JP2019077222A - 乗物用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】非力なユーザであっても、乗物用シートの状態を通常状態から前方のスペースを有効活用できる状態に容易に切り替えることができる乗物用シートを提供することを目的とする。【解決手段】乗物用シート(車両用シートS)は、シートクッションS1およびシートバックS2の状態を、乗員が着座するときの通常状態と、当該通常状態よりもシートクッションS1がフロアFの近くに配置され、かつ、シートクッションS1の上にシートバックS2が折り畳まれたダイブダウン状態とに切替可能となっている。シートクッションS1は、通常状態であるときに、後方にスライド移動可能に構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、シートクッションおよびシートバックの状態を切替可能な乗物用シートに関する。
従来、乗物用シートとして、シートクッションおよびシートバックの状態を、乗員が着座するときの通常状態と、シートクッションの上にシートバックが折り畳まれたダイブダウン状態と、起立したシートバックに重なるようにシートクッションが折り畳まれたチップアップ状態とに切替可能なものが知られている(特許文献1参照)。具体的に、この技術では、シートバックに回動可能に設けられたアームにシートクッションが固定されている。そして、シートクッションをアームとともに回動させて、通常状態からチップアップ状態に切り替えることで、乗物用シートの前方のスペースを有効活用することが可能となっている。
特開2009−067309号公報
しかしながら、従来技術では、チップアップへの切替時に重いシートバックを持ち上げなければならないため、非力なユーザであると操作を負担に感じるおそれがあった。
そこで、本発明は、非力なユーザであっても、乗物用シートの状態を通常状態から前方のスペースを有効活用できる状態に容易に切り替えることができる乗物用シートを提供することを目的とする。
前記した課題を解決する本発明は、シートクッションおよびシートバックの状態を、乗員が着座するときの通常状態と、当該通常状態よりも前記シートクッションがフロアの近くに配置され、かつ、前記シートクッションの上に前記シートバックが折り畳まれたダイブダウン状態とに切替可能な乗物用シートであって、前記通常状態であるときに、前記シートクッションが後方にスライド移動可能に構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、通常状態からシートクッションを後方にスライド移動させるだけで、乗物用シートの前方のスペースを広げることができる。そのため、非力なユーザであっても、乗物用シートの状態を通常状態から前方のスペースを有効活用できる状態に容易に切り替えることができる。
また、前記乗物用シートは、前記シートバックに設けられるアームを備え、前記シートクッションは、前記アームにスライド移動可能に支持されていてもよい。
これによれば、アームの形状を変更するだけでシートクッションの上下方向の位置を自由に設定することができるので、シートクッションを良好にスライド移動させることができる。
また、前記乗物用シートは、前記アームに対する前記シートクッションの位置を、前記通常状態に対応した第1位置と、当該第1位置よりも後方の第2位置にロックするロック機構を備えていてもよい。
これによれば、ロック機構によってシートクッションの位置を第1位置と第2位置とにロックするので、乗物用シートを、通常状態と、前方のスペースを有効活用できる状態とに良好に保持することができる。
また、前記ロック機構は、前記アームに対する前記シートクッションの位置を、前記第1位置と前記第2位置の間の少なくとも1つの位置にロックするように構成されていてもよい。
これによれば、シートクッションを3つ以上の位置でロックすることができるので、例えば、シートクッションの前端部とその前の乗物用シートの背面との間で物を挟みたい場合において、挟む物の種類を増やすことができる。
また、前記シートクッションが前記第2位置に位置するときに、前記シートクッションの前記シートバックからの前方への突出量が、後方への突出量以上であってもよい。
これによれば、シートクッションの後方への突出量を抑えることができるので、シートバックの後方のスペースが小さくなるのを抑えつつ、前方のスペースを確保することができる。
また、前記アームは、前記シートバックに回動可能に連結されていてもよい。
これによれば、ダイブダウン状態への切替時にシートバックに対してアームを回動させることができるので、ダイブダウン状態への切替を良好に行うことができる。
