JP2019115958A - E形止め輪挿入工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】E形止め輪を挿入する一連の作業を安定的に行うことができ、使用者の負荷を軽減するE形止め輪挿入工具を提供すること。【解決手段】本発明にかかるE形止め輪挿入工具100は、作業対象である軸に対してラジアル方向からE形止め輪を挿入するE形止め輪挿入工具である。E形止め輪挿入工具100は、二股に分岐した一対の先端に軸を挟持するための軸挟持部112が設けられている第1挟持片117と、第1挟持片117の主面にスライド可能に係合する平板の先端が二股に分岐し、分岐した一対の先端にそれぞれE形止め輪を挟持するための止め輪挟持部145が設けられている第2挟持片140と、第2挟持片140がスライドすることにより軸挟持部112と止め輪挟持部145とが互いに近づくにつれて、軸挟持部112の一対の先端を互いに近づける開閉部材150と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明はE形止め輪挿入工具に関する。
E形止め輪を軸に挿入する手段として、様々な工具が開発されている。例えば、棒状の握持部材の一端に固定された平板の先端が二本に分岐し、先端に設けられた溝にE形止め輪を挟持する挟持片を備えた挿入工具が広く普及している。この挿入工具を使用する場合、使用者は、E形止め輪を挟持片に挟持させ、E形止め輪を挟持したまま挿入工具を運搬し、所望の軸に対してラジアル方向からE形止め輪の開口部を押し当てるようにして挿入工具を挿し込む。そしてE形止め輪の挿入が完了すると、使用者は挿入工具を軸から引き抜く。
また、E形止め輪を軸に挿入する手段をより簡便にするための種々の提案がなされている。例えば、本願の発明者は、特許文献1において、平板の先端が二股に分岐し、分岐した一対の先端にそれぞれ設けられた溝にE形止め輪を挟持する挟持片と、一対の先端同士の間隔を相対的に近付け、又は離間させるスライド板とを備えるE形止め輪挿入工具を提案した。かかるスライド板は、軸に当接する当接部を有し、当接部が軸に押圧されることによりスライドする。スライド板は、当接部が軸に押圧されてスライドすることにより、一対の先端同士の間隔を相対的に離間させる。
特許第6178532号公報
ETホルダー[平成29年12月20日検索]、インターネット<URL:http://www.ochiai-if.co.jp/products/pdf/tools.pdf>
本願の発明者は、上述した広く普及している棒状の挿入工具であって、非特許文献1に記載の挿入工具の問題点について検討した。その結果、次のような課題を見出すに至った。すなわち、非特許文献1に記載の挿入工具は、E形止め輪が軸に対して確実に挿入されたのか否かを確認する作業が必要となる。具体的には、挿入が完了したE形止め輪をマイナスドライバ等で回し、回る場合には、E形止め輪は完全に挿入されており、回らない場合には挿入が不完全である。このような確認作業を行わず、E形止め輪の挿入が不完全であった場合、E形止め輪が脱落し、かかるE形止め輪によって係止する予定だった部品が所望の位置に係止されず、問題が生じるおそれがある。また、小径のE形止め輪を軸に挿入する場合には、ラジアル方向からE形止め輪の開口部を押し当てるようにして挿入工具を挿し込む際に、押し当てるようにして挿し込む力によって、軸に負荷がかかり、軸が変形してしまうおそれがある。
また、本願の発明者は、特許文献1に記載のE形止め輪挿入工具を実際に制作し、E形止め輪の挿入作業を行ったところ、次のような課題を見出すに至った。すなわち、かかるE形止め輪挿入工具は、E形止め輪を軸に挿入した後、挟持片を離間させる際に、当接部を軸に押し当てる必要があった。そのため、E形止め輪を挿入する軸の外径が大きすぎたり小さすぎたりした場合にはスライド板が適切に機能しない問題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、E形止め輪を挿入する一連の作業を安定的に行うことができ、挿入工具を使用する使用者の負荷を軽減するE形止め輪挿入工具を提供することを目的とするものである。
本発明にかかるE形止め輪挿入工具は、
作業対象である軸に対してラジアル方向からE形止め輪を挿入するE形止め輪挿入工具であって、
二股に分岐した一対の先端に前記軸を挟持するための軸挟持部が設けられている第1挟持片と、
前記第1挟持片の主面にスライド可能に係合する平板の先端が二股に分岐し、前記分岐した一対の先端にそれぞれE形止め輪を挟持するための止め輪挟持部が設けられている第2挟持片と、
前記第2挟持片がスライドすることにより前記軸挟持部と前記止め輪挟持部とが互いに近づくにつれて、前記軸挟持部の一対の先端を互いに近づける開閉部材と、を備える。
このような構成により、E形止め輪挿入工具は、E形止め輪を挿入するに際し、E形止め輪を挟持した第2挟持片が作業対象である軸に近付くと、第1挟持片の軸挟持部が軸を挟持する。そして、軸を挟持した状態において、第2挟持片が挟持したE形止め輪を軸に挿入する。したがって、E形止め輪挿入工具は、安定した状態でE形止め輪を挿入することができる。
また、本発明にかかるE形止め輪挿入工具において、前記軸挟持部は円弧形状の切欠きであってもよい。これにより、E形止め輪挿入工具は、より安定して作業対象である軸を挟持することができる。
また、本発明にかかるE形止め輪挿入工具において、前記第1挟持片と前記開閉部材とは、いずれか一方がカム孔を有し、他方が前記カム孔に係合する突起を有していてもよい。これにより、E形止め輪挿入工具は、カム孔の形状を制御することにより、第1挟持片の変位と軸挟持部の開閉具合とを好適に設定することができる。
また、本発明にかかるE形止め輪挿入工具において、前記止め輪挟持部は、V字状又はU字状の溝が形成されており、前記E形止め輪の表面に沿った外形の稜線と、裏面に沿った外形の稜線とを、それぞれ保持してもよい。これにより、E形止め輪挿入工具は、E形止め輪の脱落を抑制することができる。
