JP2019102241A - 厚膜導電ペースト及びこれを用いて作製された角型チップ抵抗器 - Google Patents

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陽介 太田
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Abstract

【課題】 焼結膜内にボイドが発生しにくい厚膜導体ペーストを提供する。【解決手段】 大径粉、中径粉及び小径粉からなる3種類の銅粉末と有機ビヒクルとを主成分とする厚膜導電ペーストであって、前記3種類の銅粉末は、混合状態で前記厚膜導電ペーストに60〜95質量%含まれており、且つ前記3種類の銅粉末の合計100質量%に対して、大径粉81〜91質量%、中径粉4.5〜14質量%、及び小径粉4.5〜5.5質量%の比率で配合されており、好適には上記前記3種類の銅粉末の平均粒径の比率は、大径粉1に対して中径粉が0.4〜0.5、小径粉が0.1〜0.2である。【選択図】 なし

Description

本発明は、低抵抗の角型チップ抵抗器の抵抗体の両端部に形成される銅製の上面電極の材料となる厚膜導電ペースト及びこれを用いて作製された角型チップ抵抗器に関する。
近年、電子機器の高機能化や小型化に伴い電子部品の高密度実装が求められており、略直方体形状を有する低抵抗の角型チップ厚膜抵抗器(以降、角型チップ抵抗器又は単にチップ抵抗器とも称する)においては、電子機器内部の電流検知や電圧制御の用途が増加している。チップ抵抗器は、1対の上面電極と、これら1対の上面電極を部分的に覆うようにして設けられた抵抗体とが絶縁基板上に形成された構造を有しており、電流検知の用途では電力損失を抑えるため抵抗値の低い材料を使用するのが望ましい。そのため、従来はチップ抵抗器の電極形成には、銀粉に有機ビヒクルを添加して耐酸化性に優れた銀ペーストの形態にした材料が用いられてきた。
しかし、銀粉は高価なうえ、酸化されやすいという問題を抱えている。また、チップ抵抗器を製造する際の焼成工程において抵抗体に銀が拡散し、抵抗体の抵抗値や抵抗温度係数が容易に変化することがあった。そこで、銀粉よりも安価で電気抵抗値が銀に比較的近い金属材料として銅粉やニッケル粉が注目されており、特に磁性の観点から銅粉が注目されている。
例えば特許文献1には、絶縁基板との密着を付与するガラスフリットを含有する銅粉の導電ペーストを該絶縁基板の表面に印刷して焼成することで第1層を形成する工程と、該第1層の上にガラスフリットを含有しない銅粉の導電ペーストを印刷して焼成することで第2層を形成する工程とからなる比抵抗の低い多層構造の銅電極を形成する方法が開示されている。しかしながら、このようにして作製した多層構造の銅電極では、ガラスを含有しない銅粉の導電ペーストから形成した第2層の銅粒子間には溶融したガラスフリットが充填されないので、該銅粒子間の空隙がそのまま残ってしまうことが問題となっていた。また、導電ペーストにガラスフリットが含まれていると、抵抗値を下げるのが困難になるという問題があった。
一方、特許文献2にはガラスフリットを含有しない導電ペーストが開示されており、具体的には平均粒子径が0.2〜30μmの範囲にある金属粒子と、平均粒子径が1〜200nmの範囲にある金属ナノ粒子とを組み合わせることでボイドが存在しない焼成膜を形成する技術が開示されている。
特開2016−18814号公報 特開2013−247060号公報
しかしながら特許文献2の技術では、900℃付近で高温焼成を行う際、金属ナノ粒子の焼成速度が金属粒子と比較して速いため、焼結膜内にボイドが多数発生するという問題を生ずることがあった。また、特許文献2に記載の大小2種類の金属粒子では金属粒子間の空隙を埋める金属ナノ粒子が小さすぎるため、それぞれの粒子が偏在してしまう問題を生ずることがあった。