視野領域A1)から外れた上下130度、左右180度の領域を指している。したがって、運転者30の視角20度以内の領域を中心視野領域A1とし、それ以外の領域(上下方向のそれぞれについて、視線方向D1を中心とした20度以上〜130度以下、左右方向のそれぞれについて、視線方向D1を中心とした20度以上〜180度以下の領域)を周辺視野領域A2とすることができる。
タイミング特定部2は、撮像装置11から取得した画像に対して、画像処理技術を利用して視対象領域を抽出する。つまり、タイミング特定部2は、撮像装置11から取り込む画像データに対して種々の画像処理を実行し、画像処理の結果を利用して周辺視野領域A2に対応する画像領域内の視対象領域を抽出する。そして、タイミング特定部2は、運転者30の視環境に発生する視対象40(視覚刺激)の発生タイミング(発生時点)を特定する。
タイミング特定部2は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを主構成とするコンピュータにて構成されている。言い換えれば、タイミング特定部2は、CPU及びメモリを有するコンピュータにて実現されており、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータがタイミング特定部2として機能する。プログラムは、ここではタイミング特定部2のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよい。
以下では、タイミング特定部2において視対象40の発生タイミングを特定するアルゴリズムの一例について、図4を参照して説明する。なお、タイミング特定部2は、カウンタを含んでいる。また、タイミング特定部2は、メモリを含んでいる。
タイミング特定部2は、撮像装置11から時系列に並んだ複数の画像を含む画像群を取得した後、カウンタの値iを0にリセットする(ステップS1)。
タイミング特定部2は、ステップS1を実行した後、時刻tの初期値t0にカウンタの値iを加算する(ステップS2)。ここにおいて、初期値t0は、画像群に含まれる複数の画像それぞれに一対一に対応付けられた時刻情報のうち、時系列的に最も早い時刻情報(時刻)である。
タイミング特定部2は、ステップS2を実行した後、時刻tの画像上で視対象を検索し(ステップS3)、視対象を検出できなかった場合(ステップS4のNo)、カウンタのカウント値iに1を加算し(ステップS11)、ステップS2へ戻る。これに対し、タイミング特定部2は、視対象を検出した場合(ステップS4のYes)、時刻tの画像上における視対象領域の背景の輝度(背景輝度)を算出する(ステップS5)。
タイミング特定部2は、ステップS5を実行した後、視対象40の視角を推定する(ステップS6)。タイミング特定部2は、ステップS6において、視対象40の視角を推定する処理として、例えば、視対象40の視角を推定する推定式による演算を行う。推定式は、θ40=(P40/P11)×θ11である。ここにおいて、θ40は、視対象40の視角である。P40は、時刻tの画像上の視対象の左右両端間の画素数である。P11は、時刻tの画像の左右方向の画素数(撮像装置11の水平画素数)である。θ11は、撮像装置11の横方向の視野角(水平視野角)である。視対象40の視角を推定する処理は、一例であり、特に限定されない。
タイミング特定部2は、ステップS6を実行した後、時刻tの画像上の視対象領域の背景輝度に対する視対象領域の輝度であるコントラストを算出する(ステップS7)。
タイミング特定部2は、ステップS7を実行した視対象40の識別可能限界値を推定する(ステップS8)。自動車20の運転者30からの視対象40の見え方は、自動車20のヘッドライトの配光特性、ヘッドライトの光に対する視対象40の反射率等によって変わる。そこで、実施形態に係る視認性評価システム1では、タイミング特定部2のメモリには、事前に実験等で求めたコントラスト({[視対象の輝度]/[視対象の背景輝度]}×100)と識別可能限界値との関係をデータとして記憶させてある。ここにおいて、メモリに記憶されているコントラストと識別可能限界値との関係では、例えば、図5に示すように、コントラストが高いほど識別可能限界値が小さく、コントラストが低いほど識別可能限界値が大きくなる。タイミング特定部2は、ステップS8において視対象40の識別可能限界値を推定する処理として、画像処理により求めた視対象と背景とのコントラストに対応する識別可能限界値をメモリから読み出し、その読み出した識別可能限界値を視対象40の識別可能限界値と推定する。
タイミング特定部2は、ステップS8を実行した後、視対象40の視角と識別可能限界値とを比較する比較処理を実行し(ステップS9)、視対象40の視角が識別可能限界値未満の場合(ステップS9のNo)、カウンタのカウント値iに1を加算し(ステップS11)、ステップS2へ戻る。これに対し、タイミング特定部2は、視対象40の視角が識別可能限界値以上の場合(ステップS9のYes)、時刻tを視対象発生時刻(視対象発生タイミング)として特定する(ステップS10)。
