JP2019113250A - 熱交換器用アルミニウムフィン材および熱交換器 - Google Patents

熱交換器用アルミニウムフィン材および熱交換器 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、親水性に優れ、熱交換器用のフィンとして用いる場合の着霜性、除霜性、密着性に優れたコーティング塗膜を備えた熱交換器用アルミニウムフィンの提供を目的とする。【解決手段】本発明の熱交換器用アルミニウムフィンは、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基板と、この基板の表面と裏面の少なくとも一方に皮膜量5〜50mg/m2で被覆されたリン酸クロメート皮膜と、該リン酸クロメート皮膜上に塗膜量0.3〜1.0g/m2で被覆された親水性塗膜を備え、前記親水性塗膜が、PVA(ポリビニルアルコール)30〜50質量%とケイ酸塩10〜30質量%とアルミナ25〜40質量%を含む塗膜であり、前記親水性塗膜100質量%に対し真菌由来の不凍多糖を5〜20質量%含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、不凍多糖を含む親水性塗膜を備えた熱交換器用アルミニウムフィン材および熱交換器に関する。
エアーコンディショナーの暖気運転を行うと室外機が冷えることになり、室外機を設置した外部環境によっては熱交換器のフィンに霜が発生して成長し、熱交換器のフィン間の隙間を霜が閉塞することがある。このため、エアーコンディショナーは除霜運転により霜を除去する機能を有しているが、除霜運転を行っている間、室内の暖房が停止するので、エアコンディショナーの快適性は損なわれてしまう問題がある。
従来から、熱交換器のフィンに霜を付きにくくするためにフィンの表面に撥水性の塗装を施し、霜の成長を遅くする技術が知られている。ところが、フィンに一旦霜が付いてしまった後に除霜運転を行うと、溶けた水が水滴となり、フィン間に水滴のブリッジを形成し、フィン間の通風抵抗が増大し、熱交換性能が低下する問題がある。
フィンに付着した霜が溶けずに霜のままフィンの下部に脱落した場合は、熱交換器下部に霜が堆積することがあり、結果的に熱交換器の通風抵抗が増大し、熱交換性能の低下を引き起こす問題がある。
従来、アンテナや電線表面への氷の付着を抑制する技術として、以下の特許文献1に記載の如く、物体表面への氷付着力を低減できるコーティングとして、真菌由来の精製物としての不凍多糖を溶媒中に含む液状組成物を塗装する技術が知られている。
特開2016−199614号公報
特許文献1に記載されている液状組成物は、真菌由来の不凍多糖精製物をクロロメタン、プロパノール、エタノール、クロロホルムなどの溶媒及びバインダーとハイドロフォビンと混合し、屋外で使用する航空機、船舶、電車、自動車等の乗り物、建造物や外壁等に塗布して使用することができる。この液状組成物を塗布後、コーティング液を乾燥することでコーティング塗膜を得ることができる。
特許文献1の記載では、アルミニウム板表面のアクリルウレタンコート層上に上述のコーティング塗膜を形成し、−4℃あるいは−8℃においてアクリルウレタンコート層上に付着生成した氷の付着力を測定している。その結果、不凍多糖を含まないコーティング層に付着した氷やアルミニウム板に付着した氷の付着力に対し、不凍多糖を含むコーティング層上に付着した氷の付着力を低減できると記載されている。
本願発明は、上述の不凍多糖を用いたコーティング液について研究し、熱交換器のフィンに生成する霜との関連性について研究した結果、完成された発明である。
熱交換器においてフィン間の隙間は数mmなどのように極めて狭い隙間であるので、フィン間の隙間に水滴が保持されないようにフィンの表面は親水性を高める必要がある。ところが、本発明者の研究により、前述のコーティング液の塗膜をフィン表面に使用すると、フィン表面に必要な親水性を付与することができない問題があることがわかった。
また、本発明者の研究により、熱交換器のフィンに上述のコーティング塗膜を利用してみるとフィンに対する霜の付着を抑制するための抑制力が十分でない問題があり、また、除霜運転時に早期に除霜可能とすることも十分でないことがわかった。
更に、熱交換器用のフィンにおいては、コーティング塗膜の密着性も確保する必要があり、親水性、着霜性、除霜性を満足させた上に、良好な塗膜密着性も確保しないと、熱交換器用のフィンには適用できない問題がある。
これらの事情に鑑み、本願発明は、親水性に優れ、熱交換器用のフィンとして用いる場合の着霜性、除霜性、密着性に優れた親水性塗膜を備えた熱交換器用フィン材の提供を目的とする。また、本願発明は上述の優れたフィン材からなるフィンを備えた熱交換器の提供を目的とする。
