JP2019080121A - 信号発生器およびその信号発生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ミキサの出力に含まれる不要信号成分を少ないフィルタで十分に抑圧する。【解決手段】中間周波信号発生回路21と周波数変換回路25の間に第1のレベル可変手段22を設け、周波数変換回路25と出力端子31の間に第2のレベル可変手段30を設ける。制御部50は、指定された目的信号の周波数に対して、周波数変換回路25で発生する低次のマルチプルレスポンス成分とローカル信号のリーク成分がともにフィルタ回路28の通過帯域外となる場合、第1、第2のレベル可変手段22、30の利得G1、G2をそれぞれ基準値に設定し、マルチプルレスポンス成分のみが通過帯域内に入る場合、利得G1を基準値からΔGa減少させ、利得G2を基準値からΔGa増加させ、リーク成分のみが通過帯域内に入る場合、利得G1を基準値からΔGb増加させ、利得G2を基準値からΔGb減少させ、目的信号のレベルを維持したまま不要信号成分のレベルを減少させる。【選択図】図1

Description

本発明は、中間周波帯の信号をローカル信号とミキシングし、その出力から目的信号をフィルタで抽出するアップコンバージョン式の周波数変換回路を有する信号発生器において、目的信号の周波数可変幅が中間周波数以上に広い場合であっても、多数のフィルタおよびフィルタ切替え用のスイッチを用いることなく、不要信号成分を抑圧して、フィルタの出力信号のレベルから目的信号のレベルを高い確度で特定できるようにするための技術に関する。
携帯電話等の無線通信機器が通信に用いる電波の周波数帯は年々高くなっており、それに応じて無線通信機器の試験を行なう試験装置が必要とする試験用信号の周波数も高くなってきている。これに対し、無線周波数帯の試験用信号を直接的にかつ通信に割当てられている周波数帯域の広い範囲に渡って可変できるように生成することは困難であるので、通常は、試験に必要な情報を含む信号を無線周波数帯より低い所定の中間周波数の信号として生成し、これをヘテロダイン方式の周波数変換回路に与えて、無線周波数帯内の所望周波数の信号に変換している。
ヘテロダイン方式の周波数変換回路は、図9に示しているように、中間周波数fIFの信号(以下、中間周波信号と呼ぶ)SIFと、周波数fLOCが可変されるローカル信号SLOCとを非線形素子であるミキサ1に入力し、そのミキサ1の出力に含まれる信号から、入力信号同士の差の周波数(|fLOC−fIF|)あるいは和の周波数(fLOC+fIF)の信号成分のどちらかを目的信号SRFとしてフィルタ2(通常はバンドパスフィルタ)により抽出するものであり、ローカル信号SLOCの周波数fLOCの可変幅をFwとすれば、目的信号SRFの周波数fRFもFwの幅で可変させることができ、その場合、フィルタ2の通過帯域を目的信号SRFの周波数範囲に対応させる。
一般的に、非線形性を有する回路に、2つの信号を入力した場合、その出力には、入力された2信号(そのリーク成分の場合もある)の他に、入力された2信号のそれぞれの高調波成分、入力された2信号の基本波同士の和と差の周波数の成分、一方の基本波と他方の高調波の和と差の周波数の成分および高調波同士の和と差の周波数の成分が含まれる。ここで、入力した2信号の基本波および高調波を含んだ和と差の周波数成分は、整数n、mを用いてn・fIF±m・fLOCで表され、基本波同士(n=m=1)の和と差の周波数成分fIF±fLOCの一方を目的信号とすれば、他方はそのイメージ成分である。
また、nまたはmの少なくとも一方が2以上のときの和と差の周波数成分は、増幅器等の場合は(n+m)次の相互変調積と呼ぶが、周波数変換に用いるミキサのような非線形素子の場合にはm×nスプリアスやマルチプルレスポンスと呼んでいる。以下の説明では、上記周波数成分をマルチプルレスポンス成分と呼び、その次数をnとmの大きい方で数えるものとする。このマルチプルレスポンス成分は、基本的に次数が高くなるほどレベルが下がり、通常、2次あるいは3次程度までの低次のものを考慮すればよいとされている。
また、周波数変換用のミキサ1としては、通常、入力信号に対する通り抜けが少ない(アイソレーションが高い)2重平衡型のミキサ(DBM)が用いられ、ローカル信号SLOCによる中間周波信号SIFのスイッチング処理を行なうが、このスイッチング動作に影響を与えないように、中間周波信号SIFのレベルをローカル信号SLOCのレベルに対して十分小さく(例えば−20dB)設定する。
したがって、ミキサ1の出力に含まれる信号のうち、中間周波信号SIFの高次高調波成分および5次以上の高次のマルチプルレスポンス成分については、目的信号SRFのレベルに対して十分小さく無視することができるが、レベルが高いローカル信号SLOCのリーク成分や高調波成分、目的信号SRFのイメージ成分、低次(2次あるいは3次まで)のマルチプルレスポンス成分については、目的信号SRFのレベルに対して無視できないレベルとなる可能性が高い。
目的信号SRFの周波数可変範囲を所望範囲にするための中間周波数fIFやローカル信号SLOCの周波数の選び方は無限に存在するが、一般的には、目的信号SRFとイメージ成分の周波数差を大きくするために中間周波数fIFを比較的高くするとともに、レベルが高いローカル信号SLOCの2、3次の高調波や、中間周波数の信号SIFの2次、3次の高調波がフィルタ2の通過帯域に入らないような周波数の組合せを選択する。
例えば、図10のように、中間周波数fIFを5GHz、目的信号SRFの周波数fRFの可変範囲およびフィルタの通過帯域を27±2GHzの4GHz幅の範囲とすると、ローカル信号SLOCの周波数fLOCを22±2GHzの範囲に設定すればよい(和の周波数変換の場合)。この場合、イメージ成分は17±2GHzの範囲となり、ローカル信号SLOCの2次以上の高調波は2×(22±2)GHz以上となり、いずれもフィルタの通過帯域から十分離れる。さらに、中間周波信号SIFの高調波のうち、2〜4倍の高調波および6倍以上の高調波はフィルタの通過帯域に入らず、5倍の高調波(25GHz)がフィルタの通過帯域22±2GHzに入るが、中間周波信号SIFのレベルに対してその5倍の高調波のレベルは目的信号SRFのレベルに対して十分小さい。
