JP2019143737A - 一方向クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】一方向クラッチにおいて、過大なトルクが作用した場合であっても、スプリングがスプラグに押されて撓みすぎるのを防ぐ。【解決手段】一方向クラッチ10は、外輪部材14と内輪部材15との間に配置される複数のスプラグ11と、複数のスプラグ11を周方向に間隔をあけて保持する保持器12と、保持器12に沿って設けられスプラグ11に接触するスプリング13とを備える。保持器12は、スプラグ11を保持するポケット34が複数形成されている筒状の本体部30と、本体部30の軸方向の端部から外輪部材14側に延びて設けられている環状のフランジ部29とを有する。外輪部材14とフランジ部29との間に全周にわたってクリアランス20が形成される。【選択図】 図4

Description

本発明は、一方向クラッチに関する。
一方向クラッチにはスプラグ式とカム式とが知られている。カム式の場合、外輪部材と内輪部材との間に楔形空間を複数形成するために、外輪部材の内周又は内輪部材の外周にカム面を複数形成する必要がある。これに対して、スプラグ式の場合、外輪部材の内周及び内輪部材の外周を共に円筒形とすればよい。このため、製造コスト面でスプラグ式が有利とされる場合がある。
スプラグ式の一方向クラッチは、複数のスプラグを周方向に間隔をあけて保持する環状の保持器と、保持器に沿って設けられるスプリングとを備える。スプリングが弾性変形した状態で各スプラグに接触することにより、スプラグは所定の姿勢に保たれる。内輪部材、外輪部材、及びスプラグは、例えば炭素鋼等の鋼製である。スプリングは、例えばばね鋼である。
外輪部材に対して内輪部材が一方向に回転すると、スプラグが外輪部材及び内輪部材に噛み込み、外輪部材と内輪部材とは一体回転する。この状態が「ロック状態」である。これに対して、外輪部材に対して内輪部材が他方向に回転すると、前記噛み込みが解除され、外輪部材に対して内輪部材は空転する。この状態が「フリー状態」である。
特許文献1及び特許文献2は、従来の一方向クラッチを開示している。従来の一方向クラッチでは、保持器は外輪に固定されている。具体的に説明すると、保持器は、スプラグを保持するポケットが複数形成されている筒状の本体部と、この本体部の軸方向の端部から外輪部材側に延びて設けられている環状のフランジ部とを有する。フランジ部の外周縁が外輪部材の内周面に嵌合する(締まり嵌めとなる)。これにより保持器は外輪部材に固定される。
特開2016−186317号公報 特開平11−141576号公報
スプラグは、保持器のポケットに保持されている。スプリングは、保持器に沿って設けられ、保持器と一体となっている。従来構造では、保持器が外輪部材に固定されているため、スプリングも間接的に外輪部材に固定された状態にある。これに対して、スプラグは保持器のポケット内で姿勢変化(変位)することができる。スプリングは弾性変形した状態でスプラグに接触する。これにより、スプラグは外輪部材と内輪部材との間で所定の姿勢となる。
このような一方向クラッチにおいて、前記ロック状態で外輪部材と内輪部材との間にトルクが負荷されると、内輪部材、外輪部材、及びスプラグは弾性変形しながら、スプラグは傾く。この際、スプラグがスプリングを押して撓ませる。前記のとおり、保持器及びスプリングは外輪部材に固定されているのに対して、スプラグはポケット内で姿勢変化(変位)する。このため、外輪部材と内輪部材との間に過大なトルクが負荷され、スプラグの姿勢変化(変位)が大きくなると、スプリングの撓みが許容値を超えて大きくなることが考えられる。この場合、スプリングが塑性変形することがある。スプリングが塑性変形してしまうと、過大なトルクが解消された後であっても、スプラグに対してスプリングが適切に接触せず、スプラグが安定しなくなる。この結果、一方向クラッチの機能が低下するおそれがある。
そこで、本発明は、一方向クラッチにおいて、過大なトルクが作用した場合であっても、スプリングがスプラグに押されて撓みすぎるのを防ぐことを目的とする。
本発明の一方向クラッチは、外輪部材と内輪部材との間に配置される複数のスプラグと、複数の前記スプラグを周方向に間隔をあけて保持する保持器と、前記保持器に沿って設けられ前記スプラグに接触するスプリングと、を備え、前記保持器は、前記スプラグを保持するポケットが複数形成されている筒状の本体部と、当該本体部の軸方向の端部から前記外輪部材側に延びて設けられている環状のフランジ部と、を有し、前記外輪部材と前記フランジ部との間に全周にわたってクリアランスが形成される。
