以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
≪第1実施形態≫
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る情報提供装置及び情報提供方法について説明する。本実施形態では、本実施形態に係る情報提供装置を、カーシェアリングを管理運営する共用車両管理システムに適用した例を用いて説明する。カーシェアリングは、複数の共用車両を複数のユーザで共用するシステムである。複数の共用車両は、複数のステーションに配置されている。本実施形態のカーシェアリングシステムでは、共用車両を借り出すステーションと、共用車両を返却するステーションとは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。なお、各ステーションは、共用車両を駐車させることができ、共用車両の貸出及び返却を行ったり、利用されていない共用車両を待機させたりできる場所であり、カーシェアリングシステムのために予め用意した駐車場などが挙げられる。
図1Aは、本実施形態の共用車両管理システム1を示す構成図である。図1Aに示すように、本実施形態の共用車両管理システム1は、共用車両管理装置100と、複数のユーザに利用される複数の共用車両V1〜Vn(以下、共用車両Vnと総称することもある)にそれぞれ設けられる車載装置200V1〜200Vn(以下、車載装置200Vnと総称することもある)と、複数のユーザによりそれぞれ所持されるユーザ端末装置400A〜400Z(以下、ユーザ端末装置400Aと総称することもある)と、を有する。本実施形態の共用車両管理システム1を構成する、車載装置200V1〜200Vn、ユーザ端末装置400A〜400Zの台数は限定されない。
本実施形態の共用車両Vnは、無人で自動的に走行可能な自動運転機能を備える車両である。共用車両Vnは駆動機構や操舵機構を備えており、これらの機構は自動運転機能により、完全に自動で制御される。なお、共用車両Vnは、運転者の運転操作により走行することができる手動運転機能を備えてもよく、自動運転機能と手動運転機能の切り替えが可能な車両であってもよい。本実施形態の自動運転機能には、本願出願時における自動運転技術を適宜に用いることができる。なお、共用車両Vnは自動運転機能を備えなくてもよい。
本実施形態の共用車両Vnとしては、電動モータを駆動源として備える電気自動車、内燃機関を駆動源として備えるエンジン自動車、電動モータ及び内燃機関の両方を駆動源として備えるハイブリッド自動車を例示できる。なお、電動モータを駆動源とする電気自動車やハイブリッド自動車には、二次電池を電動モータの電源とするタイプや燃料電池を電動モータの電源とするタイプのものも含まれる。
共用車両管理装置100、車載装置200V1〜200Vn及びユーザ端末装置400A〜400Zは、それぞれ通信装置(20、220、420)を備え、インターネット300などの電気通信回線網を介して相互に情報の授受が可能である。通信経路は有線であっても無線であってもよい。
本実施形態のユーザ端末装置400Aは、本発明の本実施形態に係るユーザ端末装置400Aに適用されるプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行することで、各機能を実行させる動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)と、を備えるコンピュータである。本実施形態のユーザ端末装置400Aは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、又はPDA(Personal Digital Assistant)その他の可搬型の端末装置であってもよい。
本実施形態のユーザ端末装置400Aは、各ユーザによる共用車両Vnの利用を求める入力情報を受け付ける入力装置410と、共用車両管理装置100などの外部装置と通信を行う通信装置420と、各ユーザに情報を通知するための表示装置430と、ユーザによる共用車両Vnの利用の制御処理を実行する制御装置440とを備える。
ユーザ端末装置400Aの入力装置410としては、例えば、ユーザの手操作による入力が可能なディスプレイ画面上に配置されるタッチパネル又はジョイスティックや、ユーザの音声による入力が可能なマイクなどの装置を用いることができる。
表示装置430は、共用車両管理装置100から受信した情報を、ユーザに通知する。表示装置430としては、ディスプレイなどが挙げられ、タッチパネル・ディスプレイを用いる場合には、入力装置410と兼用することができる。表示装置430は、例えば、予約が完了した共用車両Vnの情報などを共用車両管理装置100から受信して、ユーザに通知する。
本実施形態の制御装置440は、ユーザ端末装置400Aに備えられた図示しないGPS(Global Positioning System)受信機などの位置取得装置を用いて、ユーザ端末装置400Aを操作するユーザの現在位置の情報を取得する。現在位置の情報としては、例えば、緯度及び経度の情報が挙げられる。制御装置440は、取得した現在位置の情報を、通信装置420を介して、共用車両管理装置100に送信する。本実施形態では、制御装置440は、定期的に各ユーザの現在位置の情報を、共用車両管理装置100に送信する。これにより、後述する共用車両管理装置100が備える制御装置10は、各ユーザの現在の位置情報を取得することができる。
また、制御装置440は、各ユーザによる共用車両Vnの利用を求める利用要求などの入力情報を受け付け、通信装置420を介して、共用車両管理装置100に送信する。本実施形態では、共用車両Vnの利用要求としては、ユーザが利用要求を送信してから直ぐに共用車両Vnを利用開始する即時利用の態様が挙げられる。
