JP2019108835A - 蒸気タービンプラント及びその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸気タービンの起動時間を短縮する事が可能な蒸気タービンプラント及びその運転方法を提供する。【解決手段】一の実施形態によれば、蒸気タービンプラントは、水から蒸気を発生させるボイラを具備する。前記プラントは更に、前記ボイラにて発生し、再熱器にて加熱されたまたは加熱されていない蒸気により回転駆動される第1蒸気タービンを具備する。前記プラントは更に、前記ボイラにて発生し、前記再熱器にて加熱されたまたは加熱されていない第1蒸気を、前記第1蒸気より低温の第2蒸気と、前記第1蒸気より高温の第3蒸気とに分離し、前記第2蒸気を前記第1蒸気タービン内の軸ロータの表面付近に供給して、前記軸ロータを前記第2蒸気により冷却する分離機構を具備する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、蒸気タービンプラント及びその運転方法に関する。
従来技術として、非再熱サイクルを構成する蒸気タービンプラントについて、図11を用いて説明する。
図11は、従来の蒸気タービンプラントの構成例を示す断面図である。図11の蒸気タービンプラントは、ボイラ1と、蒸気タービン2と、復水器3と、ポンプ4とを具備している。
水101はポンプ4で搬送されボイラ1に流入する。水101はボイラ1にて加熱され高圧蒸気102に変化する。ボイラ1の加熱源は例えば化石燃料やガスタービン排気である。ボイラ1にて水101から発生した高圧蒸気102は蒸気タービン2に流入し、高圧高温の蒸気がより低圧低温の蒸気へ膨張しながら流通する事で、羽根車である膨張機を回転駆動させる。
蒸気タービン2から流出した蒸気タービン排気103は復水器3にて冷却され凝縮し水101に変化する。復水器3の冷却源は例えば海水である。蒸気タービン2の回転軸(図示せず)には発電機(図示せず)が接続されており、膨張機が発生させた軸動力を用いて発電機が発電する。なお、蒸気タービン2からの抽気蒸気を用いた給水加熱器にて水101を加熱する再生サイクルを構成してもよい。
別の従来技術として、再熱サイクルを構成する蒸気タービンプラントについて、図12を用いて説明する。
図12は、従来の蒸気タービンプラントの別の構成例を示す断面図である。図12の蒸気タービンプラントは、ボイラ1と、復水器3と、ポンプ4と、高圧タービン5と、中圧タービン6と、低圧タービン7と、再熱器8とを具備している。
水101はポンプ4で搬送されボイラ1に流入する。水101はボイラ1にて加熱され高圧蒸気102に変化する。ボイラ1の加熱源は例えば化石燃料やガスタービン排気である。ボイラ1にて水101から発生した高圧蒸気102は高圧タービン5に流入し、高圧高温の蒸気がより低圧低温の蒸気へ膨張しながら流通する事で、羽根車である膨張機を回転駆動させる。
高圧タービン5から流出した高圧タービン排気104は再熱器8に流入する。高圧タービン排気104は再熱器8にて加熱され中圧蒸気105となる。再熱器8の加熱源は例えば化石燃料やガスタービン排気である。中圧蒸気105は中圧タービン6に流入し、高圧高温の蒸気がより低圧低温の蒸気へ膨張しながら流通する事で、羽根車である膨張機を回転させる。
中圧タービン6から流出した中圧タービン排気106は低圧タービン7に流入する。図12における低圧タービン7は複流タービンであり、流入した中圧タービン排気106は対向する2方向に分岐し、高圧高温の蒸気がより低圧低温の蒸気へ膨張しながら流通する事で、羽根車である2個の膨張機を回転させる。
低圧タービン7から流出した2つの蒸気は合流し低圧タービン排気107となり、復水器3に流入し冷却され凝縮し水101に変化する。復水器3の冷却源は例えば海水である。高圧タービン5、中圧タービン6、及び低圧タービン7の共通の回転軸(図示せず)には発電機(図示せず)が接続されており、膨張機が発生させた軸動力を用いて発電機が発電する。
なお、高圧タービン5と中圧タービン6の回転軸と、低圧タービン7の回転軸とを分離して、これらの回転軸を別々の発電機に接続して発電してもよい。また、高圧タービン5と中圧タービン6は、図12では一体化されているが、別体にしてもよい。また、高圧タービン5、中圧タービン6、及び低圧タービン7からの抽気蒸気を用いた給水加熱器にて水101を加熱する再生サイクルを構成してもよい。
次に、図12の高圧タービン5と中圧タービン6について、図13及び図14を用いて説明する。
図13は、従来の蒸気タービンの構造を示す断面図である。図13の蒸気タービンは、高圧タービン5及び中圧タービン6により構成される高中圧一体型蒸気タービンであり、軸ロータ11と、高圧内部ケーシング13と、外部ケーシング14と、高圧排気室15と、中圧排気室16と、主蒸気管17と、再熱蒸気管18と、ノズルボックス19とを具備している。図13では、軸ロータ11に軸孔が設けられていないが、軸孔を設ける軸ロータ11もある。図13は更に、この高中圧タービンを構成する高圧初段動翼21と、中圧初段静翼22と、中圧初段動翼23とを示している。軸ロータ11、高圧初段動翼21、中圧初段動翼23等が、蒸気タービンの回転子(回転部)を構成しており、高圧内部ケーシング13、外部ケーシング14、中圧初段静翼22等が、蒸気タービンの固定子(静止部)を構成している。固定子は、回転子を包囲するように設けられている。
