JP2019087543A - 対象物の処理方法、洗浄剤、半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】仮固定材を用いて支持体上に処理対象物を仮固定した状態で対象物の加工・移動処理を行い、続いて支持体と対象物とを分離する方法において、対象物上の仮固定材の残渣が少ない対象物の処理方法を提供する。【解決手段】(1)支持体と仮固定材と処理対象物とを有する積層体を形成する工程、ここで前記対象物は前記仮固定材上に保持されており;(2)前記対象物を加工し、および/または前記積層体を移動する工程;(3)前記対象物を前記支持体から分離する工程;ならびに(4)前記対象物を、塩基(B1)と、芳香族炭化水素構造を含む基を親油性基として有する界面活性剤(B2)とを含有する洗浄剤で洗浄する工程;を有する、対象物の処理方法。【選択図】なし
Description
本発明は、半導体ウエハ等の対象物をガラス基板等の支持体上に仮固定材を介して接合した状態で、対象物に対して加工処理を行う方法等の対象物の処理方法、洗浄剤、半導体装置およびその製造方法に関する。
半導体ウエハ等の対象物をガラス基板等の支持体上に仮固定材を介して接合した状態で、対象物に対して、裏面研削およびフォトファブリケーション等の加工処理を行う方法が提案されている。仮固定材には、加工処理中において支持体上に対象物を仮固定することができ、加工処理後には支持体と対象物とを容易に分離できることが必要とされる。
分離処理において、紫外線および赤外線等の光エネルギーを、支持体と仮固定材と対象物とを有する積層体中の前記仮固定材に照射することによって、仮固定材の接着力を低減させて、続いて支持体と対象物とを分離する方法が提案されている(特許文献1〜2参照)。
対象物を支持体から分離すると、対象物上には仮固定材の残渣が通常存在するため、前記残渣を除去するために、洗浄剤を用いた対象物の洗浄が行われる。しかしながら、この洗浄を行っても仮固定材の残渣を良好に除去できないことがある。
本発明は、仮固定材を用いて支持体上に処理対象物を仮固定した状態で対象物の加工・移動処理を行い、続いて支持体と対象物とを分離する方法において、対象物上の仮固定材の残渣が少ない対象物の処理方法を提供すること、また、前記対象物の処理方法に好ましく用いられる洗浄剤、ならびに半導体装置およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、以下の構成を有する対象物の処理方法により前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、例えば以下の[1]〜[14]に関する。
[1](1)支持体と仮固定材と処理対象物とを有する積層体を形成する工程、ここで前記対象物は前記仮固定材上に保持されており;(2)前記対象物を加工し、および/または前記積層体を移動する工程;(3)前記対象物を前記支持体から分離する工程;ならびに(4)前記対象物を、塩基(B1)と、芳香族炭化水素構造を含む基を親油性基として有する界面活性剤(B2)とを含有する洗浄剤で洗浄する工程;を有する、対象物の処理方法。
[2]前記界面活性剤(B2)の親水性基が、ポリオキシアルキレン基である前記[1]に記載の対象物の処理方法。
[3]前記塩基(B1)が、無機塩基である前記[1]または[2]に記載の対象物の処理方法。
[4]前記無機塩基が、アルカリ金属の水酸化物である前記[3]に記載の対象物の処理方法。
[5]前記洗浄剤が、水溶液である前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の対象物の処理方法。
[6]前記工程(3)において、前記仮固定材に光照射して前記仮固定材を分解または変質させ、前記対象物を前記支持体から分離する前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の対象物の処理方法。
[7]波長300〜400nmのレーザーにより前記光照射を行う前記[6]に記載の対象物の処理方法。
[8]前記仮固定材が、芳香族炭化水素構造を有する重合体を固形分中70質量%以上含有する仮固定用組成物から形成された層(I)を有する前記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の対象物の処理方法。
[9]前記層(I)が、前記処理対象物と接している層である前記[8]に記載の対象物の処理方法。
[10]前記工程(1)において、仮固定材上に配線層を少なくとも有する処理対象物を形成する前記[1]〜[9]のいずれか1項に記載の対象物の処理方法。
[11]前記工程(2)における加工が、前記配線層上に半導体ウエハおよび半導体チップから選ばれる少なくとも1種を配置することを含む前記[10]に記載の対象物の処理方法。
[12]塩基(B1)と、芳香族炭化水素構造を含む基を親油性基として有する界面活性剤(B2)とを含有する洗浄剤。
[13]前記[1]〜[11]のいずれか1項に記載の処理方法により対象物を加工して、半導体装置を製造する、半導体装置の製造方法。
[14]前記[13]に記載の製造方法によって得られる半導体装置。
[2]前記界面活性剤(B2)の親水性基が、ポリオキシアルキレン基である前記[1]に記載の対象物の処理方法。
[3]前記塩基(B1)が、無機塩基である前記[1]または[2]に記載の対象物の処理方法。
[4]前記無機塩基が、アルカリ金属の水酸化物である前記[3]に記載の対象物の処理方法。
[5]前記洗浄剤が、水溶液である前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の対象物の処理方法。
[6]前記工程(3)において、前記仮固定材に光照射して前記仮固定材を分解または変質させ、前記対象物を前記支持体から分離する前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の対象物の処理方法。
[7]波長300〜400nmのレーザーにより前記光照射を行う前記[6]に記載の対象物の処理方法。
[8]前記仮固定材が、芳香族炭化水素構造を有する重合体を固形分中70質量%以上含有する仮固定用組成物から形成された層(I)を有する前記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の対象物の処理方法。
[9]前記層(I)が、前記処理対象物と接している層である前記[8]に記載の対象物の処理方法。
[10]前記工程(1)において、仮固定材上に配線層を少なくとも有する処理対象物を形成する前記[1]〜[9]のいずれか1項に記載の対象物の処理方法。
[11]前記工程(2)における加工が、前記配線層上に半導体ウエハおよび半導体チップから選ばれる少なくとも1種を配置することを含む前記[10]に記載の対象物の処理方法。
[12]塩基(B1)と、芳香族炭化水素構造を含む基を親油性基として有する界面活性剤(B2)とを含有する洗浄剤。
[13]前記[1]〜[11]のいずれか1項に記載の処理方法により対象物を加工して、半導体装置を製造する、半導体装置の製造方法。
[14]前記[13]に記載の製造方法によって得られる半導体装置。
本発明によれば、仮固定材を用いて支持体上に処理対象物を仮固定した状態で対象物の加工・移動処理を行い、続いて支持体と対象物とを分離する方法において、対象物上の仮固定材の残渣が少ない対象物の処理方法を提供することができ、また、前記対象物の処理方法に好ましく用いられる洗浄剤、ならびに半導体装置およびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の対象物の処理方法で形成される積層体について説明した後、対象物の処理方法、ならびに半導体装置およびその製造方法について説明する。本発明の洗浄剤は、対象物の処理方法の欄中で説明する。