上述した利用要求には、ユーザのID情報、ユーザの現在位置の情報、ユーザの希望出発地の情報、ユーザが利用しようとする共用車両VnのID情報、ユーザの希望目的地の情報、ユーザの希望利用開始時刻などが含まれる。ユーザの希望出発地とは、ユーザが共用車両Vnに乗車する乗車位置であり、ユーザの希望目的地とは、ユーザが共用車両Vnを降車する降車位置である。なお、本実施形態のユーザ端末装置400Aは、必要に応じて、共用車両管理装置100から、各ステーションの情報や、各ステーションにおける利用候補の共用車両Vnの情報などを受信してもよい。また、ユーザの希望出発地は、ユーザの現在位置をそのまま利用してもよく、現在位置以外に変更したい場合には入力できるようになっていてもよい。
また、本実施形態においては、ユーザ端末装置400A及び車載装置200Vnのうち、一方又は両方が、ユーザに対して共用車両Vnの走行経路を案内するためのナビゲーション装置として機能してもよい。ナビゲーション装置として機能する場面としては、例えば、共用車両Vnが自動運転機能と手動運転機能の切り替えが可能な車両の場合において、ユーザが共用車両Vnを運転する場面が挙げられる。ユーザ端末装置400Aがナビゲーション装置として機能する場合には、ユーザ端末装置400Aは、例えば、予めユーザ端末装置400Aに備えられたROMなどに地図情報を記憶させておく。ユーザ端末装置400Aは、表示装置430に、地図情報とともに、ユーザが現在利用している共用車両Vnの現在位置と、ユーザが設定した目的地の位置とを表示し、共用車両Vnの現在位置から目的地までの走行経路を案内する。
本実施形態の車載装置200Vnは、各共用車両Vnの現在位置を検出するGPS受信機210と、共用車両管理装置100などの外部装置と通信を行う通信装置220と、ユーザによる共用車両Vnの利用の制御処理を実行する制御装置230とを備える。
この車載装置200Vnは、ユーザ端末装置400Aの機能を利用した簡易な機構にしてもよい。例えば、GPS受信機や通信装置、経路演算および経路誘導装置などがユーザ端末装置400Aに搭載されている場合はその機能を利用し、車載装置200Vnは、次に示すユーザの認証のみを行うようにしてもよい。
本実施形態においては、制御装置230は、車載装置200Vnに備えられた認証装置(不図示)を用いて、共用車両Vnに乗車したユーザが、この共用車両Vnの利用要求を行ったユーザと一致するか否かのユーザ認証を行う。例えば、制御装置230は、認証装置として、NFC(Near Field Communication)による通信が可能な装置を用いて、ユーザが所有するユーザ端末装置400Aや会員カードなどからユーザのID情報を読み取る。さらに、制御装置230は、通信装置220を介して共用車両管理装置100にアクセスして、共用車両Vnの利用要求の情報を取得し、共用車両Vnに乗車したユーザのユーザ認証を行う。
また、制御装置230は、GPS受信機210を用いて取得した現在位置の情報を、通信装置220を介して、共用車両管理装置100に送信する。
さらに、制御装置230は、図示しないディスプレイやスピーカなどを用いて、共用車両管理装置100から送信された情報などを、ユーザに通知する。本実施形態では、制御装置230は、共用車両管理装置100から、共用車両Vnへの相乗りを希望しているユーザに関する情報などを受信して、ユーザに通知する。本実施形態の相乗りとは、一台の共用車両に複数人数が一緒に乗り合わせることを示し、例えば、他人同士が一台の共用車両に乗ることを示す。
なお、本実施形態においては、車載装置200Vnは、上述したユーザ端末装置400Aと同様に、共用車両Vnの現在位置から目的地までの走行経路を案内するためのナビゲーション装置として機能するものであってもよい。
本実施形態の共用車両管理装置100は、共用車両管理システム1のサーバとして機能し、カーシェアリングシステムを管理運営するための制御処理を実行する制御装置10と、車載装置200Vn及びユーザ端末装置400Aとそれぞれ相互に通信可能な通信装置20と、通信装置20により受信した情報、各共用車両Vnの情報などを記憶するデータベース30とを備える。
データベース30は、共用車両情報31と、ユーザから受け付けた利用要求32と、地図情報33と、ユーザ情報34とを記憶する。
共用車両情報31は、各共用車両Vnに関する情報である。共用車両情報31には、各共用車両Vnの現在位置の情報、各共用車両Vnの電力残容量や故障情報、各共用車両Vnの現在の利用状況などが含まれる。
利用要求32は、ユーザ端末装置400Aを介して各ユーザにより入力された共用車両Vnの利用要求情報である。利用要求32には、ユーザのID情報、ユーザが利用しようとする共用車両VnのID情報、ユーザの現在位置の情報、ユーザが設定した乗車位置(出発地)、降車位置(目的地)、乗車予定時刻(出発予定時刻)、降車予定時刻(到着予定時刻)等を示す情報などが含まれる。乗車予定時刻及び降車予定時刻は、それぞれ時間の幅をもたせてもよい。例えば、ユーザが、指定された降車位置に、午前10時30分から午前11時30分の間に到着したい場合には、到着予定時刻は、午前11時を中心とし30分前後の幅をもつ時間で示される。出発予定時刻も、同様に、任意の時間を中心として、任意の時間幅をもつ時間で示される。
地図情報33は、道路や施設などの情報も含む地図情報である。施設の情報には、例えば、建物の階数、建物の通路、建物の出入り口等を示す建物の構造の情報が含まれる。また、地図情報33には、例えば、各ステーションの位置情報、各ステーション周辺の施設情報、各ステーション周辺の交通状況、及び各ステーションの利用状況等の各ステーションに関する情報が含まれる。
