JP2019119645A - 貼り合わせ基板のスクライブ方法 - Google Patents

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亮 森
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Abstract

【課題】スクライブ時における端子領域の変形を抑制して高品質な製品を得ることのできる貼り合わせ基板のスクライブ方法を提供する。【解決手段】第二基板2の端縁部に端子領域Tが形成されている貼り合わせ基板を、互いに対向する2つのカッターホイール3a、3bを用いて端子領域Tの方向へスクライブすることにより基板の上下面に分断用のスクライブラインを加工するときに、端子領域Tを有する第二基板2をスクライブする第二カッターホイール3bを、予め求められた端子破壊点を超えない適正切込量で前記第二基板に食い込ませ、端子領域Tの終端位置の近傍N2に至るまでは第二基板2の表面と平行な走行ライン15に沿って移行させ、端子領域Tの終端位置の近傍N2から終端位置までは端子領域Tの表面から離れるように走行させ、端子領域Tの終端位置に達すると停止時間ゼロで瞬時に端子領域Tから退避させるようにする。【選択図】図12

Description

本発明は、2枚の基板を貼り合わせて形成された貼り合わせ基板(または貼り合わせマザー基板ともいい、以下これを「マザー基板」という)に分断用のスクライブラインを加工するスクライブ方法に関し、特に、縁部に端子領域を有するマザー基板のスクライブ方法に関する。
液晶表示パネル製造用のマザー基板は、複数のカラーフィルタがパターン形成された第一基板(CF側基板ともいう)と、複数のTFTおよび端子領域がパターン形成された第二基板(TFT側基板ともいう)とを、液晶を封入するシール材を挟んで貼り合わせてある。そして、このマザー基板を格子状の分断予定ラインに沿ってカッターホイールなどでスクライブラインを加工することによって単位製品に分割している。また、端子領域は上側のCF側基板を端縁から必要な幅(端子幅)だけ内側に入った位置で切除することによって形成されている(特許文献1、2参照)。
図2〜図4は、マザー基板から単位製品を切り出す工程の一例を示すものである。ここではマザー基板Mから8つの単位製品を切り出す場合について説明する。
まず、図1並びに図7(a)に示すように、マザー基板Mを挟んで対向するように上下に配置された第一、第二のカッターホイール3a、3bを用いて、マザー基板Mを構成するCF側基板1とTFT側基板2のそれぞれに対し、X方向の分断予定ラインに沿って第一、第二のカッターホイール3a、3bを圧接してスクライブすることにより各基板にスクライブラインS1を刻む。次いで、図7(b)に示すように、第一カッターホイール3aでCF側基板1に端子領域形成用のスクライブラインS2を形成する。スクライブラインS1は基板の厚み方向にクラック(亀裂)ができる程度の切り込みで形成され、後工程で基板を撓ませること等により分断する。スクライブラインS1から分断されたマザー基板Mは、図3に示すように、それぞれ4つの単位製品を含む短冊状基板M1となり、スクライブラインS2で分断されたCF側基板1の端部は、端材Eとして除去されて端子領域Tが露出される。
次いで、短冊状基板M1を90度回転させたあと、分断予定ラインに沿って第一、第二のカッターホイール3a、3bを同時に押し付けながらスクライブして各基板にスクライブラインS3を刻み、当該スクライブラインS3に沿って分断して図4に示す単位製品M2を切り出す。
なお、端子領域Tは、上記のように単位製品の一辺のみに形成される場合のほかに、図5(a)のように左右両辺に形成される場合や、図5(b)のように隣接する2辺に沿ってL状に形成される場合、あるいは図示は省略するが、単位製品の3辺に沿ってコの字状に形成される場合もある。
