以下、図を参照しながら、この発明の電話制御装置の実施の形態について説明する。電話制御装置は、例えば、会社内などに形成される電話システム(ビジネスホンシステム)の主装置やSIP(Session Initiation Protocol)サーバといった、電話を受けたり、かけたりするための呼制御を行う装置である。このため、以下に説明する実施の形態においても、例えば会社内などに形成される電話システムにおいて、この発明の電話制御装置が用いられる場合を例にして説明する。
[電話システムの構成例]
図1は、電話制御装置1が用いられて構成される電話システムの全体構成を説明するため図である。電話制御装置1は、この発明による電話制御装置の一実施の形態が適用されたものである。図1に示すように、電話制御装置1は、有線接続された固定電話端末2(1)、2(2)、2(3)、…や、アクセスポイントAP(1)、…などを介して無線接続される固定電話端末3(1)、…を収容して、これらの固定電話端末についての呼制御を行う。この明細書において、固定電話端末という文言は、電話制御装置1に対して有線接続されるか無線接続されるかにかかわらず、例えば所定の机の上などに固定的に設置されて利用される電話端末を意味する。
更に、電話制御装置1は、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…の登録を受け付けて、これらについても、自機に収容された電話端末として呼制御を行うことができる。このため、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれには、電話制御装置1と連携するための所定の連携アプリケーションソフトウェア(連携アプリ)がインストールされている。そして、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれにも、固定電話端末2(1)、2(2)、2(3)、…や固定電話端末3(1)、…と同様に内線電話番号が割り当てられる。
これにより、電話制御装置1は、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれに割り当てられた内線番号宛の内線着信や内線番号を指定した外線着信を受け付けた場合には、対応する携帯電話端末に着信させることができる。すなわち、電話制御装置1は、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれについても、固定電話端末2(1)、2(2)、2(3)、…や固定電話端末3(1)、…と同様に呼制御を行うことができる。
したがって、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…の使用者は、外出先においても、内線電話を受けたり掛けたりすることもできるし、内線番号を指定した外線着信に応答したりすることができる。なお、この実施の形態の電話制御装置1は、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれに割り当てられた内線番号宛の着信などの制御情報の送受はインターネット経由で行われる。そして、例えば着信に応答がなされると、電話制御装置1は、自機を経由して発信元と着信先の携帯電話端末との間に携帯電話網を通じて通話回線を接続し、通話を可能にする。
通信ネットワーク5は、インターネット、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network)、携帯電話網などの種々の広域ネットワークを含む。また、通信ネットワーク5は、インターネットに接続された、例えば、Wi−Fi(登録商標)規格の無線LAN(Local Area Network)なども含む。なお、通信ネットワーク5に接続されている基地局5A(1)、5A(2)、…は、携帯電話網の基地局である。従って、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれは、基本的に基地局5A(1)、5A(2)、…を経由して通信ネットワーク5に接続される。もちろん、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれは、無線LAN経由でインターネットに接続することも可能である。
そして、電話制御装置1は、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…の使用者が会社内にいる場合、携帯電話端末への内線着信や内線番号を指定した外線着信であっても、近傍の固定電話端末を優先的に使用できるようにする。このため、電話制御装置1は、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…と、固定電話端末2(1)、2(2)、2(3)、…や固定電話端末3(1)、…とを対応付けて管理している。
具体的には、図1に示すように、携帯電話端末4(1)の使用者と携帯電話端末4(2)の使用者は、会社内の自分の席に在席している時には自分たちの近傍の机上に固定的に設置されている固定電話端末2(3)を使用することができるようになっている。このため、図1において点線矢印で示すように、電話制御装置1では、固定電話端末2(3)に対して、携帯電話端末4(1)と携帯電話端末4(2)とを対応付けて管理する。
同様に、図1に示すように、携帯電話端末4(3)の使用者と携帯電話端末4(4)の使用者は、会社内の自分の席に在席している時には自分たちの近傍の机上に固定的に設置されている固定電話端末3(1)を使用することができる。このため、図1において点線矢印で示すように、電話制御装置1では、固定電話端末3(1)に対して、携帯電話端末4(3)と、携帯電話端末4(4)とを対応付けて管理する。
このように、各固定電話端末2(1)、2(2)、2(3)、…や固定電話端末3(1)、…のそれぞれに対して、1台以上の携帯電話端末を対応付けることができるようにされる。すなわち、1台の固定電話端末に対してN(1以上の整数)台の携帯電話端末を対応付けることができる。そして、この実施の形態において、固定電話端末2(1)、2(2)、2(3)、…や固定電話端末3(1)、…のそれぞれと、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれとは、近距離無線通信が可能になっている。例えば、ブルートゥース(登録商標)規格の近距離無線通信により相互に通信が可能になっている。
ブルートゥース(登録商標)規格の近距離無線通信は、数メートル程度の距離間での通信を可能にするものである。従って、例えば、固定電話端末2(3)と携帯電話端末4(1)とが当該近距離無線通信により適切に通信ができれば、固定電話端末2(3)を中心にして半径が数メートル以内の範囲に携帯電話端末4(1)が位置していると特定できる。
そこで、固定電話端末2(3)は、対応付けられている携帯電話端末4(1)との間で近距離無線が適切に可能な場合には、携帯電話端末4(1)の使用者が自分の席に居ること(在席していること)を電話制御装置1に登録する。この後、固定電話端末2(3)は、対応付けられている携帯電話端末4(1)との間で近距離無線が不能になると、携帯電話端末4(1)の使用者が自分の席からいなくなったこと(不在席となったこと)を電話制御装置1に登録する。固定電話端末2(3)は、対応付けられている携帯電話端末4(2)についても同様の登録処理を行う。
ここで、固定電話端末2(3)を例にして説明した在席/不在席の登録処理は、他の固定電話端末2(1)、2(2)や固定電話端末3(1)などにおいても同様に行われる。これにより電話制御装置1は、固定電話端末2(1)、2(2)、2(3)、…や固定電話端末3(1)、…に対応付けられた携帯電話端末の使用者の在席/不在席を適切に把握できる。これにより、携帯電話端末の使用者の在席が確認できれば、当該携帯電話端末は対応付けられている固定電話端末の近傍に位置していると判定できる。逆に、携帯電話端末の使用者の不在席が確認できれば、当該携帯電話端末は対応付けられている固定電話端末の近傍には位置していないと判定できる。