電位抽出部3は、タイミング特定部2により順次特定された複数の視対象40それぞれの発生タイミングに一対一に対応する複数(例えば、n個)の脳波データD(1)〜D(n)の加算起点T0を決定する(図6参照)。より詳細には、電位抽出部3は、脳波計測部12から取得した脳波データのうち、ステップS10で特定した各視対象発生時刻を起点として、−100ミリ秒から600ミリ秒までの脳波データD(1)〜D(n)を抽出する。なお、脳波データD(1)〜D(n)を抽出する時間幅は、事象関連電位のP300成分を必ず含む範囲として定められたものである。P300成分が含まれるのであれば、この時間幅とは異なる時間幅で脳波データD(1)〜D(n)を抽出してもよい。
そして、電位抽出部3は、複数の脳波データD(1)〜D(n)を加算平均することによって事象関連電位(加算平均波形)を抽出する(図6参照)。ここにおいて、電位抽出部3では、脳波データD(1)〜D(n)を脳波計測部12から取得する。
視認性判定部4は、電位抽出部3によって抽出された事象関連電位の潜時を抽出する(図6参照)。そして、視認性判定部4は、潜時に基づいて運転者30の視認性を判定する。より詳細には、視認性判定部4は、潜時が短いほど視認性が高いと判定し、潜時が長いほど視認性が低いと判定する。視認性判定部4は、上記の判定結果を出力部5へ送信する。
電位抽出部3と視認性判定部4とを含む分析部6は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを主構成とするコンピュータにて構成されている。言い換えれば、分析部6は、CPU及びメモリを有するコンピュータにて実現されており、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータが制御部として機能する。プログラムは、ここでは分析部6のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよい。
出力部5は、視認性判定部4の判定結果を出力する。出力部5は、例えば、画像と音声との少なくとも一方を出力可能な機器である。画像は液晶表示装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等の表示装置を利用して出力される。音声は、スピーカを用いて出力される。出力部5は、視認性判定部4で判定された結果を画像と音声との少なくとも一方によって提示する。
視認性評価システム1では、タイミング特定部2の筐体と分析部6の筐体とが別体であるが、これに限らず、例えば、タイミング特定部2と分析部6とが1つの筐体に収納されていてもよい。
上述した通り、タイミング特定部2及び分析部6は、それぞれコンピュータを含む。すなわち、本開示におけるタイミング特定部2及び分析部6それぞれの実行主体は、コンピュータを含んでいる。コンピュータは、ハードウェアとしてのCPU及びメモリを主構成とする。コンピュータのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示におけるタイミング特定部2又は分析部6の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよいし、コンピュータで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ(磁気ディスク)等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
また、視認性評価システム1は、タイミング特定部2と分析部6とで別々にCPUを備えた構成に限らず、タイミング特定部2と分析部6とで、1つのCPUを共用していてもよい。
(3)効果
実施形態に係る視認性評価システム1は、タイミング特定部2と、電位抽出部3と、視認性判定部4と、を備える。タイミング特定部2は、自動車(移動体)20の運転者30の視環境を撮影する撮像装置11から取得した画像を用いて視対象40の視角及び識別可能限界値を推定し、推定した視角及び識別可能限界値を用いて視対象40の発生タイミングを特定する。電位抽出部3は、タイミング特定部2により順次特定された複数の視対象40それぞれの発生タイミングに一対一に対応する複数の脳波データD(1)〜D(n)であって運転者30の脳波を計測する脳波計測部12から取得した複数の脳波データD(1)〜D(n)、の加算起点を決定し、複数の脳波データD(1)〜D(n)を加算平均することによって事象関連電位を抽出する。視認性判定部4は、電位抽出部3によって抽出された事象関連電位の潜時に基づいて視認性を判定する。タイミング特定部2は、撮像装置11から取得した画像において運転者30の周辺視野領域A2に対応する画像領域内に位置している視対象に対応する視対象領域を抽出し、視対象40の視角を推定する。
実施形態に係る視認性評価システム1では、自動車20の運転者30の視認性を客観的に評価することが可能となる。ここにおいて、視認性評価システム1では、電位抽出部3において運転者30の事象関連電位のP300を抽出することが可能となる。また、視認性評価システム1では、運転者30が実際に自動車20を運転しているときの運転者30の視認性を、運転者30が自動車20から降車した後に評価することができる。なお、視認性評価システム1は、運転者30が実際に自動車20を運転しているときの運転者30の視認性をリアルタイムで評価してもよい。
