JP2019065116A - 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体及びその成形体 - Google Patents
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Abstract
Description
そのような自動車内装材用として用いられている架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体として、例えば特許文献1に記載された架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体が従来技術として知られている。特許文献1に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、成形不具合を発生することなく、複雑な形状に成形可能であり、耐熱性に優れ、高温での成形加工性が良好である。
そこで、本発明は、成形性に優れた架橋オレフィン系樹脂発泡体及びそれを用いた成形体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[10]に関する。
[1]摩擦係数が0.35〜0.80である架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
[2]ポリオレフィン系発泡性樹脂組成物を架橋及び発泡させてなる発泡本体部と、前記発泡本体部の表面を被覆する、ポリオレフィン系樹脂からなる表面層とを含み、前記表面層の厚みが10〜140μmである上記[1]に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
[3]前記表面層の前記ポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂からなる群から選択される樹脂である上記[2]に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
[4]前記表面層は、前記ポリオレフィン系樹脂を構成するポリオレフィン系樹脂を押出しラミネート成形することにより形成されたものである上記[2]又は[3]に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
[5]前記表面層の前記ポリオレフィン系樹脂の引張弾性率が1000MPa以上である上記[2]〜[4]のいずれか1つに記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
[6]前記ポリオレフィン系発泡性樹脂組成物がポリプロピレン系樹脂を含有する上記[2]〜[5]のいずれか1つに記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
[7]前記ポリオレフィン系樹脂組成物における前記ポリプロピレン系樹脂の含有量は、樹脂成分全量基準で45〜85質量%である上記[6]に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
[8]前記ポリオレフィン系発泡性樹脂組成物がエラストマーをさらに含有する上記[6]又は[7]に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
[9]前記ポリオレフィン系樹脂組成物における前記エラストマーの含有量は、樹脂成分全量基準で15〜55質量%である上記[8]に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
[10]上記[1]〜[9]のいずれか1つに記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の成形体。
本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体(以下、単に「発泡体」という場合がある。)は、摩擦係数が0.35〜0.80である。摩擦係数が0.80よりも大きいと、金型に対する架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体のすべりが悪くなり、発泡体が破れてしまう場合がある。一方、摩擦係数が0.35よりも小さいと、発泡体の成形体を取り付ける際に必要な接着剤を成形体に接着させることが困難になる場合がある。金型に対する架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体のすべりをよくして、成形中の発泡体の破れを起きにくくするという観点から、本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の摩擦係数は、好ましくは0.75以下であり、より好ましくは0.70以下であり、さらに好ましくは0.65以下であり、さらに好ましくは0.50以下である。
なお、摩擦係数は、アルミニウムの試験テーブルを用いてJIS K 7125に準拠して測定した値である。
本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面層の厚みは、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体が発泡本体部のみからなる場合に比べて、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の摩擦係数を小さくすることができれば、特に限定されない。例えば、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の摩擦係数を0.35〜0.80にするという観点から、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面層の厚みは、好ましくは10〜140μmであり、より好ましくは15〜140μmであり、さらに好ましくは20〜140μmであり、さらに好ましくは70〜140μmであり、さらに好ましくは70〜130μmである。また、表面層の範囲を上述の範囲にすることによって、発泡体の本来持っている柔軟性を維持しつつ、発泡体の成形性を向上させることができる。
本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の表面層におけるポリオレフィン系樹脂の引張弾性率は、表面層の機械的強度を高めて、成形中に発泡体が破れてしまうことを起こりにくくするという観点から、好ましくは1000MPa以上であり、より好ましくは1500MPa以上であり、さらに好ましくは2000MPa以上である。なお、引張弾性率の範囲の上限値は、特に限定されないが、例えば4000MPaである。
