(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
一態様に係る吸収性物品の収容体は、第1物品表面及び第2物品表面と、四つの物品側部と、を有する吸収性物品と、前記吸収性物品の厚さ方向で複数の前記吸収性物品が積層された積層体を収容する収容袋と、前記吸収性物品が積層された方向であって、第1積層方向と前記第1積層方向と反対側の第2積層方向に延びる積層方向と、を有する、吸収性物品の収容体であって、前記物品側部は、互いに対向して配置される第1物品側部及び第2物品側部を有し、前記収容袋は、第1物品側部に対向して配置される第1収容側面を有し、前記積層体は、積層方向において順に並んで配置された第1吸収性物品、第2吸収性物品、及び第3吸収性物品を有し、前記第1吸収性物品の前記第1物品表面と前記第1収容側面とがなす角度を第1角度、前記第2吸収性物品の前記第1物品表面と前記第1収容側面とがなす角度を第2角度、及び前記第3吸収性物品の前記第1物品表面と前記第1収容側面とがなす角度を第3角度とすると、前記第1角度、前記第2角度、及び第3角度は、垂直でなく、前記第1吸収性物品において前記第1物品側部から前記第2物品側部に向かう方向、前記第2吸収性物品において前記第1物品側部から前記第2物品側部に向かう方向、及び前記第3吸収性物品において前記第1物品側部から前記第2物品側部に向かう方向は、いずれも前記第1積層方向と前記第2積層方向の一方である同一方向に延びている。
第1物品表面と第1収容側面とがなす角度が垂直でないため、使用者は、第1収容側面から各吸収性物品を視認した際に第1物品側部のみならず、物品表面を視認できる。また、第1吸収性物品、第2吸収性物品、及び第3吸収性物品は、積層方向に沿った同一方向に傾斜しており、第1収容側面から各吸収性物品を視認した際に、各吸収性物品の物品側部及び物品表面が交互に配置される。使用者は、吸収性物品の境界を把握し易くなり、個々の吸収性物品を把握し、取り出し易くなる。
好ましい一態様によれば、前記第1角度は、前記第2角度よりも大きく、前記第2角度は、前記第3角度よりも大きい。
吸収性物品毎に第1収容側面に対する角度が徐々に変化している。よって、使用者は、吸収性物品の境界を把握し易くなり、個々の吸収性物品を取り出し易くなる。
好ましい一態様によれば、前記第1収容側面には、前記吸収性物品を出し入れする開口を形成するための開口形成部が設けられている。
使用者は、第1収容側面に形成された開口を介して、第1物品側部側から吸収性物品同士の間に指を入れて、吸収性物品を掴んで取り出すことができる。このとき、第1物品側部と物品表面の両方が第1収容側面に対向して配置されており、隣接する吸収性物品の第1物品側部間に隙間が形成される。よって、使用者は、吸収性物品の境界に指を入れやすくなり、吸収性物品を取り出し易い。
好ましい一態様によれば、前記収容袋は、前記第1物品表面及び第2物品表面のそれぞれと対向して配置される一対の収容表面を有し、前記一対の収容表面のいずれかの収容表面には、前記吸収性物品を出し入れする開口を形成するための開口形成部が設けられている。
使用者は、収容表面に開口を形成し、物品表面側から吸収性物品を掴んで取り出すことができる。このとき、吸収性物品が傾斜しており、収容表面と物品表面が平行でない。よって、収容表面側に物品側部が向くように配置され、使用者は、物品側部を掴んで、吸収性物品を容易に取り出すことができる。
好ましい一態様によれば、前記第1収容側面には、前記積層方向に沿って延びる透明又は半透明の窓部が設けられている。
使用者は、収容側面に形成された窓部を介して吸収性物品の物品側部及び物品表面の両方を視認することができる。使用者は、吸収性物品の境界を把握し、収容体の外側から吸収性物品の収容状況を容易に把握できる。
好ましい一態様によれば、前記収容袋は、前記第1物品表面及び第2物品表面のそれぞれと対向して配置される一対の収容表面を有し、前記一対の収容表面のいずれかの収容表面は、前記収容体が陳列された状態で底面に位置する収容底面を構成する。
吸収性物品は、収容袋内で厚さ方向に積層されており、物品表面同士が当接している。収容底面に物品表面が対向して配置されているため、物品表面にせん断方向の力がかかり難く、収容袋内での吸収性物品の位置がずれ難くなる。収容側面に対する吸収性物品の角度を維持し、使用者が吸収性物品を個別に取り出し易い状態を維持し易い。
好ましい一態様によれば、前記収容袋は、前記第1収容側面と対向して配置された第2収容側面を有し、前記積層体は、前記第1収容側面側に配置された第1積層体と、前記第2収容側面側に配置された第2積層体と、を有し、前記第1積層体の前記第1物品側部及び前記第2積層体の前記第1物品側部は、第1収容側面に対向して配置され、前記第1積層体の前記第2物品側部及び前記第2積層体の前記第2物品側部は、第2収容側面に対向して配置され、前記第1積層体の前記第2物品側部と前記第2積層体の前記第1物品側部は、当接している。
第1積層体の吸収性物品の物品側部と第2積層体の吸収性物品の物品側部が当接しているため、物品側部どうしの接触によって第1積層体の吸収性物品の位置と第2積層体の吸収性物品の位置ずれが抑制される。よって、収容袋内での吸収性物品の位置がずれ難くなり、収容側面に対する吸収性物品の角度を維持し、使用者が吸収性物品を個別に取り出し易い状態を維持し易い。
好ましい一態様によれば、前記収容袋は、前記第1収容側面と対向して配置された第2収容側面を有し、前記積層体は、前記第1収容側面側に配置された第1積層体と、前記第2収容側面側に配置された第2積層体と、を有し、前記第1積層体の前記第1物品側部及び前記第2積層体の前記第1物品側部は、第1収容側面に対向して配置され、前記第1積層体の前記第2物品側部及び前記第2積層体の前記第2物品側部は、第2収容側面に対向して配置され、前記第1積層体において前記第1物品側部から前記第2物品側部に向かう方向は、前記第1積層方向に延びており、前記第2積層体において前記第1物品側部から前記第2物品側部に向かう方向は、前記第2積層方向に延びている。
