JP2019067314A - 脱輪防止機能を備える磁気式安全運転支援システム - Google Patents

脱輪防止機能を備える磁気式安全運転支援システム Download PDF

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【課題】脱輪防止機能を備える磁気式安全運転支援システムを提供する。【解決手段】磁気式安全運転支援システム1であって車両11の両側面に磁気センサ12L、12Rを設置し、磁石14を所定の間隔で埋設した磁気式白線13から発生する磁界を測定する。ノイズである外部磁界を除去して磁石信号磁界のみを取り出し、その値から車両と白線との距離を計算し、車両の白線への接近速度を求めて脱輪の危険予測を行い、その結果を運転手または自動運転制御用ホストコンピュータに通知することによって脱輪を防止するシステムを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用道路に磁石式白線を設け、車両の両側に磁気センサを備えることで道路レーンからの脱輪を防止する磁気式の安全運転支援システムに関するものである。
脱輪防止については、車両が白線に乗り上げた時に大きな振動を与えて運転者に危険を知らせるための道路レーン表示の白線上に突起物の設置や白線の凹凸化している。しかしこの方式は白線に乗り上げてからの警告であるため運転者が脱輪回避するためには間に合わないという欠点があった。
自動運転における脱輪防止は、道路白線をカメラで認識して白線から適当な距離を常に保つよう車両を道路中央に誘導している。しかし、雨天、大雪などの悪天候においては、道路白線および道路標識などが認識できないなどの欠点があった。
従来この欠点を解決する手段として、特許文献1、2に開示されているように道路に磁石式マーカを埋設させ、それを車両側の磁気センサで検知して、自動操舵を支援することや脱輪防止機能の研究がなされている。磁石式の欠点は、鉄筋構造の橋やトンネルおよび隣を走る車両、道路周辺の鉄筋構造の建造物などから発生する磁界および地磁気などからなる外部磁界の方が、磁石式マーカから発する信号磁界よりも大きくなり、磁気マーカの検出確実性が損なわれることである。
その対策として、磁石からの信号磁界を強めることは特許文献3に述べられているように道路に落ちた上の釘やナットなどを磁石が吸着してパンクなどの危険を増加することになるので好ましくない。そのため磁石マーカの磁力を表面磁束密度で400G以下に保たざるを得ない。
弱い信号磁界を前提に、特許文献1には地磁気の影響を除去する方法が、特許文献2には鉄筋構造から発する磁界の影響を取り除く方法が開示されている。これらの方法は高速走行時における磁石からの信号磁界を外部の磁界との周波数の違いに着目し、ハイパスフィルタやバンドパスフィルタを利用して分離するというものである。しかし、走行速度は幅広く変化することや道路周辺にある多様な磁力信号源などを考慮すると単純なフィルタ処理で精度の高い両者の分離は困難である。そこで両者のより信頼性の高い分離方法が求められている。
さらに、道路中央に磁石式マーカを施設する特許文献1、2の方式は、車両を中央部走行に誘導制御することを目標としたもので、直接白線からの距離を直接測定するものではない。具体的には車両が白線に近づいた場合、道路中央部にある磁石と車両の中央部付近に設置された磁気センサの距離は1000mm程度離れる場合があり、信号磁界の強さは1mG以下となると予測される。特許文献3は信号磁界の強さは80mG程度を想定し使用する磁気センサおよびその設置位置を決めているので、車両が中央部から離れて白線に近づいている様子は、把握できない。つまり十分信頼性の高い脱輪防止機能を提供するものではない。
さらに、磁石式マーカを道路中央部に埋設するため道路施工および保全管理の煩雑さが問題であった。
そこで、悪天候時においてレーダおよびカメラを使った自動運転システムの欠点を補完することができ、しかも磁石の埋設施工が簡易で、信頼性の高い脱輪防止機能を提供する磁気式の安全運転支援システムの開発が求められている。
さらに本システムは、車両が走行する道路レーンの両側の白線から車両までの距離を計測することで、車両を道路中央に誘導制御する機能をも実現することができることが望ましい。