本発明の熱交換器用アルミニウムフィン材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基板と、この基板の表面と裏面の少なくとも一方に皮膜量5〜50mg/mで被覆された化成皮膜と、該化成皮膜上に塗膜量0.3〜2.0g/mで被覆された親水性塗膜を備え、前記親水性塗膜が、PVA(ポリビニルアルコール)30〜50質量%とケイ酸塩10〜30質量%と無機アルミニウム化合物25〜40質量%とからなる親水性塗膜主成分100質量部に対し、真菌由来の不凍多糖を5〜20質量部含んでなることを特徴とする。
本発明の熱交換器用アルミニウムフィン材において、前記親水性塗膜の上に界面活性剤からなる塗膜量0.05〜0.4g/mの水溶性潤滑剤層が被覆された構成を採用できる。
本発明の熱交換器用アルミニウムフィン材において、前記親水性塗膜表面の接触角が30゜以下であることが好ましい。
本発明の熱交換器は、先のいずれかに記載のアルミニウムフィンと該アルミニウムフィンに対し接合されたアルミニウムまたはアルミニウム合金製のチューブを備えたことを特徴とする。
本発明の熱交換器は、先のいずれかに記載のアルミニウムフィン材からなるアルミニウムフィンが複数相互に所定の間隔をあけて配列され、前記複数のアルミニウムフィンを貫通し接合されたアルミニウムまたはアルミニウム合金製の複数のチューブを備えたことを特徴とする。
本発明の熱交換器は、先のいずれかに記載のアルミニウムフィン材からコルゲートフィンが形成され、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の複数のチューブが並列配置され、これらチューブ間にろう付けされた前記コルゲートフィンを備えたことを特徴とする。
本発明に係るアルミニウムフィン材であるならば、表面に水滴を生じ難い良好な親水性を確保することができる。また、霜の成長を抑えるための不凍多糖とPVAを適量含む親水性塗膜によりフィンに形成される霜の成長を抑制でき、熱交換器用とした場合にフィン間の隙間を霜が閉塞するまでの時間を延長でき、エアーコンディショナーに備える熱交換器用とした場合に除霜運転時間の短縮を図ることができる。
このため、除霜運転時に水滴を生じ難く、熱交換器通風抵抗の悪化を防止でき、熱交換性能低下を抑制できるアルミニウムフィン材を提供できる。
親水性塗膜において不凍多糖に対し、過冷却促進物質であるPVAを適量含むことで良好な霜形成抑制効果を発揮し、ケイ酸塩と無機アルミニウム化合物を適量含む事で良好な接触角の親水性塗膜を得ることができる。
また、上述のアルミニウムフィン材からなるフィンを備えた熱交換器であるならば、フィンに霜が付きにくく、除霜運転時間の短縮を図ることができ、フィン間の隙間に水滴が付着し難く、熱交換効率低下のおそれの少ない熱交換器を提供することができる。
図1(A)は本発明に係るアルミニウムフィン材からなるフィンとチューブを備えた第1実施形態の熱交換器の正面図、図1(B)は同フィンの部分断面図である。 本発明に係るアルミニウムフィン材からなるフィンを備えた第2実施形態の熱交換器の一部を断面とした正面図である。 図3(A)は図2に示す熱交換器において、チューブの長さ方向に沿って縦断面をとった部分断面図、図3(B)は同熱交換に設けられているフィンの部分拡大断面図である。 第3実施形態の熱交換器を示すもので、図4(A)は斜視図、図4(B)はチューブの長さ方向に直交する面に沿って横断面をとった断面図、図4(C)はチューブの長さ方向に沿って縦断面をとった断面図である。
以下、添付図面に基づき、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際の熱交換器と同じであるとは限らない。
「第1実施形態」
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる熱交換器の一例を示すものであり、自動車用の熱交換器、ルームエアコンディショナーの室内・室外機用の熱交換器、あるいは、HVAC(Heating Ventilating Air Conditioning)用の室外機、などの用途に使用されるオールアルミニウム熱交換器である。
図1(A)は図1(B)に断面構造を示すフィン材11からなる矩形板状のフィン(放熱板)12を所定の間隔で複数並列配置し、各フィン12に形成されている挿通孔12aにU字状の伝熱管13を挿通して熱交換器15を途中まで組み立てた状態を示す。U字状の伝熱管13は湾曲部13aをフィン12の並列体の一側に揃え、開口端13b側をフィン12の並列体の他側に揃えるように複数のフィン12の挿通孔12aに挿通されている。
これらの伝熱管13には図示略の拡管プラグを開口端13b側から挿入して拡管し、伝熱管13とフィン12の接合強度を向上させ、その後に伝熱管13の開口端側を結ぶように図示略のU字型のエルボ管を接続することで熱交換器15が完成される。
この熱交換器15において、伝熱管13とエルボ管は銅あるいは銅合金からなる。