架橋ポリオフィン系樹脂発泡体の発泡本体部は、ポリオレフィン系樹脂を含むポリオレフィン系樹脂発泡性組成物を架橋及び発泡して得られるものである。ポリオレフィン系樹脂発泡性組成物には、発泡剤が少なくとも含まれることが好ましく、また、必要に応じて
発泡体に使用されるポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体が挙げられる。プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、ランダムブロック共重合体の何れであってもよいが、ランダム共重合体(ランダムポリプロピレン)であることが好ましい。
プロピレンと共重合される他のオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィンが挙げられ、これらの中ではエチレンが好ましい。すなわち、ポリプロピレン樹脂としてはエチレン−プロピレンランダム共重合体が好ましい。
なお、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、通常、プロピレンが90〜99.5重量%、プロピレン以外のα−オレフィンが0.5〜10質量%であるが、プロピレンが95〜99重量%、プロピレン以外のα−オレフィンが1〜5質量%であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリプロピレン系樹脂の含有量は、機械強度、成形性をより良好にする観点から、樹脂成分全量基準で50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましい。また、ポリプロピレン系樹脂の含有量は、柔軟性を向上させ、かつ触感を柔らかくするために、樹脂成分全量基準で80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。なお、樹脂成分は、後述するエラストマーも含む概念である。
ポリオレフィン系樹脂発泡性組成物はさらにエラストマーを含むことが好ましい。
樹脂組成物は、エラストマーを含むが、エラストマーとしては、オレフィン系ゴムが好ましい。本発明では、オレフィン系ゴム等のエラストマーを使用することで、発泡体の柔軟性を高めやすくなる。
オレフィン系ゴムとしては、好ましくはムーニー粘度(ML1+4,100℃)が15〜85であるものを用いる。ムーニー粘度を上記範囲内とすることで、柔軟性及び成形性をバランスよく向上させることが可能になる。また、柔軟性及び成形性をより良好にするために、オレフィン系ゴムの上記ムーニー粘度は、25〜75であることがより好ましく、30〜70であることがさらに好ましい。
エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムに使用されるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、2−メチルプロピレン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等の炭素数3〜15、好ましくは炭素数3〜10のα−オレフィンの1種又は2種以上が挙げられる。これらの中ではプロピレン及び1−ブテンが好ましく、プロピレンがより好ましい。
前記他のモノマー単位を形成するモノマーとしては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の炭素数4〜8の共役ジエン;ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ジシクロオクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン等の炭素数5〜15の非共役ジエン;酢酸ビニル等のビニルエステル化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では炭素数5〜15の非共役ジエンが好ましく、入手容易性の観点から、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)がより好ましく、DCPDが最も好ましい。
樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂とオレフィン系ゴム等のエラストマーだけで構成されてもよいが、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、これら以外の樹脂成分を含んでいてもよい。
かかる樹脂成分としては、ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アルキルアクリレ−ト共重合体、又はこれらに無水マレイン酸を共重合した変性共重合体等が挙げられる。
樹脂組成物がポリエチレン系樹脂等のその他の樹脂を含有する場合は、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して30質量部以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
上記ポリエチレン系樹脂のMFRは、0.5〜70g/10分が好ましく、より好ましくは1.5〜50g/10分であり、さらに好ましくは2〜30g/10分である。
上記MFRは、JIS K 7210に準拠して、温度190℃、荷重21.2Nの条件下で測定した値である。
樹脂組成物を発泡させる方法としては、化学的発泡法、物理的発泡法がある。化学的発泡法は、樹脂組成物に添加した化合物の熱分解により生じたガスにより気泡を形成させる方法であり、物理的発泡法は、低沸点液体(発泡剤)を樹脂組成物に含浸させた後、発泡剤を揮発させてセルを形成させる方法である。発泡法は特に限定されないが、化学的発泡法が好ましい。化学発泡法を使用することで、発泡体を独立気泡発泡体とすることができる。また、気泡を均一にすることも可能である。
発泡剤としては、熱分解型発泡剤が使用され、例えば分解温度が140〜270℃程度の有機系又は無機系の化学発泡剤を用いることができる。