また、上記のように、中間周波数fIF(=5GHz)より周波数可変幅Fw(=4GHz)が小さい場合、ローカル信号SLOCのリーク成分(22±2GHz)はフィルタの通過帯域27±2GHzに入らず、2次のマルチプルレスポンス成分の(2×5)±(22±2)GHzは、32±2GHz、12±2GHzの範囲となり、別の2次のマルチプルレスポンス成分の2×(22±2)±5GHzは、39±4GHz、49±4GHzの範囲となり、いずれもフィルタの通過帯域に入らない。3次以上のマルチプルレスポンス成分についてはフィルタの通過帯域に入る場合があるが、2次のマルチプルレスポンス成分よりレベルが低いものとして、ここでは無視する。
したがって、上記のように各周波数を設定した場合には、フィルタから出力される信号のレベルが目的信号のレベルに高い確度で対応していると見なせ、これを例えば検波回路で検波して得られる検波値から、目的信号のレベル値を高い確度で特定するレベル校正が可能である。
ところが、周波数可変幅Fwが中間周波数fIF以上の場合、前記したローカル信号SLOCのリーク成分や2次のマルチプルレスポンス成分がフィルタの通過帯域内に入ってしまう。
例えば、図11のように、周波数可変幅Fwを8GHz(=±4GHz)とすると、ローカル信号SLOCの周波数fLOCは22±4GHzの範囲となり、その一部がフィルタの通過帯域27±4GHzの範囲に入ってしまう。また、例えば2次のマルチプルレスポンス成分(2×5)+(22±4)GHzが32±4GHzの範囲となり、2×(22±4)−5GHzが39±8GHzの範囲となり、それぞれの一部がフィルタの通過帯域に入ってしまう。
このように、比較的レベルの大きいローカル信号SLOCのリーク成分や低次のマルチプルレスポンス成分がフィルタの帯域に入ってしまうと、フィルタの出力信号のレベルが目的信号SRFのレベルに正確に対応しなくなり、この出力信号のレベルから目的信号SRFのレベルを正確に把握することが困難となる。
これを防ぐために、従来では、図12に示しているように、目的信号SRFの周波数可変範囲を、異なる通過帯域Band1〜Band3の複数M(図では3つ)のフィルタでカバーするようにし、目的信号SRFの周波数可変範囲内に入るローカル信号SLOCのリーク成分や2次のマルチプルレスポンス成分を抑圧する方法が取られている。この場合、例えば、各フィルタの通過帯域Band1〜Band3を、目的信号の周波数可変範囲(27±4GHz)を3等分する範囲に設定すると、目的信号の周波数がBand1にある間は、ローカル信号の周波数はBand1の下限より低い範囲にあり、2次のマルチプルレスポンス成分はBand1の上限よりも高い範囲にある。目的信号の周波数がBand2にある間やBand3にある場合も同様に、ローカル信号の周波数も2次のマルチプルレスポンス成分もその通過帯域の外側にある。したがって、上記のように、目的信号とローカル信号が同時に出力されず、また、目的信号と2次のマルチプルレスポンス成分とが同時に出力されないような通過帯域をもつ複数のフィルタを用いることで、これらの不要信号成分を抑圧して目的信号のみを抽出することかできる。
この場合、図13のように、ミキサ1の出力側に、通過帯域が異なる複数のフィルタ2A、2B、2Cと、これらを選択的に切り替えるスイッチ3、4を設け、目的信号の周波数に応じて、フィルタ切替えを行なう構成となる。
このように、目的信号の周波数可変範囲に含まれる不要信号成分をその周波数可変範囲より狭い通過帯域のフィルタを用いて低減する技術は、従来から広く知られている(例えば特許文献1)。
特開平7−22971号公報
しかしながら、上記のように、不要信号成分と目的信号が同時に出力されないようにそれぞれの通過帯域が設定された複数のフィルタを切り替える方式では、回路全体が大掛かりになり、コスト高で、装置が大型化するという問題がある。また、フィルタを選択するスイッチ3、4は、上記周波数例のように数10GHz帯で損失が大きく、しかも、切替え数の多い選択回路を構成する場合、切替え数の少ないスイッチを多段接続する必要があり、スイッチによる損失のさらなる増加が問題となる。
本発明は、これらの問題を解決して、目的信号の周波数可変幅が中間周波数より広い場合であっても、少ないフィルタで、ミキサの出力信号に含まれるローカル信号のリーク成分や低次のマルチプルレスポンス成分を目的信号に対して十分抑圧させることができ、フィルタの出力信号のレベルから目的信号のレベルを正確に把握でき、低コスト化、小型化が可能な信号発生器およびその信号発生方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の信号発生器は、
所定周波数の中間周波信号を生成出力する中間周波信号発生回路(21)と、
所定範囲で周波数可変されるローカル信号を出力するローカル信号発生回路(27)、前記ローカル信号と前記中間周波信号とを混合するミキサ(26)、前記ミキサの出力から、前記中間周波信号と前記ローカル信号の和の周波数成分または差の周波数成分を目的信号として抽出するためのフィルタ回路(28)を含む周波数変換回路(25)と、
前記周波数変換回路に入力する前記中間周波信号のレベルを可変するための第1のレベル可変手段(22)と、
前記周波数変換回路から出力された信号を受けてそのレベルを可変して出力する第2のレベル可変手段(30)と、
前記目的信号の所望の周波数を指定させる目的信号周波数指定手段(51)と、
前記目的信号周波数指定手段で指定された目的信号の周波数に対応するローカル信号の周波数を、前記周波数変換回路に設定するローカル信号周波数設定手段(52)と、