そして、電話制御装置1において、例えば、携帯電話端末4(1)への内線着信や内線番号を指定した外線着信が発生したとする。この場合に、携帯電話端末4(1)が対応付けられている固定電話端末2(3)の非使用が確認でき、かつ、携帯電話端末4(1)の使用者の在席が確認できたとする。この時、電話制御装置1は、対応する固定電話端末2(3)に携帯電話端末宛4(1)宛の着信を通知し、携帯電話端末4(1)には着信を通知しないようにする。これにより、固定電話端末2(3)を優先的に使用するように制御できる。このような呼制御が他の携帯電話端末4(2)、4(3)、4(4)、…や固定電話端末2(1)、2(2)、2(3)、…や固定電話端末3(1)、…を対象としても行われる。
また、電話制御装置1において、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…への内線着信や内線番号を指定した外線着信が発生した場合に、当該携帯電話端末の使用者の不在席が確認できたとする。この場合には、当該携帯電話端末が対応付けられている固定電話端末の使用/非使用にかかわらず、電話制御装置1は、当該携帯電話端末に着信を通知する。これにより、携帯電話端末宛の着信に応答する機会の喪失を防止できる。
また、電話制御装置1において、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…への内線着信や内線番号を指定した外線着信が発生した場合に、当該携帯電話端末が対応付けられている固定電話端末の使用が確認できたとする。この場合には、当該携帯電話端末の使用者の在席/不在席に関わらず、電話制御装置1は、当該携帯電話端末に着信を通知する。これにより、携帯電話端末宛の着信に応答する機会の喪失を防止できる。
以下、この実施の形態の電話システムを構成する電話制御装置1、固定電話端末2(1)、2(2)、2(3)、…、3(1)、…、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…の構成例等について説明する。なお、電話制御装置1に対して有線接続される複数の固定電話端末2(1)、2(2)、2(3)、…のそれぞれは、基本的には同様の構成を有するものであるので、特に区別して示す必要がある場合を除き、固定電話端末2と総称する。
図1には、固定電話端末3(1)しか示していないが、電話制御装置1に対して無線接続される複数の固定電話端末3(1)、3(2)、…のそれぞれは、基本的には同様の構成を有するものである。このため、複数の固定電話端末3(1)、3(2)、…についても、特に区別して示す必要がある場合を除き、固定電話端末3と総称する。また、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれもまた、基本的には同様の構成を有するものであるので、特に区別して示す必要がある場合を除き、携帯電話端末4と総称する。
[電話制御装置1の構成例]
図2は、電話制御装置1の構成例を説明するためのブロック図である。通信I/F101は、通信ネットワーク5を通じての通信処理を行う部分である。すなわち、通信I/F101は、通信ネットワーク5を介して送信されて来る自機宛ての信号を、自機において処理可能な形式の信号に変換してこれを取り込む。また、通信I/F(Interface)101は、自機から目的とする相手先に送信する信号を、送信用の形式の信号に変換してこれを通信ネットワーク5に送出して相手先に送信する。
制御部102は、図示しないがCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリなどを備えたマイクロプロセッサであり、電話制御装置1の各部を制御する。記憶装置103は、例えばハードディスクなどの記憶装置とそのドライバとからなり、当該記憶装置へのデータの書き込み、読み出し、変更、削除などを行う。記憶装置103には、種々のアプリケーションプログラムや処理に必要になるデータなどが記録される他、処理の途中結果などを一時記憶する作業領域としても用いられる。
アドレス管理DB(Date Base)104は、自機に収容された固定電話端末や携帯電話端末についてのアドレス情報やその他の管理情報を記憶保持する。図3は、アドレス管理DB104の格納データの例を説明するための図である。図3に示すように、アドレス管理DB104には、電話制御装置1に収容するようにされる固定電話端末や携帯電話端末ごとに、「内線番号」、「種別」、「IP(Internet Protocol)アドレス」、「携帯電話番号」、「グループ親機」、「ペアリング情報(図3では、ペアリングと記載。)」、「使用状態」「その他」の各情報が記憶保持される。
「内線番号」は、電話制御装置1に収容するようにされる全ての電話端末に割り当てられる内線電話用の番号である。「種別」は、電話制御装置1に収容するようにされる全ての電話端末に付加される「固定電話端末」か「携帯電話端末」かのいずれかを示す情報である。IPアドレスは、IP電話端末や携帯電話端末などのインターネットに接続可能な機器に対して、例えばDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバなどにより付与され、IP電話端末や携帯電話端末のそれぞれを一意に特定できる情報である。この実施の形態において、電話制御装置1に収容される固定電話端末は、例えばIP電話端末であるものとして説明する。
「携帯電話番号」は、電話制御装置1に収容するようにされる携帯電話端末に割り当てられている電話番号である。電話制御装置1に収容するようにされる携帯電話端末は、上述した連携アプリがインストールされ、電話制御装置1と連携して電話制御装置1に収容された内線電話として機能することができるようにされた携帯電話端末を意味する。
「グループ親機」は、電話制御装置1に収容するようにされる携帯電話端末が対応付けられている固定電話端末の内線番号である。「ペアリング情報」は、対応付けられている固定電話端末の近傍に存在する携帯電話端末の場合には「ON」、対応付けられている固定電話端末の近傍に存在しない携帯電話端末の場合には「OFF」となる情報である。従って、「ペアリング情報」が「ON」であれば、当該携帯電話端末の使用者は「在席」であり、逆に「OFF」であれば「不在席」であると判定できる。
「使用状態」は、電話制御装置1に収容するようにされる全ての電話端末について、使用中であれば「1」、非使用であれば「0」となる情報である。例えば、オフフック状態であったり、着信に応じて呼び出し中であったり、通話中である場合には、使用中であると判別され、オンフック状態であり、かつ、着信に応じて呼び出し中でもない場合には非使用であると判別される。そして、「その他」として、例えば、ポート番号、各電話端末のMACアドレス(Media Access Control address)、URL(Uniform Resource Locator)など、必要となる種々の情報を付加するも可能である。
アドレス管理DB104の格納データにより、電話制御装置1は、自機に収容するようにされた各電話端末がどのようなものなのかを把握し、また、それらの状態を管理することができる。このため、電話制御装置1に電話端末が接続されれば、接続された電話端末用の管理データが追加される。また、電話制御装置1に接続されていた電話端末が取り外されれば、基本的には、取り外された電話端末用の管理データは削除される。
接続I/F(Interface)105は、電話制御装置1に収容される固定電話端末が接続され、電話制御装置1と固定電話端末との間の通信を可能にする。従って、電話制御装置1から各固定電話端末への信号は、接続I/F105において送信用の形式の信号に変換されて、各固定電話端末に送信される。また、各固定電話端末からの信号は、接続I/F105において自機において処理可能な形式の信号に変換されて取り込まれる。
この実施の形態においては、図1に示したように、固定電話端末2(1)、2(2)、2(3)、…のそれぞれは、有線により接続I/F105を通じて電話制御装置1に接続される。また、固定電話端末3(1)、…は、接続I/F105に接続されたアクセスポイントAP(1)、…を通じて、電話制御装置1に対して無線接続される。なお、電話制御装置1に収容するようにされる携帯電話端末との間の通信は、上述もしたように、インターネットや携帯電話網といった通信ネットワークを通じて行われる。このため、電話制御装置1に収容される携帯電話端末との間の通信は、通信I/F101を介して行われる。
