JP2019065603A - ガラス壁およびその製造方法 - Google Patents

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桑原 英一郎
Eiichiro Kuwabara
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Abstract

【課題】耐火性能の更なる向上を図りつつ採光の確保が可能なガラス壁と斯かるガラス壁の製造方法を提供する。【解決手段】ガラス壁1は、壁状に整列配置された複数のガラスブロック2・2・・・を各々に備える第一ガラスブロック壁部10および第二ガラスブロック壁部20と、第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20を支持する第一フレーム11、第二フレーム21、横プレート60および縦プレート70と、第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20の間に配置される耐熱ガラス板30と、を備え、耐熱ガラス板30が、第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20のそれぞれから離間された状態で、各支持体によって支持されている。【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス壁の技術に関し、より詳しくは、耐火性能を有するガラス壁と、そのガラス壁の製造方法に関する。
従来、建築基準法に定められる認定基準を満たす耐火性能を備えたガラス壁が知られている。そのような耐火性能を備えたガラス壁としては、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1に開示されているガラス壁は、複数のガラスブロックを壁状に結合して構成した耐火ガラスブロック壁である。
また、耐火性能を備えたガラス壁としては、積層ガラスを用いたものが知られている。このようなガラス壁では、高透過ガラス板とケイ酸ソーダ層とを交互に積層した耐熱積層ガラスが用いられており、特許文献2に開示されたものがある。
特開2004−76438号公報 特開2001−329633号公報
特許文献1、2に示された耐火性能を備えたガラス壁においては、認定基準を満たすだけに留まらず、より高い耐火性能を備えたガラス壁を提供することが好ましい。
また、特許文献2に示されたガラス壁のように、ケイ酸ソーダ層を備えた耐熱積層ガラスを用いたガラス壁では、火炎に曝されて高温になったときにケイ酸ソーダ層が発泡することにより、耐火性能を発揮する構成となっている。
災害時の避難経路においては、避難者の視界を確保するために、採光を確保することが重要である。しかしながら、ケイ酸ソーダ層を備えた耐熱積層ガラスは、耐火性能を発揮している状態では白濁し透過性が悪化する(図25参照)。このため、従来の耐熱積層ガラスを用いたガラス壁では、災害時において、避難経路の採光の確保が困難となる場合があった。
本発明は、斯かる現状の課題に鑑みてなされたものであり、耐火性能の更なる向上を図りつつ採光の確保が可能なガラス壁と斯かるガラス壁の製造方法を提供することを目的としている。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、本発明に係るガラス壁は、壁状に整列配置された複数のガラスブロックを各々に備える第一ガラスブロック壁部および第二ガラスブロック壁部と、前記第一ガラスブロック壁部と前記第二ガラスブロック壁部の各壁面が互いに平行となる姿勢で壁厚方向に所定の距離だけ離間させた状態で、前記第一ガラスブロック壁部と前記第二ガラスブロック壁部を支持する支持体と、前記支持体によって支持される前記第一ガラスブロック壁部と前記第二ガラスブロック壁部の間に配置される耐熱ガラス板と、を備え、前記耐熱ガラス板が、前記第一ガラスブロック壁部と前記第二ガラスブロック壁部のそれぞれから離間された状態で、前記支持体によって支持されていることを特徴とする。
このような構成のガラス壁によれば、耐火性能の更なる向上を図りつつ採光の確保が可能なガラス壁を提供することができる。
また、本発明に係るガラス壁において、前記耐熱ガラス板は、リチウム−アルミナ−珪酸系組成のガラス板であり、30℃以上750℃以下の温度範囲における平均線膨張係数が、−10×10−7/K以上10×10−7/K以下であって、板厚が、2mm以上10mm以下の耐熱結晶化ガラス板であることを特徴とする。
このような構成のガラス壁によれば、耐火性能の向上と採光の確保を実現することができる。
また、本発明に係るガラス壁は、前記第一ガラスブロック壁部と前記第二ガラスブロック壁部の短辺方向の幅が1200mm以下であり、前記第一ガラスブロック壁部と前記耐熱ガラス板との間の第一の隙間および前記第二ガラスブロック壁部と前記耐熱ガラス板との間の第二の隙間のいずれもが10mm以上40mm以下であることを特徴とする。
このような構成のガラス壁によれば、耐火性能を確実に確保することができる。
また、本発明に係るガラス壁において、前記耐熱ガラス板は、耐熱ガラス小板が面方向に複数配列されてなることを特徴とする。
このような構成のガラス壁によれば、ガラス壁を所望の大きさで構築することができる。
また、本発明に係るガラス壁は、複数の前記耐熱ガラス小板の端面間を耐熱シール材により封止したことを特徴とする。
このような構成のガラス壁によれば、ガラス壁を所望の大きさとした場合において、耐火性能を確実に確保することができる。
また、本発明に係るガラス壁において、前記耐熱シール材は、ウレタンおよびグラファイト系発泡剤を主材料とした熱膨張性樹脂からなることを特徴とする。
このような構成のガラス壁によれば、ガラス壁を所望の大きさとした場合において、耐火性能を確実に確保することができる。
また、本発明に係るガラス壁は、複数の前記耐熱ガラス板を、前記第一ガラスブロック壁部と前記第二ガラスブロック壁部との間において、板厚方向に互いに離間して備えることを特徴とする。
このような構成のガラス壁によれば、耐火性能を確実に確保することができる。
