JP2019065100A - 耐熱性エポキシ樹脂組成物、注型材料および注型部材 - Google Patents

耐熱性エポキシ樹脂組成物、注型材料および注型部材 Download PDF

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Abstract

【課題】低粘度でありながら、硬化後は優れた耐熱性を示し、しかも、高温下でその耐熱性が低下しにくい耐熱性エポキシ樹脂組成物を提供すること。【解決手段】25℃で液状のエポキシ化合物から実質的になるエポキシ成分を含み、硬化後に示すガラス転移点は180℃以上であり、220℃で2000時間の耐熱試験による前記ガラス転移点の低下が5℃以内である、耐熱性エポキシ樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性エポキシ樹脂組成物、並びに、それを用いた注型材料および注型部材に関する。
エポキシ樹脂は、耐熱性、耐薬品性、絶縁性等に優れており、半導体デバイス等において基板と半導体素子を封止するために用いられる注型用の液状封止材として使用されている。
近年、高温で動作が可能な半導体素子が開発されており、その封止材として用いるエポキシ樹脂にもより高レベルの耐熱性が求められている。耐熱性の観点からは、高いガラス転移点を有する固形のエポキシ樹脂を用いればよいが、これを用いた封止材は粘度が上昇するため、注型材として適当でない。
そこで、硬化後は高いガラス転移点を有しながら、硬化前には粘度が低く、流動性があるエポキシ樹脂として、脂環式エポキシ樹脂(例えば、特許文献1〜3を参照)や、グリシジルアミンタイプのエポキシ樹脂を用いた液状の封止材が報告されている。
特開2004−204082号公報 特開2010−106131号公報 特開平7−278260号公報
脂環式エポキシ樹脂やグリシジルアミンタイプのエポキシ樹脂を含む封止材は、硬化直後には高いガラス転移点を示すものの、例えば200℃以上の高温で耐熱エージングを行なうと前記ガラス転移点が低下するという問題、すなわち、高温下で経時的に硬化物の耐熱性が低下するという問題があることが判明した。
本発明は、上記現状に鑑み、低粘度でありながら、硬化後は優れた耐熱性を示し、しかも、高温下でその耐熱性が低下しにくい耐熱性エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、25℃で液状のエポキシ化合物から実質的になるエポキシ成分を含み、硬化後に示すガラス転移点は180℃以上であり、220℃で2000時間の耐熱試験による前記ガラス転移点の低下が5℃以内である、耐熱性エポキシ樹脂組成物である。
25℃で液状のエポキシ化合物はフロログルシノール型エポキシ化合物を含むことが好ましく、フロログルシノール型エポキシ化合物は以下の一般式(1)で表されるエポキシ化合物を含むことがより好ましい。
Figure 2019065100
[式中、3個のRは、同一又は異なって、水素原子、グリシジル基、又は、以下の一般式(2)で表される基である。一般式(2)中の2個のR′は、同一又は異なって、水素原子又はグリシジル基で表される基を表す。ただし、一般式(1)で表されるエポキシ化合物一分子中に少なくとも1個のグリシジル基を有する。]
Figure 2019065100
また、25℃で液状のエポキシ化合物のうち、一般式(1)で表されるエポキシ化合物の割合が5〜90重量%であることが好ましい。耐熱性エポキシ樹脂組成物は、25℃で液状のエポキシ化合物として、さらに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。耐熱性エポキシ樹脂組成物は、さらに、多官能酸無水物系硬化剤を含むことが好ましい。
本発明は、前記耐熱性エポキシ樹脂組成物を含む注型材料にも関し、また、前記耐熱性エポキシ樹脂組成物を加熱硬化させた注型部材にも関する。
本発明によれば、硬化前には低粘度でありながら、硬化後は優れた耐熱性を示し、高温下でその耐熱性が低下しにくい耐熱性エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
本発明の耐熱性エポキシ樹脂組成物は、低粘度であるため注型材として好適に使用できる。また、本発明の耐熱性エポキシ樹脂組成物の硬化物は耐熱性に優れ、高温下でもその耐熱性が低下しにくいため、例えば高温で動作する半導体素子を用いた半導体デバイスに対する注型材として好適に使用できる。
以下に本発明の実施形態を詳述する。
