JP2019075516A - プラズマ処理装置及びガス流路が形成される部材 - Google Patents

プラズマ処理装置及びガス流路が形成される部材 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマ生成空間においてガスを整流することを目的とする。【解決手段】ガス流入口と、該ガス流入口に連通し、ガスを流すガス流路と、該ガス流路の下方に位置し、ガスから生成したプラズマによる処理を行う処理室とを有する反応容器を備え、前記ガス流路は、前記反応容器の内部に周方向に形成され、前記ガス流入口からのガスを流す第1のガス流路と、周方向に対して前記処理室に向かって所定の角度に傾斜して前記反応容器の内部に形成され、前記第1のガス流路からのガスを流す第2のガス流路とを有し、前記第1のガス流路及び前記第2のガス流路を一組として、複数組の前記第1のガス流路及び前記第2のガス流路が周方向に配置され、前記処理室に向かうガスの旋回流を形成する、プラズマ処理装置が提供される。【選択図】図4

Description

本発明は、プラズマ処理装置及びガス流路が形成される部材に関する。
半導体製造プロセスでは、被処理基板例えば半導体ウェハ(以下、単に「ウェハ」という)の表面に形成したレジスト膜をマスクとして用いて、ウェハ上の所定の膜を選択的にエッチングした後にレジスト膜をアッシングにより除去する工程がある。
アッシング処理を行う装置としては、ガスからプラズマを生成するプラズマ生成室と、隔壁部材を介してプラズマ生成室と連通し、プラズマの主にラジカルを用いてアッシングを行う処理室とを有するプラズマ処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
隔壁部材は、複数の貫通孔を有し、石英等で構成され、隔壁部材の電位を例えば接地レベルに調整することで、プラズマ生成室で生成されたプラズマのイオンを引きつけて捕獲し、ラジカルを複数の貫通孔から処理室に通すように機能する。
特開2009−16453号公報
しかしながら、プラズマ生成室においてガスの流れが乱れていると、ラジカルが失活等を起こしやすく、その結果、アッシング処理におけるアッシングレートの低下等、プラズマ処理の特性に影響を与える場合がある。
上記課題に対して、一側面では、本発明は、プラズマ生成空間においてガスを整流することを目的とする。
上記課題を解決するために、一の態様によれば、ガス流入口と、該ガス流入口に連通し、ガスを流すガス流路と、該ガス流路の下方に位置し、ガスから生成したプラズマによる処理を行う処理室とを有する反応容器を備え、前記ガス流路は、前記反応容器の内部に周方向に形成され、前記ガス流入口からのガスを流す第1のガス流路と、周方向に対して前記処理室に向かって所定の角度に傾斜して前記反応容器の内部に形成され、前記第1のガス流路からのガスを流す第2のガス流路とを有し、前記第1のガス流路及び前記第2のガス流路を一組として、複数組の前記第1のガス流路及び前記第2のガス流路が周方向に配置され、前記処理室に向かうガスの旋回流を形成する、プラズマ処理装置が提供される。
他の態様によればガス流入口を有し、ガスから生成したプラズマによる処理を行う処理室を有する反応容器に取り付け可能な、ガス流路が形成される部材であって、
前記ガス流路が形成される部材の内部に周方向に形成され、前記ガス流入口からのガスを流す第1のガス流路と、前記反応容器に取り付けられたときに、周方向に対して前記処理室に向かって所定の角度に傾斜して前記ガス流路が形成される部材の内部に形成され、前記第1のガス流路からのガスを流す第2のガス流路と、を有し、前記第1のガス流路及び前記第2のガス流路を一組として、複数組の前記第1のガス流路及び前記第2のガス流路が周方向に配置され、ガスの旋回流を形成する、ガス流路が形成される部材が提供される。
一の側面によれば、プラズマ生成空間においてガスを整流することができる。
一実施形態に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す図。 一実施形態に係る隔壁部材の一例を示す図。 比較例のガス流路と、本実施形態に係るガスを整流する機構の一例を示す図。 一実施形態に係るガスを整流する機構に形成されたガス流路を説明するための図。 一実施形態に係るガスの流速分布のシミュレーション結果の一例を示す図。 一実施形態に係るガスの流速のシミュレーション結果の一例を示す図。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
[プラズマ処理装置の構成例]
