JP2019094788A - 高圧燃料ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、アンカーと固定コアとの衝突時の低騒音化を実現できる高圧燃料ポンプを提供することにある。【解決手段】高圧燃料ポンプの電磁弁は固定コア35と弁座44と可動子31,34,98と可動子の変位を制限する変位制限部とを備える。可動子は、弁座44と協働して燃料通路を開閉する弁体31と、固定コア35との間で磁気吸引力が作用することにより弁体31の開閉弁方向に変位可能に設けられた可動コア34と、可動コア34に対して開閉弁方向に相対変位可能に設けられ可動コア34との係合部45において可動コア34と弁体31との間に作用する付勢力を中継する中継部材98と、を備える。変位制限部35は、可動コア34が固定コア35の側に向かう変位を制限された状態で、係合部45において可動コア34と弁体31とが分離された状態となるように、中継部材98の変位を制限する。【選択図】図3B
Description
本発明は、燃料の圧力を高めて吐出する高圧燃料ポンプに関する。
本発明の背景技術として、特開2016−142143号公報(特許文献1)に記載された高圧燃料ポンプが知られている。特許文献1の高圧燃料ポンプでは、電磁弁の可動部は、固定コアと衝突して停止するアンカーと、衝突後も運動を続けるロッドと、から構成されている(要約及び段落0091参照)。異音(衝突音)の大きさは衝突時のエネルギの大きさに影響を受ける。そこで、この電磁弁は、衝突エネルギを小さくするために、衝突時にアンカーの質量のみで異音が発生し、ロッドの質量が衝突エネルギに寄与しないようにしている(段落0092参照)。
内燃機関では、低騒音化と高出力化及び低排気化とが進められている。このため、高圧燃料ポンプには、内燃機関のアイドル運転時における駆動騒音の低減と、高出力化及び低排気化に対応する吐出燃料の大流量化や高圧化が強く求められている。なかでも電磁弁は駆動騒音の発生に大きく寄与する部品であり、電磁弁の低騒音化は重要な課題のひとつである。電磁弁の衝突音を低減する例として、特許文献1の構造が挙げられる。
特許文献1の電磁弁では、衝突エネルギの関係する要因のうち衝突質量に着目している。しかし衝突音の大きさには、衝突時の衝突質量だけでなく、衝突速度も影響する。
特許文献1の構造では、アンカーと固定コアとの衝突直前でアンカーに作用する流体抵抗力が増加し、アンカーの速度が低減する可能性がある。しかしながら、アンカーが減速する区間は限られているため、十分に減速することは困難である。その結果、アンカーは十分に減速されないまま大きな速度で固定コアに衝突することとなる。特許文献1ではアンカーの減速に対する配慮がなく、アンカー(可動コア)と固定コア(変位制限部)との衝突時における更なる低騒音化を実現できる可能性がある。
本発明の目的は、可動コアと変位制限部との衝突時の低騒音化を実現できる高圧燃料ポンプを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の高圧燃料ポンプは、
電磁弁の可動子が、可動コアと、可動コアと弁体との間に介在する中継部材と、を備える。可動コアと中継部材とは、可動コアが固定コア側に向かう変位を変位制限部により制限される前に、可動コアと中継部材とが実質的に分離されるように構成される。
電磁弁の可動子が、可動コアと、可動コアと弁体との間に介在する中継部材と、を備える。可動コアと中継部材とは、可動コアが固定コア側に向かう変位を変位制限部により制限される前に、可動コアと中継部材とが実質的に分離されるように構成される。
本発明によれば、可動コアと変位制限部との衝突時の低騒音化に適した高圧燃料ポンプを提供することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明は、油圧機械の一種である高圧ポンプの電磁弁に係わり、この電磁弁を備えた高圧ポンプは特に自動車の高圧燃料供給ポンプとして用いるのに好適である。以下、図面を用いて、本発明の実施例について説明する。なお、以下の説明では、高圧燃料供給ポンプは高圧燃料ポンプと呼んで説明する。
[実施例1]
