JP2019107446A - 点滴注射の実施方法および点滴注射の実施装置 - Google Patents

点滴注射の実施方法および点滴注射の実施装置 Download PDF

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Abstract

【課題】体液中における所定成分の濃度を所定の濃度以上に制御する。【解決手段】本点滴注射の実施方法は、被投与者への点滴注射による所定成分を含む輸液の投与を開始する第1の工程と、前記輸液が投与されている前記被投与者から体液を採取する第2の工程と、採取した前記体液中における前記所定成分の濃度を測定する第3の工程と、前記体液中の所定成分の濃度に応じて前記輸液中の前記所定成分の濃度を変更する第4の工程と、を含む。【選択図】図4

Description

本発明は、点滴注射の実施方法および点滴注射の実施装置に関する。
アスコルビン酸(ビタミンC)は食事により摂取され、小腸より吸収され体内の臓器および組織へ広く分布する。生化学的にはコラーゲンの合成、カルニチンの合成、副腎皮質ホルモンの合成、カテコールアミンの合成、過酸化脂質の分解、活性酸素の分解などに関与しており、生体内で重要な役割を果たしている。近年では、ビタミンCの強い還元性による、抗がん作用、免疫力増強、そして、美肌、美白効果が着目され、高濃度ビタミンC点滴療法などに応用されている。高濃度ビタミンC点滴療法に開する文献として、例えば、以下の特許文献1および非特許文献1が挙げられる。
特許第4124214号公報
「The Riordan IVC Protocol for Adjunctive Cancer Care Intravenous Ascorbate as a Chemotherapeutic and Biological Response Modifying Agent」、[online]、2013年2月、[平成29年10月16日検索]、インターネット<URL: http://www.doctoryourself.com/RiordanIVC.pdf>
高濃度ビタミンC点滴療法では、点滴注射によってアスコルビン酸を含む輸液が患者に投与される。そして、点滴注射終了後に患者から採血した血液中のアスコルビン酸の濃度が測定され、測定結果を基に次回の高濃度ビタミンC点滴療法で投与される輸液中のアスコルビン酸の濃度が決定される。
点滴注射が終了してから血液中のアスコルビン酸の濃度が測定されるため、点滴注射を行っている間は、患者に投与している輸液中のアスコルビン酸の濃度が適切であるか判断できない。そのため、血液中のアスコルビン酸濃度を所定の濃度以上に制御することは困難となる。このような課題は高濃度ビタミンC点滴療法に限定されず、点滴注射によって投与される所定成分の体液中における濃度を所定の濃度以上に制御する場合に共通の課題となる。
そこで、開示の技術の1つの側面は、体液中における所定成分の濃度を所定の濃度以上に制御することを課題とする。
開示の技術の1つの側面は、次のような点滴注射の実施方法によって例示される。本点滴注射の実施方法は、被投与者への点滴注射による所定成分を含む輸液の投与を開始する第1の工程と、前記輸液が投与されている前記被投与者から体液を採取する第2の工程と、採取した前記体液中における前記所定成分の濃度を測定させる第3の工程と、前記体液中の所定成分の濃度に応じて前記輸液中の前記所定成分の濃度を変更する第4の工程と、を含む。開示の技術は、点滴注射の実施装置として把握することも可能である。
開示の技術は、体液中における所定成分の濃度を所定の濃度以上に制御することができる。
図1は、第1実施形態に係る点滴システムの構成の一例を示す図である。 図2は、補充装置の構成の一例を示す図である。 図3は、第1実施形態に係る点滴システムの処理ブロックの一例を示す図である。 図4は、第1実施形態に係る点滴システムの処理フローの一例を示す図である。 図5は、第2実施形態に係る点滴システムの構成の一例を示す図である。 図6は、検知装置の構成の一例を示す図である。 図7は、採取装置の全体概略図の一例である。 図8は、図7の丸印Aの部分を平面視した図の一例である。 図9は、図7の丸印Bの部分を平面視した図の一例である。 図10は、第2実施形態に係る検知装置の処理ブロックの一例を示す図である。 図11は、第2実施形態に係る点滴システムの処理フローの一例を示す図である。 図12Aは、カム機構によって穿刺部材を射出する構成の一例を示す第1の図である。 図12Bは、カム機構によって穿刺部材を射出する構成の一例を示す第2の図である。 図13Aは、ソレノイドアクチュエータによってストッパー部材を駆動する構成の一例を示す第1の図である。 図13Bは、ソレノイドアクチュエータによってストッパー部材を駆動する構成の一例を示す第2の図である。
以下、実施形態について説明する。以下に示す実施形態の構成は例示であり、開示の技術は実施形態の構成に限定されない。
<第1実施形態>
(点滴注射の実施方法)
第1実施形態に係る点滴注射の実施方法は、
被投与者への点滴注射による所定成分を含む輸液の投与を開始する第1の工程と、
前記輸液が投与されている前記被投与者から体液を採取する第2の工程と、
採取した前記体液中における前記所定成分の濃度を測定する第3の工程と、
前記体液中の所定成分の濃度に応じて前記輸液中の前記所定成分の濃度を変更する第4の工程と、を含む。
(第1の工程)
第1の工程において、被投与者への点滴注射による所定成分を含む輸液の投与を開始する。点滴注射は、例えば、点滴装置によって行われる。点滴装置は、所定成分を含む輸液を貯留した点滴容器と、体内に留置される注射針と、容器と注射針とを接続し、内部を輸液が流通可能なチューブとを備える。容器に貯留された輸液は、チューブおよび注射針を介して、患者の体内に投与される。
(第2の工程)
第2の工程において、輸液が投与されている被投与者から体液を採取する。被投与者からの体液の採取では、採取装置が用いられる。採取装置は、例えば、穿刺具を備えており、穿刺具によって被投与者の体を穿刺することで、体液を採取する。採取装置は、例えば、被投与者の指先に取り付けられており、被投与者の指を穿刺して体液を採取してもよい。体液は、例えば、被投与者の血液である。
(第3の工程)
第3の工程において、所定成分を含む輸液が点滴注射によって投与されている被投与者の体液中における所定成分の濃度を測定する。所定成分の濃度は、例えば、バイオセンサが接続された測定装置によって測定される。所定成分を含む輸液が点滴注射によって投与されている被投与者から採取された体液がバイオセンサに点着される。体液が点着されたバイオセンサが測定装置に接続されると、測定装置は体液中の所定成分の濃度を測定する。所定成分は、例えば、アスコルビン酸である。