特開2005−202478号 特開2017−83189号 特許5839527号
本発明者は、悪天候下においても脱輪防止機能を実現することができる可能性のある磁気式を前提に、図1に示すように白線部に磁石を設置し、その磁石から発生する信号磁界を車両の両側に設置した磁気センサで検出して、その信号磁界測定値から車両と白線との距離および白線への接近速度を求めて脱輪を予測する安全運転支援システムを構想するに至った。その構想に基づいて磁気式安全運転支援システムを実現するにあたっての課題は以下の通りである。
磁気式白線と車両の側面に高さ150mm以上の位置に取り付けた磁気センサとの間隔は、150mmから1200mm程度離れている。白線に埋設される磁石は、白線内に埋設できるシート状磁石で非常に薄くて小型なものであることが必要である。そのシート状の磁石が生み出す磁界は道路地面から高さ150mm以上の位置では、0.1mGから500mGと非常に小さいと想定される。さらに高速で移動する車両に取り付けられた磁気センサがその磁界を検知する時間も5ミリ秒(以下、m秒と記す。)〜10m秒程度と非常に小さい。
したがって、微小な磁界を高速で検知するためには、高速測定が可能な超高感度磁気センサの開発が必要である。
次に、シート状磁石の埋設施工は、白線部の下に簡単に埋設できてその上にペンキ塗り施工が従来施工と同様な方法で行うことができることが必要である。そのためにはできるだけ薄くて小型で、しかも道路幅方向に強い磁界を作る出すシート状の磁石の開発が必要である。
また、道路上には磁石が作り出す磁石信号磁界(以下、信号磁界という。)のほかに地磁気、鉄骨、近接車両などによる外部磁界が存在する。外部磁界の方が信号磁界より大きい場合が想定されるので、それら大きな外部磁界である外乱磁界から必要な信号磁界を取り出す必要がある。
さらに白線への接近速度を求めて、0.1秒程度前には脱輪の危険度を運転手または無人運転ホストコンピュータに通知し脱輪回避のための操作を可能とする必要がある。
本発明者は、上記課題を解決するために、磁石、磁気センサおよび信号技術の3つの方向から総合的研究を進めた。具体的に言えば、道路幅方向に磁石幅の端部の上方250mmの位置で500mG以上の強い磁界を発生することができる小型で薄いシート磁石の開発とその施工法の工夫、2KHz以上の高速測定ができてかつ0.1mG程度の微小磁界を検知できる超高感度高速磁気センサの開発および外乱磁界から微小信号磁界を抽出する信号処理演算方法プログラムの開発、以上3つの開発を進めて、それらの特性を最適に組み合わせることで上記課題を解決した。
最初に、高速対応型の超高感度磁気センサは、高速かつ高感度特性を両立するために測定操作モードは測定のインターバル間隔を0.01m秒〜0.1m秒(10KHz〜100KHz)とし、その時間内で磁界測定回数を100回以上行い、平均化することでノイズを抑制することができる磁気センサである。
特許文献3で開示されているGSRセンサを基礎に高速対応型の超高感度磁気センサが好ましい。開示されているGSRセンサにおいて、アモルファスワイヤの長さを0.5mm以上で2mm以下、コイル巻き数30回以上、一つのコイルに2本以上の複数本のワイヤを内蔵するGSRセンサ素子とすることにより1回の測定の感度を高めることができる。
また、高速対応型の超高感度磁気センサは、その電子回路には特許文献3に開示されているGSRセンサ用の電子回路構成を援用し、検波タイミング、検波時間、サンプルホールド回路のコンデンサ容量などを調整する。
ADコンバータは16ビットとして、分解能を分解能0.05mG/ビットとし、測定レンジは±1.5Gとする。必要に応じてウィンドウ操作を行うことで測定レンジは±6Gまで可能とする。測定レンジが上記記載のGSR素子、電子回路および測定操作モードを組み合わせることにより、10KHz以上の測定サンプリング速さ、σノイズで0.05mG以下の感度、測定レンジ±6Gおよび16ビット(分解能0.05mG/ビット)の性能を有する超高感度高速磁気センサが得られる。