この一方向クラッチによれば、外輪部材と内輪部材とが一体回転するロック状態で、これら外輪部材と内輪部材との間に過大なトルクが作用し、スプラグが大きく変位しても、外輪部材と保持器のフランジ部との間に全周にわたってクリアランスが形成されることで、スプラグの変位に追従するように保持器及びスプリングは周方向に変位することができる。このため、スプリングがスプラグに押されて撓みすぎるのを防ぐことが可能となる。
前記のような一方向クラッチの組み立ては、次のようにして行われる。スプラグ、保持器、及びスプリングを一体としたスプラグユニットを、外輪部材の内周側に取り付けた状態とする。その後、スプラグユニットの径方向内側に内輪部材を挿入する。しかし、スプリングが各スプラグを弾性的に付勢することで、スプラグユニットの最小内接円は、内輪部材の外径よりも小さくなる。そこで、外輪部材の内周側に取り付けたスプラグユニットのスプラグの径方向内側部に対して、内輪部材を軸方向から押し付けながら、一方向クラッチがフリー状態となる方向(空転方向)に回転させる。これにより、各スプラグがスプリングのばね力に抗して変位し、スプラグユニットの内周側に内輪部材を嵌め入れる。しかし、スプラグの径方向内側部に対して内輪部材を軸方向から押し付けると、外輪部材の中心軸に直行する仮想平面に対してスプラグが傾く。この場合、スプラグユニットの最小内接円が益々小さくなり、内輪部材の挿入が困難となる。
そこで、前記外輪部材は、前記スプラグの径方向外側部と接触する円筒部と、当該円筒部の軸方向一方側から径方向内方に延びて設けられている円環部と、を有し、前記円環部と前記スプラグとの間に、スペーサが設けられ、当該スペーサは、当該スプラグの側面に接触することで前記外輪部材の中心軸に直行する仮想平面に対して当該スプラグが傾くのを抑制する構成とするのが好ましい。これにより、内輪部材の挿入が容易となる。
また、前記中心軸に平行な方向にスペーサが長くなりすぎると、一方向クラッチの使用時において、スプラグがスペーサに接触しやすくなる。すると、スプラグが姿勢変化(変位)し難くなる。そこで、前記本体部は、前記スプラグの軸方向一方側に設けられている第一環状部と、前記スプラグの軸方向他方側に設けられている第二環状部と、前記第一環状部と前記第二環状部とを繋ぐ複数の柱部と、を有し、前記スペーサの前記中心軸に平行な方向の長さをY1とし、前記第一環状部の軸方向長さをY2とし、前記外輪部材と前記内輪部材との間に形成される環状空間の径方向寸法をJとすると、Y2−0.05×J≦Y1<Y2の関係を満たすのが好ましい。この構成によれば、外輪部材と内輪部材との間に前記スプラグユニットが設けられた状態で、スプラグがスペーサに接触するのを防ぐことができる。このため、一方向クラッチの使用時に、スペーサがスプラグの動作の際の抵抗とならない。
また、前記スペーサは、前記円環部と一体であり、前記スペーサの内接円の直径をD1とし、前記内輪部材の外周面の直径をD2とし、前記外輪部材と前記内輪部材との間に形成される環状空間の径方向寸法をJとすると、D2<D1≦D2+0.02×Jの関係を満たすのが好ましい。この構成によれば、外輪部材と内輪部材とが芯ずれしようとすると、スペーサに内輪部材が接触し、芯ずれが制限される。つまり、スペーサは、外輪部材と内輪部材との芯ずれを抑制する機能を有する。
また、前記スプラグユニットにおいて、芯ずれが生じるとスプラグの傾きが変化し、これにより保持器及びスプリングが径方向に移動する。そこで、前記スペーサは、前記中心軸を中心とする仮想円に沿って前記円環部と一体となって設けられており、前記クリアランスの径方向寸法をAとし、前記内輪部材と前記スペーサとの間に形成される径方向隙間の径方向寸法をBとすると、A>Bの関係を満たすのが好ましい。この構成によれば、外輪部材と内輪部材とが芯ずれしようとすると、スペーサに内輪部材が接触し、芯ずれが制限される。つまり、スペーサは、外輪部材と内輪部材との芯ずれを抑制する機能を有する。内輪部材とスペーサとの間に形成される径方向隙間の径方向寸法Bが、芯ずれの許容値となる。この許容値以内で外輪部材と内輪部材とが芯ずれし、その芯ずれ量について保持器が径方向に変位したとしても、外輪部材と保持器との間に全周にわたってクリアランスが形成される。
また、前記クリアランスが広すぎると、保持器及びスプリングが径方向に移動可能となる範囲が広くなる。保持器及びスプリングが径方向に大きく移動し過ぎると、スプラグの姿勢が安定せず、外輪部材及び内輪部材に対するスプラグの噛み合い性が低下するおそれがある。そこで、前記クリアランスの径方向寸法をAとし、前記スプラグのロック時径方向最大寸法をSとし、前記外輪部材と前記内輪部材との間に形成される環状空間の径方向寸法をJとすると、A<(S−J)の関係を満たすのが好ましい。この構成により、クリアランスが広くなりすぎない。
