JP2019063209A - 人工肺の操作方法および体外循環システム - Google Patents

人工肺の操作方法および体外循環システム Download PDF

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Abstract

【課題】人工肺内における血栓の発生を抑制可能な人工肺の操作方法および体外循環システムを提供する【解決手段】血液の体外循環中に、人工肺を振動させ、人工肺内の血液の滞留を抑制または解消する。【選択図】図3

Description

本発明は、人工肺の操作方法および体外循環システムに関する。
従来から、心臓疾患の開心術時や、急激に進行する循環不全や心肺停止状態に対して一時的に生命を維持するために、患者の血液の循環および呼吸を補助する体外循環システムが広く使用されている。
体外循環システムは、脱血路および送血路等から構成される体外循環回路に組み込まれるとともに血液との間でガス交換を行う人工肺と、体外循環回路に組み込まれるとともに人工肺に対して血液を送るポンプと、を有している(例えば、下記特許文献1参照)。体外循環システムは、脱血した血液に対して、人工肺によってガス交換(血液に酸素を付与し、二酸化炭素を除去する)を行い、送血路へ送血する。
特表2014−504906号公報
体外循環システムを長期間に渡って使用する場合は、人工肺内の血流の遅い領域や滞留領域で血栓が発生するのを防止するため、適当なタイミングで人工肺を交換する必要がある。このため、医師や看護師等の作業負担の増加および体外循環システムの使用コストの増加という問題が生じていた。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、人工肺内における血栓の発生を抑制可能な人工肺の操作方法および体外循環システムを提供することを目的とする。
本発明に係る人工肺の操作方法は、血液の体外循環回路に組み込まれるとともに前記血液との間でガス交換を行う人工肺の操作方法であって、前記血液の体外循環中に、前記人工肺を振動させ、前記人工肺内の前記血液の滞留を抑制または解消する振動工程を有する。
本発明に係る体外循環システムは、血液の体外循環回路に組み込まれるとともに、前記血液との間でガス交換を行う人工肺と、前記体外循環回路に組み込まれるとともに、前記血液を前記人工肺に送液可能なポンプと、前記人工肺を振動させる振動部と、前記ポンプおよび前記振動部の動作を制御可能な制御部と、有し、前記制御部は、前記血液の体外循環中に、前記振動部の動作を制御して前記人工肺を振動させ、前記人工肺内の前記血液の滞留を抑制または解消する。
本発明に係る人工肺の操作方法および体外循環システムによれば、人工肺を振動させることによって、人工肺内の血液の滞留を抑制または解消する。このため、人工肺内における血栓の発生を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る体外循環システムの全体構成を示す模式図であって、血液を体外循環させている様子を示す図である。 実施形態に係る体外循環システムの気泡除去の様子を示す図である。 実施形態に係る体外循環システムの人工肺、遠心ポンプ、ホルダ等の構造を示す概略斜視図である。 実施形態に係る体外循環システムの人工肺、遠心ポンプ、ホルダ等の構造を示す分解斜視図である。 実施形態に係る人工肺の長手方向の部分断面図である。 実施形態に係る人工肺の径方向の部分断面図である。 実施形態に係る人工肺を図5の矢印7A方向から見た場合の、血液流入ポートから人工肺に流入する血液の流れを示す模式図である。 実施形態に係る人工肺を図5の矢印7B方向から見た場合の、血液流出ポートに流入する血液の流れを示す模式図である。 実施形態に係る体外循環システムの制御系統を示すブロック図である。 変形例に係る体外循環システムの全体構成を示す模式図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態および変形例に係る人工肺の操作方法および体外循環システムを説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1〜図8を参照して本実施形態に係る体外循環システム1について説明する。図1、図2は、実施形態に係る体外循環システム1の全体構成の説明に供する図である。図3〜図8は、実施形態に係る体外循環システム1の各部の構成の説明に供する図である。なお、図7Aおよび図7Bでは、ガス流入ポート132a、ガス流出ポート133b、熱媒体の流入ポート132b、および熱媒体の流出ポート132cは、省略して示している。
本実施形態に係る体外循環システム1は、心臓疾患の開心術時や、急激に進行する循環不全や心肺停止状態に対して一時的に生命を維持するために、患者Mの血液の循環および呼吸を補助するシステムとして構成している。体外循環システム1は、図1に示すように、体外循環回路Cに組み込まれた状態で、使用される。
<体外循環回路>