熱交換器15において、フィン12を構成するフィン材11は、図1(B)に示す断面構造の如く、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の基材16の両面に下地層としてのリン酸クロメート皮膜からなる化成皮膜17が形成され、これら化成皮膜17の表面側に親水性塗膜18が形成されてなる。
基材16を構成するアルミニウムまたはアルミニウム合金は、特に限定されず、一般的な熱交換器用のフィンに適用されるアルミニウム又はアルミニウム合金を適用できる。なお、例示するならばJIS規定A1050、A1100、A1200、A3003等のアルミニウム合金を利用できる。
他に、一例として、例えば、質量%で、Zn:0.3〜5.0%、Mn:0.5〜2.0%、Fe:1.0%以下、Si:1.5%以下を含有し、残部不可避不純物およびアルミニウムからなるアルミニウム合金を用いることができる。
化成皮膜17は、基材16を構成するアルミニウム合金の表裏面をクロメート処理して形成されたリン酸クロメート皮膜などからなる。
リン酸クロメート皮膜は、基材16をリン酸塩を含むクロム酸または重クロム酸の水溶液に浸漬することによって、該基材16の表裏面に化学的に生成した化成皮膜である。
リン酸クロメート皮膜は、基材16に耐食性を付与し、熱交換器使用時のフィン材の表裏面での腐食生成物の発生を抑えるとともに、その上に設けられる親水性皮膜18の塗装密着性を高める機能を有する。
化成皮膜17の皮膜量は5〜50mg/mの範囲であることが望ましい。化成皮膜17の皮膜量が5mg/m未満であると、皮膜が薄すぎて熱交換器用のフィン12として耐食性に劣る問題を生じる。
塗膜量が50mg/mを超える量であると、耐食性を確保することはできるが、化成皮膜生成のために時間がかかり、製造コストが上昇する。
なお、本明細書において「〜」を用いて数値範囲を示す場合、特に注記しない限りその範囲の上限と下限を含むものとする。このため、5〜50mg/mは5mg/m以上50mg/m以下を意味する。また、上述した0.3〜5.0%は0.3%以上5.0%以下を意味する。
第1実施形態の熱交換器15において、フィン12の両面に親水性塗膜18が設けられている。このため、親水性に優れ、霜が付き難く、除霜性、密着性に優れる熱交換器15を提供することができる。
第1実施形態の熱交換器15において、フィン12に形成されている挿通孔12aに伝熱管13を挿通し、伝熱管13に拡管プラグを挿入し、伝熱管13を拡管してその外径を若干大きくすることで伝熱管13とフィン12が機械的に接合されている。
この構造の場合、拡管接合後の状態で親水性塗膜の成分からなる塗液に浸漬し、塗膜を形成し、乾燥させることで親水性塗膜18を設けることもできるし、予めフィン12の表裏面に塗膜を塗布することで親水性塗膜18を設けても良い。本実施形態の場合、親水性塗膜18は上述のように熱交換器形状に組み付ける前に、プレコートで塗布することが望ましい。
親水性塗膜18は、適量のPVAとケイ酸塩と無機アルミニウム化合物からなる親水性塗料主成分に対し適量の不凍多糖を添加混合した塗膜である。
親水性塗膜18は、一例として、PVA(ポリビニルアルコール)30〜50質量%とケイ酸塩10〜30質量%と無機アルミニウム化合物25〜40質量%を合計100質量%になるように含む親水性塗膜主成分を有し、この親水性塗膜主成分100質量部に対し、真菌由来の不凍多糖を5〜20質量部含んでいる。
不凍多糖は着霜抑制、除霜性に影響があり、5質量部未満では着霜抑制効果が不足となり、除霜効果も不足となる。不凍多糖の含有量が20質量部を超えるようであると、親水性が低下し、基材16に対する密着性も低下する。
PVAは過冷却促進物質であり、不凍多糖とともに親水性皮膜5cに含まれていることで、霜の形成を抑制し、フィン間を霜が閉塞するまでの時間を延長することができ、除霜運転時間を短縮できる。PVAの含有量が30質量%未満では親水性が不足し、着霜抑制効果が不足し、50質量%を超える含有量であると親水性が低下する。
ケイ酸塩と無機アルミニウム化合物は良好な親水性を確保するために添加する。ケイ酸塩の含有量が10質量%未満あるいは無機アルミニウム化合物の含有量が25質量%未満では親水性が不足し、着霜抑制効果が不足する。ケイ酸塩の含有量が30質量%超え、あるいは無機アルミニウム化合物の含有量が40質量%超えでは親水性が低下し、密着性も低下する。
ケイ酸塩については、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸カリウムなどのいずれを用いても良い。無機アルミニウム化合物については、アルミナ、ベーマイトを用いることができる。
本実施形態で用いる不凍多糖について以下に説明する。
