JP2019099026A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの始動可能な領域を狭めることなく、歯打ち音を低減するハイブリッド車両の制御装置を提供する。【解決手段】エンジン12と、エンジン12に動力伝達可能に連結された第1電動機MG1と、出力歯車30に動力伝達可能に連結された第2電動機MG2と、を有するハイブリッド車両10の、電子制御装置80であって、第1電動機MG1によるクランキングに基づくエンジン12の始動時に、第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が予め定められた歯打ちトルク領域の範囲内、すなわち零乃至零近傍の所定範囲内であると推測される場合には、その推測される第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が歯打ちトルク領域の範囲外となるように、第1電動機MG1によるクランキングの目標トルク値Tmg1を変更する。【選択図】図4

Description

本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に関し、特に、歯打ち音を低減する技術に関する。
エンジンと、そのエンジンに動力伝達可能に連結された第1電動機と、出力回転部材に動力伝達可能に連結された第2電動機と、を有するハイブリッド車両の制御装置が知られている。例えば、特許文献1に記載のハイブリッド車両の制御装置がそれである。エンジンの始動時に第1電動機から出力されるトルクの大きさによっては第2電動機の出力トルクの大きさが零近傍となり、第2電動機のロータシャフトに噛み合うギヤにおいて歯打ち音が発生することがある。特許文献1に記載のハイブリッド車両の制御装置では、エンジン始動閾値が変更されることによって、第2電動機の出力トルクが零近傍になることが推測される第1電動機のトルクの大きさではエンジンの始動が行われないようにされている。
特開2011−207336号公報
上記ハイブリッド車両の制御装置では、エンジン始動閾値が変更されることによりエンジンの始動可能な領域が狭まってしまうため、例えば蓄電装置の残量が低減したときにエンジンの始動による蓄電装置の充電が遅れてしまうおそれがある。
本発明は、以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、エンジンの始動可能な領域を狭めることなく、歯打ち音を低減するハイブリッド車両の制御装置を提供することにある。
本発明の要旨とするところは、エンジンと、前記エンジンに動力伝達可能に連結された第1電動機と、出力回転部材に動力伝達可能に連結された第2電動機と、を有するハイブリッド車両の、制御装置であって、前記第1電動機によるクランキングに基づく前記エンジンの始動時に、前記第2電動機の出力トルク値が予め定められた歯打ちトルク領域の範囲内であると推測される場合には、前記推測される前記第2電動機の出力トルク値が前記歯打ちトルク領域の範囲外となるように、前記第1電動機によるクランキングの目標トルク値を変更することにある。
本発明のハイブリッド車両の制御装置によれば、前記第1電動機によるクランキングに基づく前記エンジンの始動時に、前記第2電動機の出力トルク値が予め定められた歯打ちトルク領域の範囲内であると推測される場合には、前記推測される前記第2電動機の出力トルク値が前記歯打ちトルク領域の範囲外となるように、前記第1電動機によるクランキングの目標トルク値が変更される。このように、エンジン始動時における第1電動機によるクランキングの目標トルク値が変更されることで第2電動機の出力トルク値が歯打ちトルク領域の範囲外とされて歯打ち音が低減される。このように、第1電動機の目標トルク値が変更されるだけであるため、エンジンの始動可能な領域が狭められることなく、第2電動機に噛み合う出力回転部材であるギヤにおける歯打ち音が低減される。
本発明の一実施例である電子制御装置を搭載したハイブリッド車両の概略構成を説明する図であるとともに、車両に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。 図1の電子制御装置の制御機能の要部を例示する機能ブロック線図である。 図1の電子制御装置によってエンジンを始動する場合のタイムチャートの例示である。 電子制御装置の制御作動の要部、すなわちエンジンを始動する場合の歯打ち音の発生を低減乃至回避する為の制御作動を説明するフローチャートの一例である。
本発明の一実施形態において、前記エンジンの始動時の前記第1電動機によるクランキングの前記目標トルク値は、クランキングトルクプロフィールに基づいており、前記クランキングトルクプロフィールは、前記目標トルク値が一定値となる複数の期間を含んでおり、前記複数の期間のそれぞれにおいて、前記第2電動機の出力トルク値が前記歯打ちトルク領域の範囲外となるように、前記クランキングトルクプロフィールの前記目標トルク値を変更する。このように、第1電動機に付与されるクランキングトルクプロフィールにおいて、目標トルク値が一定値となる期間については、第2電動機の出力トルク値が歯打ちトルク領域の範囲外とされる。したがって、第2電動機の出力トルク値が一定の期間にわたって歯打ちトルク領域の範囲内でとどまることは無いため、歯打ち音の発生が低減される。