また、本発明に係るガラス壁において、前記支持体は、前記第一ガラスブロック壁部を支持する第一の部位と、前記第二ガラスブロック壁部を支持する第二の部位と、前記耐熱ガラス板を支持する第三の部位と、に分割可能に構成されることを特徴とする。
このような構成のガラス壁によれば、ガラス壁の施工性を確保することができる。
また、本発明に係るガラス壁は、前記第一ガラスブロック壁部または前記第二ガラスブロック壁部の、外側の壁面に、遮熱膜を有することを特徴とする。
このような構成のガラス壁によれば、耐火性能の更なる向上を実現することができる。
また、本発明に係るガラス壁の製造方法は、支持体にガラス壁を構成するガラス壁の製造方法であって、前記支持体に対して複数のガラスブロックを配列して成る第一ガラスブロック壁部を構築する第一工程と、前記第一工程の後に、耐熱ガラス板を前記第一ガラスブロック壁部と対向し且つ離間するように前記支持体に組み付ける第二工程と、前記第二工程の後に、複数のガラスブロックを配列して成る第二ガラスブロック壁部を、前記第一ガラスブロック壁部と前記第二ガラスブロック壁部との間に前記耐熱ガラス板が前記第一ガラスブロック壁部と前記第二ガラスブロック壁部のそれぞれから離間された状態で配置されるよう、前記支持体に対して構築する第三工程と、を有することを特徴とする。
このような構成のガラス壁の製造方法によれば、耐火性能の更なる向上を図りつつ採光の確保が可能なガラス壁を提供することができる。
また、本発明に係るガラス壁の製造方法は、前記第三工程において、最下段の前記ガラスブロックを除去可能に仮配置した状態で、前記第二ガラスブロック壁部を最上段まで仮構築する第二ガラスブロック壁部仮構築工程と、前記第二ガラスブロック壁部が仮構築された状態で、仮配置された前記ガラスブロックを除去し、前記仮構築時に前記第二ガラスブロック壁部と前記耐熱ガラス板の間の隙間に生じた異物を除去する異物除去工程と、前記異物を除去した後に、除去した前記ガラスブロックを本配置するガラスブロック本配置工程と、を備えることを特徴とする。
このような構成のガラス壁の製造方法によれば、耐火性能の更なる向上を図りつつ採光の確保が可能なガラス壁を、外観よく提供することができる。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明に係るガラス壁およびその製造方法によれば、耐火性能の更なる向上を図りつつ採光の確保が可能なガラス壁を提供することができる。
本発明の第一の実施形態に係るガラス壁の全体構成を示した正面模式図。 本発明の第一の実施形態に係るガラス壁の全体構成を示した側面断面模式図。 ガラス壁の側面断面における上部詳細を示す模式図。 ガラス壁の側面断面における下部詳細を示す模式図。 本発明の第一の実施形態に係るガラス壁の全体構成を示した平面断面模式図。 ガラス壁の平面断面における詳細を示す模式図。 本発明の第一の実施形態に係るガラス壁における耐熱ガラス板の配置状態(ガラスブロックの無い状態)を示した正面模式図。 本発明の第二の実施形態に係るガラス壁(幅が広い形態)の全体構成を示した正面模式図。 本発明の第二の実施形態に係るガラス壁(幅が広い形態)の全体構成を示した側面断面模式図。 本発明の第二の実施形態に係るガラス壁(幅が広い形態)の全体構成を示した平面断面模式図。 本発明の第二の実施形態に係るガラス壁(幅が広い形態)における耐熱ガラス板の配置状態(ガラスブロックの無い状態)を示した正面模式図。 本発明の第一の実施形態に係るガラス壁の製造方法を示すフロー図。 本発明の第一の実施形態に係るガラス壁の製造方法の(STEP−101)における状況を示す側面断面模式図。 本発明の第一の実施形態に係るガラス壁の製造方法の(STEP−102)における状況を示す側面断面模式図。 本発明の第一の実施形態に係るガラス壁の製造方法の(STEP−103−1)における状況を示す正面模式図。 本発明の第一の実施形態に係るガラス壁の製造方法の(STEP−103−1)における状況を示す側面断面模式図。 本発明の第一の実施形態に係るガラス壁の製造方法の(STEP−103−2)における状況を示す正面模式図。 本発明の第一の実施形態に係るガラス壁の製造方法の(STEP−103−2)における状況を示す側面断面模式図。 本発明の第一の実施形態に係るガラス壁の製造方法の(STEP−103−3)における状況を示す正面模式図。 本発明の第一の実施形態に係るガラス壁の製造方法の(STEP−103−3)における状況を示す側面断面模式図。 本発明の第二の実施形態に係るガラス壁の製造方法を示すフロー図。 本発明の第二の実施形態に係るガラス壁の製造方法の(STEP−201)における状況を示す側面断面模式図。 本発明の第二の実施形態に係るガラス壁の製造方法の(STEP−202)における状況を示す側面断面模式図。 本発明の第二の実施形態に係るガラス壁の製造方法の(STEP−203)における状況を示す側面断面模式図。 従来の耐熱積層ガラスの加熱時における白濁状況を示す図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず始めに、本発明の第一の実施形態に係るガラス壁について、図1〜図7を用いて説明する。
図1〜図7に示す如く、本発明の第一の実施形態に係るガラス壁であるガラス壁1は、ガラスブロック2を主材として構成され、非耐力壁として用いることができるものである。ガラス壁1は、図2〜図6に示すように、第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20と耐熱ガラス板30を備えている。
第一ガラスブロック壁部10は、複数のガラスブロック2・2・・・と、積みモルタル3と、目地材4等によって構成される。そして、第一ガラスブロック壁部10は、第一フレーム11によって支持されている。尚、ガラス壁1において、第一ガラスブロック壁部10は、防火対象領域に対面しない側(例えば、屋外側)に配置される。
ガラスブロック2は、図2〜図6に示すように、側面視において略鼓状に括れた部位を有するガラス製のブロック部材であり、透光性を有している。ガラス壁1では、50mm〜130mm厚のガラスブロック2を使用することが好ましい。尚、本実施形態で示すガラス壁1では、190mm角で80mm厚のガラスブロック2を使用している。