本実施形態の耐熱性エポキシ樹脂組成物は、硬化成分として、25℃で液状のエポキシ化合物から実質的になるエポキシ成分を含むため、流動性に優れたものである。ここで、本実施形態の組成物が25℃で液状のエポキシ化合物から実質的になるエポキシ成分を含むとは、本実施形態の組成物が25℃で固形のエポキシ化合物又は樹脂を実質的に含有しないことを意味し、具体的には、本実施形態の組成物に含まれる全エポキシ化合物のうち、25℃で固形のエポキシ化合物又は樹脂が20重量%以下を占めることを意味する。本実施形態の組成物における25℃で固形のエポキシ化合物又は樹脂の含量は、10重量%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがより好ましい。このように本実施形態の組成物は固形のエポキシ化合物又は樹脂を実質的に含まず、低粘度であるため、本実施形態の耐熱性エポキシ樹脂組成物は注型用の液状封止材として好適に使用することができる。
本実施形態の耐熱性エポキシ樹脂組成物全体が25℃で示す粘度は特に限定されず、具体的な用途に応じて適宜決定することができるが、例えば、1000Pa・s以下であることが好ましい。25℃での組成物の粘度が1000Pa・sを超えると、例えば注型成形時に細部に組成物が注入されない場合がある。本実施形態において、耐熱性エポキシ樹脂組成物の粘度は800Pa・s以下が好ましく、400Pa・s以下がより好ましい。前記粘度の下限値は特に限定されないが、例えば10Pa・s以上であってよい。
加熱することで本実施形態の耐熱性エポキシ樹脂組成物は硬化し、それにより得られる硬化物が示すガラス転移点が180℃以上である。このように硬化後のガラス転移点が高いため、耐熱性に優れており、本実施形態の耐熱性エポキシ樹脂組成物は、例えば高温で動作する半導体素子を用いた半導体デバイスに対する注型材として好適に使用することができる。前記ガラス転移点は高いほど好ましく、好ましくは183℃以上であり、より好ましくは186℃以上であり、さらに好ましくは188℃以上である。前記ガラス転移点の上限値は特に限定されないが、例えば200℃以下であってよい。
前記硬化物は高温下で長時間維持してもその耐熱性が低下しにくいものであり、前記硬化物のガラス転移点は、220℃で2000時間の耐熱試験による温度低下が5℃以内のものである。前記温度低下は小さいほど好ましいので、3℃以下が好ましく、1℃以下がより好ましい。本実施形態の範囲には、220℃で2000時間の耐熱試験後に測定した硬化物のガラス転移点が、前記耐熱試験前に測定した硬化物のガラス転移点よりも低くなっている場合にはその温度差が5℃以内にある場合に加えて、前記耐熱試験後のガラス転移点が前記耐熱試験前のガラス転移点と同等、もしくは、前記耐熱試験前のガラス転移点よりも高くなっている場合が含まれる。好ましくは、前記耐熱試験を行なっても温度低下がなく、前記耐熱試験後のガラス転移点が前記耐熱試験前のガラス転移点と同等、もしくは、耐熱試験前のガラス転移点よりも高くなっていることである。
次に、本実施形態の耐熱性エポキシ樹脂組成物を実現するための具体的な組成について説明するが、本発明は以下の組成に限定されるわけではなく、以上で説明した粘度およびガラス転移点の条件を満足する限り、本発明の範囲に含まれる。
本実施形態の耐熱性エポキシ樹脂組成物は、硬化成分として、25℃で液状のエポキシ化合物を含むものであるが、そのような液状のエポキシ化合物として、少なくとも、フロログルシノール型エポキシ化合物を含むことが好ましい。フロログルシノールとは、1,3,5−トリヒドロキシベンゼンとも呼ばれ、ベンゼン環に3個の水酸基が結合したフェノール類である。本願において、フロログルシノール型エポキシ化合物とは、フロログルシノールの骨格を有し、かつエポキシ基を1分子中に少なくとも1個(好ましくは少なくとも2個)有する化合物をいう。
フロログルシノール型エポキシ化合物は、以下の一般式(1)で表されるエポキシ化合物を含むことが好ましい。
Figure 2019065100
一般式(1)において、3個のRは、互いに同じ基を示してもよいし、異なる基を示してもよいが、水素原子、グリシジル基、及び、以下の一般式(2)で表される基からなる群より選択される基を示す。一般式(2)において、2個のR′は、互いに同じ基を示してもよいし、異なる基を示してもよいが、水素原子、及び、グリシジル基からなる群より選択される基を示す。ただし、一般式(1)で表されるエポキシ化合物が、一分子中に少なくとも1個(好ましくは少なくとも2個)のグリシジル基を有するように、RおよびR′は選択される。
Figure 2019065100
以上のようなフロログルシノール型エポキシ化合物は公知の手順により合成することができ、また、市販品を利用することもできる。
フロログルシノール型エポキシ化合物は比較的低分子の化合物であり、液状を示すものでありながら、例えば3級炭素などの、高温で酸化劣化を受けやすい部位を実質的に有しない化合物であるため、これを含む組成物から得られた硬化物は、高温下で保持しても耐熱性が低下しにくくなると推測される。