なお、第一、第二のカッターホイール3a、3bで基板の上下面をスクライブする場合、第一、第二のカッターホイール3a、3bが同じ対向位置で走行する「同時切り」のほかに、図6(a)のように第一、第二のカッターホイール3a、3bがスクライブ方向に対して前後にずれて走行する「先行切り」と、図6(b)のように第一、第二のカッターホイール3a、3bがスクライブ方向に対して左右にずれて走行する「シフト切り」と、図示は省略するが、第一、第二のカッターホイールがスクライブ方向に対して前後左右にずれて走行する「先行・シフト切り」とがあり、基板の厚みや種類、上下の分断予定ラインの位置などによって使い分けられている。一般的には、スクライブの始点または終点に端子領域が存在する場合、第一、第二のカッターホイールが基板に同時に接触する、または基板から同時に離れるように、「先行切り」や「先行・シフト切り」の手法が多く用いられている。
WO2005/087458号公報 特開2015−13783号公報
上記したマザー基板の分断過程において、製品領域においてはCF側基板1とTFT側基板2それぞれを第一、第二のカッターホイール3a、3bでマザー基板Mの上下面をスクライブすることとなる。このとき、従来は、カッターホイールは基板の終端まで所定の押圧荷重で走行して停止させたあと、基板から離れるように上下に退避する動作を行うようにしている。
一方、端子領域が形成された部分をスクライブするときは、図8に示すように、第二カッターホイール3bは、端子領域Tの部分で上側のCF側基板1がない状態で下側のTFT側基板2のみを押し込んでスクライブすることになる。通常、0.3mm〜1.0mmの薄いTFT側基板に対して直径2mm〜3mmのカッターホイールを用いて4N〜8Nの荷重でスクライブしているが、端子領域Tの部分をスクライブするときに、上側の基板が切除されて端子領域Tを上側のCF側基板1及び対向する第一カッターホイール3aで支持することができないので、図9に示すように第二カッターホイール3bの押し付けによって端子領域Tの部分が根元部Rを基点として変形する現象が発生する。このような端子領域Tの変形は、基板が薄いほど、また端子幅が長くなるほど大きくなる。
また、カッターホイールが基板の終端で停止したあと、上下に退避するまでにわずかな時間(計測値では0.18秒)があり、そのため停止時間中は基板に負荷がかかり続けることになって、これが端子領域Tの変形の大きな要因となっている。このような変形が生じると、端子領域Tの破壊が生じたり、スクライブラインの亀裂がホイールの直下からスクライブ方向前方へ伸展し、予定されたスクライブライン上に生じない先走り現象が生じたりして不良品の原因となる。
また、「先行・シフト切り」を行う場合は、第一、第二のカッターホイールがスクライブ方向に対して左右にもずれて走行する。このため、スクライブ進行方向から見て、基板の変形が非対称になり、スクライブラインの亀裂が基板の厚み方向に対して傾いて形成される、「ソゲ」と呼ばれる現象が発生しやすくなる。
そこで本発明は、上記した課題に鑑み、基板が薄く、端子幅が長い場合であってもスクライブ時における端子領域の変形現象を抑制して破壊や先走り、ソゲのない高品質の製品を得ることのできる貼り合わせ基板のスクライブ方法およびスクライブ装置を提供することを主たる目的とする。
上記目的を達成するために本発明では次のような技術的手段を講じた。すなわち、本発明のスクライブ方法にあっては、第一基板の端縁部の一部が切除されて第二基板の端縁部に端子領域が形成されている貼り合わせ基板を、互いに対向する2つのカッターホイールを用いて前記端子領域の方向へスクライブすることにより基板の上下面に分断用のスクライブラインを加工する貼り合わせ基板のスクライブ方法であって、前記端子領域を有する前記第二基板をスクライブする第二カッターホイールを、予め求められた前記端子領域の端子破壊点を超えない適正切込量で前記第二基板に食い込ませ、前記端子領域の終端位置の近傍に至るまでは前記第二基板の表面と平行な走行ラインに沿って移行させ、前記端子領域の終端位置の近傍から前記端子領域の終端位置までは前記端子領域の表面から徐々に離れるように走行させ、前記端子領域の終端位置に達すると停止時間ゼロで瞬時に端子領域から退避させるようにした。
