しかしながら、特許文献1の折り畳み自転車は、折り畳み作業を行う際には上述のメインフレームの略中央及びヘッドパイプとの接続部の2箇所が同時に折れ曲がる。そのため、折り畳み作業においてメインフレームの姿勢が変化するだけでなく、メインフレーム後輪側に取り付けられたサドルも後方に傾斜して車体全体の姿勢が大きく変化する。このように車体が不安定な姿勢となると、利用者が車体を支持して安定させながら携行形態へと変形させる必要がある。また、場合によっては車体が不安定な姿勢となり転倒するおそれもある。そのため、折り畳み自転車の変形作業を行う場所を考慮して、人が多く行き交いするような場所を避ける必要が生じる。
また、特許文献2の折り畳み自転車においては、携行形態とするために前輪側を上向きに持ち上げて車体の全長に亘って略垂直に立設させる必要がある。折り畳み自転車の変形動作は少ないスペースで行い得るものの、このような不安定な車体の姿勢は、車体転倒のおそれがさらに高くなる。
上述のとおり、従来技術においては、折り畳み動作において車体を安定させる構造とされていない。軽量化が図られた様々な折り畳み自転車が提供されてはいるものの、自転車の構造上軽量化にも限度があり、携行形態への変形については、折り畳み自転車を持ち上げる動作を必要としないものが望ましい。
そこで本発明の折り畳み自転車は、走行形態及び携行形態の相互の変形について、車体の姿勢を大きく変化させず、かつ安定した状態で変形動作を実現することを目的としている。
汎用の輪行袋は、全体形状が布などで構成された袋体であり、折畳んだ自転車を収容可能な大きさを確保した開口部と、開口部周縁に設けられたファスナー等の開閉手段、及び肩に掛けて持ち運ぶためのベルトを備えてなるものである。
こうした従来の輪行袋は、折畳み自転車を収容する際に、地面に敷かねばならず、その際に輪行袋が汚れてしまう欠点がある。他方で、自転車の上から被せるタイプの輪行袋では、自転車収容時に汚れるといった恐れは小さいが、自転車本体と輪行袋は別体であることから、輪行袋の携帯を失念してしまう恐れがある。公共機関へ持ち込む場合、失念する事は致命的な欠陥であり公共機関への乗車拒否される懸念がある。
また、輪行袋へ折畳み自転車を収容する際には、輪行袋を地面に敷き、輪行袋を敷いた位置まで自転車を運んで来なければならず、収容するのに手間がかかる。
更には、折畳み自転車を収容した輪行袋を、ベルトを用いて肩に掛け、或いは手で持っ
て運搬する際には、折畳み自転車の重量はベルト及びベルトが取付けられた輪行袋にかかることになる。
かように自転車の重量を輪行袋で支持することになり、輪行袋の素材は強度に富むものを使用することが必要となる。つまりは、輪行袋は厚く頑丈な素材を使用することが要求され、必然的に輪行袋そのものが重くかさばることになってしまう。
また、自転車に乗車時に、上記の如く重くかさばる輪行袋を携帯するのは、走行の快適さや安全性を損なう恐れがある。
本発明は、上記課題を解決するべく、地面に敷いたり、或いはカバーの上に自転車を運行させるといった手間をかけずに、簡単容易、かつ、迅速に折畳み自転車に被せることが可能であり、しかも、薄く軽量な素材を用いて製作可能であり、しかもサドルカバーも並存する自転車用カバーを提供することを目的とする。
上述した課題を解決すべく提供される本発明の折り畳み自転車は、乗車して走行可能な走行形態と、フレームを折り畳んだ携行形態とに相互に変形可能な折り畳み自転車において、車体を構成するフレームと、荷台を構成する荷台部とを有し、前記フレームが、前輪に接続された前輪フレームと、後輪に接続された後輪フレームと、前記走行形態において車体前方側から車体後方側に向けて延び、前記前輪フレーム及び前記後輪フレームに対して接続されたメインフレームと、前記メインフレームに対して、前記後輪フレームを前記後輪の車軸に沿う方向に延びる軸線周りに回動可能とする回動部とを備えており、前記荷台部が、前記走行形態において前記後輪に対し上方となる位置に設けられており、前記走行形態から前記携行形態に変形させる過程で、前記回動部において前記後輪フレームを前記メインフレームに対して回動させることにより、前記荷台部の端部が接地して立設されたスタンド形態になることを特徴とするものである。
本発明の折りたたみ自転車によれば、折り畳み自転車を走行形態からスタンド形態へと変形させる動作において、利用者が車体を持ち上げたり、前輪を上方に向けて車体全体を立設させる等、車体が不安定となるような動作を要しない。
さらに、本発明の折り畳み自転車は、走行形態からスタンド形態への変形動作において、メインフレームやサドルの姿勢が大きく変化せず、車体全体の姿勢も大きく変化しない。そのため、車体の変形動作の途中に不意にバランスを崩す等の不具合を回避して安定して変形動作を行い得る。
上述のとおり、本発明の折り畳み自転車は、容易な動作によりスタンド形態への変形を実現することができる。その結果、車体の変形動作を、比較的場所を選ばずに行い得る。また、その後折り畳み自転車をさらにコンパクトになるよう、さらに変形動作を行う場合に、車体が自立した状態(スタンド形態)において作業を行うことができる。これにより、その後のさらなる変形動作においても、車体を安定させた上で変形作業を行うことができる。
本発明の折り畳み自転車の荷台部は、一対の縦杆と、前記一対の縦杆の間を繋ぐ横杆とを有し、前記縦杆が、前記走行形態において前記メインフレームに沿って延びるように配されており、前記横杆として、前記縦杆の前記車体後方側の端部に接続された後端側横杆が少なくとも設けられており、前記スタンド形態において、前記一対の縦杆の間に利用者のつま先を差し込むことにより、前記後端側横杆を踏み込むことができることが望ましい。
上述の構成によれば、折り畳み自転車がスタンド形態や携行形態とされた場合に、利用者の足下に後端側横杆が位置する。利用者が後端側横杆を踏み込む動作により、車体がむやみに動かないように車体の位置を保持することができる。これにより、利用者が本発明の折り畳み自転車を携行して電車やバスに乗車する場合に、電車等の揺れや振動に耐えて車体の位置を保持し得る。
本発明の折り畳み自転車は、前記荷台部に車輪が設けられており、前記スタンド形態において、前記車輪が接地することとしてもよい。
上述の構成によれば、本発明の折り畳み自転車を運搬する際、車輪を接地させつつ円滑に運搬することができる。
また、本発明の折り畳み自転車は、前記荷台部に車輪が設けられており、前記スタンド形態において、前記車輪が接地し、前記車輪の回転軸に対して近接する位置に前記後端側横杆が配置されていることとしてもよい。
上述の構成によれば、利用者の後端側横杆を踏み込む動作が車輪のブレーキの役割を担う。そのため、車輪がむやみに回転して車体が動くことを抑制することができる。
本発明の折り畳み自転車は、前記後端側横杆を下方に踏み込むことにより、前記メインフレームに対して前記後輪フレームを回動させ、前記スタンド形態とすることができることとしてもよい。
上述の構成によれば、走行形態からスタンド形態への変形動作に際し、利用者が足で横杆を下方に踏み込む動作により行い得るため、さらに容易に走行形態からスタンド形態への変形を行い得る。
本発明の折り畳み自転車は、前記メインフレーム側に設けられた係止部と前記後輪フレーム側に設けられた被係止部とが係止することにより、前記スタンド形態を保持可能とするスタンド形態保持機構を有することが望ましい。
上述の構成によれば、スタンド形態を安定して保持することができる。そのため、スタンド形態のまま折り畳み自転車を駐輪する場合や、スタンド形態からさらに折り畳んで携行形態へと変形させる際、より安定して作業を行い得る。
本発明の折り畳み自転車は、前記メインフレームに対してサドルを接続するサドルパイプを有し、利用者が把持可能な把手部が前記サドルパイプに対して設けられていることが望ましい。
上述の構成によれば、折り畳み自転車の携行形態において、利用者が把手部を把持して牽引しつつ、折り畳み自転車を運搬することができる。
さらに本発明の折り畳み自転車は、前記携行形態において所定の牽引方向に牽引可能であり、前記把手部が、前記サドルに対して前記牽引方向、あるいは前記牽引方向とは反対側に突出することが望ましい。
かかる構成によれば、牽引方向に沿って把手部が位置し、円滑かつ効率的に車体を牽引して運搬することができる。
また、上述した把手部は前記サドルパイプを回転軸として回転可能であることが望ましい。
上述の構成によれば、走行形態においては利用者が手荷物等を引っ掛けて手荷物の運搬に用いたり、また携行形態において折り畳み自転車を運搬する際に牽引しやすい方向に向けて位置させることができる。この結果、折り畳み自転車の形態及び利用者の便宜に応じて把手部を位置させることができる。
前記メインフレームは、前記メインフレームを長手方向に開閉するための折り畳み機構を有することが望ましい。
上述の構成によれば、折り畳み機構の開閉により前輪フレームを後輪方向に折りたたむことが可能となり、スタンド形態よりさらに長手方向を縮小するよう折り畳むことができる。その結果、さらに車体をコンパクトに折り畳むことが可能となり、携行に好適に利用することができる。
上述した車輪は、n個の副車輪と、前記n個の副車輪を連結する連結部とを備え、前記n個の副車輪は略正n角形を形成するように配置されており、前記略正n角形の中心を回転中心として前記連結部が回転可能であるものを採用することも可能である。
かかる構成によれば、段差での車体の運搬に際し、下段と上段とのいずれにも副車輪を接地させ、上段側に接地する副車輪の車軸を回動支点として車体全体が上段側へと牽引される。これにより、車体を上方に持ち上げる力を少なくして比較的容易に車体を運搬することができる。そのため、駅等の階段において折り畳み自転車を上段側に牽引して運搬する場合に、好適に用いることができる。
続いて、上述した自転車用カバーの課題を解決するための手段について、以下説明する。
上記の目的を達成する本発明の自転車用カバーの構成は以下の通りである。
(1) 請求項12に記載の発明は、上端に直径の小さな小径開口部を有し、下端に直径の大きな大径開口部を有する袋状のカバー本体と、上端に設けた上部開口部が小径開口部と連結され、下端に設けられた下部開口部に伸縮性が付与された収納袋とにより構成した。
(2) 請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の自転車用カバーにおいて、小径開口部を巻回可能な取付部材を設けて構成した。
(3) 請求項14に記載の発明は、上端に直径の小さな小径開口部を有し、下端に直径の大きな大径開口部を有する袋状のカバー本体と、側面外周部に小径開口部が連結され、上端及び下端に設けられた開口部に伸縮性が付与された収納袋と、カバー本体の側面に取り付けられた、伸縮自在な開口部を有する袋体であるサドルカバーとにより構成した。