耐熱性エポキシ樹脂組成物に含まれる25℃で液状のエポキシ化合物は、フロログルシノール型エポキシ化合物(好ましくは一般式(1)で表されるエポキシ化合物)のみから構成され、他の液状のエポキシ化合物を含まないものであってよいが、硬化物に柔軟性を付与するため、フロログルシノール型エポキシ化合物と他の液状のエポキシ化合物とを併用することが好ましい。併用する場合、液状のエポキシ化合物全体のなかで、フロログルシノール型エポキシ化合物が占める割合は、5〜90重量%であることが好ましい。下限値は10重量%以上がより好ましく、30重量%以上がさらに好ましく、50重量%以上が特に好ましい。上限値は85重量%以下が好ましく、80重量%以下がより好ましく、75重量%以下が特に好ましい。フロログルシノール型エポキシ化合物が占める割合が低すぎると、高温下で硬化物の耐熱性が低下しやすくなり、逆に割合が高すぎると、硬化物が硬くて脆くなる可能性がある。
フロログルシノール型エポキシ化合物と併用できる他の液状のエポキシ化合物としては特に限定されず、公知のものを使用することができる。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、アジピン酸ジ(3,4−エポキシ−6―メチルシクロヘシルメチル)、ヘキサヒドロフタル酸ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)、ヘキサヒドロイソフタル酸ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)、ヘキサヒドロテレフタル酸ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)、ヘキサヒドロフタル酸ジ(3,4−エポキシシクロペンチルメチル)、ビニルシクロヘキセンジエポキサイド、1,2:8,9−ジエポキシリモネン等の脂環式エポキシ樹脂;ブロム化脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ブロム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ブロム化クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアネートやヒダントインエポキシのような複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらエポキシ化合物としては1種類のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、粘度、耐熱性、接着性、耐湿性などの諸特性のバランスに優れるため、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂が好ましい。
本実施形態の耐熱性エポキシ樹脂組成物は、25℃で液状のエポキシ化合物を含むものであるが、当該液状のエポキシ化合物または他の成分に溶解し、組成物全体の性状に実質的に影響しない範囲内で、固体状のエポキシ化合物をさらに含んでもよい。
本実施形態の耐熱性エポキシ樹脂組成物は、エポキシ化合物に加えて、多官能酸無水物系硬化剤を含むことが好ましい。このような硬化剤としては公知のカルボン酸無水物を用いることができる。酸無水物系硬化剤の具体例としては、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコール無水トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸無水物などの芳香族カルボン酸無水物、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族カルボン酸の無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、クロレンド酸無水物、ハイミック酸無水物(ナジック酸無水物)、水素化ナジック酸無水物などの脂環式カルボン酸無水物、及びこれらの酸無水物の構造中にアルキル基等の置換基を有する酸無水物などが挙げられる。これらの酸無水物系硬化剤は、1種類を用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。これらの酸無水物系硬化剤の中でも、エポキシ化合物等の他の成分と均一に混合しやすいという理由で、25℃で液状の酸無水物系硬化剤が好ましい。特に、アルキル基置換体は室温で液状であるものが多く、均一混合の面で有効であり、例えば、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロフタル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物が好ましい。
酸無水物系硬化剤の配合量は適宜設定することができるが、耐熱性エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ化合物のエポキシ基に対するカルボキシル基の当量比が、通常、0.3以上1.5以下となる量であり、好ましくは、0.5以上1.2以下となる量である。酸無水物系硬化剤の配合量が、全エポキシ化合物のエポキシ基に対するカルボキシル基の当量比が0.3となる量より少ないと、硬化物の耐熱性が劣る場合があり、一方、1.5となる量より多いと、ポットライフが短くなる場合がある。