高圧蒸気102は、主蒸気管17から高圧タービン5に流入し、圧力と温度を低下させて膨張しながら、軸ロータ11と動翼から構成されている羽根車を回転駆動させる。高圧蒸気102は高圧タービン5内を軸方向に流れて高圧排気室15から流出し、再熱器8に流入して再熱蒸気105になる。
再熱蒸気105は、再熱蒸気管18から中圧タービン6に流入し、圧力と温度を低下させて膨張しながら、軸ロータ11と動翼から構成されている羽根車を回転駆動させる。再熱蒸気105は中圧タービン6内を軸方向に流れて中圧排気室16から流出し、低圧タービン7に流入する。
図14は、従来の蒸気タービンの構造を示す拡大断面図であり、具体的には、図13の高中圧タービンの蒸気流入部付近を示す断面図である。図14は、図13に示す構成要素に加え、温度センサ(熱電対)20と、高圧2段静翼24と、高圧2段静翼内輪25とを示している。
以下、高圧タービン5内の蒸気流について説明する。ノズルボックス19内の高圧蒸気102は噴き出され高圧初段動翼21を流通した後、高圧2段静翼24に流入する。高圧2段静翼内輪25の軸ロータ11に対面している部分には、数枚の歯が設けられており、シール機能を持っているが、ここでは図示していない。図14では、全ての静翼内輪について同様に歯を図示していない。
上述の蒸気タービンが通常運転に移行する前の起動運転時(起動時)に、流入蒸気量を徐々に増加させていくが、その際、流通する蒸気により軸ロータ11は加熱される。まず軸ロータ11の表面付近が温度上昇していき、中心付近は表面付近からの熱伝導により加熱され温度上昇していくので、中心付近は温度上昇がより遅い。
そして、軸ロータ11は表面付近と中心付近ではそれぞれ、圧縮と引張の熱応力が発生する。ロータ表面熱応力は、ロータ表面温度とロータ体積平均温度との差異に比例すると近似してよいが、このロータ表面熱応力の絶対値が、ロータ材料により決まる寿命に関連する応力値である所定応力値より高くなる事がある。タービン起動時に、ロータ表面熱応力の絶対値が所定応力値より一旦高くなり、その後、所定応力値より低くなる挙動を1回以上示すので、少なくとも起動するたびに所定応力値を1回以上越える事がありうる。ロータ中心熱応力の絶対値も同様であり、タービン起動時に所定応力値を1回以上越える事がありうる。ロータ表面熱応力、ロータ中心熱応力それぞれの絶対値が所定応力値を越える通算回数が増えていくと、ロータ材料が強度的に保証できなくなる、即ちロータの余寿命が短くなる。
そのため、蒸気タービンの起動時に、流入蒸気量を徐々に増加させてタービン回転数をゼロから増加させる途中で一旦、流入蒸気量の増加を一定時間停止する。この間にロータ中心付近の温度上昇は続くが、表面付近では流入熱量より流出熱量が多いために温度が低下する。そして、表面付近と中心付近との温度差が小さくなりロータ表面温度とロータ体積平均温度との差も小さくなり、発生するロータ表面熱応力の絶対値は減り、発生するロータ中心熱応力の絶対値も同様に減る。ロータ表面熱応力、ロータ中心熱応力それぞれの絶対値がそれぞれの所定応力値を越える事なく低下した段階で、流入蒸気量の増加を再開し、タービン回転数を増加させる。
次の工程として、蒸気タービンが発電機と接続された後、流入蒸気量を徐々に増加させてタービン負荷をゼロから増加させる。この時にもまず、軸ロータ11の表面付近が温度上昇していき、中心付近は表面付近からの熱伝導により加熱され温度上昇していく。ここで一旦、流入蒸気量の増加を一定時間停止する。この間にロータ中心付近の温度上昇は続くがロータ表面付近の温度は低下するので、回転数増加時と同様にロータ表面熱応力の絶対値は減り、ロータ中心熱応力の絶対値も同様に減る。ロータ表面熱応力、ロータ中心熱応力それぞれの絶対値がそれぞれの所定応力値を越える事なく低下した段階で、流入蒸気量の増加を再開し、タービン負荷を増加させる。
なお、図13及び図14に示す蒸気タービンにおいて、ロータ表面温度で最も高温である場所は、高圧タービン5の高圧初段動翼21直後なので、熱応力が最大である場所がそこである。
また、蒸気タービンの起動時に蒸気タービンに蒸気を流入させると、熱容量の小さい回転部(軸ロータ11など)が、熱容量の大きな静止部(高圧内部ケーシング13など)より早く温度上昇するため、回転部の熱伸び量が静止部の熱伸び量より大きくなる。静止部と回転部の熱伸び差が大きいと、静止部と回転部が接触する可能性が高くなる。そこで、流入蒸気量の増加を一定時間停止している間に、静止部の温度上昇を進行させる事で熱伸び差を抑え、接触を防止している。
ところで近年、地域全体における発電量変動に対応するため、停止中の蒸気タービンを急速に起動したい、即ち、蒸気タービンの起動時間を短縮したいという要望がある。例えば、近年の太陽光発電の普及に伴い、地域全体における発電量が大きく変動するケースが増えており、発電量変動に対応する事へのニーズが高まっている。
特公平7−122403号公報 特許5634869号公報 特開昭59−134307号公報 特開2014−163652号公報 特開2005−90771号公報
本発明の実施形態は、蒸気タービンの起動時間を短縮する事が可能な蒸気タービンプラント及びその運転方法を提供する事を課題とする。
