JP2019116657A - 疲労強度に優れた厚肉大径電縫鋼管およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
XCASO={Ca/O+Ca/S+0.285(Ce+La)/O+0.285(Ce+La)/S}×{Al/Ca}>78
を満し、電縫鋼管の溶接部における酸化物系介在物が、Ce及びLaの1種または2種を含有し、上記酸化物系介在物の長径/短径が2.5以下である、溶接部品質の優れた電縫鋼管である。特許文献4に記載された技術によれば、電縫溶接部の靭性低下が回避でき、油井管およびラインパイプに適した耐SSC性と低温靭性とを兼備した電縫鋼管を得ることができるとしている。
Ceq=C+Mn/6+Ni/15+(Mo+V)/5 ……(式1)
によって求められるCeqが0.45以上であり、金属組織が焼戻しマルテンサイトからなる低降伏比高強度電縫鋼管である。特許文献5に記載された電縫鋼管は、造管後、焼入れ焼戻し処理を施されて、降伏強さ:800MPa以上の高強度と、90%以下の低降伏比と、を有し、低温靭性に優れた電縫鋼管である。特許文献5に記載された技術では、高い焼入れ性を有し、厚肉管でもマルテンサイト組織とすることができ、高強度、高靭性で、降伏比も低く、大径かつ厚肉の電縫鋼管とすることができるとしている。
N/14<Ti/47.9 ……(1)
を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、焼入れ処理後あるいは焼入れ焼戻処理後の強度−靭性バランスに優れる高強度中空スタビライザー用電縫鋼管であり、上記組成に加えてさらに、Cr、Moのうちから選ばれた1種または2種、Nb、Vのうちから選ばれた1種または2種、Cu、Niのうちから選ばれた1種または2種を含有してもよいとしている。特許文献6に記載された技術によれば、焼入れ焼戻し後の、肉厚方向の平均硬さが400HV以上の高強度で、シャルピー衝撃試験の破面遷移温度vTrsが−110℃以下の高靭性を有し、さらに機械的特性のばらつきが少ない自動車用スタビライザーを製造できるとしている。
種々の組成を有し、フェライト+パーライト、ベイナイトおよびそれらを混合した各種組織を有する熱延鋼板(鋼帯)(板厚:11.9〜25.4mm)を素材として、該素材に、冷間加工を施し、略円筒状のオープン管としたのち、該オープン管の幅方向端部同士を突き合わせて、押圧し、大電流の高周波抵抗溶接により電縫溶接して、外径:219.1〜508mmφの各種厚肉大径の電縫鋼管とした。
図1から、繰返し降伏強さは、電縫鋼管の疲労強度σmax(2×106回)と、鋼管組織に影響されることなく、非常によい相関関係を有していることを、新規に知見した。
(1)質量%で、C:0.001〜0.50%、Si:0.001〜2.0%、Mn:0.001〜3.0%、P:0.05%以下、S:0.05%以下、Al:0.010〜0.060%を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成と、
フェライトとパーライトとからなる混合相を主相とし、該主相と面積率で30%以下(0%を含む)の第二相とからなる組織と、を有し、さらに前記組織中には粒径500nm未満の微細炭化物が分散してなり、JIS Z 2241の規定に準拠した引張試験で得られた、肉厚中央位置で管軸方向の静的降伏強さが245MPa以上、静的引張強さが415MPa以上で、かつ、応力比:0.1の繰返し応力負荷を施して得られた繰返し応力歪曲線から求めた繰返し降伏強さが245MPa以上である、ことを特徴とする疲労強度に優れた厚肉大径電縫鋼管。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.001〜5.0%、Ni:0.001〜5.0%、Cr:0.001〜5.0%、Mo:0.001〜5.0%、Nb:0.0001〜0.5%、V:0.0001〜0.5%、Ti:0.0001〜0.5%、B:0.00001〜0.1%、Ca:0.00001〜0.1%、REM:0.00001〜0.1%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする厚肉大径電縫鋼管。