本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、900〜1000℃の焼成温度で焼成する場合においても焼結膜内にボイドが発生しにくい厚膜導電ペーストを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、平均粒径が異なる3種類の銅粉末を用いることで、それらによって形成される銅粒子間の隙間を著しく減らすことができ、よって溶融ガラスを用いることなく焼結後の焼結膜内のボイドの発生を抑え得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明に係る厚膜導電ペーストは、大径粉、中径粉及び小径粉からなる3種類の銅粉末と有機ビヒクルとを主成分とする厚膜導電ペーストであって、前記3種類の銅粉末は、混合状態で前記厚膜導電ペーストに60〜95質量%含まれており、且つ前記3種類の銅粉末の合計100質量%に対して、大径粉81〜91質量%、中径粉4.5〜14質量%、及び小径粉4.5〜5.5質量%の比率で配合されていることを特徴としている。
本発明によれば、ボイドの少ない緻密性の高い焼結膜を得ることが可能になる。
本発明の実施形態の厚膜導電ペーストを用いて作製される角型チップ抵抗器の製造工程を示す斜視図である。 本発明の実施例の厚膜導電ペーストを用いて作製した焼結膜表面のSEM画像である。 本発明の比較例の厚膜導電ペーストを用いて作製した焼結膜表面のSEM画像である。
以下、本発明に係る厚膜導電ペーストの実施形態について詳細に説明する。この本発明の実施形態の厚膜導電ペーストは、銅粉末と有機ビヒクルとを主成分としており、必要に応じて酸化防止剤や界面活性剤などの添加材と、ターピネオールなどの粘度調整用の有機溶剤とを更に含んでいる。有機ビヒクルはバインダ樹脂と有機溶剤とからなり、この有機ビヒクルを構成する有機溶剤は上記粘度調整用の有機溶剤と同じでもかまわない。本発明の実施形態の厚膜導電ペーストは、銅粉末を60〜95重量%含有しており、有機ビヒクルを0.9〜15重量%含有している。
本発明の実施形態の厚膜導電ペーストは、上記銅粉末が平均粒径の異なる3種類の銅粉末、すなわち大径粉、中径粉、及び小径粉からなり、これら3種類の銅粉末が混合状態で含まれている。これら3種類の銅粉末の平均粒径の比率は、好適には大径粉1に対して中径粉が0.4〜0.5、小径粉が0.1〜0.2である。この場合、大径粉の平均粒径は2.0〜5.0μmが好ましく、2.5〜3.5μmがより好ましい。これにより、900〜1000℃の高温で焼成する際の焼結速度を良好に調整することが可能になる。ここで平均粒径とは、レーザー回折散乱法で測定して得た粒度分布における体積積算の中位径D50のことである。
この中径粉の平均粒径の比率が0.4未満であったり0.5を超えたりすると、大径粉や小粒径の粒径との差異が小さくなるので、3種類の銅粉末の粒径のバランスが悪くなり、粒子間に多くの隙間が生じる。一方、この小径粉の平均粒径の比率が0.1未満では小径粉を添加した効果がほとんど得られなくなり、逆に0.2を超えると大径粉や中径粉の粒子間の隙間を埋めるのが困難になる。
上記の3種類の銅粉末は、各々の粒度分布がシャープであるのが好ましく、これにより、より緻密な焼結膜を形成することができる。このような粒度分布がシャープな銅粉末は、アトマイズ法や湿式合成法で作製した粉末を分級することで得ることができる。ここでアトマイズ法とは、例えば窒素ガスなどの気層中又はシリコンオイルなどの液相中に溶融状態の金属をノズルから放出して分散させて粉末状の金属を得る方法であり、粉末形成時に粒子表面に被膜が形成されるなどの理由により比較的反応性の低い安定した粉末を得ることができる。一方、湿式合成法は、例えば金属イオンを含んだ水溶液にヒドラジン等の還元剤を加えて金属を析出させて回収する方法であり、一般に上記のアトマイズ法よりも粒子表面が活性な反応性の高い粉末を得ることができる。本発明の実施形態の厚膜導電ペーストでは、少なくとも大径粉及び中粒径はアトマイズ法で生成するのが好ましい。
本発明の実施形態の厚膜導電ペーストに含まれる上記3種類の銅粉末は、これら3種類の銅粉末の合計100質量%に対して、大径粉81〜91質量%、中径粉4.5〜14質量%、及び小径粉4.5〜5.5質量%の比率で配合されている。これにより焼結後にボイドの少ない緻密な焼結膜を形成することができる。上記の大径粉の含有量が81質量%未満では焼結後の焼結膜の抵抗値が高くなるおそれがあり、逆に91質量%を超えると中径粉や小径粉を添加した効果が得られにくくなる。上記の中径粉の含有量が4.5質量%未満では、大径粉の粒子間の隙間を十分に埋めることができなくなり、逆に14質量%を超えるとかえって粒子間の隙間が増えるおそれがある。上記小径粉の含有量が4.5質量%未満では小径粉を添加した効果が得られにくくなり、逆に5.5質量%を超えるとかえって粒子間の隙間が増えるおそれがある。
