JP2019085888A - 排ガス浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン始動時から第2触媒を早期に昇温させ、排ガスの浄化効率をこれまでよりも早期に高めることができる排ガス浄化装置を提供する。【解決手段】排ガス浄化触媒32のうち第1触媒34の熱容量は、第2触媒35の熱容量よりも小さい。第2触媒35の熱容量は、25℃の温度環境下で184〜322J/Kであり、第1触媒34の熱容量は、25℃の温度環境下で20J/K以下である。第1触媒34は、担体に排ガスを浄化する金属触媒が担持されたものであり、担体は、金属材料からなり、前記排ガスが通過する方向に沿った第1触媒34の長さは、2〜7mmである。排ガス浄化装置は、第1触媒34に対して、マイクロ波を照射して、第1触媒34をマイクロ波加熱する加熱装置31を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、排気マニホールドからの排ガスを浄化する排ガス浄化触媒を備えた排ガス浄化装置に関する。
従来から、エンジンから排出された排ガスを浄化するために、排気マニホールドには、排ガス浄化装置が接続されている。排ガス浄化装置は、排気マニホールドからの排ガスを浄化する触媒を備えており、触媒は、排ガスを浄化する金属触媒と、金属触媒を担持する担体(触媒担体)とで構成されている。
たとえば、特許文献1には、このような排ガス浄化装置として、排気マニホールドからの排ガスを浄化する第1触媒と、第1触媒を通過した排ガスを浄化する第2触媒と、を備えた排ガス浄化装置が開示されている。この排ガス浄化装置では、第1触媒は、第2触媒よりも熱容量が小さい。これにより、第1触媒を早期に昇温させ、エンジン始動時における排気性能を向上させることができる。
特開2015−165095号公報
しかしながら、特許文献1の如き構成であっても、エンジン始動時に、第1触媒が活性化する段階で、第1触媒を通過する排ガスには、第1触媒における排ガスの反応時の熱が入熱されるが、この入熱される熱量よりも多い熱量が、第1触媒自体に吸熱されることがある。すなわち、第1触媒により、排ガスの熱が多く奪われると、第1触媒を通過し、第2触媒に向かう排ガスの温度は、第1触媒を設けない場合よりも、低くなることがある。この結果、エンジン始動時から第2触媒が活性化するまでの時間が遅くなり、エンジン始動時から所定の浄化効率に達するまでの時間が、第1触媒を設けない場合よりも長くなることがある。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、第1触媒と、第1触媒からの排ガスが通過する第2触媒を設けた場合であっても、エンジン始動時から第2触媒を早期に昇温させ、排ガスの浄化効率をこれまでよりも早期に高めることができる排ガス浄化装置を提供することにある。
前記課題を鑑みて、発明者が鋭意検討を重ねた結果、第1触媒の熱容量を、第2触媒の熱容量よりも、極端に小さくすれば、排気マニホールドからの排ガスが第1触媒を通過する際に、排ガスの熱が第1触媒に奪われることを抑えることができると考えた。ここで、これまでは、触媒の熱容量を極端に小さくすると、触媒の大きさが極端に小さくなるため、排ガスの浄化性能は、ほとんど無いと考えられていた。しかしながら、発明者の後述する実験からも明らかなように、第1触媒を第2触媒に比べて極めて小さくしても、第1触媒が排ガスの浄化に十分に寄与し、第1触媒をマイクロ波により加熱すれば、さらに排ガスの浄化効率を高めることができるとの新たな知見を得た。
