JP2019109444A - フレキソ印刷用感光性樹脂版の製造方法 - Google Patents

フレキソ印刷用感光性樹脂版の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】(1)印刷物におけるインキ転写の歪みが少なく、(2)印刷時の繰り返し貼りつけ時の耐久性に優れた(特に、亀裂の発生を抑制した)、フレキソ印刷版を得ることのできるフレキソ印刷用感光性樹脂版の製造方法を提供する。【解決手段】支持体と、該支持体上に積層された感光性樹脂層と、を有するフレキソ印刷原版を製造する工程を有する製造方法であって、感光性樹脂層は、少なくとも1種類以上のエラストマー性バインダー(A)と、少なくとも1種類以上のエチレン不飽和共重合性モノマー(B)と、少なくとも1種類以上の炭化水素化合物(C)と、少なくとも1種類以上の光重合性開始剤(D)とを含有し、炭化水素含有洗浄溶媒(E)によって溶解される感光性樹脂層の溶解速度が、0.09〜0.6mm/minである、フレキソ印刷用感光性樹脂版の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、フレキソ印刷用感光性樹脂版の製造方法に関する。
フレキソ印刷用の感光性樹脂版の製造に用いられる感光性樹脂組成物は、例えば特許文献1及び2に記載されるように、熱可塑性エラストマー、光重合性不飽和単量体、可塑剤、及び光重合開始剤を含有するものが一般的である。
フレキソ印刷版用の構成体としては、ポリエステルフィルム等を支持体とし、その上に上記の感光性樹脂組成物を含む層(感光性樹脂層を積層し、必要に応じて、ネガフィルムとの接触をなめらかにする目的で、さらに上記層の上にスリップ層若しくは保護層、又は赤外レーザーで切除可能な赤外線感受性物質を含む紫外線遮蔽層を積層して構成されることが一般的である。
このようなフレキソ印刷版用感光性構成体からフレキソ印刷版を製版するには、まず支持体を通して全面に紫外線露光を施し(バック露光)、薄い均一な硬化層を設け、次いでネガフィルムを通して、若しくは紫外線遮蔽層の上から直接、感光性樹脂層の面に画像露光(レリーフ露光)を行い、未露光部分を、現像用溶剤で洗い流すか、或いは熱溶融後に吸収層で吸収除去後に、後処理露光することによって製造されるのが一般的である。
フレキソ印刷用感光性樹脂版を用いた一般的な印刷は、凹凸のある樹脂版の凸部の表面に、インキ供給ロール等で、エステル溶剤等を含むインキを供給し、次に、樹脂版を被印刷体に接触させて、凸部表面のインキを被印刷体に転移させて行われる。
このようなフレキソ印刷においては、ネガフィルムに忠実な形状(解像力)が得られなかったり、エステル溶剤耐性がない場合、長時間印刷中に、印刷版が破壊されたり、膨潤して本来の絵柄でない部分まで、印刷されることがある。
このような感光性樹脂組成物に関し、種々の可塑剤が提案されている。例えば、特許文献3には、耐溶剤性を向上するための可塑剤として、分子量が25000以上の分子中の不飽和結合量が多く、高価格な液状ポリイソプレンが用いられている。対照として実施例1には、炭化水素系可塑剤として屈折率が低いナフテンオイルが用いられている。また、実施例1〜9には、炭化水素系可塑剤として、不飽和結合量が多いスチレン系オリゴマーが用いられている。
また、特許文献4には、エステル溶剤等を含むインキ耐性を向上するため、エラストマー樹脂、重量平均分子量が2000以下、不飽和結合量が0.5mol/100g以下、且つ20℃における屈折率が1.497以上の水素化テルペン樹脂、光重合性不飽和単量体、光重合開始剤及び、必要に応じて、染料、顔料、重合禁止剤、酸化防止剤及び光劣化防止剤を含む感光性樹脂組成物が提案されている。その例として、実施例には、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体、水素化テルペン樹脂、2種の光重合性モノマー及び光重合開始剤として、ベンジルジメチルケタールを含む感光性樹脂組成物が示されている。
特開2000−155418号公報 特開平02−108632号公報 特開平04−342258号公報 特開平10−288838号公報 特開2006−3570号公報 特開2007−148322号公報
しかしながら、これらの感光性樹脂組成物では、耐溶剤性を向上させる目的で分子間の凝集力を高めているため、フレキソ印刷版形成時に局所的に分子が配向しやすくなる傾向がある。そのため、印刷時に印胴に版を押し付ける際に、MD方向とTD方向との変形度合いが変わり、デザイン通りに精密にインキ転写をすることができない。また、版が配向することにより、MD方向とTD方向との引張特性が異なるため、版を印胴に繰り返し取付け、取り外しを行うと版に微小な亀裂が発生するといった不具合があった。