本明細書で例示する各成分、例えば組成物中の各成分は、特に言及しない限り、それぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において仮固定材とは、処理対象物を加工および/または移動するに際して、支持体から対象物がずれて動かないように支持体上に対象物を仮固定するために用いられる材料のことである。処理対象物とは、後述する工程(2)での加工処理や移動処理を受ける対象物を意味し(例えば後述する工程(1)や(2)での段階)、また、前記処理を受けた後の対象物を意味する場合もある(例えば後述する工程(3)や(4)での段階)。以下、処理対象物を単に「対象物」ともいう。
本発明において仮固定材とは、処理対象物を加工および/または移動するに際して、支持体から対象物がずれて動かないように支持体上に対象物を仮固定するために用いられる材料のことである。処理対象物とは、後述する工程(2)での加工処理や移動処理を受ける対象物を意味し(例えば後述する工程(1)や(2)での段階)、また、前記処理を受けた後の対象物を意味する場合もある(例えば後述する工程(3)や(4)での段階)。以下、処理対象物を単に「対象物」ともいう。
[積層体]
本発明で形成される積層体は、支持体と仮固定材と処理対象物とを有しており、ここで処理対象物は仮固定材上に保持されている。例えば、加工または移動対象である処理対象物が、仮固定材を介して、支持体上に仮固定されている。具体的には、前記積層体は、支持体と仮固定材と処理対象物とを積層方向にこの順に有することが好ましい。
本発明で形成される積層体は、支持体と仮固定材と処理対象物とを有しており、ここで処理対象物は仮固定材上に保持されている。例えば、加工または移動対象である処理対象物が、仮固定材を介して、支持体上に仮固定されている。具体的には、前記積層体は、支持体と仮固定材と処理対象物とを積層方向にこの順に有することが好ましい。
仮固定材は、芳香族炭化水素構造を有する重合体(以下「重合体(A)」ともいう)を含有する仮固定用組成物から形成された層(I)(以下「分離層(I)」ともいう)を有することが好ましい。
仮固定材は、分離層(I)に加えて、この層(I)に直接接してまたは他の層を挟んで形成された接着剤層(II)を有してもよい。接着剤層(II)は、対象物を仮固定するための公知の接着剤、例えば熱可塑性樹脂系、エラストマー系または熱硬化性樹脂系の接着剤から形成され、これらから選ばれる2種以上の混合系の接着剤を用いてもよい。
仮固定材は、層(I)および層(II)の他に、任意の他の層を有していてもよい。支持体、接着剤層(II)、分離層(I)および対象物の順に前記各要素を有する積層体の場合は、例えば層(I)と層(II)との間に中間層を設けてもよく、また層(II)と支持体との間または層(I)と対象物との間に他の層を設けてもよい。
積層体において、分離層(I)が、対象物と接している層であることが好ましい。この場合、対象物を支持体から分離すると、分離層(I)由来の残渣が対象物上に残りやすいが、本発明の洗浄剤を用いることにより前記残渣は良好に除去することができる。
仮固定材の全厚さは、通常は0.01〜1000μm、好ましくは0.1〜500μm、より好ましくは0.2〜300μmである。また、層(I)および層(II)の各層の厚さは、それぞれ独立に、通常は0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上である。このような態様であると、仮固定材が対象物を仮固定するための充分な保持力を有し、加工処理または移動処理中に仮固定面から対象物が脱落することもない。
〔分離層(I)〕
分離層(I)は、芳香族炭化水素構造を有する重合体(A)を含有することが好ましい。分離層(I)は、重合体(A)を含有する仮固定用組成物から形成する。仮固定用組成物は、溶剤を含有してもよい。
分離層(I)は、芳香族炭化水素構造を有する重合体(A)を含有することが好ましい。分離層(I)は、重合体(A)を含有する仮固定用組成物から形成する。仮固定用組成物は、溶剤を含有してもよい。
一実施態様において、分離層(I)に後述する光を照射すると、重合体(A)が当該光を吸収し、分解または変質する。この分解または変質により、分離層(I)の強度または接着力が光照射の前後で低下する。積層体に外力を加えることにより、分離層(I)内で凝集破壊が起こり、または分離層(I)と当該層に接する層との間で界面破壊が起こる。したがって、光照射処理後の積層体に外力を加えることにより、支持体と対象物とを容易に分離することができる。なお、半導体ウエハおよび半導体チップ等の加工対象物は、一般的に光に弱く、光照射を受けると劣化することがある。仮固定材に光照射してその接着力を低減させた後、または光照射を行いながら、支持体と対象物とを分離する光照射分離法において使用される光が対象物に到達しないよう、仮固定材は前記光を遮断できることが好ましい。
分離層(I)の分解または変質、および光遮断性の観点から、分離層(I)は、光照射処理で使用される光に対する光透過率が低いことが好ましい。分離層(I)は、光照射処理で使用される光の波長における光透過率が、例えば波長355nmにおける光透過率が、好ましくは10%T以下、より好ましくは5%T以下、さらに好ましくは1%T以下である。
<重合体(A)>
重合体(A)における芳香族炭化水素構造としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、ペリレン環等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素環が挙げられる。重合体(A)における芳香族炭化水素構造は、後述する界面活性剤(B2)における芳香族炭化水素構造と同一でも異なってもよい。
重合体(A)における芳香族炭化水素構造としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、ペリレン環等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素環が挙げられる。重合体(A)における芳香族炭化水素構造は、後述する界面活性剤(B2)における芳香族炭化水素構造と同一でも異なってもよい。
重合体(A)としては、例えば、ノボラック樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリベンゾチアゾール樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、熱を受けると分子内で環化反応(閉環反応)してベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環またはベンゾイミダゾール環を形成する樹脂(ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリベンゾチアゾール樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂の前駆体樹脂)、ジヒドロベンゾオキサジン樹脂、フェノキシ樹脂、芳香族ポリイミド樹脂が挙げられ、これらの中でもノボラック樹脂が好ましい。