(第4の工程)
第4の工程において、第3の工程で測定した体液中の所定成分の濃度に応じて輸液中の所定成分の濃度を変更する。点滴容器には、例えば、所定成分が貯留された注入器が接続される。第4の工程では、例えば、測定した濃度が所定の濃度未満である場合、注入器が所定成分を点滴容器に注入することで、輸液中の所定成分の濃度を高くする。注入器が点滴容器に注入する所定成分の一回当たりの量を所定量に制限してもよい。このような構成とすることで、輸液中の所定成分の濃度が急激に変化することを抑制できる。また、例えば、被投与者の体液中における所定成分の目標濃度と被投与者の体液中における所定成分の濃度との差と輸液中に追加する所定成分の量とを対応付けた検量線および測定した体液中の所定成分の濃度に基づいて輸液中に追加する所定成分の量を決定してもよい。このような構成とすることで、患者の血液中の所定成分の濃度を速やかに所定の濃度とすることができる。
(注入器)
注入器は、
前記所定成分を貯留する貯留部と、
前記貯留部と前記輸液が貯留された点滴容器とを前記所定成分が流通可能に接続する接続部と、
前記体液中の所定成分の濃度に応じて前記貯留部の容積を縮小することで、前記貯留部に貯留された前記所定成分を前記接続部を介して前記点滴容器に注入する注入部と、を有する。
貯留部には、所定成分が貯留される。貯留部には、点滴容器に貯留される輸液中における所定成分の濃度よりも高い濃度の所定成分を含む薬液が貯留されてもよい。貯留部と点滴容器とは、接続部によって所定成分が流通可能に接続される。接続部は、例えば、チューブである。注入部は、貯留部の容積を縮小することで、貯留部に貯留された所定成分を接続部を介して点滴容器に注入する。貯留部は例えばシリンジである。注入部はシリンジ内を摺動するプランジャーを含み、プランジャーを駆動して貯留部の容積を縮小してもよい。また、貯留部は可撓性を有するように形成された容器であり、注入部は貯留部を圧迫することで貯留部の容積を縮小するものでもよい。貯留部の容積が縮小されることで、貯留された所定成分が接続部を介して点滴容器に注入される。注入される所定成分の量は、例えば、貯留部の容積をどの程度縮小するかによって制御できる。
(制御装置)
第1実施形態に係る点滴注射の実施方法は、例えば、コンピュータによって例示される制御装置によっても実行可能である。制御装置は、例えば、Central Processing Unit(
CPU)とメモリとを備える情報処理装置である。CPUは、マイクロプロセッサユニット(MPU)、プロセッサとも呼ばれる。CPUは、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。メモリはCPUから直接アクセスされる記憶部として例示される。メモリは、Random Access Memory(RAM)およびRead Only Memory(ROM)を含む。制御装置は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することで、第1実施形態に係る点滴注射の実施方法を実現できる。また、第1実施形態に係る点滴注射の実施方法を実現する制御装置を搭載した装置は、点滴注射の実施装置ということができる。
上述した第1実施形態に係る点滴注射の実施方法について、以下図面を参照してさらに詳述する。以下では、高濃度ビタミンC点滴療法、すなわち、アスコルビン酸を点滴注射によって患者に投与する場合について説明する。患者は、「被投与者」の一例である。
図1は、第1実施形態に係る点滴システム1の構成の一例を示す図である。点滴システム1は、点滴装置10、測定装置20、補充装置30および採取装置40を含む。
点滴装置10は、点滴容器11、チューブ12および注射針13を含む。点滴容器11は、輸液を貯留する容器である。輸液は、アスコルビン酸を含む。注射針13は、患者の静脈内に留置される。注射針13が留置された箇所には、医療用テープ14が貼付されて注射針13の脱落が抑制される。チューブ12は中空形状に形成される。チューブ12は、点滴容器11の底部と注射針13とを接続する。チューブ12によって接続されることで、点滴容器11に貯留された輸液は、チューブ12および注射針13を介して、患者の体内に投与される。点滴装置10は、「点滴部」の一例である。点滴容器11には、補充装置30が中空形状に形成されたチューブ31を介して接続される。点滴容器11中の輸液には、チューブ31を介して補充装置30からアスコルビン酸が補充される。チューブ31は、「接続部」の一例である。
測定装置20は、患者から採取した血液中のアスコルビン酸の濃度を測定する。血液の採取には、例えば、患者の指先に取り付けられた採取装置40が用いられる。採取装置40は穿刺具を備えており、穿刺具によって患者の指先を穿刺することで血液を採取する。測定装置20は、例えば、アスコルビン酸の濃度を測定可能なバイオセンサを含む。測定装置20はRS−232Cケーブルで補充装置30と接続されており、測定装置20は、RS−232Cケーブルを介して補充装置30に測定結果を送信する。しかしながら、測定結果を送信する方式はRS−232Cケーブルを介した方法に限定されず、無線通信であっても有線通信であってもよい。測定装置20は、「測定部」の一例である。採取装置40は、「採取部」の一例である。
補充装置30は、点滴容器11内の輸液よりも高濃度のアスコルビン酸を含む薬液を貯留しており、測定装置20が測定した濃度に応じて薬液を点滴容器11に注入する。図2は、補充装置30の構成の一例を示す図である。図2において、注入器36のプランジャー36bの上端部36b1側を上、注入器36の接続口36d側を下とする。以下、図2を参照して、補充装置30の構成の一例について説明する。補充装置30は、「変更部」の一例である。
補充装置30は、制御基板32、無線通信モジュール33a、RS−232Cモジュール33b、ディスプレイ34、押圧装置35および注入器36を備える。
無線通信モジュール33aは無線通信によって外部装置と通信するモジュールである。RS−232Cモジュール33bは、RS−232Cの規格にしたがった通信ケーブルが接続される接続端子を含む。RS−232Cモジュール33bの接続端子には、測定装置
