JP2019091285A - 異常予兆報知システム、異常予兆報知方法及びプログラム - Google Patents

異常予兆報知システム、異常予兆報知方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】適切なタイミングで機器の異常予兆を報知することが可能な異常予兆報知システムを提供する。【解決手段】データ格納部212は、少なくとも過去に異常が発生したロボットの動作状態データに対応する複数の異常データを、環境情報及び使用態様情報と対応付けて格納する。異常データ選択部218は、対象ロボットの環境情報と、対象ロボットの使用態様情報とに基づいて、データ格納部212によって格納された複数の異常データの中から1つ以上の異常データを絞り込んで選択する。タイミング設定部220は、選択された異常データと、対象ロボットの、選択された異常データに対応する動作状態データとに基づいて、異常予兆を報知するタイミングを設定する。報知部126は、タイミング設定部220によって設定されたタイミングで、対象ロボットに関する異常予兆を報知する。【選択図】図2

Description

本発明は、異常予兆報知システム、異常予兆報知方法及びプログラムに関し、特に、機器の異常発生の予兆を報知する異常予兆報知システム、異常予兆報知方法及びプログラムに関する。
産業用ロボット等の機器を用いて、車体等の加工工場において、溶接及び塗装等の予め定められた作業が行われる。機器は、モータ及び減速機等を用いて所定の動作を行う。このような機器においては、モータ又は減速機等の劣化により機器に異常が発生して機器が正常に動作しなくなるおそれがある。したがって、機器が正常に動作しなくなる前に、機器の異常を診断し、機器の異常発生の予兆である異常予兆を報知することが望まれる。
上記の技術に関連し、特許文献1は、機器又は設備の出力する時系列のイベント情報に基づいて異常の発生を予測するアラーム予測装置を開示する。特許文献1にかかるアラーム予測装置は、イベント情報と予め記憶された予測モデルとを比較することで、機器のアラームを通知する。
特開2016−212642号公報
機器の使用環境及び機器の使用態様に応じて、機器を構成する部品の劣化の進行具合が異なる可能性がある。したがって、機器の使用環境及び機器の使用態様を考慮しなければ、適切なタイミングで機器の異常予兆を報知することができないおそれがある。ここで、特許文献1にかかる方法のように、予め記憶されたデータを用いて異常の予兆を診断する場合、機器の使用環境及び機器の使用態様が考慮されていないので、適切なタイミングで機器の異常予兆を報知することが困難であるおそれがある。
本発明は、適切なタイミングで機器の異常予兆を報知することが可能な異常予兆報知システム、異常予兆報知方法及びプログラムを提供するものである。
本発明にかかる異常予兆報知システムは、機器の異常発生の予兆である異常予兆を報知する異常予兆報知システムであって、複数の前記機器に関する、時系列に沿った動作状態を示す動作状態データを取得する動作状態取得部と、少なくとも過去に異常が発生した機器の前記動作状態データに対応する複数の異常データを、前記機器の使用されていた環境を示す環境情報及び前記機器の使用態様を示す使用態様情報と対応付けて格納するデータ格納部と、前記機器のうち異常予兆の報知対象である対象機器の前記環境情報と、前記対象機器の前記使用態様情報とに基づいて、前記データ格納部によって格納された前記複数の異常データの中から1つ以上の異常データを絞り込んで選択する異常データ選択部と、前記選択された異常データと、前記対象機器の前記選択された異常データに対応する前記動作状態データとに基づいて、異常予兆を報知するタイミングを設定するタイミング設定部と、前記タイミング設定部によって設定されたタイミングで、前記対象機器に関する異常予兆を報知する報知部とを有する。
また、本発明にかかる異常予兆報知方法は、機器の異常発生の予兆である異常予兆を報知する異常予兆報知方法であって、複数の前記機器に関する、時系列に沿った動作状態を示す動作状態データを取得するステップと、少なくとも過去に異常が発生した機器の前記動作状態データに対応する複数の異常データを、前記機器の使用されていた環境を示す環境情報及び前記機器の使用態様を示す使用態様情報と対応付けて格納するステップと、前記機器のうち異常予兆の報知対象である対象機器の前記環境情報と、前記対象機器の前記使用態様情報とに基づいて、前記格納するステップで格納された前記複数の異常データの中から1つ以上の異常データを絞り込んで選択するステップと、前記選択された異常データと、前記対象機器の前記選択された異常データに対応する前記動作状態データとに基づいて、異常予兆を報知するタイミングを設定するステップと、前記設定されたタイミングで、前記対象機器に関する異常予兆を報知するステップとを有する。
また、本発明にかかるプログラムは、機器の異常発生の予兆である異常予兆を報知する異常予兆報知方法を実行するプログラムであって、複数の前記機器に関する、時系列に沿った動作状態を示す動作状態データを取得するステップと、少なくとも過去に異常が発生した機器の前記動作状態データに対応する複数の異常データを、前記機器の使用されていた環境を示す環境情報及び前記機器の使用態様を示す使用態様情報と対応付けて格納するステップと、前記機器のうち異常予兆の報知対象である対象機器の前記環境情報と、前記対象機器の前記使用態様情報とに基づいて、前記格納するステップで格納された前記複数の異常データの中から1つ以上の異常データを絞り込んで選択するステップと、前記選択された異常データと、前記対象機器の前記選択された異常データに対応する前記動作状態データとに基づいて、異常予兆を報知するタイミングを設定するステップと、前記設定されたタイミングで、前記対象機器に関する異常予兆を報知するステップとをコンピュータに実行させる。
本発明は、上記のように構成されているので、膨大な異常データから、より適切に、異常予兆の報知のタイミングを設定するための異常データを選択することができる。また、本発明は、上記のように構成されているので、異常予兆の「見逃し」及び「過剰検出」の発生を抑制することが可能となる。したがって、本発明にかかる異常予兆報知システムは、より適切なタイミングで、異常予兆の報知を行うことが可能となる。
また、好ましくは、前記タイミング設定部は、前記選択された異常データと前記対象機器の前記動作状態データとの相関に基づいて、前記動作状態データに関する閾値を設定し、前記報知部は、前記対象機器の前記動作状態データが前記閾値を超えたときに、前記異常予兆を報知する。
このように構成されることによって、異常予兆の報知のタイミングに関する閾値を自動で設定することができる。これにより、異常予兆の「見逃し」及び「過剰検出」の発生を抑制することが可能となる。したがって、本発明にかかる異常予兆報知システムは、より適切なタイミングで、異常予兆の報知を行うことが可能となる。
また、好ましくは、前記タイミング設定部は、前記対象機器の複数の前記動作状態データと複数の前記選択された異常データとの相関に基づいて、前記閾値を設定するための少なくとも1つの前記異常データを判定し、前記判定された異常データにおいて異常が発生した時点よりも所定期間前の時点における前記異常データの値を、前記閾値として設定する。
このように構成されることによって、より適切に閾値を設定することが可能となる。
また、好ましくは、前記異常データそれぞれに異常モードを対応付ける異常モード設定部をさらに有し、前記タイミング設定部は、前記対象機器の前記動作状態データと前記選択された異常データとの相関に基づいて、前記対象機器について発生し得ると予測される異常モードを判定する。
このように構成されることによって、対象ロボットに将来発生すると予測される異常モードを判定することが可能となる。これにより、ユーザは、対象機器にどのような異常モードが発生するかを予測することができる。
また、好ましくは、前記機器は、複数の加工工程を有する工場において前記複数の加工工程それぞれで動作し、前記タイミング設定部は、複数の加工工程のうちの第1の工程と第2の工程とで使用される前記機器の機種が同じであり、前記機器に発生する異常モードが前記第1の工程と前記第2の工程とで同じ場合に、前記第1の工程における前記使用態様と前記第2の工程における前記使用態様とに基づいて、前記異常予兆を報知するタイミングが異なるように、前記タイミングを設定する。