また、GSRセンサ素子を形成するアモルファスワイヤの先端部にパーマロイ合金などの集磁用軟磁性体を取り付けることによりGSRセンサの感度を改善することができる。
なお、本発明における磁気センサは本発明が要求する性能を持つものである限り、GSRセンサに限るものではない。
本発明の磁気センサは、車両の両側にそれぞれ1個を設置する。車両の側面あるいは側面の下側であって両側に設置する。車両に設置する磁気センサの位置は外側線およびセンターラインの磁気式白線との間隔を可能な限り近づけることが必要である。これにより効率よく磁石からの信号磁界を検出できる。
また、複数個の磁気センサの設置により信号磁界を一層感度よく検出できる。
外側線およびセンターラインの白線に磁石を所定の間隔で埋め込むことにより磁気式白線を作製できる。磁石の形状は道路の白線方向に合せてシート状とする。シート状の磁石はフェライト磁石粉末またはNdFeB系磁石粉末などの希土類磁石粉末を混入して作製し、そのサイズは幅50mm〜100mm、長さ20cm〜50cm、厚み1mm〜5mmとする。磁石の着磁方向はシート面に垂直に磁化するのが一般的であるが、道路幅方向に強い磁界を発生させるために、幅方向の面内着磁とする。シート状の磁石から発生する磁界は図4に示すように磁石の直上(±1.5M)では500mG以上、1000mm(±0.5M)離れている点で1mG程度である。上記センサで計測すると1000mm離れた点でも十分検知することができる。
次に、磁気センサによる磁界測定値は外乱磁界と信号磁界からなっているが、信号磁界だけを分離して求める。まず磁界測定値Hiを求め、その時間微分値ΔHi/Δtを計算する。図5に示すようにシート磁石を横切った瞬間に鋭い正弦波形が発生するが、ゼロクロス点が磁石シートを横切った瞬間で、それから車両がシート磁石を通過する時刻Tiを連続的に求めることができる。正弦波形の幅が磁石体の幅に対応する。正弦波形の間の時刻Δtiを求め、所定の磁石間隔Lp(例えば10M)をその値Δtiで割ってその瞬間における車両速度Vi(=Lp/Δti)を求める。シート磁石の長さLmをViで割って磁石を通過するに要する時間ΔTi(=Lm/Vi)を求め、正弦波形を±Ti±ΔTiの積分幅で積分して、Hの山形波形を求める。このHの波高値が外乱磁界を取り除いた求める磁石信号磁界となる。
5個以上の波高値を連続的に比較して波高値の高さと周期時間が一定あるいは連続的に変化することおよび磁石体から発生しているはずの理論的に予測される波高値の高さと周期時間と比較して同じ程度になっていることを確認して、磁界センサが磁石シートの磁界を検知していることを判定する。その上で、波高値の高さが磁石からの磁界強度にのみ対応していることを判定して、その値から白線までの距離Riを求める。
つぎにRiの時間変化Vr=ΔRi/Δtを求めて白線への接近速度を求める。図6に示すように白線に乗り上げるまでの時間Td=Ri/Vrを計算し、その値を使って事前に定めた脱輪危険度を判定してそれを運転手または無人運転制御用ホストコンピュータに通知して、事前に脱輪を回避することを可能とする磁気式安全運転支援システムを構築する。
本発明は、磁気式白線と車両に取り付けた超高感度高速磁気センサおよび車両と白線との距離を計算する演算装置からなるものである。磁気式白線から発生する微小な磁界を高速走行中の車両に取り付けた磁気センサで測定し、信号磁界よりも大きい外乱磁界から信号磁界のみを抽出し、その磁界強度を使って白線と車両の距離を求めるというアイデアによるものである。連続的に白線までの距離を測定し白線への接近速度を求め、脱輪の危険を事前に予測して0.1秒前に脱輪警告を運転者に通知することで、脱輪を回避することを可能にする有用な磁気式安全運転支援システムを提供することができる
車両の磁気センサと磁気式白線との位置関係の概念図である。 GSRセンサ素子の平面図である。 GSRセンサの電子回路図である。 磁石から発生する信号磁界と距離との関係図である。 磁界測定値から磁石信号磁界を求める図である。 脱輪危険予測図である。
本発明の磁気式安全運転支援システムは、信号磁界検出手段と信号磁界発生手段と信号磁界処理手段からなる脱輪防止機能を備える。