(4) 請求項15に記載の発明は、上端に直径の小さな小径開口部を有し、下端に直径の大きな大径開口部を有する袋状のカバー本体と、側面外周部に小径開口部が連結され、上端及び下端に設けられた開口部に伸縮性が付与された収納袋と、カバー本体の側面にベルト部材を介して取り付けられ、伸縮自在な開口部を有する袋体であるサドルカバーとにより構成した。
上述した課題を解決すべく提供される本発明のカバーは、棒状部分を有する被覆対象物に対して装着可能なカバーであって、前記被覆対象物に被覆可能なカバー本体と、前記カバー本体に連結され、前記カバー本体を収容する第一収容部とを有し、前記第一収容部に、開口を形成可能な開口形成部が少なくとも2つ設けられており、前記棒状部分を前記開口に挿通し、前記第一収容部を貫通させることにより、前記第一収容部を前記棒状部分に対して装着可能であり、前記第一収容部が前記棒状部分に取り付けられた状態において前記開口のうちいずれかを介し、前記カバー本体の一部又は全部を前記第一収容部に収容可能であることを特徴とするものである。
本発明のカバーによれば、カバー本体を第一収容部へと収容した状態で、被覆対象物の棒状部材に装着することができる。すなわち、カバー本体で被覆対象物を被覆しない場合には、カバー本体を第一収容部に収容してカバー全体をコンパクトな大きさとして携行することができる。また、本発明のカバーにおいては、第一収容部を被覆対象物の棒状部分に装着したまま、カバー本体を第一収容部の開口から出し入れすることができる。そのため、被覆対象物の棒状部分に第一収容部を装着した状態でカバー本体を第一収容部から取り出して、被覆対象物を被覆することができる。このように、本発明のカバーは被覆対象物を被覆する場合及び被覆しない場合を通じて、被覆対象物の棒状部分に装着しておくことができる。これにより、本発明のカバーは、カバーの携行忘れを抑制することができると共に、被覆対象物を被覆したい場合に素早く被覆対象物を被覆することができる。
本発明のカバーは、被覆対象物が、棒状部分を有する自転車であり、前記カバー本体が、前記自転車の一部又は全部を出し入れ可能な開口を形成可能な導入部と、前記第一収容部に対して接続された接続部とを有し、前記カバー本体の一部又は全部を捲り、前記第一収容部に設けられた前記開口のうちいずれかを介して前記第一収容部に収容可能であることを特徴とするものである。
本発明のカバーは、自転車を被覆しようとする場合には、カバー本体を第一収容部から取り出して、導入部の開口から自転車を被覆することができる。また、本発明のカバーは、自転車を被覆しない場合には、カバー本体を捲って収容部の開口から第一収容部に収容することができる。さらに、本発明のカバーは、自転車を被覆する場合及び被覆しない場合を通じて、カバーを自転車の棒状部分(パイプ部分等)に装着しておくことができる。その結果、本発明のカバーは、カバーの携行忘れを防止することができるほか、急な雨等にも対応して自転車の全体又は一部を素早く被覆することができる。
本発明のカバーは、前記棒状部分が、前記自転車のサドルに連結されたシートポストであり、前記カバー本体が前記シートポスト側から垂れ下がるように装着可能であることを特徴とするものである。
上述の構成によれば、第一収容部からカバー体を取り出して自転車を被覆しようとする場合において、カバー体を下方から上方へと捲って自転車を被覆する場合と比較して、より迅速に自転車を被覆することができる。
本発明のカバーは、前記棒状部分が、前記自転車のサドルに連結されたシートポストであり、前記第一収容部を前記シートポストに装着して前記カバー体が前記自転車を被覆した状態において、前記シートポストの軸方向上方側及び下方側において前記棒状部分が前記第一収容部に設けられた前記開口に挿通されており、前記第一収容部に設けられた前記開口のうち前記下方側にある前記開口を介して、前記カバー本体の一部又は全部を前記第一収容部に収容可能としてもよい。
上述の構成によれば、カバー体が自転車を被覆した状態において、第一収容部の開口のうちカバー体を出し入れする側の開口が下方に向くように配置される。これにより、第一収容部の内部に上方より雨等が侵入することを抑制することができる。
ここで、折り畳み自転車を含む自転車は、一般的に車輪、メインフレーム、前輪フレーム、後輪フレーム、サドル、前カゴ等を有する構成とされている。これらの自転車の構成全て(自転車全体)を被覆する場合には、メインフレームから離間して突出するサドルや前カゴ等を含めて被覆する必要がある。そのため、自転車全体を1つの袋体により被覆しようとする場合には、袋体(本体カバー)を相応の大きさとする必要がある。
しかしながら、車輪やメインフレーム等の主要部分と、サドルや前カゴ等の部分とは、被覆しようとする状況が異なる場合が存在する。例えば、カバーにより被覆しようとする自転車が折り畳み自転車である場合には、折り畳み自転車を携行して公共交通機関へ乗車しようとするために自転車を被覆しようとする場合がある(輸行)。このような折り畳み自転車の輸行を目的としてカバーを使用する場合においては、自転車の車輪やメインフレームを含む主要部分のみを被覆すれば足り、サドルや前カゴを被覆する必要がない場合もある。
一方、雨に濡れた自転車に乗車して走行しようとする場合においては、利用者がサドルや前カゴのみを被覆したい場合もある。このような場合に、自転車全体を被覆するカバー本体のみを有するカバーでは、状況に応じて使用することが困難となる。さらに、サドルや前カゴ等は、自転車全体において主要部分に対して突出するように構成されている場合が多く、サドル及び自転車の主要部分のいずれも含めて自転車全体を被覆すると、カバー本体において無駄な収容領域が生じることとなり、自転車及び袋体全体の外観が大きくならざるを得ない。
かかる問題に対応するため提供される本発明のカバーは、被覆対象物が、棒状部分を有する自転車の一部又は全部であり、前記自転車の一部であるサドル又は前カゴを被覆対象部位として被覆可能な副カバー体を有し、前記副カバー体が、前記第一収容部に連結されており、前記第一収容部に形成された開口を介して、前記副カバー体を収容可能であることを特徴とするものである。
上述の構成によれば、自転車を被覆しようとする場合において、自転車の主要部分をカバー本体により被覆して、サドルや前カゴ等の部分を副カバー体により被覆することができる。すなわち、自転車全体のうち、主要部分をカバー本体により被覆し、サドル等を副カバー体により被覆することとすれば、自転車全体をひとつの袋体により被覆する場合と比較して、被覆された状態の自転車及び自転車用カバーをコンパクトにすることができる。これにより、カバー本体を比較的小さい収容領域の袋体として、カバー本体をコンパクトにすることができる。さらに、被覆対象物を被覆しようとする状況及び被覆対象部位に応じて、被覆対象物である自転車を被覆することができる。
本発明のカバーは、被覆対象物が、棒状部分を有する自転車の一部又は全部であり、前記副カバー体を収容可能とする第二収容部を有し、前記第二収容部に、開口を形成可能な副開口形成部が少なくとも2つ設けられており、前記棒状部分を前記第二収容部に設けられた前記開口に挿通し、前記第二収容部を貫通させることにより、前記第二収容部を前記棒状部分に対して装着可能であり、前記第二収容部が前記棒状部分に取り付けられた状態において、前記副開口形成部により形成されるいずれかの前記開口を介し、前記副カバー体の一部又は全部を前記第二収容部に収容可能であることとしてもよい。
上述の構成によれば、副カバー体を第二収容部に収容した状態で、カバー本体のみを第一収容部から取り出して自転車の主要部分を被覆することができる。一方、副カバー体によりサドル等を被覆しようとする場合には、カバー本体を第一収容部に収容した状態のまま、副カバー体を展開してサドル等を被覆することができる。すなわち、カバー本体及び副カバー体のそれぞれを収容しつつ、自転車の主要部分やサドル等を被覆しようとする状況に応じて、自転車の対象部分を被覆することができる。その結果、本発明のカバーによれば、状況に応じた様々な態様でカバーを用いることができ、利用者の利便性が向上する。
本発明のカバーは、前記開口のうちの一部又は全部が、開口領域の大きさを絞れるものであってもよい。
カバー本体や副カバー体の開口領域を絞れるものとすれば、より確実に被覆対象物を被覆した状態を維持することができる。すなわち、本発明のカバーは、カバー本体や副カバー体が、風にあおられて被覆対象物から外れてしまうことを抑制することができる。また、第一収容部や第二収容部の開口領域を絞れるものとすれば、カバー本体や副カバー体を収容した状態を、より確実に維持することができる。
本発明のカバーは、前記開口のうちの一部又は全部が、伸縮性を有する伸縮性部材により収縮可能とされているものとしてもよい。
カバー本体や副カバー体の開口を伸縮可能とすれば、より確実に被覆対象物を被覆した状態を維持することができる。すなわち、本発明のカバーは、カバー本体や副カバー体が、風にあおられて被覆対象物から外れてしまうことを抑制することができる。また、第一収容部や第二収容部の開口を伸縮可能とすれば、カバー本体や副カバー体を収容した状態を、より確実に維持することができる。
本発明によれば、走行形態及び携行形態の相互の変形について、車体の姿勢を大きく変化させず、かつ安定した状態で変形動作を実現することができる折り畳み自転車を提供することができる。
上記のように構成される本発明が、如何に作用して課題を解決するかを図面を参照しながら概説する。
図18に示すように本発明に係る自転車用カバー1010は、収納袋1030と、収納袋1030の上部開口部1031に取り付けられるカバー本体1040とにより成るものである。
そして、収納袋1030の上下端は開口されており、また、カバー本体1040の下端も開口されていることから、図26や図29に示すように、自転車のサドルを支持する縦フレーム1051を収納袋1030内を貫通させ、かつ、取付部材1033で収納袋1030及びカバー本体1040を縦フレーム1051に固定した形態で、自転車用カバー1010を自転車に取り付け、そのうえでカバー本体1040を自転車1050に被せるものである。
かように、本発明によれば、汎用の輪行袋のように袋内に折畳んだ自転車を収容したう
えで開口部を閉じるというものではなく、下端が開口されたカバー本体1040で、折畳んだ自転車を覆うだけのものであり、つまりは、地面に敷いたり、或いはカバーの上に自転車を運行させるといった手間をかけずに、簡単容易しかも極めて迅速に折畳み自転車に被せることが可能となるのである。
かように簡単且つ迅速に自転車に被せることが可能であることは、公共の乗り物に乗車する際に、他の乗客への配慮に優れたものとなる。また、雨や粉塵などから素早く守ることが可能となる。