本発明の実施形態の厚膜導電ペーストに含まれる有機ビヒクルを構成するバインダ樹脂には特に限定はなく、従来の厚膜導電ペーストに使用されるものと同様のエチルセルロース、メタクリレートなどを用いることができる。有機ビヒクルに含まれるバインダ樹脂の含有量は、厚膜導電ペーストに対して2質量%以下とするのが好ましい。また、上記有機ビヒクルを構成する有機溶剤も特に限定はなく、ターピネオール、ブチルカルビトールなどの従来の厚膜導電ペーストに使用されるものと同様のものを一般的な配合量で使用することができる。有機ビヒクルに含まれる有機溶剤の含有量は特に規定が無く、後述するスクリーン印刷の際に好適なペーストの粘度となるように、適宜バインダ樹脂との配合比率を調整すれば良い。また、添加材には前述した酸化防止剤等のほか、導電粉末の分散性向上や保管中の分離沈降防止などの効果を有する分散剤を必要に応じて使用することができる。尚、有機溶剤はペーストの粘度調整用として最後に単独で添加することもできる。
次に、図1を参照しながら上記にて説明した本発明の実施形態の厚膜導電ペーストを用いて角型チップ抵抗器を製造する方法について説明する。尚、一般的にチップ抵抗器の製造では、1枚の基板上に複数個のチップ抵抗体を同時に作り込んでいき、これを切り分けてから個別の仕上げ工程でチップ抵抗器へと製品化することが行われるが、以下の説明では簡単のため1個のチップ抵抗器にのみ着目してチップ抵抗器の製造方法を説明する。
先ず、アルミナ等の絶縁材料からなる板状基材1の上面に本発明の実施形態の厚膜導電ペーストをスクリーン印刷法などで印刷した後、これを乾燥及び焼成して図1(a)に示すような1対の上面電極2を形成する。次に上記1対の上面電極2の各々の上面に少なくとも部分的に重なるように抵抗ペーストをスクリーン印刷法などで印刷した後、これを乾燥及び焼成して上記1対の上面電極2同士を互いに接続する抵抗体3を形成する。上記の抵抗ペースト材料は、一般的な厚膜抵抗器等に用いられているものを用いることができるが、ルテニウム系酸化物粉及びガラス粉に、エチルセルロ−スなどの有機樹脂とターピネオールなどの溶剤とを加え、これらを混練してペーストにしたものを用いることが望ましい。
次に、上記にて形成した抵抗体3の上にプリコート層4を形成した後、抵抗体3の抵抗値の調整のためプリコート層4の上から抵抗体3に対してレーザー光を照射してトリミングを行う。これにより図1(b)に示すような抵抗体3とプリコート層4とが同時に切り込まれた切込部5が形成される。次に、図1(c)に示すように、プリコート層4の表面上にオーバーコート層6を形成する。
尚、実際のチップ抵抗器の製造工程においては、切り分ける前の板状基板の上面に、上記の1対の上面電極2及び抵抗体3がマトリックス状に複数組形成されることになる。また、各チップ抵抗器には、一般的に板状基板1の裏面側にも1対の裏面電極が形成される。切り分けられた後の各チップ抵抗器には、これら1対の上面電極2と1対の裏面電極がほぼ端から端まで形成されている側の両端面に、スパッタリング又は導電性樹脂ペーストの硬化により1対の端面電極を形成する。更に、この1対の端面電極の上に、一般的な湿式めっき法によりめっき膜を形成する。これにより、角型チップ抵抗器を作製することができる。
(試験1)
平均粒径が0.3μm、1.2μm、及び2.5μmの3種類の銅粉末を用意し、これらの銅粉末を様々な配合割合となるように量り取って、有機ビヒクルと共に3本ロールミル(ビューラー株式会社製、SDY−300)を用いて混合した。上記有機ビヒクルには、バインダ樹脂としてのエチルセルロースを10質量%含有し、残部が有機溶剤としてのターピネオール溶液となる様に予め調製したものを用いた。このようにして実施例1〜6及び比較例1〜7の厚膜導電ペーストの試料を作製した。次に、各試料の厚膜導電ペーストをアルミナ基板上にスクリーン印刷機を用いて矩形のパターンとなるように印刷し、ボックス乾燥器を用いて120℃で10分間乾燥させて乾燥膜を形成した。得られた乾燥膜を酸素濃度30体積ppmの窒素雰囲気中で最高温度950℃のベルト炉で焼成した。