20からの接続ケーブルが接続される。RS−232Cモジュール33bは、接続端子に接続されたRS−232C規格にしたがった通信ケーブルを介して外部装置と通信するモジュールである。
ディスプレイ34は、現在投与している輸液中のアスコルビン酸の濃度や、測定装置20から受信した測定結果、点滴注射を開始してからの経過時間等の各種情報を表示する。
制御基板32は、無線通信モジュール33aやRS−232Cモジュール33bを介して、外部装置と通信可能である。制御基板32は、CPUおよびメモリを有する。制御基板32は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することで、所望の処理を実現する。
注入器36は、シリンジ36a、プランジャー36b、ガスケット36c、接続口36dを備える。シリンジ36aは上端が開口した円筒形状に形成されている。シリンジ36a内には点滴装置10の点滴容器11に貯留された輸液よりも高い濃度のアスコルビン酸を含む薬液37が貯留される。シリンジ36aの底部にはシリンジ36aの内外を連通する接続口36dが設けられ、接続口36dにはチューブ31が接続される。プランジャー36bは、一方の先端にガスケット36cを有する棒状の部材である。プランジャー36bは、シリンジ36aの上端の開口からガスケット36c側が薬液37に向かうように挿入される。プランジャー36bの上端部36b1は、押圧装置35の腕部35eの下側の面に接触する。ガスケット36cは、シリンジ36aの内側面との隙間が無いように形成される。注入器36では、プランジャー36bの上端部36b1が接続口36dに向けて押圧されると、プランジャー36bがシリンジ36aの内側面に沿って下方に移動する。プランジャー36bが下方に移動することで、シリンジ36aの容積が縮小する。シリンジ36aの容積が縮小することで、シリンジ36a内の薬液37が接続口36d、チューブ31を介して点滴装置10の点滴容器11に注入される。シリンジ36aは、「貯留部」の一例である。チューブ31は、「接続部」の一例である。押圧装置35およびプランジャー36bは、「注入部」の一例である。
押圧装置35は、注入器36のプランジャー36bの上端部36b1を下方に向けて押圧する装置である。押圧装置35は、ステッピングモーター35a、歯車35b、歯車35c、ネジ軸35dおよび腕部35eを備える。ステッピングモーター35aは、制御基板32のCPUからの指示によって、1回あたり所定量だけ回転するモーターである。ステッピングモーター35aの回転軸には、歯車35cとかみ合う歯車35bが設けられる。歯車35cから上方に向けて棒状の部材であり、外周にネジ山を有するネジ軸35dが形成される。腕部35eは、ネジ軸35dと螺合するネジ穴を有する板状の部材であり、注入器36のプランジャー36bの上端部36b1に上側から接触するように配置される。押圧装置35では、ステッピングモーター35aの回転による駆動力は歯車35bから歯車35cに伝達される。歯車35cを介して伝達された駆動力によってネジ軸35dが回転する。ネジ軸35dが回転すると、ネジ軸35dと螺合する腕部35eが下方に移動する。下方に移動する腕部35eによって押圧されることで、注入器36のプランジャー36bが下方に移動する。ステッピングモーター35aの回転量が所定量であるため、プランジャー36bの下方への移動量も所定量となる。注入器36のプランジャー36bが所定量下がることで、シリンジ36aの容積が所定量減少する。シリンジ36aの容積が所定量減少することで、所定量の薬液37がチューブ31を介して点滴容器11内に注入される。押圧装置35およびプランジャー36bは、「注入部」の一例である。
<処理ブロック構成>
図3は、第1実施形態に係る点滴システム1の処理ブロックの一例を示す図である。図3に例示される各処理ブロックは、制御基板32のCPUがメモリに記憶されたプログラ
ムを実行することで実現される。ただし、図3に例示される処理ブロックの少なくとも一部はハードウェア回路を含んでもよい。以下、図3を参照して、第1実施形態に係る点滴システム1の処理ブロックについて説明する。
記憶部103は、患者の血液中のアスコルビン酸の設定濃度を記憶する。設定濃度は、第1実施形態に係る高濃度ビタミンC点滴療法において、患者の血液中におけるアスコルビン酸の濃度の目標値となる値である。記憶部103は、例えば、制御基板32の補助記憶装置に設定濃度を記憶する。設定濃度は、「目標濃度」の一例である。
受信部101は、測定装置20によって測定された測定結果を無線通信モジュール33aまたはRS−232Cモジュール33bを介して受信する。受信部101は、受信した測定結果を制御部102に渡す。
制御部102は、受信部101から測定装置20による測定結果を受け取る。制御部102は、記憶部103が記憶する設定濃度と受信部101から受け取った測定結果とに基づいて、患者の血液中のアスコルビン酸の濃度が設定濃度に達しているか否かを判定する。血液中のアスコルビン酸の濃度が設定濃度に達していない場合、制御部102は、押圧装置35を駆動して、注入器36に貯留された薬液37を点滴装置10の点滴容器11に注入させる。上述の通り、ステッピングモーター35aの回転量は所定量に規制されるため、注入1回あたりのアスコルビン酸の濃度は一定となる。
図4は、第1実施形態に係る点滴システム1の処理フローの一例を示す図である。以下、図4を参照して、第1実施形態に係る点滴システム1の処理フローの一例について説明する。
S1では、点滴注射が開始される。S1の工程は、「第1の工程」の一例である。S2では、制御部102は、例えば、所定時間毎にメッセージやアラームを出力することで、患者の血液中のアスコルビン酸濃度の測定を促す。測定装置20は、患者の血液中のアスコルビン酸の濃度を測定する。人体においては、血液が心臓から拍出されて心臓に戻るまでの時間は1分程度である。そこで、制御部102は、例えば、1分以上の間隔で測定を促してもよい。制御部102は、例えば、20分に1回、10分に1回、5分に1回、または1分に1回の頻度で測定を促してもよい。測定装置20は、患者から採血された血液中のアスコルビン酸の濃度を測定し、測定結果を補充装置30に送信する。受信部101は、測定装置20から送信された測定結果を受信する。S2の工程は、「第2の工程」および「第3の工程」の一例である。
S3では、制御部102は、記憶部103が記憶する設定濃度と受信部101から受け取った測定結果とに基づいて、患者の血液中のアスコルビン酸の濃度が設定濃度に達しているか否かを判定する。設定濃度に達していない場合(S3でNo)、処理はS4に進められる。設定濃度に達している場合(S3でYes)、処理はS5に進められる。