本発明の一実施形態において、前記歯打ちトルク領域の範囲は、零乃至零近傍の上限値未満および下限値超で規定された所定範囲であって、前記目標トルク値を変更するにあたっては、前記推測される前記第2電動機の出力トルク値が前記上限値または前記下限値となるような前記目標トルク値の変更のうち、前記目標トルク値の変更量が少ない方の変更とする。このように目標トルク値の変更量が少ない方の変更が行われるため、クランキングトルクプロフィールの変更は最小限に抑制される。
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である電子制御装置80を搭載したハイブリッド車両10(以下、車両10という)の概略構成を説明する図であるとともに、車両10に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。
車両10は、走行用駆動力源としてのエンジン12およびトランスアクスル(T/A)としての動力伝達装置14を備えている。動力伝達装置14は、車体に取り付けられる非回転部材としてのケース16内において、エンジン12側から順に、ダンパー18、入力軸20、変速部22、カウンタギヤ対24、ファイナルギヤ対26、差動歯車装置28(終減速機)などを備えている。変速部22は、第1電動機MG1と、エンジン12から出力される動力を第1電動機MG1および出力歯車30へ分配する動力分配機構32と、出力回転部材である出力歯車30に連結される歯車機構34と、出力歯車30に歯車機構34を介して動力伝達可能に連結された第2電動機MG2と、を有している。カウンタギヤ対24は、出力歯車30とカウンタドリブンギヤ36とで構成されている。入力軸20は、その一端がダンパー18を介してエンジン12に連結されることでエンジン12により回転駆動させられる。また、入力軸20の他端にはオイルポンプ38が連結されており、入力軸20が回転駆動されることによりオイルポンプ38が回転駆動させられて、動力伝達装置14の各部、例えば動力分配機構32、歯車機構34、不図示のボールベアリング等に潤滑油が供給される。このような動力伝達装置14では、ダンパー18および入力軸20を介して入力されるエンジン12の動力や第2電動機MG2の動力が出力回転部材である出力歯車30へ伝達され、出力歯車30からカウンタギヤ対24、ファイナルギヤ対26、差動歯車装置28、一対の車軸等を順次介して一対の駆動輪40へ伝達される。
動力分配機構32は、第1サンギヤS1、第1ピニオンP1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1ピニオンP1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を回転要素として備える公知のシングルピニオン型遊星歯車装置であり、差動作用を生じる差動機構として機能する。第1キャリヤCA1は入力軸20を介してエンジン12に連結され、第1サンギヤS1は第1電動機MG1に連結され、第1リングギヤR1は出力歯車30に連結されている。これにより、動力分配機構32において、エンジン12から出力された動力が第1電動機MG1および出力歯車30に分配される。第1電動機MG1に分配されたエンジン12の動力で第1電動機MG1が発電され、その発電された電気エネルギがインバータ50を介して蓄電装置52に蓄電されたりその電気エネルギで第2電動機MG2が回転駆動されたりする。また、エンジン12が運転停止中においては、動力分配機構32によって第1電動機MG1から出力された動力でエンジン12が回転駆動(クランキング)されて運転停止中のエンジン12の始動が行われる。
歯車機構34は、第2サンギヤS2、第2ピニオンP2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2ピニオンP2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を回転要素として備える公知のシングルピニオン型遊星歯車装置である。第2キャリヤCA2は非回転部材であるケース16に連結されることで回転が阻止され、第2サンギヤS2は第2電動機MG2に連結され、第2リングギヤR2は出力歯車30に連結されている。歯車機構34は、例えば減速機として機能するように遊星歯車装置自体のギヤ比が構成されており、第2電動機MG2からトルクを出力する力行時には第2電動機MG2の回転が減速させられて出力歯車30に伝達され、そのトルクが増大させられて出力歯車30へ伝達される。出力歯車30は、動力分配機構32の第1リングギヤR1および歯車機構34の第2リングギヤR2としての機能、およびカウンタドリブンギヤ36と噛み合ってカウンタギヤ対24を構成するカウンタドライブギヤとしての機能が1つのギヤに一体化された複合歯車となっている。
第1電動機MG1および第2電動機MG2は、電気エネルギから機械的な動力を発生する発動機機能を備え、好適には発動機機能と共に機械的な動力から電気エネルギを発生する発電機機能を備えた、例えば同期電動機である。例えば、第1電動機MG1は、運転停止中のエンジン12を回転駆動する発動機機能およびエンジン12の反力を受け持つ為の発電機機能を備える。第2電動機MG2は、走行用駆動力源として駆動力を出力する走行用電動機として機能する為の発動機機能および駆動輪40側からの逆駆動力から回生により電気エネルギを発生する発電機機能を備える。