(4)実施形態の変形例
実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(4.1)変形例1
以下、実施形態の変形例1に係る視認性評価システム1について図7及び8に基づいて説明する。
実施形態の変形例1に係る視認性評価システム1は、タイミング特定部2において識別可能限界値を運転者30の視力情報に基づいて推定する点で、実施形態1に係る視認性評価システム1と相違する。変形例1に係る視認性評価システム1の基本構成は実施形態に係る視認性評価システム1と同様なので図示及び説明を省略する。
変形例1に係る視認性評価システム1では、視力情報と識別可能限界値との関係をデータとしてタイミング特定部2のメモリに保持している。ここにおいて、メモリに保持されている視力情報と識別可能限界値との関係では、例えば、図8に示すように、視力が高いほど識別可能限界値が小さく、視力が低いほど識別可能限界値が大きくなる。変形例1に係る視認性評価システム1は、運転者30の視力の検査値が入力される入力部7を備えている。タイミング特定部2は、入力部7に入力された視力の検査値に対応する視力情報に基づいて識別可能限界値を推定する。運転者30の視力の検査値は、例えばランドルト環(Landolt Ring)を視標とする視力検査の検査結果の値である。変形例1に係る視認性評価システム1は、視力と識別可能限界値との関係をデータとしてタイミング特定部2のメモリに保持している構成に限らず、例えば、入力部7にて入力された視力の値と標準の識別可能限界値とを乗じた値を識別可能限界値としてもよい。
変形例1に係る視認性評価システム1では、実施形態の視認性評価システム1と比べて、自動車20の運転者30の視認性を、より客観的に評価することが可能となる。
(4.2)変形例2
実施形態の変形例2に係る視認性評価システム1は、タイミング特定部2において識別可能限界値をコントラスト及び視対象の背景輝度に基づいて推定する点で、実施形態1に係る視認性評価システムと相違する。変形例2に係る視認性評価システム1の基本構成は実施形態に係る視認性評価システム1と同様なので図示及び説明を省略する。
ランドルト環を視標とする視力を背景輝度(順応輝度)及び視標のコントラスト(輝度対比)の関数として表すと、下記の式(1)となることが知られている(例えば、文献1[照明ハンドブック(第2版)、平成15年11月20日第2版第1刷発行、編者:社団法人照明学会、発行所:株式会社オーム社]参照)。
A=L/{(1.7C-1/3(0.85C-1/5+L1/44} 式(1)
ここにおいて、VAは、視力であり、L[cd/m2]は、順応輝度であり、C[%]は、視標の輝度対比である。
また、ランドルト環の切れ目の幅が眼に対して張る視角を[分]で表した場合、その逆数で定義されるのが視力である。また、1[分]は、1[度]の1/60である。
変形例2に係る視認性評価システム1のタイミング特定部2は、視対象の識別可能限界値を推定する方法として、例えば、下記式(2)を用いる。
識別可能限界値[度]={(1.7C-1/3(0.85C-1/5+L1/44}/(L×60) 式(2)
ここにおいて、C[%]は、視対象(視標)のコントラスト(輝度対比)である。また、L[cd/m2]は、背景輝度(順応輝度)である。
式(2)から、背景輝度と識別可能限界値との関係では、図9に示すように、背景輝度が高いほど識別可能限界値が小さく、背景輝度が低いほど識別可能限界値が大きくなる。
変形例2に係る視認性評価システム1では、実施形態の視認性評価システム1と比べて、自動車20の運転者30の視認性を、より客観的に評価することが可能となる。
(4.3)その他の変形例
視認性評価システム1は、運転者30の年齢が入力される入力部を備え、入力部に入力された運転者30の年齢に応じて識別可能限界値を決定してもよい。
また、視認性評価システム1の視認性判定部4は、P300の潜時だけでなく、例えば、潜時とP300の振幅とに基づいて視認性を判定してもよい。
視認性評価システム1で想定する移動体は、自動車20に限らない。例えば、移動体は、二輪車、電車、航空機、建設機械及び船舶等の自動車以外の移動体でもよい。
(5)まとめ
以上説明した実施形態等から以下の態様が開示されている。
第1の態様に係る視認性評価システム(1)は、タイミング特定部(2)と、電位抽出部(3)と、視認性判定部(4)と、を備える。タイミング特定部(2)は、移動体(自動車20)の運転者(30)の視環境を撮影する撮像装置(11)から取得した画像を用いて視対象の視角及び識別可能限界値を推定し、推定した視角及び識別可能限界値を用いて視対象の発生タイミングを特定する。電位抽出部(3)は、タイミング特定部(2)により順次特定された複数の視対象それぞれの発生タイミングに一対一に対応する複数の脳波データ(D(1)〜D(n))であって運転者(30)の脳波を計測する脳波計測部(12)から取得した複数の脳波データ(D(1)〜D(n))、の加算起点を決定し、複数の脳波データ(D(1)〜D(n))を加算平均することによって事象関連電位を抽出する。視認性判定部(4)は、電位抽出部(3)によって抽出された事象関連電位の潜時に基づいて視認性を判定する。タイミング特定部(2)は、撮像装置(11)から取得した画像において運転者(30)の周辺視野領域(A2)に対応する画像領域内に位置している視対象に対応する視対象領域を抽出し、視対象(40)の視角を推定する。