このように構成されることによって、より厳しい条件で使用される工程で使用される機器に関する異常予兆を、早いタイミングで報知するように構成されている。これにより、より厳しい条件で使用される工程であっても、異常が発生する前に、異常予兆の段階で、より確実に、報知を行うことが可能となる。
また、本発明にかかる第2の異常予兆報知システムは、複数の加工工程を有する工場において前記複数の加工工程それぞれで使用される機器の異常発生の予兆である異常予兆を報知する異常予兆報知システムであって、前記異常予兆報知システムは、異常予兆の報知対象の機器である対象機器に関する異常予兆を報知する報知部を有し、前記複数の加工工程は、第1の工程と、前記機器のブレーキの動作回数が前記第1の工程よりも多い第2の工程とを有し、前記報知部は、前記第1の工程と前記第2の工程とで使用される前記機器の機種が同じであり、前記機器に発生する異常モードが前記第1の工程と前記第2の工程とで同じ場合に、前記第2の工程で使用される前記機器に関する異常予兆を、前記第1の工程で使用される前記機器に関する異常予兆よりも早いタイミングで報知する。
本発明は、上記のように構成されているので、ブレーキの動作回数が多い工程で使用される機器に関する異常予兆を、早いタイミングで報知するように構成されている。これにより、ブレーキの動作回数が多い工程であっても、異常が発生する前に、異常予兆の段階で、より確実に、報知を行うことが可能となる。
また、本発明にかかる第3の異常予兆報知システムは、複数の加工工程を有する工場において前記複数の加工工程それぞれで使用される機器の異常発生の予兆である異常予兆を報知する異常予兆報知システムであって、前記異常予兆報知システムは、異常予兆の報知対象の機器である対象機器に関する異常予兆を報知する報知部を有し、前記複数の加工工程は、第1の工程と、前記機器の往復動作回数が前記第1の工程よりも多い第2の工程とを有し、前記報知部は、前記第1の工程と前記第2の工程とで使用される前記機器の機種が同じであり、前記機器に発生する異常モードが前記第1の工程と前記第2の工程とで同じ場合に、前記第2の工程で使用される前記機器に関する異常予兆を、前記第1の工程で使用される前記機器に関する異常予兆よりも早いタイミングで報知する。
本発明は、上記のように構成されているので、往復動作回数が多い工程で使用される機器に関する異常予兆を、早いタイミングで報知するように構成されている。これにより、往復動作回数が多い工程であっても、異常が発生する前に、異常予兆の段階で、より確実に、報知を行うことが可能となる。
本発明によれば、適切なタイミングで機器の異常予兆を報知することが可能な異常予兆報知システム、異常予兆報知方法及びプログラムを提供できる。
実施の形態1にかかる異常予兆報知システムを示す図である。 実施の形態1にかかる異常予兆報知システムの各装置の構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態1にかかる異常予兆報知システムによって実行される異常予兆報知方法を示すフローチャートである。 実施の形態1にかかる、異常データの絞り込みを説明するための図である。 実施の形態1にかかる、現在データと異常データとの相関係数の算出について説明するための図である。 実施の形態1にかかる、現在データと異常データとの相関係数の算出について説明するための図である。 実施の形態1にかかる異常データ判定部によってなされた、異常データの順位付けを例示する図である。 実施の形態1にかかる閾値設定方法を説明するための図である。 現在データについて閾値が設定された状態を示す図である。 予め定められた閾値を用いて異常予兆の報知を行う場合の問題点を説明するための図である。 予め定められた閾値を用いて異常予兆の報知を行う場合の問題点を説明するための図である。 実施の形態1にかかる異常予兆報知システムが、工場に適用された例を示す図である。 実施の形態1にかかる異常予兆報知システムが、工場に適用された例を示す図である。 ロボットの機種が同じであっても使用環境及び使用態様によって異常の進行度が異なることを例示する図である。 ロボットの機種が同じであっても使用環境及び使用態様によって異常の進行度が異なることを例示する図である。 ロボットの機種が同じであっても使用環境及び使用態様によって異常の進行度が異なることを例示する図である。
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態1にかかる異常予兆報知システム1を示す図である。また、図2は、実施の形態1にかかる異常予兆報知システム1の各装置の構成を示す機能ブロック図である。異常予兆報知システム1は、複数のロボット10と、制御装置100と、監視装置200とを有する。異常予兆報知システム1は、例えば、複数の加工工程を有する工場に設けられている。そして、異常予兆報知システム1は、複数の加工工程それぞれで使用されるロボット10(機器)の異常発生の予兆を報知するように構成されている。
ロボット10は、例えば、産業用ロボット等の機器である。制御装置100は、複数のロボット10ごとに設けられていてもよい。監視装置200は、異常予兆報知システム1に少なくとも1つ設けられていればよい。制御装置100は、例えば、ロボット10と有線又は無線を介して通信可能に接続されている。また、監視装置200は、例えば、制御装置100と有線又は無線を介して通信可能に接続されている。制御装置100は、対応するロボット10の動作を制御するために必要な処理を行う。監視装置200は、複数のロボット10それぞれの異常の診断に必要な処理を行う。また、監視装置200は、過去に故障等の異常が発生したロボット10に関するデータを格納する。
ロボット10は、例えば、車両の製造ラインの近傍等に設置されている。ロボット10は、例えば、車両に対して溶接(例えばスポット溶接)、塗装(例えば中塗り又は上塗り)等の予め定められた作業を行うためのロボットである。ロボット10は、1つ以上のアーム12を有する。アーム12は、1つ以上の関節14を有する。関節14は、モータ装置20を有する。モータ装置20は、関節14を駆動するモータ22と、モータ22の動力を関節14に伝達する減速機24とを有する。また、モータ装置20は、モータ22の回転を制動するブレーキ26を有する。さらに、モータ装置20は、モータ22の回転角度を検出するエンコーダ28を有する。制御装置100は、モータ22及びブレーキ26の動作を制御することで、関節14を動作させる。これにより、ロボット10は、所望の動作を行うように構成されている。つまり、ロボット10は、関節14を駆動させて動作する関節駆動ロボットである。
制御装置100は、例えばコンピュータとしての機能を有する。制御装置100は、ロボット10の内部に搭載されてもよいし、ロボット10と有線又は無線を介して通信可能に接続されてもよい。制御装置100は、ロボット10の近傍に設置された制御盤又は操作盤であってもよい。制御装置100は、ハードウェアとして、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、I/O(Input/Output)104及びUI(User Interface)105を有する。
CPU101は、制御処理及び演算処理等を行う処理デバイスとしての機能を有する。ROM102は、CPU101によって実行される制御プログラム及び演算プログラム等を記憶するための機能を有する。RAM103は、処理データ等を一時的に記憶するための機能を有する。I/O104は、入出力装置であり、ロボット10又は監視装置200等の外部からデータ及び信号を入力し、外部にデータ及び信号を出力する。UI105は、例えばキーボード等の入力デバイスと、例えばディスプレイ等の出力デバイスとから構成される。なお、UI105は、入力デバイスと出力デバイスとが一体となったタッチパネルとして構成されてもよい。また、UI105は、制御盤等で構成された制御装置100から物理的に独立し、制御装置100のCPU101等と有線又は無線で接続されたリモコンであってもよい。なお、ROM102は、ロボット10を制御するための動作プログラム(ティーチングデータ)を格納できるように構成されている。