図1を用いて、燃料供給システム(燃料ポンプシステム)の構成と動作について説明する。図1は、高圧燃料ポンプを含む燃料供給システムの概略図である。図1においては、高圧燃料ポンプ1の部分はその概念を模式的に示している。破線で囲まれた部品が高圧燃料ポンプ1の本体に一体に組み込まれていることを示す。なお、以下の説明では、高圧燃料ポンプ1の本体をポンプ本体1と呼んで説明する。
図1を用いて、燃料供給システム(燃料ポンプシステム)の構成と動作について説明する。図1は、高圧燃料ポンプを含む燃料供給システムの概略図である。図1においては、高圧燃料ポンプ1の部分はその概念を模式的に示している。破線で囲まれた部品が高圧燃料ポンプ1の本体に一体に組み込まれていることを示す。なお、以下の説明では、高圧燃料ポンプ1の本体をポンプ本体1と呼んで説明する。
本実施例では、本発明に係る電磁弁を電磁吸入弁機構30に適用している。以下、電磁弁は電磁吸入弁機構30として説明する。
燃料タンク20の燃料はフィードポンプ21によって汲み上げられ、吸入配管28を通してポンプ本体1の吸入ジョイント10aに送られる。吸入ジョイント10aを通過した燃料は、吸入通路10bを介して、容量可変機構を構成する電磁吸入弁機構30の吸入ポート30aに至る。
電磁吸入弁機構30は電磁コイル30bを備え、電磁コイル30bが通電されていない状態では、可動子30cはバネ(付勢部材、第一付勢部材、アンカー付勢部材)33により付勢されて図1の右方に移動した状態である。可動子30cはアンカー34(図2参照)、ロッド98(図2参照)、及び吸入弁体31で構成され、アンカー34、ロッド98、及び吸入弁体31はそれぞれが相対変位可能に分割されている。なお弁体31は、吸入弁を構成する弁体であり、以下、吸入弁体31と呼んで説明する。
バネ33は圧縮バネで構成され、可動子30cが右方へ移動した状態では圧縮量が少なくなっている。可動子30cの先端に取り付けられた吸入弁体31がポンプ本体1の加圧室11につながる吸入口32を開いている。このバネ33の付勢力により、吸入弁体31は開弁方向に付勢され、吸入口32は開いた状態となっている。バネ33はアンカー34(図2参照)を開弁方向に付勢する付勢部材であり、アンカー付勢部材又は第一付勢部材と呼ぶ場合がある。
電磁吸入弁機構30は以下のように動作する。
図示しないカムの回転により、プランジャ2が図1の下方に変位して、ポンプ本体1が吸入行程状態にあるときは、加圧室11の容積は増加し、加圧室11内の燃料圧力が低下する。この行程で、加圧室11内の燃料圧力が吸入通路10bの圧力よりも低くなり、吸入ポート30aから吸入口32を通り、燃料が加圧室11に流れ込む。
プランジャ2が吸入行程を終了し、圧縮行程(プランジャ2が図1の上方へ移動する状態)に移る状態では、依然として、吸入弁体31は開弁したしたままである。加圧室11の容積は、プランジャ2の圧縮運動に伴い減少するが、加圧室11に吸入された燃料が、再び開弁状態の吸入弁体31を介して吸入通路10bへと戻されるので、加圧室11の圧力は上昇しない。この行程を戻し行程と呼ぶ。この状態で、エンジンコントロールユニット(ECU)27からの制御信号が電磁吸入弁機構30に印加されると、電磁吸入弁機構30の電磁コイル30bには電流が流れ、コア35(図2参照)とアンカー34(図2参照)との間に作用する磁気吸引力により、可動子30cが図1の左方に移動し、バネ33が圧縮される。その結果、吸入弁体31もバネ37の付勢力により図1の左方に移動し、吸入口32が閉じられる。なお、バネ37は吸入弁体31を閉弁方向に付勢する付勢部材であり、吸入弁体付勢部材又は第二付勢部材と呼ぶ場合がある。
本明細書及び本明細書がサポートする特許請求の範囲では、「開閉弁方向」は、吸入弁体31が開弁する向き、及び吸入弁体31が閉弁する向きを特定することなく、可動子30cの変位する方向を特定する。一方、「開弁方向」は開閉弁方向において吸入弁体31が開弁する向きを特定し、「閉弁方向」は開閉弁方向において吸入弁体31が閉弁する向きを特定する。