また、本発明の別の態様は、第一基板の端縁部の一部が切除されて第二基板の端縁部に端子領域が形成されている貼り合わせ基板を、互いに対向する2つのカッターホイールを用いて前記端子領域の方向へスクライブすることにより基板の上下面に分断用のスクライブラインを加工する貼り合わせ基板のスクライブ方法であって、前記第一基板をスクライブする第一カッターホイールを、前記第一基板の終端位置の近傍に至るまでは前記第一基板の表面と平行な走行ラインに沿って移行させ、前記第一基板の終端位置の近傍から前記第一基板の終端位置までは前記第一基板の表面から徐々に離れるように走行させ、前記第一基板の終端位置に達すると停止時間ゼロで瞬時に前記第一基板から退避させ、前記端子領域を有する前記第二基板をスクライブする第二カッターホイールを、前記端子領域の終端位置の近傍に至るまでは前記第二基板の表面と平行な走行ラインに沿って移行させ、前記端子領域の終端位置の近傍から前記端子領域の終端位置までは前記端子領域の表面から徐々に離れるように走行させ、前記端子領域の終端位置に達すると停止時間ゼロで瞬時に端子領域から退避させるようにした。
本発明は、上記したように、端子領域部分をカッターホイールで切り込んでスクライブしたときに、端子領域が変形して破壊が生じる端子破壊点を超えない適正切込量で切り込んでスクライブするようにしたので、カッターホイールのスクライブ終端時における端子領域の変形が抑制される。加えて、端子領域を有する第二基板をカッターホイールでスクライブするときに、端子領域の終端位置の近傍から終端位置に至るまで徐々に端子領域の表面から離れるように走行するので、カッターホイールによる端子領域部分への押し付け力が緩和されるとともに、カッターホイールが端子領域の終端位置に達すると停止時間ゼロで瞬時に端子領域から退避させるようにしたので、従来のような停止時間中に端子領域に負荷がかかり続けることがなくなる。これにより、基板が薄い場合や、端子幅が長い場合など、端子領域の変形が大きくなりやすい条件においても、端子領域の破壊や先走り、ソゲの発生を確実に防止することができるといった効果がある。
また、本発明の別の態様は、第一基板の端縁部の一部が切除されて第二基板の端縁部に端子領域が形成されている貼り合わせ基板を、互いに対向する2つのカッターホイールを用いて前記端子領域の方向へスクライブすることにより基板の上下面に分断用のスクライブラインを加工する貼り合わせ基板のスクライブ方法であって、前記第一基板をスクライブする第一カッターホイールを、前記第一基板の終端位置の近傍に至るまでは前記第一基板の表面と平行な走行ラインに沿って移行させ、前記第一基板の終端位置の近傍から前記第一基板の終端位置までは前記第一基板の表面から徐々に離れるように走行させ、前記第一基板の終端位置に達すると停止時間ゼロで瞬時に前記第一基板から退避させ、前記端子領域を有する前記第二基板をスクライブする第二カッターホイールを、前記端子領域の終端位置の近傍に至るまでは前記第二基板の表面と平行な走行ラインに沿って移行させ、前記端子領域の終端位置の近傍から前記端子領域の終端位置までは前記端子領域の表面から徐々に離れるように走行させ、前記端子領域の終端位置に達すると停止時間ゼロで瞬時に端子領域から退避させるようにした。
これにより、第一基板をスクライブする第一カッターホイールも基板の終端で瞬時に退避するため、第二カッターホイールが退避したあと、第一カッターホイールの停止時間中に第一基板の終端にのみ負荷がかかり続けることがなくなって、第一基板並びにマザー基板全体の変形も抑制することができる。