また、前記アームは、前記シートバックに連結される第1部位と、前記シートクッションを支持する第2部位とを有し、前記通常状態であるときに、前記第2部位は、前記第1部位の前記シートバックとの連結部分よりも前方かつ下方に位置していてもよい。
これによれば、ダイブダウン状態への切替を良好に行うことができる。
また、前記乗物用シートは、前記シートバックフレームの下端部を回動可能に支持するベース部材と、前記アームに回動可能に連結されて当該アームを支持する支持部材と、を備え、前記通常状態であるときに、前記シートクッションが前記支持部材に対して後方にスライド移動可能に構成されていてもよい。
これによれば、通常状態において、シートクッションが支持部材に対して後方にスライド移動可能となっているので、例えば支持部材がシートクッションとともに移動する構造と比べ、シートクッションの後方への移動をスムーズに行うことができる。
本発明によれば、非力なユーザであっても、乗物用シートの状態を通常状態から前方のスペースを有効活用できる状態に容易に切り替えることができる。
また、シートクッションを3つ以上の位置でロックするロック機構を設けることで、例えば、シートクッションの前端部とその前の乗物用シートの背面との間で物を挟みたい場合において、挟む物の種類を増やすことができる。
また、第2位置においてシートクッションのシートバックからの前方への突出量を後方への突出量以上とすることで、シートバックの後方のスペースが小さくなるのを抑えつつ、前方のスペースを確保することができる。
また、アームをシートバックに回動可能に連結することで、ダイブダウン状態への切替を良好に行うことができる。
また、アームのうちシートクッションを支持する第2部位を、アームのシートバックとの連結部分よりも前方かつ下方に配置することで、ダイブダウン状態への切替を良好に行うことができる。
また、通常状態において、シートクッションを支持部材に対して後方にスライド移動可能とすることで、例えば支持部材がシートクッションとともに移動する構造と比べ、シートクッションの後方への移動をスムーズに行うことができる。
本発明の一実施形態に係る通常状態の車両用シートを示す図である。 第1クッション後退状態の車両用シートを示す図である。 第2クッション後退状態の車両用シートを示す図である。 ダイブダウン状態の車両用シートを示す図である。 スライド機構を分解して示す斜視図である。 通常状態でのスライド機構等の状態を示す図(a)と、第1クッション後退状態でのスライド機構等の状態を示す図(b)と、第2クッション後退状態でのスライド機構等の状態を示す図(c)である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図1に示すように、乗物用シートの一例としての車両用シートSは、例えば3列シートの2列目のシートに使用されるシートであり、シートクッションS1と、シートバックS2とを主に備えている。なお、本発明において、前後、左右、上下は、シートに座る乗員を基準とする。
シートクッションS1は、図示せぬシートクッションフレームと、シートクッションパッドS12と、表皮材S13とを備えている。シートクッションフレームは、シートクッションS1の骨格をなす部材であり、金属などから構成されている。シートクッションパッドS12は、ウレタンフォームなどからなり、シートクッションフレームで支持されている。表皮材S13は、合成皮革や布地などからなり、シートクッションパッドS12を覆っている。
シートバックS2は、シートバックフレームS21と、シートバックパッドS22と、表皮材S23とを備えている。シートバックフレームS21は、シートバックS2の骨格をなす部材であり、金属などから構成されている。シートバックパッドS22は、ウレタンフォームなどからなり、シートバックフレームS21で支持されている。表皮材S23は、合成皮革や布地などからなり、シートバックパッドS22を覆っている。
車両用シートSは、シートクッションS1およびシートバックS2の状態を、図1に示す通常状態と、図2および図3に示すクッション後退状態と、図4に示すダイブダウン状態とに切替可能な状態切替機構1を備えている。ここで、通常状態とは、乗員が着座するときの状態をいう。通常状態において、シートクッションS1の上面(座面)は、略上方を向き、シートバックS2の前面(乗員支持面)は、略前方を向いている。詳しくは、通常状態において、シートバックS2の前面の向きは、リクライニング機構2の操作によって、乗員の好みに応じた角度となっている。
また、クッション後退状態とは、シートバックS2が通常状態の姿勢を維持したまま、シートクッションS1が通常状態よりも後方にスライド移動した状態をいう。より詳しくは、本実施形態では、車両用シートSは、シートクッションS1の位置が通常状態よりも第1距離D1だけ後に離れた第1クッション後退状態(図2の状態)と、シートクッションS1の位置が第1後退状態よりも第2距離D2だけ後に離れた第2クッション後退状態(図3の状態)に切り替えることが可能となっている。なお、本実施形態では、D1=D2とするが、本発明はこれに限定されず、D1≠D2であってもよい。