そして、第一ガラスブロック壁部10は、図1に示すように、複数(本実施形態では84個)のガラスブロック2を、矩形状の枠部40の内側において、互いの隙間が格子状となるように14行6列に整列配置している。そして、ガラス壁1では、目地材4の幅等を適宜調整し、幅を1200mm、高さ2820mmの第一ガラスブロック壁部10を構成している。
第一フレーム11は、第一ガラスブロック壁部10を支持する枠体であり、上枠11a、下枠11b、左右一対の側枠11c・11dを、上下左右の四方にそれぞれに配置して矩形状に構成した部材である。第一フレーム11は、その内周部において、複数のガラスブロック2・2・・・を保持するための溝部12が形成されている。
溝部12の内部には、エキスパンション材5、すべり材6、アンカーピース7、水抜きプレート8が配置されている。
エキスパンション材5は、地震力、温度変化による膨張・収縮力、躯体の変形に起因する外力等がガラスブロック2に直接伝わらないようにする緩衝材であり、上枠11aと側枠11cとの溝部12、および下枠11bと11dとの溝部12の各々に配置される。本実施形態では、厚さの違う2種類のエキスパンション材を重ねて、エキスパンション材5を構成している。
すべり材6は、第一フレーム11に積みモルタル3が付着することを防ぎ、エキスパンション材5が有効に働くことを補助するための部材であり、ブチルゴムや軟質塩化ビニル樹脂等をシート状に成形した部材を用いている。
アンカーピース7は、力骨9を所定の配置位置に位置決めするための部材であり、ステンレス製のプレートを折り曲げ加工するとともに、力骨9を挿通可能な孔部が形成されている。
水抜きプレート8は、水分を外部に排出するための経路となる溝部が形成されたプレート部材であり、下枠11bの溝部12に配置される。
力骨9は鋼線状の部材であり、本実施形態に示す力骨9は、SUS製の鋼線である。力骨9は、縦力骨9aと横力骨9bにより構成される。
縦力骨9aおよび横力骨9bは、整列配置されるガラスブロック2・2の間(即ち、目地)に沿って配置され、その両端をアンカーピース7・7に保持させることで、正面視において格子状に縦力骨9aおよび横力骨9bが配置される。
そして、第一ガラスブロック壁部10は、第一フレーム11に取付けた上下一対のアンカーピース7・7によって、縦力骨9aを支持し、左右一対のアンカーピース7・7によって、横力骨9bを支持して、耐風圧性能等を確保するために必要な剛性を確保する構成としている。尚、縦力骨9aおよび横力骨9bは、第一ガラスブロック壁部10に要求される耐風圧性能やその高さおよび幅に応じた本数が設けられる。
そして、第一ガラスブロック壁部10において、ガラスブロック2・2同士の間には、目地材4が充填されている。また、第一ガラスブロック壁部10と第一フレーム11との間には、シーリング材13とバックアップ材14が配置されている。このような構成により、ガラス壁1の気密性を確保している。
第二ガラスブロック壁部20は、複数のガラスブロック2・2・・・と、積みモルタル3と、目地材4等によって構成されている。そして、第二ガラスブロック壁部20は、第二フレーム21によって支持されている。尚、ガラス壁1において、第二ガラスブロック壁部20は、防火対象領域に対面する側(例えば、屋内側)に配置される。
そして、第二ガラスブロック壁部20は、図1に示すように、複数(本実施形態では84個)のガラスブロック2を、矩形状の枠部40の内側において、互いの隙間が格子状となるように14行6列に整列配置している。そして、ガラス壁1では、目地材4の幅等を適宜調整し、幅を1200mm、高さ2820mmの第二ガラスブロック壁部20を構成している。
第二フレーム21は、第二ガラスブロック壁部20を支持する枠体であり、上枠21a、下枠21b、左右一対の側枠21c・21dを四方にそれぞれに配置して矩形状に構成した部材である。第二フレーム21は、その内周部において、複数のガラスブロック2・2・・・を保持するための溝部22が形成されている。
溝部22の内部には、エキスパンション材5、すべり材6、アンカーピース7、水抜きプレート8が配置されている。
そして、第二ガラスブロック壁部20は、第二フレーム21に取付けた上下一対のアンカーピース7・7によって、縦力骨9aを支持し、左右一対のアンカーピース7・7によって、横力骨9bを支持して、耐風圧性能等を確保するために必要な剛性を確保する構成としている。尚、縦力骨9aおよび横力骨9bは、第二ガラスブロック壁部20に要求される耐風圧性能やその高さおよび幅に応じた本数が設けられる。
そして、第二ガラスブロック壁部20において、ガラスブロック2・2同士の間には、目地材4が充填されている。また、第二ガラスブロック壁部20と第二フレーム21との間には、シーリング材23とバックアップ材24が配置されている。このような構成により、ガラス壁1の気密性を確保している。
そして、ガラス壁1は、枠部40に対して、第一フレーム11によって支持された第一ガラスブロック壁部10と、第二フレーム21によって支持された第二ガラスブロック壁部20とを、各壁面同士が平行となるように離間させて配置することで、内部に空間を有する二重構造の壁体を形成する構成としている。
このような構成により、ガラス壁1は、第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20の間に、耐熱ガラス板30を配置する空間を備えている。
図1〜図7に示す如く、第一フレーム11と第二フレーム21は、躯体(図示せず)と一体に構成された枠部40に対して取り付けられる。
枠部40は、前記躯体と一体に構成された矩形状の枠体であり、本実施形態に示す枠部40は、上下一対の横枠部41・41と、左右一対の縦枠部42・42と、によって構成される。尚、ここでは、枠部40が鋼材等によって構成される場合を例示しているが、枠部40は、躯体(図示せず)に直接形成された溝部や、躯体に直接打込まれたアンカー部材等によって構成してもよい。
