JP2019079058A - 偏光板のセット - Google Patents

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【課題】高温環境下における液晶パネルの反りを低減させ、液晶表示装置の製造を容易にしながらも、常温環境下における液晶パネルの反りを低減させ、実使用時における不具合も低減すること。【解決手段】液晶セルの視認側に配置される視認側偏光板と、液晶セルの背面側に配置される背面側偏光板とからなる偏光板のセットであって、前記視認側偏光板は、第1の保護フィルムと第1の偏光子と第2の保護フィルムとをこの順に備え、前記背面側偏光板は、第3の保護フィルムと第2の偏光子と輝度向上フィルムとをこの順に備え、前記視認側偏光板の厚みから前記背面側偏光板の厚みを引いた差が13μm以下であり、前記第1の偏光子の厚みから前記第2の偏光子の厚みを引いた差が0μmを超え5μm以下である偏光板のセット。【選択図】図1

Description

本発明は、偏光板のセットに関するものである。
液晶表示装置は、消費電力が低く、低電圧で動作し、軽量で薄型である等の特徴を生かして、各種の表示用デバイスに用いられている。液晶表示装置を構成する液晶パネルは、一対の偏光板が液晶セルの両面に積層された構成を有する。
特にモバイル用途の液晶パネルにおいて、画面の輝度を向上させつつ、消費電力を抑えるために、液晶セルの背面側に配置される偏光板は輝度向上フィルムを備えることがある。輝度向上フィルムは、液晶表示装置のバックライト光やその反射光が入射したとき、所定偏光軸の直線偏光又は所定方向の円偏光を反射し、他の光を透過させる性質を有するフィルムである。
しかしながら、背面側偏光板が輝度向上フィルムを備える場合、液晶セルの上下で配置される偏光板の部材が異なることに起因して、常温環境下であっても液晶パネルが反ってしまい、液晶パネルへバックライトユニットやカバーガラスを貼合する際に不具合が生じるという問題がある。昨今、液晶セルを構成するガラス基板の厚みが薄くなっていることもこの問題に拍車をかけている。
例えば、特許文献1には、視認側に配置される偏光板と、背面側に配置される偏光板とで、それぞれの偏光子に貼合されるトリアセチルセルロースフィルムの厚みを異ならせることにより、常温環境下における液晶パネルの反りを小さくする方法が開示されている。
しかしながら、なお常温環境下における反りの低減には改善の余地が大きい。さらに、上記特許文献1は、実使用時を念頭においた高温環境下における反りについては検討されておらず、特許文献1に記載の偏光板は、過酷な環境下においては反りが大きいという問題を抱えている。
特開2002−207211号公報
本発明は、常温環境下における液晶パネルの反りを低減させ、液晶表示装置の製造を容易にしながらも、高温環境下における液晶パネルの反りを低減させ、実使用時における不具合も低減することを目的とする。
[1] 液晶セルの視認側に配置される視認側偏光板と、液晶セルの背面側に配置される背面側偏光板とからなる偏光板のセットであって、
前記視認側偏光板は、第1の保護フィルムと第1の偏光子と第2の保護フィルムとをこの順に備え、
前記背面側偏光板は、第3の保護フィルムと第2の偏光子と輝度向上フィルムとをこの順に備え、
前記視認側偏光板の厚みから前記背面側偏光板の厚みを引いた差が13μm以下であり、
前記第1の偏光子の厚みから前記第2の偏光子の厚みを引いた差が0μmを超え5μm以下である偏光板のセット。
[2] 前記第1の偏光子の厚みが7μm以上15μm以下であり、
前記第2の偏光子の厚みが4μm以上12μm以下である[1]に記載の偏光板のセット。
[3] 前記視認側偏光板の厚み及び前記背面側偏光板の厚みが、いずれも100μm以下である[1]又は[2]に記載の偏光板のセット。
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板のセットを有する液晶パネル。
本発明の偏光板のセットによれば、常温環境下における液晶パネルの反りを低減させながらも、高温環境下における液晶パネルの反りを低減することができる。
本発明の偏光板のセットの一例を示す断面図である。 本発明の偏光板のセットを構成する視認側偏光板の一例を示す断面図である。 本発明の偏光板のセットを構成する背面側偏光板の一例を示す断面図である。 本発明の液晶パネルの一例を示す断面図である。 ガラスサンプルの反り量を測定した位置を示す平面図である。
適宜図を参照しながら、本発明の偏光板のセット及び液晶パネルについて説明する。本発明の偏光板のセットは、液晶セルの視認側に配置される視認側偏光板と液晶セルの背面側に配置される背面側偏光板とを有する。
一実施形態において、本発明の偏光板は図1に示す部材を有する。図1に示す偏光板のセットは、視認側偏光板1と背面側偏光板2とを有する。視認側偏光板1は、第1の保護フィルム20、第1の偏光子10、第2の保護フィルム21、及び第1の粘着剤層40をこの順に備える。背面側偏光板2は、輝度向上フィルム30、第3の粘着剤層42、第2の偏光子11、第3の保護フィルム22、及び第2の粘着剤層41をこの順に備える。第1の粘着剤層40及び第2の粘着剤層41は、液晶セルに各偏光板を貼合するための粘着剤層であることができ、最終的に液晶表示装置に組み込まれることになるから、本発明において、当該粘着剤層の厚みは偏光板の厚みに算入することとする。
また、図2及び図3に示すように、本発明の偏光板のセットを液晶セルに貼合するまでの間、第1の粘着剤層40及び第2の粘着剤層41上には、セパレータ50及びセパレータ51をそれぞれ仮着貼合しておくことが好ましく、第1の保護フィルム20及び輝度向上フィルム30上には、プロテクトフィルム60及びプロテクトフィルム61をそれぞれ仮着貼合しておくことが好ましい。セパレータ50、51及びプロテクトフィルム60、61は、液晶表示装置の製造過程において、剥離されることになるので、最終的に液晶表示装置に組み込まれることはない。したがって、本発明においてこれらセパレータ及びプロテクトフィルムの厚みは偏光板の厚みに算入しないこととする。具体的に本発明の偏光板のセットを構成する各偏光板の厚みとは、視認側偏光板について、例えば図2に示す矢印100が視認側偏光板の厚みであり、背面側偏光板について、例えば図3に示す矢印200が背面側偏光板の厚みである。
なお、図1において、偏光子と保護フィルムとを貼合するための接着剤層又は粘着剤層は省略している。すなわち、例えば第1の保護フィルム20と第1の偏光子との間には、不図示の接着剤層または粘着剤層が存在する。視認側偏光板及び背面側偏光板は、図1に図示した以外の任意の層を備えてもよい。
本発明の偏光板のセットにおいて、視認側偏光板の厚みから背面側偏光板の厚みを引いた差は13μm以下であり、好ましくは−2〜13μmであり、より好ましくは−2〜10μmであり、さらに好ましくは1〜10μmである。さらに、本発明の偏光板のセットにおいて、視認側の偏光板が有する第1の偏光子の厚みから背面側偏光板が有する第2の偏光子の厚みを引いた差は、0μmを超え10μm以下であり、好ましくは0μmを越え7μmであり、より好ましくは0μmを超え5μm以下であり、1μm以上であってもよい。第1の偏光子の厚みは、第2の偏光子の厚みよりも大きいことが好ましい。
このように偏光板及び偏光子に厚み差を有することにより、高温環境下における液晶パネルの反りを低減させつつ、常温環境下における液晶パネルの反りを抑制することができる。その理由は定かではないが、後述のように偏光子の厚みに差をもうけたことと相まって、常温環境下における偏光板を構成する各部材の水分の出入りを揃えることができるものと考えられる。また、高温環境下においては、輝度向上フィルムが延伸フィルムである場合、高温環境下において背面側偏光板の収縮力と、視認側偏光板の収縮力とを同程度とすることができ、液晶パネルの反りを小さくすることができるものと考えられる。
