JP2019095937A - 農作物育成支援システム、情報収集装置、育成支援サーバ、および農作物販売支援システム - Google Patents

農作物育成支援システム、情報収集装置、育成支援サーバ、および農作物販売支援システム Download PDF

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Takeshi Okamoto
武史 岡本
健郎 田中
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健郎 田中
一真 大石
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一真 大石
稚奈 今野
Wakana Imano
稚奈 今野
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Kohei Harada
浩平 原田
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Abstract

【課題】効果的に農作物の情報を取得して農家を支援する技術を提供する。【解決手段】農作物育成支援システムは情報収集装置12と育成支援サーバ14を備え、情報収集装置12は、農地における移動を制御する移動制御部と、移動の過程で農作物の育成情報を取得する情報取得部と、育成情報を出力する情報出力部と、を有し、育成支援サーバ14は、育成情報が入力される情報入力部と、育成情報を解析する解析処理部と、解析の結果として、農作物の育成に関する支援情報を出力する結果出力部と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、農作物の育成および販売を支援するシステムに関する。
近年、農業人口の減少や農業従事者の高齢化、休耕地の増加が進んでいる。農業再興のためには、専業農家の活性化だけでなく、兼業農家や小規模農家などの農業技術に必ずしも熟練していない農家に対してもきめ細やかな支援が欠かせない。そうした農家を支援する技術として、農地に設置したセンサで収集したデータを解析し、農家に対して農作物育成支援情報を提供する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−042721号公報
しかし、特許文献1の技術において、きめ細やかなデータを収集するには、農地の広範囲にわたって多数のセンサを固定的に設置する必要があり、多大な設備投資や設置の手間を要していた。
本発明は、こうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、効果的に農作物の情報を取得して農家を支援する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の農作物育成支援システムは、情報収集装置と育成支援サーバを備えるシステムであって、情報収集装置は、農地における移動の過程で農作物の育成情報を取得する情報取得部と、育成情報を出力する情報出力部と、を有する。育成支援サーバは、育成情報が入力される情報入力部と、育成情報を解析する解析処理部と、解析の結果として、農作物の育成に関する支援情報を出力する結果出力部と、を有する。
上述の技術は、効果的に農作物の情報を取得して農家を支援することができる。
農作物育成販売支援システムの基本構成を模式的に示す図である。 情報収集装置の外観例を模式的に示す図である。 情報収集装置の機能構成を示す機能ブロック図である。 育成支援サーバの機能構成を示す機能ブロック図である。 販売管理サーバの機能構成を示す機能ブロック図である。 移動車の移動範囲を設定する画面例の図である。 農地における移動車のルートを模式的に示す図である。 農地の畝と畝間低部と移動車の位置および動作の関係を模式的に示す図である。 生産者用端末に表示される画面例の図である。 消費者用端末に表示される画面例の図である。 第1の変形例におけるルートの分割を模式的に示す図である。 第2の変形例における観測点位置の決定方法を模式的に示す図である。 第2実施形態における移動車の外観例の図である。 第2実施形態における移動車の底面図である。 畝および畝間低部における雑草除去を模式的に示す図である。
(第1実施形態)
図1は、農作物育成販売支援システム10の基本構成を模式的に示す図である。生産者21は農地38において土壌36を整備し、農作物34を栽培、育成して収穫する。生産者21は、収穫した農作物34を消費者23(または小売店)に商品として販売する。
農作物育成販売支援システム10は、情報収集装置12、育成支援サーバ14、販売管理サーバ16を備える。情報収集装置12、育成支援サーバ14、販売管理サーバ16はネットワーク18を介して接続される。ネットワーク18は、例えばインターネットである。育成支援サーバ14は、主に農作物の生産者21を支援するための機能を実現するサーバである。販売管理サーバ16は、主に農作物を購入する消費者23への販売を支援するための機能を実現するサーバである。情報収集装置12は、例えば自律移動ロボットであり、農地38内を自走して農作物34や土壌36の状態を取得する装置である。具体的には、情報収集装置12は、農作物34の外観をカメラで撮影して画像を取得し、所定のセンサで土壌36を観測して環境情報を取得する。情報収集装置12が取得した情報は、育成支援サーバ14や販売管理サーバ16へ送信される。
生産者21は、生産者用端末20を操作して、ネットワーク18を経由して育成支援サーバ14にアクセスし、農作物34の育成に有用な支援情報を得て育成に活用する。消費者23は消費者用端末22を操作して、ネットワーク18を経由して販売管理サーバ16にアクセスし、農作物34の育成情報を確認し、農作物34の品質を把握して購入の参考とする。農作物34を購入した消費者23は、消費者用端末22を操作して商品の評価を入力でき、その評価の情報がネットワーク18を経由して販売管理サーバ16および育成支援サーバ14に送られ、農作物34の育成にフィードバックされる。
農作物育成販売支援システム10は、専業農家だけでなく、兼業農家などの小規模農家による利用を対象とし、専業農家と比べて農作物の育成に関する知識とノウハウに乏しい生産者や、育成にかける時間に乏しい生産者を特に支援できる。農作物育成販売支援システム10は、生産者に代わって農作物や農地を観察するだけでなく、生産者に対して育成に関する技術を指導するための支援情報を提供する。農地38は、単一の農家の土地だけでなく、複数の農家や複数の家庭菜園が集合した農地でもよいし、一つの土地を複数の区画に分割して複数人の生産者に貸与する貸し農園の農地でもよい。これにより、できるだけ少ない手間と知識で効率よく農作物を育成することを可能とし、例えば休耕地の活用や生産リスクの低減、生産率向上も期待できる。情報収集装置12は、農家に貸与されるとともに専門のサービス員によってメンテナンスされるものであってよく、情報収集装置12のメンテナンスなど煩わしい作業を自ら行いたくない農家にとっても好適である。消費者にとっては、より品質のよい農作物を効率よく把握して、安全で安心できる農作物を購入することができる。また、育成支援と販売管理を連携させることで、消費者からの評価を育成手法の向上にフィードバックすることができる。
<移動車、充電ベースの外観例>
