次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る電流検出装置1の構成について、図1〜図7を参照して具体的に説明する。
電流検出装置1は、図1及び図4に示すように、主要構成部品として、コア2,ホール素子3,ケース4及びアースプレート6を備える。この場合、ケース4は、ケース本体部4mと素子保持ソケット部4sの組合わせにより構成するとともに、さらに、ケース本体部4mは、収容部4mhと蓋部4mcを備える。
コア2は、図4に示すように、磁性材により全体形状をC形に構成、即ち、O形の磁性ブロックの中途に、後述するホール素子3を収用可能なギャップ2gを設けたものであり、例示のコア2は、十枚前後の珪素鋼板を積層して構成したものである。
ホール素子3は、磁界中に挿入することにより、磁束密度に比例したアナログ電圧を出力するホール効果を利用した素子であり、例示のホール素子3は、図5に示すように、偏平な直方体状の素子本体3mの一側面から突出した三本の接続リード3a,3b,3cを備えている。
ケース4は、図1に示すように、収容部4mh,蓋部4mc及び素子保持ソケット部4sの三つのケース部品により構成し、いずれも合成樹脂素材により一体成形することができる。
収容部4mhは、前面部(図1中、上面)を開口部4pとした全体が偏平となる直方体形に形成する。この場合、収容部4mhを構成する背面部21の中央位置には、図7に示すバスバーBを挿通させる矩形筒形の内面仕切部22を一体形成する。この内面仕切部22は、収容部4mhの背面部21から内部に突出するとともに、両端を開口形成する。したがって、内面仕切部22は、収容部4mhに収容したコア2に対してその内面を覆う遮蔽機能を備える。
また、収容部4mhを構成する底面部23の中央位置には、ホール素子3を収容する、外面から窪ませた矩形凹形の底面仕切部24を一体形成する。この底面仕切部24は、底面部23から収容部4mhの内部に突出するとともに、背面部21側は閉塞形状に形成する。したがって、この底面仕切部24は、収容部4mhに収容したコア2に対して、ギャップ2gを形成するコア2の端面を覆う遮蔽機能を備え、底面仕切部24の内側空間には、外部からホール素子3を収容することができる。
さらに、底面部23の外面であって、底面仕切部24の両側位置には、矩形板状に形成した一対の脚部25p,25qを一体形成する。一対の脚部25p,25qは、底面部23の外面から直角方向に突出し、図7に示すように、電流検出装置1を実装基板Pに取付けた際にはその取付高さを規制するとともに、後述する素子保持ソケット部4sを保持する保持機能を兼用する。
なお、図4に示すケース4(収容部4mh)は、左右一対の側面部27,28の外面に、後述するケース取付部14…を一体形成した変更例を示すとともに、図1に示すケース4(収容部4mh)は、このケース取付部14…を設けない基本形態を示している。
蓋部4mcは、図1に示すように、一枚の平坦なプレート部材として形成し、収容部4mhの開口部4pを閉塞する機能を備える。蓋部4mcの中央位置には、内面仕切部22の開口を露出させる矩形状の内開口部29を形成するとともに、蓋部4mcの内面には、四つの係止爪部31…を形成する。この場合、収容部4mhにおける各側面部27,28には、それぞれ離間した一対の窓孔部32…を形成するとともに、各側面部27,28の内面には、図4に示すように、上端から窓孔部32…に至るチャンネル状のガイドレール部33…を形成する。したがって、四つの係止爪部31…は、蓋部4mcの内面から直角方向へそれぞれ突出させ、四つの窓孔部32…に対応する位置にそれぞれ形成する。
これにより、図6に示すように、蓋部4mcの各係止爪部31…を、収容部4mhのガイドレール部33…に沿って挿入すれば、蓋部4mcが収容部4mhの開口部4pを閉塞する位置で、各窓孔部32…に各係止爪部31…が係止し、蓋部4mcは収容部4mhに固定され、離脱が阻止される。一方、図6に仮想線で示すように、外部からマイナスドライバ等の治具を窓孔部32に差し込むことにより係止爪部31を押して弾性変形させれば、窓孔部32と係止爪部31の係止を解除することができ、収容部4mhから蓋部4mcを離脱することができる。即ち、蓋部4mcにより、収容部4mhの開口部4pを閉塞又は開放することができる。なお、図中、4mcpは、収容部4mhへ装着した際に、後述する素子保持ソケット4sを保持して抜けを阻止するカセット保持部となる。