不凍多糖は、氷結晶の成長抑制機能を有する天然の多糖類であり、エノキタケ等の真菌の細胞壁を構成する多糖類から見出された成分である(国際公開第2012/026339号)。なお、本明細書において、多糖類とは、通常、10個以上の単糖がグリコシド結合により直鎖状または分枝鎖状に重合したものをいう。
不凍多糖は、特に限定されるものではないが、例えば、ガラクトース、マンノース、キシロース、グルコース、及びラムノースからなる群より選択される少なくとも1種の単糖を含む多糖類、好ましくは2種以上の単糖を含む多糖類、より好ましくはキシロース及びマンノースを含む多糖類、さらに好ましくはキシロマンナンであることができる。
キシロマンナンは、α−1,3−マンノースで構成されるマンナン主鎖に、側鎖として1分子ずつのキシロースが1,4−結合を介して結合したヘテロ多糖類の総称である。ただし、キシロマンナンは、マンノースとキシロースのみから構成されるものに限られず、キシロース以外に他の糖を側鎖として有してもよい。
キシロマンナンを構成するマンノースとキシロースの構成比は特に制限されないが、キシロース1モルに対して、例えばマンノース1.5〜2.5モル、好ましくは1.7モル〜2.3モル、より好ましくは1.9モル〜2.1モル、さらに好ましくは約2モルであることができる。
不凍多糖としては、真菌から公知の方法に従って不凍多糖を精製して得られた精製物(真菌由来の不凍多糖精製物)を用いることができる。
真菌の中でも好ましくは担子菌が挙げられる。担子菌としては、例えばハラタケ目に属するものを挙げることができる。ハラタケ目に属する担子菌としては、例えば、ヌメリガサ科(ヤギタケ等)、キシメジ科(キシメジ、ムラサキシメジ、オシロイシメジ、カクミノシメジ、シャカシメジ、ハルシメジ、ハタケシメジ、ブナシメジ、ホンシメジ、オオホウライタケ、スギヒラタケ、ハリガネオチバタケ、キツネタケ、ナラタケ、ムキタケ、マツタケ、シロマツタケモドキ、シイタケ、エノキタケ等)、テングタケ科(タマゴタケ、カバイロツルタケ等)、ハラタケ科(ハラタケ、シロオオハラタケ等)、ヒトヨタケ科(ヒトヨタケ等)、モエギタケ科(ナメコ等)、フウセンタケ科(ショウゲンジ等)、イグチ科(ヤマドリタケ等)、ベニタケ科(アイタケ等)、サルノコシカケ科(マイタケ等)、ヒラタケ科(エリンギ等)に属するものが挙げられる。これらの中でも、好ましくはキシメジ科、ヒラタケ科、モエギタケ科等に属するもの、より好ましくはキシメジ科に属するもの、さらに好ましくはエノキタケが挙げられる。
真菌からの不凍多糖の精製は、公知の方法に従って行うことができる。例えば、不凍多糖は、熱水ではほとんど抽出できないが、アルカリ水溶液中で加熱処理することにより抽出できることが知られている(国際公開第2012/026339号参照)。この知見に基づいて、上記「真菌由来の不凍多糖精製物」としては、例えば真菌熱水抽出残渣、真菌熱アルカリ抽出物等を用いることができる。これらの中でも、好ましくは真菌熱水抽出残渣が挙げられる。なお、後述のハイドロフォビンも、真菌の細胞壁に存在し、且つ熱水では抽出することはできないことが知られており(特表2008−529484号公報、特表2009−511689号公報参照)、この観点から、真菌熱水抽出残渣はハイドロフォビンも含み得るので好ましい。
不凍多糖及びハイドロフォビンは担子菌の細胞壁に存在することが知られている(国際公開第2012/026339号参照)。不凍多糖は、熱水ではほとんど抽出できないが、アルカリ水溶液中で加熱処理することにより抽出できる(国際公開第2012/026339号参照)。また、ハイドロフォビンも、熱水では抽出することはできず、トリフルオロ酢酸や界面活性剤により抽出できる(特表2008−529484号公報、特表2009−511689号公報参照)。これらの知見に基づいて、担子菌の一種であるエノキタケを、不凍多糖及びハイドロフォビンが溶解し難い溶媒(熱水)で抽出処理することにより、余分な成分が除かれた残渣(担子菌熱水抽出残渣)を、不凍多糖及びハイドロフォビン含有抽出物とすることができる。
具体的には、一つの例として、以下のように行うことができる。
エノキタケの子実体の粉末(5g)を、ヘキサン(200mL)中に懸濁した後、室温、16時間放置する(脱脂処理)。遠心分離(7500×g、4℃、15分)(HITACHIハイテクノロジーズ)し、残渣を得る。残渣1.5gを10%酢酸溶液2mLとWashing buffer 20mL (0.1MTris−HCl pH 8.0, 10mM MgSO, 1 mM PMSF)との混合溶液に懸濁させた後、遠心分離(10000g、4℃、15分間)して沈殿物を得る。
この沈殿物を、10%酢酸 10 mM MgSO溶液20mLに懸濁させた後、遠心分離(10000g、4℃、15分間)して沈殿物を得る。該沈殿物1.4gを、エタノール(−20℃)20mL中に入れ、遠心分離(10000g、4℃、15分間)して沈殿を回収する(洗浄処理)。この洗浄を計2回行う。