横枠部41は、二つのC型鋼41a・41aを角型鋼41bで一体化した部材に対して、さらに、角型鋼41c・41cを取り付けて構成されている。横枠部41は、各角型鋼41c・41cから枠部40の内側に向けてアンカー部材41d・41dを突設しており、該アンカー部材41d・41dに対して、第一フレーム11と第二フレーム21が固定される。そして、横枠部41と第一フレーム11および第二フレーム21の間は、ケイ軽板50・50によって封止されるとともに、内部の隙間にはモルタルが充填される。
また、縦枠部42は、二つのC型鋼42a・42aを角型鋼42bで一体化した部材に対して、さらに、角型鋼42c・42c・42c・42cを取り付けて構成されている。縦枠部42は、各角型鋼42c・42cから枠部40の内側に向けてアンカー部材42d・42dを突設しており、該アンカー部材42d・42dに対して、第一フレーム11と第二フレーム21が固定される。そして、縦枠部42と第一フレーム11および第二フレーム21の間は、ケイ軽板50・50によって封止されるとともに、内部の隙間にはモルタルが充填される。
そして、ガラス壁1は、図2〜図7に示すように、第一フレーム11と第二フレーム21の間を封止する横プレート60と縦プレート70を備えている。
図2〜図4に示す如く、横プレート60は、金属製の板材を折り曲げて凹部61を有する形状に形成された部材であり、第一フレーム11の上枠11aと第二フレーム21の上枠21aを繋ぐ位置と、第一フレーム11の下枠11bと第二フレーム21の下枠21bを繋ぐ位置にそれぞれ配置され、上枠11aと上枠21a、および下枠11bと下枠21bに対して、それぞれビス止めにより固定されている。横プレート60の凹部61の長さは、耐熱ガラス板30の幅以上であり、凹部61の幅は、耐熱ガラス板30の厚さより大きい幅である。尚、凹部61の幅は、施工時の耐熱ガラス板30の挿し込み代を考慮して余裕のある大きさに決定されており、耐熱ガラス板30を差し込んだ後で、凹部61にカバー部材62を取り付けることで、凹部61の幅を耐熱ガラス板30の保持に適した幅に調整する構成としている。
図5および図6に示す如く、縦プレート70は、金属製の板状部材であり、第一フレーム11の側枠11cと第二フレーム21の側枠21cを繋ぐ左右の位置にそれぞれ配置され、側枠11cと側枠21cに対してビス止めにより固定されている。縦プレート70の長さは、耐熱ガラス板30の高さ以上としている。
即ち、ガラス壁1では、第一フレーム11と第二フレーム21と横プレート60と縦プレート70と、によって、第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20と耐熱ガラス板30と、を支持する支持体を構成している。
図2および図4に示す如く、下側の横プレート60の凹部61には、セッティングブロック63が配置されており、該セッティングブロック63によって、耐熱ガラス板30の下端部を支持する構成としている。
また、凹部61に差し込まれた耐熱ガラス板30と横プレート60の隙間にはセラミック製の保持材64・64が配置されている。保持材64は、綿状のセラミック繊維を圧縮し塊状とした耐熱性を有するシール部材であり、耐熱ガラス板30と横プレート60の隙間を封止している。
即ち、ガラス壁1において、第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20と耐熱ガラス板30とを支持する支持体は、第一ガラスブロック壁部10を支持する第一フレーム11と、第二ガラスブロック壁部20を支持する第二フレーム21と、耐熱ガラス板30を支持する縦プレート70および横プレート80と、に分割可能に構成されるものである。
このような構成とすることによって、ガラス壁1の施工性を確保することができる。
また、図5〜図7に示す如く、耐熱ガラス板30と縦プレート70の隙間には、耐熱シール材65が配置されている。
耐熱シール材65は、加熱されることで膨張する性質を有するウレタンおよびグラファイト系発泡剤を主材料とした樹脂製の熱膨張材である。耐熱シール材65は、高温に曝されたときに膨張することで、耐熱ガラス板30と縦プレート70の隙間を確実に封止して、耐熱ガラス板30と縦プレート70の隙間からの熱伝達(熱風の進入)を抑制することができる。耐熱シール材65としては上記特性を有する任意のシール材を用いることができ、例えば、サンゴバン株式会社製の耐熱シール材(製品名:ノルシール(「NORSEAL」は登録商標)FS1000)を使用できる。
図2〜図7に示したように、ガラス壁1は、第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20の間において、横プレート60および縦プレート70によって支持された耐熱ガラス板30を配置して構成されている。そして、耐熱ガラス板30は、第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20のそれぞれから所定の距離で離間している。
即ち、ガラス壁1は、壁状に整列配置された複数のガラスブロック2・2・・・を各々に備える第一ガラスブロック壁部10および第二ガラスブロック壁部20と、第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20の各壁面が互いに平行となる姿勢で壁厚方向に所定の距離だけ離間させた状態で、第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20を支持する支持体である第一フレーム11、第二フレーム21、横プレート60および縦プレート70と、前記各支持体によって支持される第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20の間に配置される耐熱ガラス板30と、を備え、耐熱ガラス板30が、第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20のそれぞれから離間された状態で、前記各支持体によって支持されていることを特徴とする。
このような構成とすることによって、耐火性能の更なる向上を図りつつ採光の確保が可能なガラス壁1を提供することができる。