第1の態様に係る視認性評価システム(1)では、移動体(自動車20)の運転者(30)の視認性を客観的に評価することが可能となる。ここにおいて、視認性評価システム(1)では、電位抽出部(3)において運転者(30)の事象関連電位のP300を抽出することが可能となる。
第2の態様に係る視認性評価システム(1)では、第1の態様において、タイミング特定部(2)は、視対象(40)の視角が識別可能限界値を上回ったタイミングを前記発生タイミングとして特定する。
第2の態様に係る視認性評価システム(1)では、移動体(自動車20)の運転者(30)の視認性を、より客観的に評価することが可能となる。
第3の態様に係る視認性評価システム(1)では、第1又は2の態様において、タイミング特定部(2)は、画像領域内における視対象領域の位置情報を用いて視対象の視角を推定するとともに、画像領域内における視対象領域と背景とのコントラストに基づいて視対象の識別可能限界値を推定する。
第3の態様に係る視認性評価システム(1)では、移動体(自動車20)の運転者(30)の視認性を、より客観的に評価することが可能となる。
第4の態様に係る視認性評価システム(1)は、第1又は2の態様において、運転者(30)の視力情報が入力される入力部(7)を更に備える。タイミング特定部(2)は、運転者の視力情報に基づいて識別可能限界値を推定する。
第4の態様に係る視認性評価システム(1)では、移動体(自動車20)の運転者(30)の視認性を、より客観的に評価することが可能となる。
第5の態様に係る視認性評価システム(1)では、第1又は2の態様において、タイミング特定部(2)は、画像領域内における視対象領域の位置情報を用いて視対象(40)の視角を推定するとともに、画像領域内における視対象領域と背景とのコントラストと、視対象の背景輝度と、に基づいて識別可能限界値を推定する。
第5の態様に係る視認性評価システム(1)では、移動体(自動車20)の運転者(30)の視認性を、より客観的に評価することが可能となる。
第6の態様に係る視認性評価システム(1)では、第1〜5の態様のいずれか一つにおいて、移動体は、自動車(20)であり、撮像装置(11)は、運転者(30)に設けられる。
第6の態様に係る視認性評価システム(1)では、自動車(20)の運転者の視認性を客観的に評価することが可能となる。
1 視認性評価システム
2 タイミング特定部
3 電位抽出部
4 視認性判定部
5 出力部
6 分析部
7 入力部
11 撮像装置
12 脳波計測部
20 自動車(移動体)
30 運転者
40 視対象
A2 周辺視野領域

Claims (6)

  1. 移動体の運転者の視環境を撮影する撮像装置から取得した画像を用いて視対象の視角及び識別可能限界値を推定し、推定した視角及び識別可能限界値を用いて視対象の発生タイミングを特定するタイミング特定部と、
    前記タイミング特定部により順次特定された複数の視対象それぞれの発生タイミングに一対一に対応する複数の脳波データであって前記運転者の脳波を計測する脳波計測部から取得した複数の脳波データ、の加算起点を決定し、前記複数の脳波データを加算平均することによって事象関連電位を抽出する電位抽出部と、
    前記電位抽出部によって抽出された事象関連電位の潜時に基づいて前記運転者の視認性を判定する視認性判定部と、を備え、
    前記タイミング特定部は、前記撮像装置から取得した画像において前記運転者の周辺視野領域に対応する画像領域内に位置している視対象に対応する視対象領域を抽出し、視対象の視角を推定する、
    視認性評価システム。
  2. 前記タイミング特定部は、視対象の視角が識別可能限界値を上回ったタイミングを前記発生タイミングとして特定する、
    請求項1に記載の視認性評価システム。
  3. 前記タイミング特定部は、前記画像領域内における視対象領域の位置情報を用いて視対象の視角を推定するとともに、前記画像領域内における視対象領域と背景とのコントラストに基づいて視対象の識別可能限界値を推定する、
    請求項1又は2に記載の視認性評価システム。
  4. 前記運転者の視力情報が入力される入力部を更に備え、
    前記タイミング特定部は、前記運転者の視力情報に基づいて識別可能限界値を推定する、
    請求項1又は2に記載の視認性評価システム。
  5. 前記タイミング特定部は、前記画像領域内における視対象領域の位置情報を用いて視対象の視角を推定するとともに、前記画像領域内における視対象領域と背景とのコントラストと、視対象の背景輝度と、に基づいて識別可能限界値を推定する、
    請求項1又は2に記載の視認性評価システム。
  6. 前記移動体は、自動車であり、
    前記撮像装置は、前記運転者に設けられる、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の視認性評価システム。
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