JP2019102665A - 電磁波吸収体 - Google Patents

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宏一 長岡
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Abstract

【課題】10GHz以上の電磁波に対しても優れた電磁波吸収特性を有する電磁波吸収体を提供する。【解決手段】誘電体からなる第1層10、導電性を有する第2層20、誘電体からなる第3層30、および導電性を有する第4層40が、この順で積層された積層構造を有する電磁波吸収体100であって、第2層20のシート抵抗は100Ω/□以上300Ω/□以下であって、第4層40は電磁波の反射体である。第2層20や第4層40が備える導電材料はカーボンナノチューブ配列体を含んでいてもよい。【選択図】図2

Description

本発明は、複数の層の積層構造を有する電磁波吸収体に関する。
情報社会の進展とともに、マイクロ波帯を利用した無線通信技術や計測技術の発達がめざましい。特に、通信分野では次世代マルチメディア移動通信(2GHz)、無線LAN(2〜30GHz)、WiGig(60GHz)、ITS(Intelligent Transport System)の分野ではETC(自動料金収受システム)における5.8GHz、車間距離を測定して運転者に伝えるAHS(走行支援道路システム)における76GHz等の電磁波が利用されており、今後も、利用範囲はGHz・ミリ波帯という高周波領域へ拡大していくことが予想される。
このように、様々な分野でGHz帯領域の電波の利用が進み、今後は特にミリ波帯領域の電波が活発に利用される環境が想定されるため、これらの電波に対してEMC(Electro−Magnetic Compatibility、電磁的両立性)、つまり個々の機器からは他に影響するような電波を放出しない(エミッション問題)、電子機器が外部電波に影響されずに正常に動作する(イミュニティ問題)、といった電磁環境整備が強く求められている。
EMCに適した電磁環境を構築するためには、不要な電波を吸収し、反射波を極力低減することが可能な電磁波吸収体が求められている。
また近年電子機器はより小型化、高密度化してきており、その内部に組み込まれる電波抑制シートとしては、より薄いものが要求されるようになってきている。しかしながら、シートの厚さが薄くなると電波シールド性能は低下する傾向があるため、より電磁波吸収性の優れた電磁波吸収体が望まれている。
本明細書において、電磁波吸収体とは、入射した電波のエネルギーのほとんどを電磁波吸収体の内部で熱エネルギーに変換する材料や部材を意味する。電磁波吸収体は、用いられる吸収材料により、磁性電磁波吸収体、誘電性電磁波吸収体、抵抗皮膜を用いた電磁波吸収体に大別される。
磁性電磁波吸収体に用いられる代表的な吸収材料には、フェライトがあるが、GHz帯領域の電磁波吸収体として磁性電磁波吸収体を利用した場合、ゴムや樹脂などに電気的絶縁性有機物とスピネル結晶構造の軟磁性金属材料または炭素材料などの損失材料とを複合化してシート状にしたものが検討されている。しかしながら、スピネル結晶構造の軟磁性金属酸化物材料の比透磁率は、スネークの限界則に従い、GHz帯では急速に減少してしまう。そのため、電磁波吸収体としての限界周波数は数GHzである。また軟磁性金属材料については、粒子の厚さを表皮深さ以下の扁平形状とすることによる渦電流の抑制効果及び形状磁性異方性の効果によって電磁波吸収特性を10GHz程度までは伸ばす事ができるが、それ以上の高周波GHz帯領域、特にミリ波帯領域には適用できない。
誘電性電磁波吸収体に用いられる材料には、グラファイト、カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノコイル等のカーボン系材料を、ゴムや樹脂等の電気的絶縁性有機物に分散させたものが挙げられる。
誘電性電磁波吸収体とは、無損失な誘電体に抵抗性材料が分散した誘電材料である。誘電性電磁波吸収体は、誘電材料を電気的な等価回路で表すことで、伝送線理論を用いて設計することができる。伝送線理論では、抵抗性材料が無損失な誘電体に分散した誘電材料を、抵抗性材料自体が有する抵抗と抵抗性材料間の静電容量とが複雑に結合した回路として考える。この材料に電界を加えると、低い周波数では電流が流れないため、抵抗による熱の発生はほとんどない。しかし、周波数が高くなると、周波数に反比例してコンデンサのインピーダンスが低くなるため、抵抗にも電流が流れるようになり、誘電材料内部において熱の発生が生じる。この現象が誘電性電磁波吸収体における電磁波吸収の原理であり、結果として電磁波エネルギーが熱エネルギーに変換されるため、電磁波吸収が可能となる。しかしながら、抵抗性材料としてグラファイト粉末、カーボンブラック、カーボンファイバー、コイル状炭素繊維(カーボンナノコイル)等のカーボン系材料を用いた場合、吸収材料のアスペクト比が小さく、導電性が低いため、要求される誘電性を発現させるためには、多量の吸収材料と、波長長さに対して、ある程度の厚みが必要となるが、それでもGHz帯領域、特にミリ波帯領域における電磁波吸収性能としては十分とはいえない。