本発明は、(1)印刷物におけるインキ転写の歪みが少なく、(2)印刷時の繰り返し貼りつけ時の耐久性に優れた(特に、亀裂の発生を抑制した)、フレキソ印刷版を得ることのできるフレキソ印刷用感光性樹脂版の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、下記に示すような支持体と、該支持体上に積層された特定の感光性樹脂層とを有するフレキソ印刷原版を製造する工程を有する製造方法を用いることで、印刷物におけるインキ転写の歪みが少なく、印刷時の繰り返し貼りつけ時の耐久性に優れた、フレキソ印刷版を得ることができることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、印刷物におけるインキ転写の歪みが少なく、印刷時の繰り返し貼りつけ時の耐久性に優れた、フレキソ印刷版を得ることができる要因は次のように考えている。ただし、要因はこれに限定されない。感光性樹脂層に含有されるエラストマー性バインダー(A)は、光重合性開始剤(D)が露光時に開裂し、ラジカルが発生することにより、エチレン不飽和共重合性モノマー(B)と結合し、現像液に対して不溶となる。この時のエラストマー性バインダー(A)、及びエチレン不飽和共重合性モノマー(B)の分子間距離によって露光後の樹脂の硬度や耐久性、配向性に影響がでる。本願発明で重要な炭化水素化合物(C)は、エラストマー性バインダー(A)の間に入りこみ、エラストマー間の分子間距離を離すことができるため、エラストマー性バインダー(A)同士の凝集性を下げることができる。感光性樹脂の露光、現像後は炭化水素化合物(C)の一部が現像液に溶解し除去されるため、エラストマー性バインダー(A)の間に僅かな空隙ができ、樹脂の配向性を低減することができる。
また、感光性樹脂層に含有される炭化水素化合物(C)の除去性は、炭化水素化合物(C)の炭化水素含有洗浄溶媒(E)に対する溶解性が影響しており、エラストマー性バインダー(A)と炭化水素化合物(C)の分子間力も影響する。現像液に対する未硬化樹脂の溶解性が高すぎる場合は、露光、現像後の樹脂の空隙が大きくなり樹脂が脆くなる。また、現像液に対する未硬化樹脂の溶解性が低すぎる場合は、露光、現像後の樹脂の空隙が小さくなり配向性を充分に低減することができない。
このように、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、現像液に対する未露光の感光性樹脂層における溶解速度を制御することによって、硬化後の感光性樹脂層中の樹脂の配向性が制御され、印刷物のインキ転写の歪みを低減し、印刷時の繰り返し貼りつけ時に発生する亀裂が抑制されることを見出した。
また、感光性樹脂層に、溶解度パラメータが、18MPa1/2以下である炭化水素化合物(C)が含有されると、さらに顕著にインキ転写歪みと版の亀裂とが抑制されることを見出した。本発明に用いられる炭化水素含有洗浄溶媒(E)の溶解度パラメータは、エラストマー性バインダー(A)の溶解度パラメータよりも、炭化水素化合物(C)の溶解度パラメータに近い値となるため、エラストマー性バインダー(A)よりも炭化水素化合物(C)の方が炭化水素含有洗浄溶媒(E)に対する溶解性が高くなると考えられ、樹脂中の空隙の形成性に影響を与えているものと考えられる。
製版時の現像速度を制御することにより印刷品質が改善することは、驚くべき発見であり、これまでに報告された事例はない。
すなわち、本発明は下記の通りである。
[1]
支持体と、該支持体上に積層された感光性樹脂層と、を有するフレキソ印刷用感光性樹脂版を製造する工程を有する製造方法であって、
前記感光性樹脂層は、
少なくとも1種類以上のエラストマー性バインダー(A)と、
少なくとも1種類以上のエチレン不飽和共重合性モノマー(B)と、
少なくとも1種類以上の炭化水素化合物(C)と、
少なくとも1種類以上の光重合性開始剤(D)と、を含有した、フレキソ印刷原版であって、
炭化水素含有洗浄溶媒(E)によって溶解される前記感光性樹脂層の溶解速度が、0.09〜0.6mm/minである、
フレキソ印刷用感光性樹脂版の製造方法。
[2]
前記感光性樹脂層は、溶解度パラメータが18MPa1/2以下である炭化水素化合物(C)を含有する、
[1]に記載のフレキソ印刷用感光性樹脂の製造方法。
[3]
前記炭化水素化合物(C)は、パラフィン油を含有する、
[1]又は[2]に記載のフレキソ印刷用感光性樹脂の製造方法。
[4]
前記炭化水素化合物(C)の、
15℃における密度が、0.7〜1.0g/cm2であり、
40℃における動粘度が、100mm2/s以下であり、
重量平均分子量が、1000以下であり、
前記炭化水素化合物(C)は、該炭化水素化合物(C)中に占めるナフテン比率が5.0〜60mol%である可塑剤を含有する、
[1]〜[3]のいずれかに記載のフレキソ印刷用感光性樹脂の製造方法。
[5]
前記感光性樹脂層は、該感光性樹脂層の総量に対して、エラストマー性バインダー(A)を、60質量%未満含有する、
[1]〜[4]のいずれかに記載のフレキソ印刷用感光性樹脂の製造方法。