本発明の偏光板のセットにおいて、視認側視認側偏光板の水分率と背面側偏光板の水分率は5%以下であることが好ましく、3%以下であってもよい。本明細書において偏光板の水分率は、乾燥減量法により測定をした値である。具体的には、温度23℃湿度55%の環境下に3日放置したときの重量(乾燥前の重量)を測定し、次いで105℃の環境下に1時間静置したときの重量(乾燥後の重量)を測定し、次式に基づいて算出をした値である。視認側偏光板の水分率は、背面側偏光板の水分率よりも大きいことが好ましく、0.2%以上大きくてもよい。

水分率 = 100×[(乾燥前の重量)−(乾燥後の重量)]/乾燥前の重量
また視認側偏光板の厚みと背面側偏光板の厚みとの和は、200μm以下であることが好ましく、170μm以下であることがより好ましい。下限は限定されないが通常100μm以上である。上記範囲とすることにより、偏光板に出入りする水分の制御が容易である。
本発明の偏光板のセットを構成する各部材について説明をする。以下、第1の偏光子と第2の偏光子とを総称して偏光子ということがあり、第1の保護フィルムと第2の保護フィルムと第3の保護フィルムとを総称して保護フィルムということがあり、第1の粘着剤層と第2の粘着剤層と第3の粘着剤層とを総称して粘着剤層ということがあり、セパレータ及びプロテクトフィルムを総称して表面保護フィルムということがある。
(偏光子)
本発明に用いられる偏光子は、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、およびホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造されるものである。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他に、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、およびアンモニウム基を有するアクリルアミド類等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常、85〜100mol%程度であり、98mol%以上が好ましい。このポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタール等も用いることができる。またポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常、1,000〜10,000程度であり、1,500〜5,000程度が好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光子の原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、公知の方法で製膜することができる。ポリビニルアルコール系原反フィルムの膜厚は、得られる偏光子の厚みを15μm以下とすることを考慮すると、5〜35μm程度であるのが好ましく、5〜20μmであるのがより好ましい。原反フィルムの膜厚が35μm以上であると、偏光子を製造する際の延伸倍率を高くする必要があり、また得られる偏光子の寸法収縮が大きくなる傾向にある。
一方、原反フィルムの膜厚が5μm以下であると、延伸を施す際のハンドリング性が低下し、製造中に切断などの不具合が発生しやすくなる傾向にある。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素の染色前、染色と同時、または染色の後に行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合には、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前またはホウ酸処理中に行ってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行ってもよい。
一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また、一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤を用い、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常、3〜8倍程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色する方法としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素が含有された水溶液に浸漬する方法が採用される。二色性色素として、具体的には、ヨウ素や二色性染料が用いられる。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は、通常、ヨウ素およびヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、通常、水100重量部あたり0.01〜1重量部程度である。また、ヨウ化カリウムの含有量は、通常、水100重量部あたり0.5〜20重量部程度である。染色に用いる水溶液の温度は、通常、20〜40℃程度である。
また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常、20〜1,800秒程度である。
一方、二色性色素として二色性染料を用いる場合は、通常、水溶性二色性染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液における二色性染料の含有量は、通常、水100重量部あたり1×10-4〜10重量部程度であり、1×10-3〜1重量部程度が好ましい。この水溶液は、硫酸ナトリウム等の無機塩を染色助剤として含有していてもよい。染色に用いる二色性染料水溶液の温度は、通常、20〜80℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常、10〜1,800秒程度である。
二色性色素による染色後のホウ酸処理は、通常、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬することにより行うことができる。
ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の量は、通常、水100重量部あたり、2〜15重量部程度であり、5〜12重量部が好ましい。二色性色素としてヨウ素を用いる場合には、このホウ酸含有水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、通常、水100重量部あたり、0.1〜15重量部程度であり、5〜12重量部程度が好ましい。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は、通常、60〜1,200秒程度であり、150〜600秒程度が好ましく、200〜400秒程度がより好ましい。ホウ酸含有水溶液の温度は、通常、50℃以上であり、50〜85℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することにより行うことができる。水洗処理における水の温度は、通常、5〜40℃程度である。また、浸漬時間は、通常、1〜120秒程度である。
水洗後は乾燥処理が施されて、偏光子が得られる。乾燥処理は、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行うことができる。乾燥処理の温度は、通常、30〜100℃程度であり、50〜80℃が好ましい。乾燥処理の時間は、通常、60〜600秒程度であり、120〜600秒が好ましい。
乾燥処理によって、偏光子の水分率は実用程度にまで低減される。その水分率は、通常、5〜20重量%であり、8〜15重量%が好ましい。水分率が5重量%を下回ると、偏光子の可撓性が失われ、偏光子がその乾燥後に損傷したり、破断したりする場合がある。