また、ダイブダウン状態とは、通常状態よりもシートクッションS1がフロアFの近くに配置され、かつ、シートクッションS1の上にシートバックS2が折り畳まれた状態をいう。本実施形態では、ダイブダウン状態において、シートバックS2の前面がシートクッションS1の上面に重ね合わされており、シートバックS2およびシートクッションS1が、フロアFの上面に対して略平行に配置されている。
状態切替機構1は、シートバックフレームS21と、アーム10と、支持部材20と、ベース部材30と、スライド機構40と、ロック機構50とを備えている。シートバックフレームS21は、左右方向に離れて配置される左右のサイドフレームS24を有している。アーム10、支持部材20、ベース部材30、スライド機構40およびロック機構50は、車両用シートSの左右に1つずつ設けられている。
アーム10は、シートバックS2に設けられ、スライド機構40を介してシートクッションS1を前後方向にスライド移動可能に支持している。左右の各アーム10は、左右のシートバックフレームS21よりも左右方向内側に配置されている。また、シートクッションS1は、左右のアーム10よりも左右方向内側に配置されている。アーム10は、L字形状に形成されている。詳しくは、アーム10は、通常状態においてシートバックS2に沿って延びる第1部位11と、第1部位11の下端から前方に向けて延びてシートクッションS1を支持する第2部位12とを有している。第1部位11は、シートバックS2に第2軸A2を中心に回動可能に連結されている。詳しくは、アーム10は、シートバックフレームS21に回動可能に連結されている。第2部位12には、支持部材20の上端部が第1軸A1を中心に回動可能に連結されている。第2部位12は、通常状態であるときに、第1部位11のシートバックS2との連結部分、つまり第2軸A2よりも前方かつ下方に位置している。言い換えると、通常状態であるときに、第1軸A1は、第2軸A2よりも前方かつ下方に位置している。
シートバックフレームS21の下端部は、ベース部材30によって回動可能に支持されている。ベース部材30は、フロアFの上面から突出するようにフロアFに固定されている。
左右のサイドフレームS24の下端部は、左右方向に延びる連結部材S25によって連結されている。そして、連結部材S25の左右両端部が、それぞれ左右のベース部材30に連結されることで、連結部材S25を中心としてシートバックフレームS21が回動可能となっている。なお、以下の説明では、シートバックフレームS21の回動中心を、第3軸A3とも称する。通常状態において、第3軸A3は、第2軸A2よりも前方かつ下方であって、かつ、第1軸A1よりも後方かつ下方の位置に配置されている。
また、シートバックフレームS21の下端部は、リクライニング機構2を介してベース部材30に連結されている。そして、シートバックS2は、リクライニング機構2によってロックされることで、乗員の好みに応じた角度に保持されるようになっている。また、シートバックS2の上部には、リクライニング機構2によるロックを解除するためのリクライニング解除レバーL1が設けられている。
また、ベース部材30は、支持部材20の下端部を回動可能、かつ、スライド移動可能に支持する支持孔31を有している。支持孔31は、ベース部材30を左右方向に貫通して設けられている。支持孔31は、前方から後方に向かうにつれて上方に位置するように、前後方向に対して傾斜している。
支持部材20は、アーム10の第2部位12を支持する部材である。左右の支持部材20の下端部は、左右方向に延びる連結部材21によって連結されている。そして、連結部材21の左右の端部が、それぞれ左右のベース部材30の支持孔31内に入り込んで支持孔31で支持されることで、支持部材20が連結部材21を中心として回動可能、かつ、スライド移動可能となっている。なお、以下の説明では、支持部材20の回動中心を、第4軸A4とも称する。通常状態において、第4軸A4は、第3軸A3よりも前方かつ下方であって、かつ、第1軸A1よりも前方かつ下方の位置に配置されている。
連結部材21の左右の端部、つまり支持部材20のベース部材30との連結部分は、支持孔31で支持されることによって、略前後方向に移動可能となっている。連結部材21の左右の端部は、断面視円形状に形成されており、通常状態であるときに後方位置(図1の位置)に位置し、ダイブダウン状態であるときに後方位置よりも前方かつ下方の前方位置(図4の位置)に位置するようになっている。詳しくは、後方位置は、支持孔31の後端に対応した位置であり、前方位置は、支持孔31の前端に対応した位置である。