本発明に係るフレキソ印刷用感光性樹脂版の製造方法によれば、印刷物におけるインキ転写の歪みが少なく、印刷時の繰り返し貼りつけ時の耐久性に優れた、フレキソ印刷版を得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔フレキソ印刷用感光性樹脂版の製造方法〕
本実施形態のフレキソ印刷用感光性樹脂版の製造方法は、支持体と、該支持体上に積層された感光性樹脂層と、を有するフレキソ印刷原版(以下、「フレキソ印刷版用構成体」ともいう。)を製造する工程を有する。また、本実施形態の感光性樹脂層は、少なくとも1種類以上のエラストマー性バインダー(A)(以下、単に「(A)」ともいう。)と、少なくとも1種類以上のエチレン不飽和共重合性モノマー(B)(以下、単に「(B)」ともいう。)と、少なくとも1種類以上の炭化水素化合物(C)(以下、単に「(C)」ともいう。)と、少なくとも1種類以上の光重合性開始剤(D)(以下、単に「(D)」ともいう。)と、を含有する。さらに、本実施形態のフレキソ印刷原版において、炭化水素含有洗浄溶媒(E)(以下、「現像溶剤」、又は「(E)」ともいう。)によって溶解される感光性樹脂層の溶解速度は、0.09〜0.6mm/minである。
(支持体)
本実施形態の支持体は、感光性樹脂層を支持することができるものであれば、特に限定されない。支持体としては、例えば、ポリエステルフィルムが好適に用いられ、特に好ましくはポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
(感光性樹脂層)
本実施形態の感光性樹脂層は、支持体上に積層されている。感光性樹脂層は、例えば、感光性樹脂層を構成する感光性樹脂組成物をシート成形し、ロールラミネートにより支持体に密着させ、ラミネート後加熱プレスして得られる。また、そのような方法によれば、より一層厚み精度に優れた感光性樹脂層を得ることができる。
本実施形態のフレキソ印刷版用構成体は、支持体、感光性樹脂層の原料である感光性樹脂組成物等を用いて、種々の方法で調製することができる。例えば、感光性樹脂組成物の原料を適当な溶媒、例えばクロロホルム、テトラクロルエチレン、メチルエチルケトン、トルエン等の溶剤に溶解させて混合し、型枠の中に流延して溶剤を蒸発させ、そのまま板状にすることができる。また、溶剤を用いず、ニーダー、ロールミル或いはスクリュウ押出機で混練後、カレンダーロールやプレス等により所望の厚さに成型することができるが、本実施形態のフレキソ印刷版用構成体は、これらの調製方法により得られるものに限定されるものではない。
フレキソ印刷版用構成体は、通常粘着性を有するため、製版時その上に重ねられるネガフィルムとの接触性を向上させるために、或いはネガフィルムの再使用を可能にするために、感光性樹脂層の表面に溶剤可溶性の薄いたわみ性を有する保護層(例えば特公平5−13305号公報参照)をさらに設けてもよい。また、このたわみ性を有する保護層の代わりに、赤外線感受性物質を含む紫外線遮蔽層を設け、赤外線レーザーでの直接描画により、この紫外線遮蔽層そのものをネガチブとして用いてもよい。いずれの場合も、露光が終了してから、感光性樹脂層の未露光部を洗い出しする際に、この薄いたわみ性を有する保護層又は紫外線遮蔽層も同時に除去される。
溶剤可溶な薄いたわみ性を有する保護層として、例えば、洗い出し液に可溶性のポリアミド、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、セルロースエステル等の層を感光性樹脂層の表面に設けようとする場合には、これを適当な溶剤に溶かしてその溶液を直接感光性樹脂層にコーティングしてもよい。或いはポリエステル、ポリプロピレン等のフィルムにコーティング(保護フィルム)し、その後この保護フィルムを感光性樹脂層にラミネート又はプレス圧着して保護膜を転写させてもよい。
保護層は、支持体と同様に、感光性樹脂層を構成する感光性樹脂組成物をシート成形し、ロールラミネートにより保護フィルムに密着させ、ラミネート後加熱プレスして得られる。
<エラストマー性バインダー(A)>
本実施形態のエラストマー性バインダー(A)とは、高温で可塑化されて成型でき、常温ではゴム弾性体としての性質を示す高分子を意味する。エラストマー性バインダー(A)の中でも、製版時間の短縮化や印刷版の画像再現性の観点から、芳香族性を有する熱可塑性ブロック共重合体が好ましい。
芳香族性を有する熱可塑性ブロック共重合体とは、少なくとも、ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、共役ジエンを主体とする重合体ブロックとを有する共重合体を意味する。本明細書において「主体」とは、含有量が70質量%以上であることを指す。
ビニル芳香族炭化水素としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、P-メチルスチレン、第三級ブチルスチレン、α-メチルスチレン、1,1-ジフェニルエチレン等が挙げられ、中でも入手性の観点から、スチレンが好ましい。これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ビニル芳香族炭化水素の含有量は、芳香族性を有する熱可塑性ブロック共重合体の総量(100質量%)に対して、未硬化樹脂構成体の耐コールドフロー性の観点から、好ましくは13質量%以上であり、耐溶剤性の観点から、好ましくは28質量%以下であり、より好ましくは14質量%〜25質量%であり、さらに好ましくは15質量%〜25質量%である。
