JP2019073777A - 混合ガスおよびそれを用いた溶射皮膜の形成方法 - Google Patents

混合ガスおよびそれを用いた溶射皮膜の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安定的にプラズマ溶射を行うことができ、かつ組織が緻密で、基材と皮膜との境界近傍における空隙の少ないプラズマ溶射皮膜を形成できるプラズマ形成用のガスおよび溶射皮膜の形成方法を提供する。【解決手段】混合ガスは、基材上に溶射皮膜を形成するためのプラズマ溶射におけるプラズマ形成用ガスとして用いられる混合ガスであって、1体積%以上5.5体積%以下の水素を含有し、残部が窒素および不可避的不純物からなる。【選択図】図3

Description

本発明は、混合ガスおよびそれを用いた溶射皮膜の形成方法に関するものである。
溶射は、溶射材料を加熱により溶融又は軟化させ、微粒子状にして加速し基材の表面に溶射材料を吹付けて、その表面上に溶射材料を堆積させることにより皮膜を形成するコーティング技術の一種である。溶射は皮膜形成速度が早く、また適用可能な基材が多いことが特徴である。また溶射材料としても、金属、合金、セラミック、およびサーメット(セラミックスと金属あるいは合金とを組み合わせたもの)などの様々な材料を利用可能なことから、工業的に広く利用されている。
溶射法には様々な方式があり、プラズマ溶射はその一つである。プラズマ溶射においては、まずカソード−アノード間にガスを導入し、導入されたガスに通電することでプラズ流が形成される。そのプラズマ流に溶射材料粉末を投入すると、溶射材料粉末はプラズマの熱エネルギーにより溶融した状態で基材へと運ばれる。溶融した溶射材料粉末が基材に衝突し、基材上に堆積されて凝固することにより皮膜が形成される。例えば特許文献1には、プラズマ溶射による皮膜形成方法の一例が開示されている。
特開2014−240511号公報
プラズマ溶射においては組織が緻密な皮膜が形成されることが望ましい。特に基材との密着性を確保するため、基材と皮膜との境界近傍において空隙の少ない緻密な構造が形成されることが望ましい。またプラズマ溶射が安定的に行えることが望ましい。そこで安定的にプラズマ溶射を行うことができ、かつ組織が緻密で、基材と皮膜との境界近傍における空隙の少ないプラズマ溶射皮膜を形成できるプラズマ形成用のガスおよび溶射皮膜の形成方法を提供することを目的とする。
本発明に従った混合ガスは、基材上に溶射皮膜を形成するためのプラズマ溶射におけるプラズマ形成用ガスとして用いられる混合ガスであって、1体積%以上5.5体積%以下の水素を含有し、残部が窒素および不可避的不純物からなる。
本発明者らの検討によれば、プラズマ溶射においてはプラズマ形成用のガスの種類によって皮膜の形成状態およびプラズマ溶射時の安定性に大きく影響を受けることが判明した。プラズマ溶射においては、アノード−カソード間に導入されるプラズマ源のガスとして、一般的に不活性ガスであるアルゴン(Ar)ガスが使用されている。その理由としてArガスは比較的プラズマ化するのが容易であること、および不活性ガスは金属との反応による副生物を形成しにくいという理由がある。
一方、本発明者らは窒素(N)ガスに所定量の水素(H)を含む混合ガスを用いてプラズマ溶射を行うと、Arガスを用いる場合よりも皮膜特性に優れた溶射皮膜が形成されることを見出した。具体的には、1体積%以上5.5体積%以下の水素を含有し、残部が窒素および不可避的不純物からなる混合ガスを用いることにより、Arガスを使用した場合よりも組織の緻密度の高い皮膜が形成される。また基材との境界付近においても空隙が少なく充分に密な構造が形成される。このように上記混合ガスを用いることで良質な溶射皮膜が得られる。
さらに上記混合ガスを用いると、プラズマ溶射時のアノード−カソード間に印加される電圧の変動が極めて少なく、安定した状態で溶射皮膜を形成できる。
上記混合ガス中の水素の含有量は3体積%以上5.5体積%以下であってもよい。このような範囲であれば、良質な溶射皮膜を形成する、という上記本発明の効果をより確実に発揮することができる。
不可避的不純物の含有量は0.1体積%未満であってもよい。これにより、混合ガスの特性が安定し、プラズマ溶射により良質な溶射皮膜をより確実に得ることができる。混合ガスの特性の安定性を一層向上させるためには、上記不可避的不純物は0.05体積%未満であることが好ましく、0.01体積%未満であることがより好ましく、0.005体積%未満であることが特に好ましい。