なお、支持孔31内には、連結部材21の端部の移動を規制する突起を設けてもよい。この突起は、通常状態において連結部材21の端部を後方位置に保持し、通常状態からダイブダウン状態に切り替える際に、支持部材20が通常状態から第1角度回動するまで、連結部材21の端部の前方への移動を規制するように構成するとよい。また、突起の代わりに、例えば、支持孔31内に突出する突出位置と、支持孔31内から退避する退避位置とに進退可能な部材を設け、この部材によって連結部材の端部の移動を規制または許容してもよい。
支持部材20の後方への回動は、シートバックS2のベース部材30に対する回動がリクライニング機構2によってロックされることで規制されている。詳しくは、シートバックS2、アーム10、支持部材20およびベース部材30は、自由度が1の四節リンクであり、リクライニング機構2によってシートバックS2の回動がロックされることで、自由度が0の三節リンクとなる。そのため、リクライニング機構2をロックすると、支持部材20の後方への回動が規制される。
スライド機構40は、シートクッションS1をアーム10に対してスライド移動可能にするための機構である。図5に示すように、スライド機構40は、車両用シートSを例えば前後方向にスライドさせるための機構と同様の構造となっており、主に、スライダ41と、レール42とを主に備えている。なお、スライダ41をレール42に対してスムーズに滑らせるためのボールなどについては、公知であるため、図示を省略し、説明を省略する。
スライダ41は、前後方向に長い長尺状の部材であり、アーム10の第2部位12の左右方向内側に固定されている。スライダ41は、第1孔41Aと、第2孔41Bと、第3孔41Cとを有する。第1孔41A、第2孔41Bおよび第3孔41Cは、前後方向に沿って間隔を空けて並んでいる。第1孔41Aと第2孔41Bの間隔は、前述した第1距離D1(図2参照)と同じ大きさとなっており、第2孔41Bと第3孔41Cの間隔は、前述した第2距離D2(図3参照)と同じ大きさとなっている。
レール42は、前後方向に長い長尺状の部材であり、シートクッションS1の側部に固定されている。レール42は、スライダ41よりも前後方向の長さが大きくなっている。レール42の前後方向の略中央部には、ロック用孔42Aが形成されている。ロック用孔42Aは、図6(a)に示す通常状態において第1孔41Aに対向し、図6(b)に示す第1クッション後退状態において第2孔41Bに対向し、図6(c)に示す第2クッション後退状態において第3孔41Cに対向している。
ロック機構50は、シートバックS2に対するシートクッションS1の位置、言い換えると、アーム10に対するシートクッションS1の位置を、図6(a)に示す第1位置と、図6(b)に示す第3位置と、図6(c)に示す第2位置にロックするための機構である。ここで、第1位置は、通常状態に対応した位置である。また、第2位置は、第1位置よりも後方の位置であって、第2クッション後退状態に対応した位置である。第3位置は、第1位置と第2位置の間の位置であって、第1クッション後退状態に対応した位置である。
ロック機構50は、ロックピン51と、付勢部材である圧縮コイルばね52とを備えている。ロックピン51は、レール42のロック用孔42Aとスライダ41に形成された孔(例えば第1孔41A)とに係合する係合位置と、スライダ41に形成された孔から外れた退避位置に移動可能となっている。圧縮コイルばね52は、ロックピン51を退避位置から係合位置に向けて付勢している。圧縮コイルばね52は、ロックピン51とシートクッションフレームとの間に設けられている。
また、ロックピン51は、ワイヤWを介してロック解除レバーL2に接続されている。ロック解除レバーL2は、シートクッションS1の下面の前側に回動可能に設けられている。ロック解除レバーL2は、図6(a)に実線で示す初期位置と、図6(b)に二点鎖線で示す解除位置との間で回動可能となっている。ロック解除レバーL2は、図示せぬバネによって常時初期位置に付勢されている。
これにより、乗員がロック解除レバーL2を引くと、ロックピン51が圧縮コイルばね52の付勢力に抗して係合位置から退避位置に移動するようになっている。また、乗員がロック解除レバーL2から手を離すと、ロックピン51が圧縮コイルばね52の付勢力によって退避位置から係合位置に移動するようになっている。
図6(c)に示すように、シートクッションS1が第2位置に位置するときに、つまり、シートクッションS1が最も後方に配置されたときには、シートクッションS1のシートバックS2からの前方への突出量LFは、後方への突出量LRよりも大きくなっている。ここで、前方への突出量LFとは、シートバックS2の前面に沿った仮想線LAとシートクッションS1の上面との交点からシートクッションS1の前端までの距離をいう。また、後方への突出量LRとは、シートバックS2の後面に沿った仮想線LBとシートクッションS1の上面との交点からシートクッションS1の後端までの距離をいう。