ユーザ情報34は、カーシェアリングシステムを利用することができる全ユーザの情報である。ユーザ情報34には、全ユーザのID情報、全ユーザの現在位置の情報が含まれる。例えば、通信装置20が各ユーザのユーザ端末装置400Aから所定の期間ごとに各ユーザの現在の位置情報を受信することで、ユーザ情報34に各ユーザの現在の位置情報を格納することができる。
本実施形態の共用車両管理装置100の制御装置10は、図1Aに示すように、カーシェアリングシステムを管理運営する処理を実行するためのプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)12と、このROM12に格納されたプログラムを実行することで、共用車両管理装置100として機能する動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)11と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)13とを備える。
図1Bを用いて、カーシェアリングの形態の一例を説明する。図1Bは、本実施形態の共用車両管理システム1において、ユーザU1が共用車両V1を利用する方法の一例を示す概要図である。図1Bでは、ユーザU1は、ユーザ端末装置400Aを用いて、共用車両V1を利用し、ユーザU1が設定した出発地P1(或いはユーザ1の到着位置情報を基に共用車両管理装置100が指定した出発地P1)から目的地P2まで移動しようとする場面を示している。
例えば、図1Bに示す場面において、ユーザU1がユーザ端末装置400Aに出発地P1及び目的地P2を入力すると、入力された情報は、ユーザU1が共用車両を利用する際の希望条件として、ユーザ端末装置400Aから共用車両管理装置100に送信される。
共用車両管理装置100は、希望条件に基づいて選定した共用車両V1に対して、出発地P1へ移動して、ユーザU1を迎えに行くための移動指令を送信する。移動指令には、現在の共用車両V1の位置から出発地P1までの走行経路、及び出発地P1から目的地P2までの走行経路R1が含まれる。共用車両V1は、共用車両管理装置100から移動指令を受信すると、自動運転機能により無人で自動的に出発地P1まで走行する。そして、ユーザU1が出発地P1で乗車すると、共用車両V1は、移動指令に含まれる走行経路R1に沿って、自動的に目的地P2まで走行する。共用車両V1が目的地P2に到着すると、ユーザU1は降車して共用車両V1の利用を終了する。その後、共用車両V1は、目的地P2から所定範囲内にあるステーションへ移動する。
なお、本実施形態では、出発地及び目的地としては、ユーザが、鉄道の駅や商業施設などの任意の地点を設定することができる。ただし、共用車両が走行できない道路や、停車して乗車・降車が困難な場所では、その最寄りの適切な位置を共用車両管理装置100が算出して、その位置を指定してもよい。
図1Bに示す場面において、ユーザU2は、ユーザU1と同様に、共用車両V1を利用することができるユーザである。例えば、カーシェアリングシステムがユーザ登録した会員限定のシステムの場合、ユーザU1とユーザU2はともにユーザ登録した会員である。ユーザU2は、ユーザ端末装置400Bを操作し、共用車両管理装置100に対して希望条件を送信する。
共用車両管理装置100は、ユーザU2の希望条件に合う共用車両Vnを選定する。選定候補となる共用車両は、利用されていない共用車両Vn(予約されていない共用車両Vn)に限らず、現在、利用されている共用車両Vn(現在、走行中の)も含まれる。すなわち、ユーザU2が現在利用中の共用車両Vnに乗車する場合には、相乗り乗車となる。
ユーザU2は、ユーザ端末装置400Bにより、共用車両V1の走行計画を含む情報と、相乗りを希望するか否かを確認するための情報を共用車両管理装置100から受信する。走行計画は、相乗りを行うための走行経路R2を含んでいる。ユーザU2は、ユーザ端末装置400Bに表示された走行経路等の走行計画を確認し、相乗りで共用車両V1を利用する旨の信号を車両管理装置100に送信する。
車両管理装置100は、ユーザU1とユーザU2との間で共用車両V1を相乗りで利用させるために、走行計画を、相乗りなしの走行経路R1から相乗り有りの走行経路R2に変更する。走行経路の変更などに伴い、ほとんどの場合でユーザU1の目的地への到着予定時刻は遅くなる。もし、走行経路R1とR2が同じ場合でも、ユーザU2を乗車させるためには、車両は減速・停車、乗車完了するまでの時間が必要になるためU1の目的地への到着予定時刻は遅くなる。
以下、車両管理装置100の具体的な制御を説明する。図2は、共用車両管理装置100の制御装置10による制御フローを示すフローチャートである。
ステップS101にて、制御装置10はユーザ端末装置400Aと通信を行い、ユーザから希望条件を取得する。希望条件は、共用車両Vnの利用にあたって、ユーザにより指定される条件である。希望条件は、乗車位置、降車位置、乗車希望時刻、降車希望時刻等で指定される。乗車位置及び降車位置は、例えばユーザ端末装置400Aの表示装置430に表示される地図上でユーザにより指定される位置である。乗車位置及び降車位置は、例えば緯度、経度で示される。なお、乗車位置及び降車位置は、例えば横浜駅周辺など、エリアで指定されてもよい。
乗車希望時刻及び降車希望時刻は、特定の時刻に限らず、例えばAM8時からAM9時などの時間帯で指定されてもよい。なお、希望条件は必ずしも乗車希望時刻又は降車希望時刻を含まなくてもよい。例えば、ユーザができるだけ早く共用車両Vnに乗車したいこと希望した場合には、希望条件は乗車希望時刻を含んでいない。希望条件は、相乗りの希望の有無を含んでもよい。例えば、相乗り時の共用車両Vnの利用料金が、相乗りをしていない時の料金より安くなる場合には、ユーザが予約申請時に相乗りを希望できるようにするために、相乗りの希望の有無が、希望条件に含まれる。