上記混合ガスは容器内に封入されていてもよく、また容器内の圧力が35℃において1MPa以上14.7MPa以下であってもよい。このような状態で容器内に混合ガスが封入されていることにより、混合ガスの運搬が可能で、かつ均一な混合比でのガスの吐出が容易となる。
上記溶射皮膜は、アルミナ皮膜であってもよい。上記混合ガスはアルミナの溶射皮膜を形成するのに特に適している。なおアルミナ皮膜とはアルミナを主成分とする皮膜であり、より具体的には溶射皮膜の50質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上がアルミナである皮膜である。
また本発明は溶射皮膜の形成方法にも関する。本発明の溶射皮膜の形成方法は、基材を準備する工程と、主ガスを流しながら、主ガスに含まれる原子を電離させてプラズマを順次形成することによりプラズマ流を形成する工程と、プラズマ流により溶射材料を溶融しながら基材まで搬送し、溶融した溶射材料を基材上に堆積させ凝固させることにより、基材上に溶射皮膜を形成する工程と、を含む。上記主ガスは1体積%以上5.5体積%以下の水素を含有し、残部が窒素および不可避的不純物からなる混合ガスである。
本発明に係る溶射皮膜の形成方法によれば、上記本発明の混合ガスが主ガス(プラズマ形成用ガス)として使用されることにより、安定的にプラズマ溶射を行うことができ、かつ組織が緻密で、基材と皮膜との境界近傍における空隙の少ないプラズマ溶射皮膜を形成することができる。
上記溶射皮膜の形成方法において、溶射材料がアルミナ粉末材料であってもよい。上記方法はアルミナの溶射皮膜を形成するのに適している。
上記溶射皮膜の形成方法は、不活性ガスからなる副ガスに電圧を印加し前駆放電することによりプラズマを発生させる工程をさらに含んでもよい。またプラズマ流を形成する工程において、プラズマ流を、プラズマを発生させる工程において発生したプラズマに接触するように主ガスを流しながら主ガスに電圧を印加することにより形成する工程を含むようにしてもよい。主ガスよりもプラズマが発生しやすい不活性ガスに電圧を印加して前駆放電することによりプラズマを発生させ、そのプラズマのエネルギーを利用して主ガスからプラズマ流を形成する2段階の工程を採ることで、プラズマ流の形成が容易となる。加えて不活性ガスを用いることで電極が保護されるため、溶射装置の劣化を抑制できる。
またプラズマを発生させる工程において使用される上記副ガスはアルゴンガスであってもよい。アルゴンは比較的プラズマを発生させやすいことから、電圧を印加し前駆放電することによりプラズマを発生させる工程がより容易に実行できる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば安定的にプラズマ溶射を行うことができ、かつ組織が緻密で、基材と皮膜との境界近傍における空隙の少ないプラズマ溶射皮膜を形成することができる。
プラズマ溶射の手順の概略を示すフローチャートである。 基材上に形成された溶射皮膜の一例を示す図である。 プラズマ溶射装置の一例を示す概略図である。 実施例において形成された溶射皮膜の断面写真である。 実施例において形成された溶射皮膜の表面の拡大写真である。 比較例1において形成された溶射皮膜の断面写真である。 比較例1において形成された溶射皮膜の表面の拡大写真である。 比較例2において形成された溶射皮膜の断面写真である。 比較例2において形成された溶射皮膜の表面の拡大写真である。 比較例3において形成された溶射皮膜の断面写真である。 比較例3において形成された溶射皮膜の表面の拡大写真である。 比較例4において形成された溶射皮膜の断面写真である。 比較例4において形成された溶射皮膜の表面の拡大写真である。 比較例5において形成された溶射皮膜の断面写真である。 比較例5において形成された溶射皮膜の表面の拡大写真である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の混合ガスおよび溶射皮膜の形成方法の実施の形態を説明する。
[混合ガス]
本実施の形態に係る混合ガスは、基材上に溶射皮膜を形成するためのプラズマ溶射におけるプラズマ形成用ガスとして用いられる混合ガスであって、1体積%以上5.5体積%以下の水素を含有し、残部が窒素および不可避的不純物からなる。
上記混合ガスを用いてプラズマ溶射を行うと、アルゴンガスなどの他のガスを使用する場合と比較して、組織が緻密でかつ、基材と皮膜との境界近傍における空隙の少ないプラズマ溶射皮膜を形成することができる。また安定的に溶射を行うことができる。また上記混合ガスはアルミナの溶射皮膜をプラズマ溶射により形成するのに特に適している。