前記指定された目的信号の周波数に対応する前記ローカル信号の周波数と、前記中間周波信号と前記ローカル信号とで生じる低次のマルチプルレスポンス成分の周波数がともに前記フィルタ回路の通過帯域の外側にある場合には、前記第2のレベル可変手段から出力される信号のレベルが目標値となるために必要な前記第1のレベル可変手段の利得を第1の基準値、前記第2のレベル可変手段の利得を第2の基準値とし、前記ローカル信号の周波数が前記フィルタ回路の通過帯域の外側にあり、且つ、前記低次のマルチプルレスポンス成分の周波数が前記フィルタ回路の通過帯域の内側にある場合には、前記第1のレベル可変手段の利得を、前記第1の基準値より、前記ミキサの出力信号に含まれる前記目的信号のレベルに対して前記低次のマルチプルレスポンス成分の最大レベルを許容値以下にするために必要な第1の所定量分小さい値にするとともに、前記第2のレベル可変手段の利得を前記第2の基準値より前記第1の所定量だけ大きな値とし、前記ローカル信号の周波数が前記フィルタ回路の通過帯域の内側にあり、且つ、前記低次のマルチプルレスポンス成分の周波数が前記フィルタ回路の通過帯域の外側にある場合には、前記第1のレベル可変手段の利得を、前記第1の基準値より、前記ミキサの出力信号に含まれる前記目的信号のレベルに対して前記ローカル信号のリーク成分のレベルを前記許容値以下にするために必要な第2の所定量だけ大きな値にするとともに、前記第2のレベル可変手段の利得を前記第2の基準値より前記第2の所定量だけ少ない値とする利得設定手段(53)とを備えていることを特徴とする。
本発明の請求項2の信号発生器は、請求項1記載の信号発生器において、
前記利得設定手段は、予め目的信号の周波数毎に、前記第1のレベル可変手段および第2のレベル可変手段に設定するための利得値を記憶している利得情報記憶手段(54)から利得値を読み出して前記第1のレベル可変手段および第2のレベル可変手段に設定することを特徴とする。
また、本発明の請求項3の信号発生器は、請求項1または請求項2記載の信号発生器において、
前記目的信号の周波数毎に前記第2のレベル可変手段から出力される信号のレベルまたは該レベルと前記目標値との差のデータを補正データとして記憶している補正データ記憶手段(56)と、
前記補正データ記憶手段に記憶されている補正データにより、前記周波数変換回路に入力される前記中間周波信号のレベルまたは前記第2のレベル可変手段から出力される信号のレベルを補正して、第2のレベル可変手段から出力される信号のレベルを前記目標値に一致させるレベル誤差補正手段(57)とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項4の信号発生器は、請求項1または請求項2記載の信号発生器において、
前記第2のレベル可変手段から出力される信号のレベルを検出するためのレベル検出手段(35)と、
前記レベル検出手段によって検出されるレベルが前記目標値に一致するように、前記周波数変換回路に入力される前記中間周波信号のレベルまたは前記第2のレベル可変手段から出力される信号のレベルを補正するレベル誤差補正手段(57′)が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の請求項5の信号発生器は、請求項1〜4のいずれかに記載の信号発生器において、
前記周波数変換回路の前記フィルタ回路は、通過帯域が異なる複数のフィルタ(28a、28b)と、該複数のフィルタのうち、前記目的信号の周波数を通過させるフィルタを選択的に用いるスイッチ(29a、29b)とを有しており、
前記利得設定手段は、前記複数のフィルタの各通過帯域毎に、前記第1のレベル可変手段および第2のレベル可変手段の利得を設定することを特徴とする。
また、本発明の請求項6の信号発生器の信号発生方法は、
所定周波数の中間周波信号を生成出力する中間周波信号発生回路(21)と、
所定範囲で周波数可変されるローカル信号を出力するローカル信号発生回路(27)、前記ローカル信号と前記中間周波信号とを混合するミキサ(26)、前記ミキサの出力から、前記中間周波信号と前記ローカル信号の和の周波数成分または差の周波数成分を目的信号として抽出するためのフィルタ回路(28)を含む周波数変換回路(25)と、
前記周波数変換回路に入力する前記中間周波信号のレベルを可変するための第1のレベル可変手段(22)と、
前記周波数変換回路から出力された信号を受けてそのレベルを可変して出力する第2のレベル可変手段(30)とを有する信号発生器の信号発生方法であって、
前記目的信号の所望の周波数を指定する段階と、
前記指定した目的信号の周波数に対応するローカル信号の周波数を、前記周波数変換回路に設定する段階と、
前記指定した目的信号の周波数に対応する前記ローカル信号の周波数と、前記中間周波信号と前記ローカル信号とで生じる低次のマルチプルレスポンス成分の周波数がともに前記フィルタ回路の通過帯域の外側にある場合には、前記第2のレベル可変手段から出力される信号のレベルが目標値となるために必要な前記第1のレベル可変手段の利得を第1の基準値、前記第2のレベル可変手段の利得を第2の基準値と設定し、前記ローカル信号の周波数が前記フィルタ回路の通過帯域の外側にあり、且つ、前記低次のマルチプルレスポンス成分の周波数が前記フィルタ回路の通過帯域の内側にある場合には、前記第1のレベル可変手段の利得を、前記第1の基準値より、前記ミキサの出力信号に含まれる前記目的信号のレベルに対して前記低次のマルチプルレスポンス成分の最大レベルを許容値以下にするために必要な第1の所定量分小さい値にするとともに、前記第2のレベル可変手段の利得を前記第2の基準値より前記第1の所定量だけ大きな値に設定し、前記ローカル信号の周波数が前記フィルタ回路の通過帯域の内側にあり、且つ、前記低次のマルチプルレスポンス成分の周波数が前記フィルタ回路の通過帯域の外側にある場合には、前記第1のレベル可変手段の利得を、前記第1の基準値より、前記ミキサの出力信号に含まれる前記目的信号のレベルに対して前記ローカル信号のリーク成分のレベルを前記許容値以下にするために必要な第2の所定量だけ大きな値にするとともに、前記第2のレベル可変手段の利得を前記第2の基準値より前記第2の所定量だけ少ない値に設定する段階とを含むことを特徴とする。