また、水分率が20重量%を上回ると、偏光子の熱安定性に劣る場合がある。
また、偏光子の製造工程におけるポリビニルアルコール系樹脂フィルムの延伸、染色、ホウ酸処理、水洗工程、乾燥工程は、例えば、特開2012−159778号に記載されている方法に準じて行ってもよい。この文献記載の方法では、基材フィルムへのポリビニルアルコール系樹脂のコーティングにより、偏光子となるポリビニルアルコール系樹脂層を形成する。
偏光子自体の収縮力を低くすることも有効であり、第1の偏光子の厚みは、15μm以下であることが好ましく、7〜15μmであることがより好ましく、10〜13μmであることがさらに好ましい。同様に、第2の偏光子の厚みは、15μm以下であることが好ましく、4〜12μmであることがより好ましく、5〜10μmであることがさらに好ましい。
(保護フィルム)
保護フィルムは、樹脂フィルムから構成され、さらに透明な樹脂フィルムで構成することができる。特に、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性などに優れる材料で構成することが好ましい。本明細書において、透明な樹脂フィルムとは可視光域において単体透過率が80%以上である樹脂フィルムのことをいう。
保護フィルムを形成する樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、メタクリル酸メチル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系樹脂、アクリロニトリル・スチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリブチレンテフタレート系樹脂、ポリエチレンテフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、およびポリイミド系樹脂等からなるフィルムが挙げられる。
これらの樹脂フィルムは、原料樹脂によって製膜されるフィルムや、製膜後に横延伸して得られる一軸延伸フィルム、製膜後に縦延伸し、次いで横延伸して得られる二軸延伸フィルムなどであることができる。
これらの樹脂は、単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの樹脂は、任意の適切なポリマー変性を行ってから用いることもでき、このポリマー変性としては、例えば、共重合、架橋、分子末端変性、立体規則性制御、および異種ポリマー同士の反応を伴う場合を含む混合等の変性が挙げられる。
これらの中でも、保護フィルムの材料としては、メタクリル酸メチル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、またはセルロース系樹脂を用いることが好ましい。ここでいうポリオレフィン系樹脂は、鎖状ポリオレフィン系樹脂及び環状ポリオレフィン系樹脂を包含する。
メタクリル酸メチル系樹脂とは、メタクリル酸メチル単位を50重量%以上含む重合体である。メタクリル酸メチル単位の含有量は、好ましくは70重量%以上であり、100重量%であってもよい。メタクリル酸メチル単位が100重量%の重合体は、メタクリル酸メチルを単独で重合させて得られるメタクリル酸メチル単独重合体である。
このメタクリル酸メチル系樹脂は、通常、メタクリル酸メチルを主成分とする単官能単量体を、ラジカル重合開始剤の存在下に重合して得ることができる。重合にあたっては、必要に応じて多官能単量体や連鎖移動剤を共存させることもできる。
メタクリル酸メチルと共重合し得る単官能単量体としては、特に限定されるものではないが、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、およびメタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル類; アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、およびアクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル類; 2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、3−(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、および2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸ブチル等のヒドロキシアルキルアクリル酸エステル類; メタクリル酸およびアクリル酸等の不飽和酸類; クロロスチレンおよびブロモスチレン等のハロゲン化スチレン類; ビニルトルエンおよびα−メチルスチレン等の置換スチレン類; アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類; 無水マレイン酸および無水シトラコン酸等の不飽和酸無水物類; ならびにフェニルマレイミドおよびシクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類等を挙げることができる。このような単量体は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
メタクリル酸メチルと共重合し得る多官能単量体としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、およびテトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のエチレングリコールまたはそのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの; プロピレングリコールまたはそのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの; ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、およびブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の2価アルコールの水酸基をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの; ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、またはこれらのハロゲン置換体の両末端水酸基をアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの; トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトール等の多価アルコールをアクリル酸またはメタクリル酸でエステル化したもの、ならびにこれら多価アルコールの末端水酸基にグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのエポキシ基を開環付加させたもの; コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、フタル酸、これらのハロゲン置換体等の二塩基酸、およびこれらのアルキレンオキサイド付加物等にグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのエポキシ基を開環付加させたもの; アリル(メタ)アクリレート; およびジビニルベンゼン等の芳香族ジビニル化合物等が挙げられる。中でも、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、およびネオペンチルグリコールジメタクリレートが好ましく用いられる。