また、本発明にかかるE形止め輪挿入工具において、前記第1挟持片は、前記第2挟持片がE形止め輪を挟持している状態において、前記止め輪挟持部よりも前記E形止め輪の内径側に延在する止め輪保持部を有してもよい。これにより、E形止め輪挿入工具は、E形止め輪の脱落を抑制することができる。
また、本発明にかかるE形止め輪挿入工具において、前記第1挟持片の前記軸挟持部と前記第2挟持片の前記止め輪挟持部とが互いに離れるように付勢する弾性体を有してもよい。これにより、E形止め輪挿入工具は、E形止め輪の挿入を完了させた後に、容易にE形止め輪から離脱することができ、使用者の負荷を軽減することができる。
また、本発明にかかるE形止め輪挿入工具において、一端側に前記第1挟持片が形成され他端側に把持部が形成されている把持部材と、操作部を有し前記把持部材に摺動可能に係合し且つ前記第2挟持片と連動する操作部材と、をさらに備えていてもよい。これにより、使用者は、E形止め輪挿入工具を容易に操作することができる。
また、本発明にかかるE形止め輪挿入工具において、前記把持部材と前記操作部材とは互いに回動自在に軸支され、前記把持部と前記操作部とを互いに近付けるように摺動させることにより前記軸挟持部と前記止め輪挟持部とが互いに近づくように構成されてもよい。これにより、使用者は、E形止め輪挿入工具を容易に操作することができ、使用者の負荷を軽減することができる。
また、本発明にかかるE形止め輪挿入工具において、一端が前記操作部材に係合し、他端が直動方向にスライドする前記第2挟持片に係合し、前記操作部材の回動方向の変位と前記第2挟持片の直動方向の変位とを変換する連結部材をさらに有してもよい。これにより、E形止め輪挿入工具は、効率よくE形止め輪を挿入することができる。
また、本発明にかかるE形止め輪挿入工具において、前記第2挟持片の一方の主面側は、前記第1挟持片と接触し、前記第2挟持片の他方の主面側の前記分岐した一対の先端部分は、凸部を有さない構成であってもよい。これにより、E形止め輪挿入工具は、作業の自由度が向上する。
尚、本明細書において「E形止め輪」とは、中空円板状であり開口部を有する金属板であって、円周溝を有する軸に対して、かかる軸のラジアル方向から、金属板の開口部を弾性域内において押し拡げるようにして挿入する止め輪をいう。
本発明により、E形止め輪を挿入する一連の作業を安定的に行うことができ、挿入工具を使用する使用者の負荷を軽減するE形止め輪挿入工具を提供することができる。
実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100の概観図である。 実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100の分解斜視図である。 実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100における先端部の構造を説明するための図である。 実施の形態1にかかる第2挟持片140がE形止め輪を挟持している状態の図である。 実施の形態1にかかる第2挟持片140がE形止め輪を挟持している状態の断面図である。 実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100が軸にE形止め輪を挿入する途中の状態を説明するための図である。 実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100が軸にE形止め輪の挿入を完了した状態を説明するための図である。 実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100がE形止め輪から離脱する状態を説明するための図である。 実施の形態2にかかるE形止め輪挿入工具200の概観図である。 実施の形態2にかかるE形止め輪挿入工具200の分解斜視図である。
以下に図面を参照して実施の形態について説明する。以下の説明及び図面において、複数の図面に共通する構成についてはそれぞれ共通の符号を付している。そのため、共通の符号を付した構成については適宜説明を省略する。
また、以下の説明において、アキシャル方向は、E形止め輪を挿入する対象である軸の延在方向と平行な方向を示す。ラジアル方向は、かかる軸のアキシャル方向に対して垂直且つ軸心から放射状に延びる方向を示す。
<実施の形態1>
まず、図1を参照して実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具の概要について説明する。図1は、実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100の概観図である。E形止め輪挿入工具100は、作業対象である軸に対してラジアル方向からE形止め輪を挿入する工具である。E形止め輪挿入工具100は、把持部材110、操作レバー120、連結部材130、第2挟持片140、及び開閉部材150を主な構成として有している。
把持部材110は長尺状の部材であって、一端側において二股に分岐した一対の先端に作業対象である軸を挟持するための軸挟持部112を有している。また、把持部材110は、当該一端側において第2挟持片140及び開閉部材150と係合し、他端側において把持部111を有している。また、把持部材110は、中間部に第1軸161を有している。
操作レバー120は、把持部材110に摺動可能に係合している。使用者は、操作レバー120と把持部材110との相対的な位置関係を変化させるように摺動させることによりE形止め輪挿入工具100の操作を行う。操作レバー120の一端側は、把持部材110の中間部において第1軸161により回動自在に軸支されている。操作レバー120は、他端側に操作部121を有している。操作部121は、第1軸161を支点として所定の角度Xの範囲を回動するように設定されている。使用者は、E形止め輪挿入工具100の操作において、把持部材110と操作レバー120とが成す角度Xを変化させる。角度Xは、例えば0度から30度である。把持部111および操作部121は、使用者が操作し易い長さであることが好ましい。このように、操作レバー120は、回動支点である第1軸161近傍を起点としてE形止め輪挿入工具100の先端側から離れる方向に延在する。