更には、カバー本体の大きさを折畳んでいない状態の自転車にも被せることができる程度のものにすれば、駐輪時における自転車カバーとしても利用可能である。
また、本発明によれば、図29に示すように、自転車1050のサドル1052は自転車用カバー1010の外部に存することになり、このサドル1052を引いて運搬することが可能となる。すなわち、自転車1050の自重は、自転車用カバー1010にはかからないものとなり、自転車用カバー1010の素材は強度が要求されず、薄く軽い素材を使用することが可能となるのである。
本発明に係る自転車用カバー1010は、不使用時においては収納袋1030内にカバー本体1040を収納して、自転車に装着可能なものである。
詳述すれば、図18に示されるカバー本体1040を、図20に示すように上部に持ち上げ、現れる収納袋1030の下端部を図21に示すように捲り上げる。収納袋1030の下部開口部1032は伸縮自在に形成してあることから、上記捲り上げた部分は下部開口部1032が閉じる力を備える袋状になり、当該袋状の部分にカバー本体1040を押し込みことで、図22に示すようにカバー本体1040を収納するものである。
本発明に係る自転車用カバー1010は、先述の通り軽くて薄い素材で形成可能であることから、カバー本体1040を収納した収納袋1030は、嵩張ることなく、また軽量なものとなり、不使用時に自転車に装着しても、自転車走行の快適さや安全性が損なわれることがないものである。
請求項14に記載の自転車用カバー1020においては、図23や図30に示すように、収納袋1030に、開口部1061を有する袋体であるサドルカバー1060を取り付けてある。この開口部1061を押し広げ、サドル1052に被せることで、図31に示すようにサドル1052を保護するものである。
請求項15に記載の自転車用カバー1070においては、図27に示すように、収納袋1030に、開口部1081を有する袋体であるサドルカバー1080を、ベルト部材1090を介して取り付けてある。この開口部1081を押し広げ、サドル1052に被せることで、図28に示すようにサドル1052を保護するものである。
以下、本発明の折り畳み自転車の実施形態について詳細に説明する。折り畳み自転車10は、構成の一部を開閉又は回動させることにより、少なくとも3つの形態へと変形させることができる。具体的には、折り畳み自転車10は、図1に示す利用者が乗車して走行可能となる「走行形態」、図2に示す折り畳み自転車10の長手方向を縮小させつつ立設させる「スタンド形態」及び図3に示す利用者が折り畳み自転車10を牽引して運搬することができる「携行形態」の3つの形態へと変形することができる。
まず、折り畳み自転車10の全体的構成について、折り畳み自転車10の走行形態を参照しつつ説明する。図1は、折り畳み自転車10の走行形態を示す側面図である。図1に示すとおり、折り畳み自転車10は、メインフレーム20、回動部60、前輪フレーム40及びスタンド部70を備えている。スタンド部70は、後輪フレーム72、荷台部100及びキャリー110a,110b(車輪)を備えている。
なお、以下において特に記載がない限り「長手方向」とは、折り畳み自転車10の走行形態におけるメインフレーム20の軸線方向を意味している。また、「車体前方」とは折り畳み自転車10の進行方向前方を、「車体後方」とは折り畳み自転車10の進行方向後方を意味する。
メインフレーム20は、車体前方を前輪フレーム40に、車体後方を後輪フレーム72に、それぞれ接続されて支持される。メインフレーム20は、車体前方に位置する第1フレーム22と、車体後方に位置する第2フレーム24とが第1ジョイント部30(第1折り畳み機構)を介して連結されている。
第2フレーム24の車体後方側の端部には、後に詳述する位置決め部132が形成されている。また、第2フレーム24の車体後方であって位置決め部132に近接する位置には、シートチューブ26が形成されている。シートチューブ26は、貫通孔を有する筒型形状とされている。また、シートチューブ26は、第2フレーム24と軸線方向を交差して第2フレーム24の下方から上方に亘り設けられている。シートチューブ26の貫通孔には、シートポスト27が嵌め込まれ、シートポスト27の上部には、さらにサドル28が取り付けられる。
第1ジョイント部30(折り畳み機構)は、メインフレーム20の長手方向略中央より車体前方寄りに位置し、第1フレーム22と第2フレーム24とを水平方向に開閉可能としている。具体的には、図4において示すとおり、第1ジョイント部30は、第1フレーム22の端部に形成された第1フランジ部36と、第2フレーム24の端部に形成された第2フランジ部38とがヒンジ部32を介して連結されている。第1フランジ部36と第2フランジ部38とは、ヒンジ部32を揺動支点として開閉可能とされている。第1フランジ部36には、さらに第1嵌合部36aが形成されている。第1嵌合部36aにはロック軸35を介して第1ロック部材34が取り付けられる。第2フランジ部38には、第2嵌合部38aが形成され、第2嵌合部38aには凹部38bが形成されている。第1フレーム22と第2フレーム24とを閉じてロックする場合は、ロック軸35を凹部38bに嵌め込み、第1ロック部材34によりロックする。このように、第1ジョイント部30によりメインフレーム20は水平方向に開閉可能となり、前輪フレーム40を後輪74側に折り畳むことができる。
回動部60は、第2フレーム24の車体後方側に設けられている。回動部60は、一対の側面構成体64a,64bと、側面構成体64a,64bに対して設けられた回動支点62a,62bとから構成される。図1に示すとおり、側面構成体64a,64bは第2フレーム24からシートチューブ26に亘って形成される略「くの字型」の形状とされている。側面構成体64a,64bは、第2フレーム24を挟み込むように第2フレーム24の側面両側に配置される。
回動支点62a,62bは、側面構成体64a,64bに対して設けられた貫通孔とされている。回動支点62a,62bを貫通する軸線は、後輪74の車軸に沿う方向に延びるよう構成される。回動支点62a,62bには、後に説明する連結軸84が取り付けられ、スタンド部70が連結される。
前輪フレーム40は、折り畳み自転車10の前輪42側の骨格を形成している。前輪フレーム40は、フロントフォーク44と、ヘッドチューブ46と、ハンドルポスト48と、ハンドル49と、第2ジョイント部50とを備えている。ヘッドチューブ46は、第1フレーム22と固定されて接続される。ヘッドチューブ46の下方端部にはフロントフォーク44が連結され、さらにヘッドチューブ46の他端側には第2ジョイント部50を介してハンドルポスト48が取り付けされている。フロントフォーク44の下方側の端部には前輪42が軸支されている。
第2ジョイント部50は、ヘッドチューブ46とハンドルポスト48とを折り畳み可能とするために設けられている。第2ジョイント部50は、第1ジョイント部と同様にヒンジ部及びロック部材を備えている。第2ジョイント部50は、基本的構成は第1ジョイント部30と同様とされている。そのため、ここでは詳細な説明を省略する。
続いてスタンド部70について具体的に説明する。スタンド部70は、図1に示すとおり、後輪74、後輪フレーム72、動力伝達機構90、荷台部100及びキャリー110(車輪)を備えている。スタンド部70は、これらが一体的に構成され、回動部60の回動支点62a,62bを回動支点としてメインフレーム20に対して取り付けられている。動力伝達機構90は、ペダル96に与えられた動力をチェーンリング92から後輪74に亘って取り付けられたチェーン94を介して後輪74に伝達する。図1に示すとおり、チェーンリング92は後輪フレーム72に対して取り付けられている。
以下、スタンド部70について図5に示すスタンド部70の斜視図を参照しつつ詳細に説明する。なお、図5において後輪74及び動力伝達機構90は図示を省略している。
後輪フレーム72は、連結フレーム80a,80b、チェーンステイ76a,76b、シートステイ78a,78bにより、一対のフレームが形成されている。これらの一対のフレームは、支持台88及び荷台部100により連結される。連結フレーム80a,80bの端部には、それぞれ軸孔82a,82bが形成され、これらの軸孔82a,82bに対して連結軸84が貫通する。
連結軸84は、回動部60に設けられた回動支点62a,62bを貫通して、メインフレーム20側と連結される。上述のとおり、回動支点62a,62bを貫通する軸線は、後輪74の車軸に沿う方向に延びるよう構成される。そのため、連結軸84及び後輪74の軸線は、略平行に配される。なお、後輪74はチェーンステイ76a,76bに取り付けられて軸支される。
荷台部100は、図5に示すとおり、車体前方から後方に伸びる縦杆102a,102bと、シートステイ78a,78bに接続される支持杆104a,104bとが、湾曲部103a,103bにより連結されて一対の側面となるフレームを形成している。また、縦杆102a,102bは、第1横杆105(後端側横杆)、第2横杆106、第3横杆107及び第4横杆108により連結されて荷台としての骨格が形成されている。縦杆102a,102bと、これらの横杆により形成される平面は、折り畳み自転車10の走行形態において略水平の姿勢で位置し、荷台として機能する。湾曲部103a,103bの湾曲内側には、キャリー取付部109a,109bが設けられている。
第1横杆105(後端側横杆)は、キャリー110a,110bの回転軸に隣接する位置にある。また、第1横杆105と第2横杆106との間に形成される領域は、利用者がつま先を差し込みやすいように、第2横杆106と第3横杆107との間や、第3横杆107と第4横杆108との間よりも広く形成されている。折り畳み自転車10のスタンド形態及び携行形態においては、第1横杆105が地面近くに位置して、利用者が第1横杆105を踏み込むことができる。
荷台部100には、一対のキャリー110a,110b(車輪)が取り付けられている。キャリー110a,110bは、キャリー取付部109a,109bに対して取り付けられる。キャリー110a,110bは、折り畳み自転車10の走行形態においては車体後方に位置し(図1参照)、スタンド形態及び携行形態においては接地するよう位置する(図2、図3参照)。
折り畳み自転車10は、上述した走行形態、スタンド形態及び携行形態を維持するため、走行形態位置決め機構130及びスタンド形態保持機構140が設けられている。以下、それぞれの機構について図面を参照しつつ説明する。