吸入弁体31が閉じられると、このときから加圧室11の燃料圧力はプランジャ2の上昇運動とともに上昇する。加圧室11の燃料圧力が燃料吐出口12の圧力以上になると、吐出弁機構8を介して加圧室11に残っている燃料の高圧吐出が行われ、吐出された高圧燃料はコモンレール23へと供給される。この行程を吐出行程と呼ぶ。すなわち、プランジャ2の圧縮過程は、戻し行程と吐出行程とからなる。この状態で、ECU27からの制御信号は一定の時間後(時期的、機械的遅れ時間後)に消去される。可動子30cにはバネ33による付勢力が働いているので、図1の右方向に移動しようとする。しかし、プランジャ2の圧縮行程中は加圧室11の圧力が高く、その圧力によって吸入弁体31は閉弁状態を維持する。そのため、可動子30cは、ECU27からの制御信号が解除された後でも、プランジャ2の圧縮行程中は、図1の左方に移動した状態が維持される。
プランジャ2の圧縮行程が終了し、再び吸入行程が開始すると、加圧室11内の圧力が下がり、吸入弁体31は可動子30cを介してバネ33の付勢力を受け、可動子30cと共に図1の右方に移動し、吸入口32が開かれる。
電磁吸入弁機構30の電磁コイル30bへの通電を開始するタイミングを制御することで、吐出される高圧燃料の量を制御することができる。電磁コイル30bへの通電を開始するタイミングを早くすれば、圧縮行程中の戻し行程の割合が小さくなり、吐出行程の割合が大きくなる。すなわち、吸入通路10bに戻される燃料が少なくなり、加圧室11から燃料吐出口12に高圧吐出される燃料が多くなる。一方、通電を開始するタイミングを遅くすれば、圧縮行程中の戻し行程の割合が大きくなり、吐出行程の割合が小さくなる。すなわち、吸入通路10bに戻される燃料が多くなり、加圧室11から燃料吐出口12に高圧吐出される燃料は少なくなる。電磁コイル20bへの通電を解除するタイミングは、ECU27からの指令によって制御される。以上のように構成することで、電磁コイル30bへの通電を開始するタイミングを制御することで、高圧吐出される燃料の量を内燃機関が必要とする量に制御することができる。
加圧室11の出口には吐出弁機構8が設けられている。吐出弁機構8は吐出弁シート8a、吐出弁8b、吐出弁バネ8cを備え、加圧室11の燃料圧力と燃料吐出口12の燃料圧力との間に燃料差圧が無い状態では、吐出弁8bは吐出バネ8cによる付勢力により、吐出弁シート8aに圧着され閉弁状態となっている。加圧室11の燃料圧力が燃料吐出口12の燃料圧力よりも大きくなったときに初めて、吐出弁8bは吐出弁バネ8cの付勢力に逆らって開弁し、加圧室11内の燃料は燃料吐出口12を経てコモンレール23へと高圧吐出される。
かくして、燃料吸入口32に導かれた燃料は、ポンプ本体1の加圧室11にてプランジャ2の往復運動によって必要な量が高圧に加圧され、燃料吐出口12からコモンレール23に圧送される。
コモンレール23には、インジェクタ24及び圧力センサ26が装着されている。インジェクタ24は内燃機関の気筒数に合わせて、通常複数のインジェクタが装着されており、ECU27の制御信号に従って開閉弁して、燃料を内燃機関のシリンダ(気筒)内に噴射する。
ポンプ本体1にはさらに、吐出弁8bの下流側と加圧室11とを連通するリリーフ通路100Aが吐出流路とは別に吐出弁8bをバイパスして設けられている。リリーフ通路100Aには燃料の流れを吐出流路から加圧室11への一方向のみに制限するリリーフ弁102が設けられている。リリーフ弁102は、押付力を発生するリリーフバネ104によりリリーフ弁シート101に押付けられており、加圧室11内とリリーフ通路100A内との間の圧力差が規定の圧力以上になるとリリーフ弁102がリリーフ弁シート101から離れ、開弁するように設定されている。
インジェクタ24の故障等によりコモンレール23等に異常高圧が発生した場合、リリーフ通路100Aの燃料圧力と加圧室11の燃料圧力との差圧がリリーフ弁102の開弁圧力以上になると、リリーフ弁102が開弁し、異常高圧となった燃料はリリーフ通路100Aから加圧室11へと戻される。このリリーフ機能により、コモンレール23等の高圧部配管が保護される。
以下に高圧燃料ポンプ1の電磁吸入弁機構30の構成と動作を、図2を用いてさらに詳しく説明する。図2は、高圧供給ポンプ内の電磁吸入弁機構の一例を正面(可動子の移動方向に垂直な方向)から見た断面図である。なお図2は、電磁吸入弁機構30の基本構成の一例を示しており、電磁吸入弁機構30の構成を模式的に示している。なお、図2では、バネ37の記載を省略しており、吸入弁体31のロッド98が当接する側とは反対側にバネ37(図1参照)が設けられている。