車両10は、車両10の各部を制御する制御装置としての電子制御装置80を備える。電子制御装置80は、例えば所謂マイクロコンピュータ(CPU)を含んで構成されており、予め記憶されたプログラムに従って入力信号の処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。電子制御装置80は、エンジン12、第1電動機MG1、第2電動機MG2などに関するハイブリッド駆動制御等の車両制御を実行する。電子制御装置80には、車両10に設けられたエンジン回転速度センサ60、出力軸回転速度センサ62、車速センサ64、MG1回転速度センサ66、MG2回転速度センサ68、アクセル開度センサ70、およびバッテリセンサ72によってそれぞれ検出された、エンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Ne(rpm)、出力歯車30の回転速度である出力軸回転速度Nout(rpm)、車速V(km/h)、第1電動機MG1の回転速度であるMG1回転速度Nmg1(rpm)、第2電動機MG2の回転速度であるMG2回転速度Nmg2(rpm)、アクセルペダルの踏込操作量に対応したアクセル開度θacc(%)、および蓄電装置52のバッテリ温度THbat(℃)やバッテリ充放電電流Ibat(A)やバッテリ電圧Vbat(V)が入力される。電子制御装置80からは、ハイブリッド制御信号Shvがエンジン12およびインバータ50に出力され、エンジン12の運転制御やインバータ50を介して第1電動機MG1および第2電動機MG2の運転制御がなされる。なお、電子制御装置80は、例えば前述のバッテリ温度THbat、バッテリ充放電電流Ibat、およびバッテリ電圧Vbatなどに基づいて蓄電装置52の充電状態(充電容量)SOC(%)を逐次算出する。
図2は、図1の電子制御装置80の制御機能の要部を例示する機能ブロック線図である。電子制御装置80は、ハイブリッド制御部82、トルク算出部84、トルク推測部86、およびトルクプロフィール設定部88を備えている。
ハイブリッド制御部82は、例えばアクセル開度θaccや車速Vに基づいて運転者による車両10に対する駆動要求量、例えば駆動輪40に対して要求されるトルクの大きさである要求駆動トルク値Treq(Nm)から、出力歯車30に要求される出力トルクの大きさである出力駆動トルク値Toutを算出する。ハイブリッド制御部82は、蓄電装置52の充電要求値等を考慮して、その出力駆動トルク値Toutが得られるように駆動力源(エンジン12および第2電動機MG2)を運転制御するハイブリッド制御信号Shvを出力する。ハイブリッド制御部82は、例えばエンジン12の運転を停止させると共に第2電動機MG2のみを走行用駆動源として走行するモータ走行(EV走行)を実行する為のモータ走行モード、エンジン12の動力に対する反力を第1電動機MG1の発電により受け持つことで出力歯車30を介して駆動輪40にエンジン12の直達トルクを伝達すると共に第1電動機MG1の発電電力により第2電動機MG2を駆動することで出力歯車30にトルクを伝達して少なくともエンジン12を走行用駆動源として走行するエンジン走行を実行する為のエンジン走行モード(定常走行モード)、このエンジン走行モードにおいて蓄電装置52からの電力を用いた第2電動機MG2の動力を更に付加して走行する為のアシスト走行モード(加速走行モード)等を、車両状態に応じて選択的に成立させる。
ハイブリッド制御部82は、実際の車速Vおよび駆動要求量(アクセル開度θacc、要求駆動トルク値Treq等)で示される車両状態が、予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された、すなわち予め定められたモータ走行領域にある場合には、モータ走行モードを成立させる。ハイブリッド制御部82は、車両状態が予め定められたエンジン走行領域にある場合には、エンジン走行モード乃至アシスト走行モードを成立させる。モータ走行領域は、エンジン走行領域よりも低出力域側に設定されている。ハイブリッド制御部82は、車両状態がモータ走行領域にある場合であっても、例えば蓄電装置52の充電容量SOCおよび/又は蓄電装置温度に応じた放電可能な電力、すなわち出力制限Woutに基づいて放電が制限された為にEV走行できない場合、蓄電装置52の充電が要求された場合、或いはエンジン12やエンジン12に関連する機器の暖機が必要な場合等には、エンジン12を作動させて走行する。
ハイブリッド制御部82は、EV走行中に、例えば車速Vあるいは駆動要求量の上昇、蓄電装置52の充電不足、或いはエンジン12の暖機要求などに基づいて、エンジン12の始動が要求されたか否かを判断する。ハイブリッド制御部82は、エンジン12の始動が要求されたと判断した場合には、エンジン12を始動するエンジン始動制御を実行する。エンジン始動制御では、ハイブリッド制御部82は、第1電動機MG1の動力によりエンジン12をクランキングすることでエンジン回転速度Neを上昇させてエンジン12を始動する。つまり、ハイブリッド制御部82は、MG1回転速度Nmg1の上昇によってエンジン回転速度Neを引き上げる為のクランキングトルクとして第1電動機MG1から目標トルク値Tmg1の大きさのトルクを出力させる。ハイブリッド制御部82は、エンジン12が自立運転可能乃至完爆可能な所定回転速度Nei以上にエンジン回転速度Neが上昇したら、エンジン12への燃料噴射を行うと共にエンジン12の点火を行ってエンジン12を始動する。