信号磁界検出手段は0.1ミリ秒以下の測定サンプリング速さ、σノイズ0.05mG以下、16ビット(分解能0.03mG/ビット)の性能を有する超高感度高速磁気センサを車両の両側に設置し、信号磁界発生手段は道路上の外側線および中央線の白線に所定の間隔で磁石が埋設された磁気式白線からなり、信号磁界処理手段は車両の両側の磁気センサにより測定された磁界測定値から外乱磁界が取り除かれた磁気式白線の磁石からの信号磁界を求め、外側線および中央線の白線からの距離を算出する演算装置からなる。
本システムにより道路の走行レーンから車両の脱輪危険度を求めることができる。
信号磁界検出手段である超高感度高速磁気センサは、超高速スピン回転効果(英語表記:GHz Spin Rotation effect)を基礎とするGSRセンサである。高速かつ高感度特性を両立するために、測定操作モードとしては測定のインターバル間隔を0.01m秒〜0.1m秒(10KHz〜100KHz)として、その時間内で磁界測定回数を100回以上行い、平均化することでノイズを抑制したものである。
GSRセンサを構成するGSRセンサ素子は、アモルファスワイヤ(以下、ワイヤという。)の直径10μm以下の絶縁性材料により被覆されており、長さが0.5mm〜2mmにてワイヤを周回するコイル巻き数が30回〜200回からなる。一つのコイルが2本のワイヤを周回する基本素子からなり、かつ複数個(偶数個に限る。)のユニット素子からなる。ユニット素子のワイヤは直列または並列に配置してもよい。直列配置の場合は、アモルファスワイヤに流れるパルス電流の方向は測定磁界の向きに対して、一つのアモルファスワイヤは同じ方向で他のアモルファスワイヤは反対の方向となる。
本発明のGSRセンサ素子により1回の測定の感度を高めることができる。そして、通常の自動車用GSR素子の10mV/Gに比べて100mV/G〜500mV/Gへと10倍〜50倍も高感度化を実現することができる。
GSRセンサを構成する電子回路は、特許文献3に示すGSRセンサ用の電子回路構成を援用する。そのうえで検波タイミングは立ち上がりパルス検波を採用し、パルス時間は2ナノ秒(以下、n秒と記載する。)〜8n秒、パルス周期は50n秒〜100n秒とする。サンプルホールド回路のコンデンサ容量は5pF〜50pFとする。1回の測定時間は0.01m秒〜0.1m秒(測定周波数は、10KHzから100KHzである。)で、100回の測定値を使って平均化して測定ノイズを小さくすることにより、磁界検出力を0.05mG以下に改善できる。ADコンバータは16ビットとして、分解能を分解能0.05mG/ビットとし、測定レンジは±1.5Gとする。必要に応じてウィンドウ操作を行うことにより測定レンジは±6Gまで可能となる。
超高感度高速磁気センサは、上述のGSRセンサ素子、電子回路および測定操作モードを組み合わせることにより10KHz〜100KHzの測定サンプリング速さ、σノイズで0.05mG以下の感度、測定レンジ±1.5G〜±6Gおよび16ビット(分解能0.05mG/ビット)の性能を有することができる。
本発明の磁気センサは、車両の両側面で道路面から高さ150mm〜300mmの位置にそれぞれ1個以上を設置する。
さらに、GSRセンサ素子が集磁用軟磁性体と一体化していることが好ましい。GSRセンサ素子のアモルファスワイヤの先端部にパーマロイ合金などの軟磁性体を取り付けて一体化すると外部磁界が軟磁性体に集中させることができる。この集磁効果によりGSRセンサの感度を2倍〜5倍程度改善することができる。
なお本発明における磁気センサは、本発明が要求する性能を持つものである限り、GSRセンサに限るものではない。
本発明の信号磁界発生手段である磁石は、幅方向に面着磁されている長さ50cm以下、幅10cm以下、厚み5mm以下からなるシート状の磁石であって、1M〜20Mのピッチで白線に埋設されている。
シート状の磁石は、フェライト磁石粉末またはNdFeB系磁石粉末からなる希土類磁石粉末を混入して作製する。シート状の磁石は、幅50mm〜100mm、長さ20cm〜50cm、厚み1mm〜5mmとする。着磁方向は通常面に垂直に磁化するのが一般的であるが、道路幅方向に強い信号磁界を発生させるために、幅方向の面内着磁とする。