本発明は、この発明者の新たな知見に基づくものであり、本発明による排ガス浄化装置は、排気マニホールドからの排ガスを浄化する排ガス浄化触媒を備えた排ガス浄化装置であって、前記排ガス浄化触媒は、前記排気マニホールドからの排ガスを浄化する第1触媒と、前記第1触媒を通過した前記排ガスを浄化する第2触媒とを備えており、前記第1触媒の熱容量は、前記第2触媒の熱容量よりも小さく、前記第2触媒の熱容量は、25℃の温度環境下で184〜322J/Kであり、前記第1触媒の熱容量は、25℃の温度環境下で20J/K以下であり、前記第1触媒は、担体に排ガスを浄化する金属触媒が担持されたものであり、前記担体は、金属材料からなり、前記排ガスが通過する方向に沿った前記第1触媒の長さは、2〜7mmであり、前記排ガス浄化装置は、前記第1触媒に対してマイクロ波を照射することにより、前記第1触媒をマイクロ波加熱する加熱装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、第2触媒の熱容量は、車両で利用される一般的な触媒の熱容量の範囲であり、これに対して、第1触媒の熱容量は、第2触媒の熱容量に対して極端に小さい20J/K以下である。これにより、エンジン始動時に、排気マニホールドから比較的に低温の排ガスが第1触媒を通過したとしても、第1触媒は、上述した如く熱容量が小さいため、第1触媒は早期に昇温される。また、第1触媒を通過する排ガスの熱は、第1触媒に奪われ難いため、第1触媒を通過した排ガスの熱により、第2触媒も、第1触媒に続けて早期に昇温させることができる。このような結果、エンジン始動時から、第1触媒が早期に活性化されるとともに、これまでよりも早期に第2触媒も活性化されるため、排ガスの浄化効率をエンジン始動時から早期に高めることができる。
ここで、第1触媒の熱容量は、25℃の温度環境下で20J/K以下であるので、第1触媒の大きさは、従来の触媒よりもかなり小さい。このため、第1触媒を配置するためのスペースを新たに設けること無く、第1触媒を簡単に配置することができる。第1触媒の熱容量が、20J/Kを超える場合には、後述する発明者らの実験の結果からも明らかなように、第1触媒を設けない場合よりも、エンジン始動時から第2触媒が活性化するまでの時間が長くなることが分かっている。
たとえば担体に利用されるコージライトなどのセラミックス材料の比熱に比べて、担体に利用されるステンレス鋼などの金属材料の比熱は一般的に小さく、加熱装置により、第1触媒にマイクロ波を照射し、マイクロ波加熱により、第1触媒を早期に昇温することができる。第1触媒の担体を金属材料からなる担体とすることにより、上述した第1触媒の熱容量の条件を満たす第1触媒を簡単に得ることができる。
ここで、排ガスが通過する方向に沿った第1触媒の長さは、2〜7mmであるが、たとえば、第1触媒の長さが2mm未満である場合には、第1触媒の長さが短過ぎるため、マイクロ波の吸収容量が不足し、第1触媒は十分に発熱しない。一方、第1触媒の長さが7mmを超えた場合には、金属連続体である第1触媒の担体は、表皮効果により電磁波が浸透しない。これは、第1触媒の担体の金属表面は電位が一定で、金属表面に沿った方向では、電場が0になり、マイクロ波の振動が妨げられて反射するからである。
このような結果、第1触媒と、第1触媒からの排ガスが通過する第2触媒を設けた場合、熱容量が小さい第1触媒で、その金属触媒を早期に活性化し、第1触媒の担体をマイクロ波で加熱することにより、エンジン始動時から第2触媒を早期に昇温させ、排ガスの浄化効率をこれまでよりも早期に高めることができる。
本発明の実施形態に係る排ガス浄化装置を説明するための模式的概念図である。 図1に示す排ガス浄化装置の第1触媒コンバータの模式的斜視断面図である。 図2に示す第1触媒コンバータの模式的平面図である。 実施例1に係る第1触媒の写真である。 実施例1〜3および比較例2の第1触媒の長さと第1触媒の昇温温度との関係を示したグラフである。 実施例1〜3および比較例1、2に係る第1触媒コンバータを通過した排ガスのHC50%浄化到達時間を示したグラフである。 実施例1および比較例1、2の第1触媒を通過した後の排ガス温度の変化を測定したグラフである。
以下に、本発明の実施形態に係る排ガス浄化装置を、図1および図2を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る排ガス浄化装置3を説明するための模式的概念図であり、図2は、図1に示す排ガス浄化装置3の第1触媒コンバータ30の模式的斜視断面図である。なお、図2では、第1触媒コンバータ30の内部を示すために、ハウジング33を半割状態にして図示している。