ペアリング処理部111は、接続I/F105を通じて接続されている固定電話端末2、3から順次に送信されて来る後述するペアリング登録データに基づいて、アドレス管理DB104の「ペアリング情報」を更新する処理を行う。すなわち、固定電話端末2、3は、対応付けられている携帯電話端末4との間で近距離無線通信によりデータの送受が可能な状態にあるときには、ペアリング登録データを形成して、電話制御装置1に送信してくる。また、固定電話端末2、3は、対応付けられている携帯電話端末4との間で近距離無線通信によりデータの送受が不能な状態にあるときには、ペアリング登録データを送信してこない。この状態をペアリング処理部111が、アドレス管理DB104に更新して管理することにより、携帯電話端末4の使用者の在席/不在席を管理する。
具体的に、ペアリング処理部111は、「ペアリング情報」が「OFF」である携帯電話端末4からペアリング登録データが送信されてきたときには、「ペアリング情報」を「ON」にする。そして、ペアリング処理部111は、ペアリング登録データが所定のタイミングごとに送信されてきている間は、「ペアリング情報」の「ON」を維持する。このように、アドレス管理DB104の「ペアリング情報」が「ON」にされている携帯電話端末4は、対応付けられている固定電話端末にペアリングされている(あるいは、ペアリング状態である)という。
また、ペアリング処理部111は、「ペアリング情報」が「ON」である携帯電話端末4からペアリング登録データが所定時間以上(例えば1分以上)送信されてこないときには、アドレス管理DB104のペアリングオフ(OFF)にする。そして、ペアリング登録情報が送信されてくるまで、「ペアリング情報」の「OFF」状態を維持する。このように、アドレス管理DB104の「ペアリング情報」が「OFF」にされている携帯電話端末4は、対応付けられている固定電話端末とペアリングされていない(あるいはペアリング解除状態である)という。
呼制御部112は、アドレス管理DB104の管理情報を用い、固定電話端末2、3と、固定電話端末2、3とペアリングされている携帯電話端末4の発信、着信、応答、切断の呼制御を行う。すなわち、呼制御部112は、固定電話端末2、3宛ての着信を受け付けて、固定電話端末2、3に着信を通知し、当該固定電話端末の使用者が応答操作を行ったときには、通話回線を接続して通話を可能にする。また、呼制御部112は、固定電話端末2、3からの発信要求を受け付けて、相手先を呼び出すようにし、当該相手先が応答してきたら通話回線を接続して通話を可能にする。この場合の着信/発信は、内線と外線のいずれをも含む。
同様に、固定電話端末2、3とペアリングされている携帯電話端末4に対する着信処理と発信処理も行う。この場合、上述もしたように、電話制御装置1と、固定電話端末2、3とペアリングされている携帯電話端末4とは、インターネットを通じて制御情報の送受がされ、通話は携帯電話網を通じて通話回線を接続して通話を行えるようにする。また、呼制御部112は、自機に収容された固定電話端末2、3や固定電話端末2、3とペアリグされている携帯電話端末4の表示部への表示制御やLED(Light Emitting Diode)の点灯/消灯制御なども行う。
更に、呼制御部112は、自機に収容された固定電話端末2、3と、固定電話端末2、3にペアリングされている携帯電話端末4の使用状態を、アドレス管理DB104に更新する処理を行う。すなわち、固定電話端末2、3については、オフフック状態にあるときや着信があり呼び出し中であるときには、使用中であると判別し、アドレス管理DB104の使用状態を「1」にする。なお、オフフック状態にあるときとは、通話中や相手に電話を掛けて呼び出し中の場合も含まれる。
また、オンフック状態にあり、かつ、着信に応じて呼び出し中でもないときには、アドレス管理DB104の使用状態を「0」にする。同様に、固定電話端末2、3とペアリングされている携帯電話端末4についても、オフフック状態にあるときや着信があり呼び出し中であるときには、使用中であると判別し、アドレス管理DB104の使用状態を「1」にする。また、固定電話端末2、3とペアリングされている携帯電話端末4についても、オンフック状態にあり、かつ、着信に応じて呼び出し中でもないときには、アドレス管理DB104の使用状態を「0」にする。
そして、呼制御部112は、使用/非使用判定部113と、在席/不在席判定部114と協働することにより、ペアリングされている携帯電話端末4宛の着信を、固定電話端末2、3を優先的に使用して応答することができるようにする。すなわち、電話制御装置1が、ペアリングされている携帯電話端末4宛の着信を受け付けた場合に、制御部102は、まず、使用/非使用判定部113を制御して、当初着信先である当該携帯電話端末4が対応付けられている固定電話端末2、3が使用中か、非使用かを判定させる。使用/非使用判定部113は、アドレス管理DB104の着信先の携帯電話端末4に対応付けられている固定電話端末2、3の「使用状態」を参照し、当該固定電話端末2、3が使用中か否かを判定する。
使用/非使用判定部113により、当該固定電話端末2、3は非使用であると判定された場合、制御部102は、在席/不在席判定部114を制御して、当初の着信先である当携帯電話端末4の使用者が在席か不在席かを判定させる。在席/不在席判定部114は、アドレス管理DB104の当初の着信先の携帯電話端末4の「ペアリング情報」を参照し、当該携帯電話端末4の使用者は在席か否かを判定する。
在席/不在席判定部114により当該携帯電話端末4の使用者が在席であると判定されたとする。すなわち、当初の着信先の携帯電話端末4に対応付けられている固定電話端末2、3が非使用で、当初の携帯電話端末4の使用者が在席していると判定されたとする。この場合、制御部102は、呼制御部112を制御して、当該携帯電話端末4への着信を、当該携帯電話端末4に対応付けられている固定電話端末2、3に通知する。これにより、携帯電話端末4への着信に対して、対応付けられている固定電話端末2、3を通じて応答することができる。
また、呼制御部112は、携帯電話端末4宛の着信を、対応付けられている固定電話端末2、3に通知し、当該固定電話端末2、3が使用中になった場合に、当該固定電話端末2、3宛の着信を受信したときには、発信側に使用中であることを通知する制御を行う。つまり、携帯電話端末4宛の着信が振替られて固定電話端末が使用中になった場合にも、相手先には使用中である旨が通知される。
また、使用/非使用判定部113により当初の着信先である携帯電話端末4が対応付けられている固定電話端末2、3が使用中であると判定されたとする。この場合には、対応付けられている携帯電話端末4が在席か否かにかかわらず、呼制御部112は、当該携帯電話端末4への着信を、そのまま携帯電話端末4に通知する。
また、在席/不在席判定部114により当該携帯電話端末4の使用者が不在席であると判定されたとする。この場合にも、対応付けられた固定電話端末が使用中か否かにかかわらず、呼制御部112は、当該携帯電話端末4への着信を、そのまま携帯電話端末4に通知する。
このように、制御部102の制御の下、ペアリング処理部111、呼制御部112、使用/非使用判定部113、在席/不在席判定部114が行動して機能する。これにより、ペアリングされている携帯電話端末4宛の着信について、当該携帯電話端末4が対応付けられている固定電話端末2、3を優先的に使用して、応答することができる。
[固定電話端末2、3の構成例]
図4は、固定電話端末2、3の構成例を説明するためのブロック図である。制御部220は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリなどがCPUバスを通じて接続されて形成されたマイクロプロセッサであり、固定電話端末2、3の各部を制御する。また、この実施の形態において、固定電話端末2、3において、制御部220は、パケット化されて送受される制御データや音声データなどの種々のデータの分解処理/生成処理をも行う。
接続I/F201は、電話制御装置1との接続を実現する。すなわち、固定電話端末2は有線接続されるものである。このため、固定電話端末2の接続I/F201は、電話制御装置1と有線接続することを実現する。また、固定電話端末3は無線接続されるものであるので、固定電話端末3の接続I/F201は、図示しないが送受信アンテナを備え、アクセスポイントAP(1)などを通じて、電話制御装置1と無線接続することを実現する。