ステップS102にて、制御装置10は、ユーザから取得した希望条件に基づき、複数の共用車両Vnから利用可能な車両を特定する。制御装置10は、希望条件に合う共用車両Vnを選定する。例えば、制御装置10は、希望条件で指定された乗車位置から最も近い共用車両Vnを、利用可能な候補車両として選定する。希望条件が乗車位置及び乗車希望時刻を含む場合には、制御装置10は、共用車両Vnが乗車位置に乗車希望時刻までに到着できるか否かを判定する。共用車両Vnが乗車位置に乗車希望時刻までに到着できると判定した場合に、制御装置10は共用車両Vnを利用できると判定する。共用車両Vnを利用できる場合には、制御装置10はステップS103の制御処理を実行する。共用車両Vnを利用できない場合、すなわち希望条件に合う共用車両Vnを特定できない場合には、制御装置10はステップS105の制御処理を実行する。
ステップS103にて、制御装置10は、希望条件に基づき走行計画を算出する。走行計画は、乗車位置の位置座標、降車位置の位置座標、選定された共用車両Vnの走行経路、乗車位置における出発予定時刻、降車位置における到着予定時刻により定まる。出発予定時刻はユーザの乗車予定時刻に相当し、到着予定時刻はユーザの降車予定時刻に相当する。制御装置10は、乗車位置から降車位置までのルート演算を行うことで、ユーザが希望する乗車位置までの走行経路を算出する。なお、ステップS103の制御フローで算出される走行計画は、共用車両Vnの相乗りをしない状態の走行経路である。
ステップS104にて、制御装置10は、通信装置420を用いて、走行計画を示す情報及び予約完了情報をユーザ端末装置400に送信する。予約完了情報は、ステップS102の制御処理にて、選定された車両情報、及び、共用車両Vnの予約が完了した旨を示す情報を含む。そして、制御装置10は、図3に示す制御フローを終了させる。
ステップS102の制御処理において、利用可能な共用車両Vnが存在しない場合には、制御装置10は、ユーザに対して予約不可を通知して、制御フローを終了させる。
次に、他のユーザが、共用車両Vnを即時利用で利用する際に、共用車両管理装置100の制御装置10で実行される制御処理について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。図3は、共用車両管理装置100で実行される制御処理を示すフローチャートである。以下の説明において、利用を希望する他のユーザは、共用車両Vnの即時利用を優先しており、共用車両Vnの利用可能性を高めるために、単独利用に限らず、相乗り利用も希望している。また、利用を希望する他のユーザの周囲には、単独利用で利用可能な共用車両Vnが存在していない状態とする。
ステップS201にて、共用車両管理装置100の制御装置10は、他のユーザ(以下、利用申請ユーザとも称する)から希望条件を取得する。希望条件は、降車位置、相乗りを希望する旨の意志表示等を含んでいる。また、共用車両管理装置100は、希望条件を取得する際に、利用申請ユーザの現在位置の情報を取得する。
ステップS202にて、制御装置10は、取得した希望条件に基づき、共用車両が相乗りで利用可能か否かを判定する。具体的には、制御装置10は、利用申請ユーザの現在位置を中心とした所定の範囲内、相乗り候補となる共用車両Vnを特定する。例えば、既に乗車中のユーザの希望条件が相乗りを承諾する旨を示している場合は、相乗り候補の共用車両Vnとなる。また、例えば、既に乗車中のユーザの希望条件が相乗りを過去に承諾している場合は、相乗り候補の共用車両Vnとなる。なお、後述する制御フローにて、現在、乗車中のユーザに対して相乗りを承諾するか否かの判定を要求するため、ステップS202の制御フローにおける、共用車両Vnが相乗りで利用可能であるか否かの判定条件には、相乗り希望の意志表示の有無、又は、相乗りの経験の有無を含めなくてもよい。
制御装置10は、利用申請ユーザの現在位置を中心として所定範囲内に、相乗り候補の共用車両Vnを特定できる場合には、特定された共用車両Vnの走行計画と、利用申請ユーザの希望条件に基づき、相乗り可能条件を満たすか否かを判定する。相乗り可能条件は、相乗り候補の共用車両Vnの走行経路と利用申請ユーザが希望する降車位置との位置関係で示される位置条件で表される。制御装置10は、利用申請ユーザの希望条件から降車位置を特定し、特定された降車位置が共用車両Vnの走行経路上にある場合に、あるいは、特定された降車位置が共用車両Vnの走行経路の周囲にある場合には、相乗り可能条件を満たすと判定する。なお、相乗り可能条件は、相乗り候補車両の到着予定時刻と、利用申請ユーザが希望する降車時刻との関係で決まる時間条件を含めてもよい。例えば、相乗りを希望するユーザを相乗りで乗員することで、相乗り候補車両に乗車しているユーザの降車時刻が所定時間以上遅れる場合には、制御装置10は相乗り可能条件を満たさないと判定してもよい。そして、特定された相乗り候補の車両が相乗り可能条件を満たす場合には、制御装置10は、特定された共用車両Vnが相乗り利用可能であると判定し、ステップS203の制御処理を実行する。一方、特定された相乗り候補の車両が相乗り可能条件を満たさない場合には、制御装置10は、特定された共用車両Vnが相乗り利用不可であると判定し、ステップS211の制御処理を実行する。