素子保持ソケット部4sは、図2及び図5に示すように、長方形板状のベース部41を備え、このベース部41の両側をスライド部41p,41qとして機能させる。このため、前述した一対の脚部25p,25qの相対向する面には、図1に示すように、底面部23に対して平行となるガイド凸条部51p,51qをそれぞれ一体形成し、底面部23と各ガイド凸条部51p,51qにより、スライド部41p,41qをガイドする係合レール部52p,52qをそれぞれ設ける。なお、脚部25pと25q間であって、ガイド凸条部51p,51qの位置までは背面部21を延出形成し、ベース部41を係合レール部52p,52qに挿入した際のストッパ面部53として機能させる。
また、脚部25pと25q間における底面部23には、離間した一対のスリット部54p,54qを、係合レール部52p,52qに対して平行に形成するとともに、スリット部54p,54qの端部に位置するストッパ面部53には、スリット部54p,54qの断面とほぼ同一形状の規制孔部55p,55qを形成する(図3)。この場合、一対の規制孔部55p,55qの位置は左右の非対称位置を選定する。一方、ベース部41の一面側には、当該スリット部54p,54qに係合する係合凸条部42p,42qを、スライド部41p,41qに対して平行に設けるとともに、係合凸条部42p,42qのストッパ面部53側は、図5及び図6に示すように、規制孔部55p,55qに挿入する規制凸部42ps,42qsとして突出形成する。このため、係合凸条部42p,42qの位置は、規制孔部55p,55qの位置に一致させる。これにより、ベース部41(素子保持ソケット部4s)の向きを反対にした挿入ができなくなり、誤挿入が回避される。さらに、ベース部41の他面、即ち、係合凸条部42p…を設けた面に対して反対側の面には、このベース部41よりも幅の狭い規制段部43を一体形成する。これにより、規制段部43の両側は、図3に示すように、ガイド凸条部51p,51qに係合する。
一方、ベース部41の内面(係合凸条部42p…を設けた面)における中間位置には、図2及び図5に示すように、凹所44を形成し、この凹所44内に、予め設定した規定位置Xa,Xb,Xcに対応する三つのリード挿通孔11a,11b,11cを形成する。例示する規定位置Xa,Xb,Xcは、図1に示すように、使用するホール素子3の接続リード3a,3b,3cに対応した三個所であり、それぞれ三角形の頂点位置として選定している。このような凹所44を設けるため、図2に示すように、ベース部41の外面側には、リード挿通孔11a,11b,11cの形成部位を確保し、かつ挿通させた接続リード3a,3b,3cに対する保持長さが一定の長さを確保できるように、保持段部45を形成する。
これにより、ホール素子3における三本の接続リード3a,3b,3cを導出可能な素子保持ソケット部4sが構成される。この素子保持ソケット部4sは、ケース4の一部となり、ケース本体部4mを構成する収容部4mhに対して着脱可能となる。また、リード挿通孔11a,11b,11cは、接続リード3a,3b,3cを、予め設定した規定位置Xa,Xb,Xcから直接導出させるリード導出部5として構成される。
このように、ケース4を構成するに際し、三本の接続リード3a,3b…がそれぞれ挿通する、規定位置Xa,Xb…に形成したリード挿通孔11a,11b…を有するリード導出部5を設けた素子保持ソケット部4sと、この素子保持ソケット部4sが着脱するケース本体部4mにより構成すれば、ホール素子3を変更した電流検出装置1を製作したり、メンテナンス等によりホール素子3を交換する場合であっても、電流検出装置1の全体の変更或いは電流検出装置1を取付けた実装基板全体を交換することなく、ケース本体部4mから素子保持ソケット部4sを離脱し、素子保持ソケット部4sに支持されるホール素子3のみを交換すれば足りるため、設計やメンテナンス等における不必要な無駄を排除でき、ランニングコストの低減に寄与できる利点がある。
また、リード導出部5を構成するに際して、素子保持ソケット部4sに、リード挿通孔11a,11b…を直接貫通形成したため、最もシンプルな形態として実施でき、素子保持ソケット部4sの成形時にリード挿通孔11a,11b…も同時に一体成形できるなど、実施の容易性及び低コスト性に寄与できるとともに、接続リード3a,3b…の位置決めに対する確実性も容易に確保できる。
アースプレート6は、図4に示すように、導電性金属素材を用いた一枚のプレート部材により形成する。このアースプレート6は、コア2の一端面を覆う遮蔽板部6sと、この遮蔽板部6sの底部側から延出させた一対のアース端子板部6p,6qを有する。なお、6c…は、遮蔽板部6sにおける外縁の三個所からほぼ直角に折曲形成し、コア2の周面に係合する係合板部である。