共役ジエンとしては、特に限定されないが、例えば、ブタジエンやイソプレン及び/又はその水素添加物等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、共役ジエンの水素添加は、芳香族性を有する熱可塑性ブロック共重合体とした後に行ってもよい。
この中でも表面の低粘着性化、印刷版の耐磨耗性或いは耐カケの観点から、ブタジエン及び/又はその水素添加物が好ましい。
共役ジエンブロック中のビニル含有量としては、耐カケ性の観点から、好ましくは5.0質量%〜40質量%である。
芳香族性を有する熱可塑性ブロック共重合体の構造は、製造の容易さの観点から、直鎖状でも、3〜6分岐のラジアル状でもよい。
芳香族を有する熱可塑性ブロック共重合体中には、印刷版の柔軟性及び耐カケ性の観点から、ビニル芳香族炭化水素ブロックと共役ジエンブロックとを有するジブロック体を、10質量%以上含有することが好ましい。
エラストマー性バインダー(A)は、必要に応じて、エチレンやプロピレンを主体とするブロックをさらに含有してもよい。
エラストマー性バインダー(A)の重量平均分子量は、特に限定されないが、成型加工性と得られる感光性樹脂の固体維持性とのバランスに優れるものが良く、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)用いたポリスチレン換算標準ポリスチレン換算で、8〜40万であることが好ましい。
エラストマー性バインダー(A)の含有量は、感光性樹脂層の総量(100質量%)に対して、未硬化樹脂構成体の耐コールドフロー性及び耐カケ性の観点から、好ましくは20質量%以上であり、柔軟性の点で、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは75質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以上であり、さらに好ましくは60質量%未満である。
必要に応じて、感光性樹脂層は、20質量%以下のエラストマー性バインダー(A)以外のエラストマー(その他のエラストマー)を含有することができる。その他のエラストマーとしては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられる。
<エチレン不飽和共重合性モノマー(B)>
本実施形態のエチレン不飽和共重合性モノマー(B)としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等のエステル類;アクリルアミドやメタクリルアミドの誘導体;アリルエステル、スチレン及びその誘導体;N置換マレイミド化合物等が挙げられる。
エチレン不飽和共重合性モノマー(B)の具体例としては、例えば、ヘキサンジオール、ノナンジオール等のアルカンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコールのジアクリレート及びジメタクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ペンタエリトリットテトラ(メタ)アクリレート、N,N’−ヘキサメチレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアクリルフタレート、トリアリルシアヌレート、フマル酸ジエチルエステル、フマル酸ジブチルエステル、フマル酸ジオクチルエステル、フマル酸ジステアリルエステル、フマル酸ブチルオクチルエステル、フマル酸ジフェニルエステル、フマル酸ジベンジルエステル、マレイン酸ジブチルエステル、マレイン酸ジオクチルエステル、フマル酸ビス(3−フェニルプロピル)エステル、フマル酸ジラウリルエステル、フマル酸ジベヘニルエステル、N-ラウリルマレイミド等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
エチレン不飽和共重合性モノマー(B)の含有量は、感光性樹脂層の総量(100質量%)に対して、所定の下限値以上であることにより、細かい点や文字の形成性の低下を抑制し、所定の上限値以下であることにより、露光前の感光性樹脂層が積層されたときの耐コールドフロー性の低下、及び印刷版の柔軟性の低下を抑制するため、好ましくは1.0〜20質量%である。
エチレン不飽和共重合性モノマー(B)は、耐エステル溶剤性の観点から、2官能以上の多官能(メタ)アクリレートを有する光重合性不飽和単量体を、好ましくは3.0質量%〜15質量%含有し、より好ましくは5.0〜15質量%含有する。さらに、エチレン不飽和共重合性モノマー(B)は、多官能アクリレート及び多官能メタクリレートをいずれも含有することがより好ましい。