第2挟持片140は把持部材110の主面に接触し、把持部材110の長手方向に平行にスライド可能に係合している。
開閉部材150は、第2挟持片140が接触する面の反対側の主面に接触し、把持部材110の長手方向に対して平行にスライド可能に係合している。
連結部材130は、一端側において第2軸162によって操作レバー120と回動可能に軸支されている。また、連結部材130は、他端側において第3軸163によって第2挟持片140に回動可能に軸支されている。さらに、連結部材130は、第3軸163と同軸上に設けられた第4軸164によって開閉部材150に回動可能に軸支されている。
上述した構成により、E形止め輪挿入工具100は、次のように動作し得る。操作レバー120は、把持部111の先端部111eと操作部121の先端部121eとが互いに近づく方向A1に回動する。操作レバー120が方向A1に回動すると、連結部材130は操作レバー120の変位を第2挟持片140および開閉部材150に伝達する。これにより、第2挟持片140及び開閉部材150は、把持部材110の長手方向に平行且つ軸挟持部112に近づく方向B1に変位する。第2挟持片140及び開閉部材150が方向B1に変位するにつれて、一対の軸挟持部112は互いに近づく方向C1及び方向D1に変位する。
一方、E形止め輪挿入工具100は、次のようにも動作し得る。操作レバー120は、把持部111の先端部111eと操作部121の先端部121eとが互いに離れる方向A2に回動する。操作レバー120が方向A2に回動すると、連結部材130は操作レバー120の変位を第2挟持片140および開閉部材150に伝達する。これにより、第2挟持片140及び開閉部材150は、把持部材110の長手方向に平行且つ軸挟持部112から離れる方向B2に変位する。第2挟持片140及び開閉部材150が方向B2に変位するにつれて、一対の軸挟持部112は互いに離れる方向C2及び方向D2に変位する。
次に、図2を参照しながら、E形止め輪挿入工具100の各構成の詳細について説明する。図2は、実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100の分解斜視図である。以下に各部の詳細について説明する。
把持部材110は、長尺状の部材であり、弾性を有する金属板をプレス成型加工等することにより形成されている。金属板の材料は、例えば、鉄又は鉄を主成分とするステンレス等である。把持部材110は、把持部111、軸挟持部112、カム孔113、第1アーム部114、ガイド孔115、第6孔186、および第1軸161を有している。なお、上述の軸挟持部112、カム孔113、第1アーム部114、ガイド孔115が形成された部分は、第1挟持片117と称する。すなわち、把持部材110には、一端側に第1挟持片117が形成されている。
把持部111は、使用者がE形止め輪挿入工具100を操作する際に把持する部分であり、把持部材110の一方の端部に設けられている。把持部111は、例えば、樹脂、ゴム、又はエラストマ等により被覆されている。
軸挟持部112は、二股に分岐した一対の先端に作業対象である軸を挟持する機能を有している。軸挟持部112は、把持部111と反対側の端部に設けられている。軸挟持部112は、作業対象である軸の形状に沿うように、円弧形状の切欠きとなっている。これにより、軸挟持部112は、安定して軸を挟持することができる。
カム孔113は、一対の軸挟持部112の近傍にそれぞれ設けられている孔である。カム孔113はカム部を有し、開閉部材150が有するスライド軸153と係合する。すなわち、スライド軸153がカム孔113のカム部に係合することにより、一対の軸挟持部112は互いに近づくように変位し得る。また、カム孔113は第2挟持片140に嵌着された第7軸167が挿通されており、第7軸167はカム孔113に遊嵌している。
第1アーム部114は、把持部材110の中央部近傍から二股に分岐して長手方向に平行に延伸している。第1アーム部114が延伸した先は、把持部材110の先端部であり、かかる先端部は、軸挟持部112およびカム孔113を有している。第1アーム部114は、軸挟持部112が作業対象である軸を挟持するように変位する場合に湾曲し、且つ、軸挟持部112が所定の位置に復元する程度の復元力を有している。
ガイド孔115は、把持部材110の長手方向に延伸する長穴形状を呈しており、連結部材130が有する第3軸163が直動自在に係合している。ガイド孔115に係合する第3軸163は第2挟持片140の第3孔183に回動自在に挿通されている。また、第3軸163は中空孔184を有しており、かかる中空孔184には開閉部材150が有する第4軸164が回動自在に係合している。このように、連結部材130の第3軸163、第2挟持片の第3孔183、および開閉部材150の第4軸164は連結しており、ガイド孔115は、連結したこれらの部材が直動するように案内する。
第6孔186は、第6軸166が嵌着する。第6軸166はコイルばね199のフックと係合する。なお、第6軸166は図2に示すように別体として形成されたうえ第6孔186に嵌合されてもよいし、把持部材110を成形加工することにより一体となった軸として立設されてもよい。
第1軸161は把持部材110の中央部に立設された軸であり、操作部材の第1孔181に係合する。