S4では、制御部102は、押圧装置35を駆動して、所定量の薬液37を点滴装置10の点滴容器11に注入させる。上述の通り、薬液37は点滴容器11に貯留された輸液よりも高濃度のアスコルビン酸を含むため、この注入により点滴容器11に貯留された輸液のアスコルビン酸の濃度を高めることができる。その後、処理はS2に進められる。S4の工程は、「第4の工程」の一例である。
S5では、患者の血液中のアスコルビン酸の濃度が設定濃度に達しているため、このまま点滴注射が継続される。S6では、規定量の輸液が患者に投与されると、点滴注射は終了する。
なお、点滴注射の開始直後は患者の血液中におけるアスコルビン酸の濃度が安定しないと考えられる。そのため、例えば、制御部102は、点滴注射の開始から一定時間(例えば、30分)経過後にS2以降の処理が実行されるようにしてもよい。
<第1実施形態の効果>
第1実施形態では、点滴注射が実施されている患者から採血して、血液中のアスコルビン酸の濃度が測定される。制御部102は、測定結果が示す血液中のアスコルビン酸の濃度が設定濃度に達していない場合、薬液37を点滴装置10の点滴容器11に注入させることで、輸液中のアスコルビン酸の濃度を高める。そのため、第1実施形態によれば、実施中の点滴注射で投与される輸液のアスコルビン酸の濃度を好適に制御できる。その結果、第1実施形態によれば、患者の血液中におけるアスコルビン酸の濃度を設定濃度以上に制御できる。
第1実施形態では、薬液37を点滴容器11に注入する際には、所定量ずつ注入する。そのため、第1実施形態によれば、輸液中のアスコルビン酸の濃度が急激に変化することを抑制できる。
<第1実施形態の変形例>
第1実施形態では、測定された血液中のアスコルビン酸の濃度が設定濃度に達していない場合、所定量の薬液37が点滴容器11に注入された。しかしながら、点滴容器11に注入される薬液37の量は所定量に限定されるわけではない。例えば、制御部102は、血液中のアスコルビン酸の濃度と設定濃度との差と、点滴容器11に注入する薬液37の量を対応付けた検量線データを記憶部103に記憶しておき、当該検量線データを参照して点滴容器11に注入する薬液37の量を決定してもよい。このような構成とすることで、患者の血液中のアスコルビン酸の濃度を速やかに設定濃度とすることができる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、点滴注射の実施中に患者から採血して、血液中のアスコルビン酸の濃度が測定される。第2実施形態では、点滴注射の終了後に血液中のアスコルビン酸の濃度を測定する技術について説明される。
高濃度ビタミンC点滴療法では、点滴注射終了後に採血が実施され、採血された血液中におけるアスコルビン酸の濃度が計測される。アスコルビン酸は血液中において速やかに分解されるため、採血のタイミングによって測定結果が変動する。このような測定結果の変動は、高濃度ビタミンC点滴療法に限定されず、点滴注射の終了後から体液の採取までの経過時間によって体液中の測定対象成分の濃度が変動する場合に共通する。そこで、第2実施形態では、第1実施形態に例示される点滴注射が終了してから一定のタイミングで患者から採血を行って血液中のアスコルビン酸の濃度を測定する技術が説明される。
(点滴注射の実施方法)
第2実施形態に係る点滴注射の実施方法は、
前記第1実施形態に例示される点滴注射の終了を検知する第5の工程をさらに含み、
前記第2の工程では、前記点滴注射の終了を検知してから一定のタイミングで前記被投与者から前記体液が採取される。
第2実施形態に係る点滴注射の実施方法は、第5の工程において、点滴注射の終了を検知する。点滴注射の終了は、例えば、点滴注射の終了を検知する検知装置によって検知される。検知装置が点滴注射の終了を検知する方法には特に限定は無い。検知装置は、例えば、点滴装置のチューブ内に輸液が流れていないことを検知して、点滴注射の終了を検知
してもよい。例えば、点滴装置のチューブが光を透過する場合、検知装置は、チューブに対して光を発射し、発射した光の反射光の強度によってチューブ内を輸液が流れているか否かを判定すればよい。チューブ内を輸液が流れていない場合、検知装置は点滴注射が終了したことを検知できる。
点滴注射の終了が検知されると、前記第2の工程において、被投与者から体液が採取される。採取装置は、点滴注射の終了が検知されてから一定のタイミングで被投与者からの体液の採取を行う。体液は、例えば、血液である。一定のタイミングは、通知を受けた直後であってもよいし、通知を受けて一定時間経過後であってもよい。
第2の工程で用いられる穿刺具は、
所定方向に射出可能な穿刺部と、
前記穿刺部から前記所定方向に位置するように前記被投与者の被穿刺箇所を保持する保持部と、
前記穿刺部の射出を抑止する抑止部と、
前記点滴注射の終了を検知してから一定時間後に前記抑止部による抑止を解除して前記穿刺部を前記被穿刺箇所に向けて射出させる解除部と、を有する。
(穿刺部)
穿刺部は、所定方向に射出可能である。穿刺部は、例えば、その先端が針状に形成されている。穿刺部は、例えば、針状に形成された先端を所定方向に向けた状態で射出される。穿刺部を射出する仕組みには特に限定は無いが、例えば、穿刺部は弾性体の弾性力や磁石の反発力によって射出される。また、例えば、穿刺部は、穿刺具が備える射出ボタンに対する押圧操作を所定方向への運動に変換するカム機構によって射出されてもよい。
(保持部)
保持部は、穿刺部から所定方向に位置するように被投与者の被穿刺箇所を保持する。保持部によって被穿刺箇所が保持されることで、所定方向に射出した穿刺部は、被穿刺箇所を穿刺できる。
(抑止部)
抑止部は、穿刺部の射出を抑止する。抑止部が穿刺部の射出を抑止することで、体液を採取するタイミング以外での穿刺部の射出が抑制される。
(解除部)
解除部は、点滴注射の終了を検知してから一定のタイミングで抑止部による抑止を解除する。一定のタイミングは、点滴注射の終了を検知した直後でもよいし、点滴注射の終了を検知してから一定の時間経過後でもよい。一定のタイミングを計時する方法は、アナログ式のタイマーであってもデジタル式のタイマーであってもよい。解除部によって抑止部による抑止が解除されることで、穿刺部は所定方向に射出される。上述の通り、所定方向には保持部によって保持された被穿刺箇所があるため、射出された穿刺部は被穿刺箇所を穿刺することができる。