一の実施形態によれば、蒸気タービンプラントは、水から蒸気を発生させるボイラを具備する。前記プラントは更に、前記ボイラにて発生し、再熱器にて加熱されたまたは加熱されていない蒸気により回転駆動される第1蒸気タービンを具備する。前記プラントは更に、前記ボイラにて発生し、前記再熱器にて加熱されたまたは加熱されていない第1蒸気を、前記第1蒸気より低温の第2蒸気と、前記第1蒸気より高温の第3蒸気とに分離し、前記第2蒸気を前記第1蒸気タービン内の軸ロータの表面付近に供給して、前記軸ロータを前記第2蒸気により冷却する分離機構を具備する。
第1実施形態の蒸気タービンプラントの構成を示す模式図である。 第2実施形態の蒸気タービンプラントの構成を示す模式図である。 第5実施形態の蒸気タービンプラントの構成を示す模式図である。 第6実施形態の蒸気タービンプラントの構成を示す模式図である。 第7実施形態の蒸気タービンプラントの構成を示す模式図である。 第1実施形態の蒸気タービンの構造を示す断面図である。 第2実施形態の蒸気タービンの構造を示す断面図である。 第3実施形態の蒸気タービンの構造を示す断面図である。 第4実施形態の蒸気タービンの構造を示す断面図である。 第5実施形態の蒸気タービンの構造を示す断面図である。 従来の蒸気タービンプラントの構成例を示す断面図である。 従来の蒸気タービンプラントの別の構成例を示す断面図である。 従来の蒸気タービンの構造を示す断面図である。 従来の蒸気タービンの構造を示す拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の蒸気タービンプラントの構成を示す模式図である。図6は、第1実施形態の蒸気タービンの構造を示す断面図である。前述の図に示す部位と同じ部位には同じ符号を付けて説明を省略し、従来技術と異なる事のみ説明する。
図1の蒸気タービンプラントは、再熱サイクルを構成しており、図12に示す構成要素に加え、ボルテックスチューブ31と、流量調節弁32と、主蒸気弁33と、バイパス蒸気弁34とを具備している。図6の蒸気タービンは、高圧タービン5であり、図13及び図14に示す構成要素に加え、低温管35を具備している。本実施形態の高圧タービン5と中圧タービン6はそれぞれ、第1及び第2蒸気タービンの例である。本実施形態のボルテックスチューブ31及び低温管35は、分離機構の例である。
本実施形態では、高圧蒸気102を、支流である第1分岐蒸気201と本流である第2分岐蒸気202とに分岐させる。第1分岐蒸気201は、流量調節弁32を介してボルテックスチューブ31に流入する。流量調節弁32は、ボルテックスチューブ31を使用するときに開放されて第1分岐蒸気201の流量調節用に使用され、ボルテックスチューブ31を使用しないときに閉鎖される。
ボルテックスチューブ31は、冷却用途を中心に広く使われている技術であり、例えば21℃の大気を流入させ、−47℃の気体と35℃の気体に分離する事ができる。本実施形態のボルテックスチューブ31は、第1分岐蒸気201を、第1分岐蒸気201より低温の低温蒸気203と、第1分岐蒸気201より高温の高温蒸気204とに分離する機能を有している。第1分岐蒸気201、低温蒸気203、高温蒸気204はそれぞれ、第1蒸気、第2蒸気、第3蒸気の例である。第1分岐蒸気201の温度を第1温度、低温蒸気203の温度を第2温度、高温蒸気204の温度を第3温度と呼ぶ事にする。ボルテックスチューブ31は、エネルギーを消費する加熱器や冷却器を用いずに低温蒸気203を高温蒸気204を製造する事ができる。
ボルテックスチューブ31は、2本のチューブに共通の入口と、一方のチューブに設けられた第1出口と、他方のチューブに設けられた第2出口とを有している。第1分岐蒸気201はこの入口からボルテックスチューブ31に流入し、低温蒸気203と高温蒸気204はそれぞれ第1出口と第2出口から排出される。
低温蒸気203は、高圧タービン5に設けられた低温管35(図6)に流入する。低温管35は、高圧タービン5の固定子(静翼24や静翼内輪25など)に設けられた孔の中に設置されており、孔は高圧タービン5の表面から軸ロータ11の表面付近の地点にまで達している。低温管35の出口付近では、高圧タービン5内の蒸気や低温蒸気203が、低温管35と高圧内部ケーシング13との間に流入しないように、低温管35の出口付近にシールを適切に施す事が望ましい。低温蒸気203は、低温管35から軸ロータ11の表面付近に流出する。
一方、第2分岐蒸気202の流路は、主蒸気206を移送する流路と、バイパス蒸気207を移送する流路とに分岐している。前者の流路には主蒸気弁33が設けられ、後者の流路にはバイパス弁34が設けられている。主蒸気206は高圧タービン5に流入し、バイパス蒸気207は高圧タービン5をバイパスする。通常は、主蒸気弁33が全開され、バイパス弁34が全閉されているが、高圧タービン5の起動前などには、主蒸気弁33が閉鎖され、バイパス弁34が開放される。
主蒸気206は、高圧タービン5に流入して軸方向に流通し、低温蒸気203は、高圧タービン5内で主蒸気206と合流する。主蒸気206は、動翼通過などにより高圧タービン5内で圧力が低下する。一方、低温蒸気203は、ボルテックスチューブ31の圧力損失により圧力が低下する。本実施形態では、少なくとも流量調整弁32が全開のときに低温管35の出口における低温蒸気203の圧力が、この出口における主蒸気206の圧力より高くなるようなボルテックスチューブ31を用いる。