監視装置200は、例えばコンピュータとしての機能を有する。監視装置200は、例えば、異常予兆報知システム1が設けられた工場の中央監視室等に設置され得る。監視装置200は、ハードウェアとして、CPU201、ROM202、RAM203、I/O204及びUI205を有する。
CPU201は、制御処理及び演算処理等を行う処理デバイスとしての機能を有する。ROM202は、CPU201によって実行される制御プログラム及び演算プログラム等を記憶するための機能を有する。RAM203は、処理データ等を一時的に記憶するための機能を有する。I/O204は、入出力装置であり、制御装置100等の外部からデータ及び信号を入力し、外部にデータ及び信号を出力する。UI205は、例えばキーボード等の入力デバイスと、例えばディスプレイ等の出力デバイスとから構成される。なお、UI205は、入力デバイスと出力デバイスとが一体となったタッチパネルとして構成されてもよい。
図2に示すように、制御装置100は、ロボット制御部110、データ取得部112、データ処理部120、データ記録部122、予兆判定部124、及び報知部126を有する。データ取得部112は、計測データ取得部114と、環境情報取得部116と、使用態様取得部118とを有する。なお、図2に示した制御装置100の各構成要素は、CPU101がROM102に記憶されたプログラムを実行することによって実現可能である。また、制御装置100は、必要なプログラムを任意の不揮発性記録媒体に記録しておき、必要に応じてそのプログラムをインストールするようにしてもよい。なお、図2に示した制御装置100の各構成要素は、上記のようにソフトウェアによって実現されることに限定されず、何らかの回路素子等のハードウェアによって実現されてもよい。
また、図2に示した制御装置100の各構成要素の1つ以上は、制御装置100とは別の装置によって実現されてもよい。例えば、データ記録部122、予兆判定部124、及び報知部126は、制御装置100とは別の装置(例えば監視装置200)によって実現されてもよい。つまり、ロボット10の制御を行い、必要なデータ及び情報を取得する装置と、ロボット10の異常を診断する装置とは、物理的に別の装置であってもよい。
図2に示すように、監視装置200は、データ格納部212、異常モード設定部214、データ処理部216、異常データ選択部218、及びタイミング設定部220を有する。タイミング設定部220は、相関係数算出部222と、異常データ判定部224と、異常モード判定部226と、閾値設定部228とを有する。なお、図2に示した監視装置200の各構成要素は、CPU201がROM202に記憶されたプログラムを実行することによって実現可能である。また、制御装置100と同様に、監視装置200は、必要なプログラムを任意の不揮発性記録媒体に記録しておき、必要に応じてそのプログラムをインストールするようにしてもよい。なお、制御装置100と同様に、図2に示した監視装置200の各構成要素は、上記のようにソフトウェアによって実現されることに限定されず、何らかの回路素子等のハードウェアによって実現されてもよい。また、図2に示した監視装置200の各構成要素の1つ以上は、監視装置200とは別の装置(例えば制御装置100)によって実現されてもよい。
次に、図2に示した制御装置100の各構成要素について説明する。
ロボット制御部110は、ロボット10の動作を制御する。ロボット制御部110は、ROM102に格納された動作プログラムに従って、ロボット10を制御してもよい。具体的には、ロボット制御部110は、ロボット10のモータ装置20の動作を制御する。つまり、ロボット制御部110は、モータ装置20のモータ22及びブレーキ26を制御する。さらに具体的には、ロボット制御部110は、制御値(指令値)である指令電流値を示す指令電流をモータ22に送信して、モータ22を動作させる。また、ロボット制御部110は、エンコーダ28から、モータ22の回転角度を示すエンコーダ値を受信する。ロボット制御部110は、エンコーダ値が示す回転角度を用いて、フィードバック制御等により、ロボット10の関節14が所定の動作を行うように、モータ22を回転させてもよい。さらに、ロボット制御部110は、ブレーキ信号(ブレーキ開放信号)をブレーキ26に送信し、ブレーキ26を開放させる。
データ取得部112は、モータ装置20(モータ22)から、ロボット10に関するデータ(情報)であるロボット情報を取得する。このとき、データ取得部112は、ロボット10の識別情報とともに、ロボット情報を取得してもよい。データ取得部112は、取得されたロボット情報を、監視装置200に送信する。ロボット情報は、ロボット10の識別情報と、計測データと、後述する環境情報及び使用態様情報とを含み得る。
計測データ取得部114は、モータ装置20において計測された計測データを取得する。計測データは、ロボット10(モータ装置20)の動作状態を示す生データである。したがって、計測データ取得部114は、ロボット10の動作状態を取得する動作状態取得部としての機能を有し得る。計測データは、例えば、指令電流値、ブレーキ信号、エンコーダ値である。しかしながら、計測データは、これらの値に限られない。例えば、計測データ取得部114は、モータ電流値を取得してもよい。
環境情報取得部116は、ロボット10が使用される環境を示す環境情報を取得する。環境情報は、例えば、ロボット10が使用されている周囲の温度である。環境情報取得部116は、例えば、エンコーダ28からエンコーダ温度を取得することで、周囲の温度を取得し得る。なお、エンコーダ温度は、エンコーダ28に設けられた温度センサ等によって計測され得る。なお、計測データ及び環境情報は、時系列に沿って取得される。例えば、計測データ及び環境情報は、数秒(例えば10秒以内)ごとに計測され得る。計測データ及び環境情報は、計測値と、その計測値が計測された時間とを含む。ここで、「計測された時間」とは、ロボット10の使用開始時点からの経過時間である。
使用態様取得部118は、制御装置100の制御対象のロボット10の使用態様を示す使用態様情報を取得する。なお、使用態様取得部118は、予め、使用態様情報を記憶しておいてもよい。ここで、使用態様とは、ロボット10(及び対応する制御装置100)がどのように使用されるかを示すものである。使用態様は、例えば、ロボット10の機種(型番等)を含み得る。また、使用態様は、ロボット10が使用される加工工程(溶接工程及び塗装工程等)を含み得る。また、使用態様は、工場におけるロボット10の取付向きを含み得る。
データ処理部120は、計測データ取得部114によって取得された計測データを処理して、判定用データに変換する処理を行う。判定用データは、後述する異常予兆の判定に用いられるデータである。ここで、判定用データは、ロボット10の動作状態を示す。つまり、データ処理部120は、ロボット10の動作状態を取得する動作状態取得部としての機能を有し得る。計測データが時系列に沿って取得されるので、判定用データは、時系列に沿った動作状態を示している。判定用データは、例えば、平均指令電流値、最大電流値、標準偏差、振幅、吸引時間等であるが、これらに限られない。なお、以降、計測データと判定用データとを含む用語「動作状態データ」を用いることがある。
例えば、データ処理部120は、指令電流値を用いて、平均指令電流値、最大電流値、標準偏差及び振幅等を取得する。平均指令電流値は、例えば、ロボット10の1サイクルの動作における指令電流値の平均値である。また、最大電流値は、例えば、ロボット10の1サイクルの動作における指令電流値の最大値である。また、標準偏差は、例えば、指令電流値の平均値からのバラつきである。また、振幅は、指令電流値の振れ幅(1周期中の山谷差)である。なお、データ処理部120は、振幅の平均値(ロボット10の1サイクルの動作における平均値)又は振幅の最大値(ロボット10の1サイクルの動作における最大値)を取得してもよい。
平均指令電流値、最大電流値、標準偏差及び振幅は、モータ装置20のベアリング又はギア(減速機24)の劣化の進行に応じて大きくなる傾向がある。したがって、平均指令電流値、最大電流値、標準偏差及び振幅は、ベアリング又はギアに関する異常モードの予兆を判定するのに使用され得る。