回収した沈殿物をドラフトチャンバー内で乾燥させ、得られた乾燥物を100℃の水に60分間浸する(熱水処理)。その後、常温になるまで冷却し、遠心分離(10000g、4℃、15分間)して沈殿物を得る。得られた沈殿物を粉砕機(マルチビーズショッカー(製品名)、安井器械(製造元))で破砕(2700rpm、4分間)し、目開き212μm、106μm、53μmの篩にかけ、直径約50μm以下の粉体を得る。
この粉体を不凍多糖及びハイドロフォビン含有抽出物として適用できる。以上説明の製造方法は、特開2016−199614号公報に記載の実施例1の製造方法に従う。
図1に示す構成の熱交換器15であるならば、フィン12の表面に適量のPVAとケイ酸塩と無機アルミニウム化合物からなる親水性塗料主成分に対し適量の不凍多糖を添加混合した親水性塗膜18を備えているので、フィン12の表面に水滴が付着し難いような良好な親水性を確保することができる。
また、フィン12の表面に、霜の成長を抑えるための不凍多糖とPVAを適量含む親水性塗膜18を設けることによりフィン12に形成される霜の成長を抑制でき、熱交換器用とした場合にフィン間の隙間を霜が閉塞するまでの時間を延長できる。
また、熱交換器15をエアーコンディショナーに備えた場合、エアーコンディショナーの除霜運転を行った場合の除霜運転時間の短縮を図ることができる。
このため、除霜運転時に水滴が付着し難く、熱交換器通風抵抗の悪化を防止でき、熱交換性能低下を抑制できるフィン12を備えた熱交換器15を提供できる。
親水性塗膜18において不凍多糖に対し、過冷却促進物質であるPVAを適量含むことで良好な霜形成抑制効果を発揮し、ケイ酸塩と無機アルミニウム化合物を適量含む事で良好な接触角の親水性塗膜を得ることができる。
上述のフィン12を備えた熱交換器1であるならば、フィン12に霜が付きにくく、除霜運転時間の短縮を図ることができ、フィン間の隙間に水滴が生じて熱交換効率が低下するおそれの少ない熱交換器15を提供することができる。
第1実施形態において、親水性塗膜18はフィン12の外面に限らず、フィン12の外面に加え、伝熱管13、湾曲部13aの外面に設けても良い。フィン12に対し伝熱管13の接合前に親水性塗膜と同等組成の塗液に浸漬し、塗布してもよいし、伝熱管13と接合後の熱交換器形状とした上で全体を親水性塗膜と同等組成の塗液に浸漬し、熱交換器15の全体に親水性塗膜を形成した構成とすることもできる。
本実施形態では、前記親水性塗膜18の上に界面活性剤からなる塗膜量0.05〜0.4g/mの水溶性潤滑剤層が被覆された構成を採用できる。
この塗膜量範囲の水溶性潤滑剤層を設けることで、熱交換器のフィンプレス成型時のプレス油が親水性塗膜表面に均一に広がり、プレス成型性が向上する効果を得ることができる。塗膜量が0.05g/m未満であると、カラー割れが生じやすく、0.4g/mを超えると切断、送り不良を生じやすくなる。
「第2実施形態」
第2実施形態の熱交換器1は、左右に離間して上下方向に向けられ、相互に平行に配置されたヘッダーパイプ2、3と、これらのヘッダーパイプ2、3の間に相互に間隔を保って平行に、かつ、ヘッダーパイプ2、3に対して直角に接合された複数の扁平状のチューブ4と、各チューブ4に接合された波形のフィン5を主体として構成されている。ヘッダーパイプ2、3チューブ4及びフィン5は、後述するアルミニウム合金から構成されている。
より詳細には、ヘッダーパイプ2、3の相対向する側面に複数のスリット6が各パイプの長さ方向に定間隔で形成され、これらヘッダーパイプ2、3の相対向するスリット6にチューブ4の端部を挿通してヘッダーパイプ2、3間にチューブ4が架設されている。また、ヘッダーパイプ2、3間に所定間隔で架設された複数のチューブ4の上下にフィン5が配置され、これらのフィン5がチューブ4の表面側あるいは裏面側にろう付されている。
図3(A)に示す如く、ヘッダーパイプ2、3のスリット6に対しチューブ4の端部を挿通した部分においてろう材により第1のフィレット部8が形成され、ヘッダーパイプ2、3に対しチューブ4がろう付されている。また、波形のフィン5において波の頂点の部分を隣接するチューブ4の表面または裏面に対向させてそれらの間の部分に生成されたろう材により第2のフィレット部9が形成され、チューブ4の表面側と裏面側に波形のフィン5がろう付け接合されている。なお、図3(A)に符号aで示すものは、ヘッダーパイプ2、3の周面にろう付け後に残留したろう材層である。
本実施形態の熱交換器1は、ヘッダーパイプ2、3とそれらの間に架設された複数のチューブ4と複数のフィン5とを組み付けて熱交換器組立体を形成し、これを加熱してろう付けすることにより製造されたものである。なお、ろう付け時の加熱によってチューブ4の表面側と裏面側にはZn拡散層10が形成されている。
本実施形態のチューブ4は、その内部に複数の冷媒通路4Cが形成されるとともに、平坦な表面(上面)4A及び裏面(下面)4Bと、これら表面4A及び裏面4Bに隣接する側面とを具備する偏平多穴管として構成されている。