上記水素の含有量は、1体積%より増えるごとにより安定的に、より緻密な溶射皮膜を形成することができる。一方、その効果は5.5体積%を超えても飽和する。効果に特に差がなければ、設備設計などの観点から水素の使用量は少ないほうが望ましい。そのため、上記水素の含有量は、好ましくは2体積%以上5.5体積%以下、より好ましくは3体積%以上5.5体積%以下、さらに好ましくは4.5体積%以上5.5体積%以下である。水素の含有量を2体積%以上、より好ましくは3体積%以上、さらには4.5体積%以上とすることにより、組織が緻密で、基材に対し充分な密着性を有する溶射皮膜を安定的に形成することができる。
上記不可避的不純物の含有量はできる限り少ないのが好ましく、具体的には0.1体積%未満であるのが好ましい。不可避的不純物の含有量が0.1体積%未満であれば、溶射皮膜への不純物の混入が少ない状態でより安定的にプラズマ溶射を行うことができる。上記不可避的不純物は0.05体積%未満であることが好ましく、0.01体積%未満であることがより好ましく、0.005体積%未満であることが特に好ましい。
上記混合ガスは、プラズマ溶射が実施される場所において窒素と水素を混合して調製し、使用してもよい。また予め混合されたガスをボンベなどの容器に封入し、プラズマ溶射が実施される場所においてその容器から供給されるようにしてもよい。このように容器に封入された混合ガスは、容器弁を備えた窒素ガス封入容器と、容器弁を備えた水素ガス封入容器とを、それぞれボンベなどの混合ガスを供給すべき容器に接続し、まず容器弁の圧力を管理しながら所定量の水素を、混合ガスを供給すべき容器に導入し、次に水素よりも重い窒素ガスを容器弁の圧力を管理しながら導入することにより製造することができる。
上記混合ガスは運搬性、交換の容易性、ガスの均質性、ガス供給設備のシンプルさなどの観点からボンベなどの容器に封入された状態であるのが好ましい。この場合、効率的な運搬を達成するために、容器内の圧力を上昇させることが望ましい。具体的には、上記混合ガスが容器内に封入された状態であって、容器内の圧力が35℃において1MPa以上14.7MPa以下であるのが好ましい。このような状態で容器内に混合ガスが封入されていることにより、混合ガスが効率的に運搬でき、かつ均一な混合比でのガスの吐出が容易となる。
[溶射皮膜の形成方法]
次に、上記混合ガスを用いた溶射皮膜の形成方法について、図面に基づいて説明する。図1はプラズマ溶射の手順の概略を示すフローチャートである。図2は基材上に形成された溶射皮膜の一例を示す図である。図3はプラズマ溶射装置の一例を示す概略図である。
本実施の形態に係る溶射皮膜の形成方法は、基材を準備する工程と、主ガスを流しながら、主ガスに含まれる原子を電離させてプラズマを順次形成することによりプラズマ流を形成する工程と、プラズマ流により溶射材料を溶融しながら基材まで搬送し、溶融した溶射材料を基材上に堆積させ凝固させることにより、基材上に溶射皮膜を形成する工程と、を含む。
図1を参照して、本実施の形態に係る溶射皮膜の形成方法においては、ステップS10およびステップS20の工程が実施される。最初に溶射皮膜が形成される基材を準備する(S10)。次に溶射装置にて、プラズマ形成用ガスを用いて基材上に溶射皮膜を形成する(S20)。その結果、図2に示すように基材10上に溶射皮膜12が形成される。なお上記基材10を準備する工程をステップS10に、上記プラズマ流形成工程および基材10上に溶射皮膜12を形成する工程はステップS20に相当する。以下にその詳細を説明する。
溶射皮膜12の形成方法においては、まず溶射皮膜12が形成される基材10を準備する(S10)。本方法において準備される基材10としては、鉄鋼・非鉄金属・セラミックなどの多様な基材を用いることができる。本実施の形態においては、基材10の一例として鉄製の基材を使用する。
次に基材10上に溶射皮膜12を形成する(S20)。溶射皮膜12の形成には、プラズマ溶射装置100を使用する。プラズマ溶射装置100を用いて、主ガスを流しながら、主ガスに含まれる成分を電離させてプラズマを順次形成することによりプラズマ流52を形成する工程と、プラズマ流52により溶射材料(アルミナ粒子14)を溶融しながら基材10まで搬送し、溶融した溶射材料(アルミナ粒子14)を基材10上に堆積させ凝固させることにより、基材10上に溶射皮膜12を形成する工程とを実施する。図3に示すプラズマ溶射装置100を参照してその方法を説明する。