抵抗皮膜を用いた電磁波吸収体とは、金属板からλ/4(λはスペーサ内の波長)離れた位置に平面波の波動インピーダンスである376.7Ω(真空中、空気中では367.6Ω)の抵抗皮膜を配置した電磁波吸収体であり、λ/4型電磁波吸収体と呼ばれている。抵抗皮膜のシート抵抗率は367.6Ω/□であり、スペーサの厚みはλ/4であることから、設計の自由度がなく、ミリ波帯領域における電磁波吸収性能としては十分ではない。また吸収材料であるITOは、材料の枯渇による供給不安があり、製造法も真空蒸着法であるため、高価な電磁波吸収体となる。さらにITOのような金属酸化物の薄膜に引張応力が生ずると、クラックが発生したり、圧縮応力が生ずると薄膜にしわが発生し、薄膜の脱離の原因となったりする。したがって、曲面に貼り付けた際に、クラックが発生する。
抵抗皮膜を用いた電磁波吸収体としては、例えば、特許文献1には、極細導電繊維を含んだ抵抗膜と電波反射体との間に誘電体層を備えていることを特徴とする電磁波吸収体が記載されている。
特開2005−311330号公報
しかしながら、特許文献1に記載される電磁波吸収体が良好な吸収特性を有する周波数は10GHz程度まであり、それ以上の周波数領域では、電磁波吸収特性として満足する性能を有していない。
本発明は、10GHz以上の電磁波に対しても優れた電磁波吸収特性を有し、薄く、曲面に貼りつけ可能な電磁波吸収体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者らが検討した結果、電磁波を透過し、反射するとともに吸収しうるシート部材(第2層)の双方の主面に誘電体からなる部材(第1層、第3層)を配置し、この積層体を電磁波の反射体(第4層)上に積層して得られる電磁波吸収体では、第1層側から入射した電磁波が電波吸収体の表面や内部の界面を反射面とする多重反射、および第2層での電磁波の吸収が生じ、入射した電磁波を効率的に減衰することができるとの新たな知見を得た。
かかる知見に基づき提供される本発明は次のとおりである。
(1)誘電体からなる第1層、導電性を有する第2層、誘電体からなる第3層、および導電性を有する第4層が、この順で積層された積層構造を有する電磁波吸収体であって、前記第2層のシート抵抗は100Ω/□以上300Ω/□以下であって、前記第4層は電磁波の反射体であることを特徴とする電磁波吸収体。
(2)前記第2層は、導電材料と絶縁性材料とを含む複合部材からなる、上記(1)に記載の電磁波吸収体。
(3)前記第2層は、導電材料からなる、上記(1)に記載の電磁波吸収体。
(4)前記導電材料は、カーボンナノチューブ配列体を含む、上記(2)または上記(3)に記載の電磁波吸収体。導電材料は、カーボンナノチューブ配列体からなるものであってもよい。
(5)前記カーボンナノチューブ配列体は、配列方向が互いに異なるものを含む、上記(4)に記載の電磁波吸収体。
(6)前記第2層の厚さは100μm以下である、上記(1)から上記(5)のいずれかに記載の電磁波吸収体。
(7)前記第4層は、導電材料と絶縁性材料とを含む複合部材からなる、上記(1)から上記(5)のいずれかに記載の電磁波吸収体。
(8)前記第4層は、導電材料からなる、上記(1)から上記(5)のいずれかに記載の電磁波吸収体。
(9)前記導電材料は、カーボンナノチューブ配列体を含む、上記(7)または上記(8)に記載の電磁波吸収体。導電材料は、カーボンナノチューブ配列体からなるものであってもよい。
(10)前記カーボンナノチューブ配列体は、配列方向が互いに異なるものを含む、上記(9)に記載の電磁波吸収体。
本発明によれば、10GHz以上の電磁波に対しても優れた電磁波吸収特性を有し、薄く、曲面に貼りつけ可能な電磁波吸収体が提供される。