有機系発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸金属塩(アゾジカルボン酸バリウム等)、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、ヒドラゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体、トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物等が挙げられる。
これらの中では、微細な気泡を得る観点、及び経済性、安全面の観点から、アゾ化合物、ニトロソ化合物が好ましく、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンがより好ましく、アゾジカルボンアミドが特に好ましい。
発泡剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱分解型発泡剤の樹脂組成物への添加量は、発泡体の気泡を破裂せずに適切に発泡させる観点から、樹脂成分100質量部に対して1〜30質量部が好ましく、2〜15質量部がより好ましく、5〜12質量部がさらに好ましい。
樹脂組成物は、上記発泡剤以外にも、添加剤を含有してもよい。その添加剤としては、架橋助剤、酸化防止剤が挙げられる。これらは一方又は両方を含有してもよい。
架橋助剤としては、多官能モノマーを使用することができる。例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等の3官能(メタ)アクリレート系化合物;トリメリット酸トリアリルエステル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート等の1分子中に3個の官能基を持つ化合物;1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート等の2官能(メタ)アクリレート系化合物、ジビニルベンゼン等の1分子中に2個の官能基を持つ化合物;フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、エチルビニルベンゼン、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等が挙げられる。これらの中では、3官能(メタ)アクリレート系化合物がより好ましい。
架橋助剤は、単独で又は2以上を組み合わせて用いることができる。
架橋助剤を樹脂組成物に添加することによって、少ない電離性放射線量で樹脂組成物を架橋することが可能になる。そのため、電離性放射線の照射に伴う各樹脂分子の切断、劣化を防止することができる。
架橋助剤の含有量は、樹脂組成物を発泡する際に、架橋度の調整、制御の容易さの観点から、樹脂組成物における樹脂成分100質量部に対して0.2〜20質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、単独で又は2以上を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤の含有量は、樹脂組成物における樹脂成分100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。
また、樹脂組成物は、必要に応じて、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、尿素等の分解温度調整剤、難燃剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、充填剤、顔料等の上記以外の添加剤を含有してもよい。使用することが好ましい。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体の表面層として用いられるポリオレフィン系樹脂は特に限定されない。例えば、ポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂からなる群から選択される樹脂であることが好ましい。
発泡体は、例えば、樹脂組成物を溶融混練して所望形状に成形した後、電離性放射線を照射して樹脂組成物を架橋し、加熱発泡し、さらに表面層をラミネーション成形することにより製造する。
具体的には、以下の工程1〜4を有する製造方法がより好ましい。
工程1:各種樹脂成分、熱分解発泡剤等の樹脂組成物を構成する各成分を溶融混練した後、シート状等の所定形状の樹脂組成物を得る工程
工程2:工程1で得られた樹脂組成物に電離性放射線を照射して、架橋する工程
工程3:工程2で架橋した樹脂組成物を、熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させ、発泡本体部を得る工程
工程4:工程3で得られた発泡本体部を基材としてポリオレフィン系樹脂をラミネーション成形することにより発泡本体部の表面にポリオレフィン系樹脂の表面層を形成する工程4
ここで使用される混練装置としては、例えば、射出成形機、押出機(単軸押出機、二軸押出機等)、バンバリーミキサー、ロール等の汎用混練装置等が挙げられるが、射出成形機や押出機が好ましく、押出機、射出成形機を用いれば、生産性よく製造することができる。
射出成形機又は押出機の内部の樹脂温度は、好ましくは120〜220℃、より好ましくは140〜200℃、さらに好ましくは150〜195℃である。
電離性放射線の加速電圧は、照射する発泡性樹脂組成物の厚さにもよるが、400〜1200kVであることが好ましく、500〜1100kVであることがより好ましく、600〜1000kVであることがさらに好ましい。
電離性放射線の照射線量は、照射する発泡性樹脂組成物の厚さ等を考慮し、表面荒れやひび割れ等生じることなく、所望の架橋度を得ることができる量であれがよいが、0.1〜10Mradが好ましく、0.5〜5Mradがより好ましい。
なお、押出しラミネート成形とは、ポリオレフィン系樹脂を加熱溶融して薄膜押出し、本体部にポリオレフィン系樹脂を接着させる成形方法である。
本発明の成形体は、本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を公知の方法で成形して得られるものである。成形体を製造するに際し、基材、表皮材等の他の素材を積層し貼り合せて製造することもできる。すなわち、架橋ポリオレフィン発泡体に表皮材等を積層し一体化してなる構成とすることもできる。
基材は成形体の骨格となるものであり、通常、熱可塑性樹脂が用いられる。基材用の熱可塑性樹脂としては、上述したポリオレフィン系樹脂、エチレンとα−オレフィン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル等との共重合体、ABS樹脂、及びポリスチレン樹脂等を適用することができる。