メタクリル酸メチル系樹脂は、さらに、樹脂に共重合させた官能基間の反応を行い変性されたものも用いられる。その反応としては、例えば、アクリル酸メチルのメチルエステル基と2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの水酸基の高分子鎖内脱メタノール縮合反応、またはアクリル酸のカルボキシル基と2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの水酸基の高分子鎖内脱水縮合反応等が挙げられる。
ポリエチレンテレフタレート系樹脂とは、繰り返し単位の80mol%以上がエチレンテレフタレートで構成される樹脂を意味し、他のジカルボン酸成分とジオール成分を含んでいてもよい。他のジカルボン酸成分としては、特に限定されるものでないが、例えば、イソフタル酸、4,4’−ジカルボキシジフェニル、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エタン、アジピン酸、セバシン酸、および1,4−ジカルボキシシクロヘキサン等が挙げられる。
他のジオール成分としては、特に限定されるものではないが、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
これらのジカルボン酸成分やジオール成分は、必要により2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸を併用することもできる。また、他の共重合成分として、少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、またはカーボネート結合等を含有するジカルボン酸成分、またはジオール成分が用いられてもよい。
ポリエチレンテレフタレート系樹脂の製造方法としては、テレフタル酸およびエチレングリコール(ならびに必要に応じて他のジカルボン酸または他のジオール)を直接重縮合させる方法、テレフタル酸のジアルキルエステルおよびエチレングリコール(ならびに必要に応じて他のジカルボン酸のジアルキルエステルまたは他のジオール)とをエステル交換反応させた後重縮合させる方法、およびテレフタル酸(および必要に応じて他のジカルボン酸)のエチレングリコールエステル(および必要に応じて他のジオールエステル)を触媒の存在下で重縮合させる方法等が採用される。さらに、必要に応じて固相重合を行い、分子量を向上させたり、低分子量成分を低減させたりすることもできる。
環状ポリオレフィン系樹脂は、例えば、ノルボルネン及び他のシクロペンタジエン誘導体のような環状オレフィンモノマーを、触媒の存在下に重合して得られるものである。このような環状ポリオレフィン系樹脂を用いることは、後述する所定のレターデーション値を有する保護フィルムが得られやすいので好ましい。
環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、シクロペンタジエンとオレフィン類又は(メタ)アクリル酸若しくはそのエステル類とから、ディールス・アルダー反応によって得られるノルボルネン又はその誘導体をモノマーとして開環メタセシス重合を行い、それに続く水添によって得られる樹脂;ジシクロペンタジエンとオレフィン類又は(メタ)アクリル酸若しくはそのエステル類とからディールス・アルダー反応によって得られるテトラシクロドデセン又はその誘導体をモノマーとして開環メタセシス重合を行い、それに続く水添によって得られる樹脂;ノルボルネン、テトラシクロドデセン、それらの誘導体、及びその他の環状オレフィンモノマーから選ばれる少なくとも2種のモノマーを同様に開環メタセシス共重合し、それに続く水添によって得られる樹脂;ノルボルネン、テトラシクロドデセン、又はそれらの誘導体のような環状オレフィンに、鎖状オレフィン及び/又はビニル基を有する芳香族化合物を付加共重合させて得られる樹脂などが挙げられる。
鎖状ポリオレフィン系樹脂の典型的な例は、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂である。なかでも、プロピレンの単独重合体、又はプロピレンを主体とし、それに共重合可能なコモノマー、例えばエチレンを、1〜20重量%、好ましくは3〜10重量%の割合で共重合させた共重合体が好適に用いられる。
ポリプロピレン系樹脂は、脂環族飽和炭化水素樹脂を含有してもよい。脂環族飽和炭化水素樹脂を含有させることにより、レターデーション値が制御しやすくなる。脂環族飽和炭化水素樹脂の含有量は、ポリプロピレン系樹脂に対して0.1〜30重量%とするのが有利であり、より好ましい含有量は、3〜20重量%である。脂環族飽和炭化水素樹脂の含有量が0.1重量%未満であると、レターデーション値を制御する効果が十分に得られず、一方でその含有量が30重量%を超えると、第2の保護フィルムから経時的に脂環族飽和炭化水素樹脂のブリードアウトを生じる懸念がある。
セルロース系樹脂とは、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)等の原料セルロースから得られるセルロースの水酸基における水素原子の一部または全部がアセチル基、プロピオニル基および/またはブチリル基で置換された、セルロース有機酸エステルまたはセルロース混合有機酸エステルをいう。例えば、セルロースの酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、およびそれらの混合エステル等からなるものが挙げられる。中でも、トリアセチルセルロースフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、およびセルロースアセテートブチレートフィルム等が好ましい。
メタクリル酸メチル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、およびセルロース系樹脂を、偏光子に接着するための第2の保護フィルムとする方法は、それぞれの樹脂に応じた方法を適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。
例えば、溶媒に溶解させた樹脂を金属製バンド、またはドラムへ流延し、溶媒を乾燥除去してフィルムを得る溶媒キャスト法、および樹脂をその溶融温度以上に加熱・混練してダイより押し出し、冷却することによりフィルムを得る溶融押出法が採用される。この溶融押出法では、単層フィルムの押し出しであってもよく、また多層フィルムの同時押し出しであってもよい。
保護フィルムとして用いられるフィルムは、市販品を容易に入手することが可能であり、メタクリル酸メチル系樹脂フィルムなら、それぞれ商品名で、スミペックス(住友化学株式会社製)、アクリライト(登録商標)、アクリプレン(登録商標)(以上、三菱レイヨン株式会社製)、デラグラス(登録商標)(旭化成株式会社製)、パラグラス(登録商標)、コモグラス(登録商標)(以上、株式会社クラレ製)、およびアクリビュア(登録商標)(株式会社日本触媒製)等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂フィルムなら、それぞれ商品名で、ゼオノア(登録商標)(日本ゼオン株式会社)、アートン(登録商標)(JSR株式会社)等が挙げられる。ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムなら、それぞれ商品名で、ノバクリアー(登録商標)(三菱化学株式会社製)および帝人A−PETシート(帝人化成株式会社製)等が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂フィルムなら、それぞれ商品名で、FILMAX CPPフィルム(FILMAX社製)、サントックス(登録商標)(サン・トックス株式会社製)、トーセロ(登録商標)(東セロ株式会社製)、東洋紡パイレンフィルム(登録商標)(東洋紡績株式会社製)、トレファン(登録商標)(東レフィルム加工株式会社製)、ニホンポリエース(日本ポリエース株式会社製)、および太閤(登録商標)FC(フタムラ化学株式会社製)等を挙げられる。また、セルロース系樹脂フィルムなら、それぞれ商品名で、フジタック(登録商標)TD(富士フイルム株式会社製)、並びにKC2UAおよびコニカミノルタTACフィルムKC(コニカミノルタ株式会社製)等が挙げられる。