本発明の一実施形態に係る電磁波吸収体の構造を概念的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る電磁波吸収体が電波吸収する様子を概念的に説明する図である。 カーボンナノチューブフォレストからカーボンナノチューブ交絡体を引き出して形成することが行われている状態の一例を示す画像である。 カーボンナノチューブ交絡体の構造を示す部分拡大図である。 本発明の一実施形態に係る第2層の一例についての、カーボンナノチューブ配列体の配列方向を含む面を切断面とする概念的な断面図である。 本発明の一実施形態に係る第2層の他の一例についての、カーボンナノチューブ配列体の配列方向を含む面を切断面とする概念的な断面図である。 配列方向が互いに異なるCNT配列体を備える第2層の構成をその簡易的な製造方法の説明とともに示す図である。 実施例1および実施例2において製造した電磁波吸収体の反射率を示すグラフである。 実施例2および比較例1において製造した電磁波吸収体の反射率を示すグラフである。 実施例3ならびに比較例2および比較例3において製造した電磁波吸収体の反射率を示すグラフである。 実施例4から実施例6において製造した電磁波吸収体の反射率を示すグラフである。 実施例7において製造した電磁波吸収体の反射率を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電磁波吸収体の構造を概念的に示す図である。図1に示されるように、電磁波吸収体100は、次に説明する第1層10、第2層20、第3層30、第4層40が、Z1−Z2方向Z1側からZ2側へと、この順番で積層されてなる積層構造体である。具体的には、第1層10の一方(Z1−Z2方向Z2側)の主面に第2層20が位置し、第2層20の一方(Z1−Z2方向Z2側)の主面に第3層30が位置し、第3層30の一方(Z1−Z2方向Z2側)の主面に第4層40が位置する。
第1層10から第4層40の積層構造を有する電磁波吸収体100は、第1層10側が電磁波の入射側であり、第2層20が電磁波の吸収層であり、第4層40が電磁波の反射体である。電磁波吸収体100の電磁波吸収作用について、図2を参照しつつ説明する。図2における矢印は電磁波を意味する。
第1層10側から電磁波吸収体100に入射した電磁波L0は、まずは入射側の誘電体である第1層10の空気との界面F01で、空気と第1層10の誘電率の違いから、一部が反射して電磁波LR01となり、残りが第1層10内に進む。第1層10を透過した電磁波が第2層20を透過する際には、第1層10と第2層20との界面F12で、一部が反射し、残りの電磁波の一部は低導電率の第2層20を通過する際に吸収され、残りは透過する。
第2層20を透過した電磁波は第2層20と誘電体からなる第3層30との界面F23で一部が反射し、残りが透過して第3層30内に進む。第3層30を透過した電磁波は、第3層30と第4層40との界面F34でほぼ全反射する(透過は0.1%程度である。)。界面F34で反射した電磁波LR34は、第2層20を通過して第1層10へと進み、電磁波LR34が第2層20を透過する際、一部の電磁波LR31は界面23や界面12で反射して第3層30側へと進み、別の一部は第2層20において吸収される。
界面F01で第1層10内へと反射した電磁波LR10や、界面F13で第3層30内へと反射した電磁波LR31は、第1層10、第2層20および第3層30からなる積層体の中を多重反射し、第2層20を通過する際に一部が吸収される。こうして電磁波の減衰が電磁波吸収体100において生じる。また、各界面で多重反射した電磁波は位相ずれに基づいて打ち消し合いあうため、電磁波吸収体100から放出される電磁波の減衰が生じる。
その結果、各界面での反射した電磁波の位相ずれに基づく打ち消し合いおよび第2層20での吸収の総和として、電磁波吸収体100に入射した電磁波が実質的に反射しなくなるように(表面(第1層10側)から出てくる合成した電磁波の電力が極めて小さくなるように)、第1層10および第3層30の誘電率と厚さ、および第2層20の導電率を適宜、設定する。
第1層10は誘電体からなる。第1層10を構成する材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂系材料、およびかかる樹脂材料に、ガラス、二酸化チタン、チタン酸バリウム等の無機系材料が分散した複合材料(ガラスエポキシ樹脂が典型例として挙げられる。)、さらには液晶材料が例示される。第1層10を構成する材料は、一種類であってもよいし複数種類であってもよい。第1層10を構成する材料が複数種類から構成される場合において、第1層10は、それらの材料は一様な混合体として構成されていてもよいし、分散構造を有していてもよいし、積層構造を有していてもよい。
第2層20は導電性を有する。第2層20を構成する材料は導電材料を含む。導電材料の具体例として、カーボンナノチューブ、グラファイト、不定形の導電性炭素材料等の炭素系材料、有機系導電材料などが挙げられる。導電材料は、一種類であってもよいし複数種類であってもよい。第2層20を構成する材料が複数種類から構成される場合において、導電材料は、それらの材料は一様な混合体として構成されていてもよいし、分散構造を有していてもよいし、積層構造を有していてもよい。
第2層20は、導電材料のみから構成されていてもよいし、導電性を有しない、すなわち絶縁性の部分を有し、この部分を構成する絶縁性材料との複合部材であってもよい。その場合の絶縁性材料として、樹脂系材料が例示される。