<炭化水素化合物(C)>
本実施形態の炭化水素化合物(C)としては、特に限定されないが、例えば、実質、炭素と水素からなる樹脂で、パラフィン系炭化水素、オレフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
パラフィン系炭化水素は、分子式Cn2n+2の飽和鎖状化合物で、分枝のないノルマルパラフィンと枝分かれしたイソパラフィンがある。
オレフィン系炭化水素は、二重結合を有する鎖状炭化水素で、二重結合が1個の場合はCn2nの一般式で示される。
ナフテン系炭化水素は、1分子中に少なくとも1個の飽和環(ナフテン環)を含む炭化水素で、Cn2nの一般式で示される。原油や石油製品中に存在するナフテン系炭化水素は、上記のナフテン環が2、3個つながったもの、芳香族環と縮合したもの、さらにナフテン環、縮合環に種々のパラフィン側鎖がついているもの等がある。
炭化水素化合物(C)は、感光性樹脂層の現像性の観点から、密度、動的粘度、重量平均分子量、及びナフテン比率が低い方が望ましく、樹脂の現像液への溶出性の観点から密度、動的粘度、重量平均分子量、及びナフテン比率が高い方が好ましい。そのため、炭化水素化合物(C)の、15℃における密度が、0.7〜1.0g/cm2であり、40℃における動粘度が、100mm2/s以下であり、重量平均分子量が、1000以下であり、炭化水素化合物(C)は、該炭化水素化合物(C)中に占めるナフテン比率が5.0〜60mol%であることが好ましく、15℃における密度が、0.8〜0.9g/cm2であり、40℃における動粘度が、70mm2/s以下であり、重量平均分子量が、600以下であり、炭化水素化合物(C)は、該炭化水素化合物(C)中に占めるナフテン比率が10〜50mol%であることがより好ましい。
上記15℃における密度は、例えばJISZ8804に記載の方法により測定できる。
上記40℃における動粘度は、例えばJISZ8803に記載のウベローデ粘度計等により測定できる。
上記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)用いたポリスチレン換算から求めた値である。具体的には、HLC-8020(東ソー製GPC、商品名「カラムTSK−GEL−GMHXL」)のRI検出器で分析し算出した。
上記炭化水素化合物(C)中に占めるナフテン比率は、NMR等により測定できる。
(溶解度パラメータ)
溶解度パラメータとは、溶媒及び溶質の親和性を推測するために導入された物質固有のパラメータであり、より近い溶解度パラメータをもつ溶媒と溶質の組合せにより良好な溶解性が得られる。溶解度パラメータはHildebrand、Hansen等が知られており、本明細書内での溶解度パラメータはHildebrand溶解度パラメータを指す。Hildebrand溶解度パラメータの詳細は「POLYMER HANDBOOK」(Fourth Edition、pp.675−714、Joh Wiley & Sons,Inc.1999)等に記載されている。
炭化水素化合物(C)の溶解度パラメータが、18MPa1/2以下であることが好ましく、17.5MPa1/2以下であることがより好ましく、17MPa1/2以下であることがさらに好ましい。上記溶解度パラメータが上記範囲にあることにより、現像性に優れる傾向にある。
炭化水素化合物(C)の含有量は、感光性樹脂層の総量(100質量%)に対して、局所的な配向性を抑制するために、好ましくは5.0質量%以上であり、微小画像の形成性の点で、好ましくは50質量%以下である。また、より好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは35質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以上であり、さらに好ましくは30質量%以下である。
<光重合開始剤(D)>
本実施形態の光重合開始剤(D)とは、光のエネルギーを吸収し、ラジカルを発生する化合物を意味する。また、光重合開始剤(D)には、公知の各種のものを用いることができるが、各種の有機カルボニル化合物、特に芳香族カルボニル化合物を用いることが好適である。
光重合開始剤(D)の具体例としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;メチルベンゾイルホルメート;1,7−ビスアクリジニルヘプタン;9−フェニルアクリジン等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤(D)の含有量は、感光性樹脂層の総量(100質量%)に対して、所定の下限値以上であることにより、細かい点や文字の形成性の低下を抑制し、所定の上限値以下であることにより、紫外線等の活性光の透過率低下を抑制するため、好ましくは1.0〜5.0質量%であり、より好ましくは1.5質量%〜4.0質量%である。
<共役ジエンゴム>