本発明に用いられる保護フィルムおよび保護フィルムは、防眩性(ヘイズ)が付与されることができる。防眩性を付与する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、前記の原料樹脂中に無機微粒子もしくは有機微粒子を混合してフィルム化する方法、前記の多層押し出しを用いて、一方に微粒子が混合された樹脂ともう一方に微粒子が混合されていない樹脂とから二層フィルム化する方法、または粒子が混合された樹脂を外側にして三層フィルム化する方法、およびフィルムの片側に無機微粒子もしくは有機微粒子を硬化性バインダー樹脂に混合してなる塗布液をコートし、バインダー樹脂を硬化して防眩層を設ける方法等が採用される。
また、保護フィルムは、必要に応じて添加剤を含有することもできる。添加剤としては、例えば、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤などを挙げることができる。
保護フィルムの厚みは、通常、強度や取り扱い性等の観点から1〜50μm程度であり、10〜40μmが好ましい。
保護フィルムは、偏光子との貼合に先立って、ケン化処理、コロナ処理、又はプラズマ処理等を施しておくことが好ましい。
第1の保護フィルムには、さらに、導電層、ハードコート層、および低反射層等の機能層を設けることができる。また、前記防眩層を構成するバインダー樹脂に、これらの機能を有する樹脂組成物を選択することもできる。
(輝度向上フィルム)
背面側偏光板は、第2の偏光子における液晶セルから遠い側に輝度向上フィルムが配置される。輝度向上フィルムの厚みは35μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。
輝度向上フィルムとしては、光源(バックライト)からの出射光を透過偏光と反射偏光または散乱偏光に分離するような機能を有する偏光変換素子が用いられる。かかる輝度向上フィルムは、反射偏光または散乱偏光のバックライトからの再帰光を利用して、直線偏光の出射効率を向上できる。
輝度向上フィルムとしては、例えば、異方性反射偏光子が挙げられる。異方性反射偏光子としては、一方の振動方向の直線偏光を透過し、他方の振動方向の直線偏光を反射する異方性多重薄膜があげられる。異方性多重薄膜としては、例えば、3M社製の商品名”APF”、“DBEF”が挙げられる。また異方性反射偏光子としては、コレステリック液晶層とλ/4板との複合体があげられる。かかる複合体としては、日東電工株式会社製の商品名“PCF”があげられる。また異方性反射偏光子としては、反射グリッド偏光子があげられる。反射グリッド偏光子としては、金属に微細加工を施し可視光領域でも反射偏光を出すような金属格子反射偏光子が挙げられる。中でも異方性多重薄膜からなる輝度向上フィルムが好ましい。
輝度向上フィルムの偏光板との貼合面とは反対側の面には、機能性層を形成してもよい。機能性層としては、例えば、ハードコート層、防眩層、光拡散層、1/4波長の位相差値を持つ位相差層などを挙げることができ、これによりバックライトテープとの密着性向上や表示画像の均一性を向上させることができる。
(表面保護フィルム)
セパレータは、視認側偏光板及び背面側偏光板を液晶セルに貼合するまでの間、その表面を保護するために仮着貼合されるフィルムである。セパレータは通常、片面に離型処理が施された熱可塑性樹脂フィルムで構成され、その離型処理面が第1の粘着剤層又は第2の粘着剤層に貼り合わされる。セパレータを構成する熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエチレンのようなポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンのようなポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル系樹脂等であることができる。輝度向上フィルム上に予め設けた第3の粘着剤層を設けた場合、第3の粘着剤層の表面にも、第2の偏光子を貼合するまでの間、その表面を仮着保護するために、上と同様のセパレータを貼着しておくことができる。セパレータの厚みは、例えば10〜50μmである。
プロテクトフィルムは、樹脂フィルムと、その上に積層される粘着剤層とで構成される。プロテクトフィルムは、視認側偏光板及び背面側偏光板の表面を保護するためのフィルムであり、例えば第1の保護フィルムや輝度向上フィルム上に仮着貼合することができる。通常、例えば液晶セルにプロテクトフィルム付きの偏光板が貼合された後に、プロテクトフィルムが有する粘着剤層ごと剥離除去される。このためプロテクトフィルムが有する粘着剤層は、本明細書において偏光板の厚みへ算入しない。
樹脂フィルムを構成する樹脂は、例えば、ポリエチレンのようなポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンのようなポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の熱可塑性樹脂であることができる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂である。樹脂フィルムは、単層構造であってもよいし多層構造であってもよいが、製造容易性及び製造コスト等の観点から、好ましくは単層構造である。プロテクトフィルムが有する粘着剤層については、後述の第1の粘着剤層や第2の粘着剤層についての記述が引用される。
(第1の粘着剤層、第2の粘着剤層)
偏光板の表面には、粘着剤層を積層させることができる。当該粘着剤層を介して偏光板を液晶セルに貼合することができる。図1においては、第1の粘着剤層40及び第2の粘着剤層41がこれに相当する。粘着剤から形成される粘着剤層の厚みは、5〜25μmとすることが好ましい。さらに好ましくは、10〜25μmである。
第1の粘着剤層及び第2の粘着剤層を形成する粘着剤としては、例えば、アクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系、フッ素系、天然ゴム、合成ゴム等のゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。粘着剤としては、特に、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示し、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましい。
粘着剤にはこの他、各種の添加剤が配合されていてもよい。添加剤として、シランカップリング剤や帯電防止剤が挙げられる。
第1の粘着剤層及び第2の粘着剤層は、その貯蔵弾性率が23〜80℃において0.01〜0.1MPaであることが好ましく、0.02〜0.06MPaであることがより好ましい。「23〜80℃において0.01〜0.1MPaの貯蔵弾性率を示す」とは、この範囲のいずれの温度においても、貯蔵弾性率が上記範囲の値をとることを意味する。貯蔵弾性率は通常、温度上昇に伴って漸減するので、23℃及び80℃における貯蔵弾性率がいずれも上記範囲に入っていれば、この範囲の温度において、粘着剤層が上記範囲の貯蔵弾性率を示すとみることができる。粘着剤層の貯蔵弾性率は、市販の粘弾性測定装置、例えば、REOMETRIC社製の粘弾性測定装置“DYNAMIC ANALYZER RDA II”により測定することができる。
(偏光板の製造方法)
本発明の偏光板を構成する視認側偏光板及び背面側偏光板の製造方法について説明をする。上記説明をした部材は、例えば接着剤層又は粘着剤層を介して積層させることにより互いに貼合することができる。