また、外輪部材と内輪部材とが芯ずれするとスプラグのロールオーバーが発生しやすい。そこで、前記スペーサは、前記中心軸を中心とする仮想円に沿って前記円環部と一体となって設けられており、前記内輪部材と前記スペーサとの間に形成される径方向隙間の径方向寸法をBとし、前記スプラグのロック時径方向最大寸法をSとし、前記外輪部材と前記内輪部材との間に形成される環状空間の径方向寸法をJとすると、B≦(S−J)×0.4の関係を満たすのが好ましい。この構成によれば、外輪部材と内輪部材とが芯ずれしようとすると、スペーサに内輪部材が接触し、芯ずれが制限される。つまり、スペーサは、外輪部材と内輪部材との芯ずれを抑制する機能を有する。前記芯ずれは、内輪部材とスペーサとの間の径方向隙間の径方向寸法Bの範囲で生じるが、この範囲の最大値で芯ずれしても、前記構成によれば、スプラグのロールオーバーの発生を効果的に抑制することができる。
本発明の一方向クラッチによれば、過大なトルクが作用した場合であっても、スプリングがスプラグに押されて撓みすぎるのを防ぐことが可能となる。
一方向クラッチの側面図である。 図1に示す一方向クラッチの一部を拡大して示す説明図である。 図1に示す一方向クラッチの断面図である。 一方向クラッチの断面図である。 一方向クラッチの組み立て方法を説明する説明図である。 一方向クラッチの組み立て方法を説明する断面図である。
〔一方向クラッチの全体構成〕
図1は、一方向クラッチの側面図である。図2は、図1に示す一方向クラッチの一部を拡大して示す説明図である。図3は、図1に示す一方向クラッチ10の断面図である。一方向クラッチ10は、複数のスプラグ11と、環状の保持器12と、スプリング13とを備えている。一方向クラッチ10は、例えば、自転車の動力伝達部に用いられる。なお、以下の説明において、一方向クラッチ10の中心軸Cに平行な方向を軸方向と呼び、この中心軸C周りの方向を周方向と呼び、中心軸Cに直行する方向(一方向クラッチ10の半径方向)を径方向と呼ぶ。
複数のスプラグ11は、外輪部材14と内輪部材15との間に配置されている。外輪部材14、内輪部材15、保持器12、及びスプラグ11は、例えば炭素鋼等の鋼製である。スプリング13は、例えばばね鋼である。全てのスプラグ11は同じ形状である。外輪部材14及び内輪部材15はそれぞれ環状の部材である。外輪部材14は、図外のハウジングに軸受を介して支持される。内輪部材15は、円筒形状を有し、図外の回転体と一体である。前記回転体は、図外の軸受部によって回転可能に支持される。外輪部材14と内輪部材15とは相対回転可能となる。以下において、説明を容易とするために、外輪部材14に対して内輪部材15が回転する場合を説明する。
本実施形態では、外輪部材14と内輪部材15との間には軸受が設けられていない。つまり、外輪部材14及び内輪部材15はそれぞれが片持ち梁状となって支持されている。このため、例えば内輪部材15にラジアル荷重が作用すると、外輪部材14の中心軸と内輪部材15の中心軸とが不一致となる「芯ずれ」が生じる場合がある。なお、後に説明する芯ずれ抑制機能により、この芯ずれは所定の許容値で抑えられる。外輪部材14と内輪部材15との中心軸が一方向クラッチ10の中心軸Cに一致している状態、つまり、芯ずれしていない状態では、外輪部材14の内周面14aと内輪部材15の外周面15aとの間に形成される環状空間7の径方向寸法Jは、周方向に沿って一定である。径方向寸法Jは、外周面15aの内径と内周面14aの外径との差の半分の値である。外輪部材14と内輪部材15との中心軸が不一致となる芯ずれ状態では、環状空間7の径方向寸法Jが、ある周方向の第一位置では小さくなり、この第一位置と180度離れた反対側の第二位置では大きくなる。
図3に示すように、外輪部材14は、円筒部16と円環部18とを有する。円筒部16は、円筒形状である。円筒部16は、外輪部材14の中心軸を中心とする円筒状の内周面14aを有する。この内周面14aにスプラグ11の径方向外側部24が接触する。円環部18は、円環形状である。円環部18は、円筒部16の軸方向一方側から径方向内方に延びて設けられる。更に、外輪部材14は筒部19を有する。筒部19は、円環部18の径方向内側から軸方向一方に延びて設けられる。筒部19において外輪部材14は図外のハウジングに支持される。