次に、本実施形態に係る車両用シートSの操作方法について説明する。
図1に示す通常状態においては、リクライニング機構2のロックによってシートバックS2の回動が規制されることで、シートバックS2、アーム10、支持部材20およびベース部材30が自由度0の三節リンクとなるので、シートバックS2、アーム10および支持部材20の姿勢が固定されている。また、シートクッションS1は、姿勢が固定されているアーム10にスライド機構40を介して支持されているため、シートクッションS1は水平な姿勢に保たれている。
通常状態から第1クッション後退状態に切り替える場合には、まず、乗員がロック解除レバーL2を引くことで、ロック機構50によるロックを解除する。これにより、ロックピン51がスライド機構40の第1孔41A(図6(a)参照)から外れるので、車両用シートSが通常状態であるときに、シートクッションS1が後方にスライド移動可能となる。詳しくは、通常状態であるときに、シートクッションS1は、シートバックS2、アーム10、支持部材20およびベース部材30に対して後方にスライド移動可能に構成されている。
図2に示すように、乗員がシートクッションS1を通常状態から第1距離D1だけ移動させると、図6(b)に示すように、シートクッションS1側のロックピン51がアーム10側の第2孔41Bに対向する。この際、乗員がロック解除レバーL2から手を離していると、圧縮コイルばね52の付勢力によってロックピン51が第2孔41Bに係合するので、シートクッションS1が第3位置にロックされる。これにより、車両用シートSを、第1クッション後退状態に良好に維持させることができる。
第1クッション後退状態から第2クッション後退状態に切り替える場合には、前述と同様にして、乗員が、ロック機構50のロック解除を行うとともに、図3に示すようにシートクッションS1を第2距離D2だけ後方にスライド移動させる。これにより、図6(c)に示すように、シートクッションS1側のロックピン51がアーム10側の第3孔41Cに対向するので、この位置でシートクッションS1をロック機構50によりロックすることで、シートクッションS1が第2位置にロックされる。これにより、車両用シートSを、第2クッション後退状態に良好に維持させることができる。
なお、第2クッション後退状態から第1クッション後退状態への切替や、第1クッション後退状態から通常状態への切替は、前述した動作とは逆の動作を行えばよい。
図1に示すように、通常状態からダイブダウン状態に切り替える場合には、まず、乗員がリクライニング解除レバーL1を操作することによって、リクライニング機構2によるロックを解除する。これにより、シートバックS2、アーム10、支持部材20およびベース部材30が自由度1の四節リンクとなるので、シートバックS2を前方に倒していくと、シートバックS2の回動に伴って、支持部材20が前方に徐々に倒れていく。
支持部材20が前方にある程度倒れた状態において、乗員がシートバックS2をさらに倒していくと、アーム10を介してシートクッションS1が前方に押される。これにより、前方に押されるシートクッションS1によって支持部材20が引っ張られるので、連結部材21の端部が、支持孔31内を前方にスライド移動していく。
そして、図4に示すように連結部材21の端部が支持孔31の前端に当接すると、シートバックS2がシートクッションS1の上に折り畳まれたダイブダウン状態となる。なお、ダイブダウン状態においては、リクライニング機構2は、ロック状態であってもよいし、アンロック状態であってもよい。ただし、ダイブダウン状態においてリクライニング機構2をアンロック状態とした場合には、ダイブダウン状態から通常状態に切り替える際に、リクライニング解除レバーL1の操作が不要となるので、このように構成するのが好ましい。
前述したように、通常状態からダイブダウン状態に切り替える場合には、シートクッションS1が前方に移動することで、アーム10は第2軸A2を中心にして図示時計回りに回動する。そのため、第1軸A1から第3軸A3までの距離は、通常状態またはクッション後退状態のときよりもダイブダウン状態のときの方が大きくなっている。
詳しくは、ダイブダウン状態のときの各軸A1〜A4の位置は、以下のようになっている。第1軸A1は、第2軸A2よりも前方かつ下方であって、かつ、第4軸A4よりも前方かつ上方の位置に配置されている。第2軸A2は、第3軸A3よりも前方かつ上方であって、かつ、第4軸A4よりも前方かつ上方の位置に配置されている。第4軸A4は、第3軸A3よりも前方かつ下方の位置に配置されている。第3軸A3から第4軸A4までの距離は、通常状態またはクッション後退状態のときよりもダイブダウン状態のときの方が大きくなっている。