図2は、情報収集装置12の外観例を模式的に示す。情報収集装置12は、農地38を自律走行する移動車42と、接続された移動車42へ電力供給する充電ベース44と、を備える。なお、本実施形態の情報収集装置12は、移動車42と充電ベース44の組合せを情報収集装置12としているが、変形例においては充電ベース44を除く構成(主に移動車42)を情報収集装置12としてもよい。移動車42は、カメラ46、アーム48、タッチパネル140、バッテリー160を主に有し、農地38を自律走行しながら農作物34を撮影し、農地38の環境情報を測定する。カメラ46は、例えば全方位撮影が可能なカメラであり、農作物34の育成情報として農作物34の実や葉の静止画像または動画像を撮影する他、移動車42の進行方向を決定するために周囲の地形や障害物を撮影する。アーム48は、先端にカメラ46が設置された伸縮可能な長尺部材が基材に連結されて構成され、傾斜動作、伸縮動作、回転動作等の動作によりカメラ46の位置を自在に変化させることができる。タッチパネル140は、ユーザのタッチ操作による情報入力を受け付け、情報を画面に表示する。タッチパネル140の下部にはカメラ46、モータ、アクチュエータ、タッチパネル140、通信機器等に電力供給するバッテリー160が設置される。タッチパネル140には、移動車42の制御に関する設定やバッテリーの残量が表示される他、操作ボタンや非常停止ボタンが表示される。移動車42の後方には、電力供給用のプラグ52が設けられる。移動車42の車輪は通常の車輪でもよいし、無限軌道でもよい。
移動車42には、害獣除けの目的で発光する照明や害獣除けの音声を発するスピーカーが移動車42に設置されてもよい。また、移動車42に対する盗難やいたずら等の防犯目的で、持ち上げられたことを示す警告音をスピーカーから発する機能や、警告音の出力を解除するためにはパスワード認証や顔認証などの生体認証を必要とする機能、不審者の顔や姿を自動撮影する機能が設けられてもよい。また、持ち上げられたことを検知する荷重センサや加速度センサなどの検出器が設けられてもよい。例えば、荷重センサにより検知されるべき自重が検知されなくなったとき、移動車42が持ち上げられたと判定し、移動車42が移動していないにもかかわらず加速度センサにより加速度が検知されたとき、移動車42が持ち上げられたと判定してもよい。
充電ベース44は、移動車42がプラグ52を介して接続されて待機状態となったときに、移動車42を急速充電する。充電ベース44は、農家39の敷地内における生産者21の住宅近傍など電源設備のある場所に設置される。移動車42は、自律的に充電ベース44の場所へ移動し、自律的に充電ベース44に接続して充電する。移動車42は、充電完了状態において、充電ベース44の場所から農地へ移動し、農地内の移動路を巡回した後、充電ベース44の場所へ自動的に帰還し、充電ベース44に接続して再び充電する。充電ベース44は、充電ベース44および移動車42が雨天時に濡れないよう屋根のある場所に設置されるのが好ましい。移動車42が農地への移動および巡回を開始するか否かおよび開始する時刻は、インターネット経由で取得する気象情報に基づいて決定されてもよい。
本実施形態においては、一組の移動車42および充電ベース44で一つの農地38を観測する例を説明するが、変形例においては複数組の移動車42および充電ベース44で一つの農地38を分担して観測する構成としてもよい。本実施形態においては、情報収集装置12として自律走行車を例示するが、変形例における情報収集装置12は、自律歩行式のロボット、田畑だけでなく果樹園や広大な森林、牧草地でも使用できる自律飛行式のマルチコプター(ドローン)、主に水田で使用する自律航行式のボートなど、周囲から情報を収集する自律移動ロボットないし自律移動体であってもよい。または、農地内を移動可能な装置であればよく、自律移動する装置に限られず、あらかじめ決められたルートを自動的に移動する装置や、あらかじめ敷かれたレールや基準マークを辿ることで誘導される装置であってもよい。
<移動車の機能>
図3は、情報収集装置12の機能構成を示す機能ブロック図である。情報収集装置12は、移動車42および充電ベース44を備える。移動車42は、情報取得部100、制御部110、情報入力部120、情報出力部130、タッチパネル140、通信部150、バッテリー160、車輪駆動モータ162、アクチュエータ164、位置取得部170、データ記憶部180を有する。制御部110は、画像解析部111、移動制御部112、機能制御部114を含む。データ記憶部180は、画像記憶部182、情報記憶部184を含む。
各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする電子素子や機械部品などで実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラムなどによって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
情報取得部100は、画像取得部102、環境情報取得部104を含み、農地38の移動路に沿って農作物34の育成情報を取得する。農作物34の育成情報は、農作物34の画像や農地38の環境情報を含む。画像取得部102は、カメラ46を含み、農作物34を撮影して静止画または動画を育成情報として取得する他、周囲の地形や障害物を撮影する。画像取得部102として設けられるカメラは、1台のカメラで構成されてもよいし、それぞれ異なる目的で異なる箇所に設置される複数台のカメラで構成されてもよい。画像取得部102により撮影された撮影画像は画像記憶部182に記憶される他、画像取得部102により撮像されるライブ映像は画像解析部111へ送られる。変形例として、画像取得部102は、カメラで撮影可能な通常の静止画や動画ではなく、サーモグラフのように赤外線を分析して熱分布の画像を取得してもよいし、カラーセンサを用いて色情報を取得してもよいし、赤外線、レーザー、超音波等により障害物の情報を取得してもよい。
環境情報取得部104は、育成情報として、農地38の環境情報を測定する。環境情報取得部104は、周囲の環境情報を測定する周囲測定部105と、土壌36の地表または地中の環境情報を測定する土壌測定部106を含む。周囲測定部105は、例えば、周囲の温度を測定する温度計、周囲の湿度を計測する測定計、照度や日照時間を含む日射量を測定する日射計であってよい。土壌測定部106は、例えば、土壌36の地表や地中の温度を測定する温度計、土壌36の地中水分量を測定する土壌水分計、土壌36の酸度(pH値)を測定する土壌酸度計であってよい。環境情報取得部104により取得された温度、湿度、日射量、土壌温度、土壌水分量、土壌酸性度の情報は、情報記憶部184に記憶される。
画像解析部111は、画像取得部102から送られるライブ映像や撮影画像を解析する。画像解析部111は、周囲を撮像して得られるライブ映像から周囲の地形を解析して、畝と畝間低部の位置関係を認識し、畝間低部を進む方向を移動路として認識し、解析結果を移動制御部112へ送る。
移動制御部112は、認識された移動路を通るように移動車42の移動を制御する。具体的には、移動制御部112は車輪駆動モータ162による駆動力や移動方向を制御することにより、移動車42の移動を制御する。移動制御部112は、左右の車輪を別々に駆動することで移動車42の移動方向を制御してもよいし、車輪の操舵角を制御することで移動車42の移動方向を制御してもよい。
位置取得部170は、育成情報を取得したときの移動路における移動車42の位置情報を取得する。位置取得部170は、測位衛星(例えばGPS、GLONASS、みちびき等)から現在位置の3次元位置情報を受信する。位置情報には、平面座標だけでなく、アーム48の先端位置などの所定部位の高度を示す座標が含まれてもよい。変形例としては、農地38の各所、例えば畝に沿って所定間隔でビーコン発信器を設置しておき、そのビーコン発信器から受信する信号に基づいて移動車42の相対位置を認識してもよい。位置取得部170は、加速度センサやコンパスの情報に基づいて位置情報を認識または補正してもよい。
移動制御部112は、位置取得部170が取得する位置情報と画像解析部111による画像の解析結果に基づいて、あらかじめ設定された農地の範囲内における移動路に沿った移動車42の移動を制御する。移動制御部112は、移動車42の移動結果の履歴として、移動した経路の情報を情報記憶部184に記録する。情報記憶部184に記録した経路の情報は、次回から移動車42の基本的な進路を示すルート情報として読み出され、移動制御部112によって参照されてもよい。移動制御部112は、情報記憶部184に記憶されるルート情報を基礎として移動車42のおおまかな移動方向や移動距離を決定する。その上で、画像解析部111によって認識される周囲の地形の凹凸や障害物を避け、天候や時間経過等による細かな地形の変化に対応してルート情報を修正する。また、移動制御部112は、同じ道を重複して何度も通行するようなルート情報に関しては、学習により重複通行の少ない効率的な進路を割り出してルートを最適化する修正をしてもよい。あるいは、移動制御部112は、ルート情報に基づいておおまかな移動方向だけを決定しつつ、周囲から受信するビーコン信号に基づいてルートを確認しながら移動方向を決定してもよい。移動制御部112は、日によって巡回する方向や順序を変えてもよいし、農地の一部ずつを日替わりで巡回するなど、日によって巡回する領域を変えてもよい。