得られた焼成膜の表面を走査型電子顕微鏡SEMを用いて500倍で撮影し、そのSEM画像内の任意に選択した縦横100μm内に存在するボイドの数をカウントした。その結果を各試料の厚膜導電ペーストを構成する構成要素及びそれらの厚膜導電ペースト100質量%に対する含有率と共に下記表1に示す。銅粉末と有機ビヒクルの含有量の合計が100質量%に満たない場合の残部は有機溶剤からなる。また、本実施例の代表として実施例2のSEM画像と、比較例の代表として比較例4のSEM画像とをそれぞれ図2、3に示す。
上記表1の結果から、比較例1〜6の厚膜導電ペーストを材料に用いて形成した焼結膜は、本発明の要件を満たす実施例1〜6の厚膜導電ペーストを材料に用いて形成した焼結膜よりもボイドが多く生成していることが分かる。その理由は、比較例1〜6の厚膜導電ペーストは、各粒子径の銅粉のいずれかの含有量が、本発明の範囲から外れて配合されているので3種類の銅粉末の配合割合のバランスが悪く、粒子間の隙間が多く存在したことによりボイドが多量に発生したものと考えられる。また、比較例7の厚膜導電ペーストは中径粉のない2種類の銅粉による厚膜導電ペーストであるので、ほぼ大径粉と小径粉だけで焼結膜が構成されることになるので、焼成時に大径粉よりも小径粉が速く焼成してしまい、これにより生じた隙間が起点となってボイドが生成したと考えられる。
これに対して本発明の要件を満たす実施例1〜6の厚膜導電ペーストでは、平均粒径の異なる3種類の銅粉末がバランスよく配合されているので、隣接する焼結界面などにわずかにボイドの生成が見られるものの、上記の比較例1〜7の厚膜導電ペーストに比べてボイドの少ないより緻密な焼成膜が形成されていることが分かる。
(試験2)
厚膜導電ペースト内の銅粉の合計含有量を変更した以外は、試験1の実施例2と同じ各銅粉の配合量の材料を用いて、試験1と同様にして実施例7、8及び比較例8、9の厚膜導電ペーストの試料を作製し、試験1と同様の条件で焼成した。得られた焼成膜の表面を、試験1と同様に走査型電子顕微鏡SEMを用いて観察し、ボイドの数をカウントした。その結果を各試料の厚膜導電ペーストを構成する構成要素及びそれらの厚膜導電ペースト100質量%に対する含有率と共に下記表2に示す。
上記表2の結果から、比較例8の厚膜導電ペーストを材料に用いて形成した焼結膜は、本発明の要件を満たす実施例の厚膜導電ペーストを材料に用いて形成した焼結膜よりもボイドが多く生成していることが分かる。その理由は、比較例8の厚膜導電ペーストは、銅粉の合計含有量が少ないため、相対的に溶剤の量が増え、乾燥や焼成の際に溶剤やバインダ樹脂が除去される際に十分な余裕が無くボイドとなってしまったものと考えられる。また、比較例9の厚膜導電ペーストは銅粉末の量が多すぎることで有機溶剤の含有量が少なくなりすぎ、ペーストの流動性が十分に得られず、スムーズに印刷することができなくなった結果、ボイドの個数を適切に計測することができなかったため、評価結果を「−」とした。本発明の要件を満たす実施例7、8の厚膜導電ペーストは、上記試験1の実施例1〜6と同様に緻密な焼成膜が形成されていることが分かる。
(試験3)
厚膜導電ペースト内の有機ビヒクルの含有量を減らした以外は、試験1の実施例2と同じ各銅粉の配合量の材料を用いて、試験1と同様にして実施例9、10の厚膜導電ペーストの試料を作製し、試験1と同様の条件で焼成した。また、実施例11、12では、有機ビヒクルの含有量を多くすると共に銅粉末の合計含有量を減らして80質量%とした以外は実施例2と同じ各銅粉の配合量の材料を用いて、試験1と同様に厚膜導電ペーストの試料を作製し、試験1と同様の条件で焼成した。得られた焼成膜の表面を、試験1と同様に走査型電子顕微鏡SEMを用いて観察し、ボイドの数をカウントした。その結果を各試料の厚膜導電ペーストを構成する構成要素及びそれらの厚膜導電ペースト100質量%に対する含有率と共に下記表3に示す。