図4には、道路幅3Mの2車線の場合における道路中心から白線部までの距離と磁石の信号磁界強度との関係を示す。車両の両側面に磁気センサを設置した普通車(車幅2Mとする。)および軽自動車(車幅1.4Mとする。)が道路中心から左右に揺れて走行している場合に、車両に設置する左側センサおよび右側センサが検出する信号磁界強度を示している。
図4に示すように、磁石信号磁界の強度は磁石の直上で500mG以上、磁石から1000mm離れている点で1mG程度である。磁気センサで計測すると1000mm離れた点でも十分検知することができる。すなわち、車両が道路中心から外れて走行している場合でも左側センサおよび右側センサの両者ともに信号磁界強度を検知できる。
したがって、磁石から発生する信号磁界強度と車両から白線までの距離とは定量的な数学的関係が存在するので、信号磁界強度が求まれば白線までの距離を正確に求めることができる。
本発明の信号磁界処理手段は、車両の両側面の磁気センサにより測定された磁界測定値から外乱磁界が取り除かれた磁気式白線の磁石からの信号磁界を求め、外側線および中央線の白線からの距離を算出する演算装置からなる。
また、本発明の信号磁界処理手段は、車両の両側面の磁気センサの磁界の測定値時間微分から道路の進行方向に並んでいるシート磁石を通過した時間を求め、その時刻における信号磁界の測定値を求めて、その信号磁界測定値から両側の白線からの距離と車両のレーン中心からのずれを計算するとともに白線への接近速度を計算することにより脱輪危険度の算出・警報すると同時に車両をレーン中心に誘導するシステムからなる。
信号磁界処理手段は、はじめに磁気センサにより測定された磁界測定値は外乱磁界と信号磁界からなっているので信号磁界だけを分離して求めることである。
図5を用いて説明する。
磁界測定値Hi(図5(a))を求め、その時間微分値ΔHi/Δt(図5(b))を計算する。シート磁石を横切った瞬間に鋭い正弦波形が発生するが、ゼロクロス点が磁石シートを横切った瞬間で、それから車両がシート磁石を通過する時刻Tiを連続的に求めることができる。正弦波形の幅が磁石体の幅に対応する。正弦波形の間の時刻ΔTiを求め、所定の磁石間隔Lp(例えば10Mとする。)をその値で割ってその瞬間における車両速度Vi(=Lp/ΔTi)を求める。シート磁石の長さLmをViで割って磁石を通過するに要する時間ΔTmi(=Lm/Vi)を求め、正弦波形を±Ti±ΔTmiの積分幅で積分して、磁界Hの山形波形を求める。この磁界Hの波高値の最大値が外部磁界を取り除いた求める磁石信号磁界(図5(c))となる。
5個以上の波高値を連続的に比較して波高値の高さと周期時間が一定あるいは連続的に変化することおよび磁石から発生しているはずの理論的に予測される波高値の高さと周期時間と比較して同じ程度になっていることを確認して、磁気センサがシート状磁石の磁界を検知していることを判定する。その上で、波高値の高さが磁石からの磁界強度にのみ対応していることを判定して、その値から白線までの距離Riを求める。
つぎにRiの時間変化Vr=ΔRi/Δtを求めて白線への接近速度として、その速度Vrと距離Riから白線に乗り上げるまでの時間Td(=Ri/Vr)を計算し、その値Tdを使って事前に定めた脱輪危険度を計算してそれを運転手または無人運転制御用ホストコンピュータに通知して、事前に脱輪を回避することを可能とする。
本発明の実施の形態につき、実施例で具体的に説明する。
本発明は、図1に示すようにシート状磁石14を埋設した磁気式白線13と車両11の両側面に取り付けた超高感度高速磁気センサ12Rおよび13と磁界測定値を信号処理し脱輪危険度を計算する演算装置(図示せず)および危険度を運転手に伝える装置(図示せず)からなっている。
磁気センサは、GSRセンサを基礎に高速対応型の超高感度磁気センサで、高速かつ高感度特性を両立するために、測定操作モードとしては、測定のインターバル間隔を0.02m秒(20KHz)として、その時間内で磁界測定回数を1000回行い、平均化することでノイズを抑制するものである。
GSRセンサ素子2の構成は、図2を用いて説明する。