第1積層体と第2積層体は、積層方向において反対側に傾斜している。よって、使用者は、第1積層体と第2積層体が別の積層体として認識し易くなり、個々の吸収性物品を取り出しやすい。
好ましい一態様によれば、前記収容袋は、前記第1物品表面及び第2物品表面のそれぞれと対向して配置される一対の収容表面を有し、前記第1積層方向側に位置する前記収容表面は、前記収容体が陳列された状態で底面に位置する収容底面を構成する。
第1積層体の吸収性物品と第2積層体の吸収性物品は、互いが向き合う方向に向かって第1積層方向に延びており、第1積層体の吸収性物品が自重によってずれる方向に第2積層体の吸収性物品が配置されている。よって、第1積層体の吸収性物品と第2積層体の吸収性物品が協働して位置ずれを抑制でき、収容袋内における吸収性物品の角度を維持し、使用者が吸収性物品を個別に取り出し易い状態を維持し易い。
好ましい一態様によれば、前記収容袋は、第1収容側面と、前記第1収容側面と対向して配置された第2収容側面と、を有し、前記積層体は、前記第1収容側面側に配置された第1積層体と、前記第2収容側面側に配置された第2積層体と、を有し、前記第1積層体の前記第1物品側部及び前記第2積層体の前記第1物品側部は、第1収容側面に対向して配置され、前記第1積層体の前記第2物品側部及び前記第2積層体の前記第2物品側部は、第2収容側面に対向して配置され、前記第1積層体において前記第1物品側部から前記第2物品側部に向かう方向は、前記第1積層方向に延びており、前記第2積層体において前記第1物品側部から前記第2物品側部に向かう方向は、前記第1積層方向に延びている。
第1積層体と第2積層体は、積層方向において同一方向に傾斜している。よって、第1積層体と第2積層体は、いずれも第1収容物品側又は第2収容物品側に向かって同一方向に延びる。使用者は、第1収容物品側又は第2収容物品側から両方の積層体の吸収性物品を取り出し易くなる。
好ましい一態様によれば、前記収容体は、前記収容袋を構成する収容シート同士が接合された収容接合部を有し、前記収容接合部は、前記第1収容側面から前記第2収容側面に向かって延びている。
収容接合部は、収容シート同士が接合された部分であり、収容袋において剛性が高い領域である。収容接合部が第1収容側面から第2収容側面に向かって延びているため、第1収容側面と第2収容側面の距離を維持し易い。第1積層体の吸収性物品と第2積層体の吸収性物品の物品表面に沿った方向の位置ずれを抑制し、第1積層体の吸収性物品と第1収容側面とがなす角度及び第2積層体の吸収性物品と第2収容側面とがなす角度を維持し易くなる。
好ましい一態様によれば、前記吸収性物品は、物品本体と、前記物品本体を個別に包装する包装シートと、を有し、前記包装シートは、前記物品本体よりも前記物品側部側に延出した延出部を有しており、前記第1積層体における前記延出部は、前記物品本体よりも第2収容側面側に延出しており、前記第2積層体における前記延出部は、前記第1収容側面側に延出している。
延出部は、物品本体が配置された領域よりも剛性が低く、柔軟に変形できる。第1積層体の延出部と第2積層体の延出部は、互いに向き合って配置され、互いに噛み合う。包装シートの延出部同士の噛み合いによって、第1積層体の吸収性物品と第2積層体の吸収性物品が協働して位置ずれを抑制できる。収容袋内における吸収性物品の角度を維持し、使用者が吸収性物品を個別に取り出し易い状態を維持し易い。
好ましい一態様によれば、前記吸収性物品は、物品本体と、前記物品本体を個別に包装する包装シートと、を有し、前記包装シートは、前記物品本体よりも前記物品側部側に延出した延出部を有しており、前記第1吸収性物品の前記延出部、前記第2吸収性物品の前記延出部、及び前記第3吸収性物品の前記延出部は、いずれも前記第1積層方向と前記第2積層方向の一方に延びている。
延出部は、物品本体よりも延出した部分であり、物品本体よりも厚みが薄い。よって、各吸収性物品の延出部間に隙間が形成され易く、使用者が物品側部を掴み易くなる。また、複数の延出部が同じ方向に延びているため、延出部が積層方向においてずれた状態で順々に配置される。使用者は、物品側部に配置された延出部によって個々の吸収性物品を掴み易くなる。
好ましい一態様によれば、前記吸収性物品は、物品本体と、前記物品本体を個別に包装する包装シートと、を有し、前記包装シートは、不織布又は織布からなるベース層と、前記ベース層の前記物品本体側の面のみに設けられた印刷層と、を有する。
不織布からなる包装シートは、フィルムからなる包装シートと比較して表面の摩擦係数が高い。また、印刷層が物品本体側のみに設けられているため、包装シートの外側に位置する面の摩擦係数の低下を抑制できる。よって、包装シートの同士の位置がずれ難く、収容袋内での吸収性物品の位置がずれ難くなる。収容側面に対する吸収性物品の角度を維持し、使用者が吸収性物品を個別に取り出し易い状態を維持し易い。
(2)吸収性物品の収容体の構成
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品の収容体について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
図1は、実施形態に係る吸収性物品の収容体100の斜視図である。図2は、図1に示す吸収性物品の収容体の第1収容側面側の側面図である。図3は、図1に示すA−A断面に沿った収容体の断面図である。なお、以下の説明において、吸収性物品の収容体を収容体100として説明する。
収容体100は、吸収性物品10と、収容袋20と、を有する。収容体100は、略直方体であってよい。収容体100は、後述する収容上面25と収容底面26を繋ぐ方向に延びる上下方向Uと、後述する収容正面27と収容背面28を繋ぐ方向に延びる奥行方向Dと、上下方向U及び奥行方向Dに直交する横方向Cと、を有してよい。
吸収性物品10は、生理用ナプキン、パンティーライナー等、体液を吸収する吸収体を有するものであればよい。吸収性物品10は、互いに直交する長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tを有する。厚さ方向Tは、着用者の肌に対向して配置される肌対向面側と、肌対向面側と反対側の非肌対向面側と、を有してよい。