図1では、高温蒸気204は高圧タービン排気104に合流し、合流後の蒸気は第1合流蒸気205となっている。しかしながら、高温蒸気204は、その他の場所で蒸気タービンプラント内の蒸気に合流してもよい。例えば、高温蒸気204は再熱器8の流出蒸気に流入させ、合流後の蒸気を中圧蒸気105としてもよい。
図1ではさらに、バイパス蒸気207は第1合流蒸気205に合流し、合流後の蒸気は第2合流蒸気208となっている。このように、本実施形態の高圧タービン排気104は第1合流蒸気205の一部になり、さらには第2合流蒸気208の一部となって再熱器8に流入する。第2合流蒸気208は再熱器8にて加熱され中圧蒸気105となる。
低温蒸気203は軸ロータ11の表面付近に供給され、軸ロータ11の表面は低温蒸気203により冷却される。図6のように、低温蒸気203を軸ロータ11に吹き付けると、軸ロータ11の冷却効果は上がる。軸ロータ11は回転しているので、周方向の一部分のみが冷却されるのではなく一周全て均等に冷却されるので、軸ロータ11の回転軸が変形する事はないし軸対称のままである。低温管35は、複数本設けてもよい。
図6では、低温管35の出口は高圧タービン5の高圧初段動翼21の直後にあるので、軸ロータ11において熱応力が最大である場所が冷却される。よって、起動時の流入蒸気量増加停止時間をこの冷却により短縮する事ができ、プラントの起動時間を短縮する事ができる。上記の冷却場所は、第1場所の例である。なお、本実施形態では、高圧タービン5の起動時など、軸ロータ11の表面を冷却するときに流量調整弁32を開く。一方、軸ロータ11の表面を冷却しない場合には流量調整弁32を閉じる。
なお、本実施形態では、ボイラ1の内部から蒸気を抜き出して、この蒸気をボルテックスチューブ31に流入させてもよい。また、低温管35は、高圧タービン5に設ける代わりに、図11の蒸気タービン2に設けてもよい。これは、後述する第2〜第8実施形態でも同様である。
図1では、第2分岐蒸気202の流路が、主蒸気206を移送する流路と、バイパス蒸気207を移送する流路とに分岐している。この構成は、後述する図2〜図5にも適用してもよい。
(第2実施形態)
図2は、第2実施形態の蒸気タービンプラントの構成を示す模式図である。図7は、第2実施形態の蒸気タービンの構造を示す断面図である。前述の図に示す部位と同じ部位には同じ符号を付けて説明を省略し、従来技術や第1実施形態と異なる事のみ説明する。
図2の蒸気タービンプラントは、図1の蒸気タービンプラントと同様に、再熱サイクルを構成している。図7の蒸気タービンは、高圧タービン5であり、図6に示す構成要素に加え、高温管36を具備している。本実施形態の高圧タービン5と中圧タービン6はそれぞれ、第1及び第2蒸気タービンの例である。本実施形態のボルテックスチューブ31、低温管35、及び高温管36は、分離機構の例である。
第1実施形態では高温蒸気204を高圧タービン排気104に流入させているが、高圧タービン5の羽根車を駆動させる蒸気は流量低下しているので、羽根車を駆動させる蒸気の流路に高圧蒸気204を流入させ、羽根車を駆動させる蒸気を増やしたい。第2実施形態では、高温蒸気204を、羽根車を駆動させる蒸気の流路の一部を構成する固定子(静止部品)の流路側壁面付近に流入させる。静止部品は、図6では高圧内部ケーシング13だが、部品構成によっては、静翼外輪12や静翼内輪でもよい。
高温蒸気204は、高圧タービン5に設けられた高温管36に流入する。ボルテックスチューブ31からの高温蒸気204の排出流路から軸ロータ11表面までは、高圧内部ケーシング13や外部ケーシング14などの各部品に孔を設けて高温管36が設置されている。高温蒸気204の流出地点(高温管36の出口)の蒸気や高温蒸気204が、高温管36と高圧内部ケーシング13の間に流入しないように、この地点付近にシールを適切に施す事が望ましい。
高温蒸気204は高圧内部ケーシング13の内表面付近に流出し、高圧タービン5内に流入した第2分岐蒸気202と合流する。第2分岐蒸気202は、動翼通過などにより高圧タービン5内で圧力が低下する。一方、高温蒸気204は、ボルテックスチューブ31の圧力損失により圧力が低下する。本実施形態では、少なくとも流量調整弁32が全開のときに高温管36の出口における高温蒸気204の圧力が、この出口における第2分岐蒸気202の圧力より高くなるようなボルテックスチューブ31を用いる。
低温蒸気203の流入により軸ロータ11の表面が冷却され、高温蒸気204の流入により高圧内部ケーシング13の内表面が加熱される。即ち、回転部は冷却され静止部は加熱されているので、静止部と回転部の熱伸び差がより小さくなり、静止部と回転部が接触する可能性がより低くなる。
よって、従来は流入蒸気量の増加を一定時間停止している間に静止部の温度上昇を進行させる事で熱伸び差を抑えていたが、本実施形態によればこの時間を短縮できる。本実施形態によれば、高圧タービン5の起動時の流入蒸気量増加停止時間を短縮する事ができ、プラントの起動時間を短縮する事ができる。第2実施形態は第1実施形態の効果も持っており、第1実施形態の効果を強くする事になる。また、羽根車を駆動させる蒸気の流量は第1実施形態より増えている。