コーデック202は、制御部220においてパケット分解された音声データの供給を受けて、これを圧縮伸長してアナログ音声信号に変換し、ハンドセット203のスピーカに供給する。これにより、相手先からの音声がハンドセットのスピーカから放音される。また、コーデック202は、ハンドセット203のマイクロホンにより収音されたアナログ音声信号をデジタル信号に変換し、これをデータ圧縮して制御部220に供給する。制御部220は、コーデック202からの音声データをパケット化して、これを接続I/F201を通じて相手先に送信するようにする。
ハンドセット203は、上述したようにスピーカ(受話器)とマイクロホン(送話器)とを備えたものである。また、図示しないが、ハンドセット203が固定電話端末2、3の筐体の定位置に置かれているときにはオンフック状態となり、固定電話端末2、3の筐体の定位置から取り上げるとオフフック状態となり、これらのフック状態を制御部220が把握できる構成が整えられている。
リンガ204は、制御部220の制御の下、着信時において着信音を放音させるものである。操作入力インターフェース(以下、操作入力I/Fと記載する。)205と操作入力部206とは、使用者からの操作入力を受け付けて、受け付けた情報を制御部220に提供する。操作入力部206には、テンキーや複数のファンクションキーなどが設けられている。ディスプレイコントローラ207とディスプレイ208とは、制御部220の制御の下、種々の情報をディスプレイ208の表示画面に表示する処理を行う。表示される情報には、入力した相手先の電話番号、発信元の電話番号、ガイダンスメッセージ、警告メッセージなど、種々の情報の表示が可能にされる。
近距離無線通信部209と近距離無線通信アンテナ209Aは、この実施の形態ではブルートゥース(登録商標)規格の近距離無線通信を実現する部分である。そして、ペアリング処理部210は、近距離無線通信部209及び近距離無線通信アンテナ209Aを通じて、自機に対応付けられた携帯電話端末4との間で通信ができる状況にあるときに、ペアリング登録情報を形成して電話制御装置1に提供する処理を行う。
この実施の形態において、固定電話端末2、3においては、例えば、図示しない所定の内部メモリに自機に対応付けられている携帯電話端末の電話番号などの識別情報が予め登録されている。そして、ペアリング処理部210は、近距離無線通信部209及び近距離無線通信アンテナ209Aを通じて近距離無線通信を行うことにより、所定のタイミングごとに、自機に対応付けられている携帯電話端末4からの識別情報を取得できているとする。
この場合に、ペアリング処理部は、所定のタイミングごとに、ペアリング登録情報を形成して、これを電話制御装置1に提供する。当該所定のタイミングは、対応付けられている携帯電話端末4から識別情報を取得したタイミングでもよいし、それとは異なるタイミングでもよい。例えば、対応付けられた携帯電話端末4からの識別情報を2回取得したらペアリング登録要求を形成して電話制御装置1に提供するといったことが可能である。
図5は、ペアリング登録データの例を説明するための図である。ペアリング処理部210は、図5に示すように、送信元となる自機の内線番号と、自機と近距離無線通信が可能な状態にある自機に対応付けられている携帯電話端末4の電話番号と、その他の情報からなるペアリング登録情報を形成して送出する。これにより、電話制御装置1においては、上述した電話制御装置1のペアリング処理部111が機能して、アドレス管理DB104の当該携帯電話端末4のペアリング情報を更新することができるようにされる。
なお、ペアリング処理部210は、例えば、制御部220の不揮発性メモリに、自機に対応付けられている携帯電話端末4とのペアリングの状態についても記録して管理するようにしてもよい。これにより、ペアリングしている状態にあった携帯電話端末4から当該携帯電話端末4の識別情報が送信されてこなくなった場合に、ペアリング削除データを形成し、これを電話制御装置1に提供するようにできる。この場合には、電話制御装置1において、ペアリング登録データが送信されてきたらペアリングの登録処理を行い、ペアリング削除データが送信されてきたらペアリングの削除処理を行うといった制御が可能になる。
このように、固定電話端末2、3は、電話制御装置1を通じて、電話を受けたり、電話をかけたりすることができるものである。更に、固定電話端末2、3は、自機に対応付けられた携帯電話端末4と近距離無線通信が可能な状態にあるときに、ペアリング登録情報を形成して、ペアリング登録処理を行うようにすることができるものである。
なお、固定電話端末2、3は、自機に対応付けられた携帯電話端末4と近距離無線通信ができなくなると、ペアリング登録データを形成して送信する処理を停止する。このため、電話制御装置1では、ペアリング登録データが所定のタイミングごとに提供されていたのに、提供されなくなったら、当該携帯電話端末4は固定電話端末2、3から離れたと判別し、ペアリングの解除ができる。
また、固定電話端末2、3は、自機と近距離無線通信が可能な携帯電話端末4が存在する場合に、自機に対応付けられているか否かに関わりなく、ペアリング登録データを形成して電話制御装置1に提供するようにしてもよい。この場合には、電話制御装置1において、送信元の固定電話端末2、3と当該携帯電話端末4とが対応関係がものか否かをアドレス管理DB104の格納データを参照して判別する。そして、対応関係がある場合に、当該携帯電話端末4についてのペアリング情報を「ON」にするようにしてもよい。
[携帯電話端末4の構成例]
図6は、携帯電話端末4の構成例を説明するためのブロック図である。図6に示すように、携帯電話端末4は、通話処理系として、送受信アンテナ401A、無線通信部401、送受信信号処理部402、通話音声処理部403を備えている。通話音声処理部403には、スピーカ(受話器)404と、マイクロホン(送話器)405とが接続されている。また、携帯電話端末4は、ディスプレイコントローラ406とタッチパネル407とをそなえる。タッチパネル407は、ディスプレイ407Dの表示画面に対応してタッチセンサ407Sが設けられて構成されたものであり、表示機能と操作入力受付機能とを実現する。
送受信アンテナ401A及び無線通信部401は、通信ネットワーク5を通じて通信を行う機能を実現する。送受信信号処理部402は、送受信アンテナ401A及び無線通信部401を通じて受信した通話音声データを自機において処理可能な形式に変換し、これを通話音声処理部403に供給する。また、送受信信号処理部402は、通話音声処理部403からの音声データを送信する形式のデータに変換し、これを無線通信部401及び送受信アンテナ401Aを通じて相手先に送信する。通話音声処理部403は、送受信信号処理部からの音声データからスピーカ404に供給するアナログ音声信号を形成し、これをスピーカ404に供給する。また、通話音声処理部403は、マイクロホン405を通じて収音したアナログ音声信号を、デジタル音声信号に変換して、送受信信号処理部402に供給する。これにより、通話を可能にする。
さらに、携帯電話端末4は、制御部410と、記憶装置411と、操作入力I/F412と、操作入力部413と、リンガ414を備える。制御部410は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリなどがCPUバスを通じて接続されて構成されたマイクロプロセッサであり、携帯電話端末4の各部を制御する機能を実現する。記憶装置411は、比較的に大容量の半導体メモリとそのドライバとからなり、データの書き込み、読み出し、変更、削除などを実現する。記憶装置の記録媒体には、種々のアプリケーションソフトウェアや処理に必要になるデータなどか記憶される他、種々の処理において途中結果を一時記憶するといった作業領域としても用いられる。
操作入力I/F412と操作入力部413とは、使用者からの操作入力を受け付けて、受け付けた情報を制御部410に提供する。操作入力部413には、例えば、電源のオン/オフキーや幾つかのファンクションキーなどが設けられている。リンガ414は、制御部410の制御の下、着信時において着信音を放音させるものである。この他にも、図示しないが動により着信を通知するバイブレータなども備える。