図4は、吸収性物品10の展開状態の平面図である。図5は、吸収性物品10の包装状態の斜視図である。吸収性物品10は、物品本体1と、包装シート5と、を有してよい。物品本体1は、肌対向面側に配置された表面シート2と、非肌対向面側に配置された裏面シート(図示せず)と、表面シート2と裏面シートの間に配置された吸収体4と、を少なくとも有してよい。物品本体1の厚さは、一定でなく、吸収体4が配置された領域の厚さは、吸収体4が配置されていない領域の厚さよりも厚くてよい。
包装シート5は、物品本体1を個別に包んでよい。図6は、吸収性物品の包装シート5の断面を模式的に示した図である。包装シート5は、展開状態において物品本体1と対向して配置される第1面5Aと、第1面5Aと反対側の第2面5Bと、を有してよい。包装シート5は、ベース層6と、印刷層7と、を有してよい。ベース層6は、不織布又は織布によって構成されてよい。包装シート5のベース層6が不織布又は織布によって構成されているため、フィルムを有する包装シートと比較して摩擦係数が高くなり易い。ベース層6が滑り難くなり、吸収性物品10が滑り難くなる。織布としては、ナイロン繊維の糸、綿糸の少なくともいずれかを織ったものを例示でき、不織布としては、エアースルー不織布、スパンボンド不織布(S)及びメルトブローン不織布(M)の複合繊維からなるSMS不織布を例示できる。
印刷層7は、ベース層6の第2面5B側に配置されてなく、第1面5A側のみ、すなわち物品本体側のみに配置されてよい。ベース層6の第1面5A側は、包装状態で吸収性物品10の内側に配置され、ベース層6の第2面5B側は、包装状態で吸収性物品10の外側に配置される。印刷層7が第1面5A側のみに配置されているため、包装状態における吸収性物品の外面が滑り難く、積層された吸収性物品同士の位置がずれ難くなる。
印刷層7は、厚さ方向Tにおいて複数積層されていてもよい。印刷層7は、第1印刷部7Aと、厚さ方向Tにおいて第1印刷部7Aに重なる第2印刷部7Bと、を有してよい。また、印刷層7は、第1印刷部7Aと第2印刷部7Bに加えて、第3印刷部を有してもよい。
包装シート5は、図4に示す展開状態において、吸収性物品10に厚さ方向Tにおいて重なっており、図5に示す包装状態において、吸収性物品10を内部に収容する。なお、包装状態とは、展開状態の吸収性物品10を幅方向に沿った折り目を基点に長手方向に折り畳んだ状態であってもよいし、展開状態の吸収性物品10を幅方向Wに沿った折り目と長手方向Lに沿った折り目とを基点に折り畳んだ状態であってもよい。また、物品本体1は、包装状態において包装シート5の外面に一部露出していてもよいし、包装シート5内に内包され、露出してなくてもよい。また、他の形態において、物品本体1は、包装シート5によって包装されなくてもよい。このような形態にあっては、吸収性物品10は、物品本体1のみによって構成される。
本実施の形態の吸収性物品10は、図4に示す展開状態から、幅方向Wに沿った第1折り目FL1及び第2折り目FL2を基点に長手方向Lに折り畳まれている。折り畳まれた状態で、包装シート5の長手方向の端部がテープ部材8によって固定され、かつ包装シート5の幅方向の端部が熱溶着等によってシールされている。これにより、図5に示す包装状態の吸収性物品10を得ることができる。
包装シート5は、包装状態おいて物品本体1よりも延出した延出部9を有してよい。延出部9は、吸収性物品の折り目FL1、FL2に沿う方向に物品本体1よりも延出してよく、後述する物品側部側に延出してよい。延出部9は、物品本体1よりも延出した部分であり、物品本体が配置された領域よりも、厚みが薄く、剛性が低い。包装シート5は、延出部9において互いがシールされてよい。
吸収性物品10は、図5に示すように、一対の物品表面11と、物品表面11を囲む四つの物品側部12と、を有してよい。物品側部12は、互いに対向して配置された第1物品側部12A及び第2物品側部12Bと、互いに対向して配置された第3物品側部12C及び第4物品側部12Dと、を有してよい。第1物品側部12A及び第2物品側部12Bには、延出部9が設けられてよい。
包装状態の吸収性物品が収容袋20に収容された形態にあっては、物品表面11及び物品側部12は、包装状態の吸収性物品に形成された面である。他の形態において、展開状態の吸収性物品が収容袋に収容された形態にあっては、物品表面11及び物品側部12は、展開状態の吸収性物品に形成された面である。また、包装シート5によって物品本体1が包装された吸収性物品10にあっては、物品表面11及び物品側部12は、包装シート5に形成され、包装シート5によって物品本体1が包装されていない吸収性物品にあっては、物品表面11及び物品側部12は、物品本体1に形成される。
一対の物品表面11は、物品本体1の肌対向面又は非肌対向面に沿って延びる面である。物品表面11の面積は、物品側部12の面積よりも大きくてよい。物品表面11は、互いに対向して配置される第1物品表面11A及び第2物品表面11Bを有してよい。第1物品表面11Aは、後述する第1積層方向S1側に位置する面である。物品側部12は、一対の物品表面11間に位置する部分であり、物品本体1の厚さ方向Tに延びる面である。より詳細には、物品本体1の肌対向面又は非肌対向面に対する角度が45度以下の部分が物品表面11であって、物品本体1の厚さ方向Tに対する角度が45未満の部分が物品側部12である。物品表面及び物品側部は、平滑な面であってもよいし、凹凸を有する面であってもよいし、断面視にて湾曲した部分であってもよい。
収容袋20は、フィルムなどの収容シートによって袋状に形成されている。収容袋20は、吸収性物品を収容した状態で収容シート同士を接合した収容接合部29が形成されていてもよい。収容接合部29は、収容シート同士が熱溶着等によって接合された部分であり、収容接合部29が形成されていない部分と比較して剛性が高い。収容袋20は、透明又は半透明の窓部23を有してよい。窓部23は、収容袋20の少なくとも一部に、より好適には、後述する第1収容側面22Aの少なくとも一部に設けられていてよい。窓部23は、収容袋20の外側から内部に収容された吸収性物品10を視認可能に構成されていればよい。