第2層20は、入射した電磁波を反射し、透過することができるとともに、電磁波を吸収することができる。この特性は、第2層20のシート抵抗が367.6Ω/□未満であっても所望の電磁波吸収能を有し、100Ω/□以上350Ω/□以下であることが好ましく、100Ω/□以上300Ω/□以下であることがより好ましく、100Ω/□以上290Ω/□以下であることが特に好ましい。第2層20を後述するカーボンナノチューブ配列体から構成することにより、上記のシート抵抗の要請を容易に実現しうる。後述する位相ずれに基づく入射電磁波の減衰を効率的かつ容易に実現する観点から、第2層20の厚さは、100μm以下であることが好ましく、75μm以下であることがより好ましい。この場合には、数mmまたはそれ以下程度の厚さである第1層10や第3層30よりも十分に薄いため、第1層10の厚さおよび第3層30の厚さを調整して電磁波の打ち消し合いを行う際に、第2層20の厚さを実質的に無視することができる。
なお、グラファイトなどのカーボン系材料が分散する誘電性電磁波吸収体を用いて、電磁波の吸収を適切に行わせるためには、波長長さに対して、同等の厚さが必要となる。
第3層30を構成する材料として、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、塩化ビニル樹脂、ポリアミド、フェノール樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂などの樹脂系材料、およびかかる樹脂材料に、ガラス、二酸化チタン、チタン酸バリウム等の無機系材料が分散した複合材料(ガラスエポキシ樹脂が典型例として挙げられる。)、さらには液晶材料が例示される。第3層30を構成する材料は、一種類であってもよいし複数種類であってもよい。第3層30を構成する材料が複数種類から構成される場合において、第3層30は、それらの材料は一様な混合体として構成されていてもよいし、分散構造を有していてもよいし、積層構造を有していてもよい。
第3層30の厚さは、構成する材料の誘電率により、適宜調整することができる。例えば、誘電率が1の材料を用いた場合に第3層30の厚さが7.5mmであった場合には、誘電率が10の材料を用いることにより、その1/√εである2.4mmに第3層30を薄くすることができる。
第4層40は導電性を有し、金属と同程度に電磁波を反射することができる電磁波の反射体である。第4層40を構成する材料は、第4層40が電磁波の反射体として機能するように導電材料を含む。導電材料の具体例として、カーボンナノチューブ、グラファイト、不定形の導電性炭素材料などの炭素系材料、有機系導電材料などが挙げられる。第4層40を構成する導電材料は、一種類であってもよいし複数種類であってもよい。第4層40を構成する材料が複数種類から構成される場合において、導電材料を構成する材料は、一様な混合体であってもよいし、分散構造を有していてもよいし、積層構造を有していてもよい。
第4層40は、導電材料のみから構成されていてもよいし、導電性を有しない、すなわち絶縁性の部分を有し、この部分を構成する絶縁性材料との複合部材であってもよい。その場合の絶縁性材料として、樹脂系材料が例示される。
以下、第2層20がカーボンナノチューブ配列体(以下、カーボンナノチューブを「CNT」と略記し、したがって、カーボンナノチューブ配列体を「CNT配列体」と略記する場合もある。)からなる導電材料と絶縁性材料とから構成される場合を具体例として説明する。
本明細書において「カーボンナノチューブ配列体(CNT配列体)」とは、CNTの集合体であって、これを構成する一群のCNTが、それらCNTの長軸に沿った方向に並んでいる構造を有するものを意味する。好ましい一形態では、CNT配列体を交差させることで、異方性を無くすことができる。
CNT配列体を構成するCNTは、単層CNT(SWCNT)、二層CNT(DWCNT)および多層CNT(MWCNT)のいずれかであってもよいし、これらの2種以上の混合体であってもよい。CNT配列体を構成するCNTの表面は絶縁性材料との相互作用を向上させるための処理が施されていてもよい。CNT配列体を構成する各CNTの導電性は高いことが好ましい。
CNT配列体の全体形状は限定されない。布のように、一方向(厚さ方向)に特に薄い場合には、布との外形的類似性に基づき、CNTウェブとも称されることもある。
CNT配列体は、カーボンナノチューブバンドル(CNTバンドル)を含んでいてもよい。本明細書において、「カーボンナノチューブバンドル」とは、CNTの集合体であって、複数のCNTが、それらの長軸方向がほぼ揃うように位置し、短軸方向に近接して、CNTの束状となっている構造を有する。