更に、携帯電話端末4は、近距離無線通信部451と近距離無線通信アンテナ451Aを備える。近距離無線通信部451と近距離無線通信アンテナ451Aは、この実施の形態ではブルートゥース(登録商標)規格の近距離無線通信を実現する部分である。この近距離無線通信部451と近距離無線通信アンテナ451Aを通じて、上述した固定電話端末2、3の近距離無線通信部209と近距離無線通信アンテナ209Aとの間で近距離無線通信によりデータの送受が可能にされる。具体的に、携帯電話端末4は、固定電話端末2、3と近距離無線通信が可能になると、自機の識別情報として自機の携帯電話番号を固定電話端末2、3に通知することができるようにされている。
そして、携帯電話端末4は、送受信アンテナ401A及び無線通信部401を通じてインターネットや携帯電話網などの通信ネットワーク5に接続できるようにされている。自機に着信があると制御部410は、リンガ414を鳴動させ、タッチパネル407を通じて応答操作を受け付けると、上述した送受信アンテナ401A、無線通信部401、送受信信号処理部402、通話音声処理部403からなる通話処理系を通じて通話回線を接続し、通話を行うことができる。
また、電話を掛ける場合には、タッチパネル407を通じて電話番号を入力したり、制御部410の不揮発性メモリに登録されている電話帳から相手先を選択したりして発信操作を行う。これに応じて、制御部410は着信要求を形成して、無線通信部401及び送受信アンテナ401Aを通じて相手先に送信する。これに応じて相手先から着信応答が送信されてきた場合には、上述した通話処理系を通じて通話回線を接続して通話を行うことができる。
そして、携帯電話端末4は、上述もしたように、連携アプリがインストールされており、当該連携アプリが制御部410で実行されている時には、携帯電話端末4は電話制御装置1に収容するようにされる。そして、携帯電話端末4は、連携アプリが実行された制御部410の制御の下、電話制御装置1を介して、内線電話を受けたり、掛けたりすることができる。また、携帯電話端末4は、電話制御装置1が受け付けた内線番号を指定した自機宛ての着信にも応答することができるようにされる。また、電話制御装置1を介して目的とする相手先に電話を掛けることもできる。
なお、携帯電話端末4は、自機宛ての携帯電話番号に対して電話を掛けてきた相手先との間に携帯電話網を通じて通話回線を接続して通話することも可能である。また、携帯電話端末4は、電話制御装置1を介さずに、携帯電話網を通じて、目的とする相手先に電話を掛けたりすることももちろん可能である。
[電話制御装置1を中心とする電話システムの動作]
図7、図8は、電話制御装置1を中心とするこの実施の形態の電話システムの動作を説明するためのシーケンス図である。図9は、図7、図8に示す処理において、アドレス管理DB104の主要データの変化について説明するための図である。ここでは、電話制御装置1に対して有線接続された固定電話端末2(1)、2(2)、2(3)が存在し、固定電話端末2(3)に対して、携帯電話端末4(1)、4(2)が対応付けられている場合を例にして説明する。そして、以下においては、説明を簡単にするため、固定電話端末2から携帯電話端末4に対して内線電話を掛ける場合を例にして説明するが、内線番号を指定した外線着信が発生した場合にも同様の処理となる。
まず、固定電話端末2(3)と、これに対応付けられている携帯電話端末4(1)との間で近距離無線通信が可能になったとする。この場合、携帯電話端末4(1)では連携アプリの機能により、携帯電話端末4(1)から自機の識別情報として携帯電話番号を含むペアリング要求を固定電話端末2(3)に送信する(ステップS1)。固定電話端末2(3)のペアリング処理部210は、自機に対応付けられている携帯電話端末4(1)からのペアリング要求を受信すると、ペアリング登録データを形成し、これをペアリング登録要求として電話制御装置1に対して送信する(ステップS2)。
そして、電話制御装置1が、固定電話端末2(3)からのペアリング登録データを受信したとする。この場合、電話制御装置1のペアリング処理部111が機能して、アドレス管理DB104の固定電話端末2(3)に対応付けられている携帯電話端末4(1)についての格納データのペアリング情報を「ON」にする(ステップS3)。これにより、固定電話端末2(3)に対して携帯電話端末4(1)がペアリングされている状態(ペアリング状態)となる。
この後、内線番号として「101」が割り当てられている固定電話端末2(1)から内線番号として「501」が割り当てられている携帯電話端末4(1)に対して内線電話の発信が行われたとする(ステップS4)。この場合、電話制御装置1の呼制御部112は、着信先を定めるための判定処理を行う(ステップS5)。
このステップS5の判定処理は、アドレス管理DB104の格納データに基づいて行われる。具体的には、(1)呼制御部112がアドレス管理DB104の格納データを参照し、着信先の携帯電話端末4(1)が対応付けられている固定電話端末2、3を確認する。そして、(2)対応付けられている固定電話端末2、3がある場合には、呼制御部112は使用/非使用判定部113を制御して、当該対応付けられている固定電話端末2、3の使用/非使用を判定する。更に、(3)呼制御部112は、在席/不在席判定部114を制御して、着信先の携帯電話端末4(1)の使用者が在席しているか否かを判定する。
この例の場合、携帯電話端末4(1)が対応付けられている固定電話端末2(3)は使用中ではない(非使用の状態にある)ため、アドレス管理DB104の固定電話端末2(3)に対応する格納データの使用状態は「0」になっているとする。このため、固定電話端末2(3)は非使用の状態であると判定できる。また、上述したステップS1〜ステップS3の処理により、電話制御装置1のアドレス管理DB104において、携帯電話端末4(1)についての格納データのペアリング情報は「ON」にされている。このため、携帯電話端末4(1)の使用者は在席していると判定できる。
このように、内線電話の着信先の携帯電話端末4(1)が対応付けられている固定電話端末2(3)が非使用の状態にあると判定され、携帯電話端末4(1)の使用者が在席していると判定されたとする。この場合、呼制御部112は、本来の着信先である携帯電話端末4(1)に着信を通知するのではなく、携帯電話端末4(1)が対応付けられている内線番号が「103」の固定電話端末2(3)に着信を通知する(ステップS6)。すなわち、呼制御部112は、使用/非使用判定部113の判定結果と在席/不在席判定部114の判定結果とに基づいて、着信先を振り替えることができるようにしている。換言すれば、携帯電話端末4(1)への着信を臨時に固定電話端末2(3)を用いて応答できるようにしている。
なお、携帯電話端末4(1)が対応付けられた固定電話端末が存在しない場合、携帯電話端末4(1)が対応付けられている固定電話端末2(3)が使用中の場合、携帯電話端末4(1)が固定電話端末2(3)にペアリングされていない場合もある。これらの場合には、携帯電話端末4(1)への当該内線着信は、携帯電話端末4(1)に通知される。
そして、携帯電話端末4(1)への内線着信が振り替えられた固定電話端末2(3)では、当該着信通知に応じて鳴動して(ステップS7)、使用者に着信を通知する。携帯電話端末4(1)の使用者は、この場合、自席に在席しているはずであるので、当該携帯電話端末4(1)の使用者が応答操作を行うことになる(ステップS8)。これにより、固定電話端末2(3)の制御部220は、着信応答を電話制御装置1に返すので、電話制御装置1の呼制御部112は、発信元の固定電話端末2(1)と着信先の固定電話端末2(3)との間に通話回線を接続し、通話を開始させる(ステップS9)。また、呼制御部112は、アドレス管理DB104の固定電話端末2(1)と固定電話端末2(3)についての格納データの使用状態に使用中を示す「1」を登録する(ステップS10)。
この後、通話が完了し、固定電話端末2(1)又は固定電話端末2(3)のいずれかがオンフック操作を行うと、接続していた通話回線を切断し、通話終了となる(ステップS11)この後、呼制御部112は、アドレス管理DB104の固定電話端末2(1)と固定電話端末2(3)についての格納データの使用状態に非使用を示す「0」を登録する(ステップS12)。