収容袋20は、吸収性物品10を出し入れするための開口を形成するための開口形成部24が設けられていてよい。開口形成部24は、ミシン目のように収容袋の分断を誘導する構成であってもよいし、鋏等の切断手段によって使用者がシートを分断して開口を形成する位置を示す目印であってもよい。使用者は、開口を形成することにより、開口を介して吸収性物品10を取り出すことができる。開口形成部24は、収容側面に設けられていてもよいし、収容表面に設けられていてもよい。また、開口形成部24は、収容接合部29に設けられていてもよいし、収容接合部29に沿って設けられていてもよい。本実施の形態の開口形成部24は、ミシン目によって構成されている。開口形成部24は、第2収容表面21Bにおいて収容接合部29に沿って横方向Cに延びている。
収容袋20は、図1に示すように、一対の収容表面21と、収容表面21を囲む四つの収容側面22と、を有してよい。収容側面22は、一対の収容表面21の間に位置してよい。収容側面22は、互いに対向して配置された第1収容側面22A及び第2収容側面22Bと、互いに対向して配置された第3収容側面22C及び第4収容側面22Dと、を有してよい。第1収容側面22Aは、任意の物品側部である第1物品側部12Aに対向して配置されている。第2収容側面22Bは、第2物品側部12Bに対向して配置され、第3収容側面22Cは、第3物品側部12Cに対向して配置され、第4収容側面22Dは、第4物品側部12Dに対向して配置されてよい。
一対の収容表面21は、物品表面11に沿って延びる面であり、互いに対向して配置された第1収容表面21A及び第2収容表面21Bを有してよい。第1収容表面21Aは、第1物品表面11Aに対向して配置されており、第2収容表面21Bは、第2物品表面11Bに対向して配置されている。
収容袋20は、積層体15を収容している。積層体15は、複数の吸収性物品10が厚さ方向Tで積層された集合体である。積層体15は、第1積層方向S1と、第1積層方向S1に対して反対の第2積層方向S2と、に延びる積層方向Sを有する。積層方向Sは、吸収性物品10の厚さ方向Tに沿っている。積層体15は、積層方向Sにおいて順に並んで配置され第1吸収性物品10A、第2吸収性物品10B、及び第3吸収性物品10Cを少なくとも有する。積層体15は、第1吸収性物品10Aから第3吸収性物品10C以外にも複数の吸収性物品10を含んでもよい。
積層体15は、収容袋20内において一列で配置されていてもよいし、二列以上で配置されていてもよい。積層体15は、後述する変形例4のように、三列以上で配置されていてもよい。本実施の形態の収容袋20内には、第1積層体15Aと第2積層体15Bが収容されている。第1積層体15Aと第2積層体15Bは、物品側部12同士が向き合うように配置されてよい。
より詳細には、積層体15は、第1収容側面22A側に配置された第1積層体15Aと、第2収容側面22B側に配置された第2積層体15Bと、を有する。第1積層体15A及び第2積層体15Bにおいて第1収容側面22Aに対向して配置された面は、いずれも第1物品側部12Aを構成する。第1積層体15A及び第2積層体15Bにおいて第2収容側面22Bに対向して配置された面は、いずれも第2物品側部12Bを構成する。第1積層体15A及び第2積層体15Bにおいて第1収容表面21Aに対向して配置された面は、いずれも第1物品表面11Aを構成する。
図2に示すように、収容袋20は、収容体100が陳列された状態で上面に位置する収容上面25と、収容体100が陳列された状態で底面に位置する収容底面26と、を有してよい。本実施の形態の収容袋20は、第1収容表面21Aが収容底面26を構成し、第2収容表面21Bが収容上面25を構成している。しかし、他の形態において、第2収容表面21Bが収容底面26を構成してもよいし、第1収容側面22Aから第4収容側面22Dのいずれかが収容底面26を構成してもよい。
また、収容袋20は、収容体100が陳列された状態で正面に位置する収容正面27と、収容体100が陳列された状態で背面に位置する収容背面28と、を有してよい。本実施の形態の収容袋20は、第3収容側面22Cが収容正面27を構成し、第4収容側面22Dが収容背面28を構成している。しかし、他の形態において、第1収容表面21A又は第2収容表面21Bが収容正面27を構成してもよいし、第1収容側面22A、第2収容側面22B及び第4収容側面22Dのいずれかが収容正面27を構成してもよい。
次いで、このように構成された収容体における吸収性物品の収容態様について説明する。積層体15は、積層方向Sに積層された第1吸収性物品10A、第2吸収性物品10B及び第3吸収性物品10Cを有する。本実施の形態においては、第1吸収性物品10A、第2吸収性物品10B及び第3吸収性物品10Cは、第2積層方向S2に沿って、すなわち第1収容表面21A側から第2収容表面21B側に向かって順々に並んでいる。なお、他の形態においては、第1吸収性物品10A、第2吸収性物品10B及び第3吸収性物品10Cは、第1積層方向S1側に沿って、すなわち第2収容表面21B側から第1収容表面21A側に向かって順々に並んでもよい。また、第1吸収性物品10A、第2吸収性物品10B及び第3吸収性物品10Cは、一つの積層体内に並んで配置された任意の3つの吸収性物品であってよい。本発明は、少なくとも任意の3つの吸収性物品が以下の態様で収容されていればよく、他の吸収性物品が以下の態様以外で収容されていてもよいし、全ての吸収性物品が以下の態様で収容されていてもよい。
図3に示すように、収容体100は、第1吸収性物品10Aの第1物品表面11Aと第1収容側面22Aとがなす角度を第1角度θ10A、第2吸収性物品10Bの第1物品表面11Aと第1収容側面22Aとがなす角度を第2角度θ10B、及び第3吸収性物品10Cの第1物品表面11Aと第1収容側面22Aとがなす角度を第3角度θ10Cとすると、第1角度θ10A、第2角度θ10B、及び第3角度θ10Cは、垂直でなく、90度以外の角度である。