移動制御部112の制御によって移動車42が移動する間、所定間隔(所定距離間隔または所定時間間隔)で一時停止した上で情報取得部100が農地の環境情報を取得し、画像解析結果に応じて農作物に近づくよう位置調整をして情報取得部100が農作物の画像を取得する。このように、移動制御部112の移動制御によって1台の移動車42が複数箇所を移動して農作物34の画像や農地38の環境情報を取得する。これにより、農地の広範囲にわたって多数箇所にセンサを固定的に設置する従来の方式より、設備投資を軽減でき、設置の手間を低減できる。また、固定的な位置からの定点観測と異なり、農作物34の成長に伴う形状や位置の変化、天候等による農地38の地形の変化にも動的に対応でき、きめ細やかなデータをより安定的に収集することができる。
変形例においては、ルート情報は、ユーザのタッチパネル140への操作入力や、生産者用端末20およびネットワーク18を介した操作入力によりあらかじめ設定されてもよい。その場合、移動制御部112は、あらかじめ設定されたルート情報に基づいて移動車42の移動、移動方向、移動距離を制御する。ルート情報は、農地38における移動車42の移動ルートとして、農地38の畝間低部を結ぶよう定められた通過ポイントの位置情報が連続する情報であり、あらかじめ情報記憶部184に記憶される。生産者21が明示的に設定するルート情報は、タッチパネル140や生産者用端末20を介して設定される方式の他、例えば生産者21による遠隔操作で移動車42を移動させてその経路をルート情報として記録したり、農地において通過すべき複数のポイントに移動車42を運び、ポイントごとにタッチパネル140を操作してその位置情報を順番に記録することによりルート情報を作成したりしてもよい。変形例として、通過すべきポイントの近傍にビーコン発信器やマーカーを設置して、それらを順番に認識させることでルート情報を認識させてもよい。
機能制御部114は、移動車42が有する各種機能の実行を制御する。また、機能制御部114は、画像取得部102により農作物を撮影した場所の位置情報や撮影日時の情報、環境情報取得部104により農地の環境情報を取得した場所の位置情報や取得日時の情報を、それら撮影画像や環境情報と対応づけて情報記憶部184に記憶させる。なお、移動制御部112は、初期的には移動路に沿って所定間隔で一時停止および位置調整をして情報取得することとし、2回目以降は情報記憶部184に記憶された位置情報の履歴に基づいて、前回と同じ位置で一時停止および位置調整をして情報取得をしてもよい。これにより、カメラやセンサを農地の各所に固定的に設置して定点観測する場合と異なり、実際に農作物の株が植えられた位置や株の外形変化に応じて観測位置が動的に最適化される。
機能制御部114は、アクチュエータ164によってアーム48の伸縮、傾斜、回転の動きを制御する。機能制御部114は、画像解析部111によるライブ映像の解析で農作物34が検出された場合に、農作物34の詳細な画像を取得するためにカメラ46を農作物34の方向に近づかせるためのアーム48の動きを制御する。
情報出力部130は、情報取得部100により取得された育成情報を、対応する位置情報や日時情報とともに、充電ベース44または育成支援サーバ14、販売管理サーバ16へ通信部150を介して出力する。通信部150が無線LANや携帯電話通信の機能を有する場合は通信部150からネットワーク18を経由して育成支援サーバ14や販売管理サーバ16へデータが送信され、通信部150がBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信や無線LANなどの通信手段で通信部230とのみ接続される場合は、データはいったん充電ベース44へ送信される。
<充電ベースの機能>
充電ベース44は、情報入力部200、情報出力部210、タッチパネル220、通信部230、機能制御部240、充電制御部250、データ記憶部260を有する。データ記憶部260は、画像記憶部262、情報記憶部264を含む。
通信部230は、移動車42の通信部150との間で、近距離無線通信または無線LANにて接続され、データを送受信する。通信部230は、無線LANや携帯電話通信、インターネットなどのネットワーク18を介し、育成支援サーバ14や販売管理サーバ16との間でデータを送受信する。なお、変形例においては、充電ベース44に通信部230を設けず、移動車42の通信部150が無線LANや携帯電話通信などのネットワーク18を介し、育成支援サーバ14や販売管理サーバ16との間でデータを送受信してもよい。あるいは、通信部150と通信部230の間は近距離無線通信や有線通信でデータの送受信をすることとし、移動車42が充電ベース44に接続されて充電する間だけ通信する方式でもよい。その場合、移動車42は移動中に通信部230との間で原則として通信をせずに消費電力を抑え、取得した画像や環境情報をデータ記憶部180に蓄積しておき、充電時に一度に充電ベース44へ転送する方式となる。
なお、移動車42の移動中に通信部150が通信部230に常時、無線通信で接続する仕様の場合、通信が遮断されたとき、または通信遮断の時間が所定時間を超えたときに、機能制御部240が育成支援サーバ14へ通信が遮断された旨を通知する。その場合、接続時に充電ベース44へ転送された画像に不審者やトラブルの原因が写っている可能性があるため、情報出力部210は通信遮断の直前の画像を育成支援サーバ14へ送信する。これにより、盗難、故障、移動不能、バッテリー切れといったトラブルの可能性を生産者21に知らせることができる。
情報入力部200は、通信部230を介して移動車42から送られるデータを機能制御部240に入力する。タッチパネル220は、ユーザのタッチ操作による情報入力を受け付け、情報入力部200はタッチパネル220に入力された情報を機能制御部240へ入力する。情報出力部210は、移動車42の設定情報やバッテリーの残量をタッチパネル220に表示させる。情報出力部210は、移動車42の設定情報やルート情報を移動車42へ通信部230を介して送信する。
機能制御部240は、充電ベース44が有する各機能を発揮させるプログラム制御をする。機能制御部240は、移動車42から受信した撮影画像を、対応する位置情報や日時情報とともに、育成支援サーバ14または販売管理サーバ16へ送信するまで画像記憶部262に一時的に記憶させる。機能制御部240は、移動車42から受信した環境情報を、対応する位置情報や日時情報とともに、育成支援サーバ14または販売管理サーバ16へ送信するまで情報記憶部264に一時的に記憶させる。
充電制御部250は、移動車42のプラグ52の接続を検知する間、移動車42のバッテリー160に電源供給して充電する。機能制御部240は、充電制御部250を介してバッテリー160の充電状況を示す情報を取得する。
<育成支援サーバ>
図4は、育成支援サーバ14の機能構成を示す機能ブロック図である。育成支援サーバ14は、情報管理部300、解析処理部320、情報入力部330、結果出力部332、通信部334を有する。情報管理部300は、画像記憶部302、情報記憶部304、育成結果記憶部306、解析条件記憶部308、解析結果記憶部310を含む。解析処理部320は、画像解析部322、育成状況解析部326、環境解析部324、支援情報決定部328を含む。
各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする電子素子や機械部品などで実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラムなどによって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