このように、本発明では、中間周波数に対して目的信号の周波数可変範囲が広いことで、ローカル信号のリーク成分や低次のマルチプルレスポンス成分の不要信号成分がフィルタ回路の通過帯域に現れる場合であっても、そのフィルタの通過帯域を細かく分けることなく、第1のレベル可変手段と第2のレベル可変手段の利得を相反的に変化させることで、目的信号のレベルに対して不要信号成分を許容値以下に抑圧でき、低コスト化、小型化が可能となる。
また、第2のレベル可変手段から出力される信号のレベルと目標値との差を補正することで、各周波数について目標値に正確にレベルが一致する目的信号を出力させることができる。
本発明の実施形態の構成図 実施形態の動作を説明するための図 実施形態の動作を説明するための図 実施形態の動作を説明するための図 本発明の別の実施形態の構成図 本発明の別の実施形態の構成図 目的信号の周波数範囲がさらに広い場合の周波数関係図 図7の周波数例に対応した信号発生器の構成図 周波数変換回路の構成図 周波数可変範囲が狭い場合の周波数変換の周波数関係図 周波数可変範囲が広い場合の周波数変換の周波数関係図 周波数可変範囲が広い場合に通過帯域を分けたときの周波数関係図 通過帯域を分ける場合の周波数変換回路の構成図
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した信号発生器20の基本構成を示している。
この信号発生器20は、中間周波信号発生回路21、第1のレベル可変手段22、周波数変換回路25、第2のレベル可変手段30、出力端子31、制御部50を有しており、所定の中間周波fIF(例えば5GHz)の中間周波信号SIFをヘテロダイン方式の周波数変換処理により、より高い周波数fRF(例えば23〜31GHz)の目的信号SRFに変換して出力する。
中間周波信号発生回路21は、所定の中間周波fIF(例えば5GHz)の中間周波信号SIFを生成出力する。この中間周波信号SIFは、携帯端末等の通信機器の試験に必要な情報(変調情報だけでなくキャリアの周波数やレベルも含む)を含む(制御部50による指定可能な)信号であるが、ここでは単純に無変調信号として説明する。
第1のレベル可変手段22は、中間周波信号発生回路21が出力する中間周波信号SIFを受けてそのレベルを可変して出力するためのものであり、可変減衰器、利得可変増幅器あるいはそれらの組合せで構成され、制御部50から指定された利得G1で中間周波信号SIFを増幅あるいは減衰させて出力する。ここでは、第1のレベル可変手段22を中間周波信号発生回路21と別に設けた例を示すが、第1のレベル可変手段22を、中間周波信号発生回路21内での中間周波信号を生成する処理の途中に設ける場合もある。
第1のレベル可変手段22から出力された中間周波信号SIF′は、周波数変換回路25の2重平衡型のミキサ(DBM)26に入力され、ローカル信号発生器27から出力されるローカル信号SLOCとミキシングされる。ローカル信号発生器27は、制御部50の制御により、出力するローカル信号SLOCの周波数fLOCを所定範囲(この例では、18〜23GHz)可変できるものとする。
ミキサ26の出力信号は、目的信号SRFの周波数範囲(23〜31GHz)と等しい通過帯域を有するフィルタ回路28に入力される。この実施形態のフィルタ回路28は、単一のバンドパス型のフィルタで構成されるものとするが、後述するように、目的信号SRFの周波数範囲がさらに広い場合には複数のフィルタを切り替えて用いる場合もある。
この実施形態の周波数例は、中間周波数fIF(=5GHz)より目的信号SRFの周波数可変幅Fw(=8GHz)が広い例であるから、前記図11で示したように、目的信号SRFの周波数fRFが低域側(23〜26GHz)の範囲では、2次のマルチプルレスポンス成分SIMがフィルタの通過帯域の高域側(28〜31GHz)の範囲に現れ、目的信号SRFの周波数fRFが高域側(28〜31GHz)の範囲では、ローカル信号SLOCのリーク成分がフィルタの通過帯域の低域側(23〜26GHz)の範囲に現れる。また、目的信号SRFの周波数が上記低域と高域の間にある場合は、2次のマルチプルレスポンス成分SIMやローカル信号SLOCのリーク成分は、フィルタの通過帯域の外側となる。
周波数変換回路25から出力される信号Sout は、第2のレベル可変手段30に入力される。第2のレベル可変手段30は、第1のレベル可変手段22と同様に、可変減衰器、利得可変増幅器あるいはそれらの組合せで構成され、周波数変換回路25の出力信号Sout を受けて、制御部50から指定された利得G2で増幅あるいは減衰させて出力する。
第2レベル可変手段30から出力される信号Sout′(SRF)は出力端子31を介して外部に出力される。
制御部50は、目的信号周波数指定手段51、ローカル信号周波数設定手段52、利得設定手段53、利得情報記憶手段54を有している。
目的信号周波数指定手段51は、図示しない操作部などの操作を受けて、出力端子31から出力しようとする目的信号SRFの所望の周波数fRFを指定させ、ローカル信号周波数設定手段52は、指定された周波数fRFに対応するローカル信号SLOCの周波数fLOCを、周波数変換回路25に設定する。
利得情報記憶手段54には、目的信号SRFの周波数の領域毎に、出力端子31から出力される出力信号Sout ′のレベルが、その出力信号に含まれる目的信号SRFのレベルに対して許容値以下となるために必要な利得G1、G2が予め記憶されており、利得設定手段53は、利得情報記憶手段54を参照して、指定された目的信号SRFの周波数に対応する利得G1、G2を読み出して第1のレベル可変手段22と第2のレベル可変手段30にそれぞれ設定する。