複数の隣接する吸収性物品において物品表面と収容側面とがなす角度がいずれも垂直でないため、使用者は、第1収容側面22Aから各吸収性物品10を視認した際に物品側部12のみならず物品表面11を視認できる。使用者は、物品側部と物品表面の複数の面を視認でき、物品側部のみを視認する構成と比較して、個別の吸収性物品を把握し易い。使用者は、吸収性物品の境界を把握し易くなり、個々の吸収性物品を把握し、取り出し易くなる。
また、第1角度θ10A、第2角度θ10B及び第3角度θ10Cは、一定であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、第1角度θ10Aは、第2角度θ10Bよりも大きく、かつ第2角度θ10Bは、第3角度θ10Cよりも大きくてもよい。また、後述する変形例1のように、第1角度θ10Aは、第2角度θ10Bよりも大きく、第2角度θ10Bは、第3角度θ10Cよりも大きいことが好ましい。第1角度θ10A、第2角度θ10B及び第3角度θ10Cは、90度以外であればよく、その大小関係は限定されない。
また、図3に示すように、第1吸収性物品10Aにおいて第1物品側部12Aから第2物品側部12Bに向かう方向D10A、第2吸収性物品10Bにおいて第1物品側部12Aから第2物品側部12Bに向かう方向D10B、及び第3吸収性物品10Cにおいて第1物品側部12Aから第2物品側部12Bに向かう方向D10Cは、いずれも第1積層方向と第2積層方向の一方である同一方向に延びている。換言すると、方向D10A、方向D10B及び方向D10Cは、第1積層方向S1と第2積層方向S2のいずれかの同一方向に延びていればよく、いずれも第1積層方向S1に延びていてもよいし、いずれも第2積層方向S2に延びていてもよい。また、方向D10A、方向D10B及び方向D10Cは、積層方向Sに対して45度以上であってもよく、積層方向Sに対する角度が垂直以外であればよい。また、第1物品側部12Aから第2物品側部12Bに向かう方向は、物品表面に沿う方向と一致してもよい。
第1吸収性物品10A、第2吸収性物品10B、及び第3吸収性物品10Cは、積層方向Sに沿った同一方向に傾斜しており、第1収容側面22Aから各吸収性物品を視認した際に、各吸収性物品の物品側部12及び物品表面11が交互に配置される。使用者は、物品側部12と物品表面11の複数の面を視認でき、物品側部12のみを視認する構成と比較して、個別の吸収性物品10を把握し易い。使用者は、吸収性物品10の境界を把握し易くなり、個々の吸収性物品を把握し、取り出し易くなる。
第1角度θ10A、第2角度θ10B及び第3角度θ10Cは、第3収容側面側から視認した状態における角度であってよい。また、方向D10A、方向D10B及び方向D10Cは、第3収容側面側から視認した状態における角度であってよい。第1角度θ10A、第2角度θ10B及び第3角度θ10Cの測定及び方向D10A、方向D10B及び方向D10Cの測定は、収容体の陳列状態で測定できる。陳列状態とは、流通時における箱等のケースを開封し、収容体の収容接合部等、比較的剛性が高い把持可能な部分を把持して収容体を取り出し、文字等から把握できる収容体の上面が上側になるように平らな台に置いて放置した状態とする。当該陳列状態で収容体の第3収容側面側から吸収性物品を視認できる場合には、第3収容側面側から分度器をあてて測定する。また、分度器をあてることによって角度が崩れる場合には、第3収容側面側から写真を撮影し、その角度を測定する。また、当該陳列状態で収容体の第3収容側面側から吸収性物品を視認できない場合には、赤外線カメラ等で透過写真を撮影し、その角度を測定できる。または、収容表面と第3収容側面を切断し、第3収容側面から写真を撮影し、その角度及び方向を測定できる。
本実施の形態は、第1収容側面22Aは、陳列された状態において収容体の側面に位置する。よって、使用者は、収容体の側面側から視認した際に、物品側部12と物品表面11の複数の面を視認でき、個別の吸収性物品を把握し易い。また、他の形態において、第1収容側面22Aが収容上面25を構成する形態にあっては、使用者は、収容体100の上側から視認した際に、物品側部12と物品表面11の複数の面を視認でき、個別の吸収性物品を把握し易い。また、第1収容側面22Aが収容正面27を構成する形態にあっては、使用者は、収容体100の正面側から視認した際に、物品側部12と物品表面11の複数の面を視認でき、個別の吸収性物品を把握し易い。
また、第1収容側面22Aに設けられた窓部23が設けられていることが好ましい。使用者は、第1収容側面22Aに設けられた窓部23を介して吸収性物品の物品側部12及び物品表面11の両方を視認することができる。使用者は、吸収性物品10の境界を把握し、収容体の外側から吸収性物品の収容状況を容易に把握できる。
使用者が吸収性物品10を収容袋20から取り出す際は、開口形成部24に基づく開口を介して吸収性物品10を取り出すことができる。開口形成部24は、一対の収容表面21の少なくともいずれか一方の収容表面21に設けられてよい。使用者は、収容表面21に開口を形成し、物品表面11側から吸収性物品を掴んで取り出すことができる。このとき、吸収性物品10が傾斜して収容されており、収容表面21と物品表面11が平行でない。よって、第1物品側部12A又は第2物品側部12Bが収容表面21側に向くように傾斜して配置され、使用者は、物品側部を容易に掴んで、取り出すことができる。
また、第1収容表面21Aは、収容底面26を構成してよい。これにより、収容底面26には、物品表面11が対向して配置されている。吸収性物品は、収容袋20内で厚さ方向Tに積層されており、物品表面11同士が当接している。例えば、収容底面26に物品側部12が対向して配置されていると、物品表面11にせん断方向の力がかかり、吸収性物品どうしの位置がずれるおそれがある。しかし、収容底面26に物品表面が対向して配置されているため、陳列状態において物品表面11にせん断方向の力がかかり難く、収容袋内での吸収性物品の位置がずれ難くなる。収容側面に対する吸収性物品の角度を維持し、使用者が吸収性物品を個別に取り出し易い状態を維持し易い。