(3)熱延鋼帯を素材として、該素材の幅方向に冷間曲げ加工を施して、略円筒状のオープン管としたのち、該オープン管の幅方向端部同士を突き合わせ、押圧し、電縫溶接して、電縫鋼管とするに当り、前記熱延鋼帯を、質量%で、C:0.001〜0.50%、Si:0.001〜2.0%、Mn:0.001〜3.0%、P:0.05%以下、S:0.05%以下、Al:0.010〜0.060%を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成と、フェライトとパーライトとからなる混合相を主相とし、該主相と面積率で30%以下(0%を含む)の第二相とからなる組織と、を有する鋼帯とし、前記電縫鋼管にさらに、焼戻温度:150〜350℃の低温焼戻処理を施し、JIS Z 2241の規定に準拠した引張試験で得られた、肉厚中央位置で管軸方向の静的降伏強さが245MPa以上、静的引張強さが415MPa以上で、かつ、応力比:0.1の繰返し応力負荷を施して得られた繰返し応力歪曲線から求めた繰返し降伏強さが245MPa以上である電縫鋼管とすることを特徴とする疲労強度に優れた厚肉大径電縫鋼管の製造方法。
(4)(3)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.001〜5.0%、Ni:0.001〜5.0%、Cr:0.001〜5.0%、Mo:0.001〜5.0%、Nb:0.0001〜0.5%、V:0.0001〜0.5%、Ti:0.0001〜0.5%、B:0.00001〜0.1%、Ca:0.00001〜0.1%、REM:0.00001〜0.1%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成であることを特徴とする厚肉大径電縫鋼管の製造方法。
(5)厚肉大径電縫鋼管の疲労強度推定方法であって、前記厚肉大径電縫鋼管から管軸方向が試験片長手方向となるように疲労試験片を採取し、該疲労試験片に一定の応力比となるように繰返し応力を複数サイクル負荷し、同時に発生する歪を求め、該複数サイクルにおける応力と歪との関係の頂点を求める第一の工程と、ついで前記一定の応力比のもとで、負荷する繰返し応力を漸増し、該漸増した繰返し応力を複数サイクル負荷し、同時に発生する歪を求め、該複数サイクルにおける応力と歪との関係の頂点を求める第二の工程と、を、負荷する繰返し応力を漸増させながら複数回行ったのち、得られた複数の前記応力と歪との関係の頂点を繋ぎ合わせて繰返し応力歪曲線を作成し、得られた前記繰返し応力歪曲線から繰返し降伏強さを算出し、該算出した繰返し降伏強さを、前記厚肉大径電縫鋼管の疲労強度とすることを特徴とする厚肉大径電縫鋼管の疲労強度推定方法。
本発明電縫鋼管は、質量%で、C:0.001〜0.50%、Si:0.001〜2.0%、Mn:0.001〜3.0%、P:0.05%以下、S:0.05%以下、Al:0.010〜0.060%を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成(基本組成)を有する。
まず、本発明電縫鋼管の組成限定理由について、説明する。以下、組成における質量%は、単に%で記す。
Cは、電縫鋼管の強度増加に寄与する元素であり、所望の強度を確保するために、0.001%以上の含有を必要とする。一方、0.50%を超える含有は、延性、靭性や、溶接性を劣化させる。このため、Cは0.001〜0.50%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.01〜0.30%である。
Siは、脱酸剤として作用するとともに、固溶して電縫鋼管の強度増加に寄与する元素であり、所望の強度を確保するためには、0.001%以上の含有を必要とする。一方、2.0%を超えて多量に含有すると、溶接性、靭性を劣化させる。このため、Siは0.001〜2.0%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.01〜1.0%である。
Mnは、焼入れ性増加を介して、電縫鋼管の強度増加および靭性向上に寄与する元素であり、所望の強度、靭性を確保するために、0.001%以上の含有を必要とする。一方、3.0%を超える多量の含有は、溶接性、靭性の低下を招く。このため、Mnは0.001〜3.0%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.01〜2.5%の範囲である。
Pは、電縫鋼管の靭性を劣化させる元素であり、できるだけ低減することが望ましいが、0.05%以下であれば、許容できる。このため、Pは0.05%以下に限定した。なお、好ましくは0.03%以下である。
Sは、鋼中では主として硫化物系介在物として存在し、多量の含有は鋼管の延性、靭性を低下させる元素であり、極力低減することが望ましいが、0.05%以下であれば許容できる。このようなことから、Sは0.05%以下に限定した。なお、好ましくは0.01%以下である。