次に、本実施形態に係る電流検出装置1の組立方法及び実装方法、更には、要部機能について、図1〜図7を参照して説明する。
最初に、電流検出装置1の組立方法について説明する。図5(a)は、使用するホール素子3であり、使用前における部品としての基本形態を示す。したがって、偏平な直方体状の素子本体3m及びこの素子本体3mから突出した三本の直線状の接続リード3a,3b,3cを有している。
まず、ホール素子3を素子保持ソケット部4sに装着する。具体的には、図5(b)に示すように、一方端位置における接続リード3aを、素子保持ソケット部4sの一方端位置の規定位置Xaに設けたリード挿通孔11aに凹所44側から挿入するとともに、中間位置における接続リード3bを、素子保持ソケット部4sの中間位置の規定位置Xbに設けたリード挿通孔11bに凹所44側から挿入し、さらに、他方端位置における接続リード3cを、素子保持ソケット部4sの他方端位置の規定位置Xcに設けたリード挿通孔11cに凹所44側から挿入する。図2は、素子保持ソケット部4sにホール素子3を装着した状態のアセンブリA1を示す。
一方、図4に示すように、コア2を、ケース本体部4mの収容部4mhに収容するとともに、さらに、アースプレート6を、収容部4mhに収容する。この状態のアセンブリA2を図1に示す。
そして、図1に示すように、アセンブリA1をアセンブリA2に組付ける。この場合、アセンブリA1における素子保持ソケット部4sのスライド部41p,41qを、収容部4mhの係合レール部52p,52qに対して、スライド挿入することにより収容することができる。これにより、図3に仮想線で示すアセンブリA1のように、ホール素子3における素子本体3mは、収容部4mhに設けた底面仕切部24の内側に収容される。したがって、この素子本体3mの位置は、図4に示すように、コア2のギャップ2g内に配される。また、この状態における素子保持ソケット部4sは、収容部4mhにおける底面部23の一部となり、底面仕切部24及びホール素子3は、実質的に収容部4mh(ケース4)の内部に配される。
この後、図1に示すように、ケース本体部4mの蓋部4mcを、収容部4mhの開口部4pに装着して開口部4pを閉塞する。この際、図6に示すように、蓋部4mcに設けた各係止爪部31…が、収容部4mhに形成した各窓孔部32…に係止し、蓋部4mcは収容部4mhに固定される。これにより、蓋部4mcにおける図3に仮想線で示すカセット保持部4mcpにより、素子保持ソケット部4sが保持され、係合レール部52p.52qからの抜脱が阻止される。以上の工程を経て、電流検出装置1の組立が終了する。
次に、電流検出装置1の実装方法について説明する。図7は、電流検出装置1の実装状態を示している。図7中、Pは車載用の実装基板、Dは実装基板Pに関連する車載機器を構成する一部の構成部材であり、この構成部材DからバスバーBが導出された状態のレイアウト構成を示している。なお、通常、このバスバーBには、電圧48〔V〕が付加され、100〔A〕前後の電流が流れる。
したがって、実装基板Pに電流検出装置1を取付ける際には、バスバーBを電流検出装置1の内面仕切部22の中に挿通させた状態で、電流検出装置1を実装基板Pの実装位置Xsまで移動させる。そして、実装位置Xsにおいて、実装基板Pの図に現れない三つのスルーホールに接続リード3a,3b,3cを挿入する。この場合、三つのスルーホールに対して、各接続リード3a,3b,3cは、素子保持ソケット部4sにより規定位置Xa,Xb,Xcに位置決めされているため、容易に挿入することができる。また、この際、アース端子板部6p,6qも同時に、実装基板Pの図に現れない二つのスルーホールにそれぞれ挿入する。
各接続リード3a,3b,3cを完全に挿入すれば、図3に示すように、脚部25p,25qは、実装基板Pの上面に当接して電流検出装置1の取付高さが規制される。そして、半田付け等により、各接続リード3a,3b,3c及びアース端子板部6p,6qを実装基板Pに固定すれば、この状態が図7に示す実装状態となる。
次に、電流検出装置1の要部機能について説明する。本実施形態に係る電流検出装置1は、ケース4を構成するに際し、規定位置Xa,Xb…に形成し、かつ各接続リード3a,3b…がそれぞれ挿通するリード挿通孔11a,11b…を有するリード導出部5を設けた素子保持ソケット部4sと、この素子保持ソケット部4sが着脱するケース本体部4m(収容部4mh)を備えるため、ホール素子3を変更した電流検出装置1を製作する場合、素子保持ソケット部4sに支持されるホール素子3のみを交換すれば足り、性能やグレードの異なるホール素子3を使用する場合であって、ホール素子3のみを変更し、素子保持ソケット部4sは共通に使用することができる。