(偏光子と保護フィルムとの積層)
保護フィルムと偏光子との積層は、例えば、接着剤を用いて一体化させる方法により行うことが好ましい。接着剤から形成される接着層の厚みは0.01〜35μmが好ましく、0.01〜10μmがより好ましい、さらに好ましくは0.01〜5μmである。この範囲であれば、保護フィルムと偏光子との間に浮きや剥がれが生じず、実用上問題のない接着力が得られる。
接着剤としては、例えば、溶剤型接着剤、エマルジョン型接着剤、感圧性接着剤、再湿性接着剤、重縮合型接着剤、無溶剤型接着剤、フィルム状接着剤、およびホットメルト型接着剤等がある。また、必要に応じてアンカーコート層を介して接着層を設けることもできる。
好ましい接着剤としては、水溶性接着剤が挙げられる。この水溶性接着剤は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とするものがある。水溶性接着剤は市販のものを用いてもよいし、市販の接着剤に溶剤や添加剤を混合したものを用いてもよい。水溶性接着剤となりうる市販のポリビニルアルコール系樹脂としては、例えば、株式会社クラレ製のKL−318等がある。
水溶性接着剤は架橋剤を含有することができる。架橋剤の種類としては、アミン化合物、アルデヒド化合物、メチロール化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、および多価金属塩等が好ましく、特にエポキシ化合物が好ましい。架橋剤の市販品としては、例えば、グリオキザールや、田岡化学工業株式会社製のスミレーズレジン650(30)等がある。
また、もう1つの好ましい接着剤としては、活性エネルギー線の照射により硬化する樹脂組成物からなる活性エネルギー線硬化型接着剤が挙げられる。活性エネルギー線硬化型接着剤層としては、重合性化合物および光重合開始剤を含むもの、光反応性樹脂を含むもの、バインダー樹脂および光反応性架橋剤を含むもの等を挙げることができる。重合性化合物としては、光硬化性エポキシ系モノマー、光硬化性アクリル系モノマー、光硬化性ウレタン系モノマーのような光重合性モノマーや、光重合性モノマーに由来するオリゴマーを挙げることができる。光重合開始剤としては、紫外線のような活性エネルギー線の照射によりラジカル、カチオン、又はアニオンのような活性種を発生する物質を含むものを挙げることができる。重合性化合物および光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化性接着剤として、光硬化性エポキシ系モノマーおよび光カチオン重合開始剤を含むものを好ましく用いることができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合は、偏光子と保護フィルムとを貼合した後、必要に応じて乾燥工程を行い、次いで活性エネルギー線を照射することによって活性エネルギー線硬化性接着剤を硬化させる硬化工程を行う。活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する紫外線が好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。
上記接着剤は、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、増感剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。
(偏光子と輝度向上フィルムとの積層)
偏光子と輝度向上フィルムとの貼合には粘着剤層を使用することが好ましい。図1においては、第3の粘着剤層がこれに相当する。粘着剤から形成される粘着剤層の厚みは、3〜20μmとすることが好ましい。さらに好ましくは、3〜10μmである。
偏光子と輝度向上フィルムとを貼り合わせる粘着剤層としては、例えば、アクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系、フッ素系、天然ゴム、合成ゴム等のゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。粘着剤としては、特に、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示し、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましい。
粘着剤にはこの他、各種の添加剤が配合されていてもよい。添加剤として、シランカップリング剤や帯電防止剤が挙げられる。
第3の粘着剤層は、その貯蔵弾性率が23〜80℃において0.10〜1.0MPaであることが好ましく、0.15〜0.8MPaであることがより好ましい。23〜80℃における貯蔵弾性率が0.10〜1.0MPaであると、湿熱環境下の偏光子の収縮力を緩和して、より効果的に液晶パネルの反りを低減させることができる。第3の粘着剤層の貯蔵弾性率を0.10〜1.0MPaとする方法としては、通常の粘着剤組成物に、ウレタンアクリレート系オリゴマーを配合することが有効である。好ましくは、このようなウレタンアクリレート系オリゴマーを配合したうえで、エネルギー線を照射して硬化させたものが、高い貯蔵弾性率を示すようになる。
本発明の偏光板の形状は、特に限定されないが矩形であってもよい。ロール・トゥ・ロール方式で偏光板を製造した場合は、所定形状に裁断することができる。本発明の偏光板は、対角15インチ以下の矩形形状であってもよく、対角3インチ以上矩形形状であってもよいし、対角7インチ以上の矩形形状であってもよい。
(液晶パネルの製造方法)
本発明の偏光板のセットを液晶セルの両面にそれぞれ貼合することにより、液晶パネルを得ることができる。貼合は、視認側偏光板の第1の粘着剤層を介して、背面側偏光板の第2の粘着剤層を介してそれぞれ行うことが好ましい。本発明の液晶パネルは、液晶表示装置に好適に適用することができる。視認側偏光板は、その吸収軸が液晶セルの短辺方向と略平行となるように貼合することが好ましく、背面側偏光板は、その吸収軸が液晶セルの長辺方向と略平行となるように貼合することが好ましい。本明細書において、略平行とは、例えばなす角度が0±5°であることを表し、好ましくは0±1°であることを表す。
視認側偏光板及び背面側偏光板への水分の出入りが制御でき、本発明の効果をより高められることから、液晶パネルの製造は例えば温度18〜28℃、相対湿度40〜70%の環境下で行うことが好ましい。
液晶セルは、2枚のセル基板と、それら基板間に挟持された液晶層とを有する。セル基板は、一般にガラスで構成されることが多いが、プラスチック基板であってもよい。その他、本発明の液晶パネルに用いる液晶セル自体は、この分野で採用されている各種のもので構成することができる。本発明の偏光板のセットによれば、当該液晶セルの厚みが0.4mm以下であっても、顕著に反りを低減することができる。本発明において、液晶セルの厚みは液晶層と、液晶層を挟持する一対の基板の厚みを含むものである。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって規定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%および部は、特記ないかぎり重量基準である。なお、実施例で用いた評価方法は、以下のとおりである。
(1) 厚み:
株式会社ニコン製のデジタルマイクロメーターMH−15Mを用いて測定した。
(2) 面内レターデーションReおよび厚み方向レターデーションRth:
平行ニコル回転法を原理とする位相差計、王子計測機器株式会社製のKOBRA−WPRを用いて、23℃における波長590nmの光で測定した。
(3) 貯蔵弾性率:
粘着剤の貯蔵弾性率(G’)は、測定対象の粘着剤からなる直径8mm×厚み1mmの円柱状の試験片を作製し、動的粘弾性測定装置(Dynamic Analyzer RDA II:REOMETRIC株式会社製)を用いて、周波数1Hzの捻りせん断法で初期歪み1Nとし、温度23℃または温度80℃の条件で測定を行なった。