図1に示すように、本実施形態に係る排ガス浄化装置3は、エンジン2の下流に取付けられ、エンジン2で燃焼後の排ガスを浄化する装置である。エンジン2は、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンのいずれのエンジンであってもよく、本実施形態では、その一例として、図1にガソリン直噴エンジンを例示している。
エンジン2では、吸気弁25を介して吸入された空気が、シリンダブロック21とピストン22で形成された燃焼室に入流し、燃料噴射弁28で噴射された燃料(ガソリン)と混合される。混合された混合気は、燃焼室内で、点火プラグ27で点火されて燃焼し、燃焼後の排ガスは、排気弁26を介して、排気マニホールド29から排出される。
排気マニホールド29で排気された排ガスは、排ガス浄化装置3で浄化される。具体的には、排ガス浄化装置3は、排気マニホールド29に接続される第1触媒コンバータ30と、第1触媒コンバータ30の下流において、排気管36を介して、第1触媒コンバータ30に接続される第2触媒コンバータ37と、を備えている。第1触媒コンバータ30は、たとえば、車両のエンジンルーム(図示せず)に配置され、第2触媒コンバータ37は、たとえば、車両の床下(図示せず)に配置される。
第1触媒コンバータ30は、排気マニホールド29からの排ガスを浄化する排ガス浄化触媒32と、排ガス浄化触媒32を収容するハウジング33とを備えている。第2触媒コンバータ37も、同様に、第1触媒コンバータ30により浄化しきれなかった排ガスをさらに浄化する排ガス浄化触媒38と、排ガス浄化触媒38を収容するハウジング39とを備えている。ハウジング33、39は、たとえば、ステンレス鋼、炭素鋼、またはアルミニウムなどの金属材料からなる。
図2に示すように、第1触媒コンバータ30のハウジング33には、入側コーン部33aと、胴体部33bと、出側コーン部33cと、が形成されている。入側コーン部33aは、排気マニホールド29からの排ガスが流入し、排ガスの上流から下流に向かって、排ガスの流路断面が拡大したコーン形状である。胴体部33bは、排ガスが流れる上流側において、入側コーン部33aに連続して形成されており、排ガスの流路断面が一定となる筒形状である。出側コーン部33cは、排ガスが流れる上流側において、胴体部33bに連続して形成されており、排ガスの上流から下流に向かって、排ガスの流路断面が縮小したコーン形状である。
本実施形態では、第1触媒コンバータ30の排ガス浄化触媒32は、排気マニホールド29からの排ガスを浄化する第1触媒34と、第1触媒34を通過した排ガスを浄化する第2触媒35とを備えている。第1触媒34は、入側コーン部33a内に配置されており、第2触媒35は、胴体部33b内に配置されている。
本実施形態では、エンジン2が、ガソリンエンジンであることから、第1触媒34および第2触媒35は、ガソリンエンジンの排ガスの炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒化酸化物(NOx)を浄化する三元触媒である。一方、内燃機関が、ディーゼルエンジンである場合には、第1触媒34および第2触媒35は、一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)等を除去する酸化触媒である。なお、第2触媒コンバータ37に収容される排ガス浄化触媒38も、内燃機関の種類に応じて、第1および第2触媒34、35と同様の触媒が設定されている。
第1触媒34および第2触媒35は、担体(触媒担体)に、排ガスを浄化する金属触媒が担持されたものである。これらの担体は、金属材料からなる。金属材料としては、耐熱性および耐食性を有した材料であることが好ましく、たとえば、ステンレス鋼、アルミニウムなどを挙げることができる。