円環部18とスプラグ11との間にスペーサ35が設けられる。本実施形態の場合、スペーサ35は、外輪部材14(円環部18)と同じ部材により構成されている。スペーサ35は、円環部18から軸方向他方側に突出し、内輪部材15の外周面15aの径方向外側に位置する。スペーサ35は環状であり、断面形状は周方向に沿って同じである。スペーサ35は、スプリング13と内輪部材15との間に設けられる。スペーサ35は、後に説明する一方向クラッチ10の組み立ての際に機能する。つまり、組み立ての際、スペーサ35の軸方向他方側の側面が、スプラグ11の側面11aに接触することで、外輪部材14の中心軸に直行する仮想平面K1に対してスプラグ11が傾くのを抑制する。なお、スペーサ35は、周方向に連続する環状である以外に、周方向に沿って間欠的に設けられていてもよい。
また、スペーサ35は、後述する芯ずれ抑制機能も有する。このために、スペーサ35は、円環部18と一体となって設けられている。つまり、スペーサ35は、外輪部材14(円環部18)と同じ部材により構成されている。スペーサ35は、外輪部材14の中心軸を中心とする仮想円K2に沿って設けられている。具体的に説明すると、スペーサ35の径方向内側面35aは、仮想円K2に沿った円筒面により構成されている。スペーサ35による芯ずれ抑制機能については、後に説明する。
本実施形態では、スペーサ35は、円環部18の一部であるが、円環部18(外輪部材14)と別体であってもよい。つまり、スペーサ35は、スプラグ11と円環部18との間に介在する単独のリング部材であってもよい。ただし、スペーサ35が芯ずれ抑制機能を有するためには、スペーサ35は、円環部18と一体となって設けられる必要がある。
保持器12は、筒状の本体部30と、環状のフランジ部29とを有する。本体部30には、スプラグ11を保持するポケット34が複数形成されている。本体部30は、スプラグ11の軸方向一方側に設けられている第一環状部31と、スプラグ11の軸方向他方側に設けられている第二環状部32と、これら第一環状部31と第二環状部32とを繋ぐ複数の柱部33とを有する。第一環状部31と第二環状部32との間であって周方向で隣り合う柱部33,33の間に形成される領域が、スプラグ11が収容されるポケット34となる(図2及び図3参照)。この構成により、保持器12は、複数のスプラグ11を周方向に間隔をあけて保持する。図3において、フランジ部29は、本体部30(第二環状部32)の軸方向の端部から外輪部材14側に延びて設けられている。
図1に示すように、フランジ部29の外周縁(外周面)28は、真円に沿った形状を有する。図4に示すように、フランジ部29の外径D5(つまり、外周縁28の直径D5)は、外輪部材14の内径D6(つまり、内周面14aの内径D6)よりも小さい(D5<D6)。このため、外輪部材14とフランジ部29との間に全周にわたって径方向のクリアランス20が形成される。図4において、クリアランス20の径方向寸法が「A」で示されている。
外輪部材14には、止め輪21が取り付けられている。止め輪21により、スプラグユニット22が環状空間7から軸方向他方側へ脱落するのを防ぐ。スプラグユニット22は、保持器12、保持器12に保持されている複数のスプラグ11、及び保持器12と一体となるスプリング13により構成されている。
スプリング13は、環状であり、保持器12の内周面に沿って設けられている。保持器12の内周側にスプリング13が嵌った状態にあり、これにより、スプリング13は保持器12と一体となる。スプリング13は、例えば、金属製である薄い帯状部材を環状にすることで構成される。スプリング13はスプラグ11に接触する。このために、図2に示すように、スプリング13は、スプラグ11に接触して付勢するための舌片部23を有する。
図2に示すように、スプラグ11は、径方向外側部24(以下「外側部24」という。)と、径方向内側部25(以下「内側部25」という。)と、これら外側部24と内側部25との間の径方向中央部26(以下「中央部26」という。)とを有する。各スプラグ11において、周方向一方側であって中央部26と内側部25との間に、段付き面27が形成される。スプリング13の舌片部23は段付き面27に接触する。各スプラグ11は、中央部26の周方向他方側において、保持器12の柱部33に接触する。図2において、この接触する位置を符号「P1」で示している。舌片部23が、弾性変形した状態で、段付き面27を外輪部材14側へ押し上げる。ポケット34に収容されているスプラグ11は、舌片部23と接触点P1との間によって挟まれた状態で保持される。スプラグ11は接触点P1を支点として揺動することができる。
前記のとおり、スプリング13は、スプラグ11の中央部26の一部(段付き面27)に接触する舌片部23を有しており、スプリング13は、保持器12の内周側に沿って設けられている。このため、保持器12とスプリング13とは一体となる。外輪部材14と内輪部材15との間において芯ずれが生じると、スプラグ11の傾きが変化する。すると、保持器12及びスプリング13も径方向に移動することがある。