ステップS203にて、制御装置10は、乗車ユーザの目的地への到着時刻を算出する。乗車ユーザは、相乗り可能であると特定された共用車両Vnに既に乗車しているユーザである。目的地への到着予定時刻は、乗車ユーザが希望する降車位置へ(以下、希望目的地とも称する)の到着時刻である。制御装置10は、利用申請ユーザの乗車位置を特定し、特定された乗車位置を経由しつつ、乗車ユーザの希望目的地まで走行するための走行経路を算出する。利用申請ユーザの乗車位置は、利用申請ユーザが希望する乗車位置、又は、制御装置10が利用申請ユーザを相乗りで乗車させるために指定した乗車位置である。例えば、乗車位置が、相乗り可能であると特定された共用車両Vnの走行経路の周囲に設定された場合には、相乗りに対応した走行経路(以下、相乗り走行経路とも称する)が変更される。次に、制御装置10は、相乗り走行経路を走行した場合の、希望目的地への到着予想時刻を算出する。
ステップS204にて、制御装置10は、乗車ユーザの利用料金を算出する。本実施形態では、相乗りを承諾したユーザに対して、共用車両Vnの利用料金を安くしている。これにより、共用車両Vnの稼働率およびユーザの輸送効率を高めている。なお、相乗りの割引額は予め決まっている。
ステップS205にて、制御装置10は、相乗り受け入れ要否の確認メッセージを含む確認信号を送信する。相乗り受け入れ要否の確認メッセージは、利用申請ユーザから申請された相乗りを受け入れるか否か、乗車ユーザの意思を確認するための確認情報である。また、制御装置10は、相乗り受け入れ要否の確認メッセージに加えて、希望目的地への到着予定時刻及び利用料金を含む情報を送信する。制御装置10は、乗車ユーザのユーザ端末装置400、又は、乗車ユーザが乗車している共用車両Vnに、確認メッセージ、到着予定時刻、及び利用料金の各情報を含む信号を送信する。
ユーザ端末装置400の表示装置430には、例えば図4に示すような画面が表示される。図4に示すように、表示装置430には、相乗りを受け入れるか否か選択するためのアイコンが表示され、さらに希望目的地への到着予定時刻と利用料金との両方の情報が1つの画面上に表示される。表示装置430には、相乗りをしない場合の到着予定時刻と、相乗りをする場合の到着予定時刻が両方表示される。また、表示装置430には、相乗りをしない場合の利用料金と、相乗りをした場合の利用料金が両方表示される。
すなわち、本実施形態では、共用車両管理装置100は、相乗りの受け入れを要請するにあたって、相乗り条件を乗車ユーザに対して提供(送信)する。乗車ユーザは、表示装置430の表示画面を確認することで、相乗り条件(時間、料金)を確認できる。乗車ユーザは、相乗り申請を受け入れる場合には「承諾」を選択し、相乗り申請を拒否する場合には「拒否」を選択する。ユーザ端末装置400は、選択された「承諾」又は「拒否」を示す情報を、共用車両管理装置100に送信する。
なお、図4に示す画面表示は一例である。相乗り条件、及び、相乗りを受け入れるか否か選択するためのアイコンは、車載装置200のディスプレイに表示されてもよい。
ステップS206にて、制御装置10は、確認メッセージに対する応答信号をユーザ端末装置400から受信し、受信信号が相乗り「承諾」を示すか否か判定する。受信信号が「承諾」を示す場合には制御装置10はステップS207の制御処理を実行し、受信信号が「拒否」を示す場合には制御装置10はステップS209の制御処理を実行する。
ステップS207にて、制御装置10は、利用申請ユーザに走行計画及び予約完了情報を送信する。走行計画は、利用申請ユーザの乗車位置、乗車位置からの出発予定時刻、降車位置、降車位置への到着予定時刻、及び、乗車する共用車両Vnの走行経路等を含む。
ステップS208にて、制御装置10は、乗車ユーザに、相乗り承諾情報を送信する。相乗り承諾情報は、相乗りが承諾されたことを示す。そして、制御装置10は、図3に示す制御フローを終了させる。
受信信号が「拒否」を示す場合には、ステップS209にて制御装置10は、利用申請ユーザに対して予約不可の情報を送信する。ステップS210にて、制御装置10は乗車ユーザに対して相乗り拒否情報を送信する。相乗り拒否情報は、相乗りが拒否されたことを示す。そして、制御装置10は、図3に示す制御フローを終了させる。
また、ステップS202の制御処理において、特定された共用車両Vnが相乗り利用不可であると判定された場合には、ステップS211にて、制御装置10はユーザに予約不可を通知して、図3に示す制御フローを終了させる。
上記のとおり、本実施形態では、ユーザから共用車両の希望条件を取得し、取得された希望条件に基づき、複数の共用車両の中から利用可能な車両を利用車両として特定する。共用車両の利用を希望している他のユーザから、共用車両の希望条件を取得する。利用車両の走行経路、利用車両の現在位置、他のユーザの希望条件に基づき、乗車ユーザが乗車した状態で走行中の利用車両に、利用申請ユーザが相乗り可能である否かを判定する。利用申請ユーザが利用車両に相乗り可能であると判定された場合には、利用申請ユーザの相乗りを受け入れるか否か、乗車ユーザの意思を確認するための確認情報を、乗車ユーザのユーザ端末装置400又は利用車両のいずれか一方に通知することで、乗車ユーザに対して確認情報を送信する。これにより、現在車両を利用している最中のユーザも相乗り相手として選択され、選択されたユーザに対して相乗りを受け入れるか否かを問い合わせることで、速やかに車両を利用したいユーザの要求に対して適切に対応できる。その結果として、共用車両Vnの稼働率を高めることができる。
また、相乗りを行う際に、相乗りを受け入れる側のユーザは、その人の体調やその人の状況等で、相乗りを受け入れることで許容できる目的地到着時刻の遅れ時間や利用料金の割引額が異なる。本実施形態では、相乗りを行う場合に、事前に乗車ユーザに対して、相乗りを受け入れるか否かの意思確認を行うため、サーバ側の相乗りの管理処理に対して、ユーザの満足度を高めることができる。