また、データ処理部120は、エンコーダ値を用いて、モータ回転速度を取得する。モータ回転速度は、エンコーダ値(回転角度)の変化量から、算出され得る。ここで、データ処理部120は、モータ回転速度が略一定(回転速度の振れ幅が一定範囲以内)であるときの指令電流値を用いて、平均指令電流値、最大電流値、標準偏差及び振幅等を取得してもよい。これにより、平均指令電流値、最大電流値、標準偏差及び振幅等から、モータ回転速度の変動による影響を除外できる。つまり、平均指令電流値、最大電流値、標準偏差及び振幅等が、ロボット10の各部位の劣化の進行(異常の兆候)をより確実に示すこととなる。
また、データ処理部120は、ブレーキ信号から、吸引時間を取得する。吸引時間は、ブレーキ信号(ブレーキ開放信号)が送信されてから、実際にブレーキ26が開放されて、ロボット10の関節14が動作可能となるまでの時間である。したがって、データ処理部120は、ブレーキ信号の発生時間と、実際にロボット10が動作可能となった時間(例えばエンコーダ値の立ち上がり時間又はモータ電流値の立ち上がり時間)との差分を、吸引時間としてもよい。吸引時間は、ブレーキ26のディスクが摩耗すると長くなる傾向がある。したがって、吸引時間は、ブレーキに関する異常モードの予兆を判定するのに使用され得る。
データ記録部122は、データ処理部120によって取得された動作状態データ(判定用データ)を格納する。ここで、データ記録部122は、動作状態データを、時系列に沿った波形で表した状態で記録してもよい。なお、データ記録部122は、判定用データのみを記録してもよい。
予兆判定部124は、ロボット10の異常発生の予兆を判定する。つまり、予兆判定部124は、ロボット10に何らかの異常が近いうち(30日等の、予め定められた期間内)に発生する可能性があるか否かを判定する。具体的には、予兆判定部124は、動作状態データ(判定用データ)の1つ以上が、閾値設定部228によって設定された閾値を超えた場合に、ロボット10に異常発生の予兆があると判定する。詳しくは後述する。なお、以下、異常予兆の判定の対象となるロボット10(つまり、異常予兆の報知対象のロボット10)を、対象ロボット(対象機器)と称することがある。
報知部126は、予兆判定部124によって、ロボット10に異常発生の予兆があると判定された場合に、ロボット10の異常予兆を報知する。報知部126は、例えば、スピーカ等のUI105を制御してアラーム音を発生させることで、異常予兆を報知してもよい。また、報知部126は、例えば、ディスプレイ等のUI105を制御してアラームを視覚的に表示することで、異常予兆を報知してもよい。
次に、図2に示した監視装置200の各構成要素について説明する。
データ格納部212は、制御装置100のデータ取得部112からロボット情報を取得して格納する。特に、データ格納部212は、故障又は動作不良等の異常が発生したロボット10に関するロボット情報を格納する。
異常モード設定部214は、あるロボット10に異常が発生した場合に、そのロボット10に関するロボット情報に、異常の種類(どの部材にどのような異常が発生したか等)を示す異常モード(故障モード)を対応付ける。これにより、データ格納部212に格納された、異常が発生したロボット10に関するロボット情報は、異常モードを示す情報(異常モード情報)が含まれることとなる。
なお、以下、異常が発生したロボット10に関するロボット情報を、異常ロボット情報と称することがある。異常ロボット情報は、ロボット10の識別情報と、異常モード情報と、計測データと、環境情報及び使用態様情報とを含み得る。さらに、異常が発生したロボット10に関する動作状態データを、「異常データ」と称することがある。つまり、異常データは、過去に異常が発生したロボット10の動作状態を示す動作状態データに対応する。さらに、異常モード設定部214は、異常データそれぞれに異常モードを対応付けることとなる。
データ処理部216は、制御装置100のデータ処理部120と実質的に同様の処理を行い得る。つまり、データ処理部216は、データ格納部212に格納された計測データを処理して、判定用データに変換する処理を行う。ここで、上述したように、判定用データは、ロボット10の動作状態を示すので、データ処理部216は、ロボット10の動作状態を取得する動作状態取得部としての機能を有し得る。
異常データ選択部218は、データ格納部212に格納された複数の異常データ(異常ロボット情報)から、対象ロボットと使用環境及び使用態様が類似したロボット10に関する異常データを選択する。つまり、異常データ選択部218は、対象ロボットに関する環境情報と、対象ロボットに関する使用態様情報とに基づいて、1つ以上の異常データを絞り込んで選択する。詳しくは後述する。
タイミング設定部220は、異常データ選択部218によって選択された異常データと、選択された異常データに対応する、対象ロボットの動作状態データとに基づいて、異常予兆を報知するタイミングを設定する。具体的には、タイミング設定部220は、選択された異常データと対象ロボットの動作状態データとの相関に基づいて、動作状態データに関する閾値を設定する。詳しくは後述する。
相関係数算出部222は、異常データ選択部218によって選択された異常データと対象ロボットの動作状態データとの相関係数を算出する。異常データ判定部224は、相関係数が最大となる異常データを判定する。異常モード判定部226は、相関係数が最大となる異常データに関する異常モードを判定する。閾値設定部228は、異常データ判定部224によって判定された異常データにおいて、異常が発生した時点よりも所定期間前(M日前)の時点における異常データの値を、閾値として設定する。ここで、Mは1以上の整数(例えば30(日前))である。なお、相関係数算出部222、異常データ判定部224、異常モード判定部226、及び閾値設定部228の具体的な処理については、後で詳述する。
図3は、実施の形態1にかかる異常予兆報知システム1によって実行される異常予兆報知方法を示すフローチャートである。異常予兆報知システム1は、図3に示された処理を、対象ロボットごとに、例えば、1日に1回行う。
制御装置100は、ロボット情報を取得する(ステップS102)。具体的には、制御装置100のデータ取得部112は、上述したように、対象ロボットのロボット情報(計測データ)を取得する。そして、制御装置100は、計測データに対して必要な処理を行う(ステップS104)。具体的には、制御装置100のデータ処理部120は、上述したように、対象ロボットの計測データを処理して判定用データを取得する。このとき、データ処理部120は、対象ロボットに関する判定用データを時系列で示す波形を生成してもよい。なお、対象ロボットの判定用データ(動作状態データ)を、過去に異常が発生したロボット10に関する異常データと対比する目的で、現在稼働中(計測データを計測中)のロボット10に関するデータという意味で「現在データ」と称することがある。
監視装置200は、対象ロボットの使用態様及び使用環境に応じて、格納されている過去の異常データの絞り込みを行う(ステップS110)。具体的には、監視装置200の異常データ選択部218は、環境情報取得部116から、対象ロボットに関する環境情報を取得する。また、異常データ選択部218は、使用態様取得部118から、対象ロボットに関する使用態様情報を取得する。異常データ選択部218は、取得された環境情報及び使用態様情報を用いて、データ格納部212に格納されている多数の異常データ(異常ロボット情報)から、後述する異常予兆の報知のタイミングの設定に必要な異常データ(異常ロボット情報)を絞り込む。
図4は、実施の形態1にかかる、異常データの絞り込みを説明するための図である。図4に示すように、データ格納部212は、多数の異常ロボット情報を格納している。各異常ロボット情報は、異常モード情報と、使用態様情報と、環境情報と、計測データとを含む。計測データは、上述したように、指令電流値、ブレーキ信号、エンコーダ値等のパラメータを含み得る。つまり、データ格納部212は、異常データ(異常が発生したロボット10の動作状態データ)を、使用態様情報及び環境情報と対応付けて格納する。