ダイブダウン状態から通常状態に切り替える場合には、乗員がシートバックS2を後方に引き起こしていくと、アーム10を介してシートクッションS1が後方に引っ張られていく。これにより、後方に引っ張られるシートクッションS1によって支持部材20が後方に押されるので、連結部材21の端部が支持孔31内を後方にスライド移動していく。
その後、図1に示すように、連結部材21の端部が支持孔31の後端に当接すると、支持部材20が第4軸A4を中心にして上方に回動する。そして、シートバックS2をリクライニング機構2によってロック可能な位置まで回動して、その位置でリクライニング機構2がロック状態になると、車両用シートSが通常状態となる。
以上のような本実施形態の車両用シートにおいて、次の各効果を奏することができる。
通常状態からシートクッションS1を後方にスライド移動させるだけで、車両用シートSの前方のスペースを広げることができる。そのため、非力なユーザであっても、車両用シートSの状態を通常状態から前方のスペースを有効活用できる状態であるクッション後退状態に容易に切り替えることができる。
シートバックS2に設けたアーム10でシートクッションS1を支持しているので、前記実施形態のように例えばアーム10の形状をL字形状とするだけでシートクッションS1の上下方向の位置を自由に設定することができ、シートクッションS1をシートバックS2に干渉させることなく良好にスライド移動させることができる。
ロック機構50によってシートクッションS1の位置を第1位置と第2位置とにロックするので、車両用シートSを、通常状態とクッション後退状態とに良好に保持することができる。
ロック機構50によってシートクッションS1を第1位置、第2位置および第3位置でロックすることができるので、例えば、シートクッションS1の前端部とその前の車両用シートの背面との間で物を挟みたい場合において、挟む物の種類を増やすことができる。
シートクッションS1が第2位置に位置するときに、シートクッションS1のシートバックS2からの前方への突出量LFを、後方への突出量LRよりも大きくしたので、シートバックS2の後方のスペースが小さくなるのを抑えつつ、前方のスペースを確保することができる。
ダイブダウン状態へ切り替える際にシートバックS2に対してアーム10を回動させることができるので、ダイブダウン状態への切替を良好に行うことができる。
通常状態であるときに、第2部位12が第1部位11のシートバックS2との連結部分よりも前方かつ下方に位置するので、ダイブダウン状態への切替を良好に行うことができる。
通常状態において、シートクッションS1が支持部材20に対して後方にスライド移動可能となっているので、例えばシートクッションに支持部材が設けられ、支持部材がシートクッションとともに移動する構造と比べ、シートクッションS1の後方への移動をスムーズに行うことができる。
図2に示す第1クッション後退状態と図3に示す第2クッション後退状態において、シートクッションS1が水平な姿勢となっているため、シートクッションS1上に荷物を置くことができる。また、第1クッション後退状態および第2クッション後退状態においては、通常状態よりもシートクッションS1の座面の前後方向の長さを小さくすることができるので、例えば子供が座るのに最適な座面長さとすることができる。
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以下の他の形態に示すように、適宜変形して実施することが可能である。
前記実施形態では、シートクッションS1が第2位置に位置するときにおける、シートクッションS1のシートバックS2からの前方への突出量LFを、後方への突出量LRよりも大きくしたが、本発明はこれに限定されず、前方への突出量LFは、後方への突出量LR以上であればよい。つまり、前方への突出量LFと後方への突出量LRが同じであってもよい。
前記実施形態では、シートクッションS1を前後方向において3つの位置でロックするように構成したが、本発明はこれに限定されず、シートクッションを4つ以上の位置でロックしてもよい。つまり、ロック機構として、第1位置と、第2位置と、第1位置と第2位置との間に設定される2つ以上の位置とにロック可能なものを採用してもよい。また、ロック機構は、第1位置と第2位置のみにシートクッションS1をロックするように構成されていてもよい。
前記実施形態では、シートクッションS1をアーム10によってスライド移動可能に支持したが、本発明はこれに限定されず、例えば、シートクッションをシートバックフレームでスライド移動可能に支持してもよい。
前記実施形態では、アーム10をL字形状に形成したが、本発明はこれに限定されず、アームの形状は任意である。