基板21の上部に、4本のアモルファスワイヤ(以下、ワイヤという。)、ワイヤを周回する2個のコイル、2個のワイヤ電極および2個のコイル電極が配置されている。各ワイヤは絶縁性のガラス被覆がされている直径5μmで長さ0.8mm、各コイルの巻き数は100回である。右側のコイル24R内には2本のワイヤ22R1、22R2が並列配置され、左側のコイル24L内には2本のワイヤ23L1、23L2が並列配置されている。ワイヤ電極はワイヤ+電極25とワイヤアース26からなり、コイル電極はコイル出力電極27とコイルアース電極28からなる。
ワイヤと電極の接続は、まずワイヤ+電極25と右側コイル24R内の2本のワイヤ22R1および22R2の上端部との間を導電性金属で接続し、次に右側の2本のワイヤ22R1および22R2の下端部と左側コイル24L内の2本のワイヤ23L1および23L2の下端部との間(左右ワイヤ接続部という。)を導電性金属で接続し、最後に左側コイル24L内の左側の2本のワイヤ23L1および23L2の上端部とワイヤアース26との間を導電性金属で接続する。
この接続により、パルス電流はワイヤ+電極25から右側の2本のワイヤ22R1および22R2を下部方向に向けて流れ、左右ワイヤ接続部を介して、左側の2本のワイヤ23L1および23L2を上部方向に向けて流れ、ワイヤアース26に流れる。
検出磁界の方向に対してパルス電流の流れる方向が一つのワイヤは同一方向で、他のワイヤは反対方向となることにより感度が向上する。
本例では、パルス周波数は1.2GHzとして、GSRセンサ素子の磁界感度を200mv/Gと高感度化が実現できる。。
電子回路3の構成は、図3により説明する。
パルス発信回路31からパルス電流をGSRセンサ素子32に通電し、その際にコイルに生じるパルス電圧の中、検波タイミングは立ち上がりパルス検波を採用し、パルス時間は5n秒、パルス周期は100n秒とする。バッファー回路34を介して、サンプルホールド回路35のコンデンサ37の容量は10pFとする。ホールド電圧は増幅器38で増幅処理した後ADコンバータ39で16ビットのデジタル出力とする。分解能を分解能0.05mG/ビットとする。
1回の測定は、0.05m秒(20KHz)で、1000回の測定値を使って平均化し測定ノイズを小さくして、磁界検出力を0.02mGに改善できる。測定レンジは±1.5Gとする。必要に応じてウィンドウ操作を行うことで測定レンジは±6Gまで可能である。
磁気センサは、上述のGSRセンサ素子2、電子回路3および測定操作モードを組み合わせることで、20KHzの測定サンプリング速さ、σノイズで0.02mGの感度を得ることができ、測定レンジ±1.5G、ウィンドウ操作で±6Gに拡大できる。ADコンバータは16ビット(分解能0.05mG/ビット)の性能をもつ。磁気センサを普通乗用車の運転席および助手席のそれぞれのドアの下部のステップ内にそれぞれ1個ずつ設置し、道路面から高さは230mmの位置である。
磁気式白線は、2車線の一般自動車道路の外側線および中央線の白線にシート状磁石を10M間隔で埋め込んで作製する。
シート状磁石はフェライト磁石粉末を混入してゴム磁石を作製する。シート状磁石は、幅80mm、長さ30cm、厚み3mmとする。シート状磁石の着磁方向は幅方向の面内着磁とする。シート状磁石発生する信号磁界の強度は磁石の直上では650mG、1000mm離れている点で2mGである。シート状磁石から発生する信号磁界強度と車両から白線までの距離とは定量的な数学的関係が存在するので、信号磁界強度が求まれば白線までの距離を正確に求めることができる。
磁気センサから白線までの距離は、上述のように、磁気センサにより磁界測定値Hiを求め、その時間微分値ΔHi/Δtを計算して波高値である磁石信号磁界を得る。波高値から白線までの距離Riを求めることにより普通乗用車と外側線までの距離が求められる。この距離から普通乗用車がレーンから脱輪する危険度が分かる。
つぎに、上述のように、Riの時間変化から白線への接近速度Vrを求めて、その速度から白線に乗り上げるまでの時間Tdを計算する。その値Tdと事前に定めた脱輪危険度とから判定し、それを運転手または無人運転制御用ホストコンピュータに通知して事前に脱輪を回避することができる。また、道路中心に誘導することもできる。
ここで、本発明は車両の脱輪を防止することによる安全運転支援システムである。