[プラズマ溶射装置100の構造]
まずプラズマ溶射装置100の構造について説明する。プラズマ溶射装置100は、主トーチ(カソードトーチ)20と、2つの副トーチ(アノードトーチ)40Aおよび40Bとを有する。主トーチ20は、主陰極支持部23と、第1主外套24と、第2主外套26とを備える。主陰極支持部23は中心軸周辺に主陰極22を保持するための貫通穴を有する。また第1主外套24および第2主外套26は、それぞれ中心軸周辺に貫通穴を有する円盤状の形状を有する。主陰極支持部23、第1主外套24、および第2主外套26は導体からなる。主陰極支持部23と、第1主外套24との間には絶縁体からなる第1絶縁層33を備える。第1主外套24と第2主外套26との間には絶縁体からなる第2絶縁層35を備える。主陰極支持部23と、第1絶縁層33と、第1主外套24と、第2絶縁層35と、第2主外套26とは、それぞれの中心軸が一致するように、溶射されるべき基材10に向かってこの順に配置されている。
主陰極支持部23の中心軸を中心として、主陰極支持部23を貫通するように主陰極22が配置される。主陰極22は円筒状の本体部と円錐体状の先端部とを有し、本体部が主陰極支持部23の中心軸周辺の領域を貫通するように主陰極支持部23に支持されている。
第1絶縁層33から第1主外套24に至る中心軸周辺の領域には、内部が空洞の第1チャンバ28が設けられている。主陰極22の先端部は第1チャンバ28内に到達している。また第2絶縁層35から第2主外套26に至る中心軸周辺の領域には、内部が空洞の第2チャンバ30が設けられている。第1チャンバ28には第1チャンバ28内に副ガス(本実施形態においてはアルゴンガス)を導入するための副ガス導入ライン32が接続されている。副ガス導入ライン32は、第2絶縁層35を周方向に貫通するように延在している。また第2チャンバ30には第2チャンバ30内に上記混合ガスを主ガスとして導入するための主ガス導入ライン34が接続されている。主ガス導入ライン34は、第1絶縁層33を周方向に貫通するように延在している。また第1チャンバ28と第2チャンバ30とは、中心軸周辺の領域において互いに連通するように主トーチ20の中心軸周辺で接続され、第2主外套26の端部にて開口している。
第2主外套26には、中心軸周辺の領域を貫通し、溶射されるべき基材10側に向けて延出する中空円筒状のアクセルノズル36を備える。第1チャンバ28から、第2チャンバ30を介してアクセルノズル36に至るプラズマ導出路が形成され、アクセルノズル36の開口部からプラズマ流52が導出される。
第1副トーチ40Aは、円盤状の第1副陰極支持部45Aと、中心軸周辺に開口部(放出口)を有する円盤型の第1副外套44Aとを備える。第1副陰極支持部45Aと第1副外套44Aとの間には円盤型の第3絶縁層43Aを備える。第1副陰極支持部45Aと、第3絶縁層43Aと、第1副外套44Aとは中心軸が一致するようにこの順に配置されている。第3絶縁層43Aから第1副外套44Aに至る中心軸周辺の領域には、内部が空洞の第1副チャンバ48Aが設けられている。第1副チャンバ48Aには、第1副トーチ40A内にてプラズマを形成するためのガス(本実施形態においてはアルゴンガス)を導入するためのガス導入ライン46Aが接続されている。ガス導入ライン46Aは、第3絶縁層43Aを周方向に貫通するように延在している。
第1副トーチ40Aは、さらに本体部が円柱状で先端が円錐体状の第1副陰極42Aを備える。第1副陰極42Aの本体部は、第1副陰極支持部45Aの中心軸周辺の領域を貫通するように主陰極支持部23に支持されている。
同様に、第2副トーチ40Bは、円盤状の第2副陰極支持部45Bと、中心軸周辺に開口部(放出口)を有する円盤型の第2副外套44Bとを備える。第2副陰極支持部45Bと第2副外套44Bとの間には円盤型の第4絶縁層43Bを備える。第2副陰極支持部45Bと、第4絶縁層43Bと、第2副外套44Bとは中心軸が一致するようにこの順に配置されている。第4絶縁層43Bから第2副外套44Bに至る中心軸周辺の領域には、内部が空洞の第2副チャンバ48Bが設けられている。第2副チャンバ48Bには、第2副トーチ40B内にてプラズマを形成するためのガス(本実施形態においてはアルゴンガス)を導入するためのガス導入ライン46Bが接続されている。ガス導入ライン46Bは、第4絶縁層43Bを周方向に貫通するように延在している。