図6及び図7に示すとおり、走行形態位置決め機構130は、第2フレーム24の車体後方の端部に形成された位置決め部132と、後輪フレーム72に設けられた位置決め台134と、位置決め台134に取り付けられた第2ロック部材136とを備えている。位置決め台134は、略円柱状の形状とされ、その底面が後輪フレーム72に設けられた支持台88に対して固定されている。また、位置決め部132は、筒を斜めに切り欠いた形状とされており、底面は矩形の形状とされている。折り畳み自転車10の走行形態においては、位置決め部132の底面と位置決め台134の天面とが接触する位置において、スタンド部70の後方への揺動が禁止され位置決めされた状態となる。さらに、第2ロック部材136の端部を位置決め部132方向に位置させることにより、位置決め部132と位置決め台134との位置がロックされる。これにより、折り畳み自転車10は、走行形態が維持される。
図7に示すとおり、スタンド形態保持機構140は、メインフレーム20側に設けられた係止部142と、スタンド部側に設けられた被係止部144とから構成される。係止部142には、突起部143が設けられている。また、被係止部144には、係止孔145が設けられている。図7(a)に示すとおり、走行形態においては係止部142と被係止部144とが遊離した状態となる。一方、図7(b)に示すとおり、折り畳み自転車10のスタンド形態においては、突起部143が係止孔145に対して嵌め込まれ、係止部142と被係止部144とが係止する。これにより、折り畳み自転車10は、スタンド形態を保持することができる。
次に、把手部150の構成について具体的に説明する。図8は、把手部150の斜視図である。把手部150は、シートポスト27に取り付けられる取付部156と、取付部156から略水平方向に突出する突出部152とを備えている。
突出部152は、棒材を折り曲げ加工されて形成され、棒材の両端が取付部156に対して溶接されて固定されている。突出部152は、シートポスト27に取付けられた状態において、取付部156から略水平方向に突出した形状とされ、突出側の端部には上方に屈曲したグリップ部154が形成されている。
取付部156は、略円柱状の筒型の形状とされ、シートポスト27に取り付けられる。取付部156には、第3ロック部材158が取り付けられており、第3ロック部材158により取付部156がロックされると、取付部156は取り付け位置及び取り付け方向が固定される。第3ロック部材158のロックが解除されると、取付部156の取り付け位置及び取り付け方向を変更することができる。これにより、把手部150は、シートポスト27に対して周方向に回転可能であり、かつ軸方向にも移動可能となる。
折り畳み自転車10の走行形態において、グリップ部154が車体後方に向く姿勢で配置されると、把手部150に手荷物等を引っ掛けて、荷物掛け部として利用することができる。また、図10に示すように、折り畳み自転車10の携行形態においては、利用者の便宜に応じてグリップ部154の方向を選択することができる。
続いて、折り畳み自転車10の走行形態からスタンド形態への変形、さらにスタンド形態から携行形態への変形について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
上述のとおり、折り畳み自転車10は、スタンド部70が一体的に揺動可能とされている。図2に示すとおり、スタンド部70を前輪42に近づく方向に回動させ、キャリー110a,110bが接地する位置まで回動すると、折り畳み自転車10はスタンド形態を形成する。図2では図示を省略しているが、スタンド形態保持機構140の係止部142及び被係止部144とが係止した状態となっている。また、スタンド形態において、キャリー110a,110b、後輪74及び前輪42の4箇所が接地して安定した状態となる。スタンド形態において、折り畳み自転車10は、長手方向が縮小された状態となる。
折り畳み自転車10のスタンド形態においては、長手方向においてキャリー110a,110bの接地点から後輪74の接地点に亘る領域内にスタンド部70の重心が位置する。そのため、折り畳み自転車10は、スタンド形態において安定して自立することができる。
続いて、利用者が折り畳み自転車10を走行形態からスタンド形態へと変形させる際の動作について図面を参照しつつ説明する。図9は、利用者が折り畳み自転車10を走行形態からスタンド形態へと変形させる動作の途中を示している。図9に示すとおり、利用者はハンドル49を把手し支持したまま、第1横杆105(後端側横杆)につま先を引っ掛けて第1横杆105を足で下方に押圧し、スタンド部70を揺動させる。折り畳み自転車10のスタンド形態への変形動作は、後輪74が接地したまま回転してスタンド部70が一体的に前輪42に近づく方向に揺動する。キャリー110a,110bが地面に接地する位置までスタンド部70が揺動すると、スタンド形態となる。スタンド形態においては、キャリー110a,110bはシートチューブ26の下方に位置する。
また、スタンド部70は、後輪74の車軸に沿う方向に伸びる軸線(回動部60の軸中心)周りに回動するよう構成されている。そのため、スタンド部70と後輪74は同じ方向に回動する。そのため、後輪74を接地させて回転させつつ、スタンド部70全体を安定して車体前方に回動させることができる。
このように、利用者は折り畳み自転車10のスタンド形態への変形に際し、折り畳み自転車10を持ち上げたりする必要がなく、通常の自転車におけるスタンドを操作するのと同様の動作により、スタンド形態への変形を行うことができる。その結果、折り畳み自転車10は、車体を立設させつつ長手方向を縮小させるスタンド形態への変形を容易に行うことができる。
次に、折り畳み自転車10の携行形態について説明する。図3は、携行形態とされた折り畳み自転車10の側面図である。折り畳み自転車10の携行形態は、上述したスタンド形態から第1ジョイント部30のロックを解放してメインフレーム20を折り畳み、さらに第2ジョイント部50のロックを解放してハンドルポスト48及びハンドル49を下方に折り畳んだ状態である。図3に示すとおり、携行形態において折り畳み自転車10は、長手方向がメインフレーム20の長さと略同等まで縮小されて折り畳みされる。
このように、携行形態とされた折り畳み自転車10は、利用者が折り畳み自転車10を運搬するのに適した形態となる。また、折り畳み自転車10を携行形態へと変形させる折り畳み作業において、利用者は折り畳み自転車10を先ずスタンド形態としてから行うことができる。そのため、折り畳み自転車10の車体全長を縮小させ、キャリー110a,110b及び後輪74等により自立させて安定した状態において(スタンド形態)、さらに携行形態への変形作業を行うことができる。
続いて、携行形態とされた折り畳み自転車10を利用者が運搬する場合について説明する。図10(a),(b)は、携行形態とされた折り畳み自転車10を利用者が牽引しながら運搬する様子を示している。
図10(a)においては、把手部150の突出部152が、シートポスト27から利用者の牽引方向後方側に向かうように配されている。図10(a)に示すとおり、利用者が把手部150を把持した状態においては、折り畳み自転車10の車体全体が傾斜する。この状態においては、一対のキャリー110a,110bが接地して、前輪42及び後輪74は接地しない。また、折り畳み自転車10を牽引して運搬する動作において、折り畳み自転車10の重心(図中の符号G)は、キャリー110a,110bと利用者との間の領域に位置する。さらに、略平行に配置されたキャリー110a,110bの軸線と交差する方向にキャリー110a,110bが回転して、安定して折り畳み自転車10を牽引して運搬することができる。
また、図10(b)に示すように、突出部152をシートポスト27から利用者の牽引方向前方に向かうよう配置させ、折り畳み自転車10を牽引して運搬することも可能である。この場合においては、携行形態とされた折り畳み自転車10の車体を傾斜させることなく、自立させたまま水平方向に牽引して運搬することができる。
このように、折り畳み自転車10は、利用者が折り畳み自転車10を運搬する際の便宜に応じて突出部152の向きや位置を選択することができる。
続いて、折り畳み自転車10の車***置を保持する場合について、図面を参照しつつ説明する。図11は、携行形態とされた折り畳み自転車10の第1横杆105(後端側横杆)を、利用者が踏み込みつつ車***置を保持する場合を示している。なお、図11においては前輪フレーム40及びサドル28の図示を省略している。
上述のとおり、折り畳み自転車10は、第1横杆105と、キャリー110a,110bの回転軸とが近接して位置する。図11に示すように、折り畳み自転車10の携行形態においては、第1横杆105が地面に近接して位置する。利用者が第1横杆105を足で押し下げる方向に踏み込むと、かかとが接地した状態でキャリー110a,110bが下方に押しつけられ、キャリー110a,110bにブレーキがかけられた状態となる。これにより、折り畳み自転車10の車体が動かないように車***置を保持することができる。
≪三輪キャリーを装着した場合≫
続いて、折り畳み自転車10のキャリー110a,110b(車輪)を、三輪キャリー210a,210bとした変形例について説明する。三輪キャリー210a,210bは、図12(a)に示すとおり、3つの副車輪214a,214b、214c及び中心軸212を中心に三方向に放射状に伸びる車輪支持部を備えた連結部218を備えている。副車輪214a,214b、214cは、これらの回転中心である車輪軸216a,216b,216cが略正三角形Sの頂点の位置となるように配置されている。副車輪214a,214b、214cはそれぞれ車輪軸216a,216b,216cを回転中心として回転可能に連結部218に対して取り付けられている。連結部218は、略正三角形Sの中心に位置する中心軸212を回転中心として、回転可能に荷台部100に対して取り付けられている。
図12(b)は、一対の三輪キャリー210a,210bが装着された折り畳み自転車200の走行形態を示している。図12(b)に示すとおり、三輪キャリー210a,210bは、折り畳み自転車200において、荷台部100の車体後方端部に取り付けられる。
図13は、携行形態とされた折り畳み自転車200を階段等の段差において運搬する場合の、三輪キャリー210a,210bの動きを示している。図13(a),(b)及び(c)においては、折り畳み自転車200は段差の上側へと進むような方向に牽引されている(図13中の「牽引方向」)。なお、図13においては三輪キャリー210a,210bのみを図示し、折り畳み自転車200のその他の構成は図示を省略している。