異常データ選択部218は、対象ロボットに関する使用態様情報によって示される使用態様と同一の使用態様を示す使用態様情報を含み、対象ロボットに関する環境情報によって示される使用環境と同一又は類似の使用環境を示す環境情報を含む、異常ロボット情報を選択する。ここで、「同一又は類似の使用環境」について説明する。例えば、対象ロボットに関する時系列に沿った温度変化との相関係数が予め定められた値以上である温度変化を示す環境情報を、「同一又は類似の使用環境を示す環境情報」としてもよい。また、対象ロボットに関する温度の平均値と異常ロボット情報に関する温度の平均値との差が予め定められた値以下である場合に、その異常ロボット情報に関する環境情報を、「同一又は類似の使用環境を示す環境情報」としてもよい。例えば、対象ロボットの使用態様情報が「機種A」及び「塗装工程」を示し、環境情報が「平均温度:50度」を示す場合、異常データ選択部218は、データ格納部212から、「機種A」及び「塗装工程」を示す使用態様情報と、「平均温度:50度」の近傍の平均温度を示す環境情報とを含む異常ロボット情報を選択してもよい。
そして、データ処理部216は、異常データ選択部218によって選択された異常ロボット情報に含まれる計測データを、判定用データに変換する。以上の処理により、使用態様情報と環境情報とに基づいて、異常データが絞り込まれることとなる。
次に、監視装置200は、現在データと異常データとの相関係数を算出する(ステップS112)。具体的には、相関係数算出部222は、現在データと異常データとの相関係数を算出する。そして、異常データ選択部218によって選択された全ての異常データ(異常モード)について相関係数を算出していない場合(ステップS114のNO)、相関係数算出部222は、相関係数を算出していない異常データについて、相関係数を算出する。そして、異常データ選択部218によって選択された全ての異常データ(異常モード)について相関係数を算出した場合(ステップS114のYES)、後述するS116の処理に進む。
図5及び図6は、実施の形態1にかかる、現在データと異常データとの相関係数の算出について説明するための図である。S110の処理において、図5に例示するように、異常データA,異常データB,異常データCが選択されたとする。現在データは、複数の動作状態データ#1〜#K(Kは1以上の整数)を含む。動作状態データ#1は、例えば、平均指令電流値であり、動作状態データ#2は、例えば、最大電流値である。また、動作状態データ#3は、例えば、標準偏差であり、動作状態データ#4は、例えば、振幅である。また、動作状態データ#5は、例えば、吸引時間である。また、各異常データも、現在データと同様に、複数の動作状態データ#1〜#Kを含む。
さらに、各異常データA,異常データB,異常データCには、それぞれ、異常モードA,異常モードB,異常モードCが対応付けられている。異常モードAは、例えば、「モータベアリングのフレーキング」である。異常モードBは、例えば、「減速機ギアの欠け」である。異常モードCは、例えば、「モータベアリングの異物噛み込み」である。
相関係数算出部222は、図5の実線の矢印で示すように、現在データの動作状態データ#1と異常データAの動作状態データ#1との相関係数を算出する。同様に、相関係数算出部222は、現在データの動作状態データ#2〜#Kのそれぞれと、異常データAの動作状態データ#2〜#Kそれぞれとの相関係数を算出する。また、相関係数算出部222は、図5の破線の矢印で示すように、現在データの動作状態データ#1〜#Kのそれぞれと、異常データBの動作状態データ#1〜#Kそれぞれとの相関係数を算出する。さらに、相関係数算出部222は、図5の一点鎖線の矢印で示すように、現在データの動作状態データ#1〜#Kのそれぞれと、異常データCの動作状態データ#1〜#Kそれぞれとの相関係数を算出する。
図6の(A)は、異常データを示す波形(異常データ波形)を示す。横軸は、この異常データに関する異常が発生したロボット10の使用開始からの日数(経過時間)を示す。縦軸は、動作状態データの値(図6の例では平均指令電流値)を示す。また、図6の(B)は、現在データを示す波形(現在データ波形)を示す。横軸は、対象ロボットの使用開始からの日数(経過時間)を示す。縦軸は、動作状態データの値(図6の例では平均指令電流値)を示す。
相関係数算出部222は、対象ロボットの使用開始からの日数がN日である場合、異常データ及び現在データの、N日目から予め定められた日数N1だけ遡った(N−N1)日目までの期間Aについて、相関係数を算出する。N1(期間A)は、例えば1年(365日)であってもよいし、1か月(30日)であってもよいし、これらの両方であってもよい。
全ての異常データ(異常モード)について相関係数が算出された場合(S114のYES)、監視装置200は、相関係数により、異常データ(動作状態データ)を順位付けする(ステップS116)。そして、監視装置200は、相関係数が最大の異常データ(動作状態データ)を判定する(ステップS118)。さらに、監視装置200は、判定された異常データに関する異常モードを判定する(ステップS120)。
具体的には、監視装置200の異常データ判定部224は、図7に例示するように、相関係数の大きなものから順に、異常データ(動作状態データ)を順位付けする。そして、異常データ判定部224は、相関係数が最大の異常データ(動作状態データ)を、異常予兆の報知タイミングの設定に用いるデータと判定する。さらに、監視装置200の異常モード判定部226は、相関係数が最大の異常データ(動作状態データ)に関する異常モードを、対象ロボットについて将来発生する可能性のある異常モードと判定する。このように、異常モード判定部226が異常モードを判定することによって、対象ロボットに将来発生すると予測される異常モードを判定することが可能となる。これにより、ユーザは、対象ロボットにどのような異常モードが発生するかを予測することができる。
図7は、実施の形態1にかかる異常データ判定部224によってなされた、異常データの順位付けを例示する図である。図7に示した例では、異常モードA(モータベアリングのフレーキング)である異常データAの動作状態データ#4(振幅)についての相関係数が0.98である。また、異常モードAである異常データAの動作状態データ#2(最大電流値)についての相関係数が0.88である。また、異常モードB(減速機ギアの欠け)である異常データBの動作状態データ#2についての相関係数が0.74である。また、異常モードC(モータベアリングの異物噛み込み)である異常データCの動作状態データ#3(標準偏差)についての相関係数が0.72である。
したがって、異常データ判定部224は、相関係数の大きさの順位が1位である異常データAの動作状態データ#4を、異常予兆の報知タイミングの設定に用いるデータと判定する。そして、異常モード判定部226は、異常モードAを、対象ロボットについて近い将来に発生する可能性のある異常モードと判定する。
監視装置200は、S118の処理で判定された異常データ(動作状態データ)について、異常発生から予め定められた期間であるM日前の時点における異常データ(動作状態データ)の値を取得する(ステップS122)。そして、監視装置200は、S122の処理で取得された異常データ(動作状態データ)の値を用いて閾値を設定する(ステップS124)。
図8は、実施の形態1にかかる閾値設定方法を説明するための図である。図8は、S118の処理で判定された異常データA(異常モードA;モータベアリングのフレーキング)の動作状態データ#4(振幅)の波形を示す。縦軸は、異常データにおける動作状態データ#4の値を示す。監視装置200の閾値設定部228は、異常発生点からM日前(例えば30日前)の点Pmを特定し、その点Pmにおける動作状態データ#4の値Vmを取得する。そして、後述する図9に示すように、閾値設定部228は、その値Vmを、動作状態データ#4についての閾値Th1として設定する。なお、Mの値は、ユーザが任意に設定可能である。このように、閾値設定部228が、異常発生点からM日前の点Pmにおける動作状態データの値Vmを用いて閾値を設定することで、より適切に閾値を設定することが可能となる。
図9は、現在データについて閾値が設定された状態を示す図である。図9には、動作状態データ#4(振幅)についての現在データ波形が示されている。Pcは、現在を示す点であり、対象ロボットの使用開始からN日目の点である。Vcは、現在点Pcにおける動作状態データ#4の値を示す。また、閾値Th1は、図8に示したVmに等しい。