ここで、利得情報記憶手段54に記憶されている利得値について説明する。
ローカル信号SLOCのリーク成分および2次のマルチプルレスポンス成分SIMがフィルタ回路28の通過帯域に入らない場合を第1条件とし、その場合の目的信号SRFの周波数領域を第1条件領域とし、この状態で、信号発生器20の各部が余裕をもって正常に動作し、出力端子31に出力される信号のレベル(この場合、目的信号SRFのレベルと見なせる)が目標値(例えば−16dBm)となるような利得G1、G2をそれぞれ基準値Gr1、Gr2とする。
また、2次のマルチプルレスポンス成分SIMがフィルタ回路28の通過帯域の高域側に入り、ローカル信号SLOCのリーク成分がフィルタ回路28の通過帯域の外側ある場合を第2条件とし、その場合の目的信号SRFの周波数領域を第2条件領域とする。この場合、問題となる2次のマルチプルレスポンス成分SIMのレベルが、中間周波数信号のレベルの減少量に対して、次数倍で減少する性質を有していることを利用し、第1のレベル可変手段22の利得G1を基準値Gr1より、所定量ΔGa(>0)だけ小さい値Gr1−ΔGaとし、ミキサ出力に現れる2次のマルチプルレスポンス成分SIMのレベルを2×ΔGa分下げている。そして、その利得低下による目的信号SRFのレベルダウンを補償するために、第2のレベル可変手段30の利得G2を、基準値Gr2より所定量ΔGa(>0)だけ大きな値Gr2+ΔGaとし、出力端子31から出力される信号のレベルが目標値となるようにしている。
また、ローカル信号SLOCのリーク成分がフィルタ回路28の通過帯域の低域側に入り、2次のマルチプルレスポンス成分SIMがフィルタ回路28の通過帯域の外側ある場合を第3条件とし、その場合の目的信号SRFの周波数領域を第3条件領域とする。この場合は、ミキサ出力に現れるリーク成分のレベルが、目的信号SRFのレベルに対して許容値以下となるように、第1のレベル可変手段22の利得G1を基準値Gr1より所定量ΔGb(>0)だけ大きな値Gr1+ΔGbとし、その利得増加による目的信号SRFのレベルアップを補償するために、第2のレベル可変手段30の利得G2を、基準値Gr2より所定量ΔGb(>0)だけ小さな値Gr2−ΔGbとし、出力端子31から出力される信号のレベルが目標値となるようにしている。
このように、中間周波数に対して、目的信号SRFの周波数可変範囲(フィルタ回路の通過帯域幅)が広いことで、ローカル信号SLOCのリーク成分やマルチプルレスポンス成分SIM等の不要信号成分がフィルタの通過帯域に現れる場合であっても、第1のレベル可変手段22と第2のレベル可変手段30の利得G1、G2を相反的に変化させることで、目的信号SRFのレベルに対して不要信号成分を許容値以下に抑圧でき、しかも出力端子31から出力される目的信号SRFのレベルを目標値に維持できる。
以下、具体的な数値例を挙げて説明する。
第1のレベル可変手段22および第2のレベル可変手段30の利得は、第1の基準値Gr1、第2の基準値Gr2を中心として、信号発生器20の各部が正常に動作する範囲内で任意に可変できるが、一つの数値例をあげれば、Gr1=Gr2=0(dB)、中間周波信号発生回路21が出力する中間周波信号のレベルを−10dBm、ローカル信号SLOCのレベル10dBm、ミキサ26の出力に現れる目的信号SRFのレベルを−16dBm、ローカル信号SLOCのリーク成分のレベルを−30dBm、フィルタ回路28の通過帯域に入る可能性のある2fIF+fLOCの2次のマルチプルレスポンス成分SIMのレベルを−30dBmとする。
図2は、目的信号SRFの周波数が第1条件を満たす領域にある場合の各成分の周波数関係を表すものであり、前記したように、第1条件では、ローカル信号SLOCのリーク成分や2fIF+fLOCの2次のマルチプルレスポンス成分SIMは、フィルタ回路28の通過帯域外にあり、図2の(a)のように、フィルタ回路28の通過帯域内のミキサ26の出力には、目的信号SRFのレベルに対して無視できない大きさの不要信号成分はなく、フィルタ回路28の出力信号のレベルが目的信号SRFのレベルに対応しているとみなすことができる。上記数値例でいえば、第2のレベル可変手段30から出力される目的信号SRFのレベルは、図2の(b)のように、フィルタ回路28の通過帯域の損失を0dBとすれば−16dBmとなる。また、フィルタ回路28の通過帯域の外にあるローカル信号SLOCのリーク成分や2fIF+fLOCの2次のマルチプルレスポンス成分SIMは、フィルタ回路28を通過する際に大きく(例えば40dB以上)減衰されるので、目的信号SRFのレベルへの影響は無視できる。
また、目的信号の周波数が第2条件を満たす領域にある場合には、第1のレベル可変手段22の利得を第1の基準値Gr1より第1の所定量ΔGaだけ少ない値Gr1−ΔGaとし、この利得低下分を補償するために、第2のレベル可変手段30の利得を第2の基準値Gr2より第1の所定量だけ大きな値Gr2+ΔGaとする。
第1の所定量ΔGaは、ミキサ26の出力信号に含まれる目的信号SRFのレベルに対して低次のマルチプルレスポンス成分の最大レベルを許容値(例えば20dB:電力換算で1/100)以下にする値である。
マルチプルレスポンス成分のレベルは、その次数によってレベル応答が変わる。例えば、周波数が2fIF+fLOCのマルチプルレスポンス成分SIMのレベルは、中間周波信号の高調波の次数倍(この場合2倍)で変化し、中間周波信号のレベルを例えば10dB下げると、その2倍の20dB低下することになる。