図13(a)は、2つの副車輪214b,214cが接地している状態において、副車輪214cが段差の側面に接触した状態である。この状態において、三輪キャリー210a,210bに対して進行方向への力が加えられると、車輪軸216cを回転中心として三輪キャリー210a,210bが回転する。三輪キャリー210a,210bが車輪軸216cを中心として回転すると、図13(b)に示すように、段差の天面に副車輪214aが接地する。副車輪214aが段差の天面に接地した状態からさらに牽引方向に三輪キャリー210a,210bが牽引されると、車輪軸216aを回転中心として三輪キャリー210a,210bが回転する。そうすると、図13(c)のように、副車輪214cが段差の側面に沿って上方に牽引され、そのまま水平方向に牽引されると、図13(d)のように段差を上ることができる。
このように、三輪キャリー210a,210bの採用により、利用者は折り畳み自転車200を階段において運搬する場合に、円滑に運搬することができる。このように、三輪キャリー210a,210bを用いることにより、階段等の段差において折り畳み自転車200の運搬を比較的容易に行い得る。
≪第三実施形態≫
続いて、本発明の第三の実施形態にかかる折り畳み自転車300について説明する。図14は、本発明の第三実施形態にかかる折り畳み自転車300である。図14に示すとおり、折り畳み自転車300は、メインフレーム20、回動部60、前輪フレーム40及びスタンド部70、後輪フレーム72、荷台部100及び一対のキャリー310a,310b(車輪)を備えている。また、折り畳み自転車300は、車輪離間防止部320を備えている。
なお、折り畳み自転車300のメインフレーム20、回動部60、前輪フレーム40及びスタンド部70、後輪フレーム72及び荷台部100は、折り畳み自転車10のメインフレーム20、回動部60、前輪フレーム40、スタンド部70、後輪フレーム72及び荷台部100と同様の構成とされている。そのため、以下の説明においては、これらの折り畳み自転車10と同様の構成とされたものについては、折り畳み自転車10の説明において付した符号と同一の符号を付して説明し、詳細な説明を省略する。
一対のキャリー310a,310b(車輪)は、折り畳み自転車300のスタンド形態及び携行形態において接地して、前輪42及び後輪74と共に折り畳み自転車300を自立させるように補助している。キャリー310aとキャリー310bとは、荷台部100の軸線に対して対象となるように、所定の間隔を空けて略平行に配置されている。また、図15に示すとおり、キャリー310aは、第一車輪311a及び第二車輪312aを有している。第一車輪311aと第二車輪312aとは、同一径及び同一回転軸とされ、隣接するよう配置されている。キャリー310bは、キャリー310aと同様に、同一径及び同一回転軸とされた第一車輪311b及び第二車輪312bを有している。
このように、折り畳み自転車300は、荷台部100の後輪74側端部において、所定の間隔を空けて配置された一対のキャリー310a,310bに、それぞれ2つの車輪を備えている。これにより、折り畳み自転車300は、スタンド形態及び携行形態において、前輪42及び後輪74に加えて4つの車輪が接地して、折り畳み自転車300の姿勢を自立するように支持する。そのため、折り畳み自転車300は、スタンド形態及び携行形態において安定して自立した姿勢を維持することができる。
車輪離間防止部320は、折り畳み自転車300の携行形態において、前輪42及び後輪74が離間することを防止するために設けられている。車輪離間防止部320は、図14に示すとおり、後輪フレーム72に取り付けられている。図16に示すとおり、車輪離間防止部320は、金属板を曲げて加工された部材であり、側面視において一部が開放された環状の形状を形成している。車輪離間防止部320の開放部分は、開放部322として形成されている。車輪離間防止部320は、開放部322から、線状部材を挿通させることができる。
ここで、折り畳み自転車300には、図14に示すとおり前輪42に泥よけカバー43bが取り付けられ、泥よけカバー43bの後輪74側の端部にはカバーステイ43aが取り付けられている。カバーステイ43aは、ワイヤー状の線状部材であり、一端側が泥よけカバー43bに対して取り付けられ、他端側がフロントフォーク44の端部に取り付けられている。本実施形態においては、車輪離間防止部320は、開放部322からカバーステイ43aを挿通可能としている。すなわち、車輪離間防止部320は、カバーステイ43aを挿通させて前輪42及び後輪74が離間しないように保持可能としている。
なお、車輪離間防止部320は、開放部322の隙間をさらに大きいものとしてもよいし、車輪離間防止部320をフック状の形状としてもよい。車輪離間防止部320は、開放部322からフロントフォーク44を挿通させる構成としてもよい。また、車輪離間防止部320は、前輪フレーム40及び後輪フレーム72のうちの一方に係止部材を設け、他方に被係止部材を設けて、係止部材と被係止部材とを係止させて前輪42と後輪74とが離間しないように構成してもよい。
続いて、折り畳み自転車300を長手方向の長さが短くなるように折り畳み、車輪離間防止部320により前輪42及び後輪74の離間距離を保持する場合について図面を参照しつつ説明する。図17は、走行形態とされた折り畳み自転車300を、長手方向の長さが短くなるように変化させて折り畳む場合について、順を追って示している。なお、図17(a)、(b)、(c)及び(d)の上方には側面図を、下方には平面を示す概念図を示している。また、図17の下方に示す平面概念図においては、前輪42及び後輪74の位置関係や車輪離間防止部320の配置を示すために、ハンドル49、サドル28及び後輪フレーム72等の図示を省略している。
図17(a)は、走行状態とされた折り畳み自転車300である。図17(a)に示すとおり、走行形態とされた折り畳み自転車300においては、折り畳み自転車300に乗車して走行可能となるよう、前輪42及び後輪74が離間した状態となっている。また、この状態においては、スタンド部70は、キャリー310a,310bが上方に位置するような姿勢となる。
図17(b)は、スタンド形態とされた折り畳み自転車300である。折り畳み自転車300は、回動部60を支点としてスタンド部70を回動させてキャリー310a,310bを接地させ、走行形態からスタンド形態とされる。この状態においては、上述のとおり、折り畳み自転車300は、前輪42及び後輪74に加えキャリー310a,310bの4つの車輪、第一車輪311a,311b及び第二車輪312a,312bにより自立した姿勢を維持する。そのため、折り畳み自転車300は、スタンド形態において安定して自立した姿勢を維持することができる。
図17(c)は、スタンド形態とされた折り畳み自転車300の第1ジョイント部30を解放して、第1フレーム22と第2フレーム24とを近づけるようにメインフレーム20を折り畳む状態を示している。図17(c)には、第1フレーム22と第2フレーム24とが、平面視において略直角を成す状態が示されている。
折り畳み自転車300は、ハンドル49を把手して操作することにより、ヘッドチューブ46を揺動軸として、フロントフォーク44及び前輪42が揺動可能とされている。すなわち、ヘッドチューブ46及び第1フレーム22は固定するように連結されているため、フロントフォーク44及び前輪42は、ヘッドチューブ46を揺動軸として第1フレーム22に対して揺動可能とされている。そのため、メインフレーム20を折り畳む際に、ハンドル49の軸線を第2フレーム24の軸線と交差するような姿勢を維持しながら前輪42を後輪74側へと変位させると、前輪42は、第2フレーム24と略平行となる姿勢を維持しながら後輪74に近接するよう変位する。
図17(c)の状態から、さらに第1フレーム22と第2フレーム24との角度が小さくなるようにメインフレーム20を折り畳み、第1フレーム22と第2フレーム24とが略平行となると、図17(d)に示すように、折り畳み自転車300は長手方向が短くなるように折り畳まれる。この状態においては、前輪42及び後輪74が隣接するように位置する。
図17(d)は、折り畳み自転車300の前輪42及び後輪74を、車輪離間防止部320により離間しないように保持された状態を示している。上述のとおり、車輪離間防止部320は、後輪フレーム72に取り付けられている。前輪42及び後輪74が隣接して位置している状態において、車輪離間防止部320に対して前輪42側に取り付けられたカバーステイ43aを挿通させると、前輪42と後輪74とが離間しないように係止される。これにより、フロントフォーク44が動くことにより、あるいは後輪74が回転することにより、前輪42と後輪74とが離間することを防止して、折り畳み自転車300を長手方向の長さを短くしたまま維持することができる。
図17(d)の状態から、さらに第2ジョイント部50のロックを解放してヘッドチューブ46とハンドルポスト48とが近接するように前輪フレーム40を折り畳むと、折り畳み自転車300は携行形態となり、好適に携行することができる。
なお、折り畳み自転車300は、スタンド形態保持機構140を備えるものとしてもよい。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明の折り畳み自転車はこれに限定されない。折り畳み自転車10は、前輪42及び後輪74の径を一定の大きさとして走行能力を確保する構成としたが、前輪42及び後輪74の径が小さいものを採用してもよい。また、さらに前輪42及び後輪74の径を小さなものを採用する等により、さらに折り畳み自転車を小型化することにより、メインフレーム20の第1ジョイント部30及び第2ジョイント部50を設けないものとし、スタンド形態を携行形態として利用してもよい。
また、キャリー110a,110bを着脱可能としてもよいし、あるいは設けないものとして荷台部100の端部(湾曲部103a,103b)がスタンド形態において接地する構成としてもよい。
さらに、携行形態を保持する機構として、前輪フレーム40及び後輪フレーム72とを係止可能な部材を取り付けてもよい。
本発明の折り畳み自転車は、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想の範囲内で種々の設計変更が可能であり、それらは全て本発明に含まれるものである。
続いて、本発明の自転車用カバーの実施形態について、以下説明する。
以下、好ましい発明の一実施形態につき、図面を参照しながら概説する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
請求項12記載に係る自転車用カバー1010は、収納袋1030及びカバー本体1040を主な構成要素とする。
収納袋1030は図18や図19に示すように、上端に上部開口部1031を下端に下部開口部1032を有する袋体である。