本システムから、外側線から脱輪して車両がガードレール等との衝突あるいは路肩からの転落を防ぐことが可能となる。また、中央線から脱輪して対向車線あるいは隣車線への進入を防ぐことにより車両同士の衝突を回避することができるものである。
本システムにおいて、磁石を埋設する磁気式白線は、一般的には白線を指しているが対向車線との間の中央線には追越禁止の標識として黄線が敷設されている。それゆえ、本発明にて記載している白線には黄線も含まれるものである。
また、中央線あるいは外側線に脱輪防止のために所定の間隔でブロックが敷設されている。しかし、大雪等の場合にはブロックが積雪に埋没して車両の脱輪を防止することが困難となるが、磁石式ブロックとすることにより脱輪を防ぐことが可能となる。従って、本発明の主旨に沿うものであることから、磁気式白線には磁石式ブロックも含まれるものである。
1:磁気式安全運転システム(演算装置などソフトは図示せず)
11:車両 12R:磁気センサ(右側) 12L:磁気センサ(左側) 13:白線 14:シート状磁石 15R:白線と磁気センサまでの距離(右側) 15L:白線と磁気センサまでの距離(左側)
2:GSRセンサ
21:基板 22R1:アモルファスワイヤ(右側) 22R2:アモルファスワイヤ(右側) 23L1:アモルファスワイヤ(左側) 23L2:アモルファスワイヤ(左側) 24R:コイル 24L:コイル 25:ワイヤ+電極 26:ワイヤアース 27:コイル出力電極 28:コイルアース
3:電子回路、
31:パルス発信回路 32:GSRセンサ素子 33:入力側回路 34:バッファー回路 35:サンプルホールド回路 36:電子スイッチ 37:コンデンサ 38:増幅器 39:ADコンバータ
































Claims (5)

  1. 信号磁界検出手段と信号磁界発生手段と信号磁界処理手段からなる脱輪防止機能を備える磁気式安全運転支援システムであって、
    前記信号磁界検出手段は、0.1ミリ秒以下の測定サンプリング速さ、σノイズ0.05mG以下、16ビット(分解能0.03mG/ビット)の性能を有する超高感度高速磁気センサを車両の両側に設置してなり、
    前記信号磁界発生手段は、道路上の外側線および中央線の白線に所定の間隔で磁石が埋設された磁気式白線からなり、
    前記信号磁界処理手段は、前記車両の両側の前記磁気センサにより測定された磁界測定値から外乱磁界が取り除かれた磁気式白線の磁石からの信号磁界を求め、前記外側線および中央線の白線からの距離を算出する演算装置からなることを特徴とする磁気式安全運転支援システム。
  2. 請求項1において、
    前記磁気センサは、超高速スピン回転効果(英語表記:GHz Spin Rotation effect)を基礎とするGSRセンサからなることを特徴とする磁気式安全運転支援システム。
  3. 請求項2において、
    前記GSRセンサは、GSRセンサ素子が集磁用軟磁性体と一体化していることを特徴とする磁気式安全運転支援システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記磁石は、幅方向に面着磁されている長さ50cm以下、幅10cm以下、厚み5mm以下からなるシート状磁石であって、1Mから20Mのピッチで白線に埋設されていることを特徴とする磁気式安全運転支援システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、
    前記信号磁界処理手段は、前記車両の両側の磁気センサによる前記磁界測定値の時間微分から道路の進行方向に並んでいる前記シート状磁石を通過した時間を求め、その時刻における前記信号磁界の測定値を前記磁界測定値から外乱磁界の影響を取り除いて求めて、その信号磁界測定値から前記白線からの距離と車両のレーン中心からのずれを計算するとともに白線への接近速度を計算することにより脱輪危険度の算出・警報すると同時に前記車両を前記レーン中心に誘導することを特徴とする磁気式安全運転支援システム。



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