また本実施形態では、乗車ユーザが乗車中の共用車両Vnの現在位置から、利用申請ユーザの乗車位置を経由して、乗車ユーザの降車位置まで走行する走行経路を算出する。また、利用車両が算出された走行経路を走行し、かつ、利用申請ユーザが利用車両に相乗りで乗車した場合の、降車位置への到着予想時刻を算出し、算出された到着予想時刻を含む情報を、乗車ユーザに送信する。これにより、乗車ユーザは、相乗りを承諾した場合に降車位置への到着予定時刻がどの程度遅れるのか確認できる。
また本実施形態では、利用申請ユーザが利用車両に相乗りで乗車しない場合の、降車位置への到着予想時刻を算出し、算出された到着予想時刻を含む情報を乗車ユーザに送信する。これにより、乗車ユーザは、相乗りを承諾した場合の到着予定時刻と、相乗りを拒否した場合の到着予定時刻とを比較しつつ、相乗りを承諾するか否か検討できる。
また本実施形態では、相乗りにより減額される共用車両の利用料金を算出し、利用料金を含む情報を乗車ユーザに送信する。これにより、乗車ユーザは、相乗りを承諾した場合の利用料金を確認できる。
また本実施形態では、相乗りにより減額される共用車両の利用料金と、相乗りで乗車した場合の降車位置への到着予想時刻とをディスプレイに表示させる。これにより、乗車ユーザは相乗りを承諾した場合の利用料金及び降車予定時刻の遅れを、画面上で一見して確認できる。
なお、本実施形態において、ユーザ端末装置400の表示装置430又は車載装置200のディスプレイには、図4に示すような画面に限らず、図5又は図6に示すような表示画面でもよい。図5に示すように、表示画面は、到着予定時刻の情報と、相乗りを受け入れるか否か選択するためのアイコンが表示される。また、図6に示すように、表示画面には、利用料金の情報と、相乗りを受け入れるか否か選択するためのアイコンが表示される。
《第2実施形態》
本発明の他の実施形態に係る情報提供方法又は情報提供装置について説明する。本実施形態では上述した第1実施形態に対して、相乗り受け入れ要否の確認メッセージを送信した後の制御処理の一部が異なる。その他の構成及び制御処理は、第1実施形態と同様であり、第1実施形態の記載を適宜援用する。
本実施形態の共用車両管理システム1において、共用車両管理装置100の制御フローを説明する。図7は、共用車両管理装置100の制御装置10の制御フローを示すフローチャートである。ステップS301〜ステップS305の制御処理は、ステップS201〜ステップS205の制御処理と同じため、説明を省略する。
ステップS306にて、制御装置10は、確認メッセージを含む確認信号を送信後、所定時間内に応答信号を受信したか否か判定する。応答信号は、確認信号に対する応答として、ユーザ端末装置400から送信される信号である。所定時間は、例えば15秒など、予め設定されている。制御装置10は、確認信号を送信した時点からの経過時間を計測し、経過時間が所定時間を経過するまでに、応答信号を受信したか否か判定している。所定時間内に応答信号を受信した場合には、ステップS307にて、受信信号が相乗り「承諾」を示すか否か判定する。受信信号が「承諾」を示す場合には制御装置10はステップS310の制御処理を実行し、受信信号が「拒否」を示す場合には制御装置10はステップS312の制御処理を実行する。
ステップS306の制御処理において、所定時間内に応答信号を受信していない場合には、ステップS308にて、制御装置10は、確認メッセージ(確認信号)を送信した後、所定時間を経過したか否かを判定する。所定時間を経過していない場合には、制御フローはステップS306に戻る。
所定時間を経過した場合には、制御フローはステップS309に進む。すなわち、本実施形態では、相乗りを承諾するか否かの意思を確認するにあたって、タイムアウト時間を設定している。タイムアウト時間を経過した場合には、相乗りの可否判定を、サーバ側で実行している。
ステップS309にて、制御装置10は、乗車ユーザに相乗りの経験があるか否かを判定する。共用車両管理装置100は、相乗りを実行した場合に、相乗りの利用実績の情報をユーザ情報34に記憶している。制御装置10は、データベース30から、乗車ユーザの利用履歴のデータを特定し、特定されたデータを参照して、相乗り経験があるか否を判定する。
相乗り経験がある場合には、ステップS310にて、制御装置10は、乗車ユーザにより相乗りが承諾されたとみなして、利用申請ユーザに走行計画及び予約完了情報を送信する。すなわち、所定時間に応答信号を受信せずタイムアウトした場合には、制御装置10は、相乗りの利用実績から、相乗りの可否を判定する。そして、過去に相乗りの経験がある場合には、乗車ユーザが相乗りの意思をもっていると、みなし判定(以下、みなし判定処理とも称す)を行い、相乗りのための制御処理を進める。これにより、共用車両Vnの相乗りを積極的に行うことができるため、共用車両Vnの稼働率を高めることができる。
また、ステップS307の制御処理において、受信信号が「承諾」を示すと判定された場合には、ステップS310にて、制御装置10は、利用申請ユーザに走行計画及び予約完了情報を送信する。走行計画は、利用申請ユーザの乗車位置、乗車位置からの出発予定時刻、降車位置、降車位置への到着予定時刻、及び、乗車する共用車両Vnの走行経路等を含む。
ステップS311にて、制御装置10は、乗車ユーザに、相乗り承諾情報を送信する。相乗り承諾情報は、相乗りが承諾されたことを示す。そして、制御装置10は、図7に示す制御フローを終了させる。
ステップS307の制御処理において、受信信号が「拒否」を示すと判定された場合には、又は、ステップS309の制御処理において、乗車ユーザに相乗り経験が無いと判定された場合には、ステップS312にて制御装置10は、利用申請ユーザに対して予約不可の情報を送信する。ステップS313にて、制御装置10は乗車ユーザに対して相乗り拒否情報を送信する。そして、制御装置10は、図7に示す制御フローを終了させる。