解除部は、例えば、点滴注射の終了を検知すると一定の角速度で回転するモーターと、モーターの回転軸に設けられる解除部材とを含む。一定の角速度で回転するモーターの回転によって移動する解除部材が抑止部を動かすことで抑止部による抑止が解除される。抑止部による抑止が解除されると、穿刺部は被穿刺箇所を穿刺して体液を採取する。モーターは、点滴注射の終了の検知を契機に一定の角速度で回転するため、点滴注射の終了から体液の採取までの時間が一定となる。換言すれば、一定の角速度で回転するモーターは、アナログ式のタイマーの一例ということができる。
解除部は、ソレノイドアクチュエータによって抑止部を移動することで、穿刺部の抑止を解除してもよい。ソレノイドアクチュエータは、点滴注射の終了の検知を契機として駆動を開始する。ソレノイドアクチュエータは駆動開始の信号を受信するとすぐに駆動するため、解除部としてソレノイドアクチュエータを採用した場合でも、点滴注射の終了から体液の採取までの時間が一定となる。換言すれば、信号を受信してすぐに駆動するソレノイドアクチュエータは、デジタル式のタイマーの一例ということができる。
上述した第2実施形態に係る点滴注射の実施方法について、以下図面を参照してさらに詳述する。図5は、第2実施形態に係る点滴システム1aの構成の一例を示す図である。点滴システム1aは、第1実施形態に係る点滴システム1の構成に対して検知装置50が追加される。また、第2実施形態におけるチューブ12aは、光を透過する部材で形成される。
検知装置50は点滴注射の終了を検知する装置である。図6は、検知装置50の構成の一例を示す図である。検知装置50は、制御基板51、無線通信モジュール52、Light Emitting Diode(LED)53a、LED53b、受光部54a、受光部54b、アラーム55および保持部材56、56を備える。
保持部材56、56は、チューブ12a内の輸液の流動を阻害しないようにチューブ12aを保持する。無線通信モジュール52は、無線による通信が可能なモジュールである。制御基板51は、無線通信モジュール52を介して、採取装置40と通信可能である。制御基板51は、CPUおよびメモリを有する。制御基板51は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することで、所望の処理を実現する。
制御基板51上には、LED53a、LED53b、受光部54a、受光部54bおよびアラーム55が設けられる。以下、LED53aとLED53bとを区別しないときはLED53と称し、受光部54aと受光部54bとを区別しないときは受光部54と称する。LED53と受光部54はチューブ12aに沿って配置され、LED53aと受光部54aとのペアは、LED53bと受光部54bとのペアよりもチューブ12aの上流側に配置される。ここで、チューブ12aの上流側は点滴容器11が接続される側であり、チューブ12aの下流側は注射針13が接続される側であるものとする。
LED53は、出射する光の光軸がチューブ12aに向くように配置される。受光部54は、その光を受光する面がチューブ12aに向くように配置される。LED53が光を出射すると、出射した光の少なくとも一部はチューブ12aによって反射される。受光部54aはLED53aによって出射された光の反射光を受光する位置に設けられ、受光部54bはLED53bによって出射された光の反射光を受光する位置に設けられる。チューブ12aによって反射された反射光の強度は、チューブ12a内を輸液が流れているときと流れていないときとで異なる。そのため、制御基板51のCPUは、受光部54が受光した反射光の強度を基に、チューブ12a内に輸液が流れているか否かを判定できる。
判定においては、例えば、チューブ12a内に輸液が流れているときの反射光の強度の強度範囲をメモリにあらかじめ記憶しておく。そして、制御基板51のCPUは、受光部54が受光した反射光の強度が記憶した強度範囲外である場合にチューブ12a内に輸液が流れていないと判定してもよい。また、例えば、チューブ12a内に輸液が流れていないときの反射光の強度の強度範囲をメモリにあらかじめ記憶しておく。そして、制御基板51のCPUは、受光部54が受光した反射光の強度が記憶した強度範囲内である場合にチューブ12a内に輸液が流れていないと判定してもよい。
制御基板51のCPUは、チューブ12a内を輸液が流れていないと判定した場合に、点滴注射が終了したと判定する。制御基板51のCPUは、点滴注射の終了を検知してから一定のタイミングで、無線通信モジュール52を介して、採取装置40に血液の採取の開始を指示する。さらに、制御基板51のCPUは、点滴注射の終了を検知すると、アラーム55からアラーム音を出力して点滴注射の終了を周囲に報知する。
採取装置40は、上述の通り、穿刺具によって患者の指先を穿刺することで血液を採取する。図7から図9は、採取装置40の構成の一例を示す図である。図7は、採取装置40の全体概略図の一例である。図8は、図7の丸印Aの部分を平面視した図の一例である。図9は、図7の丸印Bの部分を平面視した図の一例である。以下、図7から図9を参照して、採取装置40の構成の一例について説明する。
採取装置40は、クリップ保持部材41、モーター制御部42、ステッピングモーター43、ストッパー解除部材44、ストッパー部材45、圧縮コイルバネ46、基台46a、穿刺部材47および収容筒48を備える。
クリップ保持部材41は、第1保持部材41a、第2保持部材41bおよびねじりコイルバネ41cを含む。また、図8を参照すると理解できるように、第2保持部材41bの一端は平面視においてU字状に形成された凹部41b1が形成されている。第2保持部材41bは、収容筒48を凹部41b1に挟み込むことで、収容筒48を保持できる。クリップ保持部材41では、ねじりコイルバネ41cの弾性力によって、第1保持部材41aと第2保持部材41bとは閉じる方向に力が加わる。クリップ保持部材41は、ねじりコイルバネ41cの弾性力によって、第1保持部材41aと第2保持部材41bとの間に挟んだ指F1を凹部41b1に保持された収容筒48の開口部48aに押し当てた状態で挟持できる。クリップ保持部材41は、「保持部」の一例である。指F1は、「被穿刺箇所」の一例である。