図3は、図1の電子制御装置80によってエンジン12を始動する場合のタイムチャートの例示である。図3において、EV走行中で惰性走行しているときに例えば暖機の必要性からエンジン12の始動が要求されたと判断されると(時刻t1)、基本的には、実線で示した目標トルク値Tmg1の時間推移が予め設定されたクランキングトルクプロフィールTproに基づいて第1電動機MG1からトルクが出力され、エンジン12が回転駆動されてエンジン回転速度Neが上昇させられる(時刻t2から時刻t3までの間)。クランキングトルクプロフィールTproには、エンジン12を回転駆動する初期期間に目標トルク値Tmg1が一定値である第1目標トルク値Tmg11(Nm)となる第1期間T1と、第1期間T1の後に目標トルク値Tmg1が第1目標トルク値Tmg11よりも小さい一定値である第2目標トルク値Tmg12(Nm)となる第2期間T2と、第2期間T2の後に目標トルク値Tmg1が第2目標トルク値Tmg12から零に向かって時間の経過と共に次第に減少していく第3期間T3と、を有する。これら第1期間T1乃至第3期間T3を含む時刻t2から時刻t3までの期間を通じて、第1電動機MG1から目標トルク値Tmg1の大きさのトルクが出力されてエンジン12が回転駆動されることでエンジン回転速度Neが上昇する。そして、前述したようにエンジン回転速度Neが所定回転速度Nei以上に上昇した時点で、エンジン12への燃料噴射が行われると共にエンジン12の点火が行われてエンジン12が始動されエンジン始動処理が終了する(時刻t3)。
図2に戻り説明すると、ハイブリッド制御部82は、エンジン12の始動が要求されたと判断した場合、第1電動機MG1のトルクによってエンジン12のクランキングを開始するのに先立ち、第2電動機MG2から出力するトルクの大きさ(以下、出力トルク値Tmg2という)の算出を指示する指令信号をトルク算出部84に出力する。
トルク算出部84は、ハイブリッド制御部82から指令信号が入力されると、前述のクランキングトルクプロフィールTproに基づいて第1電動機MG1が目標トルク値Tmg1の大きさのトルクを出力する場合の第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2を算出する。エンジン12をクランキングするために第1電動機MG1が出力するトルクの大きさは、前述したクランキングトルクプロフィールTproで規定された目標トルク値Tmg1である。したがって、出力歯車30に対して第1電動機MG1が反力として伝達するトルクの大きさは、目標トルク値Tmg1と第1サンギヤS1の歯数Zs1および第1リングギヤR1の歯数Zr1によって決まる所定ギヤ比ρ1(=Zs1/Zr1)とに応じて決められる。すなわち、第1電動機MG1の目標トルク値Tmg1に所定ギヤ比ρ1の逆数を乗じたものが反力として出力歯車30に伝達される。第2電動機MG2が出力するトルクの大きさは、出力トルク値Tmg2である。したがって、出力歯車30に対して第2電動機MG2が伝達するトルクの大きさは、出力トルク値Tmg2と第2サンギヤS2の歯数Zs2および第2リングギヤR2の歯数Zr2によって決まる所定ギヤ比ρ2(=Zs2/Zr2)とに応じて決められる。すなわち、第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2に所定ギヤ比ρ2の逆数を乗じたものが出力歯車30に伝達される。エンジン12の始動処理中に駆動輪40に対して出力歯車30が伝達するトルクの大きさである出力駆動トルク値Toutが変化すると運転者に違和感を生じさせるため、出力駆動トルク値Toutは変化しない方が良い。出力駆動トルク値Toutは、第1電動機MG1から反力として伝達されたトルクの大きさと第2電動機MG2から伝達されたトルクの大きさとの合計であるため、下式(1)が成り立つ。なお、出力歯車30に対して第1電動機MG1が伝達するトルクは反力であるので符号は負となる。
Tout=Tmg2×(1/ρ2)−Tmg1×(1/ρ1) ・・・(1)
上式(1)から第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2は、下式(2)によって算出される。
Tmg2={Tout+Tmg1×(1/ρ1)}×ρ2 ・・・(2)
図3に示すように、クランキングトルクプロフィールTproの目標トルク値Tmg1は、一定値である第1目標トルク値Tmg11となる第1期間T1や一定値である第2目標トルク値Tmg12となる第2期間T2のような期間を複数含んでいる。このような場合、好適にはそれぞれの期間において第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が算出される。例えば、図3の例では、実線で示すように第1期間T1では、第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2は第1出力トルク値Tmg21(Nm)と算出され、第2期間T2では、出力トルク値Tmg2は第2出力トルク値Tmg22(Nm)と算出される。トルク算出部84は、第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が予め定められた歯打ちトルク領域の範囲内であるか否かの推測を指示する指令信号をトルク推測部86に出力する。