以上の構成を備えた一方向クラッチ10では、外輪部材14に対して内輪部材15が一方向(図1及び図2において、反時計回り方向)に回転すると、スプラグ11が外輪部材14と内輪部材15とに噛み込み、外輪部材14と内輪部材15とは一体回転する(相対回転不能となる)。この状態が「ロック状態」である。これに対して、外輪部材14に対して内輪部材15が他方向(図1及び図2において、時計回り方向)に回転すると、前記噛み込みが解除され、外輪部材14に対して内輪部材15は空転する(相対回転可能となる)。この状態が「フリー状態」である。
一方向クラッチ10がロック状態にあり、外輪部材14と内輪部材15との間に過大なトルクが作用すると、スプラグ11が(通常の使用状態と比較して)大きく変位することがある。このような場合であっても、外輪部材14と保持器12のフランジ部29との間に全周にわたってクリアランス20が形成されているので(図3及び図4参照)、スプラグ11の前記変位に追従するように保持器12及びスプリング13は周方向に変位することができる。この結果、スプリング13(舌片部23)がスプラグ11に押されて撓みすぎるのを防ぐことが可能となる。よって、スプリング13(舌片部23)が塑性変形するのを防ぐことができる。このため、過大なトルクが解消された後、再びスプリング13はスプラグ11に対して適切な位置(段付き面27)で接触する。スプラグ11はスプリング13により所定の姿勢に維持され、保持器12に安定して支持され、一方向クラッチ10の機能が低下するのを防ぐことが可能となる。
〔一方向クラッチ10の組み立てについて〕
前記のような一方向クラッチ10の組み立ては、次のようにして行われる。図5に示すように、スプラグ11、保持器12、及びスプリング13を一体としたスプラグユニット22を、外輪部材14の内周側に取り付けた状態とし、このスプラグユニット22の径方向内側に内輪部材15を挿入する。
しかし、前記のとおりスプリング13の舌片部23がスプラグ11の段付き面27を外輪部材14側に向かって弾性的に付勢している。このため、組み立て前において、各スプラグ11は、接触点P1を支点として時計回り方向に揺動するように変位する。なお、図5では、組み立て前において、揺動したスプラグ11を実線で示し、この揺動したスプラグ11の最小内接円K3を破線で示している。また、図5では、組み立て完了状態のスプラグ11及び内輪部材15(外周面15a)を二点鎖線(想像線)で示している。図5に示すように、組み立て前において(実線で示されている)各スプラグ11は変位していることで、スプラグユニット22(複数のスプラグ11)の最小内接円K3の直径D8は、内輪部材15(外周面15a)の外径D7よりも小さくなる(D8<D7)。よって、このままでは、スプラグユニット22の内周側に内輪部材15を挿入することができない。
そこで、図6に示すように、外輪部材14の内周側に取り付けたスプラグユニット22のスプラグ11の内側部25に対して、軸方向他方側から内輪部材15を押し付けながら、一方向クラッチ10がフリー状態となる方向(図5において周方向他方側)に内輪部材15を回転させる。これにより、スプラグ11は、スプリング13のばね力に抗して接触点P1を支点として反時計回り方向に揺動する(組み立て完了状態のスプラグ位置に近づく)。この結果、最小内接円K3が広がり、スプラグユニット22の内周側に内輪部材15を嵌め入れることができると考えられる。
しかし、図6に示すように、スプラグ11の内側部25に対して軸方向から内輪部材15を押し付けると、外輪部材14の中心軸に直行する仮想平面K1に対して、二点鎖線で示すようにスプラグ11が軸方向に傾こうとする。この場合、スプラグユニット22の最小内接円K3の直径D8は益々小さくなり、内輪部材15の挿入が困難となる。
そこで、本実施形態では、前記のとおり、円環部18とスプラグ11との間に、スペーサ35が設けられている。スペーサ35は、スプラグ11の側面11aに接触することで、仮想平面K1に対してスプラグ11が傾くのを抑制することができる。このため、前記のように、外輪部材14の内周側に取り付けたスプラグユニット22のスプラグ11の内側部25に対して、軸方向他方側から内輪部材15を押し付けながら、一方向クラッチ10がフリー状態となる方向(図5において周方向他方側)に内輪部材15を回転させることで、内輪部材15を挿入して取り付けることが可能となる。そして、内輪部材15の挿入が容易となる。