ノボラック樹脂としては、例えば、ジヒドロキシナフタレン/ホルムアルデヒド縮合物、フェノール/ホルムアルデヒド縮合物、クレゾール/ホルムアルデヒド縮合物、フェノール−ナフトール/ホルムアルデヒド縮合物が挙げられる。具体的には、下記(A1)式に示す構造単位(以下「構造単位(A1)」ともいう)を有する重合体が挙げられる。
Arは、芳香族炭化水素環であり、好ましくは縮合多環芳香族炭化水素環である。縮合多環芳香族環を構成する環数(例:ベンゼン核数)は、好ましくは2〜5、より好ましくは2〜3、さらに好ましくは2である。芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、ペリレン環が挙げられ、加工処理中の熱によって分離層(I)の光透過率が増大しにくい点で、好ましくはナフタレン環である。前記芳香族炭化水素環は、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基等の、下記−OR1以外の置換基を有してもよい。
−OR1は前記芳香族炭化水素環に結合する基である。R1は、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基である。−OR1は、複数存在する場合、互いに同一でもよく異なっていてもよい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素が挙げられる。
炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数2〜20のアルキニル基が挙げられる。
炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数2〜20のアルキニル基が挙げられる。
aは1以上の整数である。構造単位(A1)中のAr−OR1部分は、例えばaが2以上の整数の場合、高温の加熱処理を受けて遮光性の高いキノン構造を形成すると考えられる。aは、キノン構造形成の点から、好ましくは2以上の整数であり、より好ましくは2〜4の整数であり、さらに好ましくは2である。
R2は水素原子または有機基である。R2は互いに同一でもよく異なっていてもよい。
R2における有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜20のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜20のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基、ピレニル基等の炭素数6〜18のアリール基;フリル基、チエニル基が挙げられる。前記有機基において、アルキル基、シクロアルキル基およびアリール基に含まれる少なくとも1つの水素原子は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基およびハロゲン原子から選ばれる少なくとも1種の基で置換されていてもよい。
R2における有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜20のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜20のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基、ピレニル基等の炭素数6〜18のアリール基;フリル基、チエニル基が挙げられる。前記有機基において、アルキル基、シクロアルキル基およびアリール基に含まれる少なくとも1つの水素原子は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基およびハロゲン原子から選ばれる少なくとも1種の基で置換されていてもよい。
構造単位(A1)の含有量は、重合体(A)100質量%中、通常は80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは99質量%以上である。含有量が前記範囲にあると、光照射に対する感度が高く、また遮光性に優れる分離層(I)が得られる傾向にある。前記含有量は、13C NMRにより測定することができる。
ノボラック樹脂は、例えば、フェノール化合物とアルデヒド化合物とを、シュウ酸等の酸性触媒の存在下で付加縮合させることにより得ることができる。反応条件としては、溶剤中、フェノール化合物とアルデヒド化合物とを通常は40〜200℃で0.5〜10時間程度反応させる。
重合体(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、通常は500〜30,000、好ましくは1,000〜15,000、さらに好ましくは1,000〜10,000である。Mwが前記範囲にあると、膜厚均一性に優れた層(I)を形成できる。Mwの測定方法の詳細は、実施例に記載する。
重合体(A)の含有量は、仮固定用組成物に含まれる固形分100質量%中、通常は70質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。固形分とは、溶剤以外の全成分をいう。重合体(A)の含有量が前記範囲にあると、分離層(I)の接着性、分離性、遮光性および耐熱性の点で好ましい。
<その他の成分>
仮固定用組成物は、必要に応じて、粘着付与樹脂、酸化防止剤、重合禁止剤、密着助剤、界面活性剤、ポリスチレン架橋粒子、架橋剤および金属酸化物粒子から選ばれる少なくとも1種を含有してもよい。
仮固定用組成物は、必要に応じて、粘着付与樹脂、酸化防止剤、重合禁止剤、密着助剤、界面活性剤、ポリスチレン架橋粒子、架橋剤および金属酸化物粒子から選ばれる少なくとも1種を含有してもよい。
<仮固定用組成物の製造>
仮固定用組成物は、必要に応じて樹脂組成物の加工に用いる公知の装置、例えば、二軸押出機、単軸押出機、連続ニーダー、ロール混練機、加圧ニーダー、バンバリーミキサーを用いて、各成分を混合することにより製造することができる。また、異物を除く目的で、適宜、濾過を行うこともできる。
仮固定用組成物は、必要に応じて樹脂組成物の加工に用いる公知の装置、例えば、二軸押出機、単軸押出機、連続ニーダー、ロール混練機、加圧ニーダー、バンバリーミキサーを用いて、各成分を混合することにより製造することができる。また、異物を除く目的で、適宜、濾過を行うこともできる。
仮固定用組成物の製造には、粘度を塗布に適した範囲に設定するため、溶剤を用いてもよい。溶剤としては、例えば、炭化水素溶剤、アルコール溶剤、エーテル溶剤、エステル溶剤、ラクトン溶剤、ケトン溶剤、アミド溶剤、ラクタム溶剤が挙げられる。これらの具体例として、後述する本発明の洗浄剤における溶剤として挙げた例が挙げられる。
仮固定用組成物が溶剤を含有することにより、これらの粘度を調整することが容易となり、したがって対象物または支持体上に仮固定材を形成することが容易となる。例えば、溶剤は、仮固定用組成物の固形分濃度が、通常は5〜70質量%、より好ましくは5〜50質量%となる範囲で用いることができる。ここで「固形分濃度」とは、溶剤以外の全成分の合計濃度である。
[対象物の処理方法]
本発明の対象物の処理方法は、前記積層体を形成する工程(1)と、ここで前記対象物は前記仮固定材上に保持されており、前記対象物を加工し、および/または前記積層体を移動する工程(2)と、前記対象物を前記支持体から分離する工程(3)と、前記対象物を、塩基(B1)と、芳香族炭化水素構造を含む基を親油性基として有する界面活性剤(B2)とを含有する洗浄剤で洗浄する工程(4)とを有する。