情報入力部330は、情報収集装置12から送信された育成情報、位置情報、日時情報を、通信部334を介して受信する。育成情報として受信した農作物34の撮影画像は、位置情報および撮影日時の情報とともに画像記憶部302に記憶される。育成情報として受信した環境情報は、位置情報および測定日時の情報とともに情報記憶部304に記憶される。育成結果記憶部306には、後述の販売管理サーバ16から受信する消費者23からの農作物34の評価情報が記憶される。農作物34の評価情報は、その販売された農作物34の育成情報に対応づけられる。
解析処理部320は、位置情報や日時情報によって識別される農作物の育成情報を、解析条件記憶部308に記憶される所定のデータ解析条件に基づく処理により解析する。画像解析部322は、撮影画像を解析して、撮影画像から農作物34の実、葉、花、雑草の画像を抽出する。画像解析部322は、実の画像から、実の外形、実の大きさ(面積)、実の色、花の大きさ等を解析する。画像解析部322は、葉の画像から、葉の外形、葉の大きさ(面積)、葉の色等を解析する。画像解析部322は、実、葉、花の画像から虫の画像を抽出し、虫の大きさ(面積)や虫の種類等を解析する。画像解析部322は、農作物34の根元に生えた雑草の画像を抽出し、雑草の外形、雑草の大きさ(面積)、雑草の色、雑草の種類等を解析する。画像解析部322は、撮影画像と位置情報に基づいて、農地内における場所ごとの農作物の生育度合いの違いや虫発生の違いを解析し、同じ農地であっても他の部分と比べて育成状況が劣る場所がある場合にはその旨を示す解析結果を出す。例えば、他の場所に比べて農作物の生育が遅い場所や実の少ない場所、実や葉の色や形が悪い場所、虫発生率が高い場所、雑草が多い場所等を検出する。画像解析部322は、解析結果を育成結果記憶部306に保存する。
環境解析部324は、農地の環境情報を解析して、農作物の周囲や土壌の環境変化を観察する。情報記憶部304に記憶された農地ごと、区画ごと、株ごと、実ごと、ブランドごと、品種ごとの環境情報の履歴に基づいて、環境情報の変化を解析する。環境解析部324は、環境情報と位置情報に基づいて、農地内における場所ごとの環境の違いを解析し、同じ農地であっても他の部分と比べて環境情報が示す状態が劣る場所がある場合にはその旨を示す解析結果を出す。例えば、他の場所に比べて日射量が少ない場所や日照時間の短い場所、土壌の温度が低い場所、土壌の水分量が少ない場所を検出する。環境解析部324は、解析結果を育成結果記憶部306に保存する。
育成状況解析部326は、農作物の撮影画像および環境情報の解析結果と解析条件記憶部308に記憶される解析条件に基づいて、農作物ごとの育成状況を判定するとともに、農作物ごとの品質や収穫時期、異常発生リスク等を予測する。育成状況解析部326は、画像解析部322や環境解析部324よる解析結果に基づいて、一つの農地を農作物および育成環境の良好さに基づいて複数の領域に分け、それぞれをランク別に分類する。
解析条件記憶部308は、画像解析部322、環境解析部324、育成状況解析部326で用いる解析条件を記憶する。解析条件記憶部308が記憶する解析条件は、農作物の品種ごとにあらかじめ設定された、農作物の実、葉、花の外形、大きさ、色等の条件、環境(地中や地上)の温度、湿度、日射量、水分量、酸性度(pH値)等の条件が記憶される。これらの条件は、農作物の評価と対応づけられて統計的に随時分析され、農作物の育成状況や環境を解析することにより最終的な成果物の評価を予測することができる。農作物の育成情報を育成結果記憶部306に蓄積するとともに、その評価情報に基づく教師あり機械学習や深層学習によって農作物の画像や環境情報の解析条件を生成してもよい。これにより、品種ごとにこれまで理想的とされていた育成手法に沿って解析条件を必ずしも細かく定義しておかない場合であっても、消費者からのフィードバックをもとにした学習により、これまでの定石に囚われることなく最適化された育成手法が定義されることが期待できる。
農作物の育成状況や農地の環境情報と評価の関係性に関するデータは、生産者ごとに集積されるだけでなく、農作物の種類ごと、品種ごと、地域ごと等の様々な単位で集積される。生産者ごとのデータ解析だけでなく、より大きな規模のデータ集合に対して解析することによって、より精度の高い解析結果を得ることができる。その場合、農家によって生産規模は様々であるため、特定単位のデータ集合に収集されるデータ量の規模によってデータ集合に対する各生産者の寄与度や貢献度は異なる。そこで、生産者にデータ収集協力へのインセンティブを付与するために、例えば特定単位でのデータ収集に協力する場合に限り、その収集先のデータ集合の解析結果を得られる仕組みを設けてもよい。あるいは、例えば農作物育成販売支援システム10の利用料金を、データ集合への寄与度の大きさに応じて減額する仕組みとしてもよい。なお、データの規模は、データ容量、画像数、動画時間、株数等によって算定されてもよい。
支援情報決定部328は、画像の解析結果、環境の解析結果、育成状況の解析結果に基づいて、支援情報を決定する。例えば、画像の解析や土壌の水分量の解析から水分不足と判定された場合には、「水分が不足しています」や「水やりをしてください」といった生産者に水やりを促す内容にて支援情報の出力を決定する。例えば、土壌のpH値の解析から肥料不足と判定された場合には、「肥料が不足しています」や「肥料を撒いてください」といった生産者に肥料を撒くことを促す内容にて支援情報の出力を決定する。例えば、同じ種類の農作物が連続して同じ場所で栽培され、農作物の収穫ごとに土壌の養分減少が見られた場合には、連作障害の可能性を示す支援情報の出力を決定する。例えば、解析の結果、間引きが必要と判断された畝30または株に対して間引きの推奨や間引きに適したタイミングや個数を提示する支援情報の出力を決定する。例えば、同じ株に収穫時期に達した農作物34と収穫時期に達していない農作物34が混在する場合には、株ごとに何個の農作物34が収穫可能であるかを示す支援情報の出力を決定する。例えば、農地が日射量の多い場所と少ない場所に分かれるなど、環境に大きな差がある場所があることが解析された場合には、次の種植え時期には環境の劣る場所にどのような種類の種を蒔くのが望ましいかといった効果的な種植え方法を推奨する支援情報の出力を決定する。あるいは、環境の解析結果に応じて、固定種(在来種)等の育成が比較的に難しいとされる生育対象を育成する場合の望ましい育成方法を指導する内容にて支援情報の出力を決定してもよい。このように、支援情報決定部328は、画像解析、環境情報の解析、育成状況の解析の組合せに基づいて判定可能な項目について支援情報を決定することができる。結果出力部332は、農作物34の育成に関する支援情報を通信部334を介して送信する。
<販売管理サーバ>
図5は、販売管理サーバ16の機能構成を示す機能ブロック図である。販売管理サーバ16は、情報管理部400、販売処理部420、情報入力部430、情報出力部432、通信部434を有する。販売処理部420は、商品表示部422、取引処理部424、決済処理部426、評価処理部428を含み、商品である農作物の販売サイトの表示およびデータ入出力等を処理する。情報管理部400は、画像記憶部402、情報記憶部404、商品情報記憶部406、取引記憶部408、評価記憶部410を含み、農作物の販売サイトで入出力される情報が記憶される。
各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする電子素子や機械部品などで実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラムなどによって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