このような構造は、次に説明するCNTフォレストから得られるCNT配列体では、部分的にCNTバンドルが形成されている。本明細書においてCNTフォレストとは、複数のCNTの合成構造(以下、かかる合成構造を与えるCNTの個々の形状を「一次構造」といい、上記の合成構造を「二次構造」ともいう。)の一種であって、複数のCNTが長軸方向の少なくとも一部について一定の方向(具体的な一例として、基板が備える面の1つの法線にほぼ平行な方向が挙げられる。)に配向するように成長してなるCNTの集合体を意味する。なお、基板から成長させたCNTフォレストの、基板に付着した状態における基板の法線に平行な方向の長さ(高さ)を、「成長高さ」という。
CNTフォレストの一部のCNTをつまみ、そのCNTをCNTアレイから離間するように引っ張ることによって、即ちCNTフォレストから複数のCNTを連続的に引き出すことによって、CNT交絡体を形成することができる。図3は、このようなCNTフォレストからCNT交絡体を引き出して形成することが行われている状態の一例を示す画像である。図3の右側の塊状の部材がCNTフォレストであり、図3では、左方向にCNTが引き出されて、薄布状のCNT交絡体(CNTウェブ)が形成されている。図4は、こうして得られたCNT交絡体(CNTウェブ)の構造を示す部分拡大図である。CNT交絡体を構成する複数のCNTはほぼ一方向(図4では横方向)に揃って配置されている。
このCNT交絡体(CNTウェブ)がそのままCNT配列体を構成してもよいし、複数のCNT交絡体(CNTウェブ)を積層することによってCNT配列体を構成してもよい。上記の薄布状のCNT交絡体(CNTウェブ)の複数を積層することによってCNT配列体を構成する場合には、CNT交絡体の積層数が増えるほど得られたCNT配列体の厚さは増加し、このCNT配列体からなるCNT配列体の配列方向の導電性は高くなる。したがって、このCNT配列体を備える導電部材の導電性もまた高くなる。
こうして得られたCNT配列体に対してエタノール、アセトンなど揮発性溶媒を吹き付けたり、揮発性溶媒に浸漬させたりすることにより、長軸方向がほぼ揃うように位置し、短軸方向に隣り合って位置する複数のCNTがCNTバンドルを形成する割合を高めることができる。
CNT配列体は、複数のCNTが互いに端部またはその近傍で接する構造を有していてもよい。このような構造を有している場合には、長軸方向に接するCNT同士での電気伝導が容易となり、結果的に、CNT配列体の配列方向での導電率が高くなる。このような構造は、前述のCNTフォレストから形成されたCNT配列体において容易にみられる。
絶縁性材料は、適度な絶縁性、例えば、10−9Scm−1以下の直流導電率を有する材料である限り任意の材料を用いることができる。絶縁性材料として、有機樹脂、シリコーン樹脂などの有機系材料;酸化物、炭化物、水酸化物などの無機系材料;およびこれらの複合材料が例示される。有機系材料の具体例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィンを含む共重合体等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ナイロン66等のポリアミド;ポリ塩化ビニル;ポリカーボネート;ポリ(メタ)アクリル酸メチル等のアクリル系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリイミド;ポリウレタン;シリコーン樹脂;フェノール樹脂;エポキシ樹脂などが挙げられる。無機系材料の具体例として、水ガラス、アルミナなどが挙げられる。
絶縁性材料は、導電材料であるCNTを覆ってこれを保持するマトリックス材としての機能を果たすことから、粘度が低い状態から高い状態に変化できる性質を有していることが好ましい。この観点から、絶縁性材料は、熱可塑性材料または硬化性材料の硬化物であることが好ましい。
図5は、本発明の一実施形態に係る第2層20の一例についての、CNT配列体の配列方向を含む面を切断面とする概念的な断面図である。図6は、本発明の一実施形態に係る第2層20の他の一例についての、CNT配列体の配列方向を含む面を切断面とする概念的な断面図である。
図5および図6に示されるように、第2層20はCNT配列体21および絶縁性材料22からなる。CNT配列体21は、CNTフォレストから引き出して得られた布状のCNT交絡体(CNTウェブ)をそのまま、または複数積層することによって得られる。絶縁性材料22は、例えばポリエチレンなどの熱可塑性樹脂からなり、CNT配列体21を構成する複数のCNTの空隙を埋めるように位置する。そのような第2層20の構造は、CNT配列体21と絶縁性材料22とが重ねられた状態で重ね方向から押圧し、絶縁性材料22をCNT配列体21の内部へ移動させることにより形成することができる。