この時点においては、図9(A)に示すように、内線番号が「501」の携帯電話端末4(1)だけが固定電話端末2(3)にペアリングされていることが把握できる。また、固定電話端末2(1)、2(2)、2(3)と、携帯電話端末4(1)、4(2)との「使用状態」のいずれもが、「0」となって、いずれの電話端末も非使用の状態であることが把握できる。
この後、図8に示す処理に進み、固定電話端末2(3)と、これに対応付けられている携帯電話端末4(2)との間で近距離無線通信が可能になったとする。この場合、携帯電話端末4(2)では連携アプリの機能により、携帯電話端末4(2)から自機の識別情報として携帯電話番号を含むペアリング要求を固定電話端末2(3)に送信する(ステップS21)。固定電話端末2(3)のペアリング処理部210は、自機に対応付けられている携帯電話端末4(2)からのペアリング要求を受信すると、ペアリング登録データを形成し、これをペアリング登録要求として電話制御装置1に対して送信する(ステップS22)。
そして、電話制御装置1が、固定電話端末2(3)からのペアリング登録データを受信したとする。この場合、電話制御装置1のペアリング処理部111が機能して、アドレス管理DB104の固定電話端末2(3)に対応付けられている携帯電話端末4(2)についての格納データのペアリング情報を「ON」にする(ステップS23)。これにより、携帯電話端末4(1)にくわえて、固定電話端末2(3)に対して携帯電話端末4(2)もペアリングされている状態(ペアリング状態)となる。
この後、再度、内線番号として「101」が割り当てられている固定電話端末2(1)から内線番号として「501」が割り当てられている携帯電話端末4(1)に対して内線電話の発信が行われたとする(ステップS24)。この場合、電話制御装置1の呼制御部112は、着信先を定めるための判定処理を行う(ステップS25)。このステップS25の判定処理は、上述したステップS5の判定処理と同様の処理となる。この場合、図9(A)示したように、携帯電話端末4(1)に対応付けられている固定電話端末2(3)の「使用状態」は「0」であり非使用であると判定できる。また、携帯電話端末4(1)の「ペアリング情報」は「ON」であり、固定電話端末2(3)にペアリングされているので携帯電話端末4(1)の使用者は在席と判定できる。
このように、内線電話の着信先の携帯電話端末4(1)が対応付けられている固定電話端末2(3)が非使用の状態にあると判定され、携帯電話端末4(1)の使用者が在席していると判定されたとする。この場合、呼制御部112は、本来の着信先である携帯電話端末4(1)に着信を通知するのではなく、携帯電話端末4(1)が対応付けられている内線番号が「103」の固定電話端末2(2)に着信を通知する(ステップS26)。すなわち、呼制御部112は、使用/非使用判定部113の判定結果と在席/不在席判定部114の判定結果とに基づいて、携帯電話端末4(1)へお着信先を固定電話端末2(3)に振り替える。
そして、携帯電話端末4(1)への内線着信が振り替えられた固定電話端末2(3)では、当該着信通知に応じて鳴動して(ステップS27)、使用者に着信を通知する。携帯電話端末4(1)の使用者は、この場合、自席に在席しているはずであるので、当該携帯電話端末4(1)の使用者が応答操作を行うことになる(ステップS28)。これにより、電話制御装置1の呼制御部112は、発信元の固定電話端末2(1)と着信先の固定電話端末2(3)との間に通話回線を接続し、通話を開始させる(ステップS29)。また、呼制御部112は、アドレス管理DB104の固定電話端末2(1)と固定電話端末2(3)についての格納データの使用状態に使用中を示す「1」を登録する(ステップS30)。
この時点においては、図9(B)に示すように、内線番号が「501」の携帯電話端末4(1)と内線番号が「502」の携帯電話端末4(2)とが、固定電話端末2(3)にペアリングされていることを把握できる。また、固定電話端末2(1)と固定電話端末2(3)とが、「使用状態」が「1」となり、これらは「使用中」であると把握できる。また、固定電話端末2(2)と、携帯電話端末4(1)、4(2)との「使用状態」のいずれもが、「0」となって、これらは「非使用」であると把握できる。
この後、内線番号として「102」が割り当てられている固定電話端末2(2)から内線番号として「502」が割り当てられている携帯電話端末4(2)に対して内線電話の発信が行われたとする(ステップS31)。この場合、電話制御装置1の呼制御部112は、着信先を定めるための判定処理を行う(ステップS32)。このステップS32の判定処理は、ステップS5、ステップS25の判定処理と同様の処理となる。
この例の場合、図9(B)に示したように、アドレス管理DB104において、携帯電話端末4(2)が対応付けられている固定電話端末2(3)についての格納データの「使用状態」は「1」になっている。このため、固定電話端末2(3)は使用中の状態であると判定できる。また、上述したステップS21〜ステップS23の処理により、電話制御装置1のアドレス管理DB104において、携帯電話端末4(2)についての格納データのペアリング情報は「ON」にされている。このため、携帯電話端末4(2)の使用者は在席していると判定できる。
このように、内線電話の着信先の携帯電話端末4(2)が対応付けられている固定電話端末2(3)が使用中の状態にあると判定されたとする。この場合、呼制御部112は、内線番号が「502」の本来の着信先である携帯電話端末4(2)に着信を通知する(ステップS33)。すなわち、内線電話の着信先の携帯電話端末4(2)が対応付けられている固定電話端末2(3)が使用中の状態にあると判定された場合には、例え携帯電話端末4(2)の使用者が在席していると判定できても、携帯電話端末4(2)に着信を通知する。固定電話端末2(3)は使用中で着信を通知できないためである。
そして、携帯電話端末4(2)では、当該着信通知に応じて鳴動して(ステップS34)、使用者に着信を通知する。携帯電話端末4(2)の使用者は、携帯電話端末4(2)に対して応答操作を行うことになる(ステップS35)。これにより、携帯電話端末4(2)の制御部410は、着信応答を電話制御装置1に返すので、電話制御装置1の呼制御部112は、発信元の固定電話端末2(2)と着信先の携帯電話端末4(2)との間に通話回線を接続し、通話を開始させる(ステップS36)。また、呼制御部112は、アドレス管理DB104の固定電話端末2(2)と携帯電話端末4(2)についての格納データの使用状態に使用中を示す「1」を登録する(ステップS37)。
この時点においては、図9(C)に示すように、内線番号が「501」の携帯電話端末4(1)と内線番号が「502」の携帯電話端末4(2)とが、固定電話端末2(3)にペアリングされていることを把握できる。また、固定電話端末2(1)と固定電話端末2(3)と携帯電話端末4(2)とが、「使用状態」が「1」となり、これらは「使用中」であると把握できる。また、携帯電話端末4(1)の「使用状態」は、「0」となっており、携帯電話端末4(1)だけが「非使用」であると把握できる。
このように、携帯電話端末4(1)、携帯電話端末4(2)の使用者が在席中の場合には、携帯電話端末4(1)、携帯電話端末4(2)への着信は、固定電話端末2(3)が非使用であれば、固定電話端末2(3)へ振り替えられる。この場合に、固定電話端末2(3)を用いて、着信に応答すると、固定電話端末2(3)は使用中となり、固定電話端末2(3)に着信があっても、発信元には使用中である旨の通知がなされる。
また、携帯電話端末4(1)、携帯電話端末4(2)の使用者が在席中の場合であっても、固定電話端末2(3)が使用中の場合には、携帯電話端末4(1)、携帯電話端末4(2)への着信は、そのままの着信先に通知される。また、携帯電話端末4(1)、4(2)の使用者が不在の場合には、固定電話端末2(3)が非使用であっても、携帯電話端末4(1)、4(2)の使用者が、固定電話端末2(3)を通じては応答することは不可能である。この場合にも、携帯電話端末4(1)、4(2)への着信は、そのまま携帯電話端末4(1)、4(2)に着信通知がなされる。