以下のように各部材を準備した。
(偏光子A)
厚み30μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を、乾式延伸により約5倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.05/5/100の水溶液に28℃で60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が8.5/8.5/100の水溶液に72℃で300秒間浸漬した。引き続き26℃の純水で20秒間洗浄した後、65℃で乾燥し、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚み12μmの偏光子を得た。
(偏光子B)
厚さ20μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2,400、ケン化度99.9モル%以上)を、乾式延伸により約5倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.05/5/100の水溶液に28℃で60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が8.5/8.5/100の水溶液に72℃で300秒間浸漬した。引き続き26℃の純水で20秒間洗浄した後、65℃で乾燥し、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚さ7μmの偏光子を得た。
(偏光子C)
厚さ20μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2,400、ケン化度99.9モル%以上)を、乾式延伸により約4.9倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.05/5/100の水溶液に28℃で60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が8.5/8.5/100の水溶液に72℃で300秒間浸漬した。引き続き26℃の純水で20秒間洗浄した後、65℃で乾燥し、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚さ8μmの偏光子を得た。
(粘着剤層A)
離型処理が施された厚みが38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレータ)の離型処理面に厚さ20μmのアクリル系粘着剤層が積層された市販の粘着剤シートを用いた。アクリル系粘着剤に、ウレタンアクリレートオリゴマーは配合されていない。
粘着剤シートから剥離フィルムを取り除いた粘着剤層の貯蔵弾性率は、23℃において0.05MPa、80℃において0.04MPaであった。
(粘着剤層B)
離型処理が施された厚みが38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレータ)の離型処理面に厚さ15μmのアクリル系粘着剤層が積層された市販の粘着剤シートを用いた。アクリル系粘着剤に、ウレタンアクリレートオリゴマーは配合されていない。
粘着剤シートから剥離フィルムを取り除いた粘着剤層の貯蔵弾性率は、23℃において0.05MPa、80℃において0.04MPaであった。
(粘着剤層C)
アクリル酸ブチルとアクリル酸との共重合体にウレタンアクリレートオリゴマーおよびイソシアネート系架橋剤を添加した有機溶剤溶液を、離型処理が施された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレータ)の離型処理面に、ダイコーターにより乾燥後の厚みが5μmとなるように塗工し、乾燥させ、粘着剤層が積層された粘着剤シートを得た。粘着剤シートから剥離フィルムを取り除いた粘着剤層の貯蔵弾性率は、23℃において0.40MPa、80℃において0.18MPaであった。
(保護フィルム)
以下の保護フィルムを準備した。
保護フィルムA:厚さ20μmのトリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタ株式会社製)。波長590nmでの面内位相差値=1.2nm、波長590nmでの厚み方向位相差値=1.3nm)
保護フィルムB:厚みが13μmのシクロオレフィン系樹脂フィルム(日本ゼオン株式会社製)。波長590nmでの面内位相差値=0.8nm、波長590nmでの厚み方向位相差値=3.4nm、波長483nmでの厚み方向位相差値=3.5nm、波長755nmでの厚み方向位相差値=2.8nm。
保護フィルムC:厚さ23μmのシクロオレフィン系樹脂フィルム(日本ゼオン株式会社製)。
保護フィルムD:厚さ32μmの表面がハードコート処理されたトリアセチルセルロースフィルム(株式会社トッパンTOMOEGAWAオプティカルフィルム製、25KCHC−TC)。透湿度は400g/(m・24hr)であった。
(輝度向上フィルム)
厚みが26μmの輝度向上フィルム(3M社製、商品名 ADvanceD PolarizeD Film, Version 3)を使用した。
(水系接着剤)
水100部に対して、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製のKL−318)3部を溶解し、その水溶液に、水溶性エポキシ化合物であるポリアミドエポキシ系添加剤(住化ケムテックス株式会社製のスミレーズレジン(登録商標)650(30)、固形分濃度30%の水溶液〕1.5部を添加して、水系接着剤とした。
(製造例1:視認側偏光板A)
偏光子Aの片面に、水系接着剤を介して保護フィルムBを貼合した。前記偏光子Aのもう一方の面に、水系接着剤を介して保護フィルムDを貼合した。前記保護フィルムBにおける偏光子Aとの貼合面とは反対側の面に、剥離フィルム上に積層された粘着剤層Aを貼合した。視認側偏光板Aの厚みは77μmであった。
(製造例2:視認側偏光板B)
偏光子Aの片面に、水系接着剤を介して保護フィルムCを貼合した。前記偏光子Aのもう一方の面に、水系接着剤を介して保護フィルムDを貼合した。前記保護フィルムCにおける偏光子Aとの貼合面とは反対側の面に、剥離フィルム上に積層された粘着剤層Aを貼合した。視認側偏光板Bの厚みは87μmであった。
(製造例3:視認側偏光板C)
偏光子Bの片面に、水系接着剤を介して保護フィルムAを貼合した。前記偏光子Bのもう一方の面に、水系接着剤を介して保護フィルムDを貼合した。前記保護フィルムAにおける偏光子Bとの貼合面とは反対側の面に、剥離フィルム上に積層された粘着剤層Aを貼合した。視認側偏光板Cの厚みは79μmであった。
(製造例4:背面側偏光板A)
偏光子Bの片面に、水系接着剤を介して保護フィルムBを貼合した。前記偏光子Bにおける保護フィルムBとの貼合面とは反対側の面に、剥離フィルム上に積層された粘着剤層Cを貼合した。前記保護フィルムBにおける偏光子Bとの貼合面とは反対側の面に、剥離フィルム上に積層された粘着剤層Bを貼合した。前記粘着剤層C上の剥離フィルムを剥離し、そこへ輝度向上フィルムを貼合した。背面側偏光板Aの厚みは66μmであった。
(製造例5:背面側偏光板B)
偏光子Bの片面に、水系接着剤を介して保護フィルムAを貼合した。前記偏光子Bにおける保護フィルムAとの貼合面とは反対側の面に、剥離フィルム上に積層された粘着剤層Cを貼合した。前記保護フィルムAにおける偏光子Bとの貼合面とは反対側の面に、剥離フィルム上に積層された粘着剤層Aを貼合した。前記粘着剤層C上の剥離フィルムを剥離し、そこへ輝度向上フィルムを貼合した。背面側偏光板Aの厚みは78μmであった。
(製造例6:背面側偏光板C)