なお、高温管36が1本のみだと、静止部の加熱は周方向で不均等であり、温度上昇が不均等になりやすいので、高温管36を複数本設ける事が望ましい。本実施形態では、起動時など軸ロータ11の表面を冷却する際に流量調整弁32を開き、軸ロータ11の表面を冷却しない場合は流量調整弁32を閉じる。高温蒸気204の供給と供給停止も、この流量調整弁32の開閉により制御される。
なお、低温管35と高温管36は、高圧タービン5に設ける代わりに、図11の蒸気タービン2に設けてもよい。これは、後述する第3及び第4実施形態でも同様である。
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態の蒸気タービンの構造を示す断面図である。図8の蒸気タービンは、図2の蒸気タービンプラントに設置されているものとする。前述の図に示す部位と同じ部位には同じ符号を付けて説明を省略し、従来技術や第1及び第2実施形態と異なる事のみ説明する。
図8の蒸気タービンは、図7の蒸気タービンと同様に、高圧タービン5である。本実施形態の高圧タービン5と中圧タービン6はそれぞれ、第1及び第2蒸気タービンの例である。本実施形態のボルテックスチューブ31、低温管35、及び高温管36は、分離機構の例である。
第2実施形態では高温蒸気204を羽根車を駆動させる蒸気の流路の一部を構成する静止部品の流路側壁面付近に流入させている。しかし、この部品は流通する蒸気により加熱されているので、加熱されていない場所を高温蒸気204を用いて加熱する方が静止部品の温度上昇は速い。そこで、高温蒸気204を高圧内部ケーシング13と外部ケーシング14との間の領域(間領域R)に流入させる。
図13の高圧内部ケーシング13は、高圧内部ケーシング13と外部ケーシング14とが嵌合するような形状になっている。しかし、これは軸方向断面一周に軸垂直面で仕切られているのではないため、間領域Rとは、高圧内部ケーシング13と外部ケーシング14に挟まれているどの領域でもよい。また、図8では高圧内部ケーシング13の外表面付近に高温蒸気204を流出させているが、間領域Rの内部であればどこでもよい。間領域R内に高温蒸気204が流入すると、間領域R内の蒸気がこれにより温度上昇することで、高圧内部ケーシング13と外部ケーシング14が加熱される。なお、間領域Rは、高圧排気室15と連通しているので袋小路ではない上、間領域R内の蒸気は高圧タービン最終段出口蒸気と同じ圧力である。
高温蒸気204は高圧タービン5に設けられた高温管36に流入する。ボルテックスチューブ31からの高温蒸気204の排出流路から高圧内部ケーシング13の外表面付近までは、外部ケーシング14に孔を設けて高温管36が設置されている。高温蒸気204の流出地点の蒸気や高温蒸気204が高温管36と外部ケーシング14の間に流入しないように、この地点付近にシールを適切に施す事が望ましい。
高温蒸気204は間領域Rに流出し、間領域R内の蒸気と合流する。間領域R内の蒸気の圧力は充分低いので、ボルテックスチューブ31が幾らかの圧力損失を持っていても、高温蒸気204の圧力は流出地点の第2分岐蒸気202の圧力より高い。
低温蒸気203の流入により軸ロータ11の表面が冷却され、高温蒸気204の流入により高圧内部ケーシング13の外表面が加熱される。即ち、回転部は冷却され静止部は加熱されているので、静止部と回転部の熱伸び差がより小さくなり、静止部と回転部が接触する可能性がより低くなる。
よって、従来は流入蒸気量の増加を一定時間停止している間に静止部の温度上昇を進行させる事で熱伸び差を抑えていたが、本実施形態によればこの時間を短縮できる。本実施形態によれば、高圧タービン5の起動時の流入蒸気量増加停止時間を短縮する事ができ、プラントの起動時間を短縮する事ができる。高圧内部ケーシング13の内表面を加熱している第2実施形態よりも、本実施形態によれば効率的な温度上昇を実現できる。第3実施形態は第1実施形態の効果も持っており、第1実施形態の効果を強くする事になる。
なお、高温管36が1本のみだと、静止部の加熱は周方向で不均等であり、温度上昇が不均等になりやすいので、高温管36は複数本設ける事が望ましい。本実施形態では、起動時など軸ロータ11の表面を冷却する際に流量調整弁32を開き、軸ロータ11の表面を冷却しない場合は流量調整弁32を閉じる。高温蒸気204の供給と供給停止も、この流量調整弁32の開閉により制御される。
(第4実施形態)
図9は、第4実施形態の蒸気タービンの構造を示す断面図である。図9の蒸気タービンは、図2の蒸気タービンプラントに設置されているものとする。前述の図に示す部位と同じ部位には同じ符号を付けて説明を省略し、従来技術や第1〜第3実施形態と異なる事のみ説明する。
図9の蒸気タービンは、図8の蒸気タービンと同様に、高圧タービン5である。本実施形態の高圧タービン5と中圧タービン6はそれぞれ、第1及び第2蒸気タービンの例である。本実施形態のボルテックスチューブ31、低温管35、及び高温管36は、分離機構の例である。