Alは、脱酸剤として作用するとともに、窒化物AlNを形成して、結晶粒の微細化に寄与する元素である。このような効果を得るためには、Alは0.010%以上含有する必要があるが、0.060%を超えて多量に含有すると、延性、靭性の低下を招く。このため、Alは0.010〜0.060%に限定した。なお、好ましくは0.030〜0.060%である。
Cu:0.001〜5.0%
Cuは、固溶してあるいは析出して、電縫鋼管の強度増加に寄与するとともに、耐候性をも向上させる元素であり、これらの効果を得るためには、0.001%以上の含有を必要とする。一方、5.0%を超える多量の含有は、溶接性、靱性の低下を招くとともに、熱間圧延時の疵発生を招く。このようなことから、含有する場合は、Cuは0.001〜5.0%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは、0.01〜2.5%である。
Niは、電縫鋼管の強度増加に寄与するとともに、とくに低温靭性の向上、耐候性の付与、Cu起因の熱間脆性の改善に有効に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.001%以上の含有を必要とする。一方、5.0%を超える多量の含有は、溶接性を低下させるうえ、製造コストの高騰を招く。このため、含有する場合には、Niは0.001〜5.0%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.01〜5.0%である。
Crは、電縫鋼管の強度増加、耐候性の付与に有効に寄与する元素であり、このような効果を得るためには、0.001%以上の含有を必要とする。一方、5.0%を超える多量の含有は、溶接性および靭性の低下を招く。このため、含有する場合には、Crは0.001〜5.0%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.01〜2.5%である。
Moは、電縫鋼管の強度増加に有効に寄与する元素であり、このような効果を得るためには、0.001%以上の含有を必要とする。一方、5.0%を超える多量の含有は、溶接性および靭性の低下を招く。このため、含有する場合には、Moは0.001〜5.0%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは、0.01〜2.5%である。
Nbは、固溶しあるいは炭化物、窒化物等として析出して、電縫鋼管の強度増加に寄与するとともに、オーステナイト粒の再結晶を抑制し、熱間圧延を介して結晶粒の細粒化を図る作用を有する元素である。このような効果を得るためには、0.0001%以上の含有を必要とする。一方、0.5%を超える多量の含有は、靭性の低下を招く。このため、含有する場合には、Nbは0.0001〜0.5%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは、0.001〜0.25%である。
Vは、Nbと同様に、炭化物等として析出して、電縫鋼管の強度増加に有効に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.0001%以上の含有を必要とする。一方、0.5%を超える多量の含有は、溶接性および靭性の低下を招く。このため、含有する場合には、Vは0.0001〜0.5%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは、0.001〜0.25%である。
Tiは、炭化物、窒化物等の析出物を介して電縫鋼管の強度増加に寄与するとともに、溶接部靭性の向上に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.0001%以上の含有を必要とする。一方、0.5%を超える多量の含有は、製造コストの上昇を招く傾向にある。このため、含有する場合には、Tiは0.0001〜0.5%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.001〜0.25%である。
Bは、焼入れ性向上を介して電縫鋼管の強度増加に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.00001%以上の含有を必要とする。一方、0.1%を超える多量の含有は、溶接性の低下を招く。このため、含有する場合には、Bは0.00001〜0.1%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは、0.0001〜0.05%である。
Ca:0.00001〜0.1%