収容筒48は、筒状に形成された部材である。収容筒48の底部には基台46aが設けられる。収容筒48の内部には、穿刺部材47および圧縮コイルバネ46が設けられる。圧縮コイルバネ46の一端は基台46aの上面に固定され、他端は穿刺部材47の底面に固定される。収容筒48の上方には開口部48aが設けられる。穿刺部材47は、先端が針状に形成された部材であり、針によって指F1を穿刺することで採血を行う部材である。穿刺部材47は、圧縮コイルバネ46上に設けられる。ストッパー部材45は、上端部45aが圧縮コイルバネ46を圧縮した状態で穿刺部材47を上方から押さえて穿刺部材47の上方への移動を規制し、下端部45bはストッパー解除部材44と接触可能な位置に達する。すなわち、ストッパー部材45は、圧縮コイルバネ46によって付勢された状態の穿刺部材47を上方から押さえて穿刺部材47の射出を抑止する。ストッパー部材45は、「抑止部」の一例である。
モーター制御部42は、検知装置50から採血の開始を指示されると、ステッピングモーター43を駆動する。ステッピングモーター43は、モーター制御部42からの指示によって、例えば、1/4回転ずつ一定の角速度で回転するモーターである。ステッピングモーター43の回転軸には、ストッパー解除部材44が設けられる。
図9に例示されるように、ステッピングモーター43の回転によってストッパー解除部材44が回転し、回転するストッパー解除部材44によってストッパー部材45の下端部45bが押される。ストッパー部材45は、下端部45bがストッパー解除部材44によって押されると、上端部45aが穿刺部材47から外れることでストッパー部材45による穿刺部材47の射出の規制が解除される。規制が解除されると、穿刺部材47は、圧縮コイルバネ46の弾性力によって、収容筒48の内側面に沿って射出される。射出された
穿刺部材47が、収容筒48の開口部48aを介して指F1を穿刺することで、採血が行われる。
射出される穿刺部材47の移動範囲は、穿刺部材47が指F1を穿刺可能であり、かつ、指F1を穿刺された患者が感じる痛みが少なくなるような範囲に規制される。穿刺部材47の移動範囲の規制は、圧縮コイルバネ46の長さが調整されることで実現されてもよいし、収容筒48の上面に穿刺部材47の移動範囲を規制する規制部材を付してもよい。
ステッピングモーター43が一定の角速度で回転するため、検知装置50から血液の採取の開始を指示されてから採血までの時間が一定となる。採取装置40は、「採取部」の一例である。モーター制御部42、ステッピングモーター43およびストッパー解除部材44は、「解除部」の一例である。採取装置40によって採血された血液中のアスコルビン酸の濃度は、例えば、バイオセンサを用いた測定装置20によって測定される。
<処理ブロック構成>
図10は、第2実施形態に係る検知装置50の処理ブロックの一例を示す図である。図10に例示される各処理ブロックは、制御基板51のCPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することで実現される。ただし、図10に例示される処理ブロックの少なくとも一部はハードウェア回路を含んでもよい。以下、図10を参照して、検知装置50の処理ブロックについて説明する。
記憶部503は、例えば、チューブ12a内に輸液が流れているときの反射光の強度の強度範囲を示す情報を記憶する。記憶部503に記憶される情報は、例えば、あらかじめ実験等で決定すればよい。
制御部501は、検知部502から点滴注射が終了したことを通知されると、採取装置40に対して、患者の血液の採取を開始させるとともに、アラーム55にアラーム音を出力させる。
検知部502は、点滴注射の終了を検知する。検知部502は、例えば、LED53および受光部54を制御する。検知部502は、LED53に光を所定の周期で出射させる。検知部502は、受光部54が受光したチューブ12aからの反射光の強度を検出する。検知部502は、検出した反射光の強度と記憶部503に記憶される情報とに基づいて、点滴注射が終了したことを検知する。ここで、検知部502は、受光部54aが受光した反射光の強度と受光部54bが受光した反射光の強度のいずれもが記憶部503に記憶される情報に基づいて点滴注射が終了したことを示している場合に、点滴注射が終了したと検知する。検知部502は、点滴注射が終了したことを検知すると、その旨を制御部501に通知する。検知部502は、「検知部」の一例である。
図11は、第2実施形態に係る点滴システム1aの処理フローの一例を示す図である。以下、図11を参照して、第2実施形態に係る点滴システム1aの処理フローの一例について説明する。
S11では、点滴注射が開始される。点滴注射が開始されるときには、図7に例示するように、採取装置40のクリップ保持部材41によって、患者の指F1が収容筒48の開口部48aに押し当てられた状態で挟持される。S11の処理は、「第1の工程」の一例である。
S12では、点滴注射が終了したか否かが判定される。検知部502は、LED53に光を出射させ、受光部54が受光したチューブ12aからの反射光の強度を検出する。検
知部502は、検出した反射光の強度と記憶部503に記憶された情報とに基づいて、点滴注射が終了しているか否かを判定する。点滴注射が終了している場合(S12でYES)、処理はS13に進められる。点滴注射が終了していない場合(S12でNO)、検知部502は、所定時間経過後、処理をS12に戻す。S12の処理は、「第5の工程」の一例である。
S13では、制御部501は、検知部502から点滴終了の通知を受信する。S14では、点滴終了を通知された制御部501は、採取装置40に対して、採血を開始させる。採取装置40は、上述したように、点滴終了の検知から一定のタイミングで穿刺部材47によって患者の指F1を穿刺する。S15では、穿刺された患者の指F1から採血される。S14からS15の処理は、「第2の工程」の一例である。S16では、例えば、バイオセンサを用いた測定装置20によって、血中のアスコルビン酸の濃度が測定される。S16の処理は、「第3の工程」の一例である。測定装置20は「測定部」の一例である。
<第2実施形態の効果>
第2実施形態では、検知部502から点滴注射の終了を通知された制御部501は、通知を受信してから一定のタイミングで、採取装置40に採血の開始を指示する。制御部501から指示された採取装置40は、一定の回転速度で回転するステッピングモーター43の回転軸に設けられたストッパー解除部材44によってストッパー部材45による規制を解除する。規制が解除された穿刺部材47が指F1を穿刺することで、採血が行われる。その結果、点滴注射の終了を通知されてから採血開始の指示までの時間が一定であり、採血開始の指示から実際に採血されるまでの時間も一定である。そのため、第2実施形態によれば、点滴終了から採血までの時間を一定にすることができる。