スペーサ35について更に説明する。図4において、スペーサ35の軸方向長さY1(外輪部材14の中心軸に平行な方向の長さY1)が大きくなりすぎると、一方向クラッチ10の使用時において、スプラグ11がスペーサ35に接触しやすくなる。スプラグ11がスペーサ35に接触すると、スプラグ11が姿勢変化(変位)し難くなる。そこで、スペーサ35の軸方向長さY1と、保持器12の本体部30が有する第一環状部31の軸方向長さY2とが、下記の式(1)に示す関係にある。なお、式(1)において、芯ずれしていない状態で外輪部材14と内輪部材15との間に形成される環状空間7の径方向寸法がJである。
Y2−0.05×J≦Y1<Y2 ・・・ 式(1)
この構成によれば、前記のとおり組み立ての際には、傾こうとするスプラグ11がスペーサ35に接触することで組み立てを容易にすることができ、組み立て後の使用状態では、スプラグユニット22が軸方向一方側へ変位しても、スプラグ11がスペーサ35に接触する前に保持器12の第一環状部31が円環部18に接触する。このため、スプラグ11がスペーサ35に接触するのを防ぐことができ、スペーサ35がスプラグ11の動作の際の抵抗とならない。なお、スペーサ35の軸方向寸法Y1が小さすぎると、スプラグ11が傾くのを抑制する機能が低下する。そこで、スペーサ35がこの機能を備えるために、式(1)において「Y2−0.05×J≦Y1」とされている。
〔芯ずれ抑制機能について〕
図4において、外輪部材14の中心軸と内輪部材15の中心軸とが不一致となる「芯ずれ」を抑制する機能について説明する。この機能は、スペーサ35により得られる。スペーサ35は、外輪部材14の円環部18と一体である。スペーサ35と円環部18とは同心状に設けられている。そして、スペーサ35の内接円の直径D1(本実施形態では、スペーサ35が環状であるため内径D1)と、内輪部材15の外周面15aの直径D2とが、下記の式(2)に示す関係にある。なお、式(2)において、芯ずれしていない状態で外輪部材14と内輪部材15との間に形成される環状空間7の径方向寸法がJである。
D2<D1≦D2+0.02×J ・・・ 式(2)
この構成によれば、芯ずれが発生しようとすると、スペーサ35の径方向内側面35a(内周面35a)に、内輪部材15の外周面15aの一部が接触する。これにより、芯ずれが抑制される。なお、内輪部材15とスペーサ35との間に形成される径方向隙間の径方向の寸法Bが、芯ずれの許容値とされる。つまり、この許容値(寸法B)について、芯ずれは起こり得る。スペーサ35の内接円の直径D1と、内輪部材15の外周面15aの直径D2とが同じである場合、つまり、前記寸法Bがゼロである場合、内輪部材15とスペーサ35とが摺接し、回転抵抗となり好ましくない。
スペーサ35がスプリング13と干渉しないように、スペーサ35の外接円の直径D3は、スプリング13の軸方向一方側の部分の内径D4よりも小さい(D3<D4)。
芯ずれの許容値とされる、内輪部材15とスペーサ35との間の径方向の寸法Bは、前記クリアランス20(図4参照)に影響を与える。なお、クリアランス20は、前記のとおり、一方向クラッチ10がロック状態となり更に過大なトルクが作用することによって、スプリング13(舌片部23、図2参照)がスプラグ11に押されて撓みすぎるのを防ぐために、外輪部材14と保持器12のフランジ部29との間に設けられている隙間である。
すなわち、内輪部材15とスペーサ35との間の径方向の寸法Bに応じて芯ずれが生じると、スプラグ11は保持器12との接触点P1(図2参照)を支点として傾き、その傾きが、芯ずれ前と比較して変化する場合がある。この傾きにあわせて、保持器12及びスプリング13は径方向に移動する。このため、前記芯ずれの許容値が大きく、実際に生じる芯ずれが大きくなると、保持器12及びスプリング13が径方向に大きく移動する場合がある。
そこで、保持器12及びスプリング13が径方向に移動しても、前記クリアランス20が消滅しないようにするのが好ましい。クリアランス20が消滅しないようにするために、本実施形態では(図4参照)クリアランス20の径方向寸法Aと、内輪部材15とスペーサ35との間に形成される径方向隙間の径方向寸法Bとが、下記の式(3)に示す関係にある。
A>B ・・・ 式(3)
式(3)が満たされることにより、前記許容値(寸法B)以内で外輪部材14と内輪部材15とが芯ずれし、その芯ずれ量について保持器12及びスプリング13が径方向に変位しても、全周にわたってクリアランス20が確保される。このため、一方向クラッチ10がロック状態にあり、過大なトルクが作用し、かつ、前記許容値(寸法B)の範囲内で芯ずれが生じていても、スプリング13(舌片部23、図2参照)がスプラグ11に押されて撓みすぎるのを防ぐことができる。