まず、本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置10の構成の一例について、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置10の構成の一例を示す。プラズマ処理装置10は、ウェハWに形成された被エッチング対象膜上のフォトレジスト膜をアッシングして除去するアッシング処理等のプラズマ処理を行う。
プラズマ処理装置10は、ウェハWの処理を行う処理室102と、処理室102に連通し、ガスを励起させてプラズマを生成するプラズマ生成室104とを有する。プラズマ生成室104は、隔壁部材140を介して処理室102の上方に設けられ、誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)方式によってガスからプラズマを生成する。
プラズマ生成室104及び処理室102は、例えばアルミニウムなどの金属からなる略円筒状の反応容器110を有する。反応容器110の上部は、石英、セラミックス等の絶縁部材料からなる略円盤状の蓋体107により気密に閉塞されている。
反応容器110にはガス流路122が設けられている。ガスは、ガス供給部120からガス配管121及びガス流路122を介して、蓋体107の外周端部にて周方向にリング状に形成されたガス拡散路123からプラズマ生成室104の内部空間に導入される。ガス供給部120には、ガスを開閉するための開閉バルブ、ガスの流量を制御するためのマスフローコントローラなどが備えられている。本実施形態では、例えば、ガス供給部120から水素(H2)ガスとアルゴン(Ar)ガスの混合ガスが供給される例を挙げて説明するが、ガスの種類はこれに限らない。
反応容器110の上部には、アンテナ部材としてのコイル119が巻回されている。コイル119には高周波電源118が接続されている。高周波電源118は、300kHz〜60MHzの周波数の電力を出力し、コイル119に供給する。これにより、プラズマ生成室104内に誘導電磁界が形成され、プラズマ生成室104内に導入されたガスが励起され、プラズマが生成される。
処理室102内にはウェハWを載置する載置台106が設けられている。載置台106は、処理室102の底部に設けられた支持部材108に支持されている。載置台106は、例えばアルマイト処理されたアルミニウムから形成される。載置台106内にはウェハWを加熱するためのヒータ105が埋設されており、ヒータ105はヒータ電源138から給電されることによりウェハWを所定の温度(例えば300℃)に加熱する。このときの温度は、ウェハW上の被エッチング対象膜が大きなダメージを受けない程度の温度、例えば250℃〜400℃程度の範囲で設定することができる。
処理室102の内側には、処理室102の内壁を保護するライナー134が設けられている。ライナー134は、例えばアルミニウムから形成されている。排気口126は、ライナー134及び処理室102の側壁を貫通し、真空ポンプを含む排気装置128に接続されている。これにより、排気装置128を作動させることによって処理室102及びプラズマ生成室104内を所定の真空度まで減圧することができる。
また、処理室102の側壁には、ゲートバルブ130によって開閉自在な搬出入口132が形成されている。ウェハWの搬出入は、例えば図示しない搬送アームなどの搬送機構によって行われる。
処理室102とプラズマ生成室104との間にて各室を隔てる隔壁部材140には、複数の貫通孔144が形成されている。図2に、隔壁部材140を貫通する複数の貫通孔144の配置の一例を示す。隔壁部材140には、内周側から順に同心円状に複数の貫通孔144a、144b、・・・が形成され、最外周に複数の貫通孔144fが形成されている。なお、貫通孔144は、複数の貫通孔144a、144b、144c、144d、144e、144fを総称して称呼する際に用いる。貫通孔144の配置及び個数は、図2の例に限らない。
隔壁部材140は、プラズマ生成室104において生成されるプラズマのうち、ラジカルを複数の貫通孔144から処理室102に通す。すなわち、プラズマ生成室104においてガスが励起されプラズマが発生すると、ラジカル、イオン、紫外光などが発生する。隔壁部材140は、石英等で構成され、プラズマ生成室104で生成されたプラズマのイオンと紫外光を遮蔽して、ラジカルのみを処理室102へ通過させる。