本発明の対象物の処理方法は、前記積層体を形成する工程(1)と、ここで前記対象物は前記仮固定材上に保持されており、前記対象物を加工し、および/または前記積層体を移動する工程(2)と、前記対象物を前記支持体から分離する工程(3)と、前記対象物を、塩基(B1)と、芳香族炭化水素構造を含む基を親油性基として有する界面活性剤(B2)とを含有する洗浄剤で洗浄する工程(4)とを有する。
<工程(1)>
工程(1)では、例えば、支持体および/または対象物の表面に、前記仮固定材を形成し、前記仮固定材を介して対象物と支持体とを貼り合せることにより、対象物を支持体上に仮固定する。また、支持体の表面に、前記仮固定材を形成し、前記仮固定材上に樹脂塗膜、配線層等の対象物を形成することにより、対象物を支持体上に仮固定してもよい。対象物は、必要に応じて表面処理されていてもよい。
工程(1)では、例えば、支持体および/または対象物の表面に、前記仮固定材を形成し、前記仮固定材を介して対象物と支持体とを貼り合せることにより、対象物を支持体上に仮固定する。また、支持体の表面に、前記仮固定材を形成し、前記仮固定材上に樹脂塗膜、配線層等の対象物を形成することにより、対象物を支持体上に仮固定してもよい。対象物は、必要に応じて表面処理されていてもよい。
上述の仮固定材の形成方法としては、例えば、仮固定材が有する各層を、支持体上および/または対象物上に直接形成する方法、離型処理が施されたフィルム上に仮固定用組成物または接着剤を用いて一定膜厚で成膜した後、各層を支持体および/または対象物へラミネート方式により転写する方法が挙げられる。膜厚均一性の点から、前記直接形成する方法が好ましい。
仮固定材を対象物上に形成するに際して、仮固定材の面内への広がりを均一にするため、対象物面(例えば回路面)を予め表面処理することもできる。表面処理の方法としては、例えば、対象物面に予め表面処理剤を塗布する方法が挙げられる。表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤等のカップリング剤が挙げられる。
以下、分離層(I)の形成方法について説明する。仮固定用組成物の塗布方法としては、例えば、スピンコート法、インクジェット法が挙げられる。仮固定用組成物を塗布して塗膜を形成した後は、必要に応じて加熱して、溶剤を蒸発させることにより、分離層(I)を形成する。加熱の条件は、溶剤の沸点に応じて適宜決定され、例えば、加熱温度が通常は100〜350℃であり、加熱時間が通常は1〜60分である。
対象物と支持体との仮固定材を介した圧着条件は、例えば、好ましくは5〜400℃、より好ましくは150〜400℃で1〜20分間、0.01〜100MPaの圧力を各層の積層方向に付加することにより行えばよい。圧着後、さらに150〜300℃で10分〜3時間加熱処理してもよい。このようにして、対象物が支持体上に仮固定材を介して強固に保持される。
加工(移動)対象である前記処理対象物としては、例えば、半導体ウエハ、半導体チップ、ガラス基板、樹脂基板、金属基板、金属箔、研磨パッド、樹脂塗膜、配線層が挙げられる。半導体ウエハおよび半導体チップには、バンプ、配線、スルーホール、スルーホールビア、絶縁膜および各種の素子から選ばれる少なくとも1種が形成されていてもよい。前記基板には、各種の素子が形成または搭載されていてもよい。樹脂塗膜としては、例えば、有機成分を主成分として含有する層が挙げられ;具体的には、感光性材料から形成される感光性樹脂層、絶縁性材料から形成される絶縁性樹脂層、感光性絶縁樹脂材料から形成される感光性絶縁樹脂層が挙げられる。
支持体としては、工程(3)で支持体側から光照射をして分離層(I)を変質させることが好ましいため、光照射で用いられる光に対して透明な基板が好ましく、例えば、ガラス基板、石英基板および透明樹脂製基板が挙げられる。
以下では、配線層を少なくとも有する処理対象物について説明する。このプロセスでは、支持体上に仮固定材を形成し、配線層を少なくとも有する処理対象物を、例えば半導体ウエハ又はチップから独立した層として、仮固定材上に先に形成し、続いて後述する工程(2)において前記配線層上に、ウエハ基板に半導体素子が複数形成された半導体ウエハ、又は半導体チップを配置する。前記配線層は、半導体ウエハ又はチップと電気的に接続されることによって、半導体ウエハ又はチップの再配線層として機能する。本発明は、このようなFan-Out Wafer Level Package(FO−WLP)技術におけるRedistribution Layer(RDL)-First構造にも適用することができる。
配線層は、例えば、絶縁部と、配線部と、半導体ウエハ又はチップの電極に接続し得る接続用導体部とを有する。配線層上に半導体ウエハ又はチップを配置し、配線層の接続用導体部と、半導体ウエハ又はチップの電極とを、はんだ、異方導電性ペースト、異方導電性フィルム等の接合部材により電気的に接続する。半導体ウエハ又はチップと配線層との間に間隙が生じる場合は、アンダーフィル材料を充填してもよい。
配線層における内部構造は、特に限定はされない。配線部および接続用導体部の材料としては、例えば、銅、金、銀、白金、鉛、錫、ニッケル、コバルト、インジウム、ロジウム、クロム、タングステン、ルテニウム等の金属、およびこれらの2種類以上からなる合金が挙げられる。絶縁部の材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の公知の合成樹脂が挙げられる。配線層の厚さは、通常は1〜1,000μmである。
続いて、例えば、工程(2)において半導体ウエハ又はチップを樹脂封止し、工程(3)において仮固定材と配線層とを分離することにより、半導体ウエハ又はチップと配線層(すなわち再配線層)とを有する半導体装置を得ることができる。
<工程(2)>
工程(2)は、支持体上に仮固定された対象物を加工し、および/または得られた積層体を移動する工程である。移動工程は、半導体ウエハ等の対象物を、ある装置から別の装置へ支持体とともに移動する工程である。支持体上に仮固定された対象物の加工処理としては、例えば、対象物のダイシング、対象物の薄化(裏面研削等)、フォトファブリケーション、半導体ウエハ又はチップの積層、各種素子の搭載、樹脂封止が挙げられる。フォトファブリケーションは、例えば、レジストパターンの形成、エッチング加工、スパッタ膜の形成、メッキ処理およびメッキリフロー処理から選ばれる1つ以上の処理を含む。エッチング加工およびスパッタ膜の形成は、例えば25〜300℃程度の温度範囲で行われ、メッキ処理およびメッキリフロー処理は、例えば225〜300℃程度の温度範囲で行われる。対象物の加工処理は、仮固定材の保持力が失われない温度で行えば特に限定されない。
工程(2)は、支持体上に仮固定された対象物を加工し、および/または得られた積層体を移動する工程である。移動工程は、半導体ウエハ等の対象物を、ある装置から別の装置へ支持体とともに移動する工程である。支持体上に仮固定された対象物の加工処理としては、例えば、対象物のダイシング、対象物の薄化(裏面研削等)、フォトファブリケーション、半導体ウエハ又はチップの積層、各種素子の搭載、樹脂封止が挙げられる。フォトファブリケーションは、例えば、レジストパターンの形成、エッチング加工、スパッタ膜の形成、メッキ処理およびメッキリフロー処理から選ばれる1つ以上の処理を含む。エッチング加工およびスパッタ膜の形成は、例えば25〜300℃程度の温度範囲で行われ、メッキ処理およびメッキリフロー処理は、例えば225〜300℃程度の温度範囲で行われる。対象物の加工処理は、仮固定材の保持力が失われない温度で行えば特に限定されない。