また、ここで示したガラス壁1では、第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20の間において、板厚方向に1枚の耐熱ガラス板30を配置した場合を例示したが、ガラス壁1における耐熱ガラス板30の設置枚数はこれに限定されず、板厚方向に複数(2枚以上)の耐熱ガラス板30を互いに離間させて設置する構成としてもよい。この場合、横プレート60には、耐熱ガラス板30の設置枚数に応じた凹部61を設ける。そして、ガラス壁1は、耐熱ガラス板30の設置枚数を増やすことによって、さらに耐火性能の向上を図ることができ、耐火性能を確実に確保することができる。
即ち、ガラス壁1は、複数の耐熱ガラス板30を、第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20との間において、板厚方向に互いに離間して備えるものであり、このような構成によって、耐火性能を確実に確保することができる。
ガラス壁1では、第一ガラスブロック壁部10と耐熱ガラス板30との隙間(離間距離)および第二ガラスブロック壁部20と耐熱ガラス板30との隙間は、隙間が小さすぎると、積みモルタル3の除去が困難になり、また、隙間が大きすぎると、ガラス壁1の内側での空気の対流が促進され、内部の温度上昇が早まる恐れがあるため、10mm以上40mm以下とすることが好ましい。
即ち、ガラス壁1は、第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20の短辺方向の幅が1200mm以下であり、第一ガラスブロック壁部10と耐熱ガラス板30との間の第一の隙間および第二ガラスブロック壁部20と耐熱ガラス板30との間の第二の隙間のいずれもが10mm以上40mm以下である。
このような構成とすることによって、耐火性能を確実に確保することができる。尚、ガラス壁1では、積みモルタル3を除去する工程を考慮して、後で構築する側のガラスブロック壁部(本実施形態では、第二ガラスブロック壁部20)と耐熱ガラス板30との隙間を、先に構築する側のガラスブロック壁部(本実施形態では、第一ガラスブロック壁部10)と耐熱ガラス板30との隙間に比して大きくする構成としてもよい。
ガラス壁1を構成する耐熱ガラス板30は、リチウム−アルミナ−珪酸系組成の耐熱結晶化ガラス板であり、30〜750℃の温度範囲における平均線膨張係数が−10×10−7/K以上10×10−7/K以下という特性を有しており、30〜750℃の温度に曝されても透明な形態を維持し続け、破損することのない耐熱性を有している。
また、ガラス壁1を構成する耐熱ガラス板30の主面寸法は、第一ガラスブロック壁部10および第二ガラスブロック壁部20の主面寸法と同寸法であることが好ましい。本実施形態では、第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20の外形寸法に合わせて、幅1200mm、高さ2820mmの大きさの耐熱ガラス板30を使用している。さらに、ガラス壁1を構成する耐熱ガラス板30は、ガラス壁1の厚みを抑制するという観点から、板厚が2mm以上10mm以下であることが好ましく、3mm以上8mm以下であることがより好ましい。尚、本実施形態では、ガラス壁1を構成する耐熱ガラス板30として、厚み5mmの防火設備用ガラス(日本電気硝子株式会社製:製品名ファイアライト(登録商標))を使用している。
本実施形態で使用している耐熱ガラス板30は、高温に曝された場合であっても白濁することがなく、透明状態が維持されるものであるため、ガラス壁1の透過性が確保され、第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20と耐熱ガラス板30を透過する光によって、採光が確保される。
即ち、ガラス壁1において、耐熱ガラス板30は、リチウム−アルミナ−珪酸系組成のガラス板であり、30℃以上750℃以下の温度範囲における平均線膨張係数が、−10×10−7/K以上10×10−7/K以下であって、板厚が、2mm以上10mm以下の耐熱結晶化ガラス板であるものである。
このような構成とすることによって、耐火性能の向上と採光の確保を実現することができる。
また、ガラス壁1では、防火対象領域に面する側のガラスブロック壁部(即ち、第一ガラスブロック壁部10もしくは第二ガラスブロック壁部20)において、防火対象領域に対面するガラスブロック2の表面に、遮熱膜31を形成する構成としている。遮熱膜31は、所謂Low−E(Low−Emissivity)膜であり、可視光を透過させつつ、遠赤外線領域での反射率を高めるものであり、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、銀等を主材とした金属膜を採用することができる。ガラス壁1の防火対象エリアに面する側面に遮熱膜31を設けると、ガラス壁1の内部に伝達される熱量が抑制され、ひいては、ガラス壁1全体の温度上昇を遅らせることができるため、耐火性能の更なる向上を図ることができる。
即ち、ガラス壁1は、第一ガラスブロック壁部10または第二ガラスブロック壁部20の、外側(ここでは防火対象領域に対面する側)の壁面に、遮熱膜31を有するものである。
このような構成とすることによって、耐火性能の更なる向上を実現することができる。
なお、上記の構成は一例であり、両側のガラスブロック2の表面に遮熱膜31を形成しても良く、また、防火対象領域に対面しない側のガラスブロック2の表面のみに遮熱膜31を形成する構成としても構わない。
次に、本発明の第二の実施形態に係るガラス壁について、図8〜図11を用いて説明する。
図8〜図11に示す如く、本発明の第二の実施形態に係るガラス壁であるガラス壁101は、ガラスブロック2を主材として構成され、非耐力壁として用いることができるものである。ガラス壁101は、第一ガラスブロック壁部110と第二ガラスブロック壁部120と耐熱ガラス板130を備えている。
尚、本発明の第二の実施形態に係るガラス壁101は、幅が1200mmを超える寸法であり、ガラス壁1に比して幅が大きいという点で、ガラス壁1と相違しているが、その他の構成については、ガラス壁1において説明した構成と共通している。
図9および図10に示す如く、第一ガラスブロック壁部110は、複数のガラスブロック2・2・・・と、積みモルタル3と、目地材4等によって構成され、第一フレーム111によって支持されている。