本発明のスクライブ方法を実施するためのスクライブ装置の一例を示す図。 加工対象となるマザー基板の一例を示す平面図並びに正面図。 図2のマザー基板から分断された短冊状基板を示す平面図並びに側面図。 図3の短冊状基板から切り出された単位製品を示す斜視図。 単位製品に形成される端子領域の別の形成例を示す斜視図。 先行切り並びにシフト切りのスクライブ手段を示す説明図。 マザー基板にスクライブラインを加工するときの説明図。 第二カッターホイールで端子領域をスクライブするときの説明図。 第二カッターホイールで端子領域をスクライブしたときの反り上がり現象を示す説明図。 第二カッターホイールで端子領域をスクライブしたときの良好な状態を示す説明図。 第一、第二カッターホイールによるスクライブ過程を示す説明図。 第一、第二カッターホイールによる端子領域のスクライブ過程を示す説明図。 スクライブレシピの一例を示す説明図。 スクライブ装置に付帯するコンピュータの構造を示すブロック図。 Z軸アドレスの最大変化量を切込量ごとに表示した図。
以下において本発明の詳細を説明する。
図1は本発明のスクライブ方法を実施するためのスクライブ装置の一例を概略的に示す斜視図である。このスクライブ装置は、加工すべきマザー基板Mを吸着して保持する水平なテーブル4と、このテーブル4を挟んで互いに対向するようにしてテーブル4の上方並びに下方に配置された第一カッターホイール3a並びに第二カッターホイール3bとを備えている。テーブル4は、図1のY方向に沿って所定間隔をあけて前後に分割されており、この間隔内に第一カッターホイール3a並びに第二カッターホイール3bが位置するように配置されている。
第一、第二のカッターホイール3a並びに3bは、それぞれ上下のホルダ5、5に保持され、ホルダ5、5は、スクライブヘッド6、6に昇降機構(図示略)を介して昇降可能に取り付けられている。また、スクライブヘッド6、6は、両側の支持柱7、7によってX方向に水平に橋架された上下のガイドバー8、8のガイド9、9に沿って移動可能に取り付けられ、モータ10、10の回転によりX方向に移動できるように形成されている。
このスクライブ装置の第一、第二のカッターホイール3a、3bを用いて、先に述べた図2〜図4で示した手順と同じ手順によりマザー基板MにスクライブラインS1、S2を加工して端子領域Tを有する短冊状基板M1を切り出す。その後、分断予定ラインに沿って短冊状基板M1にスクライブラインS3を加工して製品領域Pと端子領域Tと有する単位製品M2を切り出す。ここで、製品領域Pは第一基板(CF側基板)1と第二基板(TFT側基板)2のそれぞれを有する領域であり、端子領域TはCF側基板1が予め端子幅分切除されてTFT側基板のみが残されている領域である。
本発明では、この端子領域Tを有する短冊状基板M1にスクライブラインS3を加工するときに下記の手段で行うようにした。すなわち、端子領域Tを有する第二基板(TFT側基板)2を第二カッターホイール3bで押し付けてスクライブしたときに、予め端子領域Tに破壊が生じるカッターホイール3bの基板への切込量を破壊切込量として探索して設定しておき、スクライブ時に破壊切込量を超えない適正切込量の加工条件の範囲内でカッターホイール3bを押し込んでスクライブすることにより、端子領域Tの変形を緩和して端子領域Tにおける破壊の発生をなくすようにした。
発明者等は、TFT側基板2の厚みが0.3mm、端子幅6mmの貼り合わせ基板(短冊状基板M1)を、直径2mmの第一、第二のカッターホイール3a、3bを用いて「先行切り」のスクライブ手法により1.0mmの切込量でスクライブラインを加工するスクライブ実験を行った。その結果、図9に示すように、端子領域Tの変形により破壊が発生し、その時の第二カッターホイール3bのZ軸アドレスの変化量hは0.41mmであることが確認された。なお、Z軸アドレスとは、スクライブ時におけるカッターホイールの基板厚さ方向に沿った移動軌跡の位置をいい、変化量hはカッターホイールが基板に接触する位置を基準(0点)として、設定された切込量に応じた実際のカッターホイールの位置の変化量をいう。