下部開口部1032は伸縮自在に形成してある。伸縮自在にする手段としては、下部開口部1032近傍をゴム素材で形成するといった方法、あるいは下部開口部1032の端縁を折返して収納袋1030に縫着あるいは溶着し、当該折返した袋部位の内部にゴム紐やゴムベルトといったゴム体を装入するといった方法、或いは上記折り返した袋部位に紐を挿通し、当該紐の両端を袋部位から外部に脱出させ、脱出した紐の両端を引っ張ることで下部開口部1032を収縮させといった方法が採用可能である。
収納袋1030とカバー本体1040の取り付け方法は図32に示す通りである。すなわち、小径開口部1041と上部開口部1031とを、取付部位1042において縫着、溶着、接着その他の方法で肯定するものである。
また、カバー本体1040の下端は開放されており、大径開口部1042が形成される。
請求項13に記載の発明では、カバー本体1040の小径開口部1041を巻回可能な形状で、図18等に示されるように取付部材1033が設けてある。この取付部材1033は、図26や図28に示すように縦フレーム1051に自転車用カバー1010を固定するために使用されるものである。取付部材1033としては、面状ファスナを設けたベルト体や、バックル等の留め具介在させたベルト体、コキを介在させたベルト体等が使用可能である。
請求項14に記載の自転車用カバー1020は、図23に示されるように、収納袋1030の側面に、伸縮自在な開口部1061を有する袋体であるサドルカバー1060を取り付けてある。この開口部1061は、伸張させるとサドルに被せるのに十分な大きさを有するものである。
本発明に係る自転車用カバー1020は、不使用時においては収納袋1030内にサドルカバー1060を収納して、自転車に装着可能なものである。
詳述すれば、図23に示される収納袋1030の上端部を図24に示すように下方に捲る。収納袋1030の上部開口部1031は伸縮自在に形成してあることから、上記捲った部分は上部開口部1031が閉じる力を備える袋状になり、当該袋状の部分にサドルカバー1060を押し込みことで、図25に示すようにサドルカバー1060を収納するものである。
自転車用カバー1020は、不使用時には図26に示すように、自転車のサドル1052を支持する縦フレーム1051に取付部材1033で固定装着するものである。
開口部1061を伸縮自在に構成してある。かように伸縮性を付与する構成は、開口部1061近傍をゴム素材で形成するといった方法、あるいは開口部1061の端縁を折返してサドルカバー1060に縫着あるいは溶着し、当該折返した部位の内部にゴム紐やゴムベルトといったゴム体を内包せしめるといった方法、或いは上記折り返した袋部位に紐を挿通し、当該紐の両端を袋部位から外部に脱出させ、脱出した紐の両端を引っ張ることで開口部1061を収縮させるといった方法が採用可能である。
請求項15に記載の自転車用カバー1070は、図27に示すように伸縮自在な開口部1081を有する袋体であるサドルカバー1080を、ベルト1090を介して収納袋1030に取り付けて構成してある。この開口部1081は伸張させるとサドルに被せるのに十分な大きさを有するものである。
ベルト1090は図27、図28においては正面側にのみ存するが、背面側にも設けても構わない。また、コキ1091を介在させて長さ調整可能としても良い。
開口部1081に伸縮性を付与する構成は、開口部1081近傍をゴム素材で形成するといった方法、あるいは開口部1081の端縁を折返してサドルカバー1080に縫着あるいは溶着し、当該折返した部位の内部にゴム紐やゴムベルトといったゴム体を内包せしめるといった方法、或いは上記折り返した袋部位に紐を挿通し、当該紐の両端を袋部位から外部に脱出させ、脱出した紐の両端を引っ張ることで開口部1081を収縮させるといった方法が採用可能である。
収納袋1030、カバー本体1040及びサドルカバー1060,1080の材質は塩化ビニール樹脂が好ましいが、水を浸透させなければ、他の材質でもよく、例えば、他の合成樹脂,ゴム,はっ水加工を施した布等でもよい。
続いて、本発明の実施形態にかかる自転車用カバー1100(カバー)について図面を参照しつつ説明する。自転車用カバー1100は、自転車を被覆して雨や粉塵から自転車を保護するために用いられる。また、自転車用カバー1100は、自転車が折り畳み式の自転車である場合には、自転車を被覆して自転車を雨等から保護する目的のほか、自転車を公共交通機関に携行する場合に他の乗客の妨げになることを回避するために自転車を被覆するために用いられる。本実施形態における自転車用カバー1100は、折り畳み自転車1000を被覆対象物としている。
なお、折り畳み自転車1000は、前輪及び後輪を含む車輪1006を有している。また、折り畳み自転車1000は、前輪側フレームと後輪側フレームとをメインフレーム1007により連結されて骨格が形成されている。また、メインフレーム1007とサドル1001とは、パイプ状の部材であるシートポスト1002(棒状部分)を介して連結されている。
自転車用カバー1100は、図35に示すとおり、カバー本体1140、副カバー体1160、収容袋1130(第一収容部)及び副収容体1150(第二収容部)を有している。
図34(a)に示すとおり、自転車用カバー1100は、シートポスト1002(棒状部分)や、あるいはハンドル1004(棒状部分)、ハンドルバー1005(棒状部分)等のパイプ部材に取り付けて折り畳み自転車1000に装着可能とされている。また、自転車用カバー1100をシートポスト1002やハンドルバー1005等に装着することで、折り畳み自転車1000に利用者が乗車する際に走行の妨げとならず、自転車用カバー1100を折り畳み自転車1000に装着することができる。
自転車用カバー1100は、カバー本体1140を収容袋1130に収容可能とされている。また、自転車用カバー1100は、副カバー体1160を副収容体1150に収容可能とされている。さらに、自転車用カバー1100は、副カバー体1160を収容した副収容体1150を収容袋1130に収容可能とされている。なお、図33は、カバー本体1140及び副カバー体1160を収容袋1130に収容させた状態における自転車用カバー1100の外観を示している。
図34(a)に示すとおり、自転車用カバー1100は、カバー本体1140、副カバー体1160及び副収容体1150が収容された状態の収容袋1130を、折り畳み自転車1000のシートポスト1002等のパイプ部材を貫通させて、折り畳み自転車1000へと装着可能とされている。また、図34(b)に示すとおり、自転車用カバー1100は、カバー本体1140により折り畳み自転車1000の車輪1006及びメインフレーム1007を含む主要部分を被覆しつつ、副カバー体1160により折り畳み自転車1000のサドル1001又は前カゴ1003等の折り畳み自転車1000の一部を被覆することができる。
以下、自転車用カバー1100の各構成について詳細に説明し、続いて自転車用カバー1100の使用例について説明する。
カバー本体1140は、被覆対象物である折り畳み自転車1000の、車輪1006やメインフレーム1007を含む主要部分を被覆可能とする袋体部材である。図35に示すとおり、カバー本体1140には、導入部1142及び接続部1141が設けられている。
カバー本体1140は、複数の布材パーツを縫製して袋体を成すよう形成してもよいし、1つの布材パーツを筒状に縫製して袋体を成すよう形成してもよい。また、カバー本体1140は、あらかじめ筒状又は袋体に形成されたものとしてもよい。本実施形態においては、カバー本体1140は、複数の布材を縫製して袋体を成すよう形成されている。なお、カバー本体1140は、ナイロン、ポリエステル、ビニール等いかなる素材であっても良いが、防水性を備える合成繊維等の布材により構成するか、あるいは、布材にはっ水加工を施すことが望ましい。また、カバー本体1140は、軽量で薄く破れにくい素材により構成されることが望ましい。
接続部1141は、折り畳み自転車1000のパイプ部材を挿通可能とするために設けられている。接続部1141は、折り畳み自転車1000のパイプ部材を挿通することができる大きさの開口径とされている。また、接続部1141は、後述する収容袋1130の第一開口形成部1131と開口縁全域に亘り縫製されて、収容袋1130に対して接続される。
導入部1142は、収容袋1130の一端側において開口を形成している。導入部1142は、カバー本体1140へ折り畳み自転車1000の主要部分を出し入れ可能とするよう設けられている。導入部1142は、カバー本体1140において接続部1141が設けられた側とは反対側に設けられている。導入部1142は、開口径の大きさを自転車の主要部分を覆い被せることができる大きさとされている。また、導入部1142の縁部は、袋縫いされて伸縮性部材であるゴム紐(図示を省略)が挿通されている。これにより、導入部1142は、開口径の大きさを伸縮自在とされている。
副カバー体1160(サドルカバー)は、折り畳み自転車1000のサドル1001、あるいは前カゴ1003等を被覆対象部位として、折り畳み自転車1000の一部を被覆するための袋体部材である。
副カバー体1160は、1又は2以上の布材パーツを縫製により袋体として形成してもよいし、あらかじめ筒状又は袋状とされたものにより構成されていてもよい。また、副カバー体1160は、1又は2以上の塩ビ、ポリエステル等の樹脂素材パーツを熱圧着等により袋体として形成してもよい。本実施形態においては、副カバー体1160は、複数の布材を縫製して袋体を成すよう形成されている。副カバー体1160は、ナイロン、ポリエステル等いかなる素材であっても良いが、防水性を備える合成繊維等の素材により構成されることが望ましい。また、副カバー体1160は、はっ水加工が施された布材を用いることもできる。なお、副カバー体1160は、軽量で薄く破れにくい素材により構成されることが望ましい。
図35及び図36に示すとおり、副カバー体1160には、袋体の縁部に開放部1161及び接合部1162が設けられている。開放部1161は、縁部が袋縫いされてゴム紐(図示を省略)が挿通され、開口径の大きさを伸縮自在とされている。接合部1162は、開放部1161と連続する副カバー体1160の縁部に設けられている。接合部1162は、後述する収容袋1130の第一開口形成部1131に対して縫製されて、収容袋1130に対して連結される。
収容袋1130は、カバー本体1140を収容するためのものである。収容袋1130には、第一開口形成部1131(開口形成部)及び第二開口形成部1132(開口形成部)が設けられている。
収容袋1130は、筒状又は袋状を成すよう形成されるものであれば、いかなる素材により構成されていてもよい。例えば、収容袋1130を1又は2以上の布材パーツを縫製により筒状又は袋状を成すよう形成されるものであってもよいし、あらかじめ筒状又は袋状に形成されたシリコーン、塩化ビニール等の樹脂素材により構成されていてもよい。本実施形態における収容袋1130は、布材パーツを縫製により筒状を成すように形成されている。