第3実施形態では高温蒸気204を高圧内部ケーシング13の外表面付近に流入させているが、第4実施形態では外部ケーシング14の内表面付近に流入させて、外部ケーシング14を加熱する。図8のように、高温蒸気204を外部ケーシング14の内表面に吹き付けると、その加熱効果は上がる。外部ケーシング14の容積が充分大きいタービンの場合は、外部ケーシング14の熱容量が充分に大きいため静止部の温度上昇は進みにくいが、今回の加熱により温度上昇が進む。よって、静止部と回転部の熱伸び差はより小さくなり、第3実施形態と同様の効果が充分にある。
なお、高温管36が1本のみだと、静止部の加熱は周方向で不均等であり、温度上昇が不均等になりやすいので、高温管36を複数本設ける事が望ましい。また、高温蒸気204を外部ケーシング14の内表面により吹き付けやすくするために、例えば、高温管36の形状を出口付近においてU字型にしたり、高温管36の出口の正面に高温蒸気204を留まらせるための邪魔板を設置しておいてもよい。
(第5実施形態)
図3は、第5実施形態の蒸気タービンプラントの構成を示す模式図である。図10は、第5実施形態の蒸気タービンの構造を示す断面図である。前述の図に示す部位と同じ部位には同じ符号を付けて説明を省略し、従来技術や第1〜第4実施形態と異なる事のみ説明する。
図3の蒸気タービンプラントは、図1及び図2の蒸気タービンプラントと同様に、再熱サイクルを構成している。図10の蒸気タービンは、中圧タービン6であり、図13、図14、図5〜図9に示す構成要素に加え、中圧内部ケーシング37を具備している。本実施形態の中圧タービン6と高圧タービン5はそれぞれ、第1及び第2蒸気タービンの例である。本実施形態のボルテックスチューブ31及び低温管35は、分離機構の例である。
低温蒸気203は中圧タービン6に設けられた低温管35に流入する。ボルテックスチューブ31からの低温蒸気203の排出流路から軸ロータ11表面までは、静翼などの各部品に孔を設けて低温管35が設置されている。低温蒸気203の流出地点の蒸気や低温蒸気203が、低温管35と中圧内部ケーシング37及び外部ケーシング14との間に流入しないように、この地点付近にシールを適切に施す事が望ましい。
低温蒸気203は軸ロータ11の表面付近に流出する。そして中圧蒸気105と合流するのだが、中圧蒸気105の圧力は高圧蒸気102より充分低いので、ボルテックスチューブ31は幾らかの圧力損失を持っていても、低温蒸気203の圧力は流出地点の中圧蒸気105の圧力より高い。ただし、低温蒸気203が凝縮点より温度低下して水滴が発生しない事が望ましいので、激しく温度低下しないボルテックスチューブ31を用いる。高圧蒸気102から第1分岐蒸気201を分岐した残りの第2分岐蒸気202は、高圧タービン5に流入する。
高温蒸気204は、図3では中圧タービン6の内部に流入しているが、図10では図示の便宜上図示していない。高温蒸気204の流出地点は、第2実施形態と似たように羽根車を駆動させる蒸気の流路の一部を構成する静止部品の流路側壁面付近でもよいし、第3及び第4実施形態と似たように中圧内部ケーシング37と外部ケーシング14との間領域でもよい。また、高温蒸気204の流出地点は、図3とは異なるが第1実施形態のように高圧タービン排気104でもよいし、再熱器8の流出蒸気でもよい。
低温蒸気203の流入により軸ロータ11表面は冷却される。図10のように、低温蒸気203を吹き付けると、その冷却効果は上がる。軸ロータ11は回転しているので、周方向の一部分のみを冷却されるのではなく一周全て均等に冷却されるので、軸ロータ11の回転軸が変形する事はないし軸対称のままである。
ランキンサイクルの条件によっては、高圧タービン5の初段静翼前から2段動翼前までの軸方向位置よりも、中圧タービン6の中圧初段静翼22前から中圧初段動翼23前までの軸方向位置の方が、ロータ表面温度が高温である場合や同等に高温である場合がある。図10ではその地点が冷却される。よって、中圧タービン6の起動時の流入蒸気量増加停止時間を短縮する事ができ、プラントの起動時間を短縮する事ができる。ここで、高圧タービン5の初段静翼前とは、この初段静翼の上流側を意味し、高圧タービン5の2段静翼前とは、この2段静翼の上流側を意味する。これは、中圧タービン6の中圧初段静翼22前や中圧初段動翼23前についても同様である。
なお、本実施形態では、起動時など軸ロータ11の表面を冷却する際に流量調整弁32を開き、軸ロータ11の表面を冷却しない場合は流量調整弁32を閉じる。高温蒸気204の供給と供給停止も、この流量調整弁32の開閉により制御される。
(第6実施形態)
図4は、第6実施形態の蒸気タービンプラントの構成を示す模式図である。前述の図に示す部位と同じ部位には同じ符号を付けて説明を省略し、従来技術や第1〜第5実施形態と異なる事のみ説明する。
図4の蒸気タービンプラントは、図1〜図3の蒸気タービンプラントと同様に、再熱サイクルを構成している。第6実施形態については、図4及び図10を参照して説明する。本実施形態の中圧タービン6と高圧タービン5はそれぞれ、第1及び第2蒸気タービンの例である。本実施形態のボルテックスチューブ31及び低温管35は、分離機構の例である。
図12に示す再熱サイクルにおいて、高圧タービン排気104から第3分岐蒸気211を分岐させて、流量調節弁32を介して、ボルテックスチューブ31に流入させる。ボルテックスチューブ31に流入した第3分岐蒸気211は高温蒸気204と低温蒸気203に分離され、低温蒸気203は中圧タービン5に設けられた低温管35に流入する。ボルテックスチューブ31からの低温蒸気203の排出流路から軸ロータ11の表面までは、中圧初段静翼22などの各部品に孔を設けて低温管35が設置されている。低温蒸気203の流出地点の蒸気や低温蒸気203が、低温管35と中圧内部ケーシング11及び外部ケーシング14との間に流入しないように、この地点付近にシールを適切に施す事が望ましい。