包装シート5のベース層6は、不織布によって構成されてよい。不織布からなる包装シート5は、フィルムからなる包装シート5と比較して表面の摩擦係数が高い。よって、包装シート5の同士の位置がずれ難く、収容袋内での吸収性物品の位置がずれ難くなる。収容側面22に対する吸収性物品10の角度を維持し、使用者が吸収性物品10を個別に取り出し易い状態を維持し易い。
また、包装シート5は、ベース層6の吸収性物品側の面のみに設けられた印刷層7を有してよい。印刷層7が形成された面は、インクによって滑り易く、摩擦係数が低くなり易い。しかし、印刷層7が吸収性物品10に対向する面のみに設けられているため、包装シート5の外側に位置する面の摩擦係数の低下を抑制できる。よって、包装シート5の同士の位置がずれ難く、収容袋20内での吸収性物品10の位置がずれ難くなる。収容側面22に対する吸収性物品10の角度を維持し、使用者が吸収性物品10を個別に取り出し易い状態を維持し易い。
第1吸収性物品10Aの延出部9、第2吸収性物品10Bの延出部9、及び第3吸収性物品10Cの延出部9は、いずれも第1積層方向S1と第2積層方向S2のうち一方の同じ方向に延びてよい。延出部9は、物品本体1よりも延出した部分であり、物品本体1よりも厚みが薄い。よって、各吸収性物品10の延出部9間に隙間が形成され易く、使用者が物品側部12を掴み易くなる。また、複数の延出部9が同じ方向に延びているため、延出部9が積層方向Sにおいてずれた状態で順々に配置される。使用者は、物品側部12に配置された延出部9によって個々の吸収性物品10を掴み易くなる。なお、延出部9が延びる方向と、第1吸収性物品において第1物品側部から第2物品側部に向かう方向と、は同じであってもよいし、異なっていてもよい。延出部9が延びる方向が第1積層方向に延びており、第1吸収性物品において第1物品側部から第2物品側部に向かう方向が第2積層方向に延びていてもよい。または、延出部9が延びる方向が第1積層方向に延びており、第1吸収性物品において第1物品側部から第2物品側部に向かう方向が第1積層方向に延びていてもよい。
また、積層体15は、第1収容側面22A側に配置された第1積層体15Aと、第2収容側面22B側に配置された第2積層体15Bと、を有し、第1積層体15Aの第2物品側部12Bと第2積層体15Bの第1物品側部12Aは、当接してよい。第1積層体15Aの第2物品側部12Bと第2積層体15Bの第1物品側部12Aが当接しているため、物品側部どうしの接触によって第1積層体15Aの吸収性物品10と第2積層体15Bの吸収性物品10の位置ずれが抑制される。よって、収容袋20内で吸収性物品10の位置がずれ難くなり、第1収容側面22Aに対する吸収性物品10の角度を維持し、使用者が吸収性物品10を個別に取り出し易い状態を維持し易い。
なお、第1吸収性物品10Aにおいて第1物品側部12Aから第2物品側部12Bに向かう方向D10A、第2吸収性物品10Bにおいて第1物品側部12Aから第2物品側部12Bに向かう方向D10B、及び第3吸収性物品10Cにおいて第1物品側部12Aから第2物品側部12Bに向かう方向D10Cは、同じ積層体内における3つの吸収性物品が同一方向に延びていればよく、他の積層体内の吸収性物品が異なる方向に延びてもよい。本実施の形態の第1積層体15Aでは、方向D10A、方向D10B及び方向D10Cは、いずれも第1積層方向に沿って延びており、第2積層体15Bでは、方向D10A、方向D10B及び方向D10Cは、第2積層方向S2に沿って延びている。
第1積層体15Aにおいて第1物品側部12Aから第2物品側部12Bに向かう方向は、第1積層方向S1に延びており、第2積層体15Bにおいて第1物品側部12Aから第2物品側部12Bに向かう方向は、第2積層方向S2に延びてよい。第1積層体15Aと第2積層体15Bは、積層方向Sにおいて反対側に傾斜している。よって、第1積層体15Aと第2積層体15Bが別の積層体として認識され易くなる。使用者は、個々の吸収性物品10を把握し易く、吸収性物品を個別に取り出し易くなる。
第1積層方向S1側に位置する第1収容表面21Aは、収容底面26を構成してよい。第1積層体15Aの吸収性物品10と第2積層体15Bの吸収性物品10は、互いが向き合う方向に向かって第1積層方向S1に延びている。第1積層体15Aの吸収性物品10が自重によってずれる方向に第2積層体15Bの吸収性物品10が配置されている。よって、第1積層体15Aの吸収性物品10と第2積層体15Bの吸収性物品10が協働して位置ずれを抑制でき、第1収容側面22Aに対する吸収性物品10の角度を維持し、使用者が吸収性物品10を個別に取り出し易い状態を維持し易い。
第1積層体15Aにおける延出部9は、物品本体1よりも第2収容側面22B側に延出し、かつ、第2積層体15Bにおける延出部9は、第1収容側面22A側に延出してよい。延出部9は、物品本体1が配置された領域よりも剛性が低く、柔軟に変形できる。第1積層体15Aの延出部9と第2積層体15Bの延出部9は、互いに向き合って配置され、互いに噛み合う。包装シートの延出部同士の噛み合いによって、第1積層体15Aの吸収性物品と第2積層体15Bの吸収性物品が協働して位置ずれを抑制できる。収容側面に対する吸収性物品の角度を維持し、使用者が吸収性物品を個別に取り出し易い状態を維持し易い。
収容接合部29は、第1収容側面22Aから第2収容側面22Bに向かって延びていてよい。収容接合部29は、収容シート同士が接合された部分であり、収容袋20において剛性が高い領域である。収容接合部29が第1収容側面22Aから第2収容側面22Bに向かって延びているため、第1収容側面22Aと第2収容側面22Bの距離を維持し易い。第1積層体15Aの吸収性物品と第2積層体15Bの吸収性物品の横方向Cにおける位置ずれを抑制し、第1積層体15Aの吸収性物品と第1収容側面22Aとがなす角度及び第2積層体15Bの吸収性物品と第2収容側面22Bとがなす角度を維持し易くなる。