電磁吸入弁機構(電磁弁)30は、コア45と、弁座44と、可動子31,34,98(図1の30c)と、可動子の変位を制限する変位制限部35,38と、を備える。可動子31,34,98は、弁体31と、アンカー34と、ロッド98と、を備える。弁体31は、弁座44と協働して燃料通路を開閉する。アンカー34は、コア35との間で磁気吸引力が作用することにより、弁体31の開閉弁方向に変位可能に設けられる。ロッド98は、アンカー34に対して開閉弁方向に相対変位可能に設けられ、アンカー34との係合部45においてアンカー34と弁体31との間に作用する付勢力を中継する。このためロッド98は、中継部材と呼ぶ場合もある。変位制限部35,38は後で詳細に説明する。
さらに電磁吸入弁機構30は電磁コイル30bを備え、電磁コイル30bが通電されていない状態では、アンカー34とロッド98とはバネ33の付勢力により図2の右方に移動した状態である。この場合、ロッド98の先端面98bは吸入弁体31の端面34aに当接して吸入弁体31を開弁方向に押圧する。すなわち、ロッド98の先端面98b及び吸入弁体31の端面34aに、ロッド98と吸入弁体31との係合部(当接部)45が構成される。その結果、吸入弁体31は開弁し、ポンプ本体1の加圧室11につながる吸入口32が開いている。
プランジャ2の圧縮期間中に制御信号が電磁吸入弁機構30に印加されると、電磁吸入弁機構30の電磁コイル30bに電流が流れ、磁気吸引力によりアンカー33が図2の左方に移動する。このとき、ロッド98もアンカー34と一緒に図2の左方に移動する。やがてアンカー34はコア35と衝突する。アンカー34とコア35とが衝突した際に、衝突音が発生する。
一般的に、衝突する物体の速度が速くかつ重い(質量が大きい)ほど、衝突音も大きくなる。
そこで本実施例では、アンカー34とコア35とが衝突するより前に、アンカー34とロッド98とを実質的に分離させることで、アンカー34とコア35とが衝突する時の衝突質量の低減を実現しつつ、アンカー34とコア35との衝突時点よりも前の時点で、アンカー34の速度が低減することを実現できた。
なお、コア35は固定される側のコア(鉄心)であり、アンカー34は可動側のコア(鉄心)である。このため、コア35を固定コア(固定鉄心)と呼び、アンカー34を可動コア(可動鉄心)と呼ぶ場合もある。
衝突質量の低減とアンカー速度の低減とを実現する機構の第1実施例を、図3A、図3Bを用いて詳細に説明する。
図3Aは、本発明の第1実施例における電磁吸入弁機構の可動子の近傍を示す詳細な断面図であり、電磁コイルに通電してない状態を示す図である。図3Bは、本発明の第1実施例における電磁吸入弁機構の可動子の近傍を示す詳細な断面図であり、電磁コイルに通電後にアンカーとロッドとが分離した状態を示す図である。なお、図3A及び図3Bでは、バネ37の記載を省略しており、吸入弁体31のロッド98が当接する側とは反対側にバネ37(図1参照)が設けられている。
電磁コイル30bに通電してない図3Aの状態では、アンカー34とロッド98とは接触した状態にあり、ロッド98と吸入弁体31とは接触した状態にある。すなわちロッド98は、一端部(基端部)98cがばね33の付勢力を受けたアンカー34の端面34aに当接して開弁方向(図3Bの右方)に付勢され、他端部(先端部)98bが吸入弁体31に当接して吸入弁体31を開弁方向に付勢した状態にある。この状態では、アンカー34とコア35との間に距離h1の隙間が形成され、ロッド98に設けられたフランジ部98aとガイド部材38の端面38aとの間に距離h2の隙間が形成され、弁座44と吸入弁体31との間に距離h3の隙間が形成される。
本実施例では、アンカー34とコア35との間の距離h1が一番大きく、次にフランジ部98aとガイド部材38の端面38aとの間の距離h2が大きく、弁座44と吸入弁体31との間の距離h3がもっとも小さい。すなわち、h1,h2,h3の間にはh1>h2>h3の関係がある。