第2副トーチ40Bは、さらに本体部が円柱状で先端が円錐体状の第2副陰極42Bを備える。第2副陰極42Bの本体部は、第1副陰極支持部45Aの中心軸周辺の領域を貫通するように主陰極支持部23に支持されている。
主トーチ20、第1副トーチ40A、および第2副トーチ40Bは、円筒状のフレーム90によって互いに連結されている。主トーチ20の下流側(溶射されるべき基材10の側)には、溶射材料(アルミナ)の粉末を供給するための管状の溶射材料供給ライン50が配置されている。溶射材料供給ライン50の先端は、プラズマ流52の流路上に溶射材料粉が投入可能な位置に配置される。
プラズマ溶射装置100の先端部の開口部54からはプラズマ流52が噴出される。開口部54付近にはプラズマトリミング部56が配置される。プラズマトリミング部56には外部から空気が供給され、プラズマ流52をトリミングすることによりプラズマ流52の噴出方向が制御され、高エネルギーのプラズマ流52を上記開口部54から噴出することができる。なおプラズマトリミング部56については設置は任意である。
第1主電源70Aおよび第2主電源70Bの負端子は、主トーチ20の主陰極22に電気的に接続されている。第1主電源70Aの正端子はスイッチ78Aを介して第1副トーチ40Aの第1副外套44Aに接続されている。また第1主電源70Aの正端子はスイッチ74を介して第1主外套24に電気的に接続されている。さらに第1主電源70Aの正端子はスイッチ76を介して第2主外套26に電気的に接続されている。第2主電源70Bの正端子はスイッチ78Bを介して第2副トーチ40Bの第2副外套44Bに接続されている。
第1副電源72Aの負端子は、スイッチ80Aを介して第1副トーチ40Aの第1副陰極42Aに電気的に接続されている。第1副電源72Aの正端子は、第1副外套44Aに電気的に接続されている。
第2副電源72Bの負端子は、スイッチ80Bを介して第2副トーチ40Bの第2副陰極42Bに電気的に接続されている。第2副電源72Bの正端子は、第1副外套44Aに電気的に接続されている。
なお本実施の形態においては、2つの副トーチ40Aおよび40Bを有するプラズマ溶射装置100の例について説明したが、副トーチの数は2つに限定されない。例えば、円筒状のフレーム90の周方向に1つ、又は3つ以上の副トーチを配置してもよい。
また第1副トーチ40Aおよび第2副トーチ40Bは省略することも可能であるが、これらの2つの副トーチ40A,40Bを有することで、プラズマ62Aおよびプラズマ62Bによりプラズマ流52の噴出方向が安定する。またこれらの2つの副トーチ40A,40Bを有することで、主トーチ20と、第1副トーチ40Aおよび第2副トーチ40Bとの間に発生するアーク60のゆらぎが抑制されて、アーク60の位置が安定する。アーク60の位置が安定することで、安定的なプラズマ溶射を行うことができる。
[溶射の手順]
次にプラズマ溶射装置100を用いて溶射皮膜12を形成する手順について説明する。まず、プラズマ溶射装置100内で初期のプラズマを形成して(以降、初期のプラズマを形成することを「点火」と呼ぶ)、プラズマ溶射装置100を起動させる。点火は、点火用の補助ガスとしてアルゴンガスなどの不活性ガスを流しながら、主陰極22と、点火用補助電極として作用する第1主外套24との間に電圧を印加することにより行う。具体的には、図3を参照して、まず副ガス導入ライン32から副ガス(アルゴン(Ar)などの不活性ガス)を第1チャンバ28内に導入する。副ガスを流したまま、スイッチ76とスイッチ78Aを開き、スイッチ74を閉じて、第1主電源70Aから主トーチ20の主陰極22と第1主外套24との間に電圧を印加する。そうすると、主陰極22の先端から第1主外套24の放出口に向かって起動アークが形成される。これによって第1チャンバ28内に導入された副ガスが加熱され、プラズマとなって第1主外套24の放出口から放出される。
次に主ガス導入ライン34から主ガス(本実施の形態に係る混合ガス)を第2チャンバ30内に導入する。スイッチ74を開くと共に、スイッチ76を閉じることによって、プラズマのアノード点は第1主外套24から第2主外套26へと移行する。これにより第2チャンバ30内の混合ガスが加熱されてプラズマとなり、混合ガスのガス流により第2主外套26の放出口からプラズマ流52として放出される。プラズマ流52は、さらにアクセルノズル36により加速され、溶射すべき方向(開口部54に向かう方向)へと噴出される。