トルク推測部86は、トルク算出部84から指令信号が入力されると、第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が歯打ちトルク領域の範囲内であるか否かを推測する。具体的には、トルク推測部86は、第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が零乃至零近傍の所定範囲内、例えば上限値α(>0)よりも小さく且つ下限値−αよりも大きい所定範囲内であるか否かの判定によって推測する。第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が零乃至零近傍の所定範囲内である場合には、第2電動機MG2から出力されたトルクが作用する噛み合わせ部分において各歯車同士の押し付け合う力が比較的弱い状態となり、噛合歯の歯面同士が相互に衝突と離間を繰り返して互いに打ち合い、歯打ち音が発生し易い。零乃至零近傍の上限値αおよび下限値−αで規定される歯打ちトルク領域の範囲は、歯打ち音が発生しやすい第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2のトルク範囲として予め実験的に或いは設計的に求められる。トルク推測部86は、第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が歯打ちトルク領域の範囲内であると推測する場合には、クランキングトルクプロフィールTproの修正を指示する修正指令信号をトルクプロフィール設定部88に出力する。一方、トルク推測部86は、第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が歯打ちトルク領域の範囲外であると推測する場合には、クランキングトルクプロフィールTproを無修正とする無修正指令信号をトルクプロフィール設定部88に出力する。
トルクプロフィール設定部88は、トルク推測部86から修正指令信号が入力された場合には、第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が前述の零乃至零近傍の所定範囲内である期間におけるクランキングトルクプロフィールTproの目標トルク値Tmg1のトルク値を変更し、出力トルク値Tmg2が前述の零乃至零近傍の所定範囲外となるようにする。例えば、図3の例では、第1期間T1における第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2である第1出力トルク値Tmg21が零乃至零近傍の所定範囲内であるため、トルクプロフィール設定部88は第1期間T1における第1目標トルク値Tmg11を変更する。
すなわち、第2電動機MG2の第1出力トルク値Tmg21が上限値α以上となるように第1目標トルク値Tmg11を変更するか、または第2電動機MG2の第1出力トルク値Tmg21が下限値−α以下となるように第1目標トルク値Tmg11を変更する。好適には、推測される第2電動機MG2の第1出力トルク値Tmg21が上限値αまたは下限値−αとなるような第1目標トルク値Tmg11の変更のうち、第1目標トルク値Tmg11の変更量が少ない方の変更を行う。
ここから、第1目標トルク値Tmg11の具体的な変更方法を説明する。第1期間T1に関しては、Tmg1=Tmg11であり、Tmg2=Tmg21であるから、上式(1)より下式(3)が成立する。
Tout=Tmg21×(1/ρ2)−Tmg11×(1/ρ1)・・・(3)
例えば、推測される第2電動機MG2の第1出力トルク値Tmg21が正の値または零であるとき、出力トルク値Tmg2が上限値αとなるように第1目標トルク値Tmg11を目標トルク値Tmg11p(Nm)に変更する場合、上式(1)に代入すると、下式(4)が成立する。
Tout=α×(1/ρ2)−Tmg11p×(1/ρ1) ・・・(4)
上式(3)、上式(4)からToutを消去すると、α>Tmg21≧0の場合において推測される第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が上限値αとなる場合の第1電動機MG1の目標トルク値Tmg11pは、下式(5)のように算出される。したがって、第1期間T1の目標トルク値Tmg1は、第1目標トルク値Tmg11から第1目標トルク値Tmg11に変更量{(α−Tmg21)×ρ1/ρ2}だけ加算された目標トルク値Tmg11pへ変更される。
Tmg11p=Tmg11+(α−Tmg21)×ρ1/ρ2 ・・・(5)
例えば、推測される第2電動機MG2の第1出力トルク値Tmg21が負の値であるとき、出力トルク値Tmg2が下限値−αとなるように第1目標トルク値Tmg11を目標トルク値Tmg11m(Nm)に変更する場合、上式(1)に代入すると、下式(6)が成立する。
Tout=−α×(1/ρ2)−Tmg11m×(1/ρ1) ・・・(6)
上式(3)、上式(6)からToutを消去すると、0>Tmg21>−αの場合において推測される第2電動機MG2の第1出力トルク値Tmg21が下限値−αとなる場合の第1電動機MG1の目標トルク値Tmg11mは、下式(7)のように算出される。したがって、第1期間T1の目標トルク値Tmg1は、第1目標トルク値Tmg11から第1目標トルク値Tmg11に変更量{(Tmg21+α)×ρ1/ρ2}だけ減算された目標トルク値Tmg11mへ変更される。
Tmg11m=Tmg11−(α+Tmg21)×ρ1/ρ2 ・・・(7)
例えば、図3の例のように、推測される第2電動機MG2の第1出力トルク値Tmg21が下限値−αに近い場合、すなわち負の値である場合には、上式(5)で算出される変更量よりも上式(7)で算出される変更量の方が小さいため、トルクプロフィール設定部88は、図3の破線で示すようにクランキングトルクプロフィールTproの第1期間T1における目標トルク値Tmg1を第1目標トルク値Tmg11から目標トルク値Tmg11mに変更する。このとき、第2電動機MG2の第1出力トルク値Tmg21は下限値−αに変更される。