情報入力部430は、情報収集装置12または育成支援サーバ14から通信部434を介して農作物の育成情報を取得し、農作物の画像を画像記憶部402に保存し、農作物の育成状況に関する情報を情報記憶部404に保存する。商品情報記憶部406には、商品として販売の対象となる農作物の情報が保存され、画像記憶部402および情報記憶部404に記憶される農作物ごとの育成中の画像や育成状況の情報との対応関係が商品情報記憶部406に記憶される。商品情報記憶部406に記憶される農作物の商品情報は、例えば、農作物の種類、品種、生産地域、生産者名、収穫日または収穫予定日、出荷予定日、価格、数量等、商品の販売にあたって消費者による購入に参考となる情報が含まれる。情報記憶部404に記憶される農作物の育成状況の情報は、例えば、農作物の大きさ、形状、色などの特徴、ランク、肥料や農薬などの育成条件、糖度等、農作物の個体差や品質を消費者が推測する上で参考となる情報が含まれる。
商品表示部422は、商品情報記憶部406に記憶される農作物の商品情報、画像記憶部402に記憶される農作物の画像、情報記憶部404に記憶される農作物の育成状況の情報を、商品ごとに表示するための商品販売サイトの画面を生成する。情報出力部432は、農作物の商品情報、画像、育成状況等の情報を、消費者用端末22からの閲覧要求への応答として商品販売サイトの画面のかたちで通信部434を介して消費者用端末22へ送信する。消費者23は、消費者用端末22を用いてネットワーク18経由で商品販売サイトを閲覧することができる。取引処理部424は、消費者用端末22との間で、商品の販売取引を処理する。例えば、消費者用端末22からの注文品名、注文点数、消費者23の住所と氏名、決済方法、配達方法等の販売情報を処理する。情報入力部430および情報出力部432は、通信部434を介して消費者用端末22との間で商品の販売情報を送受信する。変形例として、取引処理部424は、図示しない外部のオンラインショッピング用サーバを利用して取引を処理してもよい。消費者23からの注文情報は取引記憶部408に保存される。決済処理部426は、商品の注文に対する電子決済を処理する。ただし、決済処理部426は、図示しない外部の決済用サーバを利用して決済を処理してもよい。
評価処理部428は、消費者用端末22から送信される農作物の評価情報を、通信部434、情報入力部430を介して取得し、評価記憶部410に保存する。農作物の評価情報は、商品として農作物を購入した消費者23からの評価であり、例えば農作物の品質に関する複数の評価項目に対する消費者23の回答が複数段階の評価のかたちで含まれる。情報出力部432は、農作物の評価情報を通信部434を介して育成支援サーバ14や生産者用端末20へ送信する。生産者21は生産者用端末20を操作して、消費者からの評価情報を受け取ることができ、生産者21にとって励みとなり、農作物育成のモチベーション向上に繋がる。育成支援サーバ14においては、農作物の評価を農作物の育成手法に対するフィードバックとして利用する。具体的には、育成支援サーバ14は、農作物の育成情報と評価の関係を学習することにより、高評価が得られやすい農作物の育成手法や育成条件を割り出すことができる。このように、農作物を購入した消費者による評価が農作物の育成手法にも直接フィードバックされることから、消費者はさらに品質のよい農作物を得ることが期待でき、または、より安定して品質のよい農作物を得ることが期待できる。
<移動範囲の設定>
図6は、移動車の移動範囲を設定する画面例の図である。図は例えば農家39を上空から撮影した航空写真または地図であり、敷地とその周辺道路や隣接する土地が含まれた画像である。そのような画像が移動車42のタッチパネル140や充電ベース44のタッチパネル220、もしくは生産者用端末20の画面に表示され、生産者21が「敷地」「農地」「ベース」の場所を指定する。例えば「敷地」すなわち生産者21が所有する土地全体の外縁を太い破線でなぞり、これを移動車42が移動可能な最大範囲として設定する。また、「農地」の外縁を太い実線でなぞり、これを移動車42が育成情報を取得する対象となる範囲として設定する。また、「ベース」の場所を斜線模様の矩形で指定し、移動車42の充電場所、すなわち稼働時においては出発および帰還地点となり、非稼働時においては待機地点となる場所として設定する。これらの設定は、情報記憶部404に記憶される他、情報記憶部184や情報記憶部264にも記憶される。その他、「ベース」が「農地」から離れている場合に「ベース」から「農地」までの通行ルートを指定してもよい。
<移動車のルート>
図7は、農地38における移動車42のルートを模式的に示す。本図では、農地38にて形成された5本の畝30が平行に並んだ部分の例が描かれ、畝30と畝30の間には畝30より相対的に低い位置となる畝間低部32が形成されている。畝30aでは農作物34a〜34fが栽培され、畝30bでは農作物34g〜34lが栽培され、畝30cでは農作物34m〜34rが栽培され、畝30dでは農作物34s〜34xが栽培されている。移動車42は、畝間低部32に沿って、すなわち畝30aと畝30bの間、畝30bと畝30cの間、畝30cと畝30dの間、畝30dの畝30eの間を縫って通行する。本図の例では、まず図6で指定された「ベース」すなわち充電ベース44の位置から本図の右上の位置まで移動車42が移動し、そこから左方向、下方向、右方向、下方向、左方向、下方向、右方向の順に一筆書きで連続的にSの字を描くようにジグザグ状のルート33に沿って通行する。すべての畝間低部32を巡回した後で、充電ベース44の位置に帰還する。
ここでいう農作物34は、例えばトマトのように一株に複数個の実がなる農作物であり、所定間隔で植えられた農作物34aの株、農作物34bの株、農作物34cの株のそれぞれに複数個ずつの実がなる。複数個の実は、同じ株に含まれていても生育速度が一定とは限らないため、収穫時期が少しずつ異なる場合がある。移動車42は、ルート33に沿って畝間低部32を移動しながら複数の農作物34をカメラ46で順次撮影して画像を取得し、また、農地38の環境情報を取得する。図においては、便宜上、農作物34a、農作物34b、農作物34c等の株同士が離れているように描いているが、実際には農作物34同士の間隔は開かず、特に農作物34の生育が進んで葉が多くなるほど株同士の境目が不明瞭となって農作物34の間隔は連続的となる。
本図の例では、移動車42は図の右上から農地38内の移動を開始する。開始位置は、この農地38で初めて情報収集装置12を使用するときに、生産者21が手作業で移動車42を図の右上の開始位置に運搬することで開始位置を指定してもよいし、図6に示す農地38の範囲設定において農地38の隅の位置を観測開始位置として指定してもよい。あるいは、図6の範囲設定において位置取得部170が取得する位置情報をもとに自律的に農地38の隅へ移動して開始位置に決定する仕様でもよい。開始位置においてカメラ46で撮像するライブ映像において畝30aと畝間低部32の地形を認識し、畝間低部32に沿って進行方向を選択する。
農地38での移動開始時点での画像解析で、畝間低部32の進行方向に向かって左右の片側に畝30が形成されている場合は、その畝30がある側を中心に画像取得部102は農作物34を撮影する。畝間低部32の左右両側に畝30が形成されている場合、農地38と移動車42の相対的な位置関係に応じてどちらの側を中心に農作物34を撮影するかを決定する。例えば、農地38の右端から移動開始する場合は進行方向に向かって右側の畝を中心に撮影し、農地38の左端から移動開始する場合は進行方向に向かって左側の畝を中心に撮影する。本図の例では右側の畝を中心に撮影開始する例を示す。このとき、アーム48を伸ばして右側へ回転または傾斜させることで、右側の農作物にカメラ46を近づける。移動制御部112はルート33に沿って所定間隔で一時停止するとともに、カメラ46で撮像するライブ映像から農作物(例えばトマトであれば赤い実)が検出されるたびに、その農作物を撮影することで、農作物34a、農作物34b、農作物34cの順に撮影する。また、農作物34の撮影時の位置情報を撮影画像と対応づけるとともに、撮影位置として観測点35a,35b,35cのように位置情報を記録する。このようにして、農作物34a,34b,34c,34d,34e,34fを撮影するとともに、観測点35a,35b,35c,35d,35e,35fの位置情報を記録する。なお、各観測点において農作物の撮影とともに同じ位置で環境情報の取得も行うが、以下において説明の便宜上、環境情報の取得の説明を省略する。