本実施形態の耐熱性エポキシ樹脂組成物は、酸無水物系硬化剤の硬化を促進させる作用を有する硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤の具体例としては、第三級アミン、第三級アミン塩、ホウ酸エステル、ルイス酸、有機金属化合物、有機リン系化合物、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、アミン錯体、イミダゾール系化合物、チタン及びコバルトのような遷移金属を含む化合物などが挙げられる。これら硬化促進剤としては1種類のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤の配合量は適宜設定することができるが、耐熱性エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ化合物100重量部に対して、好ましくは0.01重量部以上3.0重量部以下であり、更に好ましくは0.02重量部以上2.0重量部以下である。硬化促進剤の配合量が、エポキシ化合物100重量部に対して0.01重量部より少ないと、硬化反応の促進効果が劣る場合があり、一方、3.0重量部より多いと、ポットライフが短くなる場合がある。
本実施形態の耐熱性エポキシ樹脂組成物には、さらに、無機充填材、接着性付与剤またはカップリング剤、沈降防止剤及び分散剤、消泡剤、塗料定着剤、酸化防止剤、難燃化剤、着色剤、増粘剤、減粘剤、界面活性剤など公知の添加剤を適宜配合することができる。
また、得られる硬化物の耐クラック性を向上させたり、耐衝撃性を向上させる目的で、本実施形態の耐熱性エポキシ樹脂組成物には、熱可塑性樹脂、ゴム成分、各種オリゴマーなどを配合してもよい。熱可塑性樹脂の具体例としては、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、MBS樹脂(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体)、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)、アクリル樹脂、シリコーンオイル、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。また、各種プラスチック粉末、各種エンジニアリングプラスチック粉末などを配合することもできる。
本実施形態の耐熱性エポキシ樹脂組成物は、各成分を均一に混合することにより製造することができる。混合時に用いる混合装置としては特に限定されず、公知の混合装置を適宜用いることができる。例えば、強制混合ミキサー、自公転式混合装置、万能混合機などを用いることができる。また、温調機能を有する混合装置を用いることが好ましい。各成分を混合する時の温度は特に限定されず、適宜設定できるが、例えば、50℃以上80℃以下が好ましい。硬化物中にボイドが含まれるのを抑制するため、各成分を混合した後、金型に注型する前の耐熱性エポキシ樹脂組成物に対し、真空脱泡処理を行なってもよい。
本実施形態の耐熱性エポキシ樹脂組成物は、封止材または接着剤として使用することができる。封止材としては、特に、半導体デバイス等において基板と半導体素子を封止するために用いられる液状の注型材料として好適に用いることができる。特に本実施形態の耐熱性エポキシ樹脂組成物より得られる硬化物は、高い耐熱性を示し、しかも高温下で長時間保持されてもその耐熱性が低下しにくいという特性を有するので、高温で動作が可能な半導体素子を含む半導体デバイスに対する注型材料として好適である。
注型材料として本実施形態の耐熱性エポキシ樹脂組成物を使用する場合には、まず、当該組成物を、エポキシ樹脂組成物の硬化反応が進行する温度である110℃〜160℃に加熱した注型成形用金型に注入し、加圧ゲル化法又は真空注型法により成形加工を行なうことで、成形部材を得ることができる。注型成形用金型の設定温度は、110℃以上160℃以下の範囲内が好ましいが、高温になると、硬化時間は短くなるが、ヒケやボイドなどの形状異常が発生しやすい傾向がある。真空注型法では、高温で真空状態を維持するので、エポキシ樹脂組成物を構成する液状の原材料が揮発する可能性がある。従って、形状異常の抑制や原材料の揮発防止の観点から、注型成形用金型の設定温度は、130℃以上140℃以下がより好ましい。なお、注型成形用金型から離型後の二次硬化は、注型成形用金型の設定温度と同じか又はそれ以上の温度で実施し、成型物の変形や劣化などの悪影響がない温度であればよいが、200℃以下が好ましい。