図1に示す反応容器110の側壁には、例えば石英により形成され、反応容器110の側壁を覆うようにリング状部材150が設けられている。リング状部材150の上部は、内側に向かって徐々に内径が小さくなるように丸く形成されている。リング状部材150の内壁は、隔壁部材140の最外周の貫通孔144fを塞がない程度に貫通孔144fに近接す。以下、リング状部材150をプラズマ生成室104の側部に配置し、プラズマ生成室104の空間を狭くすることを、プラズマ生成室104の小径化又は単に小径化とも表記する。
かかる構成のプラズマ処理装置10において、ウェハWにプラズマ処理を行う場合、まずゲートバルブ130を開いて、搬出入口132から処理室102内にウェハWを搬入し、載置台106上に載置する。
次に、ゲートバルブ130を閉じて、排気装置128により処理室102の内部及びプラズマ生成室104の内部を排気して所定の減圧状態にする。また、ウェハWが所定の温度(例えば300℃)になるように、ヒータ電源138からヒータ105に所定の電力を供給する。
続いて、ガス供給部120からプラズマ生成室104内にガス配管121、122及びガス拡散路123を介して水素ガス及びアルゴンガスを供給する。高周波電源118からコイル119に例えば4000Wの高周波電力を供給して、プラズマ生成室104の内部に誘導電磁界を形成する。これにより、プラズマ生成室104において水素ガス及びアルゴンガスからプラズマが生成される。生成されたプラズマのうち、紫外光、イオンは隔壁部材140により遮蔽され、ラジカルが通過する。これにより、処理室102内のウェハWの表面は、紫外光と水素イオンからのダメージを受けることなく、ラジカルによって、例えばウェハW上のフォトレジスト膜のアッシング処理などの所望の処理を実行できる。
なお、本実施形態では、プラズマ生成室104を、誘導結合プラズマ方式によってプラズマを生成するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
[プラズマ生成室におけるガスの流れ]
プラズマ生成室104にてガスの流れが乱れていると、ラジカルが失活等を起こしやすく、アッシング処理におけるアッシングレートの低下等、プラズマ処理の特性に影響を与える。
一方、処理室102においてラジカルにより行うアッシング処理等の特定のプロセスでは、プラズマ生成室104に大流量のガスを導入し、かつ、プラズマ生成室104内を2.5Torr(333Pa)程度又はそれ以上の高圧にすることが好ましい。
そこで、本実施形態に係るプラズマ処理装置10では、プラズマ生成室104の内部に、ガスを整流する機構を設け、プラズマ生成室104内でガスの旋回流を起こし、ガスを整流する。これにより、大流量及び高圧力のプロセス条件においてもプラズマ生成室104におけるガスの乱れを抑制し、ラジカルが失活せずに処理室102に送られるようにする。
[プラズマ生成室におけるガスを整流する機構]
本実施形態におけるプラズマ生成室104に設けられたガスを整流する機構について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3(a)及び図3(b)は、比較例1,2にかかるガス流路の一例を示す図であり、図3(c)は、本実施形態に係るガスを整流する機構の一例を示す図である。図4は、本実施形態に係るガスを整流する機構に形成されたガス流路を説明するための図である。
まず、図3を参照すると、図3(a)に示す比較例1のプラズマ生成室の上面には、複数のガス流入口111が等間隔で形成されている。反応容器110の上面は、蓋体107により閉じられる。なお、図3(a)では、蓋体107の図示を省略し、プラズマ生成室の内部が見えるようになっている。これにより、ガスは、蓋体107によって閉じられた空間に形成されたガス拡散路123を周方向に流れ、ガス拡散路123に連通する複数のガス流入口111の開口からプラズマ生成室104の内部に導入される。
図3(a)に示す比較例1の複数のガス流入口111は、プラズマ生成室の周方向に対して垂直に形成されている。この場合、プラズマ生成室の内部に導入されたガスは整流されず、ガスの流れに乱れが生じることがわかった。
そこで、図3(b)に示す比較例2の複数のガス流入口112は、プラズマ生成室の周方向に対して、ガスの進行方向に向かって斜めに傾くように形成されている。これにより、プラズマ生成室の内部にてガスの淀みが少なくなった。ただし、この場合においても、プラズマ生成室の内部にてガスを整流できるまでには至らず、ガスの流れに乱れが生じることがわかった。
図3(c)は、本実施形態にかかるプラズマ生成室104に設けられたガスを整流する機構Uを示す。本実施形態にかかる反応容器110の上面は、図4(a)に示すように蓋体107により閉じられる。ガスは、蓋体107により閉空間となるガス拡散路123を周方向に流れ、ガス拡散路123に連通する複数のガス流入口113からプラズマ生成室104の内部に導入される。