また、メンテナンス等によりホール素子3を交換する場合であっても、例えば、図7に示す実装状態から半田付けを溶かして電流検出装置1を取外し、図6に仮想線で示すように、外部からマイナスドライバ等の治具を窓孔部32に差し込むことにより係止爪部31を押して弾性変形させれば、窓孔部32と係止爪部31の係止を解除することができる。これにより、収容部4mhから蓋部4mcを離脱することができるとともに、アセンブリA2からアセンブリA1から抜き取ることができ、さらに、素子保持ソケット部4sからホール素子3から抜き取ることができる。なお、この場合、必要により接続リード3a,3b,3cは切断することができる。
そして、交換用に用意した新しいホール素子3を素子保持ソケット部4sに装着するとともに、アセンブリA2に装着し、さらに、蓋部4mcを装着すれば、電流検出装置1を再構成できるため、前述した実装方法に従って、バスバーBに装着するとともに、実装基板Pに取付ければよい。この場合も、ホール素子3のみを変更すれば足り、それ以外の素子保持ソケット部4sなどは共通に使用することができる。
このように、本実施形態に係る電流検出装置1は、基本構成として、電流が流れるバスバーBから発生する磁界を集磁するコア2と、このコア2により発生する磁束密度を電圧に変換して出力するホール素子3と、コア2及びホール素子3を収容するとともに、このホール素子3の接続リード3a,3b…を外部に導出させるケース4とを備える電流検出装置であって、ケース4に、ホール素子3における複数の接続リード3a,3b…を予め設定した規定位置Xa,Xb…から直接又は間接的に導出させるリード導出部5を設けてなるため、バスバーBに装着した後、電流検出装置1の底面から導出した、ホール素子3における複数の接続リード3a,3b…を、実装基板Pにおける対応するスルーホールに挿入する場合であっても、接続リード3a,3b…とスルーホールの位置合わせを容易に行うことができ、作業性や能率性を含む製造容易性に劣る難点を解消できるとともに、接続リード3a,3b…を痛めやすい難点も解消することができる。
次に、本実施形態に係る電流検出装置1に使用するケース4の変更例について、図8及び図9を参照して説明する。
図8及び図9は、ケース4(収容部4mh)として、図4に示したケース4(収容部4mh)を用いたものであり、左右一対の側面部27,28の外面に、ケース取付部14,14を一体形成したものである。
この場合、ケース取付部14は、図8に示すように、側面部27の外面から直角方向に突出する矩形状をなす一対の係合板部14uと14dを備え、係合板部14uを上側に配し、係合板部14dを下側に配した。係合板部14uと14dの間隔は、電流検出装置1を実装基板Pに取付けた際に、近傍に存在する他の構成部材Dの厚さを考慮し、この係合板部14uと14d間に、構成部材Dを差し込めるようにした。側面部27側について説明したが、側面部28側においても、左右対称に設ける点を除き、側面部27側と同様に形成することができる。一方、例示の場合、構成部材Dにおける端辺には、電流検出装置1を収容可能な矩形凹状の切欠部Dcを形成した。
これにより、電流検出装置1を実装基板Pに取付ける実装位置Xsにおいて、電流検出装置1が切欠部Dc内に位置するようにレイアウト構成すれば、図9に示すように、電流検出装置1を実装基板Pに取付けた際には、電流検出装置1を切欠部Dc内に収容できるため、この状態で係合板部14uと14dの一方又は双方を、熱溶着,ネジ止め,接着等の固定手段により構成部材Dに対して固定することができる。
したがって、このようなケース取付部14,14をケース4(収容部4mh)に設ければ、電流検出装置1の支持強度(取付強度)を高めることができるため、特に、車載用の電流検出装置1に要求される十分な耐振動性を確保できるとともに、別途の部品を追加することなく容易かつ低コストに実施することができる。
次に、本発明の変更実施形態に係る電流検出装置1について、図10〜図12を参照して説明する。
図10に示す変更実施形態に係る電流検出装置1は、特に、リード導出部5を構成するに際し、接続リード3a,3b,3cを接続可能であって、ケース4における規定位置Xa,Xb,Xcに埋設することにより外部に突出させたピンリード13a,13b,13cを用いたものである。したがって、図10の場合、ケース4を構成する収容部4mhの底面部23における規定位置Xa,Xb,Xcに、それぞれピンリード13a,13b,13の一端側を埋設し、他端側を底面部23から直角方向に突出させた。また、底面部23の中央位置には、内部から外部に貫通する開口部62を形成し、この開口部62を通して、接続リード3a,3b,3cを外部に導出できるようにした。