例えば、図3の例とは異なり、推測される第2電動機MG2の第1出力トルク値Tmg21が上限値αに近い場合、すなわち正の値である場合には、上式(7)で算出される変更量よりも上式(5)で算出される変更量の方が小さいため、トルクプロフィール設定部88は、クランキングトルクプロフィールTproの第1期間T1における目標トルク値Tmg1を第1目標トルク値Tmg11から目標トルク値Tmg11pに変更する。このとき、第2電動機MG2の第1出力トルク値Tmg21は上限値αに変更される。
図3の例のように、第2期間T2において第2電動機MG2の第2出力トルク値Tmg22が歯打ちトルク領域の範囲外となっている場合には、トルクプロフィール設定部88は、クランキングトルクプロフィールTproの第2期間T2における第2目標トルク値Tmg12を変更しない。しかし、図3の例とは異なり、第2期間T2において第2電動機MG2の第2出力トルク値Tmg22が歯打ちトルク領域の範囲内である場合には、トルクプロフィール設定部88は、前述の第1期間T1における第2電動機MG2の第1出力トルク値Tmg21を零乃至零近傍の所定範囲外となるように第1目標トルク値Tmg11を変更したのと同様に、第2期間T2における第2出力トルク値Tmg22を零乃至零近傍の所定範囲外となるように第2目標トルク値Tmg12を変更する。
トルクプロフィール設定部88は、トルク推測部86から無修正指令信号が入力された場合には、クランキングトルクプロフィールTproの修正を行わない。
トルクプロフィール設定部88は、トルク推測部86から入力された修正指令信号に基づいて目標トルク値Tmg1が変更されたクランキングトルクプロフィールTproまたは無修正指令信号に基づいて目標トルク値Tmg1が変更されなかったクランキングトルクプロフィールTproをハイブリッド制御部82に出力する。
ハイブリッド制御部82は、トルクプロフィール設定部88から入力されたクランキングトルクプロフィールTproに基づいて、第1電動機MG1から目標トルク値Tmg1の大きさのトルクが出力されるようにハイブリッド制御信号Shvをインバータ50に出力する。また、エンジン回転速度Neが所定回転速度Nei以上に上昇した時点で、ハイブリッド制御部82は、エンジン12への燃料噴射を行うと共にエンジン12の点火を行ってエンジン12を始動させるハイブリッド制御信号Shvをエンジン12に出力する。
図4は、電子制御装置80の制御作動の要部、すなわちエンジン12を始動する場合の歯打ち音の発生を低減乃至回避する為の制御作動を説明するフローチャートの一例である。
図4のフローチャートは、例えばEV走行中に、車速Vあるいは駆動要求量の上昇、蓄電装置52の充電不足、或いはエンジン12の暖機要求などに基づいて、ハイブリッド制御部82がエンジン12の始動が要求されたと判断した場合にスタートされる。
トルク算出部84に対応するステップS10において、クランキングトルクプロフィールTproに基づいて第1電動機MG1から目標トルク値Tmg1の大きさのトルクが出力される場合の第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が算出される。このとき、目標トルク値Tmg1が一定値である第1目標トルク値Tmg11となる第1期間T1における第2電動機MG2の第1出力トルク値Tmg21と、目標トルク値Tmg1が一定値である第2目標トルク値Tmg12となる第2期間T2における第2電動機MG2の第2出力トルク値Tmg22と、が算出される。そしてステップS20が実行される。
トルク推測部86に対応するステップS20において、クランキングトルクプロフィールTproの第1期間T1での第2電動機MG2の第1出力トルク値Tmg21が零乃至零近傍の所定範囲内、例えば上限値α(>0)よりも小さく且つ下限値−αよりも大きい所定範囲内であるか否かが判定される。ステップS20の判定が肯定される場合は第2電動機MG2の第1出力トルク値Tmg21が歯打ちトルク領域の範囲内であると推測し、ステップS30が実行される。ステップS20の判定が否定される場合は第2電動機MG2の第1出力トルク値Tmg21が歯打ちトルク領域の範囲外であると推測し、ステップS40が実行される。
トルクプロフィール設定部88に対応するステップS30において、クランキングトルクプロフィールTproの第1期間T1の第1目標トルク値Tmg11が変更される。すなわち、第1期間T1の第2電動機MG2の第1出力トルク値Tmg21がα>Tmg21≧0の関係にある場合、例えば第1出力トルク値Tmg21が下限値−αよりも上限値αに近い場合には、第2電動機MG2の出力トルク値が上限値αになるように第1目標トルク値Tmg11が目標トルク値Tmg11pに変更される。一方、第1期間T1の第2電動機MG2の第1出力トルク値Tmg21が0>Tmg21>−αの関係にある場合、すなわち第1出力トルク値Tmg21が上限値αよりも下限値−αに近い場合には、第2電動機MG2の出力トルク値が下限値−αになるように第1目標トルク値Tmg11が目標トルク値Tmg11mに変更される。そして終了となる。