図4(b)には、図4(a)に示した蓋体107を取り除いた状態を示す。図4(b)の例では、ガス拡散路123に連通する、等間隔に配置された8つのガス流入口113が、ガス拡散路123に対して斜めに形成されている。なお、ガス流入口113は、リング状部材150に形成されてもよいし、反応容器110に形成されてもよいし、反応容器110とリング状部材150に跨って形成されてもよい。また、ガス流入口113は、反応容器110の径が大きくなるほど数を増やし、ガスがプラズマ生成室104内に均等に流入されるようにすることが好ましい。リング状部材150は、複数の第1のガス流路114と複数の第2のガス流路115とを有するガス流路が形成される部材の一例である。
プラズマ生成室104には、複数のガス流入口113に連通し、ガスの流れの方向に向かって、周方向に複数の第1のガス流路114が形成されている。更に、プラズマ生成室104には、複数の第1のガス流路114に一対一に連通し、第1のガス流路114に対して隔壁部材140側に所定の角度に傾斜して複数の第2のガス流路115が形成されている。
本実施形態では、図3(c)及び図4(b)に示すように、複数の第1のガス流路114と複数の第2のガス流路115とは、リング状部材150の曲面又は球面上の内壁に形成された凹みである。複数の第1のガス流路114は周方向に形成されている。複数の第2のガス流路115はガスが流れる方向であって、斜め下方向に傾斜している。第2のガス流路115が傾斜する方向は、ガス流入口113が傾斜する方向と同一又は類似する方向である。かかる構成により、第1のガス流路114及び第2のガス流路115を一組として、複数組の第1のガス流路114及び第2のガス流路115が周方向に配置され、処理室102に向かうガスの旋回流を形成する。さらに、複数組の第1のガス流路114及び第2のガス流路115は、筒状の反応容器110の中心軸に対して対称性を有する位置に形成される。これにより、処理室102に向かう、偏りのないガスの旋回流を作ることができる。
図4(a)の切断部端面図を示す図4(c−1)と、ガス流入口113の近傍を拡大した図4(c−2)とを参照すると、ガス拡散路123は、蓋体107、反応容器110及びリング状部材150により、プラズマ生成室104の上部外周側に全周に渡って形成された閉空間となる。
図4(c−3)は、ガス流入口113の周囲を拡大した斜視図である。この図に示すように、ガス流入口113と第1のガス流路114とが連通する部分の、第1のガス流路114が形成される周方向と逆の方向には、ガスの流れを遮断する壁部116が形成されている。壁部116を設けることにより、ガスが第1のガス流路114に流れる方向とは逆の方向に流れることを防止することができる。
第1のガス流路114は、第2のガス流路115と連通し、当該連通する部分において、第2のガス流路115の断面積は、第1のガス流路114の断面積よりも大きくなっている。これにより、第1のガス流路114内の圧力を、第2のガス流路115内の圧力よりも低くすることで、ガスを流れ易くすることができる。
第2のガス流路115は、第1のガス流路114が形成された周方向に対して隔壁部材140に向かって所定の角度に傾斜して形成される。第2のガス流路115を、ガスの進行方向に対して斜め下側に傾斜させることで、複数の第1のガス流路114を周方向に流れるガス同士が衝突せず、斜め下に流れるようにすることができる。また。ガスをプラズマ生成室104におけるガスの進行方向に対して斜め下方向に絞り込むことで、斜め下に向かうガスの旋回流を形成し、ガスを整流することができる。これにより、ガスをプラズマ生成室104から隔壁部材140に誘導することができる。
また、第2のガス流路115は、先端に向かって細くなっている。これにより、第2のガス流路115の先端に近づくほどガスの流速が早くなる。これにより、ガスの流速を上げてガスの旋回流を起こし易くし、これにより、プラズマ生成室104においてガスを整流することができる。
以上に説明した本実施形態に係るプラズマ生成室104の側壁には、プラズマ生成室104の空間を狭める所定の厚さのリング状部材150が設けられ、リング状部材150に第1のガス流路114及び第2のガス流路115が形成された。しかし、これに限らず、プラズマ生成室104にリング状部材150を設けなくてもよい。この場合、反応容器110にガス流路口113、第1のガス流路114及び第2のガス流路115が形成される。これによってもプラズマ生成室104において斜め下に向かうガスの旋回流を形成し、ガスを整流することができる。