上記主ガスとして主ガス導入ライン34から導入されるガスは、基材10上に溶射皮膜12を形成するためのプラズマ溶射におけるプラズマ形成用ガスとして用いられる混合ガスであって、1体積%以上5.5体積%以下の水素(H)を含有し、残部が窒素(N)および不可避的不純物からなる混合ガスである。
次に第1副トーチ40Aおよび第2副トーチ40Bの点火を行う。ガス導入ライン46Aからアルゴンなどの不活性ガスを導入しながら、スイッチ80Aを閉じて、第1副電源72Aから第1副陰極42Aと第1副外套44Aとの間に電圧を印加する。そうすると、第1副陰極42Aとの先端から第1副外套44Aの放出口に向かって起動アークが形成される。これによって第1副チャンバ48A内に導入された副ガスが加熱され、プラズマ62Aとなって第1副外套44Aの放出口から放出される。同様に、スイッチ80Bを閉じて、第2副電源72Bから第2副陰極42Bと第2副外套44Bとの間に電圧を印加する。そうすると、第2副陰極42Bとの先端から第2副外套44Bの放出口に向かって起動アークが形成される。これによって第2副チャンバ48B内に導入された副ガスが加熱され、プラズマ62Bとなって第2副外套44Bの放出口から放出される。
プラズマ62Aおよびプラズマ62Bの放射方向は、それぞれ、第2主外套26の放出口から開口部54を通じて噴出されるプラズマ流52の噴出方向軸と交差する。プラズマ流52およびプラズマ62Aは導電性であるので、このようにして主陰極22から第1副陰極42Aのアノード点に至るプラズマによる導電路が形成される。同様に主陰極22から第2副陰極42Bのアノード点に至るプラズマによる導電路が形成される。これにより安定したプラズマが形成される。
また、上記2つの副トーチ40A,40Bとともに、プラズマ流52の噴出軸の中心方向にプラズマトリミング部56から空気を吹き付けることにより、プラズマトリミング部56によるプラズマトリミングにより溶射材料の溶融に貢献しないプラズマ流52の熱をトリムし、基板材料及び膜への熱負荷を軽減し、短距離での溶射を可能にする。
プラズマ流52が形成された状態で、溶射材料供給ライン50から溶射材料としてアルミナ粉末材料を投入すると、プラズマ流52の熱によって溶融する。溶融し、ディスク状に変形したアルミナ粒子14はプラズマ流52の流れにのってプラズマ溶射装置100の開口部54から基材10に衝突し、基材10の表面で凝固して、溶射皮膜12が形成される。
プラズマ流52はほぼ主ガス(上記混合ガス)由来のプラズマにより形成されている。主ガス導入ライン34に導入される主ガスである上記混合ガスの流量と、副ガス導入ライン32に導入されるアルゴンガスの流量の比は、例えば主ガス/副ガス=100超/1である。同様に、主トーチ20に導入される上記混合ガスの流量と、第1副トーチ40Aおよび第2副トーチ40Bに導入されるアルゴンガスの比は、例えば混合ガス/アルゴンガス=100超/1である。そのため、溶射皮膜12の品質は主ガスである上記混合ガスによって決定される。
主ガスとして例えばアルゴンなどの他のガスを使用した場合、溶射材料供給ライン50からアルミナ粉末を供給するとその影響によりアーク60にはゆらぎが生じることがある。これに対し、窒素を基本ガスとし、少量の水素を含む混合ガスをプラズマ形成用ガスとして用いた場合、印加される電圧および流れる電流の変動が抑制される。その結果、溶射時におけるアーク60のゆらぎが少なく、アーク60の状態が極めて安定する。この場合、溶射材料であるアルミナの粒子はより均一に加熱されることから、安定した品質の溶射皮膜12を形成することができる。また上記混合ガスを使用して形成される溶射皮膜12は、アルゴンガスなどの他のガスを使用する場合と比較して、組織が緻密で、溶射皮膜12と基材10の境界近傍における空隙が少ない。
このように、上記混合ガスを主ガスとして溶射を行うことにより、組織が緻密で、基材10と皮膜との境界近傍における空隙の少ない溶射皮膜12を安定的に形成することができる。
上記に示すプラズマ溶射装置100を用い、異なる組成を有する各主ガスを用いてプラズマ溶射を行って溶射皮膜12を形成することにより、本発明の効果を確認する実験を行った。実験の手順は以下の通りである。
基材10として鉄製の板状基材を準備した。さらに溶射材料としてアルミナ粉末を準備した。そして上記実施の形態と同様の手順で所定の主ガスを主ガス導入ライン34からプラズマ溶射装置100内に導入しながら基材10にまで到達するプラズマ流52を形成し、溶射材料供給ライン50からアルミナ粉末をプラズマ流52中に供給した。そのまま基材10上に、溶融したアルミナ粒子14を含むプラズマ流52を吹付け、溶射皮膜12を形成した。