ここで、たとえば担体の素材であるコージライトなどのセラミックス材料の比熱に比べて、担体の素材であるステンレス鋼などの金属材料の比熱は小さい。第1触媒34の担体を金属材料からなる担体とすることにより、後述するような第1触媒34の熱容量の条件を満たす触媒を簡単に製造することができる。これに加えて、第1触媒34は、後述するように極めて小さい熱容量の条件を満たすため、セラミックス材料からなる担体は、熱衝撃などにより割れ易いが、金属材料からなる担体にすれば、このような割れを回避することができる。
図2および図3に示すように、第1触媒34の担体は、円板状であり、リング状の金属枠体34aの内部に、排ガスが通過する複数のセルが形成されたハニカム構造体である。具体的には、第1触媒34では、金属枠体34aの内部に、波状に屈曲した金属帯体34bと、板状の金属帯体34cとを重ね合わせて巻回させて、複数のセルを形成している。なお、この他にも、第1触媒34の担体を、3Dプリンターで製造してもよく、金属箔を打ち抜いた後、打ち抜いた金属箔を積層することにより形成してもよい。
後述する発明者の実験からも明らかなように、図2に示すように、排ガスが通過する方向に沿った第1触媒34の長さtは、2〜7mmである。また、セルを形成する壁部(具体的には金属帯体34c)の厚さは、20〜50μmであることが好ましい。このような厚さを満たすことにより、第1触媒34の担体は、加熱され易い。金属枠体34aの内径は、60〜90mmであることが好ましく、金属帯体34cを重ね合わせて巻回させることにより形成されるセルの個数は、0.47〜1.40個/mm、47〜140個/cm(300〜900個/インチ)の範囲にあることが好ましい。
一方、本実施形態では、第2触媒35の担体は、円柱状であり、セラミックス材料からなり、排ガスが通過する複数のセルが形成されたハニカム構造の担体である。セラミックス材料としては、たとえば、アルミナ、ジルコニア、コージライト、チタニア、炭化珪素、および窒化珪素などのうちのいずれか一種を主成分とする多孔質のセラミックス材料を挙げることができる。排ガス浄化触媒38の担体も同様である。
第1触媒34および第2触媒35の金属触媒は、粒状であり、これらのセルを形成する内壁面に、セラミックス材料を介して担持されている。金属触媒となる金属としては、白金、ロジウム、およびパラジウムのうち少なくとも一種を含む貴金属が選択される。担体に金属触媒を担持するセラミックス材料としては、ジルコニアとアルミナ、セリアとアルミナ、または、セリア−ジルコニアとアルミナ、の混合素材などを挙げることができる。担体に金属触媒を担持する際には、上述したセラミックス材料と金属触媒を含むスラリーを担体にコートし、これを焼成することにより得ることができる。
本実施形態では、第1触媒34の熱容量は、第2触媒35の熱容量よりも小さい。具体的には、第1触媒34の熱容量は、25℃の温度環境下で20J/K以下であり、第2触媒35の熱容量は、25℃の温度環境下で184〜322J/Kである。
なお、第2触媒35の熱容量の範囲は、一般的に市販されている車両のエンジンの排気量に応じて適用される触媒の熱容量であり、上述した材料等を適宜選択することにより、この熱容量の範囲に収めることができる。第2触媒35の熱容量が、184J/K未満である場合、第2触媒35の大きさ(熱容量)が小さ過ぎるため、排ガスの浄化性能が十分ではない。一方、第2触媒35の熱容量が、322J/Kを超える場合には、第2触媒35の大きさ(熱容量)が大き過ぎるため、エンジンの始動時に、排ガスによる第2触媒35の昇温が遅くなる。
本実施形態によれば、第1触媒34の熱容量は、第2触媒35の熱容量に対して極端に小さい20J/K以下である。したがって、エンジン2の始動時に、排気マニホールド29から比較的に低温の排ガスが第1触媒34を通過したとしても、第1触媒34は、上述した如く熱容量が小さいため、これまでの触媒に比べて第1触媒34は早期に昇温される。