トルク推測部86に対応するステップS40において、クランキングトルクプロフィールTproの第2期間T2での第2電動機MG2の第2出力トルク値Tmg22が零乃至零近傍の所定範囲内、例えば上限値α(>0)よりも小さく且つ下限値−αよりも大きい所定範囲内であるか否かが判定される。ステップS40の判定が肯定される場合は第2電動機MG2の第2出力トルク値Tmg22が歯打ちトルク領域の範囲内であると推測し、ステップS50が実行される。ステップS40の判定が否定される場合は第2電動機MG2の第2出力トルク値Tmg22が歯打ちトルク領域の範囲外であると推測し、終了となる。
トルクプロフィール設定部88に対応するステップS50において、クランキングトルクプロフィールTproの第2期間T2の第2目標トルク値Tmg12が変更される。すなわち、第2期間T2の第2電動機MG2の第2出力トルク値Tmg22がα>Tmg22≧0の関係にある場合、例えば第2出力トルク値Tmg22が下限値−αよりも上限値αに近い場合には、第2電動機MG2の出力トルク値が上限値αになるように第2目標トルク値Tmg12が目標トルク値Tmg12pに変更される。一方、第2期間T2の第2電動機MG2の第1出力トルク値Tmg22が0>Tmg22>−αの関係にある場合、すなわち第2出力トルク値Tmg22が上限値αよりも下限値−αに近い場合には、第2電動機MG2の出力トルク値が下限値−αになるように第2目標トルク値Tmg12が目標トルク値Tmg12mに変更される。そして終了となる。
本実施例の電子制御装置80によれば、第1電動機MG1によるクランキングに基づくエンジン12の始動時に、第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が予め定められた歯打ちトルク領域の範囲内であると推測される場合には、その推測される第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が歯打ちトルク領域の範囲外となるように、第1電動機MG1によるクランキングの目標トルク値Tmg1が変更される。このように、エンジン12の始動時における第1電動機MG1の目標トルク値Tmg1が変更されることで第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が歯打ちトルク領域の範囲外、すなわち零乃至零近傍の所定範囲外とされて歯打ち音が低減される。また、エンジン12の始動可能な領域が狭められる必要がないため、エンジン12の始動が遅くなることによって蓄電装置52の充電が遅れてしまうことが抑制される。
本実施例の電子制御装置80によれば、エンジン12の始動時の第1電動機MG1によるクランキングは、クランキングトルクプロフィールTproに基づいて行われ、クランキングトルクプロフィールTproは、目標トルク値Tmg1が一定値である第1目標トルク値Tmg11となる第1期間T1と、目標トルク値Tmg1が一定値である第2目標トルク値Tmg12となる第2期間T2と、を含んでいる。この第1期間T1および第2期間T2において、第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が歯打ちトルク領域の範囲外となるように、第1電動機MG1によるクランキングの目標トルク値Tmg1が変更される。このように、クランキングトルクプロフィールTproにおいて目標トルク値Tmg1が一定値となる第1期間T1および第2期間T2について、第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が歯打ちトルク領域の範囲外となる。したがって、第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が歯打ちトルク領域の範囲内で一定の期間にわたってとどまることは無いため、クランキングトルクプロフィールTproの変更箇所を最小限に抑えながら、歯打ち音の発生を低減することができる。
本実施例の電子制御装置80によれば、歯打ちトルク領域の範囲は、零乃至零近傍の上限値α(>0)よりも小さく且つ下限値−αよりも大きい所定範囲である。第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2がその所定範囲内であると推測される場合において目標トルク値Tmg1を変更するにあたっては、その推測される第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が、上限値αまたは下限値−αとなるような目標トルク値Tmg1の変更のうち、目標トルク値Tmg1の変更量が少ない方の変更がなされる。このように目標トルク値Tmg1のトルク値の変更量が少ない方の変更が行われるため、クランキングトルクプロフィールTproの変更は最小限に抑制される。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
前述の実施例では、駆動要求量としては駆動輪40に対して要求されるトルクの大きさである要求駆動トルク値Treq(Nm)を用いていたが、これに限らない。例えば、駆動輪40における要求駆動力(N)、駆動輪40における要求駆動パワー(W)、および駆動力源の目標トルク値等を用いることもできる。また、駆動要求量として、単にアクセル開度θacc(%)やスロットル弁開度(%)やエンジン12の吸入空気量(g/sec)等が用いられても良い。
前述の実施例では、第2電動機MG2が歯車機構34を介して間接的に出力歯車30に連結される車両10であったが、これに限らない。例えば、第2電動機MG2が直接的に出力歯車30に連結される車両、第2電動機MG2が出力歯車30よりも駆動輪40側の回転部材に連結されて間接的に出力歯車30に動力伝達可能に連結される車両などであっても、本発明は適用可能である。