操作レバー120は、主面が短尺部と長尺部とからなるL字形状を呈している板状の部材である。L字形状に伸びた2つの腕の内、長尺部に対して比較的に短い短尺部の端部近傍に第2孔182が穿設され、短尺部と長尺部の間の屈曲部分に第1孔181が穿設されている。また、第1孔181近傍の長尺部側において、把持部材110と厚み方向において一致するように段曲げ加工が施され、かかる段曲げ加工近傍より長尺部の先端にかけて操作部121が形成されている。操作レバー120は、金属板をプレス成型加工等することにより形成されている。
操作部121は、使用者がE形止め輪挿入工具100を操作する際に把持する部分である。操作部121は、例えば、樹脂、ゴム、又はエラストマ等により被覆されている。第1孔181は、把持部材110の第1軸161に回動自在に係合し、操作レバー120が回動する際の支点となる。第2孔182は、連結部材130の第2軸162と回転自在に係合する。
ここで、第2孔182の位置について説明する。図1において説明したように、操作レバー120は、第1軸161と係合する第1孔181を支点として操作部121が把持部111に近づいたり(方向A1)離れたり(方向A2)するように回動する。第2孔182は、操作部121が把持部111に近づく(方向A1)と、軸挟持部112に近づく方向(方向B1)に回動し、操作部121が把持部111から離れる(方向A2)と、軸挟持部112から離れる方向(方向B2)に回動するように設けられている。これにより、使用者が把持部111と操作部121とを互いに近付けるように操作すると、第2挟持片140および開閉部材150は、第2孔182に連結している連結部材130を介して、軸挟持部112に近づく方向に変位する。なお、第1軸161を支点として回動する方向A1および方向A2を、直動する方向B1およびB2に効率よく変換するために、第2孔182の変位軌跡が第1挟持片117の長手方向に沿うように設定するのが好ましい。
連結部材130は、長尺状の金属部材であり、一端に第2軸162を有し、他端に第3軸163を有している。第2軸162は操作レバー120の第2孔182に回転自在に係合している。第3軸163は第2挟持片140の第3孔183と把持部材110のガイド孔115に挿通し、開閉部材150の第4軸164に回動自在に係合している。
第2挟持片140は、第1挟持片117の主面にスライド可能に係合する長尺状の金属部材である。第2挟持片140は、第3孔183、第2アーム部142、第7孔187、および止め輪挟持部145を有する。第2挟持片140は、先端が二股に分岐し、分岐した一対の先端にそれぞれE形止め輪を挟持するための止め輪挟持部145が設けられている。
一対の止め輪挟持部145の近傍には、第7孔187がそれぞれ穿設され、第7孔187は第7軸167が嵌着している。第7軸は把持部材110のカム孔113と、開閉部材150の逃げ孔157に遊嵌するように挿通し、先端にフランジ部を有している。第7軸167が先端にフランジ部を有していることにより、かかるフランジ部と第2挟持片140とが把持部材110の第1挟持片117と開閉部材150とを挟み込んだ状態となっている。そのため、第1挟持片117と第2挟持片140とは接触した状態を維持し、同様に、第1挟持片117と開閉部材150とは接触した状態を維持する。
第2アーム部142は、操作レバー120の第3孔183近傍から二股に分岐して長手方向に平行に延伸している。第2アーム部142が延伸した先は、第2挟持片140の先端部であり、かかる先端部は、止め輪挟持部145および第7孔187を有している。第2アーム部142は、一対の止め輪挟持部145がE形止め輪を挟持する場合に互いに離れる方向に湾曲し、且つ、E形止め輪から離脱した場合には止め輪挟持部145が所定の位置に復元する程度の復元力を有している。
開閉部材150は長尺状の金属部材であって、開閉部材150の主面と第1挟持片117の主面とは互いに接触した状態となっている。また、開閉部材150は、第2挟持片140と係合し、第2挟持片140と共に第1挟持片117の長手方向に平行に変位する。また、開閉部材150は、把持部材110の軸挟持部112と操作レバー120の止め輪挟持部145とが互いに近づくにつれて、軸挟持部112の一対の先端を互いに近付ける機能を有している。開閉部材150は、一端側に、第1挟持片117の側に突出したスライド軸153を有し、スライド軸153の近傍に逃げ孔157を有している。スライド軸153は、第1挟持片117のカム孔113に係合する。逃げ孔157には、第7軸167が遊嵌した状態で挿通している。開閉部材150は、他端側に、把持部材110の側に突出し、連結部材130の第3軸163に係合した第4軸164を有している。また、開閉部材150は、第1挟持片117と接触する面と反対側の面に、コイルばね199のフックとなる第5軸165を有している。なお、第4軸164と第5軸165とは一体の軸であってもよい。
E形止め輪挿入工具100は、コイルばね199を有する。コイルばね199は、一方が把持部材110の第6軸166に係合し、他方が開閉部材150の第5軸165に係合している。コイルばね199は、引張コイルばねであり、第5軸165と第6軸166とが互いに近づく方向に付勢する。換言すると、コイルばね199は、第1挟持片117の軸挟持部112と第2挟持片140の止め輪挟持部145とが互いに離れる方向に付勢している。あるいは、コイルばね199は、把持部111と操作部121とが互いに離れる方向に付勢している。
次に、図3〜図8を参照しながら、E形止め輪挿入工具100が作業対象である軸にE形止め輪を挿入する動作について説明する。
まず、図3を参照しながら、E形止め輪挿入工具100の先端部の構造について説明する。図3は、実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100における先端部の構造を説明するための図である。図3は、理解を容易にするため、一部の構成を透過させて示している。
なお、以下に示す図面は、適宜、右手系xyz座標を示している。これらの右手系xyz座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。例えば、図3のz軸方向と図4以降に示した右手系座標のz軸方向とは一致している。