電磁コイル30bに通電後、アンカー34に磁気吸引力が作用し、アンカー34は図3Aの状態から図の左方に移動する。その際、アンカー34とロッド98との間に隙間が生じ、その領域の圧力が低下し、ロッド98を図3Aの左方に移動させる力が生じる。また、電磁コイル30bに通電しているときは圧縮行程であるので、図3Aのガイド部材38を境界にして、吸入弁体31がある側の圧力が、アンカー34がある側の圧力よりも高い。そのため電磁コイル30bに通電後、アンカー34とロッド98とは同時に図3Aの左方に移動する。また吸入弁体31が弁座44に着座するまで、ロッド98は吸入弁体31を介してバネ37の閉弁方向の付勢力を受ける。このため、アンカー34及びロッド98の移動(閉弁動作)の初期段階において、バネ37の付勢力はアンカー34とロッド98とを一体で左方に移動させる付勢力として機能する。
電磁吸入弁機構30は、開閉弁方向における弁座44とコア35との間に、ロッド98の変位を案内するガイド部材38を有する。ロッド98はガイド部材38に形成された開閉弁方向の貫通孔38Bに挿通され、ガイド部材38により開閉弁方向の移動を案内される。
ロッド98にはガイド部材38と吸入弁体31との間(両端部の間)の部分に径方向外側に突き出すフランジ部98aが設けられているため、フランジ部98aがガイド部材38の端面38aに当接することにより、コア35の側に向かう変位が制限される。従って、ロッド98はフランジ部98aとガイド部材38との間の距離h2以上の距離を移動できない。しかし、アンカー34とコア35との間の距離h1はh2よりも大きいため、アンカー34とコア35とが衝突する時点よりも前に、アンカー34とロッド98とが完全に分離する。すなわち、アンカー34がコア35と衝突する時点よりも早い時点で、フランジ部98aがガイド部材38の端面38aに当接して、ロッド98の閉弁方向への変位が端面38aにより制限される。その結果、アンカー34とロッド98との間に隙間ができ、負圧領域が生じる。この負圧領域は、アンカー34に作用する流体抵抗力を増大させ、アンカー34は減速するか、或いはその増速が抑制される。
なお、弁座44と吸入弁体31との間の距離h3はh1,h2,h3の中で最も小さい。このため、アンカー34とロッド98とが分離する時点よりも前の時点で、吸入弁体31は弁座44と当接して閉弁し、ロッド98の先端部98bから分離される。このように、ロッド(中継部材)98は吸入弁体31と分離された構造であり、吸入弁体31に対して開閉弁方向に相対変位可能に設けられている。
アンカー34とロッド98とが完全に分離された後も、アンカー34には磁気吸引力が作用し続けており、かつ移動可能な隙間(h1の一部)が残っているため、アンカー34は一旦減速した後、再度加速しながら図3Aの左方(閉弁方向)に移動する。アンカー34とコア35とが衝突する直前では、アンカー34とコア35との間の圧力が上昇し、アンカー34に作用する流体抵抗力が再度増加し、アンカー34は減速する。
上述したように、可動子30cは、コア(固定コア)35及びガイド部材38により、開閉弁方向においてコア35の側に向かう変位が制限される。コア35及びガイド部材38は変位制限部を構成する。変位制限部は、第1変位制限部と第2変位制限部とで構成される。
可動子30cのアンカー(可動コア)34は、コア34に衝突して、弁体31の開閉弁方向であってコア35の側に向かう変位が制限される。このため、コア35は可動子30cの第1変位制限部を構成する。第1変位制限部35は、可動子30cを構成する部材の中で、アンカー34の変位を制限する。
またロッド98は、ガイド部材38の端面38aにより弁体31の開閉弁方向であってコア34の側に向かう変位が制限される。このため、ガイド部材38の端面38aは可動子30cの第2変位制限部を構成する。第2変位制限部38aは、可動子30cを構成する部材の中で、ロッド98の変位を制限する。
変位制限部35,38aは、アンカー34がコア35の側に向かう変位を制限された状態で、係合部45においてアンカー34と弁体31とが分離された状態となるように、ロッド(中継部材)98の変位を制限する。すなわち、第2変位制限部38aは、アンカー34が第1変位制限部35によりコア35の側に向かう変位を制限された状態で、係合部45においてアンカー34とロッド98との間に隙間46(図3B参照)が形成された状態となるように、ロッド98の変位を制限する。