ろう付け前の熱交換器組立体の状態においてチューブ4の表面4Aと裏面4Bにはろう付け用塗膜が塗布され、このろう付け用塗膜に含まれていたZnがろう付け時の加熱により表面4Aと裏面4Bに拡散し、Zn拡散層10が形成されている。このZn拡散層10はチューブ4を構成するアルミニウム合金よりも電位的に卑となり、優先的に面状に腐食することでチューブ4に孔食が生成することを抑制し、チューブ4に対する防食機能を奏する。
ヘッダーパイプ2、3を構成するアルミニウム合金は、一例として、Al−Mn系をベースとしたアルミニウム合金を用いることができる。
例えば、Mn:0.05〜1.50%を含有することが好ましく、他の元素として、Cu:0.05〜0.8%、Zr:0.05〜0.15%を含有するアルミニウム合金を用いることができる。
チューブ4を構成するアルミニウム合金は、例えば、質量%で、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.1〜1.5%、Cu:0.1%未満を含有し、残部不可避不純物およびアルミニウムからなるアルミニウム合金などからなる。チューブ3は、例えばアルミニウム合金を押出し加工することによって作製された押出材からなる。
フィン5は図3(B)に断面構造を拡大して示す板状のフィン材5Aからなり、波形形状に加工されている。フィン材5Aは、アルミニウム合金板からなる基材5aと、その表裏両面に形成された化成皮膜5bと、それぞれの化成皮膜5b上に化成皮膜5bを覆うように形成された親水性塗膜5cからなる。
基材5aを構成するアルミニウムまたはアルミニウム合金としては、特に限定されず、一般的な熱交換器用フィンの基材に適用されている組成のアルミニウム材を適宜用いることができる。
親水性塗膜5cは、適量のPVAとケイ酸塩と無機アルミニウム化合物からなる親水性塗料主成分に対し適量の不凍多糖を添加混合した塗膜であり、先の第1実施形態で用いた親水性塗膜18と同等の塗膜を用いることができる。
第2実施形態においては、ろう付けするためのろう付用塗膜をチューブ4の表面または裏面に設けた構造を採用したが、ろう付用塗膜を略し、チューブ4とフィン5のろう付け接合予定部分の周囲に置きろうを配し、置きろうを用いてろう付けした熱交換器の構造を採用しても良い。
ろう付け時の加熱により置きろうを溶融させてチューブ4とフィン5との境界部分に溶融状態のろうを行き渡らせることでチューブ4とフィン5をろう付け接合しても良い。
また、フィン5を芯材層とろう材層からなる2層構造のブレージングシートで構成し、チューブ4にはろう付用塗膜を設けていない構造を採用してもよい。
図2、図3に示す熱交換器1の場合、ろう付けにより熱交換器形状とした後でポストコートによりフィン5の外面あるいはチューブ4、ヘッダーパイプ2、3を含めた熱交換器の外面に親水性塗膜を形成することができる。
図2、図3に示す構造の熱交換器1において、先に説明した熱交換器15と同等の作用効果を得ることができる。
「第3実施形態」
図4(A)は、本発明に係る第3実施形態の熱交換器を示す斜視図である。
図4(A)に示す熱交換器21は、熱媒としての流体を通す複数本のチューブ22と、これらチューブ22を串刺し状態に嵌合することによりチューブ22の外表面に接触して熱を放散する複数のフィン23と、各チューブ22を連結するヘッダ管24と、このヘッダ管24を通して流体をチューブ22に供給する供給管25及びチューブ22を経由した流体を回収する回収管26とを備えた構成である。これらチューブ22、フィン23、ヘッダ管24、供給管25、回収管26はいずれもアルミニウム合金から構成されている。
また、チューブ22は、幅寸法に対して高さが小さい扁平形状とされており、長さ方向の途中で折り曲げ形成されることにより、直管部27の間にU字状の曲管部が屈曲形成され、その直管部27の各端部がヘッダ管24に接続されている。このヘッダ管24は、内部が複数に分割され、そのヘッダ管24の両端部に供給管25及び回収管26が接続されていることにより、供給管25から回収管26に向けて各チューブ22がヘッダ管24内を経由して順次連結状態とされ、流路が蛇行状に形成される。
フィン23は、一定の間隔をおいて相互に平行に配置されており、図4(B)に示すようにチューブ22を部分的に嵌合する孔29が複数形成されている。また、孔29の周縁部にはバーリング加工が施されており、図4(C)に示すように孔29の周縁部を垂直に立ち上げてなる立ち上げ部30が一体に形成されている。
チューブ22とフィン23とは、一定間隔に並べたフィン23を串刺しするように、フィン材23の孔29内にチューブ22の直管部27が嵌合し、その直管部27の部分でフィン材23がろう付けにより接合されている。また、チューブ22の上面と下面にはZn拡散層22aが形成されている。