低温蒸気203は軸ロータ11の表面付近に流出する。そして、低温蒸気20は中圧蒸気105と合流するのだが、中圧蒸気105の圧力は高圧タービン排気104より充分低いので、ボルテックスチューブ31は幾らかの圧力損失を持っていても、低温蒸気203の圧力は流出地点の中圧蒸気105の圧力より高い。高圧タービン排気104から第3分岐蒸気211を分岐した残りの第4分岐蒸気212は、再熱器8に流入する。
高温蒸気204は、図3では中圧タービン6の内部に流入しているが、図10では図示の便宜上図示していない。高温蒸気204の流出地点は、第2実施形態と似たように羽根車を駆動させる蒸気の流路の一部を構成する静止部品の流路側壁面付近でもよいし、第3及び第4実施形態と似たように中圧内部ケーシング37と外部ケーシング14との間領域でもよい。また、高温蒸気204の流出地点は、図3とは異なるが第1実施形態のように第4分岐蒸気212でもよいし、再熱器8の流出蒸気でもよい。
第6実施形態の構成は、第5実施形態の構成と同じ効果がある。さらに第5実施形態と比較し、第6実施形態ではボルテックスチューブ31に流入する蒸気は低温なので、低温蒸気203もより低温になり、冷却作用が強くなる。第6実施形態には、第1及び第2実施形態と同様の構成を適用する事もできる。
(第7実施形態)
図5は、第7実施形態の蒸気タービンプラントの構成を示す模式図である。前述の図に示す部位と同じ部位には同じ符号を付けて説明を省略し、従来技術や第1〜第6実施形態と異なる事のみ説明する。
図5の蒸気タービンプラントは、図1〜図4の蒸気タービンプラントと同様に、再熱サイクルを構成している。第7実施形態については、図5及び図10を参照して説明する。本実施形態の中圧タービン6と高圧タービン5はそれぞれ、第1及び第2蒸気タービンの例である。本実施形態のボルテックスチューブ31及び低温管35は、分離機構の例である。
図12に示す再熱サイクルにおいて、中圧蒸気105から第5分岐蒸気213を分岐させて、流量調節弁32を介して、ボルテックスチューブ31に流入させる。ボルテックスチューブ31に流入した第5分岐蒸気213は、高温蒸気204と低温蒸気203に分離され、低温蒸気203は中圧タービン5に設けられた低温管35に流入する。ボルテックスチューブ31からの低温蒸気203の排出流路から軸ロータ11の表面までは、中圧初段静翼22などの各部品に孔を設けて低温管35が設置されている。低温蒸気203の流出地点の蒸気や低温蒸気203が、低温管35と中圧内部ケーシング11及び外部ケーシング14との間に流入しないように、この地点付近にシールを適切に施す事が望ましい。
低温蒸気203は軸ロータ11の表面付近に流出する。中圧蒸気105から第5分岐蒸気213を分岐した残りの第6分岐蒸気214は中圧タービン6に流入し、その後、低温蒸気203と合流する。第6分岐蒸気214は、動翼通過などにより中圧タービン6内で圧力が低下する。一方、低温蒸気203は、ボルテックスチューブ31の圧力損失により圧力が低下する。本実施形態では、少なくとも流量調整弁32が全開のときに低温管35の出口における低温蒸気203の圧力が、この出口における第6分岐蒸気214の圧力より高くなるようなボルテックスチューブ31を用いる。なお、高温蒸気204の詳細については、第6実施形態と同様である。
第7実施形態の構成は、第5実施形態の構成と同じ効果がある。第7実施形態には、第1及び第2実施形態と同様の構成を適用する事もできる。
(第8実施形態)
第8実施形態については、図1を参照して説明する。第8実施形態では、軸ロータ11の表面温度を非接触計測する技術を第1〜第7実施形態に用いて、軸ロータ11の表面温度を計測する。このような非接触計測は、例えば放射温度計を用いて実行可能である。
本実施形態では、軸ロータ11の表面温度の計測結果が、放射温度計から、蒸気タービンプラントの運転を制御する制御装置(図示せず)に入力される。制御装置は、軸ロータ11の表面温度の計測値があらかじめ定められた許容温度を越えないように、流量調整弁32を開閉したり開度を調節し、ボルテックスチューブ31に流入する蒸気の流量を制御する。
本実施形態によれば、低温蒸気203によるロータの冷却や高温蒸気204によるケーシングの加熱を適切に制御でき、蒸気タービンの起動が良好に実施できる。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定する事を意図したものではない。本明細書で説明した新規なプラント及び方法は、その他の様々な形態で実施する事ができる。また、本明細書で説明したプラント及び方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行う事ができる。添付の特許請求の範囲及びこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
1:ボイラ、2:蒸気タービン、3:復水器、4:ポンプ、