また、ステップS302の制御処理において、特定された共用車両Vnが相乗り利用不可であると判定された場合には、ステップS314にて、制御装置10はユーザに予約不可を通知して、図7に示す制御フローを終了させる。
次に、図8及び図9を用いて、ユーザ端末装置400の表示装置430に表示される表示画面について説明する。図8、9は、ユーザ端末装置400の表示画面の一例である。
制御装置10が確認メッセージを含む応答信号をユーザ端末装置400に送信し、ユーザ端末装置100が、応答信号を受信すると、表示装置430には、図8に示すような画面が表示される。表示画面には、相乗りを受け入れるか否か選択するためのアイコン、希望目的地への到着予定時刻、及び利用料金の情報が画面上に表示される。さらに、表示画面には、所定時間内に「承諾」又は「拒否」のいずれか一方を選択しない場合には、サーバ側で、相乗りの可否判定を実行する旨のメッセージ、例えば「15秒後にシステムが自動判定します」というメッセージが表示される。乗車ユーザは、図8に示す画面を確認することで、相乗りを承諾するか否かの確認を求められていること、相乗り条件、及び、タイムアウト処理でサーバ側が自動で判定することを確認できる。
そして、所定時間内にアイコンによる選択がない場合には、表示装置430の画面は、図8に示す画面から、図9に示す画面に切り換わる。例えば、相乗り経験がある場合には、図9に示すように、相乗りを承諾するための処理が行われたことを、メッセージ(例えば「タイムアウトしました。自動で(相乗りを)承諾しました。」)の表示で、乗車ユーザに対して通知する。これにより、乗車ユーザが相乗りを承諾するか否かの判定を、サーバ側で自動的に行うことができるため、相乗りの判定処理をスムーズに行うことができる、また共用車両Vnの相乗りを積極的に実行されるため、共用車両Vnの稼働率を高めることができる。例えば、乗車ユーザが共用車両Vnの乗車中に、ユーザ端末装置400の通知に気づかない場合には、本実施形態のように、タイムアウト時間を設定して、相乗りの判定をサーバ側で実行することで、相乗りの判定処理をスムーズに実行できる。
上記のように、本実施形態では、確認メッセージを含む確認情報を送信した時点からの経過時間を計測し、利用申請ユーザの相乗りを受け入れるか否か、乗車ユーザの意思を示す応答信号を受信した否かを判定し、経過時間が所定時間を経過するまでに応答信号を受信していない場合には、乗車ユーザは利用申請ユーザの相乗りを受け入れると判定する。これにより、乗車ユーザが相乗りを承諾するか否かの判定を、サーバ側で自動的に行うことができるため、相乗りの判定処理をスムーズに行いつつ、共用車両Vnの相乗りを積極的に実行できる。その結果として、共用車両Vnの稼働率を高めることができる。
なお、本実施形態の変形例では、共用車両管理装置100は、タイムアウトした後の相乗り可否を決めるための、みなし判定処理として、乗車ユーザの個人属性に基づき判定してもよい。
乗車ユーザの個人情報はユーザ情報34に含まれている。制御装置10は、上記のステップS309の制御処理の代わりに、以下のような処理を実行する。タイムアウト時間を経過した場合には、乗車ユーザの個人属性が女性又は高齢者である場合には、制御装置10は乗車ユーザにより相乗りが拒否されたとみなす。一方、乗車ユーザの個人属性が、女性及び高齢者以外である場合には、相乗りが承諾されたとみなす。これにより、乗車ユーザの個人属性に基づき、相乗り可否のみなし判定を実行できる。なお、上記説明において、相乗り「拒否」を示す個人属性は一例にすぎず、例えば乗車ユーザが子供である場合、又は、乗車ユーザが赤ちゃんを連れている場合に、制御装置10は乗車ユーザにより相乗りが拒否されたとみなしてもよい。
また、本実施形態の他の変形例では、共用車両管理装置100は、タイムアウトした後の相乗り可否を決めるための、みなし判定処理として、ユーザの評価点に基づき判定してもよい。評価点は、相乗りを行った際に、共用車両Vnの利用後のユーザが、同乗した他のユーザに対して相乗りした際の満足度で評価する。満足度が高いほど、同乗者として好感がもてることを示している。共用車両管理装置100は、管理対象のユーザ毎に、相乗りに関する評価点を蓄積している。そして、タイムアウト時間を経過した場合には、制御装置10は、利用申請ユーザの、相乗りに関する評価値が所定値以上であるか否かを判定する。評価値が所定値以上である場合には、制御装置10は相乗りが承諾されたとみなす。
また、本実施形態の他の変形例では、共用車両管理装置100は、タイムアウトした後の相乗り可否を決めるための、みなし判定処理として、ユーザの人数と性別との関係に基づき判定してもよい。例えば、複数の乗車ユーザが全て男性であって、利用申請ユーザが単独の女性である場合には、制御装置10は相乗りが拒否されたとみなす。なお、上記変形例における、みなし判定処理の判定条件はサーバ側に予め設定されている。
《第3実施形態》
本発明の他の実施形態に係る情報提供方法又は情報提供装置について説明する。本実施形態では上述した第2実施形態に対して、相乗り受け入れ要否の確認メッセージを送信した後の制御処理の一部が異なる。その他の構成及び制御処理は、第2実施形態と同様であり、第2実施形態の記載を適宜援用する。