表皮材としては、ポリ塩化ビニルシート、ポリ塩化ビニルとABS樹脂との混合樹脂からなるシート、熱可塑性エラストマーシート、天然繊維や人造繊維を用いた織物、編物、不織布、人工皮革や合成皮革等のレザー等が挙げられる。また、本革や、石や木等から転写した凹凸を付したシリコーンスタンパ等を用いて、表面に皮目や木目模様等の意匠が施された複合成形体としてもよい。
表皮材を貼り合わせる方法としては、例えば、押出ラミネート法、接着剤を塗布した後張り合わせる接着ラミネート法、熱ラミネート法(熱融着法)、ホットメルト法、高周波ウェルダー法等が挙げられるが、如何なる方法でも両者が接着されればよい。
スタンピング成形法としては、例えば、上記発泡体の一面に表皮材を積層した複合シートを、凸型金型と凹型金型との間に配置して型を閉じ、凸型金型と凹型金型とを型締めしてプレス成形する方法が挙げられる。
真空成形法としては、雄引き真空成形法、雌引き真空成形法のいずれも採用しうるが、雄引き真空成形法がより好ましい。
本発明の成形体は、例えば接着剤等を用いて他の部材等に固定される。このため、成形体が接着剤に接着することは重要である。
(発泡本体部の密度)
架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の発砲本体部の密度(見掛け密度)をJIS K 7222に準拠して測定した。
発泡本体部の発泡倍率は発泡本体部の密度の逆数であるので、上述の発泡本体部の密度から発泡本体部の発泡倍率を算出した。
発泡本体部の厚みはダイヤルゲージを用いて計測した。
表面層のポリオレフィン系樹脂のポリオレフィン系樹脂を押出成形した板をJIS K 7144にしたがって機械加工して試験片を作製した。その試験片の引張弾性率をJIS K 7161にしたがって測定した。
架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の摩擦係数は、試験テーブルの材質をアルミニウムとしてJIS K 7125に準拠して測定した。
各実施例、比較例で得られた発泡体を表面温度160℃の条件で真空成形機により成形し、直径80mm、高さ56mmの有底円筒のカップ状の成形体に成形した。成形体を目視で観察し、その成形性を以下の3段階で評価した。
×:破れあり、○:破れはないがスケあり、◎:全面均等
また、成形体にウレタン系接着剤を塗布して、180℃の加熱温度で接着剤を加熱して硬化させた後、接着剤の接着性を以下の2段階で評価した。
×:接着剤は接着せず、○:接着剤は接着した
温度180℃にて溶融混練して押し出し、シート状の樹脂組成物を得た。このシート状の
樹脂組成物の両面に電子線を照射することにより樹脂組成物を架橋した。その後、架橋した樹脂組成物を、熱風オーブンにより250℃で5分間加熱し、その
加熱により発泡させて所定厚みの発泡本体部を得た。そして、押出しラミネート成形法で表1に示す厚みになるように表1に示す樹脂の表面層を発泡本体部に形成して発泡体を作製した。ただし、比較例3の発泡体については表面層を形成しなかった。発泡体の評価結果を表1に示す。
PP:エチレン−プロピレンランダム共重合体(ランダムポリプロピレン)、日本ポリ
プロ株式会社製、製品名:ノバテックEG7F、MFR:1.3g/10分、エチレン含
有量:3質量%
EPDM:エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、住友化学株式会社製、製品名:エ
スプレン301、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)=55、エチレン含有量:62
質量%、DCPD含有量:3質量%
発泡剤:アゾジカルボンアミド
架橋助剤:トリメチロールプロパントリメタクリレート
酸化防止剤1:2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール
酸化防止剤2:ジラウリルチオジプロピオネート
Claims (10)
- 摩擦係数が0.35〜0.80である架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
- ポリオレフィン系発泡性樹脂組成物を架橋及び発泡させてなる発泡本体部と、前記発泡本体部の表面を被覆する、ポリオレフィン系樹脂からなる表面層とを含み、
前記表面層の厚みが10〜140μmである請求項1に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。 - 前記表面層の前記ポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂からなる群から選択される樹脂である請求項2に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
- 前記表面層は、前記ポリオレフィン系樹脂を構成するポリオレフィン系樹脂を押出しラミネート成形することにより形成されたものである請求項2又は3に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
- 前記表面層の前記ポリオレフィン系樹脂の引張弾性率が1000MPa以上である請求項2〜4のいずれか1項に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
- 前記ポリオレフィン系発泡性樹脂組成物がポリプロピレン系樹脂を含有する請求項2〜5のいずれか1項に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
- 前記ポリオレフィン系樹脂組成物における前記ポリプロピレン系樹脂の含有量は、樹脂成分全量基準で45〜85質量%である請求項6に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
- 前記ポリオレフィン系発泡性樹脂組成物がエラストマーをさらに含有する請求項6又は7に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
- 前記ポリオレフィン系樹脂組成物における前記エラストマーの含有量は、樹脂成分全量基準で15〜55質量%である請求項8に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の成形体。
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