ただし、プラズマ生成室104を小径化する機能を有するリング状部材150をプラズマ生成室104の内壁に設けることで、最外周の貫通孔144fの外側で発生するガスの淀みをなくし、プラズマ生成室104においてガスをより整流し易くすることができる。
よって、リング状部材150の側壁は、隔壁部材140に形成された複数の貫通孔144のうち、最も外側の貫通孔144fにより近接することが好ましい。これにより、プラズマ生成室104の空間を小径化することで、プラズマ生成室104において、ガスの流れをさらに良くすることができる。リング状部材150は、断熱機能を有し、例えば、石英、セラミックスで形成されている。リング状部材150を金属にて形成してもよい。この場合、リング状部材150と反応容器110との間に隙間を設けることで、プラズマ生成室104内の真空空間に形成された隙間により断熱効果を得ることができる。
本実施形態では、ガスは反時計回りに旋回流となってプラズマ生成室104を流れる例を挙げて説明した。しかしながら、これに限らず、ガスは時計回りに旋回流となってプラズマ生成室104を流れるようにしてもよい。この場合、ガス流入口113の傾き、第1のガス流路114が形成される方向、第2のガス流路115が形成される方向と傾きは、基本的に本実施形態と反対となる。
また、本実施形態においてガス流入口113、第1のガス流路114、第2のガス流路115の個数は8つである。しかしながら、複数のガス流入口113、第1のガス流路114、第2のガス流路115の個数はこれに限らず、プラズマ生成室104の中心に対して点対称となる位置に等間隔に配置されればよい。
また、複数のガス流入口113のそれぞれは、同じ形状であり、同じ傾きを有する。複数の第1のガス流路114のそれぞれは、同じ形状であり、同じ方向に形成される。複数の第2のガス流路115のそれぞれは、同じ形状であり、同じ方向に傾けて形成される。
[ガスの流速分布のシミュレーション結果例]
次に、プラズマ生成室104のガスの流速分布のシミュレーション結果の一例について、図5を参照しながら説明する。図5(a)は、図3(a)の比較例1に係るプラズマ生成室におけるガスの流速分布のシミュレーション結果の一例である。図5(b)は、本実施形態に係るプラズマ生成室104におけるガスの流速分布のシミュレーション結果の一例である。図5(a)及び図5(b)では、ガスの流速を高、中、低の3段階で示す。
図5(a)の左側に示す比較例1では、圧力が2.5Torr(333Pa)のプラズマ生成室内に水素ガスを500sccmと、アルゴンガスを6200sccm導入したときのガスの流速分布のシミュレーション結果の一例を示す。図5(a)の左側の上段は、隔壁部材140(Trap)の上面から5mm上におけるプラズマ生成室を流れるガスの流速分布を示す。図5(a)の左側の下段は、隔壁部材140の上面から45mm上におけるプラズマ生成室を流れるガスの流速分布のシミュレーション結果の一例を示す。上記の高圧力及び大流量のガス供給の条件において、いずれの位置においてもプラズマ生成室を流れるガスの流速分布は対称性を有しておらず、ガスに偏りが生じ、ガスを整流できていないことがわかる。
図5(a)の右側に示す比較例1では条件を変化させ、圧力が1.25Torr(166.5Pa)のプラズマ生成室内に水素ガスを500sccmと、アルゴンガスを3700sccm導入したときのガスの流速分布のシミュレーション結果の一例を示す。図5(a)の右側の上下段に示す隔壁部材140から5mm及び45mm上におけるプラズマ生成室を流れるガスの流速分布を示す。圧力及びガス流量を低下させた条件においても、プラズマ生成室を流れるガスの流速分布は対称性を有しておらず、ガスに偏りが生じ、ガスを整流できていないことがわかる。
これに対して、図5(b)に示す本実施形態に係るプラズマ生成室104におけるガスの流速分布のシミュレーション結果の一例では、プラズマ生成室104を流れるガスを整流できていることがわかる。図5(b)では、圧力が2.5Torr(333Pa)のプラズマ生成室内に水素ガスを500sccmと、アルゴンガスを6200sccm導入したときのガスの流速分布を示す。
図5(a)の上段は、隔壁部材140から5mm上におけるプラズマ生成室104を流れるガスの流速分布、下段は、隔壁部材140から45mm上におけるプラズマ生成室104を流れるガスの流速分布のシミュレーション結果の一例を示す。いずれの位置においても、プラズマ生成室104を流れるガスは対称性を有し、ガスに偏りは生じておらず、ガスの旋回流によりガスを整流できていることがわかる。このように、本実施形態に係るプラズマ生成室104内にガスを整流する機構Uを設けたことにより、プラズマ生成室104の真空空間においてほぼ完全に対称なガスの流れを作ることができる。