本実施形態の感光性樹脂層は、共役ジエンゴムをさらに含有することができる。
共役ジエンゴムは、ジエンから得られる。ジエンとしては、入手性の点で、イソプレン及び/又はブタジエンが好ましく、耐カケ性の観点から、ブタジエンがより好ましい。
共役ジエンゴムとして具体的には、ポリブタジエンやポリイソプレン等が挙げられる。また、市販品としては、B−2000(日本曹達社製商品名)が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
共役ジエンゴム中のビニル含有量は、微小な画像の形成性や耐カケ性の観点からより高い方が良く、好ましくは50mol%以上であり、より好ましくは70mol%以上であり、さらに好ましくは75mol%以上である。共役ジエンゴム中のビニル含有量は、プロトンNMR(核磁気共鳴スペクトル)より求めることができる。
共役ジエンゴムの重量平均分子量(Mw)は、取り扱い性及び感光性樹脂組成物の相溶性の観点からより低い方が良く、耐カケ性の観点から高い方が良く、好ましくは1000〜50000であり、より好ましくは2000〜30000であり、さらに好ましくは3000〜20000である。共役ジエンゴムの重量平均分子量は、(C)成分の重量平均分子量の測定と同様に、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
共役ジエンゴムの含有量は、感光性樹脂層の総量(100質量%)に対して、画像再現性、耐カケ性、及び柔軟性の観点から、好ましくは3.0質量%以上であり、印刷版用感光性構成体の固体維持性の観点から、好ましくは40質量%以下であり、より好ましくは5.0〜30質量%であり、さらに好ましくは7.0〜20質量%である
本実施形態の感光性樹脂層は、所望に応じ種々の補助添加成分、例えば、可塑剤、熱重合防止剤、紫外線吸収剤、ハレーション防止剤、光安定剤、酸化防止剤等をさらに含有することができる。
〔フレキソ印刷版〕
本実施形態のフレキソ印刷版は、上述したフレキソ印刷原版(フレキソ印刷版用感光性構成体)から製版される。フレキソ印刷版用感光性構成体からフレキソ印刷版を製版する一般的な方法としては、まず支持体を通して全面に紫外線露光を施し(バック露光)、薄い均一な硬化層を設け、次いでネガフィルムを通して、若しくは紫外線遮蔽層の上から直接、感光性樹脂層の面に画像露光(レリーフ露光)をおこない、未露光部分を現像用溶剤で洗い流すか、或いは熱溶融後に吸収層で吸収除去後に、後処理露光することによって製造される。ここで、「硬化層」とは、感光性樹脂層のうち、例えば紫外線の照射を受けて、硬化した層を意味する。
本実施形態の印刷版(厚さ:3.94mm)のショアーA硬度は、段ボール印刷時に発生するインキの転写ムラを抑制する観点から、好ましくは50°以下であり、より好ましくは45°以下であり、さらに好ましくは40°以下である。厚さ3.94mmのフレキソ印刷版を、温度23℃、相対湿度50%恒温恒湿室内に一日放置した後、JIS定圧荷重器GS-710(株式会社テクロック社製、ジュロメーターGS-719G ASTM:D2240A、JIS:K6253A、ISO:7619A)を用いて測定できる。ベタ面への荷重(質量1kg)15秒後の値をショア−A硬度とする。
印刷版の表面の表面張力を変更するための画像露光として、200〜300nmの波長範囲の紫外線を露光後に、310〜400nmの波長範囲の紫外線で露光してもよい。
ネガフィルム側からの露光(レリーフ露光)と支持体側からの露光(バック露光)とは、どちらを先におこなってもよいし、または、両方を同時におこなってもよい。
露光光源としては、例えば、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、及びダイオードランプが挙げられる。
現像溶剤による未露光部の洗い出しは、ノズルからの噴射によって、又はブラシによるブラッシングで行われる。
後処理露光として、表面に波長300nm以下の光を照射する方法が一般的である。必要に応じて、300nmよりも大きい光も併用してもよい。
<炭化水素含有洗浄溶媒(E)>
本実施形態の炭化水素含有洗浄溶媒(E)(現像溶剤)は、感光性樹脂層の洗浄溶媒として用いられる。また、未露光部を現像するのに用いられる現像溶剤としても用いられる。炭化水素含有洗浄溶媒(E)としては、例えば、ヘプチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;石油留分、トルエン、デカリン等の炭化水素類;テトラクロルエチレン等の塩素系有機溶剤;プロパノール、ブタノール、ペンタノール等のアルコール類が挙げられ、それらの2種以上を混合したものが挙げられる。特に、デカリン、テトラクロルエチレン、及びプロパノールの混合溶媒が好ましい。
(溶解速度)