これにより、組付ける際には、ケース4の内部に配したホール素子3の接続リード3a,3b,3cを開口部62を通して外部へ導出するとともに、導出した接続リード3aをピンリード13aに絡めて接続し、半田付けによる半田付部61aにより固定するとともに、導出した接続リード3bをピンリード13bに絡めて接続し、半田付けによる半田付部61bにより固定し、さらに、導出した接続リード3cをピンリード13cに絡めて接続し、半田付けによる半田付部61cにより固定することができる。
このような変更実施形態に係る電流検出装置1によれば、いわば接続リード3a,3b,3cの間接的な接続が可能になるため、接続リード3a,3b,3cに代え、例えば、素材,太さ,曲げ強さ等について適切な物性を選定した、より望ましいピンリード13a,13b,3cを使用できる利点がある。
他方、図11及び図12に示す変更実施形態に係る電流検出装置1は、特に、リード導出部5を構成するに際し、分割した一対の分割半体部4sh,4scの組合わせにより形成するとともに、当該一対の分割半体部4sh,4scにおける分割ラインLpに、規定位置Xa,Xb,Xcに対応する段差による挟着部12a,12b,12bを形成し、一対の分割半体部4sh,4scを組合わせた際に生じる挟着部12a,12b,12cの隙間によりリード挿通孔11a,11b,11cを形成するようにしたものである。
したがって、このようなリード導出部5を設ければ、接続リード3a,3b,3cを挿通させるための比較的小径となる貫通孔を直接形成する必要がないため、金型を含む成形工程の簡易化を図れるとともに、接続リード3a,3b,3cは、挟み込む方式により組付けできるため、ホール素子3の組付けも容易に行うことができる。
また、図11及び図12に示す電流検出装置1は、加えて、ケース4を構成するに際し、コア2及びホール素子3を収容する収容部4mhとこの収容部4mhの開口部4pに着脱して当該開口部4pを閉塞又は開放する蓋部4mcを備えて構成した。したがって、組付けを行う際には、図11に示すように、ホール素子3をケース4を構成する収容部4mhに収容し、各接続リード3a,3b,3cを、規定位置Xa,Xb,Xcに対応する段差にセットした後、蓋部4mcを開口部4pに装着すればよく、これにより、図12に示すように、分割した一対の分割半体部4sh,4scも同時に組合わされる。この結果、各接続リード3a,3b,3cは、挟着部12a,12b,12cの隙間に挟まれることにより位置決め保持される。
したがって、このようなケース4、即ち、一対の分割半体部4shと4scを、収容部4mhと蓋部4mcにそれぞれ一体に設けたケース4を用いれば、収容部4mhと蓋部4mcに、リード導出部5を兼用できるため、全体の構成簡略化及び組立の容易化を図ることができるとともに、ホール素子3以外の構成要素に対する組立性向上及びメンテナンス性向上にも寄与できる利点がある。なお、図10〜図12において、図1〜図9と同一構成部分及び同一機能部分には同一符号を付して、その構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
以上、好適実施形態及び変更実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、コア2として、珪素鋼板を積層したコアを例示したが、フェライト等の他の磁性体により形成したコアであってもよい。また、ホール素子3の接続リード3a,3b…として、三本の接続リード3a,3b,3cを有するタイプを例示したが、ホール素子3は、接続リード3a,3b…として、任意の本数(複数本)を有するタイプを適用できる。さらに、実施形態の規定位置Xa,Xb,Xcは例示であって、様々な規定位置Xa,Xbを適用できる。加えて、素子保持ソケット部4sの着脱形態も任意であり、着脱機能を有するものであれば各種形態(構成,形状等)により実施可能である。他方、構成部材Dも様々な機構における構成部材を適用できる。したがって、ケース取付部14…の形態も、構成部材Dの構成や形状に応じて各種形態を適用でき、例えば、実施形態の場合、ケース取付部14…を収容部4mhの背面部21の外面に形成し、構成部材Dに切欠部Dcを設けることなく実施することも可能である。