第2実施形態では、受光部54aが検出した反射光の強度と受光部54bが検出した反射光の強度のいずれもが記憶部503に記憶される情報に基づいて点滴注射が終了したことを示している場合に、点滴注射が終了したと検知する。第2実施形態では、2つの受光部54によって点滴注射の終了を二重に確認することで、実際には点滴注射が終了していないにもかかわらず終了したと誤検知される可能性が抑制される。
<第2実施形態の変形例>
第2実施形態では、受光部54がチューブ12aによる反射光の強度を測定して点滴注射の終了を検知する。しかしながら、点滴注射の終了を検知する方法は、これに限定されない。例えば、受光部54とLED53とをチューブ12aを挿んで対向して配置し、LED53が出射した光のチューブ12aを透過した透過光を受光部54が受光する。検知部502は、受光部54に受光した透過光の強度を検出させ、検出させた透過光の強度に基づいて点滴注射の終了を検知すればよい。
第2実施形態では、穿刺部材47は圧縮コイルバネ46の弾性力によって射出された。しかしながら、穿刺部材47を射出する手段は、圧縮コイルバネ46に限定されない。穿刺部材47を射出する手段は、例えば、板バネやゴム等の弾性体による弾性力によって射出されてもよい。また、穿刺部材47は、例えば、穿刺部材47と基台46aとが磁化して互いに同じ極(例えば、S極とS極)が対向しており、磁石の反発力によって穿刺部材47が射出されてもよい。
穿刺部材47は、例えば、弾性力や反発力に替えて、カム機構によって射出されてもよい。図12Aおよび図12Bは、カム機構146によって穿刺部材47を射出する構成の一例を示す図である。カム機構146は、カム146aと従動節146bとを含む。従動節146bの上端には穿刺部材47が設けられ、下端はカム146aと接する。カム146aとボタン149とは、互いに接触するように配置されている。図12Aの状態におい
てボタン149が押されると、ボタン149との間の摩擦力によってカム146aが回転する。図12Bに例示するように、回転するカム146aによって従動節146bが上方に移動することで、穿刺部材47を上方に射出させることができる。
第2実施形態では、一定の回転速度で回転するステッピングモーター43の回転軸に設けられたストッパー解除部材44によってストッパー部材45による規制を解除することで、検知装置50から採血の開始を指示されてから採血までの時間が一定とした。しかしながら、検知装置50から採血の開始を指示されてから採血までの時間が一定とする機構は、このような機構に限定されない。例えば、ストッパー部材がソレノイドアクチュエータによって駆動されてもよい。
図13Aおよび図13Bは、ソレノイドアクチュエータ43aによってストッパー部材145を駆動する構成の一例を示す図である。検知装置50から血液の採取の開始を指示されるまでの間は、図13Aに例示されるように、ストッパー部材145は穿刺部材47を上方から押さえて穿刺部材47の上方への移動を規制する。検知装置50から血液の採取の開始を指示されると、ソレノイドアクチュエータ43aは、図13Bに例示されるように、規制を解除する方向にストッパー部材145を移動する。ソレノイドアクチュエータ43aは検知装置50から採血の指示を受信するとすぐに動作するため、図13Aおよび図13Bに例示されるような機構によっても、検知装置50から採血の開始を指示されてから採血までの時間を一定とすることができる。なお、図12Aおよび図12Bに例示されるように穿刺部材47がカム機構146によって射出される場合、ソレノイドアクチュエータ43aによってカム146aを回転させることで穿刺部材47を上方に射出させてもよい。
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせる事ができる。例えば、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせることで、図4のS2における採血が一定のタイミングで実施されるようにしてもよい。例えば、制御部501が採取装置40を所定時間が経過する毎に、所定時間の経過から一定のタイミングで駆動して指F1を穿刺させることで点滴実施中における採血が行われてもよい。一定のタイミングは、所定時間が経過した直後であってもよいし、所定時間が経過してから一定時間経過後であってもよい。制御部501がこのような処理を実行することで、点滴実施中における採血の間隔を第1実施形態よりも高い精度で一定とすることができる。その結果、血液中において速やかに分解されるアスコルビン酸の測定結果の変動が抑制される。
<<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させる情報処理プログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、Compact Disc Read Only Memory(CD−ROM)、Compact Disc - Recordable(CD−R)、Compact Disc - ReWriterable(CD−RW)、Digital Versatile Disc(DVD)、ブ
ルーレイディスク(BD)、Digital Audio Tape(DAT)、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
1、1a・・・点滴システム
10・・・点滴装置
11・・・点滴容器
12、12a、31・・・チューブ
13・・・注射針
14・・・医療用テープ
20・・・測定装置
30・・・補充装置
32、51・・・制御基板
33a、52・・・無線通信モジュール
33b・・・RS−232Cモジュール
34・・・ディスプレイ
35・・・押圧装置
35a、43・・・ステッピングモーター
35b、35c・・・歯車
35d・・・ネジ軸
35e・・・腕部
36・・・注入器
36a・・・シリンジ
36b・・・プランジャー
36b1、45a・・・上端部
36c・・・ガスケット
36d・・・接続口
37・・・薬液
40・・・採取装置
41・・・クリップ保持部材
41a・・・第1保持部材
41b・・・第2保持部材
41b1・・・凹部
41c・・・ねじりコイルバネ
42・・・モーター制御部
43a・・・ソレノイドアクチュエータ
44・・・ストッパー解除部材
45、145・・・ストッパー部材
45b・・・下端部
46・・・圧縮コイルバネ
46a・・・基台
47・・・穿刺部材
48・・・収容筒
48a・・・開口部
50・・・検知装置
53、53a、53b・・・LED