本実施形態の溶解速度は、感光性樹脂層の溶解速度であるが、フレキソ印刷版又はフレキソ印刷版の(感光性樹脂層の)の溶解速度であってもよく、0.09〜0.6mm/minであり、好ましくは0.1〜0.4mm/minであり、より好ましくは0.15〜0.3mm/minである。溶解速度が上記範囲にあることにより、印刷物におけるインキ転写の歪みが少なく、印刷時の繰り返し貼りつけ時の耐久性に優れた、フレキソ印刷版を得ることができる。溶解速度が上記範囲にある印刷原版を得るためには、例えば、炭化水素含有洗浄溶媒(E)の塩素系有機溶剤の比率を変更すればよい。溶解速度は、フレキソ印刷版の製版において、炭化水素含有洗浄溶媒(E)による現像後に減少する感光性樹脂層の未露光部の厚さを、現像溶剤による洗い出しにかかる時間で割り返すことによって求められる。具体的には、後述する実施例に記載する方法により求められる。
以下に、実施例に基づいて本実施形態を更に詳細に説明するが、本実施形態は、以下の実施例に限定されるものではない。まず、下記に各物性及び評価の測定方法及び評価基準について述べる。
(エラストマー性バインダー(A)の合成)
ジャケットと攪拌機を備える10Lのステンレス製反応器を充分窒素置換した後、シクロヘキサン6,500g、テトラヒドロフラン1.2g、スチレン300gを仕込み、ジャケットに温水を通して内容物を約55℃に設定した。この後、n−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分0.96g)を添加し、スチレンの重合を開始した。スチレンがほぼ完全に重合してから3分後に、ブタジエン(1,3−ブタジエン)700gを添加し重合を継続し、ブタジエンがほぼ完全に重合して最高温度約90℃に達してから4分後に、カップリング剤としてジブロモエタンを1.25g添加し、カップリング反応させた。スチレンを仕込んだ直後から、この間、攪拌機により系内を連続的に攪拌し、ブロック共重合体の溶液を得た。
得られたブロック共重合体の溶液を抜き出し、水を10g添加、攪拌後、n−オクタデシル−3−(3’,5’ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを3.0g、2,4−ビス(n−オクチルチオメチル)−O−クレゾールを1.5g添加し、得られた該溶液をスチームストリッピングすることにより、溶媒を除去し含水クラムを得た。引き続き、熱ロールにより脱水乾燥させ、SBS−Aのサンプル(エラストマー性バインダー(A))を得た。
(感光性樹脂組成物及び感光性構成体の作製)
感光性樹脂組成物を、下記に示す原料をニーダー(株式会社パウレック、FM−MW−3型)に投入し、140℃で60分間混合することにより製造した。
エラストマー性バインダー(A)としてスチレン−ブタジエンのブロック共重合体であるSBS−A(上記で得られたサンプル)を50質量部、エチレン不飽和共有結合性モノマー(B)として1,9−ノナンジオールアクリレートを6質量部、炭化水素化合物(C)としてドデカンを20質量部、光重合性開始剤(D)として2,2−ジメトキシ−フェニルアセトフェノンを2質量部、また、その他の成分に共役ジエン化合物として液状ポリブタジエンであるB−2000(日本曹達社製、製品名)を15質量部、上記条件にて混練し、感光性樹脂組成物1を得た。同様に下記表1に示す組成で混練し、感光性樹脂組成物2〜10を得た。
得られた感光性樹脂組成物を、熱可塑性エラストマーを含有する接着剤がコートされた厚さ125μmのポリエステルフィルムの支持体と、厚さ4μmのポリアミド層を有する100μmのポリエステル製カバーシートとで挟み、4mmのスペーサーを用いてプレス機で130℃の条件で200kg/cm2 の圧力を4分間かけてフレキソ印刷版用感光性構成体を成形した。
(特性評価用の印刷版の製造)
上述したフレキソ印刷版用感光性構成体において、カバーシートをはぎとり、感光性樹脂層の上にネガフィルムを密着させ、「AFP−1216E」露光機(旭化成株式会社製、商品名)上で、下側紫外線ランプ(PHILIPS社製UVランプTL80W/10R、商品名)を用いて、まず支持体側から印刷版のレリーフ深度が1.6mmになるように600mJ/cm2で全面に露光を行った。
続いて、上側ランプ(PHILIPS社製UVランプTL80W/10R、商品名)にてブラックレイヤー側から8000mJ/cm2の紫外線を照射した。なお、このときの露光強度はオーク製作所製のUV照度計MO−2型機(オーク製作所製、商品名、UV−35フィルター)にて測定した。
次いで、洗浄溶媒(E)を現像液として、「AFP−1321P」現像機(旭化成株式会社製、商品名)で、液温30℃で80mm/分の速度で現像を行い、60℃で2時間乾燥させた。
その後、後露光処理として、AFP−1216LF(旭化成株式会社製、商品名)を用いて254nmを中心波長に持つ殺菌灯(東芝社製、GL−30、商品名)を用いて、乾燥後の感光性樹脂版表面全体に1000mJ/cm2の露光を行った。ここでの殺菌灯による後露光量は、「UV−MO2」機のUV−25フィルターを用いて測定した照度から算出したものである。
(溶解速度)