したがって、仮に、図3(a)に示すように、第1のレベル可変手段22の利得が第1の基準値Gr1(=0dB)の状態で、ミキサ26の出力信号に含まれる目的信号SRFのレベルが−16dBm、2fIF+fLOCのマルチプルレスポンス成分SIMのレベルが−30dBmのときに、前記したように、中間周波信号のレベルを10dB下げる(ΔGa=10)と、図3の(b)のように、目的信号SRFのレベルも10dB下がって−26dBmとなるが、2fIF+fLOCのマルチプルレスポンス成分SIMのレベルは、2倍の20dB下がって−50dBmとなり、目的信号SRFのレベルに対して、許容値(20dB)以下となる。そして、最終的には、第2のレベル可変手段30の利得を第2の基準値Gr2(=0dB)より第1の所定量ΔGa(=10)だけ大きな値10dBにするので、図3の(c)のように、第2のレベル可変手段30から出力される目的信号SRFのレベルは元のレベル(−16dBm)に戻り、マルチプルレスポンスSIMのレベルは10dB大きくなって−40dBmとなり、目的信号SRFに対して許容値(20dB)以下となる。この場合、通過帯域の外にあるローカル信号SLOCのリーク成分SLOC′はフィルタ回路28を通過する際に大きく減衰されるので、第2のレベル可変手段30により10dB増幅されても、マルチプルレスポンスSIMのレベルより十分低く、目的信号SRFのレベルへの影響は無視できる。
また、目的信号SRFの周波数が第3条件を満たす領域にある場合には、第1のレベル可変手段22の利得を、第1の基準値Gr1より第2の所定量ΔGbだけ大きな値Gr1+ΔGbとし、この利得増加分を補償するために、第2のレベル可変手段30の利得を第2の基準値Gr2より第2の所定量ΔGbだけ小さな値Gr2−ΔGaとする。
ここで、第2の所定量ΔGbは、ミキサ26の出力信号に含まれる目的信号SRFのレベルに対してローカル信号SLOCのリーク成分SLOC′のレベルを相対的に前記許容値以下にする値である。
したがって、図4(a)に示すように、仮に、第1のレベル可変手段22の利得が第1の基準値Gr1(=0)のときのミキサ26の出力信号に含まれる目的信号SRFのレベルが−16dBm、ローカル信号SLOCのリーク成分SLOC′のレベルが−30dBmのときに、前記したように、中間周波信号のレベルを10dB上げる(ΔGb=10)と、図4の(b)のように、目的信号SRFのレベルが10dB上がって−6dBmとなり、ローカル信号SLOCのリーク成分SLOC′のレベルに対して許容値(20dB)以上となる。そして、最終的には、第2のレベル可変手段30の利得を第2の基準値Gr2(例えば0dB)より第2の所定量ΔGb(=10)だけ小さな値−10dBにするので、図4の(c)のように、第2のレベル可変手段30から出力される目的信号SRFのレベルは元のレベル(−16dBm)に戻り、リーク成分SLOC′のレベルも10dB小さくなって−40dBmとなり、目的信号SRFに対して許容値(20dB)以下となる。この場合、中間周波信号のレベルの増加に伴い、ミキサ出力において2次のマルチプルレスポンス成分SIMのレベルが−10dBmまで増加するが、フィルタ回路28を通過する際に大きく減衰され、しかも第2のレベル可変手段30によってさらに10dB減衰されるので、ローカル信号のリーク成分SLOC′のレベルよりも十分低く、目的信号SRFのレベルへの影響は無視できる。
このように第1のレベル可変手段22により周波数変換回路25に入力される中間周波信号のレベルを増減変化させることで、低次のマルチプルレスポンス成分あるいはローカル信号のリーク成分がフィルタ回路28の通過帯域に入っていても、そのレベルを目的信号SRFに対して許容値以下にすることができ、第1のレベル可変手段22で中間周波信号のレベルを増減したことで増減変化する目的信号SRFのレベルを、第2のレベル可変手段30の利得の逆の増減変化で補償して戻すことができ、第2のレベル可変手段30から出力される信号のレベルを常に目的信号SRFのレベルに許容誤差内で一致した状態を維持することができる。
なお、上記実施形態の信号発生器20は、出力端子31から出力される信号Sout′のレベルが目的信号SRFのレベルに高い確度で一致していると見なせるので、図5に示しているように、出力端子31に接続したパワー計60で出力信号の実際のパワーPout を周波数毎に測定し、この測定値あるい測定値と目標値との差(利得誤差でもよい)を補正データとして補正データ記憶手段56に記憶しておき、この補正データを用いて目的信号SRFの出力レベルをより厳密に管理することができる。
例えば、図5に示しているように、レベル誤差補正手段57が、指定された目的信号SRFの周波数に対応する補正データ(レベル誤差、利得誤差)を用いて、第2のレベル可変手段30の利得を補正したり、周波数変換回路25に対する中間周波信号の入力レベルを補正すれば、出力端子31から出力される信号のレベルを目標値に正確に合わせることができる。
また、上記補正データを取得するために、図6に示すように、第2のレベル可変手段30から出力される信号のレベルを検波器等からなるレベル検出器35により検出する構成も可能である。
この構成の場合、第2のレベル可変手段30の出力信号をカプラ32で分岐し、その一方を出力端子31に入力し、他方をレベル検出器35に入力するので、第2のレベル可変手段30の出力信号のレベルに対して、出力端子31およびレベル検出器35に入力される信号レベルが低下するが、仮に、カプラ32の損失が無く、分岐比が1対1であれば、レベル検出器35で検出されるレベルは、出力端子31から出力される信号のレベルに等しくなる。
したがって、レベル誤差補正手段57′により、指定された目的信号の周波数毎に検出したレベル(パワー)を目標値に一致させるための利得誤差(検出値と目標値とのレベル差でもよい)を求め、この誤差により第2のレベル可変手段30の利得を補正したり、周波数変換回路25に対する中間周波信号SIFの入力レベルを補正すれば、出力端子31から出力される信号のレベルを目標値に正確に合わせることができる。なお、この誤差の情報を図示しない記憶手段に記憶しておき、定常時は、記憶されている誤差データを用いて、校正が必要なタイミングに、レベル検出器35で新たに各周波数毎の信号レベルを検出し、その検出レベルから新たな誤差情報を求めて記憶手段の記憶内容を更新することも可能である。