また、第1触媒34を通過する排ガスの熱は、第1触媒34の熱容量が小さいため、第1触媒34に奪われ難く、この排ガスの熱に金属触媒との反応熱が加味される。このため、第1触媒34を通過した排ガスの熱により、第2触媒35も、エンジン2の始動時から第1触媒34に続けて早期に昇温させることができる。このような結果、エンジン2の始動時から、第1触媒34が早期に活性化されるとともに、これまでよりも早期に第2触媒35も活性化されるため、排ガスの浄化効率を早期に高めることができる。
第1触媒34の熱容量が、20J/Kを超える場合には、第1触媒34を設けない場合よりも、エンジン2の始動時から第2触媒35が活性化するまでの時間が長くなる。なお、製造上の観点から、第1触媒34の熱容量は、3J/K以上であることが好ましい。
さらに、第1触媒34の熱容量は、25℃の温度環境下で20J/K以下であるので、第1触媒の大きさは、従来の一般的な触媒よりもかなり小さい。このため、第1触媒34を配置するためのスペースを新たに設けること無く、第1触媒34を簡単に配置することができる。
特に、本実施形態では、第2触媒35は、これまでの触媒の如く、第1触媒コンバータ30のハウジング33の胴体部33bに配置され、第1触媒34は、入側コーン部33a内に配置されている。これにより、排気管に第1触媒34を配置する場合に比べて、大きな径で、かつ、排ガスの流路に沿った長さtが短い第1触媒を配置することができる。このような結果、第1触媒34を通過する排ガスの圧損を低減することができる。
これに加えて、第1触媒34を通過することにより排ガスは、第2触媒35の上流側で整流化されるため、第2触媒35に向かう排ガスの速度勾配を緩やかにすることができ、その排ガスの速度分布を平滑にすることができる。この結果、図2に示す第2触媒35の中央部分35aと外周部分35bとを通過する排ガスの速度がより均一に近づくので、第2触媒35の浄化効率を高めることができる。
上述したように、第1触媒34の担体は、金属材料からなる。これにより、金属製のハウジング33の入側コーン部33aに第1触媒34を配置する際には、入側コーン部33aと、第1触媒34の担体とを溶接により簡単に接合することができる。
本実施形態では、排ガス浄化装置3の第1触媒コンバータ30は、第1触媒34に対して、排ガスの上流側から第1触媒34にマイクロ波を発振(照射)することにより、第1触媒34をマイクロ波加熱する加熱装置(マイクロ波発振器)31をさらに備えている。なお、本実施形態では、排ガスの下流側から第1触媒34にマイクロ波を照射してもよい。さらに、本実施形態は、図示の如く、加熱装置31のマイクロ波の照射方向は、第1触媒34の円板状の軸心に対して傾斜しているが、発明者の実験によれば、第1触媒34は、熱容量が小さい(すなわち)小型の担体であるため、この傾斜による加熱の影響はほとんどない。照射されるマイクロ波の条件は、出力500〜5000W、周波数900MHz〜5.8GHzの範囲であることが好ましい。
本実施形態によれば、加熱装置31により、排ガスの上流側から第1触媒34にマイクロ波を照射して、マイクロ波加熱により、早期に昇温することができる。排ガスが通過する方向に沿った第1触媒34の長さtは、2〜7mmであるので、マイクロ波加熱により第1触媒34を短時間で発熱させることができる。
ここで、第1触媒34の長さtが2mm未満である場合には、第1触媒34の長さtが短過ぎるため、マイクロ波の吸収容量が不足し、第1触媒34は十分に発熱しない。一方、第1触媒の長さtが7mmを超えた場合には、金属連続体である第1触媒34の担体は、表皮効果により電磁波が浸透しない。これは、第1触媒34の担体の金属表面は電位が一定で、金属表面に沿った方向では、電場が0になり、マイクロ波の振動が妨げられて反射するからである。また、本実施形態では、第1触媒34のセルを形成する金属帯体(壁部)34cの厚さが、上述した如く、ミクロンオーダであるので、電気伝導率を低減することができ、マイクロ波は、第1触媒34の担体に深く浸透し、第1触媒34を早期に発熱させることができる。