絶縁性材料22がシート状の部材からなりその厚さがCNT配列体21の厚さよりも大きい場合には、図5に示されるように、第2層20の厚さ方向(Z1−Z2方向)を法線とする主面20A、20Bを含む表面領域は絶縁性材料22により構成される。したがって、得られた第2層20は、Z1−Z2方向には絶縁性を有し、X−Y面内方向には導電性を有する優れた異方導電性を有する。
絶縁性材料22がシート状の部材からなりその厚さがCNT配列体21の厚さと同等である場合や、絶縁性材料22が特に流動性の高い材料から構成される場合には、図6に示されるように、第2層20の厚さ方向(Z1−Z2方向)を法線とする主面20A、20BにもCNT配列体21を構成するCNTが位置する。CNT配列体21はCNTの配列方向への導電性が他の方向に比べて高いため、得られた第2層20は、Z1−Z2方向への導電性が低く、X−Y面内方向の導電性が高い異方導電性を有する。なお、図6に示される構造の第2層20は、絶縁性材料22を形成するための液状組成物中にCNT配列体21を浸漬させたり、かかる液状組成物をCNT配列体21に塗布したりすることによって製造することができる場合もある。
こうして得られた第2層20では、CNT交絡体(CNTウェブ)の積層数を増やすことにより、CNT配列体21の導電率を高めることができる。したがって、CNT交絡体(CNTウェブ)の積層数を変更することにより、第2層20のシート抵抗を容易に調整することができる。
図5や図6に示される第2層20は、CNT配列体21が一方向(配列方向D1)にのみ配列しているが、この場合には、主面内方向(X−Y面内方向)に電磁気的な異方性が生じることがある。そこで、第2層20のCNT配列体21は、配列方向が互いに異なるものを含むことが好ましい。そのような第2層20の具体的な構成は任意である。具体的な一例として、図5や図6においてY1−Y2方向に配列するCNT配列体21が絶縁性材料22に分散した部材を用意し、これを、図5や図6においてX1−X2方向に配列するCNT配列体21が絶縁性材料22に分散した部材と積層することによって、得られた第2層20の主面内の異方性を低下させることができる。
図7は、配列方向が互いに異なるCNT配列体2111,2112を備える積層体201を用いて第2層20を製造する方法を示す図である。
図7に示されるように、積層体201は、2つの積層体(第1積層体2011、第2積層体2012)を積層させた構造を有する。第1積層体2011は、X1−X2方向に配列するCNT配列体2111と、CNT配列体2111のZ1−Z2方向Z1側に積層された絶縁層2211とを備える。第2積層体2012は、Y1−Y2方向に配列するCNT配列体2112と、CNT配列体2112のZ1−Z2方向Z2側に積層された絶縁層2212とを備える。そして、積層体201は、第1積層体2011のZ1−Z2方向Z2側に第2積層体2012が積層されている。この状態で、積層体201を積層方向(Z1−Z2方向)に加圧・加圧することにより、絶縁層2211,2212を構成する絶縁性材料がCNT配列体2111,2112におけるCNTの隙間を埋め、全体を一体化して、第2層20が得られる。図7に示される第2層20は、図5に示される第2層20と同様に、Z1−Z2方向が絶縁性であって、優れた異方導電性を有する。第2層20がこのような構造を有することにより、Z1−Z2方向からみたときに、CNT配列方向にX−Y面内方向に異方性が少なくなり、電磁波の吸収をより等方的に行うことが可能となる。
以上説明したような構成を備えることにより、本発明の一実施形態に係る電磁波吸収体100は、10GHz以上の電磁波、好ましい一形態では20GHz以上の電磁波、より好ましい一態様ではミリ波(30GHz以上の電磁波)に対しても優れた電磁波吸収特性を有する。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。例えば、上記の実施形態では第2層20がCNT配列体を有する場合について説明したが、第4層40がCNT配列体を有していてもよい。第4層40は第2層20よりも導電率が高いが、このような導電率の差は、実施例において説明するように、CNT配列体の厚さ(CNT交絡体の積層数)を用いることにより実現可能である。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
(1)CNT配列体の作製
特許第5664832号公報に記載される製造方法により、CNTフォレスト(CNTアレイ)を作製した。得られたCNTフォレストからなる紡績源部材から薄布状のCNT交絡体(CNTウェブ)を引き出し、このCNT交絡体(CNTウェブ)をロールに巻付けることによりCNT交絡体を積層した。ロールには厚さ30μmのポリエチレン(PE)フィルムをあらかじめ巻いておくことにより、PEフィルム上にCNT交絡体(CNTウェブ)を巻き付け、PEフィルムとCNT配列体とが積層してなる積層体を作製した。このように製造することにより、得られた積層体のCNT配列体の配列方向は、積層体の積層方向に対して直交する方向(PEフィルムの主面内方向)となる。