上記表3の結果から、好ましい有機ビヒクルの含有量の要件から外れる実施例9及び12の厚膜導電ペーストを材料に用いて形成した焼結膜は、好ましい有機ビヒクルの含有量の要件を満たす実施例10及び11の厚膜導電ペーストを材料に用いて形成した焼結膜よりもボイドが若干増えていることが分かる。実施例9の厚膜導電ペーストは、ボイドの発生量は大きく増えてはいないものの、基板との密着性が劣る場合がある。実施例12の厚膜導電ペーストの様に、有機ビヒクルが多すぎると有機ビヒクルの除去のタイミングによりボイドが増える場合がある。一方、実施例10、11の厚膜導電ペーストは、上記試験1の実施例1〜6と同様に緻密な焼成膜が形成されていることが分かる。
(試験4)
厚膜導電ペーストに用いる大粒径の銅粉に対する各粒径の比を変更し、中粒径として0.8μm、1.0μm、1.25μm、1.3μmの銅粉を用い、小粒径として0.2μm、0.25μm、0.5μm、0.6μmの銅粉を用いた以外は、試験1の実施例2と同じ条件で実施例13〜20の厚膜導電ペーストの試料を作製し、試験1と同様の条件で焼成した。得られた焼成膜の表面を、試験1と同様に走査型電子顕微鏡SEMを用いて観察し、ボイドの数をカウントした。その結果を各試料の厚膜導電ペーストを構成する構成要素及びそれらの厚膜導電ペースト100質量%に対する含有率と共に下記表4に示す。
上記表4の結果から、好ましい銅粉径比率の要件から外れる実施例13、16、17、20の厚膜導電ペーストを材料に用いて形成した焼結膜は、好ましい銅粉径比率の要件を満たす実施例14、15、18、19の厚膜導電ペーストを材料に用いて形成した焼結膜よりもボイドが若干増えていることが分かる。これは、実施例13、16、17、20では好ましい銅粉サイズのバランスが崩れてしまうため、十分に銅粉間隔を狭めることができずにボイドが増えたと考えられる。一方、実施例14、15、18、19の厚膜導電ペーストは、上記試験1の実施例1〜6と同様に緻密な焼成膜が形成されていることが分かる。
(試験5)
厚膜導電ペーストに用いる基本となる大粒径の銅粉の粒径を変更し、それに伴い中粒径や小粒径の粒径も変更し、大粒径として5.0μm、3.5μm、2.0μmの銅粉を用い、中粒径として2.5μm、1.6μm、0.9μmの銅粉を用い、小粒径として0.5μm、0.4μm、0.3μmの銅粉を用い、各銅粉の含有量も変更させた以外は、試験1と同じ条件で実施例21〜25の厚膜導電ペーストの試料を作製し、試験1と同様の条件で焼成した。得られた焼成膜の表面を、試験1と同様に走査型電子顕微鏡SEMを用いて観察し、ボイドの数をカウントした。その結果を各試料の厚膜導電ペーストを構成する構成要素及びそれらの厚膜導電ペースト100質量%に対する含有率と共に下記表5に示す。
上記表5の結果から、銅粉の径を変更しても、本発明の好ましい銅粉径比率を維持することにより上記試験1の実施例1〜6と同様に緻密な焼成膜が形成されていることが分かる。
1 板状基板
2 1対の上面電極
3 抵抗体
4 プリコート層
5 切込部
6 オーバーコート層

Claims (4)

  1. 大径粉、中径粉及び小径粉からなる3種類の銅粉末と有機ビヒクルとを主成分とする厚膜導電ペーストであって、前記3種類の銅粉末は、混合状態で前記厚膜導電ペーストに60〜95質量%含まれており、且つ前記3種類の銅粉末の合計100質量%に対して、大径粉81〜91質量%、中径粉4.5〜14質量%、及び小径粉4.5〜5.5質量%の比率で配合されていることを特徴とする厚膜導電ペースト。
  2. 前記有機ビヒクルはバインダ樹脂と有機溶剤とを含有し、前記有機ビヒクルは前記厚膜導電ペースト100質量%に対して0.9〜15質量%含まれていることを特徴とする、請求項1に記載の厚膜導電ペースト。
  3. 前記3種類の銅粉末の平均粒径の比率は、大径粉1に対して中径粉が0.4〜0.5、小径粉が0.1〜0.2であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の厚膜導電ペースト。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の厚膜導電ペーストから形成された上面電極を有する角型チップ抵抗器。
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