図3において、E形止め輪挿入工具100はz軸プラス方向からマイナス方向に向けて、第2挟持片140、第1挟持片117、および開閉部材150が重なっている。なお、開閉部材150はz軸マイナス側に位置するため第1挟持片117の背後に位置する。そのため、以降、xy平面視による図面においては、開閉部材150のスライド軸153及び逃げ孔157のみ点線で示すものとする。
図3において、E形止め輪挿入工具100はE形止め輪を挟持しておらず、且つ、外力を受けていない状態である。すなわち、第2挟持片140及び開閉部材150はコイルばね199によりy軸マイナス方向に付勢されている。
第2挟持片140の一対の止め輪挟持部145は、対向する部分の間隔が間隔w11である。間隔w11は、E形止め輪の外径よりも小さく、止め輪挟持部145がE形止め輪を挟持すると、間隔w11は若干大きくなるように設定されている。第7軸167は、逃げ孔157に遊嵌しており、軸間距離w21が大きくなる方向に逃げ孔157との隙間が設けられている。なお、第7軸167はカム孔113にも遊嵌している。
第1挟持片117の一対の軸挟持部112は、作業対象である軸の形状に沿うように、円弧形状の切欠きとなっており、対向する先端部の間隔が間隔w01である。間隔w01は、作業対象である軸が挿入できる程度に設定されている。
第1挟持片117の一対のカム孔113は、第1挟持片117の長手方向であるy軸方向にそれぞれ延伸するとともに、対向する側の中央部は互いに近づく方向に滑らかに形成された切欠き形状を呈している。スライド軸153は、かかる切欠き形状の先端側であるy軸プラス方向の斜面部113aに係合するように配置されている。また、第7軸167は、スライド軸153よりもy軸マイナス方向において遊嵌している。
次に、図4を参照しながら、止め輪挟持部145がE形止め輪を挟持した状態から作業対象である軸に近付ける操作について説明する。図4は、実施の形態1にかかる第2挟持片140がE形止め輪を挟持している状態の図である。
図4に示すように、止め輪挟持部145は、E形止め輪800の外径円周の半分以上に亘って挟持している。この状態において、一対の止め輪挟持部145の間隔w12は、E形止め輪800を挟持しているため互いに離間する方向に若干拡げられている。つまり、E形止め輪挿入工具100がE形止め輪800を挟持している状態において、一対の止め輪挟持部145は、第2アーム部142が弾性域において変形することにより、間隔w11よりも大きい間隔w12に拡がっている。換言すると、一対の止め輪挟持部145は、第2アーム部142が有する弾性力(復元力)により止め輪挟持部145が互いに近づきあう方向F1に付勢される。そして、この力により、第2挟持片140は、E形止め輪800をE形止め輪の平面と平行な方向において挟持する。
第2挟持片140がE形止め輪を挟持している状態において、第1挟持片117は、第2挟持片140の止め輪挟持部145よりもE形止め輪の内径側に延在する止め輪保持部116を有している。これにより、E形止め輪挿入工具100は、E形止め輪800がz軸マイナス方向に脱落するのを抑制している。
次に、図5を参照しながら止め輪挟持部145について詳細を説明する。図5は、実施の形態1にかかる第2挟持片140がE形止め輪を挟持している状態の断面図である。図5は図4の線分Vにおける断面を示している。
まず、溝部146について説明する。図5に示すように、止め輪挟持部145は、V字状の溝部146を有している。溝部146の斜面は、E形止め輪800の主面に対して90度未満の任意の角度G1を有している。溝部146は、E形止め輪800の外形の角部801aに沿った稜線と、角部801bに沿った稜線とにそれぞれ当接している。また、図4において説明したように、一対の止め輪挟持部145は、互いに近づく方向G2に付勢されている。したがって、方向G2の弾性力(復元力)は、角度G1を有する溝部146の斜面に対して垂直な方向G2の力に変換される。そのため、止め輪挟持部145は、E形止め輪800の主面に垂直な方向、あるいは、E形止め輪800の厚み方向において、E形止め輪800の脱落を抑制し、E形止め輪800を挟持することができる。尚、溝部146の形状はV字状に限らず、U字状であっても構わない。
続いて、止め輪挟持部145の厚さについて説明する。図5に示すように、第2挟持片140は、厚さG3の板状部材である。厚さG3は、具体的には、例えば、E形止め輪800の厚みG2プラス0.3〜0.5ミリメートル程度である。すなわち、第2挟持片140がE形止め輪800を挟持した状態において、E形止め輪800の主面と、第2挟持片140の主面とのz軸方向の段差はおよそ0.15〜0.25ミリメートル程度となる。
なお、第2挟持片140の2つの主面の内、第1挟持片117と接触している面と反対側であって、第2アーム部142より先端側の面を、面140aとして示している。面140aは、z軸プラス方向に凸部を有さない。これにより、E形止め輪挿入工具100は、E形止め輪挿入工具は、作業の自由度が向上する。
図4に戻り説明を続ける。E形止め輪挿入工具100の第2挟持片140がE形止め輪800を挟持すると、使用者は、E形止め輪挿入工具100が挟持するE形止め輪800が軸900の溝部に近付くように、E形止め輪挿入工具100を移動させる。E形止め輪800を軸900に挿入するに際し、使用者は、一対の軸挟持部112の間隔w01の隙間に軸900を通過させ、軸挟持部112を軸900に挿入する。なお、このとき使用者は把持部111と操作部121とを近付ける操作を行っていない。したがって、第2挟持片140はy軸マイナス方向に付勢された状態である。使用者は、この状態を維持しつつ、E形止め輪800を端部が軸900の溝部に近接するようにE形止め輪挿入工具100を移動させる。