使用した主ガスごとに溶射皮膜の緻密さとプラズマ溶射時の電圧の安定性を評価した。プラズマ溶射時の電圧の安定性は、溶射中における、主トーチ(カソードトーチ)20の主陰極22と第2主外套26との間に印加される電圧の変動幅(V)を指標として評価した。この指標は、アーク60の安定性を示すものであって、電圧の変動幅が小さいほど安定的にプラズマ溶射が可能であることを示す。溶射皮膜の緻密さ、並びに印加電圧および電圧の変動幅の結果を表1に示す。
※1 実施例および比較例1〜比較例3と比較して気孔が多いのは明らかなため、具体的な数値は測定せず。
また実施例および比較例において形成された溶射皮膜の断面写真および表面の拡大写真を図4〜図15に示す。図4は実施例において形成された溶射皮膜の断面写真である。図5は実施例において形成された溶射皮膜の表面の拡大写真である。図4および図5は本発明の一例に含まれる混合ガス(窒素+5体積%水素)を使用して形成された溶射皮膜の写真である。
図6、図8、図10、図12および図14はそれぞれ、比較例1〜比較例5において形成された溶射皮膜の断面写真である。図7、図9、図11、図13はそれぞれ、は比較例1〜比較例5において形成された溶射皮膜の表面の拡大写真である。
図6および図7は主ガスとして窒素を使用して形成された溶射皮膜(比較例1)の断面写真である。図8および図9は主ガスとしてアルゴンを使用して形成された溶射皮膜(比較例2)の断面写真である。図10および図11は主ガスとして(アルゴン+5.0%水素)からなる混合ガスを使用して形成された溶射皮膜(比較例3)の断面写真である。図12および図13は主ガスとしてヘリウムを使用して形成された溶射皮膜(比較例4)の断面写真である。図14および図15は主ガスとして炭酸ガス(COガス)を使用して形成された溶射皮膜(比較例5)の断面写真である。
[評価結果]
[1.組織の緻密性]
表1および図4〜図15の写真を参照して、主ガスとして5.0体積%の水素を含有し、残部が窒素および不可避的不純物からなる混合ガスを使用した実施例では溶射皮膜12a(図4)の気孔率が4.0%と、実施例および比較例の中で最も低く、組織が最も緻密な皮膜が得られた。これは、例えば一般的なプラズマ形成用ガスとして広く使用されている比較例3のアルゴンガスの溶射皮膜12c(13.0%、図8)と比較しても顕著に気孔率が低く、組織が緻密であった。
また基本ガスとしてアルゴンガスを用いた場合と窒素ガスを用いた場合とで結果が大きく異なっていた。比較例3と比較例4を比較すると、アルゴンガスのみを使用した比較例3の溶射皮膜12cの気孔率が13.0%であるのに対し、(アルゴン+5.0%水素)からなる混合ガスを使用した比較例4においては溶射皮膜12dの気孔率が14.0%と、5.0%の水素を含有することで緻密性が減少していることがわかる。一方、窒素のみを使用した比較例2の溶射皮膜12bの気孔率が5.8%であるのに対し、(窒素+5.0%水素)からなる混合ガスを使用した実施例においては溶射皮膜12dの気孔率が4.0%であった。このときの気孔率の減少率は[(5.8‐4.0)/5.8]×100=31%であった。アルゴンを基本ガスとした場合、5.0%の水素を含有すると気孔率が上昇したのに対し、窒素を基本ガスとした場合には5.0%の水素を含有することにより緻密性が大きく向上した。これは予想外の効果であった。
また別の不活性ガスであるヘリウムを主ガスとして使用した比較例4の溶射皮膜12e(図12)と、実施例の溶射皮膜12a(図4)とを比較すると、図12の溶射皮膜12eは基材10と溶射皮膜12eの境界付近に大量の気孔が形成されており、明らかに組織の緻密性が劣っていた。またこのように溶射皮膜12eと基材10との境界付近に気孔が多く存在する場合、溶射皮膜12eと基材10との間の密着性も劣る。それに対し、図4の写真からわかるように、実施例の溶射皮膜12aは、溶射皮膜12aと基材10との境界付近を含む全ての領域において緻密な組織が形成されている。
また炭酸ガス(COガス)を主ガスとして使用した比較例5の溶射皮膜12f(図14)と、実施例の溶射皮膜12a(図4)とを比較すると、溶射皮膜12fは皮膜全体に気孔が多く形成され、溶射皮膜12aと比較して明らかに緻密性が劣ることが確認できる。
このように、本発明の混合ガスにより、組織が緻密で、基材に対し充分な密着性を有するプラズマ溶射皮膜が形成できることが確認できた。
[2.溶射時の電圧の安定性]