耐熱性エポキシ樹脂組成物のポットライフを確保するため、使用前には、酸無水物系硬化剤、硬化促進剤からなる混合物と、それ以外の成分からなる混合物との2つに分けて保管するとよい。使用時は、これらの混合物を混合装置にて混合して注型成形用エポキシ樹脂組成物を調製し、この注型成形用エポキシ樹脂組成物を1kg/cm以上20kg/cm以下の圧力で、設定温度に予め加熱した注型成形用金型に注入して成形することができる。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1及び比較例1〜8)
各実施例及び比較例では下記の材料を使用した。
フロログルシノール型エポキシ樹脂:ナガセケムテックス(株)社製フロログルシノールトリグリシジルエーテル
脂環式エポキシ樹脂1:(株)ダイセル社製セロキサイド2021P
脂環式エポキシ樹脂2:(株)ダイセル社製セロキサイド8000
ビスフェノールA型エポキシ樹脂:三菱ケミカル(株)社製jER828
グリシジルアミン型エポキシ樹脂:三菱ケミカル(株)社製jER604
脂環式エポキシ樹脂3:(株)ダイセル社製EHPE−3150
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂:DIC(株)社製HP−7200
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂:日本化薬(株)社製EOCN−102S65
トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂:日本化薬(株)社製EPPN−502H
メチルテトラヒドロフタル酸無水物:日立化成(株)社製HN−2000
N,N−ジメチルベンジルアミン:広栄化学工業(株)社製ジメチルベンジルアミン
各材料を表1に示した配合比(重量比)で混合した後、各組成物を100℃/1h+200℃/3hの条件で硬化させ、硬化物を得た。硬化直後の硬化物のガラス転移点をDSC法により測定し、その結果を表1に示した。また、硬化物を220℃の条件で、所定時間(表1に記載の時間)維持することでエージングを行なった後、再度ガラス転移点を上記方法により測定し、その結果を表1に示した。
Figure 2019065100
表1より、実施例1の組成物は、25℃で液状のエポキシ化合物を含むもので、さらに、25℃で固形のエポキシ樹脂を含まず、硬化直後のガラス転移点は180℃を超え硬化物は耐熱性に優れており、かつ、220℃で2000時間エージングを行なった後にもガラス転移点は低下しておらず、高温下でその耐熱性が低下しないことが分かる。
一方、比較例1、2及び4ではエージング後のガラス転移点の低下が著しく、比較例3及び4では硬化直後のガラス転移点が十分に高いものではなかった。また、比較例5〜8は、流動性を悪化させる固形のエポキシ樹脂を含んでおり、比較例6〜8では硬化直後のガラス転移点が十分に高いものではなかった。

Claims (8)

  1. 25℃で液状のエポキシ化合物から実質的になるエポキシ成分を含み、
    硬化後に示すガラス転移点は180℃以上であり、
    220℃で2000時間の耐熱試験による前記ガラス転移点の低下が5℃以内である、耐熱性エポキシ樹脂組成物。
  2. 25℃で液状のエポキシ化合物がフロログルシノール型エポキシ化合物を含む、請求項1に記載の耐熱性エポキシ樹脂組成物。
  3. フロログルシノール型エポキシ化合物が以下の一般式(1)で表されるエポキシ化合物を含む、請求項2に記載の耐熱性エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2019065100
    [式中、3個のRは、同一又は異なって、水素原子、グリシジル基、又は、以下の一般式(2)で表される基である。一般式(2)中の2個のR′は、同一又は異なって、水素原子又はグリシジル基で表される基を表す。ただし、一般式(1)で表されるエポキシ化合物一分子中に少なくとも1個のグリシジル基を有する。]
    Figure 2019065100
  4. 25℃で液状のエポキシ化合物のうち、一般式(1)で表されるエポキシ化合物の割合が5〜90重量%である、請求項3に記載の耐熱性エポキシ樹脂組成物。
  5. 25℃で液状のエポキシ化合物として、さらに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の耐熱性エポキシ樹脂組成物。
  6. さらに、多官能酸無水物系硬化剤を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐熱性エポキシ樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐熱性エポキシ樹脂組成物を含む注型材料。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐熱性エポキシ樹脂組成物を加熱硬化させた注型部材。
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