第3実施形態の熱交換器21において、フィン23が先の第1実施形態のフィン材5Aと同等のフィン材からなり、表裏面に親水性塗膜5cが形成されている。
第3実施形態の熱交換器21において、第1実施形態の熱交換器15あるいは第2実施形態の熱交換器1と同等の作用効果を得ることができる。
以上説明したように、本発明に係る親水性塗膜は、図1〜図4のいずれの構成の熱交換器においても適用することができ、目的の耐食性と親水性と着霜抑制、除霜性を得ることができる。また、親水性塗膜は密着性にも優れている。
これらの効果は、本明細書で説明した各種構成の熱交換器に限らず、一般に知られているいずれの構成の熱交換器であっても、フィンを備えた構成の熱交換器であれば適用することができる。
なお、いずれの構造に適用するにしても不凍多糖はろう付けなどの高温加熱後には劣化するので、熱交換器の形状に組み付けた後、ろう付けするタイプの熱交換器では、ろう付けした後に塗布するポストコートで形成することが望ましい。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<<サンプルの作製>>
Si:0.07質量%、Mn:0.01質量%、Zn:0.01質量%を含み、残部不可避不純物とアルミニウムからなる板状の基材に対し、リン酸クロメート処理を行ってリン酸クロメート皮膜を形成した。リン酸クロメート皮膜形成の際、リン酸クロメート濃度の条件を調整してリン酸クロメート皮膜量20mg/mの異なる種々の基材を複数用意した。
リン酸クロメート皮膜量の異なる複数の板状基材に対し、PVA(ポリビニルアルコール)とアルミナ水和物(平均粒子径:20nm)とケイ酸ナトリウムを以下の表1に示す割合(3成分の合計100質量%)で混合した親水性塗料主成分からなる塗料を作成し、この塗料に対し、以下の表1に示す配合組成(質量部)となるように真菌由来の不凍多糖を添加して複数の親水性塗料を作成した。
不凍多糖については、特開2016−199614号公報の段落0084〜0085に記載の実施例1で得られた不凍多糖及びハイドロフォビン含有抽出物(固形物質量として換算)を用いた。
これら複数の親水性塗料を使い分けて以下の表1に示す塗膜量として板状基材表面に塗布し、乾燥後、親水性塗膜付きのフィン試料として以下の種々の試験に供した。
「耐食性試験」
親水性塗膜付きのフィン試料に対しJISZ2371に従う塩水噴霧試験(300時間)を行いRN(レイティングナンバー)により評価し、RN=9.3以上を合格と判断した。
「親水性試験」
親水性塗膜付きのフィン試料に対し、室温流水16時間、80℃乾燥8時間を1サイクルとし、14サイクル経過後のフィン表面水滴接触角を測定した。40゜以下であれば合格と判断した。
「着霜性試験」
15℃×湿度95%の恒温恒湿槽に中空構造の冷却板を設置し、冷却板に接続した液体循環装置を用いて−10℃のクーラントを循環させて冷却板を冷却した。親水性塗膜を塗布したフィン試料を冷却板に沿わせて設置し、フィン試料を冷却し、フィン試料表面に霜を発生させた。フィン試料全体が霜に覆われるまでの時間を計測した。フィン試料全体が霜で覆われるまでの時間、換言すると全面着霜時間が30分以上であるならば合格と判断した。
「除霜性試験」
前記着霜性試験において全面着霜後、冷却板のクーラント循環を停止し、霜が溶けるまでの時間を計測した。15秒以内に霜が溶けた場合に合格と判断した。
「密着性」
1ポンドハンマーにキムタオルを巻き付け、親水性塗膜の塗装面を10往復した後、表面観察を行い、親水性塗膜が剥がれていなければ合格と判断した。
Figure 2019113250
Figure 2019113250
表2に示す実施例1〜18のフィンは、皮膜量5〜50mg/mの化成皮膜と、塗膜量0.3〜2.0g/mの親水性塗膜を備え、PVA30〜50質量%、ケイ酸塩10〜30質量%、無機アルミニウム化合物25〜40質量%からなる親水性塗膜主成分100質量%に対し、真菌由来の不凍多糖(固形分換算)を5〜20質量部含んでなる親水性塗膜を備えたフィンを備えた熱交換器である。
これら実施例1〜18のフィンであるならば、耐食性と親水性に優れ、霜が付きにくく、付着した霜を早期に溶かすことができ、除霜性に優れるとともに、親水性塗膜としての良好な密着性を得ることができる。
比較例1、2、3はリン酸クロメート皮膜の皮膜量が5mg/m未満であり、皮膜量が不足した試料であり、比較例4はリン酸クロメート皮膜の皮膜量が50mg/mを超えた試料であるが、いずれも耐食性に問題を生じた。このため、耐食性を確保するためにはリン酸クロメート皮膜の皮膜量を5〜50mg/mの範囲とすることが好ましいとわかる。
比較例5、6は親水性塗膜の塗膜量が0.3g/m未満の試料であり、親水性が低下し、着霜性、除霜性ともに劣った試料であり、比較例7は親水性塗膜の塗膜量が2.0g/mを超えた試料であり、親水性塗膜の塗膜量が大きすぎたために親水性に劣る結果となった。このため、親水性を確保し、着霜性と除霜性に優れるためには、親水性塗膜の塗膜量を0.3〜2.0g/mの範囲とすることが好ましいことがわかる。