第一フレーム111は、上枠111a、下枠111b、左右一対の側枠111c・111dを、上下左右の四方にそれぞれに配置して矩形状に構成した部材であり、その内周部において、複数のガラスブロック2・2・・・を保持するための溝部が形成されている。
そして、第一ガラスブロック壁部110は、図8に示すように、第一フレーム111によって支持された複数(本実施形態では182個)のガラスブロック2を、矩形状の枠部140の内側において、互いの隙間が格子状となるように14行13列に整列配置している。そして、ガラス壁101では、幅2620mm、高さ2820mmの第一ガラスブロック壁部110を構成している。
また、図9および図10に示す如く、第二ガラスブロック壁部120は、複数のガラスブロック2・2・・・と、積みモルタル3と、目地材4等によって構成され、第二フレーム121によって支持されている。
第二フレーム121は、上枠121a、下枠121b、左右一対の側枠121c・121dを、上下左右の四方にそれぞれに配置して矩形状に構成した部材であり、その内周部において、複数のガラスブロック2・2・・・を保持するための溝部が形成されている。
そして、第二ガラスブロック壁部120は、図8に示すように、第二フレーム121によって支持された複数(本実施形態では182個)のガラスブロック2を、矩形状の枠部140の内側において、互いの隙間が格子状となるように14行13列に整列配置している。そして、ガラス壁101では、幅2620mm、高さ2820mmの第二ガラスブロック壁部120を構成している。
また、図9および図10に示す如く、ガラス壁101は、第一フレーム111と第二フレーム121の間を封止する横プレート160と縦プレート170を備えている。
ガラス壁101は、枠部140に対して、第一ガラスブロック壁部110と第二ガラスブロック壁部120とを壁面同士が平行となるように離間させて配置することで、内部空間を有する二重構造の壁体を構成している。
そして、ガラス壁101では、第一ガラスブロック壁部110と第二ガラスブロック壁部120の間に、耐熱ガラス板130を配置する空間を備えている。
ガラス壁101では、図11に示す如く、複数(本実施形態では3枚)の耐熱ガラス板130は、複数の耐熱ガラス小板131・132・132を面方向に並べて配置し、互いの辺部を連結して構成されている。一般的に単一の大寸法のガラス板の製造はコストが高くなるが、このような構成によれば、例えば1200mmを超える大きな幅を有する耐熱ガラス板130を安価且つ容易に構成できる。耐熱ガラス小板131は、幅1200mm、高さ2820mmの大きさであり、耐熱ガラス小板132は、幅700mm、高さ2820mmの大きさである。
図9に示す如く、下側の横プレート160には、セッティングブロック163が配置されており、該セッティングブロック163によって、耐熱ガラス板130の下端部を支持する構成としている。
また、耐熱ガラス板130と横プレート160の隙間にはセラミック製の保持材164・164が配置されている。保持材164は、綿状のセラミック繊維を圧縮し塊状とした耐熱性を有するシール部材であり、耐熱ガラス板130と横プレート160の隙間を封止している。
即ち、ガラス壁101において、耐熱ガラス板130は、耐熱ガラス小板131・132・132が面方向に複数配列されてなるものであり、このような構成によれば、ガラス壁101を所望の大きさで構築することができる。
図11に示す如く、ガラス壁101を構成する耐熱ガラス板130では、耐熱ガラス小板131と各耐熱ガラス小板132・132の間に5mmの隙間を設けており、この5mmの隙間を耐熱シール材165によって封止する構成としている。また、図10および図11に示す如く、ガラス壁101では、耐熱ガラス板130と縦プレート170の間にも5mmの隙間を設けており、この5mmの隙間を耐熱シール材165によって封止する構成としている。尚、耐熱シール材165は、耐熱シール材65と同じものである。尚、ガラス壁101において、耐熱シール材165を配置する部位の隙間は、3mm以上10mm以下とすることが好ましく、耐熱シール材165の幅は、形成した隙間以上の幅を有し、隙間を隙間なく埋めることができるものを使用する。ガラス壁101では、このような構成によって、耐熱ガラス小板131と各耐熱ガラス小板132・132の間の隙間や、耐熱ガラス板130と縦プレート170の間の隙間を確実に封止して、同隙間からの熱伝達(熱風の進入)を抑制することを可能にしている。
このようにガラス壁101においては、複数の耐熱ガラス小板131・132・132の端面間を耐熱シール材165により封止したものである。
このような構成によって、ガラス壁101を所望の大きさとした場合において、耐火性能を確実に確保することができる。
また、ガラス壁101において、耐熱シール材165は、ウレタンおよびグラファイト系発泡剤を主材料とした熱膨張性樹脂からなるものである。
このような構成によって、ガラス壁101を所望の大きさとした場合において、耐火性能を確実に確保することができる。
次に、ガラス壁1の第一の実施形態に係る製造方法について、図12〜図20を用いて説明する。尚、ここでは、ガラス壁1を例示して、その製造方法を説明するが、前述したガラス壁101についても、これと同じ製造方法で製造することができるため、説明は省略する。
図12および図13に示す如く、ガラス壁1の第一の実施形態に係る製造方法では、まず始めに、枠部40に取付けた支持体(第一フレーム11)に対して、第一ガラスブロック壁部10を構築する工程(STEP−101)を行う。この段階では、耐熱ガラス板30を未だ設置していないため、作業者は、第一ガラスブロック壁部10の内側となる部位に回り込むことができる。このため、第一ガラスブロック壁部10を構築する段階においては、第一ガラスブロック壁部10の内側の目地に対して、目地材4を施工することができ、また、第一ガラスブロック壁部10の周囲に落ちた目地材4や積みモルタル3等の異物を容易に除去・回収することができる。
図12および図14に示す如く、ガラス壁1の第一の実施形態に係る製造方法では、次に、枠部40に取付けた支持体(横プレート60および縦プレート70)に対して、耐熱ガラス板30を設置する工程(STEP−102)を行う。耐熱ガラス板30を設置する作業は、第二ガラスブロック壁部20を構築する側から行う。