更に、例えば、一方向クラッチ10が、ロック状態の直後にフリー状態となるが、芯ずれは解消されない状態であっても、前記式(3)を満たす構成によれば、外輪部材14と内輪部材15との間で生じる空転トルクが増加するのを抑えることができる。
仮に前記式(3)を満たさない場合(つまり、A≦Bの場合)、次のようになる可能性がある。芯ずれが最大寸法で発生すると、周方向でクリアランス20がゼロとなる部分が生じる。この部分では保持器12は外輪部材14に接触し、保持器12は径方向外側に移動不能となる。この状態で、外輪部材14に対して内輪部材15が接近すると(芯ずれすると)、スプラグ11の内側部25(図2参照)が、保持器12の前記接触点P1と、内輪部材15との間に挟まれた状態となる場合がある。すると、フリー状態であっても空転トルクが増大する可能性がある。
しかし、本実施形態のように前記式(3)を満たす構成によれば、空転トルクの増大を抑えることができる。
図4において、クリアランス20が広すぎると、保持器12及びスプリング13が径方向に移動可能となる範囲が広くなる。保持器12及びスプリング13が径方向に大きく移動し過ぎると、スプラグ11の姿勢が安定せず、外輪部材14及び内輪部材15に対するスプラグ11の噛み合い性が低下するおそれがある。そこで、保持器12及びスプリング13が径方向に移動可能となる範囲を制限するために、前記クリアランス20の径方向寸法Aの上限は、下記の式(4)に示すように定義される。
A<(S−J) ・・・ 式(4)
式(4)の「S」は、スプラグ11のロック時径方向最大寸法である。ロック時径方向最大寸法Sとは、図2に示すように、ロック状態の一方向クラッチ10において、スプラグ11の外側部24と外輪部材14との接触点P2(外側接触点P2)と、スプラグ11の内側部25と内輪部材15との接触点P3(内側接触点P3)とを結ぶ線分の長さである。また、式(4)の「J」は、芯ずれしていない状態で外輪部材14と内輪部材15との間に形成される環状空間7の径方向寸法である。
ここで、一方向クラッチ10がロック状態で、S(ロック時径方向最大寸法)=J(環状空間7の径方向寸法)になると、スプラグ11はロールオーバー(反対向きに転倒)してしまう。ロック時径方向最大寸法Sと環状空間7の径方向寸法Jとの差(S−J)は、ロールオーバーの発生に影響を及ぼす。そこで、ロールオーバーを防ぐために、内輪部材15とスペーサ35との間に形成される径方向隙間の径方向寸法Bとの関係の式として、B<(S−J)とすればよいが、次の式(5)が満たされるのが好ましい。
B≦(S−J)×0.4 ・・・ 式(5)
式(5)によれば、芯ずれの許容値となる前記径方向の寸法Bが、(S−J)の値の40%までとなるように設定され、これにより、ロールオーバーの発生を効果的に防止することができる。スプラグ11が一つでもロールオーバーすると、その一方向クラッチ10では、所望の設計伝達トルクが得られないおそれがある。しかし、前記式(5)の条件を満たすことで、ロールオーバーの発生を効果的に防止することができる。なお、スプラグ11のロールオーバーは外輪部材14と内輪部材15とが芯ずれしている場合に発生しやすいが、本実施形態によれば、芯ずれがスペーサ35により制限されている。
なお、本実施形態の一方向クラッチ10の場合、式(5)の右辺「(S−J)×0.4」は「0.02J」とほぼ等しくなる。つまり、式(5)は、次の式(6)のように表現することもできる。
B<0.02J ・・・ 式(6)
前記のように(図1参照)、本実施形態の一方向クラッチ10は、外輪部材14と内輪部材15との間に転がり軸受が設けられておらず、外輪部材14及び内輪部材15それぞれは片持ち梁状となって支持されている。このため、外輪部材14と内輪部材15との間で芯ずれが生じやすい。しかし、本実施形態の一方向クラッチ10によれば、前記の芯ずれ抑制機能によって、芯ずれは制限される。
〔その他について〕
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。前記実施形態では、外輪部材14と内輪部材15との間に転がり軸受が設けられていない場合について説明したが、転がり軸受が設けられていてもよい。
前記実施形態の一方向クラッチ10は、外輪部材14と、保持器12のフランジ部29との間に全周にわたってクリアランス20が形成される。
しかし、参考として開示する発明として、クリアランス20が設けられておらず、スペーサ35が設けられている一方向クラッチ10がある。つまり、参考発明の一方向クラッチは、次のとおりである。