例えば上述したRDL−Firstでは、工程(1)で仮固定材上に配線層を少なくとも有する処理対象物が形成されており、工程(2)で前記配線層上に半導体ウエハおよび半導体チップから選ばれる少なくとも1種を配置し、続いて配線層と半導体ウエハ又はチップとを電気的に接続する。続いて、必要に応じて半導体ウエハ又はチップの樹脂封止を行う。
<工程(3)>
対象物の加工処理または積層体の移動後、工程(3)では、前記対象物を前記支持体から分離する。対象物と支持体との分離方法としては、例えば、支持体面または対象物面に対して平行方向に対象物または支持体に力を付加して両者を分離する方法;対象物または支持体の一方を固定し、他方を支持体面または対象物面に対して平行方向から一定の角度を付けて持ち上げることで両者を分離する方法が挙げられる。
対象物の加工処理または積層体の移動後、工程(3)では、前記対象物を前記支持体から分離する。対象物と支持体との分離方法としては、例えば、支持体面または対象物面に対して平行方向に対象物または支持体に力を付加して両者を分離する方法;対象物または支持体の一方を固定し、他方を支持体面または対象物面に対して平行方向から一定の角度を付けて持ち上げることで両者を分離する方法が挙げられる。
前者の方法では、対象物を支持体の表面に対して水平方向にスライドさせると同時に、支持体を固定する、または前記対象物に付加される力に拮抗する力を支持体に付加することによって、支持体と対象物とを分離する方法が挙げられる。
後者の方法では、支持体面または対象物面に対して略垂直方向に力を付加して、支持体と対象物とを分離することが好ましい。「支持体面または対象物面に対して略垂直方向に力を付加する」とは、支持体面または対象物面に対して垂直な軸であるz軸に対して、通常は0°〜60°の範囲、好ましくは0°〜45°の範囲、より好ましくは0°〜30°の範囲、さらに好ましくは0°〜5°の範囲、特に好ましくは0°、すなわち支持体面または対象物面に対して垂直の方向に力を付加することを意味する。分離方式としては、例えば、対象物または支持体の周縁を持ち上げ、支持体面または対象物面に対して略垂直方向に力を加えながら、前記周縁から中心に向けて順に剥離する方法(フックプル方式)で行うことができる。
前記分離は、通常は5〜100℃、好ましくは10〜45℃、さらに好ましくは15〜30℃で行うことができる。また、分離をする際、対象物の破損を防ぐため、対象物における支持体との仮止め面と反対側の面に補強テープ、例えば市販のダイシングテープを貼付してもよい。
工程(3)では、前記仮固定材に光照射して前記仮固定材を分解または変質させることにより、仮固定材の強度および接着力を低減させた後、前記対象物を前記支持体から分離することが好ましい。一実施態様において、仮固定材が有する分離層(I)に、支持体側から、光を照射する。光照射により、分離層(I)の含有成分である重合体(A)が光を吸収し、分離層(I)の強度および接着力が低下する。したがって、分離層(I)に対する光照射後であれば、仮固定材の加熱処理を特に必要とすることなく、対象物から支持体を容易に分離することができる。
光照射には紫外線を用いることが好ましく、例えば波長10〜400nmの紫外線が採用され、波長300〜400nmの紫外線が特に好ましい。照射光の光源としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、レーザーが挙げられる。これらの中でも、レーザーが好ましい。支持体側から、レーザーを走査させながら分離層(I)の全面に照射することが好ましく、レーザーを分離層(I)に焦点を絞って照射することがより好ましい。
レーザーとしては、例えば、固体レーザー(例:光励起半導体レーザーを用いた全固体レーザー、YAGレーザー)、液体レーザー(例:色素レーザー)、ガスレーザー(例:エキシマレーザー)が挙げられる。これらの中でも、光励起半導体レーザーを用いた全固体レーザー(波長:355nm)、YAGレーザー(波長:355nm)およびエキシマレーザーが好ましい。
光照射の条件は光源等の種類によって異なるが、光励起半導体レーザーを用いた全固体レーザー、およびYAGレーザーの場合、通常は1mW〜100W、積算光量が通常は1.4×10-7〜1.4×107mJ/cm2である。
続いて、対象物または支持体に力を付加することで、前記対象物を前記支持体から剥離するなどして両者を分離する。なお、光照射を終えた後に分離を行うことが好ましいが、光照射を行いながら分離を行ってもよい。
<工程(4)>
支持体と対象物とを分離した後には、仮固定材が対象物上に残存しやすい。分離工程後の対象物上に残存する仮固定材、すなわち仮固定材の残渣は、塩基(B1)と、芳香族炭化水素構造を含む基を親油性基として有する界面活性剤(B2)とを含有する本発明の洗浄剤を用いて良好に除去することができる。
支持体と対象物とを分離した後には、仮固定材が対象物上に残存しやすい。分離工程後の対象物上に残存する仮固定材、すなわち仮固定材の残渣は、塩基(B1)と、芳香族炭化水素構造を含む基を親油性基として有する界面活性剤(B2)とを含有する本発明の洗浄剤を用いて良好に除去することができる。
特に、本発明では、光照射分離法を用いた場合において、対象物上に残存した仮固定材も良好に除去することができる。例えば、分離のための光照射に対する遮光率を高めるために、高炭素含有材料(例えば芳香族炭化水素構造を有する重合体(A)を含有する仮固定用組成物)から形成された分離層(I)を用いると、分離層(I)は光照射を受けて炭化膜のような膜になる。この傾向は、光照射にレーザーを用いる場合に高まる。したがって、支持体から分離された対象物上に仮固定材の前記膜が残渣として存在する。分離層(I)が処理対象物と接している層である場合は、対象物上に前記膜がより残りやすい。有機物からなる残渣は、例えば塩基を含有する洗浄剤を用い、前記有機物を腐食、分解することにより除去できると考えられるが、前述した仮固定材の残渣は、炭化膜類似の構成であるため、この洗浄剤を用いても撥液されてしまい、良好に除去できない。
本発明では、仮固定材の残渣が付着した前記対象物を、塩基(B1)と、芳香族炭化水素構造を含む基を親油性基として有する界面活性剤(B2)とを含有する洗浄剤を用いて洗浄する。これにより、このような仮固定材の残渣を良好に除去することができる。これは、前述した炭化膜に対する親和性の高い芳香族炭化水素構造を含む基を親油性基として有する界面活性剤(B2)を用いることで、仮固定材の残渣による洗浄剤の撥液が抑制され、したがって塩基(B1)による仮固定材の残渣の分解、除去を良好に行えるためであると考えられる。
以下、工程(4)で用いられる本発明の洗浄剤について説明する。
本発明の洗浄剤は、塩基(B1)と、芳香族炭化水素構造を含む基を親油性基として有する界面活性剤(B2)とを含有する。
本発明の洗浄剤は、塩基(B1)と、芳香族炭化水素構造を含む基を親油性基として有する界面活性剤(B2)とを含有する。
塩基(B1)としては、例えば無機塩基が挙げられ、具体的にはアルカリ金属またはアルカリ土類金属の、水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩が挙げられ、より具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが挙げられ、また、有機塩基が挙げられ、具体的にはエチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類;アンモニア;テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド等のアンモニウム塩が挙げられる。これらの中でも、強アルカリ性の点で無機塩基が好ましく、アルカリ金属の水酸化物がより好ましい。