5:高圧タービン、6:中圧タービン、7:低圧タービン、8:再熱器、
11:軸ロータ、12:静翼外輪、13:高圧内部ケーシング、
14:外部ケーシング、15:高圧排気室、16:中圧排気室、
17:主蒸気管、18:再熱蒸気管、19:ノズルボックス、
20:温度センサ(熱電対)、21:高圧初段動翼、22:中圧初段静翼、
23:中圧初段動翼、24:高圧2段静翼、25:2段静翼内輪、
31:ボルテックスチューブ、32:流量調節弁、33:主蒸気弁、
34:バイパス蒸気弁、35:低温管、36:高温管、37:中圧内部ケーシング、
101:水、102:高圧蒸気、103:蒸気タービン排気、
104:高圧タービン排気、105:中圧蒸気、106:中圧タービン排気、
107:低圧タービン排気、201:第1分岐蒸気、202:第2分岐蒸気、
203:低温蒸気、204:高温蒸気、205:第1合流蒸気、206:主蒸気、
207:バイパス蒸気、208:第2合流蒸気、211:第3分岐蒸気、
212:第4分岐蒸気、213:第5分岐蒸気、214:第6分岐蒸気

Claims (11)

  1. 水から蒸気を発生させるボイラと、
    前記ボイラにて発生し、再熱器にて加熱されたまたは加熱されていない蒸気により回転駆動される第1蒸気タービンと、
    前記ボイラにて発生し、前記再熱器にて加熱されたまたは加熱されていない第1蒸気を、前記第1蒸気より低温の第2蒸気と、前記第1蒸気より高温の第3蒸気とに分離し、前記第2蒸気を前記第1蒸気タービン内の軸ロータの表面付近に供給して、前記軸ロータを前記第2蒸気により冷却する分離機構と、
    を具備する事を特徴とする蒸気タービンプラント。
  2. 前記第1蒸気タービンから排出された蒸気を加熱する前記再熱器と、
    前記ボイラにて発生し、前記第1蒸気タービンを流通し、前記再熱器にて加熱された蒸気により回転駆動される第2蒸気タービンとを更に具備し、
    前記分離機構は、前記ボイラと前記第1蒸気タービンとの間の蒸気流路から抜き出された前記第1蒸気を、前記第2蒸気と前記第3蒸気とに分離する事を特徴とする、請求項1に記載の蒸気タービンプラント。
  3. 前記ボイラにて発生した蒸気により回転駆動される第2蒸気タービンと、
    前記第2蒸気タービンから排出された蒸気を加熱する前記再熱器と、
    を更に具備し、
    前記第1蒸気タービンは、前記ボイラにて発生し、前記第2蒸気タービンを流通し、前記再熱器にて加熱された蒸気により回転駆動される事を特徴とする、請求項1に記載の蒸気タービンプラント。
  4. 前記分離機構は、前記ボイラと前記第2蒸気タービンとの間の蒸気流路、前記第2蒸気タービンと前記再熱器との間の蒸気流路、または前記再熱器と前記第1蒸気タービンとの間の蒸気流路から抜き出された前記第1蒸気を、前記第2蒸気と前記第3蒸気とに分離する事を特徴とする、請求項3に記載の蒸気タービンプラント。
  5. 前記分離機構は、前記軸ロータの第1場所に前記第2蒸気を供給し、
    前記第1場所の軸方向位置は、前記第1蒸気タービンの初段静翼前の位置、または前記第1蒸気タービンの初段静翼前から2段動翼前までの位置である事を特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の蒸気タービンプラント。
  6. 前記分離機構は、前記第3蒸気を前記第1蒸気タービンに供給する事を特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の蒸気タービンプラント。
  7. 前記分離機構は、前記第1蒸気タービン内の静止部を前記第3蒸気により加熱する事を特徴とする、請求項6に記載の蒸気タービンプラント。
  8. 前記第1蒸気タービンの回転部を囲むケーシングは、内部ケーシングと外部ケーシングの二重構成になっており、
    前記分離機構は、前記第3蒸気を、前記内部ケーシングと前記外部ケーシングとの間の領域、前記内部ケーシングの外表面付近、または前記外部ケーシングの内表面付近に供給する事を特徴とする、請求項6または7に記載の蒸気タービンプラント。
  9. 前記分離機構は、ボルテックスチューブを具備する事を特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の蒸気タービンプラント。
  10. ボイラにて水から蒸気を発生させ、
    前記ボイラにて発生し、再熱器にて加熱されたまたは加熱されていない蒸気により第1蒸気タービンを回転駆動させ、
    前記ボイラにて発生し、前記再熱器にて加熱されたまたは加熱されていない第1蒸気を、分離機構により、前記第1温度より低温の第2蒸気と、前記第1温度より高温の第3蒸気とに分離し、前記第2蒸気を前記分離機構から前記第1蒸気タービン内の軸ロータに供給して、前記軸ロータを前記第2蒸気により冷却する、
    事を具備する事を特徴とする蒸気タービンプラントの運転方法。
  11. 前記軸ロータの表面温度を計測し、前記表面温度の計測温度があらかじめ定められた許容温度を越えないように前記第1蒸気の流量を制御する事を特徴とする、請求項10に記載の蒸気タービンプラントの運転方法。
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