JP2019115246A - モーターの逆トルクを発生させる高調波ノイズの低減化の方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 日本においては電力使用量の55%がモーターに使用されており、その使用量低減化することが望まれている。【解決手段】 モーターの構造上から発生する高調波ノイズの中で、逆トルクを発生させるものがある。これを低減化できれば回転効率が向上するので省エネができると期待できる。この逆トルクを発生させる高調波ノイズの次数はスロットの数から1を引いた次数のノイズであることが分かっている。しかし、その周波数はモーターの回転数に依存している。モーター単独の場合はその周波数は一つであるので対応は簡単であるが、トランスには多数のモーターが接続されているので、その総合での対応が必要になる。そのために名本かの周波数での強度および位相情報を取得し、最適な位相を求めて投入する。これにより100%の期待はできないものの50%程度の期待値が実現できた。
Description
日本においては、総電力使用量の中の55%がモーターに使用されており、その電力使用量の低減化が必要とされている。しかしながらモーターそれ自体の使用を停止するということは事実上不可能であり、むしろその数は増加傾向にあるので、モーターの効率化が必要とされている。
モーター自体の効率化の一つに、モーターの省エネという方法があるが、その中の一つの手段として、モーターの発生するノイズの中に回転方向とは逆の作用をする、すなわち逆トルクを発生させる高調波ノイズが存在するので、これを低減化することによって効率を上げるという方法が考えられる。
三相交流電力でモーターを駆動する場合、そのモーターの種類としては、主としてインダクションモーターとインバーター方式のモーターである。
モーターに負荷がかかった場合にはモーターの回転数は低下することになるが、その割合はインダクションモーターではその量は少ないが、インバーター方式のモーターではその量は10%程度になる。
モーターが発生する高調波ノイズの主なものは、固定子のスロットの数に依存する。スロットの数は三相電力を使用する場合には6の倍数であり、すなわち12、18、24、30、36等となっているが、その数に依存するノイズの中で、スロットの数から1を引いた次数のノイズが逆トルクを発生させることが分かっており、すなわち11、17、23、29、35の次数のノイズがそれに相当する。
このような検討はすでになされており、特開2015−126678においてスロットの数から1を引いた次数のノイズを低減化することによってモーターの省エネが実現できるということが提起されている。
しかしながらこの特許では、無負荷の状態で、すなわち理想的な状態での議論はされているが、実際にモーターが稼働している状態での議論、すなわち滑りが発生し回転速度が低下する状態での現象については全く無視されているので実用性が著しく乏しいことになっている。
特開2015−126678
一つのトランスには、複数のモーターが接続されているのがほとんどの場合であり、100台を超える数のモーターが接続されていることもある。この場合、モーターにかかる負荷は多種多様であり、従って滑りの量もいろいろであって、回転数低下の量もバラバラであることは疑いない。
トランスから見たときには、それぞれのモーターの回転数はある分布を持つことになり、従って削減したい周波数のノイズも分布を持つことになる。更に、このノイズの位相もバラバラであり、単一のものではない。
単一のモーターを取り扱う場合には、その発生されているノイズを測定し、その周波数と同一の、しかも逆位相の信号を付加することによってモーターの効率化が図れる。すなわち効果的に逆トルクを発生させるノイズを消去できるので、その効果は100%期待できる。
これに対して、沢山の数のモーターが接続されている場合に、それらを一括して処理したい場合には、単一のモーターの場合とは異なった対応が必要になる。すなわち各モーターから発せられるノイズの周波数は分布を持ち、しかもその位相はバラバラであるので単一のモーターの場合のように狙い通りの信号で処理するということは出来ない。
この場合にはある周波数分布を持った信号を投入することになる。
ある周波数の信号について、この周波数のノイズを出しているモーターが多数ある場合、しかもそこからでているノイズの位相が完全にランダムである場合、位相が0度のものと180度のものがありその強度も等しい場合にはお互いにキャンセルする関係になるので、自動的に省エネが実現していることになり、この場合は高調波ノイズの低減化の必要がないことになる。
しかしながら、この逆位相の信号の強度が異なっていれば完全な消去状態は実現できないし、完全にランダムであるという仮定が成立していない場合には高調波ノイズの低減化が必要になる。
観測されるノイズは、多数のモーターの総合した信号であるので、ある周波数を固定して考えた場合に位相情報は一つになる。これを測定することが必然になる。
このように幾つかの周波数で測定された位相データに基づいて、最適な位相を決定して高調波信号を作製することによってノイズを低減化する。この場合、効果として100%は実現できないが、最大効率が図れるように位相を選択する。
加える17次の高周波の分布は例えば820から850Hzの分布を持った信号とするが、場合によって変更することもありえ、また他の次数のノイズ、11次、23次、29次のノイズについても同様な分布を持った信号を作製して投入することになる。
このような検討の結果として作製した信号発生器を作製し、実際に使用することによって電力使用量の削減ができることを確認した。
あるトランスのノイズの測定を行ない、適切な位相情報として120度とのデータが得られたので、その情報に合わせた信号を供給したところ、8.3%の省エネが実現できた。
別のトランスでのノイズの測定を行ない、位相情報として95度とのデータが得られ、それに合わせた信号を供給したところ、5.6%の省エネが実現できた。
電力使用量の低減化はいろいろな意味で期待されている。この技術はそれを実現するものであり、産業上のみならず経済全体にも大きな役割を持つことになる。
Claims (4)
- モーターの駆動時に発生する高調波ノイズを低減化することによってモーター寿命を向上させ、さらに消費電力を低減化することを特徴とするモーターの逆トルクを発生させる高調波ノイズの低減化の方法。
- 単一のモーターにおいてそのモーターから発生する逆トルクを発生させる高調波ノイズについては、その高調波ノイズを検出してその周波数と位相を測定した後に、同一周波数で逆位相の信号を作りだして回路に投入することによってノイズを消去し消費電力を低減化することを特徴とする請求項1に記載のモーターの逆トルクを発生させる高調波ノイズの低減化の方法。
- 一つのトランスには数多くのモーターが接続されているので、これを一括してその逆トルクを発生させるノイズを完全に消去することは出来ないが、各モーターから発生しているノイズは一定の周波数の範囲にまとまっているので、その周波数領域の幅の信号を回路に投入することによって、ノイズを消去して消費電力を低減化することを特徴とするモーターの逆トルクを発生させる高調波ノイズの低減化の方法。
- ノイズの測定に基づいた位相情報を基に、最適になる位相を選択して消去用の高調波信号を作製して投入することを特徴とするモーターの逆トルクを発生させる高調波ノイズの低減化の方法
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JP2017255372A JP2019115246A (ja) | 2017-12-21 | 2017-12-21 | モーターの逆トルクを発生させる高調波ノイズの低減化の方法 |
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JP2017255372A Pending JP2019115246A (ja) | 2017-12-21 | 2017-12-21 | モーターの逆トルクを発生させる高調波ノイズの低減化の方法 |
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