54、54a、54b・・・受光部
55・・・アラーム
56・・・保持部材
101・・・受信部
102、501・・・制御部
103、503・・・記憶部
502・・・検知部
146・・・カム機構
146a・・・カム
146b・・・従動節
149・・・ボタン

Claims (18)

  1. 点滴注射の実施方法であって、
    被投与者への点滴注射による所定成分を含む輸液の投与を開始する第1の工程と、
    前記輸液が投与されている前記被投与者から体液を採取する第2の工程と、
    採取した前記体液中における前記所定成分の濃度を測定する第3の工程と、
    前記体液中の所定成分の濃度に応じて前記輸液中の前記所定成分の濃度を変更する第4の工程と、を含む、
    点滴注射の実施方法。
  2. 前記第4の工程において、前記所定成分を所定量だけ前記輸液中に追加する、
    請求項1に記載の点滴注射の実施方法。
  3. 前記点滴注射では、前記被投与者の体液中における前記所定成分の目標濃度が定められており、
    前記第4の工程では、被投与者の体液中における前記所定成分の濃度と前記目標濃度との差と前記輸液中に追加する前記所定成分の量とを対応付けた検量線および測定した前記体液中の所定成分の濃度に基づいて決定した量の前記所定成分を前記輸液中に追加する、
    請求項1に記載の点滴注射の実施方法。
  4. 前記第4の工程において、前記所定成分の濃度の変更は、
    前記所定成分を貯留する貯留部と、
    前記貯留部と前記輸液が貯留された点滴容器とを前記所定成分が流通可能に接続する接続部と、
    前記体液中の所定成分の濃度に応じて前記貯留部の容積を縮小することで、前記貯留部に貯留された前記所定成分を前記接続部を介して前記点滴容器に注入する注入部と、を有する注入器によって行われる、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の点滴注射の実施方法。
  5. 前記点滴注射の終了を検知する第5の工程をさらに含み、
    前記第2の工程では、前記点滴注射の終了を検知してから一定のタイミングで前記被投与者から前記体液が採取される、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の点滴注射の実施方法。
  6. 前記第2の工程において、前記点滴注射の終了を検知してから一定のタイミングで前記被投与者の体を穿刺具によって穿刺して前記体液を採取する、
    請求項5に記載の点滴注射の実施方法。
  7. 前記第2の工程における前記穿刺具は、
    所定方向に射出可能な穿刺部と、
    前記穿刺部から前記所定方向に位置するように前記被投与者の被穿刺箇所を保持する保持部と、
    前記穿刺部の射出を抑止する抑止部と、
    前記点滴注射の終了を検知してから一定時間後に前記抑止部による抑止を解除して前記穿刺部を前記被穿刺箇所に向けて射出させる解除部と、を有する、
    請求項6に記載の点滴注射の実施方法。
  8. 前記所定成分はアスコルビン酸である、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の点滴注射の実施方法。
  9. 前記体液は前記被投与者の血液である、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の点滴注射の実施方法。
  10. 点滴注射の実施装置であって、
    被投与者への点滴注射による所定成分を含む輸液の投与を行う点滴部と、
    前記輸液が投与されている前記被投与者から体液を採取する採取部と、
    採取した前記体液中における前記所定成分の濃度を測定する測定部と、
    前記体液中の所定成分の濃度に応じて前記輸液中の前記所定成分の濃度を変更する変更部と、を備える、
    点滴注射の実施装置。
  11. 前記変更部は、前記所定成分を所定量だけ前記輸液中に追加する、
    請求項10に記載の点滴注射の実施装置。
  12. 前記点滴注射では、前記被投与者の体液中における前記所定成分の目標濃度が定められており、
    前記変更部は、被投与者の体液中における前記所定成分の濃度と前記目標濃度との差と前記輸液中に追加する前記所定成分の量とを対応付けた検量線および測定した前記体液中の所定成分の濃度に基づいて決定した量の前記所定成分を前記輸液中に追加する、
    請求項10に記載の点滴注射の実施装置。
  13. 前記変更部は、
    前記所定成分を貯留する貯留部と、
    前記貯留部と前記輸液が貯留された点滴容器とを前記所定成分が流通可能に接続する接続部と、
    前記体液中の所定成分の濃度に応じて前記貯留部の容積を縮小することで、前記貯留部に貯留された前記所定成分を前記接続部を介して前記点滴容器に注入する注入部と、有する、
    請求項10から12のいずれか一項に記載の点滴注射の実施装置。
  14. 所定成分を被投与者に投与する点滴注射の終了を検知する検知部をさらに備え、
    前記採取部は、前記点滴注射の終了を検知してから一定のタイミングで前記被投与者から前記体液を採取する、
    請求項10から13のいずれか一項に記載の点滴注射の実施装置。
  15. 前記採取部は、前記点滴注射の終了を検知してから一定のタイミングで前記被投与者の体を穿刺具によって穿刺して前記体液を採取する、
    請求項14に記載の点滴注射の実施装置。
  16. 前記穿刺具は、
    所定方向に射出可能な穿刺部と、
    前記穿刺部から前記所定方向に位置するように前記被投与者の被穿刺箇所を保持する保持部と、
    前記穿刺部の射出を抑止する抑止部と、
    前記点滴注射の終了を検知してから一定時間後に前記抑止部による抑止を解除して前記穿刺部を前記被穿刺箇所に向けて射出させる解除部と、を有する、
    請求項15に記載の点滴注射の実施装置。
  17. 前記体液は前記被投与者の血液である、
    請求項10から16のいずれか一項に記載の点滴注射の実施装置。
  18. 前記所定成分はアスコルビン酸である、
    請求項10から17のいずれか一項に記載の点滴注射の実施装置。
JP2018233263A 2017-12-15 2018-12-13 点滴注射の実施方法および点滴注射の実施装置 Pending JP2019107446A (ja)

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