このような結果、第1触媒34と、第1触媒34からの排ガスが通過する第2触媒35を設けた場合、熱容量が小さい第1触媒34で、その金属触媒を早期に活性化することができる。これに加えて、第1触媒34の担体をマイクロ波で加熱するので、エンジン始動時から第2触媒35を早期に昇温させ、排ガスの浄化効率をこれまでよりも早期に高めることができる。
さらに、第1触媒34の金属触媒が、第2触媒35の上流側で、排ガスのCOおよびHC等に先に反応するため、その下流側の第2触媒35の金属触媒の劣化を抑えることができる。
以下に、本発明の実施例を説明する。
<実施例1>
以下に示すようにして、図2に示す第1触媒コンバータを作製した。まず、第1触媒の担体(メタル基材)として、図4に示す形状の担体を準備した。具体的には、第1触媒の担体は、直径80mm、長さ4mmの円板状のステンレス鋼からなる担体(メタル担体)であり、リング状の金属枠体の厚さは、1.0mmであり、波状の金属帯体および板状の金属帯体の厚さは、30μmであり、1平方インチあたりのセル数は、600個であり、担体の重量は、22.1gであった。
次に、金属触媒として、所定の割合のロジウムの粒子を含む、セリア−ジルコニアのスラリーを、担体にコートし、120℃で乾燥後、500℃で焼成した。これにより、担体には、1.5gの重量のコート層が被覆され、そのうち、ロジウムの重量は、0.13gであった。
担体およびコート層の重量と、各材料の比熱から、得られた第1触媒の熱容量を算出した。担体の素材であるステンレス鋼の比熱は、25℃の温度環境下で、0.46J/g・Kであり、コート層に含まれる焼成後のセリア−ジルコニアの比熱は、25℃の温度環境下で、1.5J/g・Kである。したがって、実施例1の第1触媒の熱容量は、25℃の温度環境下で、12.4J/Kであった。なお、第1触媒に対するロジウムの含有量は、微量であるため、ロジウムの熱容量は加味していない。得られた第1触媒に対して、500W、2,45GHz、10秒間の条件で、マイクロ波を照射し、その照射前後の温度を、非接触型温度計で測定した。その結果、第1触媒は、48.0℃昇温した(図5参照)。なお、第1触媒の担体のみに対して同様に、マイクロ波を照射すると、担体は、48.4℃昇温した。
次に、第2触媒として、直径103mmのコージライトからなるセラミックス製の担体に、金属触媒として、白金およびロジウムの粒子を含む、セリア−ジルコニアのスラリーをコートし、第1触媒と同じように、乾燥および焼成をした。第2触媒には、金属触媒として、粒状の白金1.8gおよび粒状のロジウム0.2gが含まれている。なお、第1触媒34と同様に、第2触媒の熱容量を算出した。第2触媒の熱容量は、25℃の温度環境下で、322J/Kである。
次に、ハウジング33の入側コーン部に、第1触媒を溶接し、その後、胴体部を入側コーン部33aに溶接した後、胴体部に第2触媒をアロンセラミックス(登録商標)で固定した。最後に、胴体部に、出側コーン部を溶接した。これにより、実施例1に係る第1触媒コンバータを得た。
<実施例2>
実施例1と同じようにして、第1触媒コンバータを作製した。実施例1と相違する点は、第1触媒34の長さを2mmにした点である。第1触媒の1平方インチあたりのセル数は、600個であり、担体の重量は、11.5gであった。担体には、1.3gの重量のコート層が被覆され、そのうち、ロジウムの重量は、0.10gであり、実施例2の第1触媒34の熱容量は、25℃の温度環境下で、7.2J/Kであった。
得られた第1触媒に対して、実施例1と同様の条件で、マイクロ波を照射し、その照射前後の温度を、非接触型温度計で測定した。その結果、第1触媒は、21.8℃昇温した(図5参照)。なお、第1触媒の担体のみに対して同様に、マイクロ波を照射すると、担体は、20.9℃昇温した。
<実施例3>