塩基(B1)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の洗浄剤中の塩基(B1)の含有割合は、通常は0質量%を超えて20質量%以下、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜10質量%である。このような態様であると、対象物へのダメージを抑制しつつ洗浄できる。
本発明の洗浄剤中の塩基(B1)の含有割合は、通常は0質量%を超えて20質量%以下、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜10質量%である。このような態様であると、対象物へのダメージを抑制しつつ洗浄できる。
界面活性剤とは、親油性基と親水性基とを有する化合物の総称であり、本発明で用いられる界面活性剤(B2)は、前記親油性基として芳香族炭化水素構造を含む基を有する。
界面活性剤(B2)の、前記親油性基における芳香族炭化水素構造としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素環が挙げられ、前記環は炭素数1〜20の炭化水素基等の置換基を有してもよい。置換基としての炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、アリール基置換アルキル基、アリール基置換アルケニル基が挙げられる。親油性基としての芳香族炭化水素構造を含む基としては、例えば、前記芳香族炭化水素環そのもの、前記置換基を有する芳香族炭化水素環が挙げられる。
界面活性剤(B2)の、前記親油性基における芳香族炭化水素構造としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素環が挙げられ、前記環は炭素数1〜20の炭化水素基等の置換基を有してもよい。置換基としての炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、アリール基置換アルキル基、アリール基置換アルケニル基が挙げられる。親油性基としての芳香族炭化水素構造を含む基としては、例えば、前記芳香族炭化水素環そのもの、前記置換基を有する芳香族炭化水素環が挙げられる。
界面活性剤(B2)における前記親水性基としては、非イオン系またはイオン系の親水性基が挙げられるが、非イオン系親水性基が好ましく、非イオン系親水性基の中でもポリオキシアルキレン基が好ましい。親水性基としてのポリオキシアルキレン基としては、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基が挙げられる。ポリオキシアルキレン基におけるオキシアルキレン基の繰返し数は、通常は2〜20、好ましくは2〜15である。
界面活性剤(B2)としては、例えば、
ポリオキシアルキレンフェニルエーテル;ポリオキシアルキレンメチルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンドデシルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシアルキレンナフチルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルナフチルエーテル;ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンジスチリルフェニルエーテル(ジスチリルフェノールエトキシレート等)、ポリオキシアルキレントリスチリルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレン(ポリ)スチレン化フェニルエーテル;ポリオキシアルキレンクミルフェニルエーテルなどの非イオン系界面活性剤;;
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩;ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレン(ポリ)スチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩等の前記非イオン系界面活性剤の硫酸塩などのアニオン系界面活性剤;;
(前記アルキレンは、例えばエチレン基またはプロピレン基である)
が挙げられる。
ポリオキシアルキレンフェニルエーテル;ポリオキシアルキレンメチルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンドデシルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシアルキレンナフチルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルナフチルエーテル;ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンジスチリルフェニルエーテル(ジスチリルフェノールエトキシレート等)、ポリオキシアルキレントリスチリルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレン(ポリ)スチレン化フェニルエーテル;ポリオキシアルキレンクミルフェニルエーテルなどの非イオン系界面活性剤;;
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩;ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレン(ポリ)スチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩等の前記非イオン系界面活性剤の硫酸塩などのアニオン系界面活性剤;;
(前記アルキレンは、例えばエチレン基またはプロピレン基である)
が挙げられる。
これらの中でも、仮固定材が、芳香族炭化水素構造を有する重合体(A)を含有する仮固定用組成物から形成された分離層(I)、特に縮合多環芳香族炭化水素構造を有する重合体を含有する仮固定用組成物から形成された層を有する場合は、ポリオキシアルキレン(ポリ)スチレン化フェニルエーテルが好ましい。
界面活性剤(B2)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
仮固定材が芳香族炭化水素構造を有する重合体(A)を含有する仮固定用組成物から形成された分離層(I)を有する場合、仮固定材は芳香族炭化水素構造を含むことから、芳香族炭化水素構造を含む基を親油性基として有する界面活性剤(B2)を用いることで、洗浄効果が高くなる。
仮固定材が芳香族炭化水素構造を有する重合体(A)を含有する仮固定用組成物から形成された分離層(I)を有する場合、仮固定材は芳香族炭化水素構造を含むことから、芳香族炭化水素構造を含む基を親油性基として有する界面活性剤(B2)を用いることで、洗浄効果が高くなる。
なお、上記洗浄により洗浄剤と処理対象物とが接触することになるが、この接触時に溶存酸素等の影響で処理対象物が劣化することがある。例えば処理対象物に銅配線や銅パッド、絶縁膜が形成されている場合に、銅の酸化および絶縁膜の腐食を抑えることが好ましいところ、本発明では、界面活性剤(B2)が、処理対象物(例えば処理対象物が有する銅配線や銅パッド、絶縁膜)を保護することができる。