このように吸収性物品の角度を傾斜させる手段としては、例えば、以下の方法を用いることができる。積層体が一列の場合には、吸収性物品を厚み方向に積層した積層体を積層方向に押圧し、収容袋内に収容する。このとき、第1収容側面側を第2収容側面側よりも強い力で押圧したり、第1物品側部と第1収容側面との摩擦係数を高めたり、第1物品側部に当接する搬送経路に突起などの搬送速度を遅延させる構成を設けたりすることにより、第1物品側部と第2物品側部の搬送方向の位置をずらすことができる。また、収容袋に積層体を収容する際に、積層体を押圧する器具の幅(第1物品側面と第2物品側面を繋ぐ方向の長さ)を、第1物品側面と第2物品側面の長さよりも短くしてもよい。積層体の部分によって積層体に係る押圧力が偏り、吸収性物品が傾いた状態で収容される。また、積層体が二列以上の場合には、複数の積層体が並んだ状態で押圧し、複数の積層体を同時に収容袋内に収容する。このとき、収容袋に対向する物品側部を収容袋に対向しない(積層体同士が対向得る)物品側部よりも強い力で押圧したり、収容袋と物品側部の摩擦係数を高めたり、収容袋に対向する物品側部に当接する搬送経路に突起などの搬送速度を遅延させる構成を設けたりすることにより、第1物品側部と第2物品側部の搬送方向の位置をずらすことができる。
または、吸収性物品の厚みの違いによって吸収性物品の角度を傾斜させることができる。具体的には、吸収性物品の厚みは、物品本体が配置された領域の厚みと、包装シートのみが配置された領域の厚みが異なる。第1物品側部側と第2物品側部側で包装シートのみが配置された領域の面積を異ならせることにより、吸収性物品を傾斜して配置できる。また、吸収性物品の包装状態では、吸収性物品が複数折られており、その層数が異なる。第1物品側部側と第2物品側部側で折り畳まれた状態の物品本体の層数を異ならせることにより、吸収性物品を傾斜して配置できる。特に、物品本体の厚みは、吸収体が配置された領域において最も厚くなる。図4に示すように、折り目FL1及びFL2を基点に折り畳んだ状態で、吸収体が2層重なる領域と、吸収体が3層重なる領域と、が設けられる。この吸収体の層数の違いによって吸収性物品を傾斜して配置できる。
吸収性物品を傾斜して配置する手段は、搬送過程による手段であってもよいし、吸収性物品自体の厚みであってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
次いで、変形例に係る吸収性物品について説明する。なお、以下の説明において、上述の実施形態と同様の構成については、同符号を用いて説明を省略する。図7は、変形例1に係る収容体100Aを模式的に示した斜視図である。図8は、変形例1に係る収容体を模式的に示した正面図である。変形例1に係る収容体100Aは、より好ましい実施形態であり、第1角度θ10Aは、第2角度θ10Bよりも大きく、第2角度θ10Bは、第3角度θ10Cよりも大きい。第1角度θ10Aと第2角度θ10Bの差は、第2角度θ10Bと第3角度θ10Cの差と同じであってもよいし、異なっていてもよい。第1積層体15Aにおいて、第1吸収性物品10A、第2吸収性物品10B及び第3吸収性物品10Cは、互いに隣接し、かつ第2積層方向S2に沿って、すなわち第1収容表面21A側から第2収容表面21B側に向かって並んでいる。第2積層体15Bにおいて、第1吸収性物品10A、第2吸収性物品10B及び第3吸収性物品10Cは、互いに隣接し、かつ第1積層方向S1に沿って、すなわち第2収容表面21B側から第1収容表面21A側に向かって並んでいる。
変形例1に係る収容体100Aは、第1収容側面22Aに対する角度が徐々に変化しており、第1収容側面22Aに対向して配置される吸収性物品全体の面積や物品表面と物品側部との比率は、複数並んで配置された吸収性物品毎に異なる。吸収性物品毎に収容側面に対する角度が異なるため、使用者が吸収性物品の境界を把握し易くなり、個々の吸収性物品を把握し、取り出し易くなる。
具体的には、変形例1の第1積層体15Aのように、第1角度θ10A、第2角度θ10B、及び第3角度θ10Cが90度未満の場合、第1吸収性物品10Aの第1物品側部12Aは、第2吸収性物品10Bの第1物品側部12Aよりも、第1収容側面22Aに対して平行である。よって、第1吸収性物品10Aの第1物品側部12Aが第1収容側面22Aに対向する面積は、第2吸収性物品10Bの第1物品側部12Aが第1収容側面22Aに対向する面積よりも大きい。また、第1吸収性物品10Aの第1物品表面11Aが第1収容側面22Aに対向する面積は、第2吸収性物品10Bの第1物品表面11Aが第1収容側面22Aに対向する面積よりも小さくなる。
また、変形例1の第2積層体15Bのように、第1角度θ10A、第2角度θ10B、及び第3角度θ10Cが90度よりも大きい場合、第2吸収性物品10Bの第1物品側部12Aは、第1吸収性物品10Aの第1物品側部12Aよりも、第1収容側面22Aに対して平行である。よって、第2吸収性物品10Bの第1物品側部12Aが第1収容側面22Aに対向する面積は、第1吸収性物品10Aの第1物品側部12Aが第1収容側面22Aに対向する面積よりも大きい。また、第2吸収性物品10Bの第2物品表面11Bが第1収容側面22Aに対向する面積は、第1吸収性物品10Aの第2物品表面11Bが第1収容側面22Aに対向する面積よりも小さくなる。
積層体の第1収容側面22A側の積層方向の高さH11は、積層体の第2収容側面22B側の積層方向の高さH12と異なってよい。各積層体において高さが異なっていればよい。具体的には、第1積層体15Aの第1収容側面22A側の高さH11は、第2積層体15Bの第2収容側面22B側の高さH12よりも高く、第2積層体15Bの第1収容側面22A側の高さH13は、第2積層体15Bの第2収容側面22B側の高さH14よりも高くてよい。このような構成によれば、積層体の第1収容側面22A側又は第2収容側面22B側が積層方向において突出している。使用者は、突出した側から個々の吸収性物品を取り出し易くなる。
また、変形例1に係る収容体100Aにおいて、延出部9は、第1収容側面22Aと対向して配置され、第1吸収性物品10Aの延出部9、第2吸収性物品10Bの延出部9及び第3吸収性物品10Cの延出部9は、同じ積層方向Sに延びてよい。吸収性物品毎に第1収容側面22Aに対する角度が徐々に変化しており、延出部9が積層方向において同じ方向に延びているため、該延出部9の第1収容側面22Aに対向する領域の長さが吸収性物品毎に異なり易い。例えば、第1吸収性物品の延出部9が第2吸収性物品の延出部9よりも積層方向において延出した長さは、第2吸収性物品の延出部9が第3吸収性物品の延出部9よりも積層方向において延出した長さよりも長くなる。使用者は、当該延出部9の長さの違いによって個々の吸収性物品を把握し易くなる。