制御装置100は、現在データがS124の処理で設定された閾値を超えたか否かを判定する(ステップS132)。制御装置100の予兆判定部124は、S124の処理で設定された閾値に関する、現在データの動作状態データが、閾値を超えたか否かを判定する。そして、現在データが閾値を超えた場合(S132のYES)、制御装置100の報知部126は、異常予兆を報知する(ステップS134)。
図9に例示した場合では、予兆判定部124は、現在データにおける動作状態データ#4の現在の値Vcが閾値Th1(=Vm)を超えたか否かを判定する。そして、VcがTh1を超えた場合に、報知部126は、異常予兆を報知する。
(比較例)
次に、比較例について説明する。
図10及び図11は、予め定められた閾値を用いて異常予兆の報知を行う場合の問題点を説明するための図である。図10は、平均指令電流値について、予め定められた閾値Thが設定されている場合について例示している。図10の例において、閾値Thは、ロボット10の過去の異常発生の実績から、ユーザによって任意に決定される。
図10は、異常が発生した機種及び部品が同じで、異なる異常モード(異常モードA及び異常モードC)それぞれの平均指令電流値の時間経過に対する変化を示す。図10に示すように、異常モードAにおける平均指令電流値の変化は、異常モードCにおける平均指令電流値の変化と比較して、緩やかである。そして、閾値Thは、異常モードAの異常発生点における平均指令電流値の値よりも大きく、異常モードCの異常発生点における平均指令電流値の値よりもはるかに小さいものとする。
このケースにおいて、ロボット10に異常モードAの異常が発生する場合、平均指令電流値が閾値Thに到達する前に、異常が発生してしまうおそれがある。このとき、異常が発生したのに、異常予兆の報知がなされないこととなってしまう。つまり、異常モードAのように時間経過に対する動作状態データの変化が小さい場合、異常予兆の「見逃し」が発生するおそれがある。
また、ロボット10に異常モードCの異常が発生する場合、異常が発生するはるか前に、平均指令電流値が閾値Thに到達してしまうおそれがある。このとき、異常予兆がないのに異常予兆の報知がなされることとなってしまう。言い換えると、異常予兆の報知が早すぎることとなってしまう。つまり、異常モードCのように時間経過に対する動作状態データの変化が大きい場合、異常予兆の「過剰検出」が発生するおそれがある。
これに対し、本実施の形態にかかる異常予兆報知システム1は、現在データとの相関が高い(強い)異常データを用いて閾値Th1を自動で設定する。これにより、上記のような異常予兆の「見逃し」及び「過剰検出」の発生を抑制することが可能となる。したがって、本実施の形態にかかる異常予兆報知システム1は、より適切なタイミングで、異常予兆の報知を行うことが可能となる。
図11は、発生した異常モードが同じで、使用環境及び使用態様が互いに異なる異常発生ロボットX(使用環境X、使用態様X)及び異常発生ロボットY(使用環境Y、使用態様Y)それぞれの平均指令電流値の変化を示す。図11に示すように、異常発生ロボットYにおける平均指令電流値の変化は、異常発生ロボットXの平均指令電流値の変化と比較して、緩やかである。
ここで、データ格納部212から異常発生ロボットXの異常データを抽出して異常発生ロボットXの平均指令電流値を用いて閾値Thxを設定したとする。このケースにおいて、異常発生ロボットXとは使用環境及び使用態様が異なるロボットY(使用環境Y、使用態様Y)について、この閾値Thxを用いて異常予兆の報知を行うとする。このとき、平均指令電流値が閾値Thxに到達する前に、異常が発生してしまうおそれがある。したがって、異常が発生したのに、異常予兆の報知がなされないこととなってしまう。つまり、動作状態データの変化が大きな異常発生ロボットの異常データを用いて閾値を設定すると、動作状態データの変化が小さなロボットについて、異常予兆の「見逃し」が発生するおそれがある。
また、データ格納部212から異常発生ロボットYの異常データを抽出して異常発生ロボットYの平均指令電流値を用いて閾値Thyを設定したとする。このケースにおいて、異常発生ロボットYとは使用環境及び使用態様が異なるロボットX(使用環境X、使用態様X)について、この閾値Thyを用いて異常予兆の報知を行うとする。このとき、異常が発生するはるか前に、平均指令電流値が閾値Thyに到達してしまう。したがって、異常予兆がないのに異常予兆の報知がなされることとなってしまう。言い換えると、異常予兆の報知が早すぎることとなる。つまり、動作状態データの変化が小さな異常発生ロボットの異常データを用いて閾値を設定すると、動作状態データの変化が大きなロボットについて、異常予兆の「過剰検出」が発生するおそれがある。
これに対し、本実施の形態にかかる異常予兆報知システム1は、上述したように、対象ロボットに関する環境情報及び使用態様情報に基づいて、閾値Th1を設定するために使用される異常データを絞り込んだ上で、閾値を設定する。つまり、対象ロボットに関する環境情報及び使用態様情報と同一又は類似の環境情報及び使用態様情報に関する異常データを選択することができる。これにより、上記のような異常予兆の「見逃し」及び「過剰検出」の発生を抑制することが可能となる。また、膨大な数の異常データの中から、閾値を設定するために使用される異常データを、より適切に選択することができる。したがって、本実施の形態にかかる異常予兆報知システム1は、より適切なタイミングで、異常予兆の報知を行うことが可能となる。
(実施の形態1の適用例)
図12及び図13は、実施の形態1にかかる異常予兆報知システム1が、工場90に適用された例を示す図である。工場90は、例えば、自動車等の製造工場である。図12に例示するように、工場90において、ロボット10Aが、溶接工程で使用されている。また、ロボット10Bが、中塗り工程で使用されている。また、ロボット10Cが、上塗り工程で使用されている。ここで、ロボット10A,ロボット10B,ロボット10Cの機種は、互いに同じであってもよい。
また、図13に例示するように、工程Aにおいて、ロボット10Dが使用されている。ロボット10Dは、工場90の床92に設置されているとする。また、工程Bにおいて、ロボット10Eが使用されている。ロボット10Eは、工場90の壁94に設置されているとする。ここで、ロボット10D,ロボット10Eの機種は、互いに同じであってもよい。
図14〜図16は、ロボット10の機種が同じであっても使用環境及び使用態様によって異常の進行度が異なることを例示する図である。図14は、使用環境及び使用態様の例を示す図である。図15は、異常の進行度が小さい(異常の進行(劣化の進行)が遅い)場合の動作状態データの変化を示す図である。図16は、異常の進行度が大きい(異常の進行(劣化の進行)が速い)場合の動作状態データの変化を示す図である。なお、図15の例と図16の例とで、異常モード及び動作状態データ(例えば平均指令電流値等)は、同じであるとする。なお、「異常が進行している状態」とは、故障等の異常が発生する前の段階であり、ロボット10の状態が、異常発生の状態(異常発生点)に近づきつつある状態をいう。
使用環境(温度)について、減速機24の温度が例えば60度未満であると、減速機24内のグリスの特性は変化しない。この場合、図15に示すように、減速機24に関する異常の進行度は小さい。一方、減速機24の温度が例えば60度以上になると、減速機24内のグリスの特性が変化する。この場合、図16に示すように、減速機24に関する異常の進行度は大きくなる。
使用態様について、スポット溶接等の溶接工程では、ブレーキ動作回数が少ない。したがって、溶接工程では、図15に示すように、ブレーキ摩耗の進行度は小さい。一方、塗装工程(中塗り工程、上塗り工程)では、ブレーキ動作回数が多い。したがって、塗装工程では、図16に示すように、ブレーキ摩耗の進行度は大きい。
また、上塗り工程では、アーム12等の往復動作回数が少ないので、加減速動作が少ない。したがって、上塗り工程では、図15に示すように、減速機24のベアリング摩耗の進行度が小さい。一方、中塗り工程では、アーム12等の往復動作回数が多いので、加減速動作が多い。したがって、中塗り工程では、図16に示すように、減速機24のベアリング摩耗の進行度が大きい。