CNT交絡体(CNTウェブ)の積層数(PEフィルムへの巻付け回数)が1のCNT配列体を備える積層体と、CNT交絡体(CNTウェブ)の積層数(PEフィルムへの巻付け回数)が6のCNT配列体を備える積層体とを用意し、それぞれのCNT配列体側の面にエタノールを噴霧して、CNT配列体を構成するCNTをより一体化させた。吹き付けられたエタノールを十分に揮発させるために、エタノール噴霧後、室温環境(1気圧、25℃)に一晩放置した。
(2)第2層20の作製
CNT配列体の積層数が1の積層体を第1積層体2011および第2積層体2012とし、図7に示されるようにこれらを2枚重ねて、第2層20を作製した。具体的には、2つの積層体(第1積層体2011、第2積層体2012)を、CNT配列体の配列方向が互いに直交するように重ねて、これをPTFE板2枚の間に置き、真空ラミネータ装置(日清紡メカトロニクス社製、「LAMINATOR 0505S」)にセットし、次の条件で成形して、第2層20を得た。得られた第2層20の厚さは約60μmであった。
雰囲気:減圧
加圧条件:100kPa(大気圧)
加熱条件:140℃で2分間
また、第2層20の一方の配列体の配向方向に沿って導通するように、銀ペーストを両端に塗って電極とし、シート抵抗を測定したところ、290Ω/□であった。
(3)第4層の作製
CNT配列体の積層数が6の積層体を用いたこと以外は第2層20の場合と同様にして、第4層40を作製した。
(4)電磁波吸収体の作製
ガラス繊維の束にエポキシ樹脂を含浸・硬化させてなるFR4基板(パナソニック社製、25cm×25cm、厚さ1.6mm、誘電率4.4)を第1層10および第3層30とし、上記の第2層20および第4層40を含む各層を順番に配置して、電磁波吸収体100を得た。得られた電磁波吸収体100の特性評価を次のようにして行った。一対のホーンアンテナの間に電磁波吸収体を配置し、ベクトルネットワークアナライザ(Keysight社製、「E8361C」)を用いて自由空間法によりSパラメータを測定し、その測定結果から電磁波吸収体100の反射率を測定した。入射電磁波は直線偏光であり、第1層10側から入射した。
(実施例1)
まず、電磁波吸収体の第2層20における第1層10に近位な側に位置するCNT配列体の配列方向が入射電磁波の電界の振動方向と揃うように、電磁波吸収体100を配置した。測定周波数範囲を4〜18GHzとして測定した結果(反射率)を図8に示した。
(実施例2)
電磁波吸収体の第2層20における第1層10に近位な側に位置するCNT配列体の配列方向が入射電磁波の電界の振動方向に対して45度となるように、電磁波吸収体100を配置して、実施例1と同様に測定した。その結果を図8に示した。
図7に示されるように、入射電磁波の電界の振動方向にかかわらず、10GHzから15GHzの間に反射率が特に低くなる結果が得られた。
(実施例3)
実施例1に係る電磁波吸収体100において、第3層30を別のAD1000基板(Rogers社製、25cm×25cm、厚さ1.50mm、誘電率10.70)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、電磁波吸収体100を作製し、実施例1の場合と同様の測定方法で反射率を測定した。その結果を図9に示した。
(比較例1)
実施例3に係る電磁波吸収体100において、第1層10を設けなかったこと以外は実施例3と同様にして、電磁波吸収体100を作製し、実施例3の場合と同様の測定方法で反射率を測定した。その結果を図9に示した。
図8に示されるように、第1層10を設けることにより電磁波吸収体100の反射率を効果的に低減させることができることが確認された。
(実施例4)
実施例3に係る電磁波吸収体100において、第1層10を別のPTFEシート(ニチアス社製、25cm×25cm、厚さ1mm、誘電率2)に変更したこと以外は実施例3と同様にして、電磁波吸収体100を作製し、実施例3の場合と同様の測定方法で反射率を測定した。その結果を図10に示した。
(比較例2)
実施例1の第2層20と同様であるが、CNT交絡体の積層数が2であるCNT配列体を備える積層体を、図7に示されるように2枚重ねて、第2層20を作製した。得られた第2層20の厚さは約60μmであった。また、第2層20のシート抵抗を測定したところ、80Ω/□であった。
実施例4に係る電磁波吸収体100において、第2層20(CNT交絡体の積層数:1)を上記の第2層20(CNT交絡体の積層数:2)に変更したこと以外は実施例4と同様にして、電磁波吸収体100を作製し、実施例4の場合と同様の測定方法で反射率を測定した。その結果を図10に示した。
(比較例3)