観測点35fを過ぎて、農地38の境界近辺に差し掛かったところで図の下方向(進行方向に向かって左)へ曲がって進み、畝30bと畝30cの間の畝間低部32を認識したところで図の右方向(進行方向に向かって左)へ曲がって進む。次の撮影対象となる畝は進行方向の左側に切り替わるため、アーム48を左側へ回転させて左側の農作物にカメラ46を近づける。ルート33に沿って所定間隔で一時停止し、次の農作物が検出されるたびに撮影することで、農作物34g,34h,34i,34j,34k,34lを撮影するとともに、観測点35g,35h,35i,35j,35k,35lの位置情報を記録する。観測点35lを過ぎて、農地38の境界近辺に差し掛かったところで図の下方向(進行方向に向かって右)へ曲がって進み、畝30cと畝30dの間の畝間低部32を認識したところで図の左方向(進行方向に向かって右)へ曲がって進む。次の撮影対象となる畝は進行方向の右側に切り替わるため、アーム48を右側へ回転させて右側の農作物にカメラ46を近づける。ルート33に沿って所定間隔で一時停止し、次の農作物が検出されるたびに撮影することで、農作物34m,34n,34o,34p,34q,34rを撮影するとともに、観測点35m,35n,35o,35p,35q,35rの位置情報を記録する。観測点35rを過ぎて、農地38の境界近辺に差し掛かったところで図の下方向(進行方向に向かって左)へ曲がって進み、畝30cと畝30dの間の畝間低部32を認識したところで図の右方向(進行方向に向かって左)へ曲がって進む。次の撮影対象となる畝は進行方向の左側に切り替わるため、アーム48を左側へ回転させて左側の農作物にカメラ46を近づける。ルート33に沿って所定間隔で一時停止し、次の農作物が検出されるたびに撮影することで、農作物34s,34t,34u,34v,34w,34xを撮影するとともに、観測点35s,35t,35u,35v,35w,35xの位置情報を記録する。このようにして、農地38の全体を巡回してすべての農作物34を撮影し、また、環境情報を取得する。
<アーム制御>
図8は、農地38の畝30と畝間低部32と移動車42の位置および動作の関係を模式的に示す図である。本図は、移動車42が農地38内で観測開始した直後の状態を示し、進行方向に向かって右側に畝30aが形成され、左側に畝30bが形成され、畝30aと畝30bの間に形成される畝間低部32に沿って進行する。このとき、カメラ46が撮像するライブ映像を解析することで、畝30aと畝30bの地形および畝間低部32の地形を認識して、その認識結果に基づいて畝間低部32を進行する。移動車42は、所定距離または所定時間の間隔で一時停止し、アーム48を伸ばして右側へ回転または傾斜させることで、右側の農作物34aにカメラ46を近づけ、その状態でカメラ46で農作物34を撮影する。なお、アーム48を制御してハイアングルとローアングルを切り替えて、葉の表と裏を順次撮影してもよいし、カメラ46としてハイアングル用とローアングル用の複数のカメラを設けることとし、葉の表と裏を同時に撮影する仕様としてもよい。
カメラ46で農作物34を撮影するとともに、アーム48に設けられた周囲測定部105で周囲(地上)の温度、湿度、日射量等の環境情報を取得する。移動車42が一時停止する間隔は、農作物34の成長に応じて変化させてもよい。例えば、農作物34が成長するほど移動車42の一時停止の間隔を短くしてもよい。また、移動車42の底面から1本または複数本の土壌センサ(土壌測定部106として例えば温度計、土壌水分計、土壌酸度計など)を突き出し、土壌36の中に差し込み、赤外線や電気抵抗等によって土壌36の温度、水分量、酸性度(pH値)等を測定して各種環境情報を取得する。なお、カメラ46で農作物34を撮影する間隔と環境情報を測定する間隔は、異なる距離間隔または異なる時間間隔であってよい。環境情報の測定間隔は、必ずしも農作物34の栽培間隔や撮影間隔と同じである必要はなく、環境情報の測定間隔の方が長くてもよい。むしろ、環境情報の測定は一つの農地38において数カ所だけ測定すれば足りる場合もあり、農地の広さに応じて定められてもよい。また、周囲測定部105による環境情報の取得は、移動車42を一時停止する必要がないため、移動中も常時測定してもよい。農作物の撮影間隔もまた、農作物の品種によっては生育に個体差が少ない等の理由から一つの農地38において数カ所だけ撮影すれば足りる場合もあるため、農作物の品種に応じて撮影間隔が定められてもよい。農作物を動画で連続的に撮影し、動画から画像解析で抽出される農作物ごとにトリミングした静止画を保存してもよい。
変形例として、土壌測定部106として土壌センサを突き出す代わりに、土を掬い上げる採取片を土壌36に投入して土を採取し、採取した土から地中の温度、水分量、pH値等の環境情報を取得してもよい。別の変形例としては、複数本の土壌センサを収納しておき、土壌36の複数箇所に土壌センサを差し込んでその場をいったん離れる。移動車42は、所定時間経過後に同じルートを通行して土壌36に差し込んだ複数本の土壌センサを順次回収し、その土壌センサによって測定された環境情報を取得してもよい。
図9は、生産者用端末20に表示される画面例の図である。生産者用端末20には、図示するような生産者端末画面500が表示され、農作物の育成に有用な各種情報が生産者21に提示される。生産者端末画面500には、育成状況欄502、支援情報欄504、画像表示欄506が設けられる。
育成状況欄502には、農地38内の畝の配置図が表示されるとともに、環境情報が取得された地点、生産者に通知すべき事項が生じている地点、環境の問題が生じている地点、環境面で改善すべき事項が発生している地点等の位置が配置図に示される。例えば、農地38内で害虫が発生している地点や水や肥料が不測している地点、収穫時期を迎えた地点、日射量が少ない地点、実や葉に異常が生じている地点、雑草が多い地点等が配置図に示される。育成状況欄502には、育成結果記憶部306に記憶された環境情報として、地上の温度、湿度、日射量、土壌温度、土壌水分量、土壌酸性度等の情報や、解析結果記憶部310に記憶された、各種環境情報における問題点や改善点が文章で表示されてもよい。
支援情報欄504には、解析結果記憶部310に記憶される支援情報が文章で表示される。例えば「収穫してください」「水やりをしてください」「肥料を撒いてください」「間引きしてください」といった文章や育成手法を指導する内容の文章など、農作物の育成において生産者21にとって有用となる情報が文章で表示される。
画像表示欄506には、画像記憶部302に記憶された農作物の撮影画像、例えば実や葉の写真の他、農作物に付着した虫の画像や農作物の根元に生えた雑草の画像も表示される。画像表示欄506には、育成結果記憶部306に記憶された農作物の実の外形、大きさ、色、花の大きさ、葉の外形、大きさ、色、虫の大きさや種類、雑草の外形、大きさ、色、種類等の情報が表示される。
このように、農業の知識やノウハウが必ずしも十分でない生産者に対しても、従来曖昧であったノウハウを、画像や数値を用いてきめ細かく伝達することができ、生産者の負担軽減と技術向上の両立を図ることができる。
図10は、消費者用端末22に表示される画面例の図である。消費者用端末22には、図示するような消費者端末画面510が表示され、農作物の販売に必要な情報と購入にあたって消費者23に有用な各種情報が提示される。消費者端末画面510には、複数の商品欄として、第1商品欄512、第2商品欄514等が表示される。各商品欄には、商品内容を説明するための商品情報とその商品に関して消費者にとって有用な情報とが表示される。具体的には、農作物の画像とその撮影日時の情報が表示されるとともに、購入にあたって参考となる情報として、生産者、出荷予定日、品種、農薬の使用有無や種類、肥料の種類、値段等が表示される。農作物の画像は、収穫後の場合は収穫された農作物の画像が表示される他、収穫前の育成中の画像を表示することができ、消費者23は自身の操作によって育成中に遡って画像を閲覧することができる。また、収穫前の農作物の画像を記憶しているため、収穫前から農作物を出品できる。そのため、収穫前から注文を受けることで、収穫から速やかに配送することが可能となり、より新鮮なまま消費者23に農作物を届けることができる。そのような場合であっても、消費者23は随時、消費者用端末22を介して収穫前の農作物の状態や育成状態、収穫予定日を確認できるため安心して商品を購入することができる。