Caは、介在物の形態制御を介して、電縫鋼管の延性向上、靱性向上に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.00001%以上の含有を必要とする。一方、0.1%を超える多量の含有は、靱性の低下を招く。このため、含有する場合は、Caは0.00001〜0.1%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.0001〜0.05%である。
REMは、Caと同様に、介在物の形態制御を介して、電縫鋼管の延性向上、靱性向上に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.00001%以上の含有を必要とする。一方、0.1%を超える多量の含有は、靱性の低下を招く。このため、含有する場合は、REMは0.00001〜0.1%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.0001〜0.05%である。
本発明電縫鋼管の主相は、フェライトとパーライトとが混合した混合相とする。ここでいう「主相」とは、組織全体に対する面積率で、70%以上を占める相をいう。主相が、70%未満では、静的降伏強さが525MPaを超える。なお、フェライトとパーライトの比率は、主としてC含有量に依存し、C量が少ない場合にはフェライトの比率が高くなり、C含有量が増加するにしたがいパーライトの比率が増加することは、言うまでもない。本発明の組成範囲では、フェライトは面積率で50〜99%、パーライトは1〜20%との範囲となる。
得られた「繰返し応力歪曲線」が降伏点型曲線を呈する場合には、「繰返し降伏強さ」は上降伏点とし、「繰返し応力歪曲線」がラウンドハウス型曲線を呈する場合には、「繰返し降伏強さ」はオフセット0.5%耐力σ0.5とする。
まず、上記した組成の溶鋼を、転炉等の、常用の溶製方法で溶製し、連続鋳造法等の常用の鋳造方法で鋳片とする。ついで、鋳片を、加熱炉に装入し、好ましくは加熱温度:1100〜1300℃に加熱する。加熱温度が1100℃未満では、加熱温度が低すぎて、熱間圧延荷重が高くなりすぎる。一方、1300℃を超えて高温となると、結晶粒が粗大化し、所望の微細な結晶粒を得ることができにくくなる。このため、鋳片の加熱温度は1100〜1300℃の範囲に限定することが好ましい。なお、鋳片の温度が高く所定量以上の熱量を保持している場合には、加熱することなく、熱間圧延を施すことが好ましい。なお、鋳片の加熱方法はこれに限定されないことは言うまでもない。鋳片を一旦冷却したのち、あるいは鋳片に熱間圧延を施して鋼片としたのち、該鋼片を再加熱する方法でもよいことは言うまでもない。
Ar3(℃)=910−310C−80Mn−20Cu−15Cr−55Ni−80Mo
ここで、C、Mn、Cu、Cr、Ni、Mo:各元素の含有量(質量%)
で表わされる関係式を用いて、算出することができる。また、巻取温度が500℃未満となると、組織にベイナイトやマルテンサイトが混入しやすくなり、所望の熱延鋼帯組織を得ることができない。なお、仕上圧延終了から巻取りまでの冷却は、700℃以下までの放冷、あるいは冷却速度:50℃/s以下の緩冷とすることが好ましい。仕上圧延終了から巻取りまでの冷却速度が速すぎると、所望の熱延鋼帯組織を得ることができない。
(1)組織観察
焼戻処理済みの電縫鋼管から、図3に示す90°の位置から、肉厚1/2位置が組織観察面となるように、試験片を採取し、研磨、腐蝕(ナイタール液腐蝕)して組織を現出し、光学顕微鏡(倍率:400倍)または透過型電子顕微鏡(倍率:30000倍)を用いて、組織を観察し、撮像して、組織の同定および各相の面積率の測定、微細炭化物(粒径:500nm未満)の有無の観察を行った。
(2)引張試験
焼戻処理済みの電縫鋼管から、図3に示す90°の位置で肉厚1/2位置から、試験片長手方向が管軸方向となるように、 図4に示す引張試験片(平行部:6mmφ×30mm)を採取した。採取した引張試験片を用いて、JIS Z 2241の規定に準拠して、引張試験を実施し、静的降伏強さ、静的引張強さを求めた。なお、応力―歪曲線が、降伏点型を呈する場合には上降伏点を、ラウンドハウス型を呈する場合には歪が0.5%であるときのオフセット耐力σ0.5を、静的降伏強さとした。
(3)衝撃試験
焼戻処理済みの電縫鋼管から、図3に示す90°の位置で肉厚1/2位置から、試験片長手方向が管軸方向となるように、2mmVノッチシャルピー衝撃試験片3本を採取した。JIS Z 2242の規定に準拠して、採取した衝撃試験片3本について、試験温度:0℃で、シャルピー衝撃試験を実施し、それぞれの吸収エネルギーを求め、3本の平均値を算出した。