前記実施形態では、シートクッションS1に支持部材20を設けたが、本発明はこれに限定されず、支持部材はなくてもよい。つまり、シートクッションをアームのみで支持するように構成してもよい。この場合、例えば、シートバックに対するアームの回動を規制する部材を設ければよい。
前記実施形態では、連結部材21の端部のスライド移動方向を、前後方向に対して傾斜した方向、詳しくは前斜め下方に向かう方向としたが、本発明はこれに限定されず、スライド移動方向は、例えば、前後方向に沿った方向であってもよいし、前斜め上方に向かう方向であってもよい。
前記実施形態では、第1軸A1を第2軸A2よりも前方かつ下方に配置したが、本発明はこれに限定されず、例えば、第1軸は、第2軸よりも前方であって、かつ、第2軸と上下方向の位置が同じであってもよい。
前記実施形態では、通常状態であるときに、支持部材20の上端部が第3軸A3に近づくように支持部材20がベース部材30に対して回動することを規制する規制部材としてリクライニング機構2を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、規制部材は、シートバックに対するアームの回動をロックまたは解除する機構であってもよいし、アームに対する支持部材の回動をロックまたは解除する機構であってもよいし、ベース部材に対する支持部材の回動をロックまたは解除する機構であってもよい。また、規制部材は、シートバックを車両のフレームに対してロックまたは解除する機構(例えば、フレームに設けたストライカに、シートバックに設けたラッチ機構が係合する構造)などであってもよい。
車両用シートSの各状態における各軸A1〜A4の位置は、前記実施形態に限定されず、適宜変更してもよい。
前記実施形態では、乗物用シートとして、自動車で使用される車両用シートSを例示したが、本発明はこれに限定されず、その他の乗物用シート、例えば、船舶や航空機などの他の乗物で使用されるシートに適用することもできる。
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
F フロア
S 車両用シート
S1 シートクッション
S2 シートバック
40 スライド機構

Claims (8)

  1. シートクッションおよびシートバックの状態を、乗員が着座するときの通常状態と、当該通常状態よりも前記シートクッションがフロアの近くに配置され、かつ、前記シートクッションの上に前記シートバックが折り畳まれたダイブダウン状態とに切替可能な乗物用シートであって、
    前記通常状態であるときに、前記シートクッションが後方にスライド移動可能に構成されていることを特徴とする乗物用シート。
  2. 前記シートバックに設けられるアームを備え、
    前記シートクッションは、前記アームにスライド移動可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記アームに対する前記シートクッションの位置を、前記通常状態に対応した第1位置と、当該第1位置よりも後方の第2位置にロックするロック機構を備えたことを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート。
  4. 前記ロック機構は、前記アームに対する前記シートクッションの位置を、前記第1位置と前記第2位置の間の少なくとも1つの位置にロックすることを特徴とする請求項3に記載の乗物用シート。
  5. 前記シートクッションが前記第2位置に位置するときに、前記シートクッションの前記シートバックからの前方への突出量が、後方への突出量以上であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の乗物用シート。
  6. 前記アームは、前記シートバックに回動可能に連結されていることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の乗物用シート。
  7. 前記アームは、前記シートバックに連結される第1部位と、前記シートクッションを支持する第2部位とを有し、
    前記通常状態であるときに、前記第2部位は、前記第1部位の前記シートバックとの連結部分よりも前方かつ下方に位置することを特徴とする請求項6に記載の乗物用シート。
  8. 前記シートバックフレームの下端部を回動可能に支持するベース部材と、
    前記アームに回動可能に連結されて当該アームを支持する支持部材と、を備え、
    前記通常状態であるときに、前記シートクッションが前記支持部材に対して後方にスライド移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の乗物用シート。
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