前記実施形態では、中間周波数に対して、目的信号SRFの周波数範囲が広い場合の例として、中間周波数5GHz、ローカル信号SLOCの周波数範囲22±4GHz、目的信号SRFの周波数範囲27±4GHzの例を説明したが、この周波数例では、目的信号SRFの周波数に対して、ローカル信号SLOCの周波数と2次のマルチプルレスポンス成分SIMの周波数が同時にフィルタの通過帯域に入るケースは発生しないので、一つのフィルタで対応できた。
しかし、目的信号SRFの周波数範囲がさらに広い場合には、目的信号SRFの周波数に対して、ローカル信号SLOCの周波数と2次のマルチプルレスポンス成分SIMの周波数が同時にフィルタの通過帯域に入るケースが発生するので、その場合は、目的信号SRFの周波数に対して、ローカル信号SLOCの周波数と2次のマルチプルレスポンス成分SIMの周波数が同時に現れないような複数の異なる通過帯域のフィルタを切り替えて用いればよく、従来のように、目的信号SRFのみを通過させる狭帯域のフィルタを用いる必要はない。
図7は、目的信号SRFの周波数に対して、ローカル信号SLOCの周波数と2次のマルチプルレスポンス成分SIMの周波数が同時にフィルタの通過帯域に入るケースの周波数関係を示している。
この例は、中間周波数5GHz、ローカル信号SLOCの周波数範囲22±6GHz、目的信号SRFの周波数範囲27±6GHzの場合であり、横軸を目的信号SRFの周波数、縦軸を不要信号成分の周波数としている。
目的信号SRFの周波数fRFの21〜33GHzまでの変化に対し、ローカル信号SLOCの周波数fLOCは16〜28GHzまで変化するが、16〜21GHz未満の範囲では、目的信号SRFの周波数範囲の下限より低いので考慮しなくてよい。また、2次のマルチプルレスポンス成分SIMの周波数fIMは、26〜38GHzまで変化するが、33GHzを超える範囲では、目的信号SRFの周波数範囲の上限より高いので考慮しなくてよい。
また、目的信号SRFの周波数が21〜28GHzの範囲で、2次のマルチプルレスポンス成分SIMの周波数が26〜33GHzの範囲に現れ、目的信号SRFの周波数が26〜33GHzの範囲では、ローカル信号SLOCの周波数が21〜28GHzの範囲に現れるので、前記同様に、フィルタの通過帯域を目的信号SRFの周波数範囲21〜33GHzに設定すると、2次のマルチプルレスポンス成分SIMとローカル信号SLOCのリーク成分の不要信号成分が、共通の目的周波数SRFに対して同時に現れてしまう。
これを防ぐために、例えば、図7に示しているように、目的信号SRFの周波数範囲全体を、21〜28GHzの通過帯域Band1と、28〜33GHzの通過帯域Band2に分ける。通過帯域Band1には、目的信号SRFの周波数が21〜23GHzの範囲のとき、26〜28GHzまでの2次のマルチプルレスポンス成分SIMのみが現れ、目的信号SRFの周波数が26〜28GHzの範囲のとき、21〜23GHzまでのローカル信号SLOCのリーク成分のみが現れ、目的信号SRFの周波数が23〜26GHzの範囲で、両方の不要信号成分は現れない(厳密には境界値を考慮する必要がある)。また、通過帯域Band2には、目的信号以外の不要信号成分は現れない。
したがって、図8に示すように、フィルタ回路28を、通過帯域Band1のフィルタ28a、通過帯域Band2のフィルタ28bおよびこれらを切り替えるスイッチ29a、29bで構成し、利得情報記憶手段54には、二つのフィルタ28a、28bの通過帯域に対する利得情報を設定しておき、指定された目的信号SRFの周波数に応じてフィルタの切替制御を行なうフィルタ切替手段58を設けておけば、2つのフィルタ28a、28bで広い周波数範囲をカバーできる。
上記実施形態では、目的信号SRFを中間周波信号とローカル信号SLOCの和の周波数成分として抽出する場合について説明したが、目的信号SRFを、中間周波信号SIFとローカル信号SLOCの差の周波数成分として抽出する場合についても本発明を同様に適用できる。
20……信号発生器、21……中間周波信号発生器、22……第1のレベル可変手段、25……周波数変換回路、26……ミキサ、27……ローカル信号発生器、28……フィルタ回路、28a、28b……フィルタ、29a、29b……スイッチ、30……第2のレベル可変手段、31……出力端子、32……カプラ、35……レベル検出器、50……制御部、51……目的信号周波数指定手段、52……ローカル信号周波数設定手段、53……利得設定手段、54……利得情報記憶手段、56……補正データ記憶手段、57、57′……レベル誤差補正手段、58……フィルタ切替手段、60……パワー計

Claims (6)

  1. 所定周波数の中間周波信号を生成出力する中間周波信号発生回路(21)と、
    所定範囲で周波数可変されるローカル信号を出力するローカル信号発生回路(27)、前記ローカル信号と前記中間周波信号とを混合するミキサ(26)、前記ミキサの出力から、前記中間周波信号と前記ローカル信号の和の周波数成分または差の周波数成分を目的信号として抽出するためのフィルタ回路(28)を含む周波数変換回路(25)と、
    前記周波数変換回路に入力する前記中間周波信号のレベルを可変するための第1のレベル可変手段(22)と、
    前記周波数変換回路から出力された信号を受けてそのレベルを可変して出力する第2のレベル可変手段(30)と、
    前記目的信号の所望の周波数を指定させる目的信号周波数指定手段(51)と、
    前記目的信号周波数指定手段で指定された目的信号の周波数に対応するローカル信号の周波数を、前記周波数変換回路に設定するローカル信号周波数設定手段(52)と、