また、上記と同じ貼り合わせ基板に、それぞれ0.1mm〜0.9mmの切込量を設定してスクライブ実験を行った。その結果を図15に示す。これによれば、切込量が0.1mm〜0.3mmでは、端子領域TにおけるZ軸アドレスの最大変化量が0.4mm以下であり、上記の端子破壊点を超えない範囲に収まっているが、切込量0.5mm以上ではZ軸アドレスの最大変化量が端子破壊点を超えており、端子領域Tに破壊が発生する可能性が高くなる。したがって、0.1mm〜0.3mmが適正切込量となる。実際に、図15における切込量0.3mmの場合の図10におけるZ軸アドレスの最大変化量は0.253mmであって、端子領域Tの変形は小さく抑制され、端子領域Tの破壊は発生しない。
このようなスクライブ実験を、0.1mm〜1.0mmの厚みの貼り合わせ基板に対してそれぞれ行うことにより、Z軸アドレスの最大変化量が端子破壊点を超えない適正切込量を各板厚ごとに分類して設定する。そしてこの設定値をスクライブレシピとして、スクライブ装置に付帯するコンピュータの制御部に記憶させておき、スクライブ開始時に、加工すべき基板に対応する希望の切込量をレシピから選択してコンピュータ制御によりスクライブするようにした。
次に、図11、図12を参照して、端子領域Tを含む第二基板において、スクライブラインの始点が製品領域Pに位置し、スクライブラインの終点に端子領域Tが位置する場合に行われるスクライブ過程について説明する。図11は第一、第二カッターホイールによるスクライブ過程を示す説明図であり、図12は第一、第二カッターホイールによる端子領域のスクライブ過程を示す説明図である。
TFT側基板2に対して、上記の適正切込量と、第一のスクライブ荷重が選択され、スクライブ始点に第二カッターホイール3bが押しつけられる。第二カッターホイール3bが所定の走行速度(スクライブ速度)で転動させられることにより、製品領域Pにスクライブラインが形成される。続いて、端子領域Tをスクライブする際に、第一のスクライブ荷重より、例えば20〜50%小さい第二のスクライブ荷重が選択される。具体的には、端子領域Tより所定距離内側からスクライブ荷重が変化し、端子領域Tの根元部Rから終端部においては第二のスクライブ荷重でスクライブラインが形成される。端子領域Tの根元部Rから確実に第二のスクライブ荷重とするためには、端子領域Tから内側、すなわち製品領域Pの端子領域T近傍で荷重が変化し始めることが好ましい。一方、製品領域Pでのスクライブ荷重が小さい場合、垂直クラックの深さが小さくなり、後の分断工程において分断不良が発生する可能性がある。このため、製品領域Pの、端子領域Tの根元部Rより1〜2mm内側の位置から荷重を変化させることが好ましい。これにより、端子領域の変形をさらに抑制することができ、特に、シフト切りにより、基板の変形がスクライブ進行方向から見て非対称になる場合に、ソゲの発生を抑制することができる。
さらに、端子領域Tの終端部においては、図10に示すように、端子領域Tの終端位置の近傍Nまでは水平な走行ライン15に沿って移行させ、端子領域Tの終端位置の近傍Nから端子領域Tの終端位置までは端子領域Tの表面から徐々に、かつ、わずかに離れるように走行させる。そして、端子領域Tの終端位置に達すると停止時間ゼロで瞬時に垂直方向へ退避させるようにした。具体的には、終端位置より例えば10μm内側から第二カッターホイール3bが端子領域Tの表面から離れはじめることで、確実に端子領域Tの終端位置において停止することなく垂直方向へ退避することが可能である。
次に、第一基板(CF側基板)1のスクライブ動作について説明する。本実施の形態においては、第一基板(CF側基板)1と第二基板(TFT側基板)2において、第一カッターホイール3aと第二カッターホイール3bにより同時にスクライブ動作が行われる。CF側基板1においても、TFT側基板2と同様に、切込量と、前述の第一のスクライブ荷重が選択され、スクライブ始点に第一カッターホイール3aが押しつけられて、所定のスクライブ速度で製品領域Pのスクライブが実行される。続いて、対向するTFT基板の端子領域Tがスクライブされる間、第一のスクライブ荷重より、例えば20〜50%小さい第二のスクライブ荷重によりスクライブが行われる。具体的には、TFT側基板の第二カッターホイール3bによって加えられる荷重が変化し始めるのと同時に、CF側基板においても荷重が変化させられ、TFT側基板の端子幅wに相当する距離が第二のスクライブ荷重でスクライブが行われる。すなわち、製品領域Pの終端部より、端子幅wに加えて1〜2mm内側の位置から荷重を変化させることが好ましい。このように第一カッターホイール3aと第二カッターホイール3bの荷重が同時に変化するため、マザー基板にかかる負荷が不均一になることがない。従って、マザー基板全体の変形を抑制することができる。