前述の実施例では、動力分配機構32は、シングルピニオン型遊星歯車装置であるが、ダブルピニオン型遊星歯車装置であっても良い。また、動力分配機構32は、例えばエンジン12によって回転駆動されるピニオンと、そのピニオンに噛み合う一対のかさ歯車が第1電動機MG1および出力歯車30に作動的に連結された差動歯車装置であっても良い。
前述の実施例では、動力分配機構32は、1つの遊星歯車装置を備えて、3つの回転要素を有する差動機構であったが、これに限らない。例えば、2つの遊星歯車装置が連結されることによって全体として差動機構を構成する動力分配機構であっても良い。
前述の実施例では、クランキングトルクプロフィールTproには、第1電動機MG1の目標トルク値Tmg1が一定値となる期間は、第1期間T1と第2期間T2の2つであったが、これに限らない。例えば、第1電動機MG1の目標トルク値Tmg1が一定値となる期間が3つ以上であっても良い。この場合には、この3つの期間それぞれについて、第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が歯打ちトルク領域の範囲外となるように第1電動機MG1の目標トルク値Tmg1の変更が行われる。
前述の実施例では、第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が歯打ちトルク領域の範囲内であるか否かの推測は、第1電動機MG1の目標トルク値Tmg1が一定値である期間についてのみ実行されていたが、これに限らない。例えば、図3に示す第3期間T3のように目標トルク値Tmg1が変化しており一定値ではない期間についても第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が歯打ちトルク領域の範囲内であるか否かの推測が実行され、それに基づいて第1電動機MG1の目標トルク値Tmg1の変更が行われても良い。
前述の実施例では、第1期間T1において第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が歯打ちトルク領域の範囲内であると推測した場合には、第2期間T2において第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が歯打ちトルク領域の範囲内であるか否かの推測はスキップされていたが、これに限らない。例えば、第1電動機MG1の目標トルク値Tmg1が一定値となる期間は、必ず第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が歯打ちトルク領域の範囲内であるか否かの推測が実行され、それに基づいて第1電動機MG1の目標トルク値Tmg1の変更が行われても良い。
前述の実施例では、歯打ちトルク領域の範囲は、零乃至零近傍の上限値α(>0)よりも小さく且つ下限値−αよりも大きい所定範囲としたように、上限値αと下限値−αの絶対値は同じであったが、これに限らない。例えば、β>γ>0の場合において、歯打ちトルク領域の範囲を上限値βよりも小さく且つ下限値−γよりも大きい所定範囲としたり、上限値γよりも小さく且つ下限値−βよりも大きい所定範囲としたりしても良い。
前述の実施例では、ステップS30およびステップS50において目標トルク値Tmg1の変更にあたっては、推測される第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が上限値αまたは下限値−αとなるような目標トルク値Tmg1の変更のうち、目標トルク値Tmg1の変更量が少ない方の変更とされていたが、これに限らない。目標トルク値Tmg1の変更量が多い方の変更とされても良い。また、目標トルク値Tmg1が一定値となる複数の期間毎に、目標トルク値Tmg1の変更について変更量の少ない方の変更がなされたり、変更量の多い方の変更がなされたりしても良い。さらには、推測される第2電動機MG2の出力トルク値Tmg2が所定範囲の上限値超または所定範囲の下限値未満となるように目標トルク値Tmg1の変更がなされても良い。
なお、上述したのはあくまでも本発明の実施例であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:ハイブリッド車両
12:エンジン
30:出力歯車(出力回転部材)
32:動力分配機構(差動機構)
80:電子制御装置(制御装置)
MG1:第1電動機
MG2:第2電動機
T1:第1期間(複数の期間)
T2:第2期間(複数の期間)
Tmg1:目標トルク値
Tmg2:出力トルク値
Tpro:クランキングトルクプロフィール

Claims (1)

  1. エンジンと、前記エンジンに動力伝達可能に連結された第1電動機と、出力回転部材に動力伝達可能に連結された第2電動機と、を有するハイブリッド車両の、制御装置であって、
    前記第1電動機によるクランキングに基づく前記エンジンの始動時に、前記第2電動機の出力トルク値が予め定められた歯打ちトルク領域の範囲内であると推測される場合には、
    前記推測される前記第2電動機の出力トルク値が前記歯打ちトルク領域の範囲外となるように、前記第1電動機によるクランキングの目標トルク値を変更する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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