偏光子Bの片面に、水系接着剤を介して保護フィルムAを貼合した。前記偏光子Bにおける保護フィルムAとの貼合面とは反対側の面に、剥離フィルム上に積層された粘着剤層Cを貼合した。前記保護フィルムAにおける偏光子Bとの貼合面とは反対側の面に、剥離フィルム上に積層された粘着剤層Bを貼合した。前記粘着剤層C上の剥離フィルムを剥離し、そこへ輝度向上フィルムを貼合した。背面側偏光板Aの厚みは73μmであった。
(製造例7:視認側偏光板D)
偏光子Aの代わりに偏光子Cを使用したこと以外は製造例1と同様にして、視認側偏光板Dを作製した。視認側偏光板Dの厚みは73μmであった。
(製造例8:視認側偏光板E)
偏光子Aの代わりに偏光子Cを使用したこと以外は製造例2と同様にして、視認側偏光板Eを作製した。視認側偏光板Eの厚みは83μmであった。
(製造例9:背面側偏光板D)
偏光子Bの代わりに偏光子Cを使用したこと以外は製造例4と同様にして、背面側偏光板Dを作製した。背面側偏光板Dの厚みは67μmであった。
(製造例10:背面側偏光板E)
偏光子Bの代わりに偏光子Cを使用したこと以外は製造例5と同様にして、背面側偏光板Eを作製した。背面側偏光板Eの厚みは79μmであった。
(製造例11:背面側偏光板F)
偏光子Bの代わりに偏光子Cを使用したこと以外は製造例6と同様にして、背面側偏光板Fを作製した。背面側偏光板Fの厚みは74μmであった。
(実施例1)
視認側偏光板A及び背面側偏光板Aを、長辺方向155.25mm、短辺方向95.9mmの矩形形状に裁断した。なお、視認側偏光板については、その吸収軸が短辺方向に平行となるように裁断し、背面側偏光板については、その吸収軸が長辺方向に平行となるように裁断した。
(常温環境下におけるパネルの反り)
裁断した視認側偏光板Aから粘着剤層A上の剥離フィルムを剥がし、当該粘着剤層Aを介して、厚み0.2mmの無アルカリガラス(液晶セル基板に相当し、長辺方向160mm、短辺方向102mmの矩形である。)の一方の面に貼合した。裁断した背面側偏光板Aから粘着剤層B上の剥離フィルムを剥がし、当該粘着剤層Bを介して、前記無アルカリガラスのもう一方の面に貼合をした。このようにして、視認側偏光板A/ガラス板/背面側偏光板Aからなる積層体を得た。その後、積層体に対してオートクレーブ処理を行った。各偏光板の吸収軸は直交していた。なお、いずれの実施例においても視認側偏光板の水分率は1.13%であり、背面側偏光板の水分率は0.6%であり、両者の差は0.53%であった。
上記積層体を温度23℃湿度55%RHの環境に24時間静置した。その後、積層体を二次元測定器(株式会社ニコン製、NEXIV(登録商標) VMZ−R4540)の測定台の上に、視認側偏光板Aが上側となるよう、積層体を置いた。
次いで、測定台の表面に焦点を合わせ、そこを基準とし、積層体の面上の25点にそれぞれ焦点を合わせ、基準とした焦点からの高さを測定した。25点の測定点における高さの最大値と最小値との差を反り量とした。結果を下記表1に示す。図5に、反り量の測定点を示す概略図を示す。70は「測定点」であり、71は偏光板であり、72はガラス板である。25個の「測定点」は偏光板の端部から約7mm内側の領域における点であり、短辺方向は約20mm間隔で、長辺方向は約35mm間隔で配置されている。
(高温環境下におけるパネルの反り)
上記積層体の作製に当たり、厚み0.4mmの無アルカリガラスを使用したこと以外は同様にして、視認側偏光板A/ガラス板/背面側偏光板Aからなる積層体を得た。なお、いずれの実施例においても視認側偏光板の水分率は1.13%であり、背面側偏光板の水分率は0.6%であり、両者の差は0.53%であった。
上記積層体を温度85℃湿度5%RHの環境に250時間静置した。その後、積層体を二次元測定器(株式会社ニコン製、NEXIV(登録商標) VMZ−R4540)の測定台の上に、視認側偏光板Aが上側となるよう、積層体を置いた。
次いで、上記常温環境下におけるパネルの反りの測定と同様にして、測定台の表面に焦点を合わせ、そこを基準とし、積層体の面上の25点にそれぞれ焦点を合わせ、基準とした焦点からの高さを測定した。25点の測定点における高さの最大値と最小値との差を反り量とした。結果を下記表1に示す。
(実施例2〜4、比較例1〜2)
視認側偏光板と背面側偏光板との組み合わせを下記表1に示すようにして、各積層体の常温環境下におけるパネルの反り、及び高温環境下におけるパネルの反りを測定した。当該結果を下記表1にまとめた。実施例1〜4では、常温環境下においても、高温環境下においても、液晶パネルの反りの大きさが0.4mm以下であった。比較例1〜3では、常温環境下または高温環境下のいずれかにおいて、液晶パネルの反りの大きさが0.4mmを超えた。
(実施例5〜13)
視認側偏光板と背面側偏光板との組み合わせを下記表2に示すようにして、各積層体の常温環境下におけるパネルの反り、及び高温環境下におけるパネルの反りを測定すると、常温環境下においても、高温環境下においても、液晶パネルの反りの大きさが0.4mm以下になる。
Figure 2019079058
Figure 2019079058


〔表2〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
視認側偏光板 背面側偏光板 偏光板の 視認側 背面側 偏光子の
────── ────── 偏光子 偏光子 厚み差
No. 厚み No. 厚み 厚み差 の厚み の厚み
[μm] [μm] [μm] [μm] [μm] [μm]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例5 A 77 D 67 10 12 8 4
実施例6 D 43 A 66 7 8 7 1
実施例7 B 87 E 79 8 12 8 4
実施例8 E 83 B 78 5 8 7 1
実施例9 A 77 F 74 3 12 8 4
実施例10 D 73 C 73 0 8 7 1
実施例11 A 77 E 79 −2 12 8 4
実施例12 D 73 B 78 −5 8 7 1
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本発明の偏光板のセットによれば、高温環境下における液晶パネルの反りを低減させながらも、常温環境下における液晶パネルの反りを低減することができる。
1 視認側偏光板
2 背面側偏光板
10 第1の偏光子
11 第2の偏光子
20 第1の保護フィルム
21 第2の保護フィルム
22 第3の保護フィルム
30 輝度向上フィルム
40 第1の粘着剤層
41 第2の粘着剤層
42 第3の粘着剤層
50,51 セパレータ
60,60 プロテクトフィルム
70 測定箇所
71 偏光板
72 ガラス板
100 視認側偏光板の厚み
200 背面側偏光板の厚み

Claims (4)

  1. 液晶セルの視認側に配置される視認側偏光板と、液晶セルの背面側に配置される背面側偏光板とからなる偏光板のセットであって、
    前記視認側偏光板は、第1の保護フィルムと第1の偏光子と第2の保護フィルムとをこの順に備え、
    前記背面側偏光板は、第3の保護フィルムと第2の偏光子と輝度向上フィルムとをこの順に備え、
    前記視認側偏光板の厚みから前記背面側偏光板の厚みを引いた差が13μm以下であり、
    前記第1の偏光子の厚みから前記第2の偏光子の厚みを引いた差が0μmを超え10μm以下である偏光板のセット。
  2. 前記第1の偏光子の厚みが7μm以上15μm以下であり、
    前記第2の偏光子の厚みが4μm以上12μm以下である請求項1に記載の偏光板のセット。
  3. 前記視認側偏光板の厚み及び前記背面側偏光板の厚みが、いずれも100μm以下である請求項1又は2に記載の偏光板のセット。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板のセットを有する液晶パネル。
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