次に、図6を参照しながら、E形止め輪800を軸900に挿入する状態を説明する。図6は、実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100が軸にE形止め輪を挿入する途中の状態を説明するための図である。
使用者は、E形止め輪800が軸900に当たる位置までE形止め輪挿入工具100を移動させると、次に、把持部111と操作部121とを握ることにより、把持部111と操作部121とを互いに近付ける操作を行う。把持部111と操作部121とを近付ける操作を行うことにより、連結部材130は、操作レバー120の回転方向の変位を第2挟持片140及び開閉部材150の直動方向の変位に変換する。したがって、スライド軸153は、斜面部113aをy軸プラス方向へ進む。すると、第1挟持片117のカム孔113は、スライド軸153に押されて、互いに近づく方向F3に変位する。つまり、第2挟持片140がスライドすることにより軸挟持部112と止め輪挟持部145とが互いに近づくにつれて、開閉部材150のスライド軸153は一対の軸挟持部112の先端を互いに近づける。これにともない、一対の軸挟持部112は互いに近づくように変位し、先端部の間隔は、間隔w02になる。その結果、軸挟持部112は、作業対象である軸900を挟持する。
軸挟持部112が軸900を挟持した後も、使用者は、把持部111と操作部121とを互いに近付ける操作を継続する。すると、スライド軸153はカム孔113の斜面部113aを越えて、直線部113bに係合する。この状態において、第1挟持片117の軸挟持部112は軸900を挟持し続ける。軸挟持部112が軸900を挟持し続けたまま、止め輪挟持部145は、E形止め輪800を軸900の溝部に押し当てる方向F4へ進む。すると、E形止め輪の開口部は自らの弾性力により軸900の溝部の外径に沿って拡がりながらy軸プラス方向へ進む。また、止め輪挟持部145も、E形止め輪800の外径の拡がりに合わせて変形する。図6に示すように、E形止め輪の開口部が軸900の溝部の外径に乗り上げた状態において、一対の止め輪挟持部145の間隔は、間隔w12より大きい間隔w13である。
次に、図7を参照しながらE形止め輪挿入工具100がE形止め輪の挿入を完了した状態を説明する。図7は、実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100が軸にE形止め輪の挿入を完了した状態を説明するための図である。
使用者が、把持部111と操作部121とを互いに近付ける操作を継続することにより、E形止め輪800はy軸プラス方向へ進み、E形止め輪800の開口部は、軸900の溝部の外径を乗り越える。E形止め輪800が軸900の溝部の外径を乗り越えると、E形止め輪800は、自らの復元力により開口部を閉じる方向へ変形する。このようにして、E形止め輪800は軸900に対して挿入完了された位置に落ち着く。このとき、一対の止め輪挟持部145の間隔は、間隔w12である。
次に、図8を参照しながら、E形止め輪の挿入を完了したE形止め輪挿入工具100を離脱させる動作について説明する。図8は、実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100がE形止め輪から離脱する状態を説明するための図である。
使用者は、把持部111と操作部121とを握る力を緩め、把持部111を保持したまま、操作部121を把持する力を解除する。すると、第2挟持片140および開閉部材150は、コイルばね199の付勢力により、y軸マイナス方向すなわち方向F6へ変位する。
このとき、軸900に挿入されたE形止め輪800が軸900に留まろうとする力は、止め輪挟持部145がE形止め輪800を保持する力よりも強い。そのため、E形止め輪800は、軸900に挿入された状態を維持する。つまり、第2挟持片140は、E形止め輪800を軸900に残してE形止め輪800から離脱する。図8に示した第2挟持片140は、コイルばね199の付勢力により方向F6へ変位した状態である。第2挟持片140はE形止め輪800から離脱したため、図3において説明した状態と同じ状態に戻っている。つまり、一対の止め輪挟持部145の間隔は、間隔w11であり、一対の第7軸167は軸間距離w21となっている。
開閉部材150が有しているスライド軸153は、第2挟持片140と連動して方向F6に移動する。そして、スライド軸153は、カム孔113の直線部113bを越えて、斜面部113aと係合する。スライド軸153が斜面部113aと係合すると、第1挟持片117の一対の軸挟持部112は、第1アーム部114の復元力により、互いに離れる方向F5に変位する。そのため、一対の軸挟持部112の先端部は間隔w01となる。
図8に示した第1挟持片117は、第1アーム部114の復元力により方向F5へ変位した状態である。このように、一対の軸挟持部112の先端が間隔w01に拡がることにより、使用者は、E形止め輪挿入工具100を軸900から容易に取り外すことができる。
以上に説明したように、止め輪挟持部145がE形止め輪800を挟持した後は、使用者は、E形止め輪800を軸900の溝部に近付け、把持部111と操作部121とを近付けるように操作することにより、E形止め輪800を軸900に容易かつ確実に挿入することができる。つまり、E形止め輪挿入工具100は、E形止め輪800を軸900に挿入する前に、一対の軸挟持部112により、作業対象である軸900を挟持する。そのため、E形止め輪挿入工具800は、軸に対するラジアル方向の負荷を軽減し、安定した状態においてE形止め輪を挿入することが出来る。また、使用者は、E形止め輪800を軸900に挿入した後は、操作部121を解除し、E形止め輪挿入工具100を軸900から引き抜くことにより、E形止め輪挿入工具100を軸900から容易に離脱させることができる。さらに、実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100を用いてE形止め輪を挿入した場合、E形止め輪が軸に完全に挿入されたことを確認する作業は、不要となる。このように、実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100は、E形止め輪を挿入する一連の作業を安定的に行うことができ、挿入工具を使用する使用者の負荷を軽減することができる。