第一開口形成部1131及び第二開口形成部1132は、収容袋1130が成す筒形状の両端部に位置するよう設けられている。また、第一開口形成部1131及び第二開口形成部1132は、それぞれ収容袋1130の開口を形成する。これにより、収容袋1130は、両端部に開口が形成されている。収容袋1130は、第一開口形成部1131及び第二開口形成部1132により形成される二つの開口に、折り畳み自転車1000のパイプ部材(棒状部分)を挿通させて当該パイプ部材に対して装着される。
第一開口形成部1131は、上述のとおり、カバー本体1140の接続部1141及び副カバー体1160の接合部1162と縫製されて連結される。これにより、カバー本体1140及び副カバー体1160と、収容袋1130とが連結されている。
第一開口形成部1131及び第二開口形成部1132の開口径の大きさは、少なくとも折り畳み自転車1000のパイプ部材を挿通可能とする大きさとされている。より具体的には、図36に示すとおり、第一開口形成部1131は、縁端を袋縫いされて周部全域に亘り第一ゴム紐1133(伸縮性部材)が挿通されている。これにより、第一開口形成部1131は、パイプ部材を挿通する際に開口径を拡大可能とするよう伸縮性が付与されている。また、第一開口形成部1131は、パイプ部材に装着された後には開口径が縮小するよう維持してパイプ部材に略密着するよう構成されている。また、第二開口形成部1132には、収容袋1130の縁端を折り返して袋縫いされて、紐体1137が挿通される。さらに、紐体1137は、袋縫いされた部分から外部へと取り出されている。第二開口形成部1132は、紐体1137を引っ張ることで、開口径の大きさを絞ることができる。これにより、第二開口形成部1132は、伸縮性が付与されている。
上述のとおり、第一開口形成部1131及び第二開口形成部1132は、折り畳み自転車1000のパイプ部材を挿通可能とするように開口径の大きさを拡大、あるいは縮小するように伸縮性が付与されている。これにより、収容袋1130は、第一開口形成部1131及び第二開口形成部1132に折り畳み自転車1000のパイプ部材を挿通させて折り畳み自転車1000に取り付け及び取り外し可能とされている。
副収容体1150は、副カバー体1160を収容するための収容袋として設けられている。副収容体1150は、図35に示すとおり、筒状の外観とされ、第一副開口形成部1151(副開口形成部)及び第二副開口形成部1152(副開口形成部)を有している。
副収容体1150は、筒状又は袋状を成すよう形成されるものであれば、いかなる素材により構成されていてもよい。例えば、副収容体1150を1又は2以上の布材パーツを縫製により筒状又は袋状を成すよう形成されるものであってもよいし、あらかじめ筒状又は袋状に形成されたシリコーン、塩化ビニール等の樹脂素材により構成されていてもよい。本実施形態における副収容体1150は、布材パーツを縫製により筒状を成すように形成されている。
第一副開口形成部1151及び第二副開口形成部1152は、副収容体1150が成す筒形状の両端部に位置するよう設けられている。また、第一副開口形成部1151及び第二副開口形成部1152は、それぞれ副収容体1150の開口を形成する。これにより、副収容体1150は、両端部に開口が形成されている。副収容体1150は、第一副開口形成部1151及び第二副開口形成部1152により形成される二つの開口に、折り畳み自転車1000のパイプ部材(棒状部分)を挿通可能とされている。
図36に示すとおり、第一副開口形成部1151は、開口縁の全域に亘りカバー本体1140の接続部1141と縫製されている。これにより、副収容体1150はカバー本体1140と連結されている。
なお、上述のとおり、第一開口形成部1131、接続部1141、接合部1162及び第一副開口形成部1151は、縫製されて連結されている(図36参照)。また、これにより、収容袋1130、カバー本体1140、副カバー体1160及び副収容体1150が連結されている。図36に示すとおり、第一開口形成部1131、接続部1141等が縫製された領域は連結部1170として構成される。さらに、上述のとおり、第一開口形成部1131には第一ゴム紐1133が挿通されて伸縮性が付与されており、連結部1170にはこれに伴い伸縮性が付与されている。
図36に示すとおり、第二副開口形成部1152は、開口縁を折り返して袋縫いされ、第二ゴム紐1153(伸縮性部材)が挿通されている。これにより第二副開口形成部1152には伸縮性が付与されている。
第二副開口形成部1152は、開口径の大きさを拡大あるいは縮小するように伸縮性が付与されることにより開閉とされている。これにより、第二副開口形成部1152は、開口径を拡大して副カバー体1160を副収容体1150の内部へと収容することができる。また、第二副開口形成部1152は、開口径を縮小して開口を閉じた状態とし、副カバー体1160を副収容体1150の内部に維持することができる。
続いて、自転車用カバー1100の使用方法について図面を参照しつつ説明する。図38は、自転車用カバー1100を用いて、折り畳み自転車1000のサドル1001及び折り畳み自転車1000の主要部分を被覆した状態から、収容袋1130へカバー本体1140及び副カバー体1160を収容する手順について、順を追って示している。なお、図38(a)〜(h)のいずれにおいても、自転車用カバー1100は、折り畳み自転車1000のサドル1001下方に設けられたシートポスト1002(棒状部分)を貫通させて、折り畳み自転車1000に取り付けられた状態を示している。また、図38においては、折り畳み自転車1000についてはサドル1001及びシートポスト1002のみを図示し、折り畳み自転車1000の主要部分及び前カゴ1003等は図示を省略している。
図38(a)は、カバー本体1140が折り畳み自転車1000の主要部分を被覆し、副カバー体1160がサドル1001を被覆した状態を示している。図38(a)に示す状態においては、収容袋1130は、カバー本体1140に覆われた領域に位置する。また、この状態においては、収容袋1130の第一開口形成部1131が上方に位置し、第二開口形成部1132が下方に位置する。さらに、上述のとおり、第一開口形成部1131及び第二開口形成部1132は、伸縮性が付与された構成とされている。そのため、収容袋1130は、第一開口形成部1131及び第二開口形成部1132がシートポスト1002に略密着して、シートポスト1002への取り付け位置を維持する。
図38(a)〜(d)に示すとおり、カバー本体1140は、折り畳み自転車1000を被覆した状態において、上方側に配置される第一開口形成部1131をシートポスト1002に略密着させ、下方側がシートポスト1002から垂れ下がるようにして折り畳み自転車1000を被覆する。また、カバー本体1140が折り畳み自転車1000を被覆した状態において、第一開口形成部1131がシートポスト1002の軸方向上方側に配置され、第二開口形成部1132がシートポスト1002の軸方向下方側に配置される。
図38(b)は、副カバー体1160をサドル1001から取り外した状態を示している。副カバー体1160は、開放部1161を介してサドル1001を被覆したり、サドル1001から取り外したりすることができる。なお、上述のとおり、開放部1161には、ゴム紐が挿通されて伸縮性が付与されている。そのため、サドル1001を副カバー体1160により被覆する場合には、開放部1161の開口径を拡大させて副カバー体1160を被覆することができる。さらに、副カバー体1160がサドル1001を被覆した状態においては開放部1161の開口径が縮小し、副カバー体1160がサドル1001を被覆した状態を維持することができる。
図38(c)は、サドル1001から取り外された副カバー体1160を、副収容体1150に収容する場合を示している。副カバー体1160は、第二副開口形成部1152から副収容体1150の内部に押し込んで収容することができる。より具体的に説明すると、上述のとおり、第二副開口形成部1152は、開口径の大きさを拡大あるいは縮小するように伸縮自在とされている。副カバー体1160を副収容体1150へと収容する場合には、第二副開口形成部1152を拡大させた上で副カバー体1160を副収容体1150へと押し込める。また、副カバー体1160を副収容体1150に収容した状態においては、第二副開口形成部1152が縮小して、副カバー体1160を副収容体1150の内部に維持することができる。
図38(d)に示すように、副カバー体1160を副収容体1150へと収容させた状態においては、副カバー体1160及び副収容体1150をコンパクトな大きさとして維持することができる。また、副カバー体1160が収容された副収容体1150は、第一副開口形成部1151及び第二副開口形成部1152の伸縮性により、シートポスト1002に対して所定の位置に維持される。
図38(e)〜(h)は、図38(d)の状態から、さらにカバー本体1140を収容袋1130へと収容する手順について、順を追って示している。図38(e)に示すとおり、カバー本体1140を収容袋1130へと収容する場合には、副収容体1150をシートポスト1002に装着したまま、カバー本体1140の導入部1142を上方へと捲る。続いて図38(f)に示すように、収容袋1130を上方へと捲る。この状態においては、図38(g)に示すとおり、収容袋1130は、第一開口形成部1131が下方に位置し、第二開口形成部1132が上方に位置する。また、第一開口形成部1131と第二開口形成部1132との間には、内部領域1136が形成される。
図38(g)に示すように、カバー本体1140は、第二開口形成部1132の内側へ押し込めて収容袋1130の内部領域1136に収容することができる。より具体的に説明すると、上述のとおり、第二開口形成部1132は、紐体1137が挿通されて開口径の大きさを拡大あるいは縮小可能とされている。第二開口形成部1132の開口を押し広げて開口径を拡大させて、カバー本体1140を押し込めながら内部領域1136へと収容させる。また、カバー本体1140を内部領域1136へと収容させた上で、紐体1137を引っ張って第二開口形成部1132の開口径を縮小させる。これにより、カバー本体1140を収容袋1130に収容させた状態を維持することができる。
なお、カバー本体1140が収容袋1130へと収容された状態においては、図38(h)に示すように、収容袋1130にカバー本体1140、副カバー体1160及び副収容体1150が収容される。また、上述のとおり、第一開口形成部1131は伸縮性が付与された構成とされている。そのため、第一開口形成部1131がシートポスト1002に略密着して、自転車用カバー1100をシートポスト1002の所定位置に維持することができる。