<観測点決定方法・変形例1>
農地38での移動過程における農作物34の撮影と環境情報の取得する観測点位置の決定方法として、第1の変形例においては、畝間低部32に沿ったルートを複数の区画に分割し、分割した区画ごとに農作物34の撮影、環境情報の取得、位置情報の取得を実行する。
図11は、第1の変形例におけるルートの分割を模式的に示す図である。図6のように範囲設定された「農地」の部分にあらかじめ設定されるルート情報において、平行に並ぶ複数の畝30および畝間低部32に直行する方向に複数の分割線31a〜31gを想定してその線により畝30および畝間低部32を複数の区画に分割する。移動車42は、ルート情報をもとに、設定された複数の区画を巡回するように進行するとともに、区画ごとに一時停止してそれぞれを観測点35a〜35xとして農作物34の撮影、環境情報の取得、位置情報の取得を実行する。この態様によっても、効率的に農地の育成情報を取得することができる。
<観測点決定方法・変形例2>
農地38での移動過程における農作物34の撮影と環境情報の取得する観測点位置の決定方法として、第2の変形例においては、畝間低部32に沿って移動しながら日射量を常時測定し、その日射量の変化が所定の閾値を超えた地点を観測点に決定して農作物34の撮影、環境情報の取得、位置情報の取得を実行する。
図12は、第2の変形例における観測点位置の決定方法を模式的に示す図である。図においては、ある日時において右側約3/4が日向となり、左側約1/4が日陰となっている状態を示す。日向状態となっている区域、すなわち相対的に日射量が多い区域を日向区域40とし、日陰状態となっている区域、すなわち相対的に日射量が少ない区域を日陰区域41とする。まず畝間低部32のルート33に沿って移動車42が移動を開始し、日向区域40である開始直後の観測点35aにて農作物34の撮影、環境情報の取得、位置情報の取得を実行する。その後、周囲測定部105により日射量を常時観測しながら移動車42は移動し、日向区域40から日陰区域41に入ったところで日射量の減少が所定の閾値を超えたことが検出され、その地点を次の観測点35bに決定して農作物34の撮影、環境情報の取得、位置情報の取得を実行する。再びルート33に沿って移動した後、日陰区域41から日向区域40に入ったところで日射量の上昇が所定の閾値を超えたことが検出され、その地点を次の観測点35cに決定して農作物34の撮影、環境情報の取得、位置情報の取得を実行する。このように日向区域40と日陰区域41の境界を挟んだ複数の観測点35b、35c、35d、35eの各点で農作物34の撮影、環境情報の取得、位置情報の取得を実行する。
なお、本図の例では日向区域40と日陰区域41のように農地38を2区域に分ける前提で閾値を設定する仕様を説明したが、周囲の木々や建造物などにより日射が遮られる場所がある農地を除けば、場所による日射量の違いは必ずしも顕著ではなく、日射量が急激に変化する境界が存在するとは限らない。よって、日射量変化の閾値を小さくとる代わりに、日射量の違いにより3区域以上に細かく分ける仕様としてもよい。また、日向区域40と日陰区域41の場所や境界は日時によって変化するため、農作物34の画像や農地の環境情報の取得を日々繰り返して情報を多く蓄積するほど、日照条件の違いによる農作物への影響を精度よく解析できる。この態様によれば、日照条件の異なる区域の境界近辺を中心に農作物34の画像や環境情報を取得でき、日照条件の違いによる農作物への影響をより細かく解析することが期待できる。
(第2実施形態)
本実施形態における移動車42は、除草機能を有する点で第1実施形態の移動車42と相違する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
図13は、第2実施形態における移動車42の外観例の図である。移動車42のアーム48の上端近傍の左右両側には、全体を伸縮できる2本の長尺状の除草アーム62a,62bが設けられる。除草アーム62a,62bの先端は複数の細い棒に枝分かれしたフォーク状に形成される。アクチュエータ164は、周囲に背丈のある雑草や畝30などの高所に雑草が検出されたときに、アーム48や除草アーム62a,62bを伸縮させるとともに、除草アーム62a,62bの先端を雑草に絡ませながら回転させて雑草をねじり切る。図の状態では移動車42の進行方向に向かって左右両側の雑草を除去できるが、アーム48を回転することで移動車42の前方や斜め前方の雑草を除去することも可能である。
図14は、第2実施形態における移動車42の底面図である。移動車42の底面には、移動車42の下方に生えた雑草を除去するための除草回転刃60a,60bが設けられる。アクチュエータ164は、除草回転刃60a,60bをモータで回転させることで、移動車42の下方に生えた雑草を短く切断する。移動車42の底面における除草回転刃60a,60bの間には、底面カメラ58が設けられる。底面カメラ58は、その画角を通過する除草回転刃60a,60bを撮像し、その画像を画像解析部111が解析することで除草回転刃60a,60bの欠けの有無などの状態を監視する。移動車42の底面には、土壌測定部106がさらに設けられる。
図15は、畝および畝間低部における雑草除去を模式的に示す図である。図では移動車42の側方から示しており、移動車42は畝間低部32を移動し、図の奥側には畝間低部32より一段高く畝30が形成される。図示するように、移動車42が畝間低部32を移動する間、移動車42の底面に設けられた除草回転刃60が移動車42の下方に生えた雑草64を切断する。除草アーム62a,62bは、一段高い位置の畝30に生えた雑草64をねじり切る。除草回転刃60による除草は移動車42が移動中も常時可能であるのに対し、除草アーム62による除草は、例えば農作物34の撮影や環境情報の取得のために移動車42が一時停止する間に、アーム48を伸縮、傾斜、回転させ、除草アーム62を伸縮させて、周囲の雑草64を除去する仕様でもよい。なお、変形例として、切り取った雑草をかき集めるためのレーキ状の部材を設置してもよい。
以上、本発明の実施形態を説明した。上述の各実施形態はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。上述の実施形態によれば、効果的に農作物の情報を取得して農家を支援することができる。
本発明のある態様の農作物育成支援システム(10)は、情報収集装置(12)と育成支援サーバ(14)を備えるシステムであって、情報収集装置(12)は、農地(38)における移動の過程で農作物(34)の育成情報を取得する情報取得部(100)と、育成情報を出力する情報出力部(130)と、を有し、育成支援サーバ(14)は、育成情報が入力される情報入力部(330)と、育成情報を解析する解析処理部(320)と、解析の結果として、農作物(34)の育成に関する支援情報を出力する結果出力部(332)と、を有する。
ここで「情報収集装置」は、自律走行式の車、自律歩行式のロボット、自律飛行式のマルチコプター、自律航行式のボートなど、周囲から情報を収集する自律移動ロボットないし自律移動体であってよく、その充電や通信中継のための機器を含んでもよい。また「情報収集装置」は、農地内を移動可能な装置であればよく、自律移動する装置に限られず、あらかじめ決められたルートを自動的に移動する装置であってもよい。「農作物の育成情報」は、情報収集装置の周囲から情報取得部によって取得可能な視覚的情報、数値情報、検出情報であってよく、例えば農作物の画像や周囲の環境情報、土壌の環境情報などの農作物の生産者または消費者等にとって所定判断の参考となる有用な情報であってもよい。「支援情報」は、農作物の生産者にとって農作物の育成に参考となる情報であってもよいし、農作物の消費者にとって農作物の品質を把握するのに参考となる情報であってもよい。