本発明の洗浄剤中の界面活性剤(B2)の含有割合は、通常は0質量%を超えて30質量%以下、好ましくは1〜25質量%、より好ましくは5〜20質量%である。このような態様であると、剥離性能と洗浄除去性能を両立できる。
また、本発明の洗浄剤中、界面活性剤(B2)は、塩基(B1)に対して、好ましくは1〜10倍、より好ましくは1.5〜8倍、さらに好ましくは2〜5倍の含有量(質量基準)の範囲で用いることができる。
本発明の洗浄剤における溶剤としては、例えば、水;ペンタン、へキサン、デカン、リモネン、メシチレン、ジペンテン、ピネン、ビシクロヘキシル、シクロドデセン、1−tert−ブチル−3,5−ジメチルベンゼン、ブチルシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素溶剤;アニソール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジグライム等のアルコールまたはエーテル溶剤;炭酸エチレン、酢酸エチル、酢酸N−ブチル、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、メトキシプロピルアセテート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン等のエステルまたはラクトン溶剤;シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン溶剤;N−メチル−2−ピロリジノン等のアミドまたはラクタム溶剤が挙げられる。これらの中でも、水が好ましく、すなわち洗浄剤としては水溶液が好ましい。
洗浄方法としては、例えば、対象物を本発明の洗浄剤に浸漬する方法、対象物に本発明の洗浄剤をスプレーする方法が挙げられ、前記浸漬時に超音波を加えてもよい。対象物を洗浄する際の洗浄剤の温度は特に限定されないが、通常は10〜80℃、好ましくは15〜55℃、より好ましくは20〜40℃、さらに好ましくは25〜40℃である。洗浄時間、例えば浸漬時間は、通常は2〜20分、好ましくは5〜15分である。
また、一実施態様において、上述した処理対象物の劣化を防止するという観点から、本発明の洗浄剤の溶存酸素量は小さいことが好ましい。このため、窒素等の不活性ガスによりバブリング処理した本発明の洗浄剤を用いて、上記洗浄を行うことが好ましい。例えば、対象物を本発明の洗浄剤に浸漬する方法において、洗浄剤を前記バブリング処理しながら上記洗浄を行うことが好ましい。
工程(4)では、本発明の洗浄剤を用いた洗浄の後に、酸を含有する洗浄剤(以下「酸洗浄剤」ともいう)による洗浄を行ってもよい。酸洗浄剤を用いることにより、金属の表面が酸化されている場合、これを除去することができる。また、本発明の洗浄剤を用いた洗浄の後や、酸洗浄剤による洗浄の前および/または後において、他の洗浄剤を用いて処理対象物を洗浄してもよい。一実施態様では、本発明の洗浄剤を用いた洗浄、水による洗浄、酸洗浄剤を用いた洗浄、水による洗浄を順次行う。
酸洗浄剤における酸としては、例えば、硫酸等の無機酸;酢酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。酸洗浄剤中の酸の含有割合は、通常は0質量%を超えて10質量%以下、好ましくは0.01〜8質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。このような態様であると、金属の腐食を抑制しつつ洗浄できることから好ましい。
酸洗浄剤における溶剤としては、本発明の洗浄剤において例示した溶剤が挙げられ、水が好ましく、すなわち酸洗浄剤としては酸水溶液が好ましい。酸洗浄剤を用いた洗浄方法としては、例えば、対象物を酸洗浄剤に浸漬する方法、対象物に酸洗浄剤をスプレーする方法が挙げられ、前記浸漬時に超音波を加えてもよい。酸洗浄剤の温度は特に限定されないが、通常は10〜80℃、好ましくは15〜55℃である。洗浄時間、例えば浸漬時間は、通常は0.02〜15分、好ましくは0.5〜10分である。
他の洗浄剤としては、本発明の洗浄剤において例示した溶剤が挙げられ、純水が好ましい。他の洗浄剤を用いた洗浄方法および条件としては、酸洗浄剤を用いた洗浄方法および条件と同様である。
以上の洗浄を行った後、乾燥処理して、処理対象物を得ることができる。
以上のようにして、支持体と対象物とを残渣なく分離することができる。分離後の対象物に対して、さらなる加工処理を行ってもよい。例えば上述したRDL−Firstでは、配線層へのバンプ形成、ダイシングによる個々のパッケージへの切り出し等を行ってもよい。
以上のようにして、支持体と対象物とを残渣なく分離することができる。分離後の対象物に対して、さらなる加工処理を行ってもよい。例えば上述したRDL−Firstでは、配線層へのバンプ形成、ダイシングによる個々のパッケージへの切り出し等を行ってもよい。
[半導体装置およびその製造方法]
本発明の半導体装置は、本発明の対象物の処理方法により対象物を加工することにより、製造することができる。前記仮固定材は、対象物を加工して得られた半導体装置(例:半導体素子)を支持体から分離した後、工程(4)における洗浄処理により除去できる。このため、本発明の半導体装置では、分離時の光照射による劣化が小さく、また仮固定材による、シミおよび焦げ等の汚染が低減されたものとなっている。
本発明の半導体装置は、本発明の対象物の処理方法により対象物を加工することにより、製造することができる。前記仮固定材は、対象物を加工して得られた半導体装置(例:半導体素子)を支持体から分離した後、工程(4)における洗浄処理により除去できる。このため、本発明の半導体装置では、分離時の光照射による劣化が小さく、また仮固定材による、シミおよび焦げ等の汚染が低減されたものとなっている。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以下の実施例等の記載において、特に言及しない限り、「部」は「質量部」を示す。
重合体の重量平均分子量(Mw)は、東ソー(株)製のGPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を使用し、ポリスチレン換算で、測定装置「HLC−8220−GPC」(東ソー(株)製)を用いて測定した。
<1.洗浄剤の製造>
[実施例1A、比較例1A〜4A]
表1に示す成分を含有する洗浄剤1〜5を製造した。
[実施例1A、比較例1A〜4A]
表1に示す成分を含有する洗浄剤1〜5を製造した。
<2.仮固定用組成物の製造>
[製造例1]仮固定用組成物(I−1)の製造
コンデンサー、温度計および攪拌装置を備えた反応装置に、2,6−ジヒドロキシナフタレン100部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部、およびパラホルムアルデヒド50部(ホルムアルデヒド換算)を仕込み、シュウ酸2部を添加し、脱水しながら120℃で5時間加熱した。
[製造例1]仮固定用組成物(I−1)の製造
コンデンサー、温度計および攪拌装置を備えた反応装置に、2,6−ジヒドロキシナフタレン100部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部、およびパラホルムアルデヒド50部(ホルムアルデヒド換算)を仕込み、シュウ酸2部を添加し、脱水しながら120℃で5時間加熱した。
反応溶液に水を加え攪拌を行った。沈殿物を回収した後、水にて洗浄し、50℃にて17時間乾燥して、2,6−ジヒドロキシナフタレン/ホルムアルデヒド縮合物(Mw=1,550)を得た。