上記得られた各感光性樹脂組成物のフレキソ印刷版用感光性構成体の現像後の露光部と未露光部の版厚差を測定し、現像時間で割り返し、溶解速度[mm/min]を求めた。結果を表1に示す。
(溶解度パラメータ)
感光性樹脂組成物に用いた各炭化水素化合物(C)ついて、複数の材料によって構成されている場合、各材料の溶解度パラメータにその材料の層(A)全質量に対する質量割合を乗じた値の総和をその層(A)の溶解度パラメータとし、溶解度パラメータ[MPa1/2]を求めた。結果を表1に示す。
表1中の材料の詳細は、以下のとおりである。
[エラストマー性バインダー(A)]
SBS−A(スチレンブタジエン共重合体)
[エチレン不飽和共重合性モノマー(B)]
1,9−ノナンジオールアクリレート
[炭化水素化合物(C)]
ドデカン
スモイル350P(流動パラフィン、松村石油社製商品名)
パラフィン油
テトラエチレングリコール
[光重合性開始剤(D)]
2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタンエタン−1−オン
[共役ジエン化合物]
B−2000(日本曹達社製商品名)
[その他樹脂成分]
[洗浄溶液]
テトラクロルエチレン/プロパノール/デカリン
比率A:70/15/15
比率B:85/10/5
比率C:30/40/30
比率D:98/1/1
表1中の「*」は、代表構造からの推定値であり、より具体的には、POLYMER HANDBOOKに記載のHildebrand溶解度パラメータよりスモイル350P及びパラフィン油の主要な成分の類似構造から数値範囲を規定し、推定値とした。
(インク転移の歪み)
得られた厚さ3.94mmの印刷版を用いて、フレキソ印刷機にて印刷試験を行った。印刷版作成に用いたネガフィルムのパターンは、40lpiと60lpiの2つの線数を有し、それぞれ20%、30%、40%、50%、60%(各サイズは10cm×75cm)の網点が印字されたものである。インキとして、ワッサースーパーZプラス3L(大阪印刷インキ製造(株)、商品名)、被印刷体として、B段シート(中芯160g)、250lpiのアニロックスロールを用いて、印刷速度60シート/分で、10シート印刷後、印刷物の各網点の印刷物5点を顕微鏡で観察し、下記評価基準によりインク転移の歪みを評価した。結果を表2に示す。
(評価基準)
○:インク転移部の縦に対する横の長さの比率の5点平均が0.9〜1.1
△:インク転移部の縦に対する横の長さの比率の5点平均が0.8〜0.9又は1.1〜1.2
×:インク転移部の縦に対する横の長さの比率の5点平均が0.8未満又は1.2以上
(版の亀裂耐性)
1cm×5cmサイズ、厚さ3.94mmの印刷版を、600mJ/cm2で露光後、20wt%酢酸エチル−イソプロピルアルコール溶液に4時間浸漬し、支持体を取り外し、印刷版の両端を、引張試験機を用いて10cmまで引き伸ばし、版表面の亀裂状態を目視で観察した。下記評価基準により、版の亀裂耐性を評価した結果を表2に示す。
(評価基準)
○:版表面に亀裂無し
△:樹脂破断無し、版表面に亀裂発生
×:樹脂破断

Claims (5)

  1. 支持体と、該支持体上に積層された感光性樹脂層と、を有するフレキソ印刷原版を製造する工程を有する製造方法であって、
    前記感光性樹脂層は、
    少なくとも1種類以上のエラストマー性バインダー(A)と、
    少なくとも1種類以上のエチレン不飽和共重合性モノマー(B)と、
    少なくとも1種類以上の炭化水素化合物(C)と、
    少なくとも1種類以上の光重合性開始剤(D)と、を含有し、
    炭化水素含有洗浄溶媒(E)によって溶解される前記感光性樹脂層の溶解速度が、0.09〜0.6mm/minである、
    フレキソ印刷用感光性樹脂版の製造方法。
  2. 前記感光性樹脂層は、溶解度パラメータが18MPa1/2以下である炭化水素化合物(C)を含有する、
    請求項1に記載のフレキソ印刷用感光性樹脂の製造方法。
  3. 前記炭化水素化合物(C)は、パラフィン油を含有する、
    請求項1又は2に記載のフレキソ印刷用感光性樹脂の製造方法。
  4. 前記炭化水素化合物(C)の、
    15℃における密度が、0.7〜1.0g/cm2であり、
    40℃における動粘度が、100mm2/s以下であり、
    重量平均分子量が、1000以下であり、
    前記炭化水素化合物(C)は、該炭化水素化合物(C)中に占めるナフテン比率が5.0〜60mol%である可塑剤を含有する、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のフレキソ印刷用感光性樹脂の製造方法。
  5. 前記感光性樹脂層は、該感光性樹脂層の総量に対して、エラストマー性バインダー(A)を、60質量%未満含有する、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のフレキソ印刷用感光性樹脂の製造方法。
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