表1に示すように、5.0体積%の水素を含有し、残部が窒素および不可避的不純物からなる混合ガスを主ガスとして使用した実施例においては、溶射中にアノード‐カソード間に印加される電圧の振れ幅(V)が比較例に比べて顕著に低かった。これはプラズマ溶射装置100においてプラズマを形成するためのアーク60が安定していることを示している。これにより安定的な溶射が達成されていることがわかる。
一方、アルゴンを基本ガスとした場合、5.0%の水素を含有してもこのような効果は見られない。したがって、主ガスとして窒素のみを使用した場合と比べて、5.0体積%の水素を含有し、残部が窒素および不可避的不純物からなる混合ガスを主ガスとした場合に溶射時の電圧が顕著に安定する効果は予想外の効果であった。
以上の結果より、1体積%以上5.5体積%以下の水素を含有し、残部が窒素および不可避的不純物からなる本発明の混合ガスを基材上に溶射皮膜を形成するためのプラズマ溶射におけるプラズマ形成用のガスとして用いることにより、組織が緻密で、基材に対し充分な密着性を有するプラズマ溶射皮膜を安定的に形成できることが確認された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の混合ガスおよびそれを用いた溶射皮膜の形成方法は、緻密で基材に対する密着性が高い溶射皮膜が必要とされる分野において、特に有利に適用され得る。
10 基材、12,12a〜12f 溶射皮膜、14 アルミナ粒子、20 主トーチ、22 主陰極、23 主陰極支持部、24 第1主外套、26 第2主外套、28 第1チャンバ、30 第2チャンバ、32 副ガス導入ライン、33 第1絶縁層、34 主ガス導入ライン、35 第2絶縁層、36 アクセルノズル、40A 第1副トーチ、40B 第2副トーチ、42A 第1副陰極、42B 第2副陰極、43A 第3絶縁層、43B 第4絶縁層、44A 第1副外套、44B 第2副外套、46A ガス導入ライン、46B ガス導入ライン、48A 第1副チャンバ、48B 第2副チャンバ、50 溶射材料供給ライン、52 プラズマ流、54 開口部、56 プラズマトリミング部、60 アーク、62A,62B プラズマ、70A 第1主電源、70B 第2主電源、72A 第1副電源、72B 第2副電源、74,76,78A,78B,80A,80B スイッチ、90 フレーム、100 プラズマ溶射装置

Claims (9)

  1. 基材上に溶射皮膜を形成するためのプラズマ溶射におけるプラズマ形成用ガスとして用いられる混合ガスであって、
    1体積%以上5.5体積%以下の水素を含有し、残部が窒素および不可避的不純物からなる、混合ガス。
  2. 前記水素の含有量が3体積%以上5.5体積%以下である、請求項1に記載の混合ガス。
  3. 前記不可避的不純物の含有量は0.1体積%未満である、請求項1又は請求項2に記載の混合ガス。
  4. 容器内に封入され、前記容器内の圧力が35℃において1MPa以上14.7MPa以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の混合ガス。
  5. 前記溶射皮膜は、アルミナ皮膜である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の混合ガス。
  6. 基材を準備する工程と、
    主ガスを流しながら、前記主ガスに含まれる原子を電離させてプラズマを順次形成することによりプラズマ流を形成する工程と、
    前記プラズマ流により溶射材料を溶融しながら前記基材まで搬送し、溶融した前記溶射材料を前記基材上に堆積させ凝固させることにより、前記基材上に溶射皮膜を形成する工程と、
    を含み、
    前記主ガスは1体積%以上5.5体積%以下の水素を含有し、残部が窒素および不可避的不純物からなる混合ガスである、溶射皮膜の形成方法。
  7. 前記溶射材料がアルミナ粉末材料である、請求項6に記載の溶射皮膜の形成方法。
  8. 不活性ガスからなる副ガスに電圧を印加し前駆放電することによりプラズマを発生させる工程をさらに含み、
    前記プラズマ流を形成する工程において、前記プラズマ流を、前記プラズマを発生させる工程において発生した前記プラズマに接触するように前記主ガスを流しながら前記主ガスに電圧を印加することにより形成する工程を含む、請求項6又は請求項7に記載の溶射皮膜の形成方法。
  9. 前記副ガスはアルゴンガスである、請求項8に記載の溶射皮膜の形成方法。
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