また、第一基板終端位置の近傍までは第一カッターホイール3aを第一基板表面に水平な走行ラインに沿って移行させ、CF側基板1の終端位置の近傍から終端位置までは第一基板の表面から徐々に、かつ、わずかに離れるように走行させる。そして、第一基板の終端位置に達すると停止時間ゼロで瞬時に垂直方向へ退避させる。具体的には、終端位置より例えば10μm内側から第一カッターホイール3aがCF側基板1の表面から離れはじめることで、確実にCF側基板1の終端位置において停止することなく垂直方向へ退避することが可能である。このようにCF側基板1をスクライブする第一カッターホイール3aも基板の終端で瞬時に退避するため、第一カッターホイールの停止時間中にCF側基板1の終端にのみ負荷がかかり続けることがなくなる。従って、CF側基板1並びにマザー基板M全体の変形も抑制することができる。
このとき、第一カッターホイール3aと第二カッターホイール3bとが、同時にマザー基板Mから退避するように、言い換えれば、第一カッターホイール3aがCF側基板の終端位置に達すると同時に第二カッターホイール3bがTFT側基板2の端子領域Tの終端位置に達するように、スクライブ速度等のスクライブ条件を設定することが好ましい。これにより、第一カッターホイール3aと第二カッターホイール3bがマザー基板Mの終端で瞬時に退避するため、マザー基板Mにかかる負荷が不均一になることがない。従って、マザー基板全体の変形も抑制することができる。
なお、CF側基板1には端子領域Tが存在しないため、CF側基板1における切込量としては、TFT側基板2と同じ適正切込量を用いてもよく、適正切込量より大きな切込量を用いてもよい。製品領域PにおいてはCF側基板1とTFT側基板2が互いに貼り合わされており、CF側基板1においては端子破壊点を超える切込量を用いても、基板の破壊に至る変形は生じないためである。
図13は、スクライブレシピSDの一例を示す図である。各スクライブレシピSDには、レシピNo.1…No.nのようにレシピごとに識別するための番号が付されている。それぞれのスクライブレシピSDには、基板の厚み、切込量、端子幅、使用されるカッターホイールの直径並びに刃先の種類、カッターホイールの走行速度、スクライブ荷重などがスクライブ情報として分類して記述されている。そして、オペレータによりこれから実行しようとするスクライブ加工に適合したレシピの1つが選択されると、制御部がこれを読み込むことで、スクライブレシピSDに記述された内容に基づいてカッターホイールの上昇量が制御されてスクライブ処理が実行される。
図14は、コンピュータ11の構造を示すブロック図である。コンピュータ11は、CPU、RAM、ROM等のコンピュータハードウエアにより実現される制御部12と、入力部13と、処理メニューや動作状況が表示される表示部14を備えている。制御部12は、テーブル4による基板の吸着保持、モータ10によるスクライブヘッド6、6の移動、昇降機構によるカッターホイール3a、3bの昇降動作等、基板に対する加工処理動作全般の制御を行う。入力部13は、オペレータがスクライブ装置に対して種々の操作指示やデータを入力するためのインターフェースである。