このように、携帯電話端末4(1)、4(2)が対応付けられている固定電話端末2(1)を通じては、携帯電話端末4(1)、4(2)の使用が応答できない状態にあるとする。この場合には、携帯電話端末4(1)、4(2)への着信は、そのまま携帯電話端末4(1)、4(2)に通知される。従って、携帯電話端末4(1)、携帯電話端末4(2)への着信が、固定電話端末2(3)が使用中であったり、固定電話端末2(1)とペアリングされていなかったりするために通知されないということはない。従って、携帯電話端末4(1)、4(2)への着信に応答することができないという状況を発生させることはない。
[ペアリングの他の例]
上述した実施の形態では、固定電話端末2、3と携帯電話端末4とのそれぞれが、近距離無線通信機能を備え、固定電話端末2、3と、これに対応付けられている携帯電話端末4とが近距離無線通信により相互に通信が可能な場合に、固定電話端末2、3が電話制御装置1に対してペアリングの登録を行うようにした。しかし、これに限るものではない。例えば、電話制御装置1に対してLAN接続されているパーソナルコンピュータを通じてペアリングの登録を行うようにすることもできる。
図10は、電話制御装置1が用いられて構成される他の電話システムの全体構成を説明するため図である。図10に示す電話システムにおいて、図1に示した電話システムと同様に構成される部分には同じ参照を付し、その部分についての説明は重複するので省略する。但し、図10に示す電話システムにおいて、固定電話端末2(1)、2(2)、2(3)、…と、携帯電話端末4(1)、4(2)は、いずれも近距離無線通信機能は備えていないものとする。
そして、図10に示す電話システムの場合には、ユーザPC(Personal Computer)6(1)、6(2)、…、6(n)が、電話制御装置1に対してLAN(Local Area Network)接続されている。そして、ユーザPC6(1)、6(2)、…、6(n)のそれぞれは、電話制御装置1を通じてインターネットに接続し、Webページの閲覧や電子メールの送受信を行うことができるようになっている。
ユーザPC6(1)、6(2)、…、6(n)のそれぞれは、会社のオフィスの机上に固定的に配置されて使用されるものである。この例において、ユーザPC6(1)は、携帯電話端末4(1)の使用者用のものであり、ユーザPC6(2)は、携帯電話端末4(2)の使用者用のものであるとする。そして、この例においても、固定電話端末2(3)に対して携帯電話端末4(1)と携帯電話端末4(2)が対応付けられているものとする。従って、ユーザPC6(1)、6(2)は、固定電話端末2(3)の近傍に配置されている。
そして、携帯電話端末4(1)の使用者は、会社内の自席にいるときには、携帯電話端末4(1)をユーザPC6(1)に例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブル7(1)を通じて接続して、充電をしたりデータ移行をしたりできるようにする。携帯電話端末4(2)の使用者も同様に、会社内の自席にいるときには、携帯電話端末4(2)をユーザPC6(2)に例えばUSBケーブル7(2)を通じて接続して、充電をしたり、データ移行をしたりできるようにする。
この場合、ユーザPC6(1)は、USBケーブル7(1)を通じて携帯電話端末4(1)が接続されると、これを検知することができる。同様に、ユーザPC6(2)は、USBケーブル7(2)を通じて携帯電話端末4(2)が接続されると、これを検知することができる。そこで、ユーザPC6(1)は、USBケーブル7(1)を通じて携帯電話端末4(1)が接続されたことを検知した場合に、これを電話制御装置1に通知する。同様に、ユーザPC6(2)は、USBケーブル7(2)を通じて携帯電話端末4(2)が接続されたことを検知すると、これを電話制御装置1に通知する。
但し、ユーザPC6(1)、6(2)、…、6(n)には、種々の外部機器がUSB接続されることが考えられる。そこで、ユーザPC6(1)、6(2)、…、6(n)には、固定電話端末2などに対応付けられている携帯電話端末4であって、自機にUSB接続される携帯電話端末4の識別情報を登録しておく。識別情報としては、携帯電話番号、IPアドレス、MACアドレスなど、種々のものを用いることが可能である。この例においては、電話制御装置1で識別できるようにすることも考慮し、例えば携帯電話番号を用いるものとする。
そして、ユーザPC6(1)、6(2)、…、6(n)のそれぞれは、自機に外部機器がUSB接続された場合に、その外部機器に対して識別情報の提供を要求する。これに応じて自機に登録されている識別情報と同じ識別情報の提供を受けたときに、USB接続された外部機器は携帯電話端末4であると判別し、その識別情報を含むペアリング登録要求を形成して電話制御装置1にLANを通じて提供する。このペアリング登録要求を受け付けた電話制御装置1では、アドレス管理DB104の対応する携帯電話端末4についての格納データのペアリング情報を「ON」にして、対応付けられている固定電話端末2、3に対して、ペアリングされている状態にする。
また、ユーザPC6(1)、6(2)、…、6(n)のそれぞれは、USB接続されていた携帯電話端末4が取り外された場合にも、これを検知できる。この場合には、取り外された携帯電話端末4の識別情報を含むペアリング削除要求を形成し、これをLANを通じて電話制御装置1に通知する。このペアリング削除要求を受け付けた電話制御装置1では、アドレス管理DB104の対応する携帯電話端末4についての格納データのペアリング情報を「OFF」にして、対応付けられている固定電話端末2、3に対して、ペアリングされていない状態にする。
図11は、図10に示した電話システムにおけるペアリング登録処理について説明するためのシーケンス図である。また、図12は、ユーザPC6(1)、6(2)、…、6(n)から送信されるペアリング登録要求とペアリング削除要求の例を説明するための図である。図11においては、電話制御装置1と、ユーザPC6(1)、6(2)と、携帯電話端末4(1)、4(2)との処理を示している。上述したように、ユーザPC6(1)と携帯電話端末4(1)の使用者は同一人であり、ユーザPC6(2)と携帯電話端末4(2)の使用者は同一人である。
そして、図11に示すように、携帯電話端末4(1)がユーザPC6(1)に接続されたとする(ステップS41)。ユーザPC6(1)は、自機に識別情報が登録されている携帯電話端末4(1)がUSB接続されたことを検知すると、図12(A)に示すペアリング登録要求を形成し、これを電話制御装置1に提供する(ステップS42)。ペアリング登録要求は、図12(A)に示すように、ペアリング登録要求であることを示す情報と、USB接続された携帯電話端末4の識別情報とからなるものである。ペアリング登録要求の提供を受けた電話制御装置1では、当該ペアリング登録要求に基づいて、アドレス管理DB104の携帯電話端末4(1)についての格納データのペアリング情報を「ON」して、ペアリング登録を行う(ステップS43)。
また、図11に示すように、携帯電話端末4(2)がユーザPC6(2)に接続されたとする(ステップS44)。ユーザPC6(2)は、自機に識別情報が登録されている携帯電話端末4(2)がUSB接続されたことを検知すると、ペアリング登録要求(図12(A))を形成し、これを電話制御装置1に提供する(ステップS45)。ペアリング登録要求の提供を受けた電話制御装置1では、当該ペアリング登録要求に基づいて、アドレス管理DB104の携帯電話端末4(2)についての格納データのペアリング情報を「ON」して、ペアリング登録を行う(ステップS46)。
なお、ユーザPC6(1)、6(2)において、USB接続されていた携帯電話端末4(1)、4(2)が取り外されたとする。この場合には、ユーザPC6(1)、6(2)は、図12(B)に示すペアリング削除要求を形成し、これを電話制御装置1に提供する。これにより、電話制御装置1では、アドレス管理DB104の携帯電話端末4(1)、4(2)についての格納データのペアリング情報を「OFF」して、ペアリング登録を解除し、ペアリング解除状態にすることができる。