本実施例では、アンカー34とロッド98との間に作用する負圧による減速効果(第一減速効果)と、アンカー34とコア35との間の圧力が上昇することによるアンカー34の減速効果(第二減速効果)と、が得られる。また、第二減速効果は第一減速効果の後に得られる減速効果である。第二減速効果が得られるアンカー34の減速区間は限られているが、それ以前の第一減速効果によりアンカー34は減速されているか、或いは増速が抑制されているため、第二減速効果によりアンカー34を十分に減速させることができる。その結果、本実施例は衝突音を低減することができる。
本実施例では、アンカー34とロッド98との間に作用する負圧による減速効果(第一減速効果)と、アンカー34とコア35との間の圧力が上昇することによるアンカー34の減速効果(第二減速効果)と、が得られる。また、第二減速効果は第一減速効果の後に得られる減速効果である。第二減速効果が得られるアンカー34の減速区間は限られているが、それ以前の第一減速効果によりアンカー34は減速されているか、或いは増速が抑制されているため、第二減速効果によりアンカー34を十分に減速させることができる。その結果、本実施例は衝突音を低減することができる。
また本実施例では、第二減速効果が作用する段階では、アンカー34とロッド98とが完全に分離されて可動子30cの質量が小さくなっている。このため、アンカー34とロッド98とが一体となっている可動子30cがコア35に衝突する場合と比べて、可動子30c(アンカー34)に対する第二減速効果による減速効果は大きくなる。その結果、アンカー34を十分に減速させることができ、衝突音の低減効果が大きくなる。
[実施例2]
図4は,本発明の第2実施例における電磁吸入弁機構の可動子の近傍を示す詳細な断面図である。なお、図4では、バネ37の記載を省略しており、吸入弁体31のロッド98が当接する側とは反対側にバネ37(図1参照)が設けられている。
図4は,本発明の第2実施例における電磁吸入弁機構の可動子の近傍を示す詳細な断面図である。なお、図4では、バネ37の記載を省略しており、吸入弁体31のロッド98が当接する側とは反対側にバネ37(図1参照)が設けられている。
実施例2の構成は、以下の点を除いて実施例1で説明した内容と同じであり、動作は実施例1で説明した内容と同じである。実施例1と同様な構成には、実施例1と同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施例では、ロッド98と接触する側のアンカー34の端面34aに凹部34bが設けてある。すなわち、アンカー(可動コア)34の係合部45が構成される部位34aに、ロッド(中継部材)98の係合部45が構成される部位98cを嵌入する凹部34bが形成されている。
凹部34bの深さはh4に設定されている。凹部34bを設けることで、アンカー34がロッド98から分離する際に生じる流体抵抗力が実施例1より大きくなり、分離する際の流体抵抗力によるアンカー34の減速効果がより顕著になる。また、凹部34bを設け、ロッド98の一部が凹部34bに挿入されることにより、アンカー34の移動時の傾きを抑制できる。
また、凹部34bの深さ寸法h4は、アンカー34とコア35との間の距離h1の寸法よりも大きくするとよい。すなわち、凹部34bの深さ寸法h4とアンカー34とコア35との間の距離h1の寸法とは、h4>h1の関係を満たすように構成されるとよい。
そうすることにより、アンカー34が閉弁方向に移動してコア35に接触した状態でも、ロッド98の一端部(基端部)は凹部34bから抜け離れるのを防ぐことができる。ロッド98が凹部34bから抜け離れる構造では、吸入弁体31の開弁時にロッド98が凹部34bに再嵌入できるように、凹部34bとロッド98とのクリアランスを大きくする必要がある。しかし、本実施例では、ロッド98が凹部34bから抜け離れる構造ではないため、凹部34bとロッド98とのクリアランスを小さくして、流体抵抗力によるアンカー34の減速効果を向上することができる。