実施例1と同じようにして、第1触媒コンバータを作製した。実施例1と相違する点は、第1触媒34の長さを6mmにした点である。第1触媒の1平方インチあたりのセル数は、600個であり、担体の重量は、33.2gであった。担体には、1.8gの重量のコート層が被覆され、そのうち、ロジウムの重量は、0.15gであり、実施例3の第1触媒の熱容量は、25℃の温度環境下で、18J/Kであった。
得られた第1触媒に対して、実施例1と同様の条件で、マイクロ波を照射し、その照射前後の温度を、非接触型温度計で測定した。その結果、第1触媒は、31.3℃昇温した(図5参照)。なお、第1触媒の担体のみに対して同様に、マイクロ波を照射すると、担体は、20.9℃昇温した。
<比較例1>
実施例1と同じように、第1触媒コンバータを作製した。比較例1が実施例1と相違する点は、第1触媒コンバータに第1触媒を設けなかった点である。
<比較例2>
比較例2と同じようにして、第1触媒コンバータを作製した。実施例1と相違する点は、第1触媒34の長さを10mmにした点である。第1触媒の1平方インチあたりのセル数は、600個であり、担体の重量は、44.7gであった。担体には、2.05gの重量のコート層が被覆され、そのうち、ロジウムの重量は、0.17gであり、比較例2の第1触媒の熱容量は、25℃の温度環境下で、24J/Kであった。
比較例2の第1触媒コンバータを作製前の第1触媒に対して、実施例1と同様の条件で、マイクロ波を照射し、その照射前後の温度を、非接触型温度計で測定した。その結果、第1触媒34は、4.8℃昇温した(図5参照)。なお、第1触媒の担体のみに対して同様に、マイクロ波を照射すると、担体は、5.1℃昇温した。
〔評価試験〕
実施例1〜3および比較例1、2の第1触媒コンバータをそれぞれ、エンジンからバイパス経路のある排気管に接続した。エンジン内で、エンジンの流入空気量(すなわち排ガス量に相当)25g/秒、ストイキの条件で混合気を燃焼し、排ガス温度を450℃に調整した排ガスを排気管に流した。その後、バイパス経路に切り換えて、排気管に流れる排ガスを、バイパス経路に流通させ、第1触媒コンバータに排ガスを通過させた。第1触媒コンバータから排出される排ガスのHCの浄化効率がエンジン始動時から50%に到達するまでの時間を測定した。この結果を、図6に示す。なお、この評価試験では、バイパス経路に切り換えたタイミングを、エンジン始動時と仮定している。なお、これらの評価試験を、第1触媒に対してマイクロ波加熱あり(MWあり)、および、マイクロ波加熱なし(MWなし)の条件で測定した。
図6は、実施例1〜3および比較例1、2に係る第1触媒コンバータを通過した排ガスのHC50%浄化到達時間を示したグラフである。
さらに、第1触媒に対してマイクロ波加熱なしの条件で、バイパス経路に切り換えてから(エンジン始動時から)、実施例1および比較例1、2の第1触媒コンバータ内の第1触媒を通過した排ガスの温度を測定した。この結果を、図7に示す。
〔結果〕
図6に示すように、実施例1〜3の第1触媒コンバータのHC50%浄化到達時間は、MWあり・なしのいずれの場合であっても、比較例1のものよりも短かった。これは、実施例1〜3では、比較例1とは異なり、第2触媒の上流に、第1触媒をさらに配置したことにより、浄化効率が向上したためであると考えられる。
しかしながら、図6に示すように、比較例2では、MWあり・なしのいずれの場合であっても、第2触媒の上流に第1触媒を配置したにもかかわらず、第1触媒コンバータのHC50%浄化到達時間は、比較例1よりも長くなった。図7に示すように、MWなしにおいて、エンジン始動時から2〜7秒における比較例2の排ガスの温度は、実施例1のものよりも低かった。
このことから、実施例1〜3の第1触媒の熱容量に比べて、比較例2の熱容量は大きいため、比較例2では、第1触媒を排ガスが通過する際に、第1触媒に排ガスの熱が多く奪われたと考えられる。これにより、比較例2では、実施例1に比べて、エンジンが始動してから初期の段階(2〜7秒)において、第2触媒に到達する排ガスの温度が低いため、第2触媒の排ガスによる昇温が遅くなったと考えられる。これにより、第1触媒の熱容量が、25℃の温度環境下で20J/K以下であれば、第1触媒とともに、第2触媒を早期に活性化することができると言える。