次いで、図9に基づいて変形例2に係る収容体100Bについて説明する。変形例に係る収容体100Bは、第1積層体15Aと第2積層体15Bは、第1収容側面22Aに対して同じ方向に傾斜している。より詳細には、第1積層体15Aにおいて第1物品側部12Aから第2物品側部12Bに向かう方向は、第1積層方向S1に延びており、第2積層体15Bにおいて第1物品側部12Aから第2物品側部12Bに向かう方向は、第1積層方向S1に延びている。すなわち、第1積層体15Aと第2積層体15Bは、積層方向Sにおいて同じ方向に傾斜している。よって、第1積層体15Aと第2積層体15Bは、いずれも第1収容物品側又は第2収容物品側に向かって同じ積層方向Sに延びる。使用者は、第1収容物品側又は第2収容物品側から両方の積層体の吸収性物品を取り出し易くなる。
開口形成部24は、第1収容側面22Aに設けられてもよい。使用者は、第1収容側面22Aに形成された開口を介して、物品側部12側から吸収性物品10同士の間に指を入れて、吸収性物品10を掴んで取り出すことができる。このとき、第1物品側部12Aと物品表面11の両方が第1収容側面22Aに対向して配置されており、隣接する吸収性物品10の第1物品側部12A間に隙間が形成される。よって、使用者は、吸収性物品10の境界に指を入れやすくなり、吸収性物品10を取り出し易い。
次いで、図10に基づいて変形例3に係る収容体100Cについて説明する。変形例に係る収容体100Cは、第1積層体15Aと、第2積層体15Bと、を有する。第2積層体15Bは、第1積層体15Aの第2収容側面22B側ではなく、第1積層体15Aの第4収容側面22D側に配置されている。第1積層体15Aの第4物品側部12Dと、第2積層体15Bの第3物品側部12Cが対向して配置されている。変形例3に係る収容体100Cによれば、第1収容側面22Aの及び第2収容側面22Bに対して、第1積層体15Aと第2積層体15Bの両方が隣接している。よって、第1収容側面22A及び第2収容側面22Bから第1積層体15Aの吸収性物品10と第2積層体15Bの吸収性物品10のそれぞれを掴み易くなる。
次いで、図11に基づいて変形例4に係る収容体100Dについて説明する。変形例に係る収容体100Dは、第1積層体15Aと、第2積層体15Bと、第3積層体15Cと、を有する。第2積層体15Bは、第1積層体15Aの第2収容側面22B側に配置され、第3積層体15Cは、第2積層体15Bの第2収容側面22B側に配置されている。第1積層体15Aの第2物品側部12Bと第2積層体15Bの第1物品側部12Aが対向して配置されており、第2積層体15Bの第2物品側部12Bと第3積層体15Cの第1物品側部12Aが対向して配置されている。
第1積層体15Aの第1物品側部12Aから第2物品側部12Bに向かう方向D15Aは、第1積層方向S1に延びており、第2積層体15Bの第1物品側部12Aから第2物品側部12Bに向かう方向D15Bは、積層方向Sに対して垂直であり、第3積層体15Cの第1物品側部12Aから第2物品側部12Bに向かう方向D15Cは、第2積層方向S2に延びてよい。変形例4に係る収容体によれば、第1積層体15A、第2積層体15B及び第3積層体15Cの傾斜角度がそれぞれ異なるため、使用者は、個々の積層体を認識し易くなり、吸収性物品を取り出し易くなる。
本実施の形態に係る収容体は、複数の積層体のうち少なくともいずれかの積層体において第1物品側部12Aから第2物品側部12Bに向かう方向が積層方向Sに延びていればよい。変形例4に係る収容体100Dのように、第1物品側部12Aから第2物品側部12Bに向かう方向が積層方向に対して垂直である積層体(第2積層体15B)を一部有してもよい。
次いで、図12に基づいて変形例5に係る収容体100Eについて説明する。図12(a)は、変形例に係る収容体100Eを模式的に示した斜視図であり、図12(b)は、変形例に係る収容体100Eを模式的に示した第1収容側面側の側面図である。変形例5に係る収容体100Eは、変形例1に係る収容体100Aの変形例であり、第3収容物品から第4収容物品に向かう方向が積層方向に傾斜している。
具体的には、第1吸収性物品10Aにおいて第3物品側部12Cから第4物品側部12Dに向かう方向D11A、第2吸収性物品10Bにおいて第3物品側部12Cから第4物品側部12Dに向かう方向D11B、及び第3吸収性物品10Cにおいて第1物品側部12Aから第2物品側部12Bに向かう方向D11Cは、いずれも第1積層方向S1と第2積層方向S2のうち一方である第2積層方向に延びている。
このように、吸収性物品は、第1物品側部12Aから第2物品側部12Bに向かう方向が傾斜し、かつ第3物品側部12Cから第4物品側部13Dに向かう方向が傾斜しているため、4つの収容側面22のいずれに対しても吸収性物品が傾斜している。使用者は、4つの収容側面22のいずれからでも、物品側部12と物品表面11の両方を視認でき、個々の吸収性物品10を容易に取り出すことができる。
また、第1積層体15Aにおいて第3物品側部12Cから第4物品側部12Dに向かう方向が第1積層方向に傾斜し、第2積層体15Bにおいて第3物品側部12Cから第4物品側部12Dに向かう方向が第2積層方向に傾斜していてもよい。
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
すなわち、本発明は、上述した実施形態等に限定されるものではなく、これらの組み合わせも含むものである。例えば、上述した実施形態及び変形例においても、第3物品側部12Cから第4物品側部12Dに向かう方向が収容表面に対して平行でなく、傾斜していてもよい。上述した実施形態及び変形例においても、第1角度、第2角度、及び第3角度が段階的に大きく又は小さくなるように構成されていてもよい。