<実施の形態2>
次に、図9および図10を参照しながら、実施の形態2について説明する。図9は、実施の形態2にかかるE形止め輪挿入工具200の概観図である。実施の形態2にかかるE形止め輪挿入工具200は、把持部の形態が実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100と異なる。実施の形態2にかかるE形止め輪挿入工具200は、実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100に対して比較的小型のE形止め輪に対して好適であり、ステープラと類似の使用態様を成すものである。E形止め輪挿入工具200は、把持部材210、操作レバー220、連結部材130、第2挟持片140、及び開閉部材150を主な構成として有している。
把持部材210は板状の部材であって、一端側において第1挟持片117を有している。第1挟持片117は、長尺状であって、二股に分岐した一対の先端に作業対象である軸を挟持するための軸挟持部112が設けられている。また、第1挟持片117は、第2挟持片140及び開閉部材150と係合している。
把持部材210は、第1挟持片117が設けられている側とは反対側に、把持部211を有している。また、把持部材210は、かかる第1挟持片117と把持部211との間の部分である中間部において第1軸161を有している。把持部211は、第1軸161に対して回転対称になるように、長尺状の第1挟持片117と平行に延在し、一方の端部である先端部211eは、第1挟持片117と第1軸161との間の所定の位置まで延びている。また、把持部211のもう一方の端部は、第1軸161を囲むようにU字状に形成されている。把持部211の形状および大きさは、このような形状を呈していることにより、使用者が手のひらで把持部211を包み込むように把持し易いように設定されている。
操作レバー220は、一方の端部側が第1軸161により回動自在に軸支されている。また、操作レバー220は、他方の端部側に、操作部221を有している。操作部221は、第1軸161近傍から第1挟持片117と90度以内の所定の角度Yを成すように延伸している。角度Yは、例えば40度である。E形止め輪挿入工具200は、使用者が親指以外で把持部211を把持し、親指を使って操作部221を操作することができるように形成されている。把持部211および操作部221は、使用者が操作し易い長さであることが好ましい。このように、実施の形態2にかかるE形止め輪挿入工具200の操作レバー220は、回動支点である第1軸161よりも、E形止め輪挿入工具200の先端側に延在する。
第2挟持片140、開閉部材150、連結部材130の構成は、実施の形態1にかかるE形止め輪挿入工具100と同様である。
上述した構成により、E形止め輪挿入工具200は、次のように動作し得る。操作レバー220は、把持部211の先端部211eと操作部221の先端部221eとが互いに近づく方向A1に回動する。操作レバー220が方向A1に回動すると、連結部材130は操作レバー220の変位を第2挟持片140および開閉部材150に伝達する。これにより、第2挟持片140及び開閉部材150は、把持部材110の長手方向に平行且つ軸挟持部112に近づく方向B1に変位する。第2挟持片140及び開閉部材150が方向B1に変位するにつれて、一対の軸挟持部112は互いに近づく方向C1及び方向D1に変位する。
一方、E形止め輪挿入工具200は、次のようにも動作し得る。操作レバー220は、把持部211の先端部211eと操作部221の先端部221eとが互いに離れる方向A2に回動する。操作レバー120が方向A2に回動すると、連結部材130は操作レバー120の変位を第2挟持片140および開閉部材150に伝達する。これにより、第2挟持片140及び開閉部材150は、把持部材110の長手方向に平行且つ軸挟持部112から離れる方向B2に変位する。第2挟持片140及び開閉部材150が方向B2に変位するにつれて、一対の軸挟持部112は互いに離れる方向C2及び方向D2に変位する。
次に、図10を参照しながら、E形止め輪挿入工具200の各構成の詳細について説明する。図10は、実施の形態2にかかるE形止め輪挿入工具200の分解斜視図である。以下に各部の詳細について説明する。
把持部材210は、板状の部材であり、弾性を有する金属板をプレス成型加工等することにより形成されている。把持部材110は、実施の形態1において説明した把持部材110と同様に、一端側に第1挟持片117が形成されており、中間部に第1軸161を有し、第1軸161の近傍に、コイルばね199と係合する第6軸166を有している。しかしながら、E形止め輪挿入工具200における把持部材210は、把持部の形状が実施の形態1において説明した把持部材110と異なる。
把持部211は、図9を参照しながら説明したように、第1軸161に対して回転対象になるように、長尺状の第1挟持片117と平行に延伸し、一方の端部は、第1挟持片117と第1軸161との間の所定の位置まで延びている。また、把持部211のもう一方の端部は、第1軸161を囲むようにU字状に形成されている。また、把持部211は、使用者が把持し易い程度に、把持部材210の主面となっている金属板の端部を樹脂、ゴム、又はエラストマ等によって被覆することにより形成される。図10に例示する把持部211は、把持部材210の主面の端部を覆い、且つ、かかる主面の両側の垂直方向に所定の幅(例えば1センチメートル程度)をもって帯状に立設されている。