なお、本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…高圧燃料ポンプ本体、2…プランジャ、3…タペット、8…吐出弁機構、9…圧力脈動低減機構、10a…吸入ジョイント、10b…吸入通路、11…加圧室、12…燃料吐出口、23…コモンレール、20…燃料タンク、21…フィードポンプ、28…吸入配管、30…電磁吸入弁機構、30a…吸入ポート、30b…電磁コイル、30c…可動子、31…吸入弁体、33…バネ、34…アンカー(可動コア)、34b…凹部、35…コア(固定コア、第1変位制限部)、38…ガイド部材、38a…ガイド部材38の端面(第2変位制限部)、44…弁座、98…ロッド、98a…フランジ部、102…リリーフ弁。
Claims (7)
- 電磁弁を備えた高圧燃料ポンプであって、
前記電磁弁は、固定コアと、弁座と、可動子と、前記可動子の変位を制限する変位制限部と、を備え、
前記可動子は、
前記弁座と協働して燃料通路を開閉する弁体と、
前記固定コアとの間で磁気吸引力が作用することにより前記弁体の開閉弁方向に変位可能に設けられた可動コアと、
前記可動コアに対して前記開閉弁方向に相対変位可能に設けられ、前記可動コアとの係合部において前記可動コアと前記弁体との間に作用する付勢力を中継する中継部材と、
を備え、
前記変位制限部は、前記可動コアが前記固定コアの側に向かう変位を制限された状態で、前記係合部において前記可動コアと前記中継部材とが分離された状態となるように、前記中継部材の変位を制限する高圧燃料ポンプ。 - 請求項1に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記変位制限部は、前記開閉弁方向であって前記固定コアの側に向かう前記可動コアの変位を制限する第1変位制限部と、前記開閉弁方向であって前記固定コアの側に向かう前記中継部材の変位を制限する第2変位制限部と、を備え、
前記第2変位制限部は、前記可動コアが前記第1変位制限部により前記固定コアの側に向かう変位を制限された状態で、前記係合部において前記可動コアと前記中継部材との間に隙間が形成された状態となるように、前記中継部材の変位を制限する高圧燃料ポンプ。 - 請求項2に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記中継部材は、前記開閉弁方向における両端部の間に、径方向外側に突き出すフランジ部を有し、前記フランジ部が前記第2変位制限部に当接することにより前記固定コアの側に向かう変位が制限される高圧燃料ポンプ。 - 請求項3に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記開閉弁方向における前記弁座と前記固定コアとの間に、前記中継部材の変位を案内するガイド部材を有し、
前記第2変位制限部は、前記ガイド部材に設けられている高圧燃料ポンプ。 - 請求項3に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記電磁弁は、通電されることにより前記固定コアと前記可動コアとの間に磁気吸引力を作用させる電磁コイルを有し、
前記中継部材は、前記弁体に対して前記開閉弁方向に相対変位可能に設けられ、
前記電磁コイルの非通電時に、前記可動コアと前記第1変位制限部との間の距離h1、前記フランジ部と前記第1変位制限部との間の距離h2、及び前記弁体と前記弁座との間の距離h3が、h1>h2>h3の関係を満たすように構成される高圧燃料ポンプ。 - 請求項2に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記可動コアの前記係合部が構成される部位に、前記中継部材の前記係合部が構成される部位を嵌入する凹部が形成されている高圧燃料ポンプ。 - 請求項6に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記電磁弁は、通電されることにより前記固定コアと前記可動コアとの間に磁気吸引力を作用させる電磁コイルを有し、
前記電磁コイルの非通電時に、前記可動コアと前記第1変位制限部との間の距離h1と前記凹部の深さ寸法h4とは、h4>h1の関係を満たすように構成される高圧燃料ポンプ。
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