本発明は上記したように、端子領域Tの部分を第二カッターホイール3bで切り込んでスクライブしたときに、端子領域Tが変形して破壊が生じるカッターホイールの位置を端子破壊点とし、この端子破壊点を超えない適正切込量を選択してスクライブを行うとともに、端子領域の終端においてカッターホイールが停止することなく端子領域から退避するようにした。これにより、基板の厚さが小さく、端子幅が大きい端子領域Tの変形が生じやすい条件下においても、第二カッターホイール3bのスクライブ終端時において端子領域Tの変形が抑制されて、端子領域Tが破壊されるのを確実に防止することができる。また、端子領域Tのスクライブ時にはスクライブ荷重を低減することで、端子領域T以外のスクライブ荷重を高くする場合においても先走りやソゲ等の不具合を抑制することができ、高品質の製品を得ることができる。
以上、本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の実施形態に特定されるものではなく、本発明の目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
例えば、本実施の形態においてはマザー基板Mがテーブル4上にCF側基板1が上面となるように配置されているが、TFT側基板2が上面となるように配置されてもよい。この場合、第一のカッターホイール3aがテーブルの下方に、第二のカッターホイール3bがテーブルの上方にそれぞれ配置される。
本発明の貼り合わせ基板のスクライブ方法は、端子領域を有する貼り合わせ基板に分断用のスクライブラインを加工するときに利用することができる。
M マザー基板
M1 短冊状基板
M2 単位製品
SD スクライブレシピ
T 端子領域
1 第一基板(CF側基板)
2 第二基板(TFT側基板)
3a 第一カッターホイール
3b 第二カッターホイール
4 テーブル
11 コンピュータ
12 制御部

Claims (3)

  1. 第一基板の端縁部の一部が切除されて第二基板の端縁部に端子領域が形成されている貼り合わせ基板を、互いに対向する2つのカッターホイールを用いて前記端子領域の方向へスクライブすることにより基板の上下面に分断用のスクライブラインを加工する貼り合わせ基板のスクライブ方法であって、
    前記端子領域を有する前記第二基板をスクライブする第二カッターホイールを、予め求められた前記端子領域の端子破壊点を超えない適正切込量で前記第二基板に食い込ませ、前記端子領域の終端位置の近傍に至るまでは前記第二基板の表面と平行な走行ラインに沿って移行させ、前記端子領域の終端位置の近傍から前記端子領域の終端位置までは前記端子領域の表面から徐々に離れるように走行させ、前記端子領域の終端位置に達すると停止時間ゼロで瞬時に端子領域から退避させるようにした貼り合わせ基板のスクライブ方法。
  2. 第一基板の端縁部の一部が切除されて第二基板の端縁部に端子領域が形成されている貼り合わせ基板を、互いに対向する2つのカッターホイールを用いて前記端子領域の方向へスクライブすることにより基板の上下面に分断用のスクライブラインを加工する貼り合わせ基板のスクライブ方法であって、
    前記第一基板をスクライブする第一カッターホイールを、前記第一基板の終端位置の近傍に至るまでは前記第一基板の表面と平行な走行ラインに沿って移行させ、前記第一基板の終端位置の近傍から前記第一基板の終端位置までは前記第一基板の表面から徐々に離れるように走行させ、前記第一基板の終端位置に達すると停止時間ゼロで瞬時に前記第一基板から退避させ、
    前記端子領域を有する前記第二基板をスクライブする第二カッターホイールを、予め求められた前記端子領域の端子破壊点を超えない適正切込量で前記第二基板に食い込ませ、前記端子領域の終端位置の近傍に至るまでは前記第二基板の表面と平行な走行ラインに沿って移行させ、前記端子領域の終端位置の近傍から前記端子領域の終端位置までは前記端子領域の表面から徐々に離れるように走行させ、前記端子領域の終端位置に達すると停止時間ゼロで瞬時に端子領域から退避させるようにした貼り合わせ基板のスクライブ方法。
  3. 前記第一カッターホイールと、前記第二カッターホイールとが、同時に前記第一基板および前記第二基板の前記端子領域から退避することを特徴とする請求項2に記載の貼り合わせ基板のスクライブ方法。
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