前記縮合物100部を、シクロヘキサノン/メトキシプロピルアセテート=60/40(質量%)の混合溶剤550部で均一に溶解し、仮固定用組成物(I−1)を製造した。
前記縮合物100部を、シクロヘキサノン/メトキシプロピルアセテート=60/40(質量%)の混合溶剤550部で均一に溶解し、仮固定用組成物(I−1)を製造した。
<3.積層体の製造>
[製造例2]
表面に銅膜を有する4インチのシリコンウエハに仮固定用組成物(I−1)をスピンコートし、ホットプレートを用いて180℃で1分間加熱した後にさらに300℃で2分間加熱し、厚さ10μmの均一な層(I−1)を有する基板1を得た。
前記基板1を縦1cm、横1cmの正方形に切断した後、層(I−1)を介して、ガラス基板(縦1cm、横1cmの正方形;支持体)と貼り合わせ、ダイボンダー装置を用いて、250℃で0.2MPaの圧力を2分間加え、積層体を製造した。
[製造例2]
表面に銅膜を有する4インチのシリコンウエハに仮固定用組成物(I−1)をスピンコートし、ホットプレートを用いて180℃で1分間加熱した後にさらに300℃で2分間加熱し、厚さ10μmの均一な層(I−1)を有する基板1を得た。
前記基板1を縦1cm、横1cmの正方形に切断した後、層(I−1)を介して、ガラス基板(縦1cm、横1cmの正方形;支持体)と貼り合わせ、ダイボンダー装置を用いて、250℃で0.2MPaの圧力を2分間加え、積層体を製造した。
<4.対象物の分離(工程(3)の実施)>
[製造例3]
製造例2で得られた積層体に、全固体高出力レーザー装置(商品名「Genesis CX355 STM Compact」、コヒレント・ジャパン(株)製)にて、出力100mW、積算光量2.08×10-4mJ/cm2でガラス基板側からUVレーザー(波長355nm)を照射した。光照射後の試験用積層体に対して、万能ボンドテスター(商品名「デイジ4000」、デイジ社製)を用いて、フックプル方式で、ガラス基板面に対して垂直な軸(z軸)方向に力(500μm/秒の速度、23℃)を付加し、シリコンウエハからガラス基板を分離した。シリコンウエハ上に層(I−1)の残渣を有する残渣基板を得た。
[製造例3]
製造例2で得られた積層体に、全固体高出力レーザー装置(商品名「Genesis CX355 STM Compact」、コヒレント・ジャパン(株)製)にて、出力100mW、積算光量2.08×10-4mJ/cm2でガラス基板側からUVレーザー(波長355nm)を照射した。光照射後の試験用積層体に対して、万能ボンドテスター(商品名「デイジ4000」、デイジ社製)を用いて、フックプル方式で、ガラス基板面に対して垂直な軸(z軸)方向に力(500μm/秒の速度、23℃)を付加し、シリコンウエハからガラス基板を分離した。シリコンウエハ上に層(I−1)の残渣を有する残渣基板を得た。
<5.洗浄剤による洗浄処理(工程(4)の実施)>
[実施例1B〜3B、比較例1B〜4B]
製造例3で得た残渣基板を、下記表2に示す条件で各種洗浄剤に浸漬し、次いで、シリコンウエハの表面を純水で2分間吹き付けて洗い流し、次いで乾燥した(乾燥処理1)。乾燥処理1後の残渣の有無およびシリコンウエハの表面の銅膜の状態を光学顕微鏡で観察した。評価結果を表2に示す。
[実施例1B〜3B、比較例1B〜4B]
製造例3で得た残渣基板を、下記表2に示す条件で各種洗浄剤に浸漬し、次いで、シリコンウエハの表面を純水で2分間吹き付けて洗い流し、次いで乾燥した(乾燥処理1)。乾燥処理1後の残渣の有無およびシリコンウエハの表面の銅膜の状態を光学顕微鏡で観察した。評価結果を表2に示す。
次いで、酸によるリンスを行った。酸によるリンスは、前記洗浄後のシリコンウエハを硫酸水溶液(1質量%)に23℃2分間浸漬し、次いで、シリコンウエハの表面を純水で2分間吹き付けて洗い流し、次いで乾燥した(乾燥処理2)。乾燥処理2後の残渣の有無およびシリコンウエハの表面の銅膜の状態を光学顕微鏡で観察した。評価結果を表2に示す。
なお、光学顕微鏡による観察結果は、以下の基準にて評価した。
A:層(I−1)の残渣なし。銅膜の変色なし。
B:層(I−1)の残渣なし。銅膜の変色あり。
C:層(I−1)の残渣少しあり。銅膜の変色あり。
D:層(I−1)の残渣あり。銅膜の変色あり。
A:層(I−1)の残渣なし。銅膜の変色なし。
B:層(I−1)の残渣なし。銅膜の変色あり。
C:層(I−1)の残渣少しあり。銅膜の変色あり。
D:層(I−1)の残渣あり。銅膜の変色あり。
Claims (14)
- (1)支持体と仮固定材と処理対象物とを有する積層体を形成する工程、ここで前記対象物は前記仮固定材上に保持されており;
(2)前記対象物を加工し、および/または前記積層体を移動する工程;
(3)前記対象物を前記支持体から分離する工程;ならびに
(4)前記対象物を、塩基(B1)と、芳香族炭化水素構造を含む基を親油性基として有する界面活性剤(B2)とを含有する洗浄剤で洗浄する工程;
を有する、対象物の処理方法。 - 前記界面活性剤(B2)の親水性基が、ポリオキシアルキレン基である請求項1に記載の対象物の処理方法。
- 前記塩基(B1)が、無機塩基である請求項1または2に記載の対象物の処理方法。
- 前記無機塩基が、アルカリ金属の水酸化物である請求項3に記載の対象物の処理方法。
- 前記洗浄剤が、水溶液である請求項1〜4のいずれか1項に記載の対象物の処理方法。
- 前記工程(3)において、前記仮固定材に光照射して前記仮固定材を分解または変質させ、前記対象物を前記支持体から分離する請求項1〜5のいずれか1項に記載の対象物の処理方法。
- 波長300〜400nmのレーザーにより前記光照射を行う請求項6に記載の対象物の処理方法。
- 前記仮固定材が、芳香族炭化水素構造を有する重合体を固形分中70質量%以上含有する仮固定用組成物から形成された層(I)を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の対象物の処理方法。
- 前記層(I)が、前記処理対象物と接している層である請求項8に記載の対象物の処理方法。
- 前記工程(1)において、仮固定材上に配線層を少なくとも有する処理対象物を形成する請求項1〜9のいずれか1項に記載の対象物の処理方法。
- 前記工程(2)における加工が、前記配線層上に半導体ウエハおよび半導体チップから選ばれる少なくとも1種を配置することを含む請求項10に記載の対象物の処理方法。
- 塩基(B1)と、芳香族炭化水素構造を含む基を親油性基として有する界面活性剤(B2)とを含有する洗浄剤。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の処理方法により対象物を加工して、半導体装置を製造する、半導体装置の製造方法。
- 請求項13に記載の製造方法によって得られる半導体装置。
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WO2024096077A1 (ja) * | 2022-11-04 | 2024-05-10 | 花王株式会社 | 半導体基板用処理液 |
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2017
- 2017-11-01 JP JP2017211611A patent/JP2019087543A/ja active Pending
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