本実施形態では、利用申請ユーザが相乗りを希望し、複数のユーザが相乗りの対象となる共用車両に乗車している場合には、乗車ユーザの「承諾数」と「拒否数」の数に応じて、相乗り可否を決めるための、みなし判定処理を実行する。乗車ユーザが複数いる場合には、共用車両管理装置100の制御装置10は、各乗車ユーザに対して、相乗り受け入れ要否の確認メッセージを送信する。そして、乗車ユーザより、相乗りを承諾する旨の意思表示があった場合には、制御装置10は「承諾数」をカウントアップする。また、乗車ユーザより、相乗りを拒否する旨の意思表示があった場合には、制御装置10は「拒否数」をカウントアップする。また、タイムアウト時間内に乗車ユーザから応答信号を受信しない場合には、制御装置10は、乗車ユーザの相乗りの利用実績により、「承諾数」又は「拒否数」をカウントアップする。制御装置10は、全ての乗車ユーザに対して、カウントアップ処理を実行した後、「承諾数」と「拒否数」をそれぞれ集計する。そして、「承諾数」が「拒否数」以上である場合には、制御装置10は、乗車ユーザの全員により相乗りが承諾されたとみなす。一方、「承諾数」が「拒否数」未満である場合には、制御装置10は、乗車ユーザの全員により相乗りが拒否されたとみなす。
本実施形態の共用車両管理システム1において、共用車両管理装置100の制御フローを説明する。図10は、共用車両管理装置100の制御装置10の制御フローを示すフローチャートである。ステップS401〜ステップS409の制御処理は、ステップS301〜ステップS309の制御処理と同じため、説明を省略する。
ステップ407の制御処理において、ユーザ端末装置400からの受信信号が相乗り「承諾」を示す場合、又は、ステップS409の制御処理において、乗車ユーザに相乗りの経験があると判定された場合には、ステップS410にて、制御装置10は承諾数をカウントアップする。一方、ステップ407の制御処理において、ユーザ端末装置400からの受信信号が相乗り「拒否」を示す場合、又は、ステップS409の制御処理において、乗車ユーザに相乗りの経験がないと判定された場合には、ステップS411にて制御装置10は拒否数をカウントアップする。
ステップS412にて、制御装置10は、全ての乗車ユーザに対して、相乗り確認処理が完了したか否かを判定する。相乗り確認処理は、ステップS406〜S411の制御フローに相当し、乗車ユーザ毎に実行される。相乗り確認処理が完了していない場合には、制御装置10はステップS406の制御処理を実行する。
相乗り確認処理が完了した場合には、ステップS413にて、制御装置10は「承諾数」が「拒否数」以上であるか否かを判定する。「承諾数」が「拒否数」以上である場合には、制御装置10は、ステップS414及びステップS415の制御処理をそれぞれ実行し、図10に示す制御フローを終了させる。ステップS414及びステップS415の制御処理は、第2実施形態のステップS310及びステップS311の制御処理と同様であるため、説明を省略する。
「承諾数」が「拒否数」未満である場合には、制御装置10は、ステップS416及びステップS417の制御処理をそれぞれ実行し、図10に示す制御フローを終了させる。ここでは、承諾数と拒否数の多数決で決定している例を示しているが、拒否数と承諾数の比率がX%未満(Xは任意の値を示す)のように任意の値にしてもよい。さらに、前記条件に加えて拒否数が一定数以上ある場合は、承諾数が拒否数を超えていても拒否するような条件にしてもよい。これは、拒否されたことを重視するユーザへの対応方法の1つである。ステップS416及びステップS417の制御処理は、第2実施形態のステップS312及びステップS313の制御処理と同様であるため、説明を省略する。また、ステップS402の制御処理において、特定された共用車両Vnが相乗り利用不可であると判定された場合には、ステップS418にて、制御装置10はユーザに予約不可を通知して、図10に示す制御フローを終了させる。
上記のように本実施形態では、複数の乗車ユーザが利用車両に乗車している場合には、利用申請ユーザの相乗りを受け入れるか否か、複数の乗車ユーザ毎の意志を確認するための情報を複数の乗車ユーザ送信し、利用申請ユーザの相乗りを受け入れる意志をもつ乗車ユーザが所定数以上である場合に、利用申請ユーザと複数の乗車ユーザとを相乗りで利用車両に乗車させる処理を実行する。利用申請ユーザの相乗りを受け入れる意志をもつ乗車ユーザには、サーバ側のみなし判定で、相乗りの受け入れを承諾したと判定されたユーザを含んでもよい。これにより、乗車ユーザが相乗りを承諾するか否かの判定を、サーバ側で自動的に行うことができるため、相乗りの判定処理をスムーズに行いつつ、共用車両Vnの相乗りを積極的に実行できる。また、複数のユーザが相乗り対象の共用車両Vnに乗車している場合に、公平性を保ちつつ、相乗りを承諾するか否かの判定を実行できる。
なお、本実施形態では、ステップS412の制御処理で比較される判定閾値を、拒否数としたが、拒否数の代わりに所定数(例えば、車両の乗員定数の半分の人数)としてもよい。また、判定閾値に拒否数を使用しない場合には、拒否数をカウントしなくてもよい。
また本実施形態の変形例では、相乗りを承諾するか否かの判定処理において、乗車ユーザの意思に反した判定結果となった場合には、判定結果と相違する意思をもつ乗車ユーザに対して、次回の乗車時に、カウント数の重み付け(インセンティブ)をつけてもよい。例えば、あるユーザが、表示装置430の画面上で相乗りを受け入れるか否かの選択を求められ、「拒否」を選択したにもかからず、最終的な判定結果が「承諾」になった場合には、制御装置10は、このユーザの次回の乗車時に「拒否数」のカウントを「1」ではなく「2」でカウントアップするような処理を実行する。また、あるユーザが、表示装置430の画面上で相乗りを受け入れるか否かの選択を求められ、「承諾」を選択したにもかからず、最終的な判定結果が「拒否」になった場合には、制御装置10は、このユーザの次回の乗車時に「承諾数」のカウントを「1」ではなく「2」でカウントアップするような処理を実行する。これにより、ユーザ間の公平性を保ちつつ、相乗りを承諾するか否かの判定を実行できる。