[ガスの流速のシミュレーション結果例]
次に、プラズマ生成室104内のガスの流速のシミュレーション結果の一例について、図6を参照しながら説明する。図6の横軸は、隔壁部材140(Trap)の上面からの距離(高さ)を示す。隔壁部材140からの距離が50mmの位置が、ガス供給位置(プラズマ生成室104の天井面)である。図6の縦軸は、横軸に示した高さにおけるプラズマ生成室104内のガスの流速を示す。プラズマ生成室104内のガスの流速は、x方向のガスの流速の平均値と、x方向の垂直方向であるy方向のガスの流速の平均値を示す。これにより、横軸に示した高さにおけるガスの流速の面内平均値が示される。
図6の左のグラフの2本の線Ax、Ayは、圧力が2.5Torrのプラズマ生成室104内に水素ガスを500sccmと、アルゴンガスを6200sccm導入したときのx方向のガスの流速の平均値及びy方向のガスの流速の平均値を示す。
2本の線Bx、Byは、圧力が1.25Torrのプラズマ生成室104内に水素ガスを500sccmと、アルゴンガスを6200sccm導入したときのx方向のガスの流速の平均値及びy方向のガスの流速の平均値を示す。
2本の線Cx、Cyは、圧力が2.5Torrのプラズマ生成室104内に水素ガスを500sccmと、アルゴンガスを6200sccm導入したときのx方向のガスの流速の平均値及びy方向のガスの流速の平均値を示す。「小径」とあるのは、プラズマ生成室104内にリング状部材150を有する場合であって、ガスを整流する機構U(第1のガス流路114及び第2のガス流路115)を有さない場合のシミュレーション結果であることを示す。これに対して、線Ax、Ay及び線Bx、Byは、プラズマ生成室104内にリング状部材150及びガスを整流する機構Uを有さない場合のシミュレーション結果である。
これによれば、圧力、ガス種及びガス流量の条件が同じであっても、プラズマ生成室104内にリング状部材150を有する場合(線Cx、Cy)には、リング状部材150を有さない場合(線Ax、Ay)よりもガスの流速にバラツキが少なく、ガスの流速の面内均一性が高いことがわかる。
また、プラズマ生成室104内の圧力を1/2にした場合(線Bx、By)と比較しても、プラズマ生成室104内にリング状部材150を有する場合(線Cx、Cy)には、リング状部材150を有さない場合(線Bx、By)よりもガスの流速にバラツキが少なく、ガスの流速の面内均一性が高いことがわかる。
図6の右のグラフの2本の線Cx、Cyは、図6の左のグラフの2本の線Cx、Cyと同じである。図6の右のグラフの2本の線Dx、Dyは、プラズマ生成室104内にリング状部材150を有し、かつガスを整流する機構Uを有する場合に、同じ条件でガスを流入したときのプラズマ生成室104内のx方向のガスの流速の平均値及びy方向のガスの流速の平均値を示す。
これによれば、プラズマ生成室104内にリング状部材150を有し、かつガスを整流する機構Uを有する場合(線Dx、Dy)には、リング状部材150を有し、ガスを整流する機構Uを有しない場合(線Cx、Cy)と比較して、更にガスの流速にバラツキが1/4以上少なく、ガスの流速の面内均一性が高く、ガスが整流されていることがわかる。
以上から、プラズマ生成室104内にリング状部材150を有し、かつガスを整流する機構Uを有することで、高圧及び大流量のプロセス条件であっても、プラズマ生成室104においてガスを整流することができる。これにより、高圧力及び大流量のプロセス条件においても、プラズマ生成室104においてガスの乱れを抑制し、ラジカルを失活させずに処理室102に供給することができる。また、プラズマ生成室104内にリング状部材150を設けることにより、上記効果を得ることができる。
以上、プラズマ処理装置を上記実施形態により説明したが、本発明にかかるプラズマ処理装置は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
例えば、本発明は、上記リング状部材をプラズマ処理装置のガス流入口近傍に配置することで、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置やALD(Atomic Layer Deposition)装置等のプラズマ処理装置にも適用可能である。