実施例1の第2層20と同様であるが、CNT交絡体の積層数が3であるCNT配列体を備える積層体を、図7に示されるように2枚重ねて、第2層20を作製した。得られた第2層20の厚さは約60μmであった。また、第2層20のシート抵抗を測定したところ、55Ω/□であった。
実施例4に係る電磁波吸収体100において、第2層20(CNT交絡体の積層数:1)を上記の第2層20(CNT交絡体の積層数:3)に変更したこと以外は実施例4と同様にして、電磁波吸収体100を作製し、実施例4の場合と同様の測定方法で反射率を測定した。その結果を図10に示した。
図10に示されるように、第2層20のシート抵抗が100Ω/□未満になると、第2層20も電磁波の反射体としての性質が強くなり、電磁波吸収体100の反射率が上昇した。
(実施例5)
実施例4に係る電磁波吸収体100において、第3層30を別のAD250C基板(Rogers社製、25cm×25cm、厚さ1.52mm、誘電率2.50)に変更したこと以外は実施例4と同様にして、電磁波吸収体100を作製し、実施例3の場合と同様の測定方法で反射率を測定した。その結果を実施例4の再測定結果とともに図11に示した。
(実施例6)
実施例4に係る電磁波吸収体100において、第3層30を別のAD410基板(Rogers社製、25cm×25cm、厚さ1.57mm、誘電率4.10)に変更したこと以外は実施例4と同様にして、電磁波吸収体100を作製し、実施例3の場合と同様の測定方法で反射率を測定した。その結果を実施例4の再測定結果とともに図11に示した。
図11に示されるように、第3層30の誘電率が高くなる(実施例5<実施例6<実施例4)ほど、反射率が極小となる周波数帯が低周波側に移動した。これは、厚さが一定(1.5mm)の場合には、位相ずれによって打ち消し合いが効率的に生じる周波数が誘電率が高いほど低周波数(長波長)にシフトすることを意味している。したがって、第3層30の誘電率を制御することにより、厚さを増やすことなく、任意の周波数の電磁波を吸収することができる。
(実施例7)
実施例1に係る電磁波吸収体100において、第1層10をPTFEシート(25cm×25cm、厚さ0.5mm、誘電率2)に変更し、第3層30をPTFEシート(25cm×25cm、厚さ0.6mm、誘電率2)に変更し、CNT配列体におけるCNTの密度を高めることにより、第2層20のシート抵抗を270Ω/□に変更したこと以外は実施例1と同様にして、電磁波吸収体100を作製した。測定周波数範囲を50〜67GHzとして、測定した結果(反射率)を図12に示した。図12に示されるように54GHzから64GHzの間に反射率が特に低くなる結果が得られた。
100 :電磁波吸収体
10 :第1層
20 :第2層
30 :第3層
40 :第4層
L0,LR01,LR10,LR34,LR31:電磁波
F01,F12,F23,F34:界面
21,2111,2112:CNT配列体
22 :絶縁性材料
20A,20B:主面
201 :積層体
2011:第1積層体
2012:第2積層体
2211,2212:絶縁層
D1 :配列方向

Claims (10)

  1. 誘電体からなる第1層、導電性を有する第2層、誘電体からなる第3層、および導電性を有する第4層が、この順で積層された積層構造を有する電磁波吸収体であって、
    前記第2層のシート抵抗は100Ω/□以上300Ω/□以下であって、
    前記第4層は電磁波の反射体であること
    を特徴とする電磁波吸収体。
  2. 前記第2層は、導電材料と絶縁性材料とを含む複合部材からなる、請求項1に記載の電磁波吸収体。
  3. 前記第2層は、導電材料からなる、請求項1に記載の電磁波吸収体。
  4. 前記導電材料は、カーボンナノチューブ配列体を含む、請求項2または請求項3に記載の電磁波吸収体。
  5. 前記カーボンナノチューブ配列体は、配列方向が互いに異なるものを含む、請求項4に記載の電磁波吸収体。
  6. 前記第2層の厚さは100μm以下である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。
  7. 前記第4層は、導電材料と絶縁性材料とを含む複合部材からなる、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。
  8. 前記第4層は、導電材料からなる、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。
  9. 前記導電材料は、カーボンナノチューブ配列体を含む、請求項7または請求項8に記載の電磁波吸収体。
  10. 前記カーボンナノチューブ配列体は、配列方向が互いに異なるものを含む、請求項9に記載の電磁波吸収体。
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