また、図13に示す工程Aのように、ロボット10の取付け向きが床置きである場合、アーム12を旋回させる旋回軸16に対する負荷が小さい。したがって、床置きタイプでは、図15に示すように、旋回軸16の減速機24の異常の進行度は小さい。つまり、床置きタイプでは、旋回軸16の減速機24の寿命は長い。一方、図13に示す工程Bのように、ロボット10の取付け向きが壁掛けである場合、アーム12の旋回軸16に対する負荷が大きくなる。したがって、壁掛けタイプでは、図16に示すように、旋回軸16の減速機24の異常の進行度は大きい。つまり、壁掛けタイプでは、旋回軸16の減速機24の寿命は短くなる。
ここで、図15に示すように、異常の進行度が小さい(異常の進行が遅い)場合、異常発生点からM日前の動作状態データの値が、異常予兆の報知に用いる閾値Th1と設定される。この場合において、異常発生点における動作状態データの値Vt1と閾値Th1との差をD1とする。また、図16に示すように、異常の進行度が大きい(異常の進行が速い)場合、異常発生点からM日前の動作状態データの値が、異常予兆の報知に用いる閾値Th2と設定される。この場合において、異常発生点における動作状態データの値Vt2と閾値Th2との差をD2とする。
このとき、図15に示した、異常の進行度が小さい場合における差D1は、図16に示した、異常の進行度が大きい場合における差D2よりも小さい。したがって、異常の進行度が小さい場合の方が、異常の進行度が大きい場合よりも、閾値は、異常発生点における値の近くの値に設定される。言い換えると、異常の進行度が大きい場合、閾値は、異常発生点における値から離れた値に設定される。つまり、異常発生点における値を基準とすると、異常の進行度が小さい場合の(異常発生点における値に対する)閾値は大きくなり、異常の進行度が大きい場合の(異常発生点における値に対する)閾値は小さくなる。
したがって、異常の進行度が小さい場合、動作状態データの値が異常発生点の値Vt1により近づいたタイミングで異常予兆の報知がなされる。よって、異常の進行度が小さい場合、異常発生点に対して、異常予兆の報知のタイミングは遅くなる。一方、異常の進行度が大きい場合、動作状態データの値が異常発生点の値Vt2に近づく前のタイミングで異常予兆の報知がなされる。よって、異常の進行度が大きい場合、異常発生点に対して、異常予兆の報知のタイミングは早くなる。
ここで、減速機24の温度が60度未満である工程(第1の工程)と減速機24の温度が60度以上になる工程(第2の工程)とで、使用されるロボット10の機種が同じであり、ロボット10に発生する異常の異常モードが同じ(例えばグリス劣化によるベアリング摩耗等)であるとする。この場合、報知部126は、減速機24の温度が60度以上になる工程で使用されるロボット10に関する異常予兆を、減速機24の温度が60度未満である工程で使用されるロボット10に関する異常予兆よりも、早いタイミングで報知する。
また、溶接工程(第1の工程)と塗装工程(第2の工程)とで、使用されるロボット10の機種が同じであり、ロボット10に発生する異常の異常モードが同じ(例えばブレーキ摩耗等)であるとする。この場合、報知部126は、塗装工程で使用されるロボット10に関する異常予兆を、溶接工程で使用されるロボット10に関する異常予兆よりも、早いタイミングで報知する。
また、上塗り工程(第1の工程)と中塗り工程(第2の工程)とで、使用されるロボット10の機種が同じであり、ロボット10に発生する異常の異常モードが同じ(例えば減速機ベアリング摩耗等)であるとする。この場合、報知部126は、中塗り工程で使用されるロボット10に関する異常予兆を、上塗り工程で使用されるロボット10に関する異常予兆よりも、早いタイミングで報知する。
また、ロボット10の取付け向きが床置きである工程(第1の工程)とロボット10の取付け向きが壁掛けである工程(第2の工程)とで、使用されるロボット10の機種が同じであり、ロボット10に発生する異常の異常モードが同じ(例えば旋回軸の減速機異常等)であるとする。この場合、報知部126は、取付け向きが壁掛けである工程で使用されるロボット10に関する異常予兆を、取付け向きが床置きである工程で使用されるロボット10に関する異常予兆よりも、早いタイミングで報知する。
このように、本実施の形態にかかる異常予兆報知システム1は、より厳しい条件で使用される工程(上記の各第2の工程)で使用されるロボット10に関する異常予兆を、早いタイミングで報知するように構成されている。これにより、より厳しい条件で使用される工程であっても、異常が発生する前に、異常予兆の段階で、より確実に、報知を行うことができる。
(変形例)
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、図3に示したフローチャートの各ステップの順序は、適宜変更可能である。また、また、フローチャートの各ステップの1つ以上は、省略されてもよい。例えば、図3において、S120の処理は、S118〜S124の任意のタイミングでなされ得る。また、S120の処理はなくてもよい。
また、本実施の形態にかかる異常予兆報知システム1は、ロボット10に関する異常予兆を報知するとしたが、異常予兆の報知の対象は、ロボットでなくてもよい。ロボット10以外の任意の加工装置等の機器について、本実施の形態にかかる異常予兆報知システム1は適用可能である。
また、本実施の形態にかかる異常予兆報知システム1において、制御装置100と監視装置200とは、物理的に別個の装置であるとしたが、このような構成に限られない。制御装置100と監視装置200とは、物理的に一体であってもよい。また、制御装置100の1つ以上の構成要素は監視装置200にあってもよい。同様に、監視装置200の1つ以上の構成要素は制御装置100にあってもよい。
また、本実施の形態にかかる異常予兆報知システム1は、ロボット10に発生する異常の予兆を報知するとしたが、このような構成に限られない。異常予兆報知システム1は、ロボット10に対応する制御装置100の異常、ロボット10と制御装置100との間の信号線の異常について、予兆を報知してもよい。つまり、「機器の異常」とは、ロボット10等の加工装置に発生する異常だけでなく、ロボット10を制御する制御装置に発生する異常、及び、ロボット10と制御装置とを接続する信号線に発生する異常をも包含する。
また、上述した実施の形態にかかる異常予兆報知システム1は、計測データ(指令電流値等)を変換して得られた判定用データ(平均指令電流値等)を用いて異常予兆を判定するように構成されているが、このような構成に限られない。計測データ(生データ)そのものを、異常予兆の判定に用いてもよい。
また、上述した実施の形態にかかる異常予兆報知システム1は、図3のS110の処理において、対象ロボットの使用態様と「同一」の使用態様にかかる異常データを選択するとしたが、このような構成に限られない。使用態様は同一でなくてもよく、類似であってもよい。この場合、使用態様の項目(ロボットの機種、工程、取付け向き等)ごとに優先順位を設け、優先順位の高い項目(例えば工程)のみが一致するような異常データが選択されるようにしてもよい。また、使用態様の項目ごとにポイントを設け、項目が一致するときに対応するポイントを加算するようにし、ポイントの合計が高い異常データが選択されるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態にかかる異常予兆報知システム1は、図3のS118の処理において、相関係数が最大となる異常データを判定するとしたが、このような構成に限られない。例えば相関係数が1〜3位の異常データが、異常予兆の報知のタイミングの設定に用いられてもよい。つまり、S124の処理において、閾値は、複数の動作状態データについて設定されてもよい。
また、上述した実施の形態において、「環境情報」は、ロボット10が使用されている周囲の温度としたが、このような構成に限られない。例えば、「環境情報」は、周囲の湿度であってもよいし、空気の清浄度であってもよい。
また、上述した実施の形態にかかる監視装置200のデータ格納部212は、計測データ(生データ)を格納するとしたが、このような構成に限られない。監視装置200のデータ格納部212は、判定用データを格納してもよい。一方、データ格納部212が計測データを格納することで、例示した判定用データ(平均指令電流値等)以外の判定用データを、監視装置200(データ処理部216)が、任意に生成することができる。これは、あるロボット10に異常が発生したときには想定していなかった判定用データを、そのロボット10に異常が発生してからかなりの期間が経過した後(例えば数年後)で生成する場合等に、特に有効である。