図12に示す如く、ガラス壁1の第一の実施形態に係る製造方法では、次に、第二ガラスブロック壁部20を構築する工程(STEP−103)を行う。斯かる工程(STEP−103)は、以下に示すような段階を踏んで行う。
(第二ガラスブロック壁部仮構築工程)
第二ガラスブロック壁部20を構築する工程(STEP−103)では、まず、図12および図15、図16に示すように、第二ガラスブロック壁部20の最下段に位置する複数(本実施形態では2個)のガラスブロック2を仮配置する。ガラスブロック2の仮配置は、積みモルタル3の代わりに、例えば砂等の粒体を加湿混練したペースト剤等の、後工程で除去可能な部材を用いることにより行う。そして、ガラスブロック2の仮配置した状態で、第二ガラスブロック壁部20を最上部まで仮構築する(STEP−103−1)。図16では、仮配置したガラスブロック2を、×印を付して表している。仮配置したガラスブロック2・2・・・以外のガラスブロック2については、最終形態となるように、積みモルタル3を用いて通常通りの施工を行う。
(異物除去工程)
第二ガラスブロック壁部20を構築する工程(STEP−103)では、次に、図12および図17、図18に示すように、仮配置したガラスブロック2・2・・・を一旦取り外して、第二ガラスブロック壁部20の背後に落ちてしまった目地材4や積みモルタル3等の異物を除去するための開口部Aを複数形成する。尚、開口部Aは、ガラス壁1の横幅や、耐熱ガラス板30と第二ガラスブロック壁部20の隙間の大きさ等を考慮して、積みモルタル3を残らず除去することが可能な個数および箇所を適宜設定する。そして、ガラスブロック2を外して設けた開口部Aから、第二ガラスブロック壁部20を仮構築する際にガラス壁1の内側に脱落した積みモルタル3を除去する(STEP−103−2)。
(ガラスブロック本配置工程)
第二ガラスブロック壁部20を構築する工程(STEP−103)では、次に、図12および図19、図20に示すように、取り外したガラスブロック2・2・・・を再び元の位置に本配置して、最終形態となる第二ガラスブロック壁部20を構築する(STEP−103−3)。
ガラス壁1の第一の実施形態に係る製造方法では、このような手順を踏むことによって、第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20の隙間に積みモルタル3を残さずに、ガラス壁1を外観良く構築することができる。
即ち、ガラス壁1の第一の実施形態に係る製造方法は、支持体である第一フレーム11、第二フレーム21、横プレート60および縦プレート70にガラス壁1を構成するガラス壁の製造方法であって、各支持体に対して複数のガラスブロック2・2・・・を配列して成る第一ガラスブロック壁部10を構築する第一工程(STEP−101)と、第一工程の後に、耐熱ガラス板30を第一ガラスブロック壁部10と対向し且つ離間するように各支持体に組み付ける第二工程(STEP−102)と、第二工程の後に、複数のガラスブロック2・2・・・を配列して成る第二ガラスブロック壁部20を、第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20との間に耐熱ガラス板30が第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20のそれぞれから離間された状態で配置されるよう、各支持体に対して構築する第三工程(STEP−103)と、を有するものである。
このような構成のガラス壁1の製造方法によれば、耐火性能の更なる向上を図りつつ採光の確保が可能なガラス壁1を提供することができる。
また、ガラス壁1の第一の実施形態に係る製造方法は、(STEP−103)において、最下段のガラスブロック2・2・・・を除去可能に仮配置した状態で第二ガラスブロック壁部20を最上段まで仮構築する第二ガラスブロック壁部仮構築工程(STEP−103−1)と、仮配置されたガラスブロック2・2を除去し、仮構築時に第二ガラスブロック壁部20と耐熱ガラス板30の間の隙間に生じた異物(積みモルタル3や目地材4等)を除去する異物除去工程(STEP−103−2)と、積みモルタル3や目地材4等の異物を除去した後に、ガラスブロック2・2・・・を本配置するガラスブロック本配置工程(STEP−103−3)と、を備えるものである。
このような構成のガラス壁1の製造方法によれば、耐火性能の更なる向上を図りつつ採光の確保が可能なガラス壁1を、内部に異物を残さずに外観よく提供することができる。
次に、ガラス壁1の第二の実施形態に係る製造方法について、図21〜図24を用いて説明する。
前述したガラス壁1の第一の実施形態に係る製造方法では、第一ガラスブロック壁部10および第二ガラスブロック壁部20を、積みモルタル3等を用いて現場にて施工する構成としているが、ガラス壁1の第二の実施形態に係る製造方法では、第一ガラスブロック壁部10、第二ガラスブロック壁部20、耐熱ガラス板30を、予め工場等で組み付けてユニットを形成しておき、ユニットの形態で、現場の枠部40に取り付ける構成としている。
図21および図22に示す如く、ガラス壁1の第二の実施形態に係る製造方法では、まず始めに、第一ガラスブロック壁部10と第二ガラスブロック壁部20と耐熱ガラス板30を組み付けて、ガラスブロックユニット180を構築しておく(STEP−201)。
図21および図23に示す如く、ガラス壁1の第二の実施形態に係る製造方法では、次に、枠部40のアンカー部材42dに対してガラスブロックユニット180を固定し、ガラスブロックユニット180を設置する(STEP−202)。
そして、ガラス壁1の第二の実施形態に係る製造方法では、次に、枠部40とガラスブロックユニット180との隙間をモルタル181と軽カル板50によって封止して(STEP−203)、ガラス板1を構築する。
このようにガラス壁1は、第二の実施形態に係る製造方法によっても構築することができる。
1 ガラス壁(第一の実施形態)
2 ガラスブロック
10 第一ガラスブロック壁部
11 第一フレーム
20 第二ガラスブロック壁部
21 第二フレーム
30 耐熱ガラス板