また、本明細書では、基板の一例として半導体ウェハWを挙げて説明した。しかし、基板は、これに限らず、LCD(Liquid Crystal Display)、FPD(Flat Panel Display)に用いられる各種基板や、CD基板、プリント基板等であっても良い。
10 プラズマ処理装置
102 処理室
104 プラズマ生成室
105 ヒータ
106 載置台
107 蓋体
110 反応容器
116 壁部
118 高周波電源
119 コイル
120 ガス供給部
121,122 ガス配管
123 ガス拡散路
126 排気口
128 排気装置
130 ゲートバルブ
134 ライナー
140 隔壁部材
144 貫通孔
150 リング状部材
U ガスを整流する機構

Claims (10)

  1. ガス流入口と、該ガス流入口に連通し、ガスを流すガス流路と、該ガス流路の下方に位置し、ガスから生成したプラズマによる処理を行う処理室とを有する反応容器を備え、
    前記ガス流路は、
    前記反応容器の内部に周方向に形成され、前記ガス流入口からのガスを流す第1のガス流路と、
    周方向に対して前記処理室に向かって所定の角度に傾斜して前記反応容器の内部に形成され、前記第1のガス流路からのガスを流す第2のガス流路とを有し、
    前記第1のガス流路及び前記第2のガス流路を一組として、複数組の前記第1のガス流路及び前記第2のガス流路が周方向に配置され、前記処理室に向かうガスの旋回流を形成する、
    プラズマ処理装置。
  2. 前記反応容器は、ガスからプラズマを生成するプラズマ生成室と、複数の貫通孔が形成され、前記プラズマ生成室と前記処理室との間に設けられる隔壁部材と、を有し、
    前記ガス流路は、前記プラズマ生成室に設けられる、
    請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記ガス流入口は、複数の前記第2のガス流路が傾斜する方向と同一又は類似する方向に傾斜している、
    請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記反応容器は、
    複数の前記第1のガス流路と前記ガス流入口とが連通する部分の、前記第1のガス流路が形成される方向と逆方向に、ガスの流れを遮断する壁部を有する、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  5. 複数の前記第1のガス流路と複数の前記第2のガス流路とは、それぞれのガス流路の端部にて連通し、前記連通する部分において前記第2のガス流路の断面積は、前記第1のガス流路の断面積よりも大きい、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  6. 複数の前記第2のガス流路は、先端に向かって細く形成されている、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記反応容器の内部には、ガス流路が形成される部材が設けられ、
    前記ガス流路が形成される部材に、前記ガス流路が形成される、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記反応容器の内部には、ガス流路が形成される部材が設けられ、
    前記ガス流路が形成される部材の側壁は、前記隔壁部材に形成された複数の貫通孔のうち、最も外側の貫通孔に近接する、
    請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  9. 複数組の前記第1のガス流路及び前記第2のガス流路は、前記反応容器の中心軸に対して対称性を有する位置に形成される、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  10. ガス流入口を有し、ガスから生成したプラズマによる処理を行う処理室を有する反応容器に取り付け可能な、ガス流路が形成される部材であって、
    前記ガス流路が形成される部材の内部に周方向に形成され、前記ガス流入口からのガスを流す第1のガス流路と、
    前記反応容器に取り付けられたときに、周方向に対して前記処理室に向かって所定の角度に傾斜して前記ガス流路が形成される部材の内部に形成され、前記第1のガス流路からのガスを流す第2のガス流路と、を有し、
    前記第1のガス流路及び前記第2のガス流路を一組として、複数組の前記第1のガス流路及び前記第2のガス流路が周方向に配置され、ガスの旋回流を形成する、
    ガス流路が形成される部材。
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