さらに、上述した実施の形態にかかる異常予兆報知システム1は、異常予兆報知システム1内の記憶装置に異常データを格納する必要はない。異常予兆報知システム1と通信可能な別のサーバ又はクラウド等に異常データを格納しておき、そのサーバ又はクラウド等から、異常データを取得するようにしてもよい。この場合、データ格納部は、サーバ又はクラウド等に、異常データ(異常が発生したロボット10の動作状態データ)を、使用態様情報及び環境情報と対応付けて格納する機能を有する。
また、上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
1 異常予兆報知システム
10 ロボット
20 モータ装置
22 モータ
24 減速機
26 ブレーキ
28 エンコーダ
100 制御装置
110 ロボット制御部
112 データ取得部
114 計測データ取得部
116 環境情報取得部
118 使用態様取得部
120 データ処理部
122 データ記録部
124 予兆判定部
126 報知部
200 監視装置
212 データ格納部
214 異常モード設定部
216 データ処理部
218 異常データ選択部
220 タイミング設定部
222 相関係数算出部
224 異常データ判定部
226 異常モード判定部
228 閾値設定部

Claims (9)

  1. 機器の異常発生の予兆である異常予兆を報知する異常予兆報知システムであって、
    複数の前記機器に関する、時系列に沿った動作状態を示す動作状態データを取得する動作状態取得部と、
    少なくとも過去に異常が発生した機器の前記動作状態データに対応する複数の異常データを、前記機器の使用されていた環境を示す環境情報及び前記機器の使用態様を示す使用態様情報と対応付けて格納するデータ格納部と、
    前記機器のうち異常予兆の報知対象である対象機器の前記環境情報と、前記対象機器の前記使用態様情報とに基づいて、前記データ格納部によって格納された前記複数の異常データの中から1つ以上の異常データを絞り込んで選択する異常データ選択部と、
    前記選択された異常データと、前記対象機器の前記選択された異常データに対応する前記動作状態データとに基づいて、異常予兆を報知するタイミングを設定するタイミング設定部と、
    前記タイミング設定部によって設定されたタイミングで、前記対象機器に関する異常予兆を報知する報知部と
    を有する異常予兆報知システム。
  2. 前記タイミング設定部は、前記選択された異常データと前記対象機器の前記動作状態データとの相関に基づいて、前記動作状態データに関する閾値を設定し、
    前記報知部は、前記対象機器の前記動作状態データが前記閾値を超えたときに、前記異常予兆を報知する
    請求項1に記載の異常予兆報知システム。
  3. 前記タイミング設定部は、前記対象機器の複数の前記動作状態データと複数の前記選択された異常データとの相関に基づいて、前記閾値を設定するための少なくとも1つの前記異常データを判定し、前記判定された異常データにおいて異常が発生した時点よりも所定期間前の時点における前記異常データの値を、前記閾値として設定する
    請求項2に記載の異常予兆報知システム。
  4. 前記異常データそれぞれに異常モードを対応付ける異常モード設定部
    をさらに有し、
    前記タイミング設定部は、前記対象機器の前記動作状態データと前記選択された異常データとの相関に基づいて、前記対象機器について発生し得ると予測される異常モードを判定する
    請求項2又は3に記載の異常予兆報知システム。
  5. 前記機器は、複数の加工工程を有する工場において前記複数の加工工程それぞれで動作し、
    前記タイミング設定部は、複数の加工工程のうちの第1の工程と第2の工程とで使用される前記機器の機種が同じであり、前記機器に発生する異常モードが前記第1の工程と前記第2の工程とで同じ場合に、前記第1の工程における前記使用態様と前記第2の工程における前記使用態様とに基づいて、前記異常予兆を報知するタイミングが異なるように、前記タイミングを設定する
    請求項1から4のいずれか一項に記載の異常予兆報知システム。
  6. 複数の加工工程を有する工場において前記複数の加工工程それぞれで使用される機器の異常発生の予兆である異常予兆を報知する異常予兆報知システムであって、
    前記異常予兆報知システムは、
    異常予兆の報知対象の機器である対象機器に関する異常予兆を報知する報知部
    を有し、
    前記複数の加工工程は、第1の工程と、前記機器のブレーキの動作回数が前記第1の工程よりも多い第2の工程とを有し、
    前記報知部は、前記第1の工程と前記第2の工程とで使用される前記機器の機種が同じであり、前記機器に発生する異常モードが前記第1の工程と前記第2の工程とで同じ場合に、前記第2の工程で使用される前記機器に関する異常予兆を、前記第1の工程で使用される前記機器に関する異常予兆よりも早いタイミングで報知する
    異常予兆報知システム。
  7. 複数の加工工程を有する工場において前記複数の加工工程それぞれで使用される機器の異常発生の予兆である異常予兆を報知する異常予兆報知システムであって、
    前記異常予兆報知システムは、
    異常予兆の報知対象の機器である対象機器に関する異常予兆を報知する報知部
    を有し、
    前記複数の加工工程は、第1の工程と、前記機器の往復動作回数が前記第1の工程よりも多い第2の工程とを有し、
    前記報知部は、前記第1の工程と前記第2の工程とで使用される前記機器の機種が同じであり、前記機器に発生する異常モードが前記第1の工程と前記第2の工程とで同じ場合に、前記第2の工程で使用される前記機器に関する異常予兆を、前記第1の工程で使用される前記機器に関する異常予兆よりも早いタイミングで報知する
    異常予兆報知システム。
  8. 機器の異常発生の予兆である異常予兆を報知する異常予兆報知方法であって、
    複数の前記機器に関する、時系列に沿った動作状態を示す動作状態データを取得するステップと、
    少なくとも過去に異常が発生した機器の前記動作状態データに対応する複数の異常データを、前記機器の使用されていた環境を示す環境情報及び前記機器の使用態様を示す使用態様情報と対応付けて格納するステップと、
    前記機器のうち異常予兆の報知対象である対象機器の前記環境情報と、前記対象機器の前記使用態様情報とに基づいて、前記格納するステップで格納された前記複数の異常データの中から1つ以上の異常データを絞り込んで選択するステップと、
    前記選択された異常データと、前記対象機器の前記選択された異常データに対応する前記動作状態データとに基づいて、異常予兆を報知するタイミングを設定するステップと、
    前記設定されたタイミングで、前記対象機器に関する異常予兆を報知するステップと
    を有する異常予兆報知方法。
  9. 機器の異常発生の予兆である異常予兆を報知する異常予兆報知方法を実行するプログラムであって、
    複数の前記機器に関する、時系列に沿った動作状態を示す動作状態データを取得するステップと、
    少なくとも過去に異常が発生した機器の前記動作状態データに対応する複数の異常データを、前記機器の使用されていた環境を示す環境情報及び前記機器の使用態様を示す使用態様情報と対応付けて格納するステップと、
    前記機器のうち異常予兆の報知対象である対象機器の前記環境情報と、前記対象機器の前記使用態様情報とに基づいて、前記格納するステップで格納された前記複数の異常データの中から1つ以上の異常データを絞り込んで選択するステップと、
    前記選択された異常データと、前記対象機器の前記選択された異常データに対応する前記動作状態データとに基づいて、異常予兆を報知するタイミングを設定するステップと、
    前記設定されたタイミングで、前記対象機器に関する異常予兆を報知するステップと
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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