操作レバー220は、主面がL字形状を呈している板状の部材である。L字形状に伸びた2つの腕の内、一方側の端部近傍に第2孔282が穿設され、屈曲部分に第1孔281が穿設されている。また、かかる屈曲部近傍から第2孔282が穿設されている側の反対側の先端にかけて操作部221が形成されている。操作レバー220は、金属板をプレス成型加工等することにより形成されている。
操作部221は、使用者がE形止め輪挿入工具200を操作する際に直接触れる部分であり、主面の垂直方向に面を形成するように設けられている。操作部221は、例えば、樹脂、ゴム、又はエラストマ等により被覆されている。図10に例示している操作レバー220は、使用者の親指が操作部221を押すことにより動作することを想定して形成されている。そのため、図10に例示する操作部221は、親指の腹部を乗せると程よく馴染むような凹面形状を呈している。第2孔282の位置については、実施の形態1において説明したように、第2孔282の変位が第1挟持片117の長手方向に沿うように設定するのが好ましい。
E形止め輪挿入工具100は、E形止め輪800を軸900に挿入する前に、一対の軸挟持部112により、作業対象である軸900を挟持する。そのため、E形止め輪挿入工具100は、E形止め輪800を挿入する際の、軸900に対するラジアル方向の負荷を軽減させることができる。したがって、E形止め輪挿入工具800は、小径のE形止め輪や軸に対して使用する場合に、軸の変形を防ぎ、安定した状態においてE形止め輪を挿入することが出来る。以上の構成により、実施の形態2にかかるE形止め輪挿入工具200は、実施の形態1の場合と比較して、小径のE形止め輪を軸に挿入する際に、一連の作業を安定的に行うことができ、挿入工具を使用する使用者の負荷を軽減することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、開閉部材150が有するスライド軸153と第1挟持片117が有するカム孔113とは、開閉部材150がカム孔113を有し、第1挟持片117がスライド軸を有してもよい。つまり、開閉部材150および第1挟持片117は、いずれか一方がスライド軸を有し、他方がカム孔113を有するように構成してもよい。
100 輪挿入工具
110 把持部材
111 把持部
112 軸挟持部
113 カム孔
114 第1アーム部
115 ガイド孔
116 輪保持部
117 第1挟持片
120 操作レバー
121 操作部
130 連結部材
140 第2挟持片
142 第2アーム部
145 輪挟持部
146 溝部
150 開閉部材
153 スライド軸
200 輪挿入工具
210 把持部材
211 把持部
220 操作レバー
221 操作部

Claims (10)

  1. 作業対象である軸に対してラジアル方向からE形止め輪を挿入するE形止め輪挿入工具であって、
    二股に分岐した一対の先端に前記軸を挟持するための軸挟持部が設けられている第1挟持片と、
    前記第1挟持片の主面にスライド可能に係合する平板の先端が二股に分岐し、前記分岐した一対の先端にそれぞれE形止め輪を挟持するための止め輪挟持部が設けられている第2挟持片と、
    前記第2挟持片がスライドすることにより前記軸挟持部と前記止め輪挟持部とが互いに近づくにつれて、前記軸挟持部の一対の先端を互いに近づける開閉部材と、を備える、
    E形止め輪挿入工具。
  2. 前記軸挟持部は円弧形状の切欠きを有する、
    請求項1に記載のE形止め輪挿入工具。
  3. 前記第1挟持片と前記開閉部材とは、いずれか一方がカム孔を有し、他方が前記カム孔に係合する突起を有する、
    請求項1または2に記載のE形止め輪挿入工具。
  4. 前記止め輪挟持部は、V字状又はU字状の溝が形成されており、前記E形止め輪の表面に沿った外形の稜線と、裏面に沿った外形の稜線とを、それぞれ保持する、
    請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のE形止め輪挿入工具。
  5. 前記第1挟持片は、前記第2挟持片がE形止め輪を挟持している状態において、前記止め輪挟持部よりも前記E形止め輪の内径側に延在する止め輪保持部を有する、
    請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の、E形止め輪挿入工具。
  6. 前記第1挟持片の前記軸挟持部と前記第2挟持片の前記止め輪挟持部とが互いに離れるように付勢する弾性体を有する、
    請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の、E形止め輪挿入工具。
  7. 一端側に前記第1挟持片が形成され、他端側に把持部が形成されている把持部材と、
    操作部を有し、前記把持部材に摺動可能に係合し、且つ前記第2挟持片と連動する操作部材と、をさらに備える、
    請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の、E形止め輪挿入工具。
  8. 前記把持部材と前記操作部材とは互いに回動自在に軸支され、前記把持部と前記操作部とを互いに近付けるように摺動させることにより前記軸挟持部と前記止め輪挟持部とが互いに近づく、
    請求項7に記載の、E形止め輪挿入工具。
  9. 一端が前記操作部材に係合し、他端が直動方向にスライドする前記第2挟持片に係合し、前記操作部材の回動方向の変位と前記第2挟持片の直動方向の変位とを変換する連結部材をさらに有する、
    請求項8に記載の、E形止め輪挿入工具。
  10. 前記第2挟持片の一方の主面側は、前記第1挟持片と接触し、前記第2挟持片の他方の主面側の前記分岐した一対の先端部分は、凸部を有さない、
    請求項1〜9のうちいずれか一項に記載のE形止め輪挿入工具。
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