比較例8はアルミナの含有量が25質量%未満であり、ケイ酸ナトリウムの含有量が30質量%を超えた試料であり、親水性に劣り、比較例9はケイ酸ナトリウムの含有量が30質量%を超えた試料であり、親水性に劣り、比較例10、11はアルミナの含有量が45質量%を超え、ケイ酸ナトリウムの含有量が10質量%未満の試料であり、親水性に劣る結果となった。このため、良好な親水性を得るためには、ケイ酸塩の含有量10〜30質量%、無機アルミニウム化合物の含有量25〜40質量%の範囲とすることが好ましいことがわかる。
比較例12は親水性塗膜主成分としてPVAの代わりにアクリル樹脂を用いた試料であるが、着霜性、除霜性ともに低下した。親水性塗膜主成分は、PVAと無機アルミニウム化合物とケイ酸塩の組合せが有効であることがわかる。比較例13はPVAの含有量が30質量%未満の試料であり、着霜性が悪化し、比較例14はPVAの含有量が50質量%を超えた試料であるが着霜性と除霜性が悪化した。このため、良好な親水性と着霜性、除霜性を得るためには、PVAの含有量を30〜50質量%の範囲とすることが好ましいとわかる。
比較例15、16は不凍多糖の含有率が5質量部未満であり、低い試料であるが、着霜性、除霜性ともに劣り、比較例17は不凍多糖の含有率が20質量部を超えた試料であるが密着性に問題を生じた。親水性塗膜密着性の面から見て不凍多糖の含有量は親水性塗膜主成分に対し、5〜20質量部の範囲であることが望ましいことがわかった。
以上の説明から、耐食性と親水性に優れ、霜が付きにくく、付着した霜を早期に溶かすことができ、除霜性に優れるとともに、親水性塗膜の良好な密着性を得るには、リン酸クロメート皮膜の皮膜量と、親水性塗膜の塗膜量と、親水性塗膜主成分におけるPVAとアルミナとケイ酸塩の割合と、不凍多糖の含有量をそれぞれ適切な範囲に調整することが重要であることが立証された。
1…熱交換器、2、3…ヘッダーパイプ、4…チューブ、5…フィン、5A…フィン材、5a…基材、5b…化成皮膜、5c…親水性塗膜、8…第1のフレット部、9…第2のフィレット部、10…Zn拡散層、11…フィン材、12…フィン、13…伝熱管、15…熱交換器、16…基材、17…化成皮膜、18…親水性塗膜、21…熱交換器、22…チューブ、23…フィン、24…ヘッダー管、29…孔、30…立ち上げ部。

Claims (6)

  1. アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基板と、この基板の表面と裏面の少なくとも一方に皮膜量5〜50mg/mで被覆された化成皮膜と、該化成皮膜上に塗膜量0.3〜2.0g/mで被覆された親水性塗膜を備え、
    前記親水性塗膜が、PVA(ポリビニルアルコール)30〜50質量%とケイ酸塩10〜30質量%と無機アルミニウム化合物25〜40質量%とからなる親水性塗膜主成分100質量部に対し、真菌由来の不凍多糖を5〜20質量部含むことを特徴とする熱交換器用アルミニウムフィン材。
  2. 前記親水性塗膜の上に界面活性剤からなる塗膜量0.05〜0.4g/mの水溶性潤滑剤層が被覆されたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器用アルミニウムフィン材。
  3. 前記親水性塗膜表面の接触角が30゜以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱交換器用アルミニウムフィン材。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のアルミニウムフィン材からなるアルミニウムフィンと該アルミニウムフィンに対し接合されたアルミニウムまたはアルミニウム合金製のチューブを備えたことを特徴とする熱交換器。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のアルミニウムフィン材からなるアルミニウムフィンが複数相互に所定の間隔をあけて配列され、前記複数のアルミニウムフィンを貫通し接合されたアルミニウムまたはアルミニウム合金製の複数のチューブを備えたことを特徴とする熱交換器。
  6. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のアルミニウムフィン材からコルゲートフィンが形成され、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の複数のチューブが並列配置され、これらチューブ間にろう付けされた前記コルゲートフィンを備えたことを特徴とする熱交換器。
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