この態様によると、農地に多くの固定観測点を設置することなく観測範囲内できめ細かく効果的に育成情報を収集でき、効果的に農家や消費者に有用な支援情報を提供できる。
情報収集装置(12)は、育成情報を取得したときの情報収集装置(12)の位置情報を取得する位置取得部(170)をさらに有してもよい。情報出力部(130)は、位置情報をさらに出力し、情報入力部(120)は、位置情報がさらに入力され、解析処理部(320)は、位置情報に基づいて育成情報を解析してもよい。「位置情報」は、測位衛星から受信する3次元位置情報であってもよいし、周囲から受信するビーコン信号や各種センサによるマーカー検出に基づく相対的な位置情報であってもよい。この態様によると、育成情報を取得した位置を特定することで、農作物の個体を識別しやすくすることができ、より細かい農作物の育成対策を施すことができる。
情報取得部(100)は、育成情報として、農作物(34)の撮影画像を取得してもよい。「撮影画像」は、静止画と動画のいずれであってもよい。この態様によると、農地に多くの固定観測点を設置することなく観測範囲内できめ細かく画像を収集でき、画像の解析を通じてより有用な情報が得られる。
情報取得部(100)は、育成情報として、農地(38)の環境情報を測定してもよい。「環境情報」は、例えば周囲の温度や湿度、日射量、土壌の温度や水分量、酸性度などの環境を示す情報であってもよい。この態様によると、農地に多くの固定観測点を設置することなく観測範囲内できめ細かく農地の状況を観測でき、より細かい育成管理をすることができる。
情報取得部(100)は、移動の経路(33)を分割した区画毎に育成情報を取得してもよい。例えば「移動の経路」としてあらかじめルートを設定する場合に、そのルートを所定距離や所定面積などの所定規則で分割してもよい。この態様によると、情報収集装置による環境情報測定の負担を、常時測定に比べて、抑制できる。
情報取得部(100)は、移動の経路(33)に沿って所定間隔で育成情報を取得してもよい。「所定間隔」は、所定の距離間隔であってもよいし、所定の時間間隔であってもよい。この態様によると、情報収集装置による環境情報測定の負担を、常時測定に比べて、抑制できる。
本発明の別の態様は、情報収集装置(12)である。この装置(12)は、農地(38)における移動の過程で農作物(34)の育成情報を取得する情報取得部(100)と、育成情報を解析する育成支援サーバ(14)へ所定手段を介して育成情報を出力する情報出力部(130)と、を有する。
ここで「所定手段」は、近距離無線通信や無線LANなどの通信手段であってもよいし、情報収集装置の充電や通信の中継を行う機器であってもよい。この態様によると、農地に多くの固定観測点を設置することなく観測範囲内できめ細かく育成情報を収集でき、農家や消費者に有用な情報を提供できる。
本発明のさらに別の態様は、育成支援サーバ(14)である。この育成支援サーバ(14)は、農地(38)における移動の過程で農作物(34)の育成情報を取得する情報収集装置(12)が出力した育成情報が入力される情報入力部(120)と、育成情報を解析する解析処理部(320)と、解析の結果として、農作物(34)の育成に関する支援情報を出力する結果出力部(332)と、を有する。
この態様によると、農地に多くの固定観測点を設置することなく観測範囲内できめ細かく育成情報を収集でき、農家や消費者に有用な情報を提供できる。
本発明のさらに別の態様は、農作物販売支援システム(10)である。この農作物販売支援システム(10)は、情報収集装置(12)と販売管理サーバ(16)を備えるシステムであって、情報収集装置(12)は、農地(38)における移動の過程で農作物(34)の育成情報を取得する情報取得部(100)と、育成情報を出力する情報出力部(130)と、を有し、販売管理サーバ(16)は、育成情報が入力される情報入力部(430)と、育成情報と農作物の販売情報を出力する情報出力部(432)と、を有する。
この態様によると、農地に多くの固定観測点を設置することなく観測範囲内できめ細かく育成情報を収集でき、農家や消費者に有用な情報を提供できる。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、プログラム、プログラムを記憶した一時的なまたは一時的でない記憶媒体、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
10 農作物育成販売支援システム、 12 情報収集装置、 14 育成支援サーバ、 16 販売管理サーバ、 34 農作物、 38 農地、 100 情報取得部、 110 制御部、 112 移動制御部、 120 情報入力部、 130 情報出力部、 170 位置取得部、 200 情報入力部、 210 情報出力部、 320 解析処理部、 330 情報入力部、 332 結果出力部、 430 情報入力部、 432 情報出力部。

Claims (9)

  1. 情報収集装置と育成支援サーバを備えるシステムであって、
    前記情報収集装置は、
    農地における移動の過程で農作物の育成情報を取得する情報取得部と、
    前記育成情報を出力する情報出力部と、
    を有し、
    前記育成支援サーバは、
    前記育成情報が入力される情報入力部と、
    前記育成情報を解析する解析処理部と、
    前記解析の結果として、農作物の育成に関する支援情報を出力する結果出力部と、
    を有することを特徴とする農作物育成支援システム。
  2. 前記情報収集装置は、前記育成情報を取得したときの前記情報収集装置の位置情報を取得する位置取得部をさらに有し、
    前記情報出力部は、前記位置情報をさらに出力し、
    前記情報入力部は、前記位置情報がさらに入力され、
    前記解析処理部は、前記位置情報に基づいて前記育成情報を解析することを特徴とする請求項1に記載の農作物育成支援システム。
  3. 前記情報取得部は、前記育成情報として、前記農作物の撮影画像を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の農作物育成支援システム。
  4. 前記情報取得部は、前記育成情報として、前記農地の環境情報を測定することを特徴とする請求項1または2に記載の農作物育成支援システム。
  5. 前記情報取得部は、前記移動の経路を分割した区画毎に前記育成情報を取得することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の農作物育成支援システム。
  6. 前記情報取得部は、前記移動の経路に沿って所定間隔で前記育成情報を取得することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の農作物育成支援システム。
  7. 農地における移動の過程で農作物の育成情報を取得する情報取得部と、
    前記育成情報を解析する育成支援サーバへ所定手段を介して前記育成情報を出力する情報出力部と、
    を有することを特徴とする情報収集装置。
  8. 農地における移動の過程で農作物の育成情報を取得する情報収集装置が出力した前記育成情報が入力される情報入力部と、
    前記育成情報を解析する解析処理部と、
    前記解析の結果として、農作物の育成に関する支援情報を出力する結果出力部と、
    を有することを特徴とする育成支援サーバ。
  9. 情報収集装置と販売管理サーバを備えるシステムであって、
    前記情報収集装置は、
    農地における移動の過程で農作物の育成情報を取得する情報取得部と、
    前記育成情報を出力する情報出力部と、
    を有し、
    前記販売管理サーバは、
    前記育成情報が入力される情報入力部と、
    前記育成情報と農作物の販売情報を出力する情報出力部と、
    を有することを特徴とする農作物販売支援システム。
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