また、図38(e)〜(g)に示すように、カバー本体1140が折り畳み自転車1000の主要部分を被覆している状態においては、収容袋1130はカバー本体1400の内側に位置している。そのため、カバー本体1140が雨等により濡れても、収容袋1130が雨に濡れることを回避することができる。
次いで、自転車用カバー1100の使用例について図面を参照しつつ説明する。図39は、収容袋1130に、カバー本体1140、副カバー体1160及び副収容体1150を収容させた状態において、自転車用カバー1100を折り畳み自転車1000のシートポスト1002に対して装着させた状態を示している。この状態においては、収容袋1130は、第一開口形成部1131が下方に位置し、第二開口形成部1132が上方に位置する。また、自転車用カバー1100は、第一開口形成部1131及び第二開口形成部1132にシートポスト1002を挿通させて折り畳み自転車1000に装着されている。このように、自転車用カバー1100は、カバー本体1140、副カバー体1160及び副収容体1150を収容袋1130に収容した状態で、折り畳み自転車1000に装着して携行することができる。
図40(a)は、カバー本体1140を収容袋1130より取り出して折り畳み自転車1000の主要部分を被覆し、副カバー体1160を副収容体1150へ収容した状態を示している。上述のとおり、カバー本体1140の導入部1142は伸縮自在に構成されている。そのため、導入部1142を折り畳み自転車1000の主要部分に被覆させる際に、導入部1142の開口径を拡大させることができる。
なお、内部領域1136に収容されたカバー本体1140は、収容袋1130を折り畳み自転車1000のパイプ部分から取り外すことなく、第二開口形成部1132から取り出すことができる。そのため、自転車用カバー1100は、図39に示す状態からカバー本体1140を収容袋1130から迅速に取り出して、折り畳み自転車1000の主要部分を被覆することができる。これにより、自転車用カバー1100は、折り畳み自転車1000を持ち上げてカバー本体1140を地面に敷いたりすることなく、折り畳み自転車1000を被覆することができる。なお、自転車用カバー1100のカバー本体1140は、折り畳み自転車1000を展開した状態(走行形態)において、折り畳み自転車1000の全体を被覆可能な大きさとすることもできる。また、上述のとおり自転車用カバー1100の被覆対象は、折り畳み自転車1000に限定されない。すなわち、図40(b)に示すように、自転車用カバー1100は、自転車1200を被覆対象としてもよい。例えば図40(b)に示すように、自転車用カバー1100は、副カバー体1160によりサドル1201を被覆し、自転車1200のハンドル1204、車輪1206等、サドル1201以外の部分をカバー本体1140により被覆可能としてもよい。
図41は、折り畳み自転車1000を展開させた状態において、カバー本体1140を収容袋1130に収容した状態で、かつ、サドル1001を副カバー体1160により被覆した状態を示している。自転車用カバー1100は、収容袋1130にカバー本体1140を収容したままの状態で、副収容体1150から副カバー体1160を取り出すことができる。そのため、雨等によりサドル1001が濡れている場合等、迅速に副カバー体1160を取り出してサドル1001を被覆することができる。
さらに、図42は、自転車用カバー1100を折り畳み自転車1000のハンドル1004又はハンドルバー1005(棒状部分)に取り付けた場合を示している。図42に示すとおり、自転車用カバー1100は、ハンドル1004やハンドルバー1005等のハンドル周辺に取り付けて、副カバー体1160で前カゴ1003を被覆することができる。なお、図40等に示す場合と同様に、この場合においても自転車用カバー1100は、カバー本体1140で折り畳み自転車1000の主要部分を被覆することができる。
続いて、自転車用カバー1100の変形例について説明する。図43は、収容袋(第一収容部)及び副収容体(第二収容部)が、例えばシリコーンやゴムのような可撓性や伸縮性を有し、一定の形状を保持可能な素材により形成された自転車用カバー1300を示している。本実施形態では、自転車用カバー1300の収容体1380がシリコーンにより形成されている。図43(b)に示すとおり、自転車用カバー1300は、収容体1380、カバー本体1140、副カバー体1160を有している。
自転車カバー1300のカバー本体1140及び副カバー体1160は、自転車カバー1100のカバー本体1140及び副カバー体1160と同様の構成とされている。そのため、自転車カバー1300のカバー本体1140及び副カバー体1160については、自転車カバー1100の説明において付した符号と同一の符号を用いて説明し、詳細な説明を省略する。
収容体1380は、第一収容部1330、第二収容部1350、連結部1370及び係止筒部1390が設けられている。第一収容部1330、第二収容部1350及び連結部1370は、自転車カバー1100の収容袋1130、副収容体1150及び連結部1170にそれぞれ対応する構成である。自転車カバー1300は、第一収容部1330、第二収容部1350及び連結部1370を収容体1380として一体的に構成し、さらに係止筒部1390を設けた構成とされている。なお、自転車用カバー1300は、第一収容部1330、第二収容部1350及び連結部1370がシリコーン等により一体的に形成されていること、及び係止筒部1390がさらに設けられていること等に特徴を有する。
図43に示すように、第一収容部1330及び第二収容部1350は、ドーム状の外観形状を有する中空の部分である。第一収容部1330及び第二収容部1350は、それぞれ、カバー本体1140及び副カバー体1160を収容するために設けられている。第一収容部1330及び第二収容部1350は、筒状に形成された連結部1370を介して一体化されている。
係止筒部1390は、自転車カバー1300を自転車のシートポスト等の棒状部材を挿通させて、棒状部材に装着して係止するために設けられている。係止筒部1390は、長手方向に所定の長さを有する筒形状を形成している。係止筒部1390は、連結部1370と連続するように、第二収容部1350の内側に形成される。また、係止筒部1390には、カバー本体1140及び副カバー体1160が連結されている。さらに、係止筒部1390の内側には突起状のすべり止め部1392が形成される。自転車用カバー1300は、自転車の棒状部材に装着された状態において、係止筒部1390の内側が自転車の棒状部分に略密着する。さらに、自転車用カバー1300は、すべり止め部1390を設けることにより、自転車の棒状部分において位置がずれることを抑制することができる。なお、係止筒部1390は、第二収容部1350の内側から第一収容部1330の内側に至る長さとしてもよい。
自転車用カバー1300は、係止筒部1390を自転車10のシートポスト等に装着した状態で使用される。自転車用カバー1300により自転車10をカバーする際には、第一収容部1330及び第二収容部1350からカバー本体1140及び副カバー体1160を取り出し、自転車10に被せることにより使用される。
一方、自転車10に被せてあるカバー本体1140や副カバー体1160を片付ける際には、カバー本体1140や副カバー体1160を捲り、第一収容部1330及び第二収容部1350の内部に収容する。ここで、例えばカバー本体1140を収容する場合には、図43に示すように下向きに開口している第一収容部1330に対して、開口を介して下側からカバー本体1140を押し込んで収容することも可能である。しかしながら、本実施形態では、第一収容部1330や第二収容部1350がシリコーン等のように可撓性や伸縮性を有し、一定の形状を保持可能な素材により形成されている。そのため、例えば第一収容部1330にカバー本体1140を収容する場合には、図43(b)において点線で示すように第一収容部1330の表裏が反転するように変形させ、この内側にカバー本体1140を収容するようにしても良い。このようにした場合、先ずカバー本体1140を捲り上げて纏めておき、その後に第一収容部1330の表裏を反転させる作業を行うことでカバー本体1140を第一収容部1330内に納めることができる。また、第一収容部1330をなすシリコーン等の素材は、一定の形状を保持可能なものである。そのため、カバー本体1140の収容のために表裏反転させた後は、ドーム状の形状に維持されるため、カバー本体1140を確実かつ見栄え良く収容することができる。
以上、本発明のカバーにかかる実施形態について説明したが、本発明のカバーは、上述した実施形態に限定されない。上記の実施形態においては、本発明のカバーは、シートポスト等の棒状部分を有する折り畳み自転車を被覆対象物とした例を示したが、本発明のカバーはこれに限定されない。すなわち、本発明のカバーの被覆対象物を折り畳み式でない自転車としてもよい。また、本発明のカバーは、棒状部分を有するその他の対象物としてもよい。
また、上述した実施形態における自転車用カバー1100は、カバー本体1140及び副カバー体1160を防水性を有する布材を縫製により袋体に形成した例を示したが、カバー本体及び副カバー体は、樹脂素材のシートにより構成して、熱圧着等により袋状に形成したものであっても良い。また、収容袋1130及び副収容体1150についても、同様に樹脂素材のシートにより構成してもよいし、あるいは、シリコーン等の伸縮性のある素材を筒状に成形したものであっても良い。さらに、本実施形態の自転車用カバー1100は、カバー本体1140及び収容袋1130を縫製により連結される構成としたが、カバー本体1140及び収容袋1130を一体的に形成されるものとしてもよい。
さらに、上述した実施形態においては、収容袋1130及び副収容体1150を、二つの開口を形成するように縫製された布材としたが、本発明の収容袋及び副収容体はこれに限定されない。すなわち、収容袋及び副収容体を、自転車のパイプ部材へ巻き付けるような筒形状として、筒形状を展開可能とするような構成として、筒形状を形成するために両端に面ファスナー、ホック等の着脱部材を設けても良い。
さらには、自転車用カバー1100は、副カバー体1160及び副収容体1150を設けた構成としたが、副カバー体及び副収容体を設けない構成としても良い。あるいは、副カバー体及び副収容体を、カバー本体及び収容袋と別構成として準備して、連結及び分離可能なものとしてもよい。
自転車用カバー1100は、折り畳み自転車を被覆するものであってもよいし、折り畳み式ではない自転車を被覆するものとしても良い。