一方向クラッチ10は(図3参照)、外輪部材14と内輪部材15との間に配置される複数のスプラグ11と、複数の前記スプラグ11を周方向に間隔をあけて保持する保持器12と、前記保持器12に沿って設けられ前記スプラグ11に接触するスプリング13と、を備える。前記外輪部材14は、前記スプラグ11と接触する円筒部16と、当該円筒部16の軸方向一方側から径方向内方に延びて設けられている円環部18と、を有する。前記円環部18と前記スプラグ11との間に、スペーサ35が設けられ、当該スペーサ35は、当該スプラグ11の側面11aに接触することで前記外輪部材14の中心軸に直行する仮想平面K1に対して当該スプラグ11が傾くのを抑制する。
この参考発明の課題は次のとおりである。前記のとおり(図6参照)一方向クラッチ10の組み立ての際、スプラグ11の内側部25に対して軸方向から内輪部材15を押し付けると、外輪部材14の中心軸に直行する仮想平面K1に対してスプラグ11が傾き、この場合、スプラグユニット22の最小内接円K3が益々小さくなり、スプラグユニット22の径方向内側への内輪部材15の挿入が困難となる。
しかし、前記参考発明によれば、スペーサ35にスプラグ11の側面11aが接触することで、スプラグ11が傾くのを抑制する。よって、スプラグユニット22の径方向内側への内輪部材15の挿入が容易となる。
なお、この参考発明として示す一方向クラッチ10においても、前記各形態を採用することができ、芯ずれ抑制機能を有することができる。
7:環状空間 10:一方向クラッチ 11:スプラグ
11a:側面 12:保持器 13:スプリング
14:外輪部材 15:内輪部材 16:円筒部
18:円環部 20:クリアランス 24:径方向外側部
29:フランジ部 30:本体部 31:第一環状部
32:第二環状部 33:柱部 34:ポケット
35:スペーサ K1:仮想平面 K2:仮想円

Claims (7)

  1. 外輪部材と内輪部材との間に配置される複数のスプラグと、複数の前記スプラグを周方向に間隔をあけて保持する保持器と、前記保持器に沿って設けられ前記スプラグに接触するスプリングと、を備え、
    前記保持器は、前記スプラグを保持するポケットが複数形成されている筒状の本体部と、当該本体部の軸方向の端部から前記外輪部材側に延びて設けられている環状のフランジ部と、を有し、
    前記外輪部材と前記フランジ部との間に全周にわたってクリアランスが形成される、一方向クラッチ。
  2. 前記外輪部材は、前記スプラグの径方向外側部と接触する円筒部と、当該円筒部の軸方向一方側から径方向内方に延びて設けられている円環部と、を有し、
    前記円環部と前記スプラグとの間に、スペーサが設けられ、当該スペーサは、当該スプラグの側面に接触することで前記外輪部材の中心軸に直行する仮想平面に対して当該スプラグが傾くのを抑制する、請求項1に記載の一方向クラッチ。
  3. 前記本体部は、前記スプラグの軸方向一方側に設けられている第一環状部と、前記スプラグの軸方向他方側に設けられている第二環状部と、前記第一環状部と前記第二環状部とを繋ぐ複数の柱部と、を有し、
    前記スペーサの前記中心軸に平行な方向の長さをY1とし、前記第一環状部の軸方向長さをY2とし、前記外輪部材と前記内輪部材との間に形成される環状空間の径方向寸法をJとすると、Y2−0.05×J≦Y1<Y2の関係を満たす、請求項2に記載の一方向クラッチ。
  4. 前記スペーサは、前記円環部と一体であり、
    前記スペーサの内接円の直径をD1とし、前記内輪部材の外周面の直径をD2とし、前記外輪部材と前記内輪部材との間に形成される環状空間の径方向寸法をJとすると、D2<D1≦D2+0.02×Jの関係を満たす、請求項2又は3に記載の一方向クラッチ。
  5. 前記スペーサは、前記中心軸を中心とする仮想円に沿って前記円環部と一体となって設けられており、
    前記クリアランスの径方向寸法をAとし、前記内輪部材と前記スペーサとの間に形成される径方向隙間の径方向寸法をBとすると、A>Bの関係を満たす、請求項2〜4のいずれか一項に記載の一方向クラッチ。
  6. 前記クリアランスの径方向寸法をAとし、前記スプラグのロック時径方向最大寸法をSとし、前記外輪部材と前記内輪部材との間に形成される環状空間の径方向寸法をJとすると、A<(S−J)の関係を満たす、請求項2〜5に記載の一方向クラッチ。
  7. 前記スペーサは、前記中心軸を中心とする仮想円に沿って前記円環部と一体となって設けられており、
    前記内輪部材と前記スペーサとの間に形成される径方向隙間の径方向寸法をBとし、前記スプラグのロック時径方向最大寸法をSとし、前記外輪部材と前記内輪部材との間に形成される環状空間の径方向寸法をJとすると、B≦(S−J)×0.4の関係を満たす、請求項2〜6のいずれか一項に記載の一方向クラッチ。
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