    前記指定された目的信号の周波数に対応する前記ローカル信号の周波数と、前記中間周波信号と前記ローカル信号とで生じる低次のマルチプルレスポンス成分の周波数がともに前記フィルタ回路の通過帯域の外側にある場合には、前記第2のレベル可変手段から出力される信号のレベルが目標値となるために必要な前記第1のレベル可変手段の利得を第1の基準値、前記第2のレベル可変手段の利得を第2の基準値とし、前記ローカル信号の周波数が前記フィルタ回路の通過帯域の外側にあり、且つ、前記低次のマルチプルレスポンス成分の周波数が前記フィルタ回路の通過帯域の内側にある場合には、前記第1のレベル可変手段の利得を、前記第1の基準値より、前記ミキサの出力信号に含まれる前記目的信号のレベルに対して前記低次のマルチプルレスポンス成分の最大レベルを許容値以下にするために必要な第1の所定量分小さい値にするとともに、前記第2のレベル可変手段の利得を前記第2の基準値より前記第1の所定量だけ大きな値とし、前記ローカル信号の周波数が前記フィルタ回路の通過帯域の内側にあり、且つ、前記低次のマルチプルレスポンス成分の周波数が前記フィルタ回路の通過帯域の外側にある場合には、前記第1のレベル可変手段の利得を、前記第1の基準値より、前記ミキサの出力信号に含まれる前記目的信号のレベルに対して前記ローカル信号のリーク成分のレベルを前記許容値以下にするために必要な第2の所定量だけ大きな値にするとともに、前記第2のレベル可変手段の利得を前記第2の基準値より前記第2の所定量だけ少ない値とする利得設定手段(53)とを備えていることを特徴とする信号発生器。
  2. 前記利得設定手段は、予め目的信号の周波数毎に、前記第1のレベル可変手段および第2のレベル可変手段に設定するための利得値を記憶している利得情報記憶手段(54)から利得値を読み出して前記第1のレベル可変手段および第2のレベル可変手段に設定することを特徴とする請求項1記載の信号発生器。
  3. 前記目的信号の周波数毎に前記第2のレベル可変手段から出力される信号のレベルまたは該レベルと前記目標値との差のデータを補正データとして記憶している補正データ記憶手段(56)と、
    前記補正データ記憶手段に記憶されている補正データにより、前記周波数変換回路に入力される前記中間周波信号のレベルまたは前記第2のレベル可変手段から出力される信号のレベルを補正して、第2のレベル可変手段から出力される信号のレベルを前記目標値に一致させるレベル誤差補正手段(57)とを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の信号発生器。
  4. 前記第2のレベル可変手段から出力される信号のレベルを検出するためのレベル検出手段(35)と、
    前記レベル検出手段によって検出されるレベルが前記目標値に一致するように、前記周波数変換回路に入力される前記中間周波信号のレベルまたは前記第2のレベル可変手段から出力される信号のレベルを補正するレベル誤差補正手段(57′)が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の信号発生器。
  5. 前記周波数変換回路の前記フィルタ回路は、通過帯域が異なる複数のフィルタ(28a、28b)と、該複数のフィルタのうち、前記目的信号の周波数を通過させるフィルタを選択的に用いるスイッチ(29a、29b)とを有しており、
    前記利得設定手段は、前記複数のフィルタの各通過帯域毎に、前記第1のレベル可変手段および第2のレベル可変手段の利得を設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の信号発生器。
  6. 所定周波数の中間周波信号を生成出力する中間周波信号発生回路(21)と、
    所定範囲で周波数可変されるローカル信号を出力するローカル信号発生回路(27)、前記ローカル信号と前記中間周波信号とを混合するミキサ(26)、前記ミキサの出力から、前記中間周波信号と前記ローカル信号の和の周波数成分または差の周波数成分を目的信号として抽出するためのフィルタ回路(28)を含む周波数変換回路(25)と、
    前記周波数変換回路に入力する前記中間周波信号のレベルを可変するための第1のレベル可変手段(22)と、
    前記周波数変換回路から出力された信号を受けてそのレベルを可変して出力する第2のレベル可変手段(30)とを有する信号発生器の信号発生方法であって、
    前記目的信号の所望の周波数を指定する段階と、
    前記指定した目的信号の周波数に対応するローカル信号の周波数を、前記周波数変換回路に設定する段階と、
    前記指定した目的信号の周波数に対応する前記ローカル信号の周波数と、前記中間周波信号と前記ローカル信号とで生じる低次のマルチプルレスポンス成分の周波数がともに前記フィルタ回路の通過帯域の外側にある場合には、前記第2のレベル可変手段から出力される信号のレベルが目標値となるために必要な前記第1のレベル可変手段の利得を第1の基準値、前記第2のレベル可変手段の利得を第2の基準値と設定し、前記ローカル信号の周波数が前記フィルタ回路の通過帯域の外側にあり、且つ、前記低次のマルチプルレスポンス成分の周波数が前記フィルタ回路の通過帯域の内側にある場合には、前記第1のレベル可変手段の利得を、前記第1の基準値より、前記ミキサの出力信号に含まれる前記目的信号のレベルに対して前記低次のマルチプルレスポンス成分の最大レベルを許容値以下にするために必要な第1の所定量分小さい値にするとともに、前記第2のレベル可変手段の利得を前記第2の基準値より前記第1の所定量だけ大きな値に設定し、前記ローカル信号の周波数が前記フィルタ回路の通過帯域の内側にあり、且つ、前記低次のマルチプルレスポンス成分の周波数が前記フィルタ回路の通過帯域の外側にある場合には、前記第1のレベル可変手段の利得を、前記第1の基準値より、前記ミキサの出力信号に含まれる前記目的信号のレベルに対して前記ローカル信号のリーク成分のレベルを前記許容値以下にするために必要な第2の所定量だけ大きな値にするとともに、前記第2のレベル可変手段の利得を前記第2の基準値より前記第2の所定量だけ少ない値に設定する段階とを含むことを特徴とする信号発生器の信号発生方法。
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