さらに、実施例1の第1触媒コンバータ30のHC50%浄化到達時間は、9.7秒であった。第1触媒の温度は、7秒以降に、上流側の排ガスの温度を超え、第1触媒の金属触媒の反応が顕著であった。このことから、実施例1の第1触媒は、マイクロ波照射時間が10秒間で、48.0℃昇温し(図5参照)、7秒では33℃上昇する。ここで、実施例1では、マイクロ波加熱により、第1触媒の金属触媒が活性するまでに第1触媒が34℃昇温するので、図7のグラフから、実施例1では、HC50%浄化到達時間が、1.0秒短縮されると考えられる。
また、図6に示すように、実施例2の第1触媒コンバータ30のHC50%浄化到達時間は、9.5秒であった。実施例2の第1触媒は、マイクロ波照射時間が10秒間で、21.8℃昇温し(図5参照)、7秒では15℃上昇する。ここで、実施例2では、マイクロ波加熱により、第1触媒の金属触媒が活性するまでに第1触媒が15℃昇温するので、実施例2では、HC50%浄化到達時間が、0.7秒短縮されると考えられる。
さらに、図6に示すように、実施例3の第1触媒コンバータ30のHC50%浄化到達時間は、9.9秒であった。実施例3の第1触媒は、マイクロ波照射時間が10秒間で、31.3℃昇温し(図5参照)、7秒では22℃上昇する。ここで、実施例3では、マイクロ波加熱により、第1触媒の金属触媒が活性するまでに第1触媒が22℃昇温するので、実施例3では、HC50%浄化到達時間が、0.8秒短縮されると考えられる。
しかしながら、図6に示すように、比較例2の第1触媒コンバータ30のHC50%浄化到達時間は、10.4秒であった。比較例2の第1触媒は、マイクロ波照射時間が10秒間で、4.8℃昇温し(図5参照)、7秒では3.0℃上昇する。ここで、比較例2では、マイクロ波加熱により、第1触媒の金属触媒が活性するまでに第1触媒が3.0℃しか昇温しないので、図7のグラフから、比較例2では、HC50%浄化到達時間は、0.1秒しか短縮されない。
以上のことから、図6に示すように、マイクロ波照射で、第1触媒を加熱することにより、第1触媒の長さが、2〜7mmであれば、浄化到達時間が、短縮されると考えられる。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
2:エンジン、29:排気マニホールド、3:排ガス浄化装置、30:第1触媒コンバータ(触媒コンバータ)、31:加熱装置、32:排ガス浄化触媒、33:ハウジング、33a:入側コーン部、33b:胴体部、33c:出側コーン部、34,34A,34B:第1触媒、35:第2触媒

Claims (1)

  1. 排気マニホールドからの排ガスを浄化する排ガス浄化触媒を備えた排ガス浄化装置であって、
    前記排ガス浄化触媒は、前記排気マニホールドからの排ガスを浄化する第1触媒と、前記第1触媒を通過した前記排ガスを浄化する第2触媒とを備えており、
    前記第1触媒の熱容量は、前記第2触媒の熱容量よりも小さく、
    前記第2触媒の熱容量は、25℃の温度環境下で184〜322J/Kであり、
    前記第1触媒の熱容量は、25℃の温度環境下で20J/K以下であり、
    前記第1触媒は、担体に排ガスを浄化する金属触媒が担持されたものであり、前記担体は、金属材料からなり、前記排ガスが通過する方向に沿った前記第1触媒の長さは、2〜7mmであり、
    前記排ガス浄化装置は、前記第1触媒に対してマイクロ波を照射することにより、前記第1触媒をマイクロ波加熱する加熱装置を備えることを特徴とする排ガス浄化装置。
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JP2021131029A (ja) * 2020-02-18 2021-09-09 いすゞ自動車株式会社 排気浄化装置および車両

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