31 遮熱膜
60 横プレート
65 耐熱シール材
70 縦プレート
101 ガラス壁(第二の実施形態)
130 耐熱ガラス板
131 耐熱ガラス小板
132 耐熱ガラス小板
165 耐熱シール材
A 開口部
3 積みモルタル
4 目地材
5 エキスパンション材
6 すべり材
7 アンカーピース
8 水抜きプレート
9 力骨
9a 縦力骨
9b 横力骨
11a 上枠
11b 下枠
11c 側枠
11d 側枠
12 溝部
13 シーリング材
14 バックアップ材
21a 上枠
21b 下枠
21c 側枠
21d 側枠
22 溝部
23 シーリング材
24 バックアップ材
40 枠部
41 横枠部
41a C型鋼
41b 角型鋼
41c 角型鋼
41d アンカー部材
42 縦枠部
42a C型鋼
42b 角型鋼
42c 角型鋼
42d アンカー部材
50 軽カル板
61 凹部
62 カバー部材
63 セッティングブロック
64 保持材
80 横プレート
110 第一ガラスブロック壁部
111 第一フレーム
111a 上枠
111b 下枠
111c 側枠
111d 側枠
120 第二ガラスブロック壁部
121 第二フレーム
121a 上枠
121b 下枠
121c 側枠
121d 側枠
140 枠部
160 横プレート
163 セッティングブロック
164 保持材
170 縦プレート
180 ガラスブロックユニット
181 モルタル

Claims (11)

  1. 壁状に整列配置された複数のガラスブロックを各々に備える第一ガラスブロック壁部および第二ガラスブロック壁部と、
    前記第一ガラスブロック壁部と前記第二ガラスブロック壁部の各壁面が互いに平行となる姿勢で壁厚方向に所定の距離だけ離間させた状態で、前記第一ガラスブロック壁部と前記第二ガラスブロック壁部を支持する支持体と、
    前記支持体によって支持される前記第一ガラスブロック壁部と前記第二ガラスブロック壁部の間に配置される耐熱ガラス板と、
    を備え、
    前記耐熱ガラス板が、
    前記第一ガラスブロック壁部と前記第二ガラスブロック壁部のそれぞれから離間された状態で、前記支持体によって支持されている、
    ことを特徴とするガラス壁。
  2. 前記耐熱ガラス板は、
    リチウム−アルミナ−珪酸系組成のガラス板であり、
    30℃以上750℃以下の温度範囲における平均線膨張係数が、−10×10−7/K以上10×10−7/K以下であって、板厚が、2mm以上10mm以下の耐熱結晶化ガラス板である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のガラス壁。
  3. 前記第一ガラスブロック壁部と前記第二ガラスブロック壁部の短辺方向の幅が1200mm以下であり、
    前記第一ガラスブロック壁部と前記耐熱ガラス板との間の第一の隙間および前記第二ガラスブロック壁部と前記耐熱ガラス板との間の第二の隙間のいずれもが10mm以上40mm以下である、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガラス壁。
  4. 前記耐熱ガラス板は、
    耐熱ガラス小板が面方向に複数配列されてなる、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のガラス壁。
  5. 複数の前記耐熱ガラス小板の端面間を耐熱シール材により封止した、
    ことを特徴とする請求項4に記載のガラス壁。
  6. 前記耐熱シール材は、
    ウレタンおよびグラファイト系発泡剤を主材料とした熱膨張性樹脂からなる、
    ことを特徴とする請求項5に記載のガラス壁。
  7. 複数の前記耐熱ガラス板を、
    前記第一ガラスブロック壁部と前記第二ガラスブロック壁部との間において、板厚方向に互いに離間して備える、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか一項に記載のガラス壁。
  8. 前記支持体は、
    前記第一ガラスブロック壁部を支持する第一の部位と、
    前記第二ガラスブロック壁部を支持する第二の部位と、
    前記耐熱ガラス板を支持する第三の部位と、
    に分割可能に構成される、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか一項に記載のガラス壁。
  9. 前記第一ガラスブロック壁部または前記第二ガラスブロック壁部の、外側の壁面に、遮熱膜を有する、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか一項に記載のガラス壁。
  10. 支持体にガラス壁を構成するガラス壁の製造方法であって、
    前記支持体に対して複数のガラスブロックを配列して成る第一ガラスブロック壁部を構築する第一工程と、
    前記第一工程の後に、耐熱ガラス板を前記第一ガラスブロック壁部と対向し且つ離間するように前記支持体に組み付ける第二工程と、
    前記第二工程の後に、複数のガラスブロックを配列して成る第二ガラスブロック壁部を、前記第一ガラスブロック壁部と前記第二ガラスブロック壁部との間に前記耐熱ガラス板が前記第一ガラスブロック壁部と前記第二ガラスブロック壁部のそれぞれから離間された状態で配置されるよう、前記支持体に対して構築する第三工程と、
    を有する、
    ことを特徴とするガラス壁の製造方法。
  11. 前記第三工程において、
    最下段の前記ガラスブロックを除去可能に仮配置した状態で、前記第二ガラスブロック壁部を最上段まで仮構築する第二ガラスブロック壁部仮構築工程と、
    前記第二ガラスブロック壁部が仮構築された状態で、仮配置された前記ガラスブロックを除去し、前記仮構築時に前記第二ガラスブロック壁部と前記耐熱ガラス板の間の隙間に生じた異物を除去する異物除去工程と、
    前記異物を除去した後に、除去した前記ガラスブロックを本配置するガラスブロック本配置工程と、を備える、
    ことを特徴とする請求項10に記載のガラス壁の製造方法。
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