このように、ユーザPC6(1)、6(2)、…、6(n)のそれぞれにおいて、携帯電話端末4がUSB接続されたときには、アドレス管理DBの対応する格納データのペアリング情報を「ON」にする。また、USB接続が切り離されたときには、アドレス管理DBの対応する格納データのペアリング情報を「OFF」にする。このように、携帯電話端末4についてのペアリングの状態を適切に更新することができる。そして、この例の場合においても、ペアリング情報の更新経路が異なるだけで、ペアリングの状態をも考慮した呼制御は、図7、図8を用いて説明した場合と同様にして行うことができる。
なお、ここでは、USBケーブル6(1)、6(2)、…を通じての接続/取り外しを契機として、ペアリング情報の更新を行う場合を説明したが、これに限るものではない。例えば、ユーザPC5(1)、5(2)、…、5(n)のそれぞれに接続された携帯電話端末用充電台があり、これらの充電台への携帯電話端末の載置/取り外しがユーザPC5(1)、5(2)、…、5(n)のそれぞれにおいて検知可能であるとする。この場合には、当該充電台へ携帯電話端末4を載置した場合にはペアリング登録要求を形成して電話制御装置1に提供し、載置した携帯電話端末4を充電台から取り外した場合にはペアリング解除要求を形成して電話制御装置1に提供するといったことが可能である。
また、ここでは、ユーザPC6(1)、6(2)、…、6(n)のそれぞれが、自機に識別情報が登録されている携帯電話端末4が接続された場合に、当該携帯電話端末4の識別情報を含むペアリング登録要求を形成して送信するものとして説明した。しかし、これに限るものではない。ユーザPC6(1)、6(2)、…、6(n)のいずれかに、携帯電話端末4のいずれかが接続された場合に、携帯電話端末4の識別情報を含むペアリング登録要求を形成して、これを電話制御装置1に提供するようにしてもよい。
この場合には、携帯電話端末4の使用者が在席している場合には、対応付けられている固定電話端末2、3に着信を通知して鳴動した場合に、これを使用者が認識し、近隣の固定電話端末を用いて応答可能な場合に有効である。
[実施の形態の効果]
上述した実施の形態の電話制御装置1によれば、携帯電話端末4の使用者が会社内の自席に在席している場合に使用する固定電話端末2、3と、当該使用者が使用する携帯電話端末4とを対応付けて管理することができる。そして、携帯電話端末4に対する着信が発生した場合に、当該携帯電話端末4に対応付けられている固定電話端末2、3が非使用の状態にあり、かつ、当該携帯電話端末4の使用者が在席である場合には、当該固定電話端末2、3に着信を通知できる。
これにより、携帯電話端末4の使用者が在席している場合には、当該携帯電話端末4が対応付けられている固定電話端末2、3を優先的に用いて、当該携帯電話端末4への着信に応答できる。そして、固定電話端末2、3を優先的に利用できることにより、電話制御装置1に直接接続された固定電話端末2、3を用いて安定に通話を行うことができる。また、携帯電話網を通じて通信を少なくすることができるので、通話コストも抑えることができる。
また、携帯電話端末4に対する着信が生じた場合に、当該携帯電話端末4が対応付けられている固定電話端末2、3が使用中の場合には、当該携帯電話端末4への着信はそのまま当該携帯電話端末4に通知される。また、携帯電話端末4に対する着信が生じた場合に、当該携帯電話端末の使用者が不在席の場合には、当該携帯電話端末への着信はそのまま当該携帯電話端末4に通知される。これにより、携帯電話端末4の着信がどこにも通知されないといった状況を生じされることがないので、携帯電話端末4に対する着信に適切に応答することができる。
また、固定電話端末2、3に対して携帯電話端末4の着信が振り替えられて、固定電話端末2、3を用いて通話を開始した場合であっても、固定電話端末2、3が使用中になったことは適切に管理される。このため、携帯電話端末4への着信が振り替えられて通話中になった固定電話端末2、3に着信が生じても、発信元に対して通話中であることを確実に通知することができる。
[変形例]
上述した実施の形態では、ペアリングのオン/オフは、固定電話端末2、3と携帯電話端末4との間でブルートゥース(登録商標)規格の近距離無線通信を利用して自動的に行うようにしたが、これに限るものではない。ブルートゥース(登録商標)規格の近距離無線通信を用いるようにしてももちろんよい。例えば、赤外線通信やNFC(Near Field Communication)技術を用いた近距離無線通信を利用してもよい。また、近距離無線通信を用いる場合には、固定電話端末2、3と携帯電話端末4の出力を調整し、無線通信可能な距離範囲を制限することもできる。
また、ペアリングのオン/オフは、ユーザPC5への接続/切り離しに応じて自動的に行うことも可能であることを説明したが、これに限るものではない。例えば、固定電話端末2、3を通じて充電を行うようにする対応のものである場合には、固定電話端末2、3を通じて、ペアリングのオン/オフを自動的に切り替えことができる。
また、ペアリングのオン/オフを自動的に切り替えるのではなく、例えば、固定電話端末2、3やユーザPC5に対して、携帯電話端末4の使用者が、ペアリングのオン/オフの切り替え操作を行うようにしてもよい。この場合には、固定電話端末2、3やユーザPC5が受け付けた使用者からの操作入力に応じて、固定電話端末2、3やユーザPC5が、ペアリング登録要求やペアリング削除要求を形成して電話制御装置1に提供するようにすればよい。
また、携帯電話端末4の使用者が在席時においても、当該携帯電話端末4への着信を対応付けられている固定電話端末に着信を振り替えることなく、当該携帯電話端末4で受けたいという場合もある。この場合には、例えば、電話制御装置1のアドレス管理DB104の対応する格納データに、例えば、ペアリング拒否フラグを設けておき、このペアリング拒否フラグが「オン(1)」の時には、例え当該携帯電話端末4の使用者が在席していても、対応するペアリング情報を「ON」にしないようにすればよい。これにより、ペアリング拒否フラグが「オン(1)」である携帯電話端末4については、常時、「不在席」となり、対応付けられている固定電話端末があっても、これに着信が振り返られることはない。
また、上述した上述した実施の形態では、固定電話端末2、3に対して例えば2台の携帯電話端末が対応付けられている場合を例にして説明したが、これに限るものではない。固定電話端末2、3に対しては、1台以上の携帯電話端末を対応付けることができる。
また、携帯電話端末4を複数の固定電話端末2、3に対応付けることもできる。例えば、固定電話端末2(1)と、固定電話端末2(2)と、固定電話端末2(3)との3つの固定電話端末に対して、携帯電話端末4(1)を対応付けることも可能である。この場合には、例えば、どの固定電話端末2との間で近距離無線通信を行って、どの固定電話端末2がペアリング登録データを形成して送信したのかを示す固定電話端末の識別情報を、当該ペアリング登録データに追加しておけばよい。そして、電話制御装置1においては、各携帯電話端末4が、どの固定電話端末とペアリングされたのかを管理するようにすればよい。
また、固定電話端末2,3と、ユーザPC5との対応関係を、その設置位置に応じて、予め電話制御装置1に登録しておく。そして、ユーザPC5から電話制御装置1に提供されるペアリング登録要求にユーザPC5の識別情報を付加しておくことで、どの固定電話端末と当該携帯電話端末4とがペアリングされたのかを管理することもできる。すなわち、どのユーザPC5に携帯電話端末4が接続されたのかに応じて、どの固定電話端末2、3と当該携帯電話端末4とがペアリングされたのかを管理することもできる。
更に、上述した実施の形態では、固定電話端末2、3に対して、予め携帯電話端末を対応付けておくようにしたが、これに限るものではない。携帯電話端末4と近距離通信が可能になった固定電話端末が、自機の識別情報と近距離通信が可能になった携帯電話端末4の識別情報との両方を電話制御装置1に通知する。そして、電話制御装置1において、対応付けとペアリングとを同時に行うようにしてもよい。すなわち、アドレス管理DB104の当該携帯電話端末4に対応する格納データのグループ親機とペアリング情報とを同時に更新するようにしてもよい。
この場合には、フレキシブルに固定電話端末2、3と携帯電話端末4との対応付けとペアリングとを行うことができる。従って、携帯電話端末4の使用者は、会社内にいるときは、近隣の固定電話端末2、3に対して、携帯電話端末4宛の着信に振り替えるようにすることが可能になる。