(4)疲労試験
焼戻処理済みの電縫鋼管から、図3に示す、90°の位置で肉厚1/2位置から、試験片の長手方向が管軸方向となるように、図5に示す疲労試験片を採取した。そして、採取した疲労試験片の中央部に塑性歪ゲージを貼付し、試験片に、図6に示す、応力比:0.1の正弦波の繰返し応力を複数サイクル(ここでは10サイクル)負荷し、同時に試験片に発生する歪を測定する繰返し応力負荷試験(疲労試験)を実施し、得られた応力と歪との関係の頂点を求めた。このような繰返し応力負荷試験を、負荷応力を増加させて、繰返し応力を複数サイクル(10サイクル)負荷し、応力と歪との関係の頂点を求めた。得られた各頂点を結び、応力と歪との関係曲線(繰返し応力歪曲線)を得た。そして、得られた繰返し応力歪曲線から、繰返し降伏強さを求めた。なお、繰返し応力歪曲線が、降伏点型曲線を呈する場合には、繰返し降伏強さは上降伏点とし、繰返し応力歪曲線がラウンドハウス型曲線を呈する場合には、繰返し降伏強さは歪0.5%のときのオフセット耐力σ0.5とした。
Claims (4)
- 質量%で、
C :0.001〜0.50%、 Si:0.001〜2.0%、
Mn:0.001〜3.0%、 P :0.05%以下、
S :0.05%以下、 Al:0.010〜0.060%
を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成と、
フェライトとパーライトとからなる混合相を主相とし、該主相と面積率で30%以下(0%を含む)の第二相とからなる組織と、を有し、さらに前記組織中には粒径500nm未満の微細炭化物が分散してなり、
JIS Z 2241の規定に準拠した引張試験で得られた、肉厚中央位置で管軸方向の静的降伏強さが245MPa以上、静的引張強さが415MPa以上で、かつ、
応力比:0.1の繰返し応力負荷を施して得られた繰返し応力歪曲線から求めた繰返し降伏強さが245MPa以上である
ことを特徴とする疲労強度に優れた厚肉大径電縫鋼管。 - 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.001〜5.0%、Ni:0.001〜5.0%、Cr:0.001〜5.0%、Mo:0.001〜5.0%、Nb:0.0001〜0.5%、V:0.0001〜0.5%、Ti:0.0001〜0.5%、B:0.00001〜0.1%、Ca:0.00001〜0.1%、REM:0.00001〜0.1%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の厚肉大径電縫鋼管。
- 熱延鋼帯を、素材として、該素材の幅方向に冷間曲げ加工を施し、略円筒状のオープン管としたのち、該オープン管の幅方向端部同士を突き合わせ、押圧し、電縫溶接して、電縫鋼管とするに当り、
前記熱延鋼帯を、質量%で、
C :0.001〜0.50%、 Si:0.001〜2.0%、
Mn:0.001〜3.0%、 P :0.05%以下、
S :0.05%以下、 Al:0.010〜0.060%
を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成と、フェライトとパーライトとからなる混合相を主相とし、該主相と面積率で30%以下(0%を含む)の第二相とからなる組織と、を有する鋼帯とし、
前記電縫鋼管に、焼戻温度:150〜350℃の低温焼戻処理を施し、
JIS Z 2241の規定に準拠した引張試験で得られた、肉厚中央位置で管軸方向の静的降伏強さが245MPa以上、静的引張強さが415MPa以上で、かつ、応力比:0.1の繰返し応力負荷を施して得られた繰返し応力歪曲線から求めた繰返し降伏強さが245MPa以上である電縫鋼管とすること
を特徴とする疲労強度に優れた厚肉大径電縫鋼管の製造方法。 - 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.001〜5.0%、Ni:0.001〜5.0%、Cr:0.001〜5.0%、Mo:0.001〜5.0%、Nb:0.0001〜0.5%、V:0.0001〜0.5%、Ti:0.0001〜0.5%、B:0.00001〜0.1%、Ca:0.00001〜0.1%、REM:0.00001〜0.1%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成であることを特徴とする請求項3に記載の厚肉大径電縫鋼管の製造方法。
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