体外循環回路Cは、患者Mの静脈から脱血を行う脱血カテーテルC1と、患者Mの動脈に向けて送血を行う送血カテーテルC2と、後述するプライミング工程(体外循環回路C内の気泡を除去する工程)から血液の体外循環工程に移行する際に回路を切り替える切り替え部C3と、を備えている。以下、体外循環回路Cについて詳述する。
脱血カテーテルC1は、図1に示すように、一端が患者Mの静脈に連通しており、他端が後述するポンプ20の血液流入ポート22(図3参照)に連通している。
送血カテーテルC2は、図1に示すように、一端が患者Mの動脈に連通しており、他端が後述する人工肺10の血液流出ポート131a(図3参照)に連通している。送血カテーテルC2は、人工肺10との間でガス交換を行った血液を、患者Mの動脈に送る。
切り替え部C3は、プライミング工程の際は患者Mの体内を通らない循環回路(図2参照)を形成し、血液の体外循環工程の際は患者Mの体内を通る循環回路を形成する(図1参照)。具体的には、使用者は、図2に示すように、プライミング工程の際は、切り替え部C3を操作して、静脈と脱血カテーテルC1の間の流路を閉塞し、動脈と送血カテーテルC2の間の流路を閉塞し、かつ、脱血カテーテルC1と送血カテーテルC2を連通させる。さらに、使用者は、脱血カテーテルC1と送血カテーテルC2の連通部分に、プライミング液を供給するプライミング液供給部Pを接続する。プライミング工程が完了して血液の体外循環工程に移行する際は、使用者は、切り替え部C3を操作して、図1に示すように、脱血カテーテルC1と送血カテーテルC2の連通を解除し、脱血カテーテルC1を静脈に連通させ、送血カテーテルC2を動脈に連通させる。
<体外循環システム>
体外循環システム1は、体外循環回路Cに組み込まれるとともに、血液との間でガス交換を行う人工肺10と、体外循環回路Cに組み込まれるとともに、血液およびプライミング液を人工肺10に送液可能なポンプ20と、人工肺10およびポンプ20を保持するホルダ30と、ホルダ30を振動させる振動部40と、人工肺10内の血液の滞留を検出可能な滞留検出部50と、を有している。体外循環システム1は、さらに、人工肺10にガスの供給を行うガス供給部60と、体外循環回路Cにおける気泡を検出可能な気泡検出部70と、体外循環回路Cの血液の流路を閉塞可能なクランプ80と、を有している。体外循環システム1は、さらに、所定の情報を表示するディスプレイ90と、各部の動作を制御するコントローラ100と、を有している。以下、体外循環システム1の各部の構成について説明する。
(人工肺)
本実施形態に係る人工肺10は、中空糸によって血液との間でガス交換を行う膜型人工肺によって構成している。人工肺10は、図5に示すように、ハウジング13と、ハウジング13に収容されるとともに血液との間でガス交換を行うガス交換部11と、ハウジング13に収容されるとともに血液の温度調整を行う熱交換部12と、を備えている。以下、人工肺10の各部の構成について詳述する。
ハウジング13について説明する。
ハウジング13は、長手方向に伸びる円筒状のハウジング本体131と、ハウジング本体131の両端に気密に連結される第1ヘッダ132および第2ヘッダ133と、を備えている。
ハウジング本体131には、血液流出ポート131aが設けられている。第1ヘッダ132には、ガス流入ポート132a、熱媒体流入ポート132bおよび熱媒体流出ポート132cが設けられている。第2ヘッダ133には、血液流入ポート133aおよびガス流出ポート133bが設けられている。血液流入ポート133aは、ハウジング本体131の長手方向に伸びている。血液流出ポート131aは、ハウジング本体131の長手方向と交差する方向に伸びている。
ハウジング13は、内部の血流の視認可能な程度に透明であることが好ましい。なお、本明細書における「透明」には、無色透明、有色透明、および半透明を含む。これによって、後述する滞留検出部50によって、人工肺10内の血液の滞留を好適に検出することができる。
ハウジング13を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタラート等のエステル系樹脂、ポリスチレン、MS樹脂や、MBS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート等を用いることができる。
ガス交換部11について説明する。
ガス交換部11は、長手方向に伸びる円筒形状の筒状コア111と、筒状コア111の外周に設けられるとともに血液との間でガス交換を行う中空糸膜束112と、中空糸膜束112の外周に設けられるとともに気泡を捕捉可能なフィルタ113と、中空糸膜束112をハウジング13に対して固定する固定部材114、115と、を備えている。
筒状コア111の内方には、熱交換部12が設けられている。筒状コア111の内周面と熱交換部12の外周面の間には、隙間が設けられている。この隙間には、血液流入ポート133aからの血液が流入する(図5に矢印a1で血液の流れを示す)。以下、筒状コア111の内周面と熱交換部12の外周面の間の隙間を「第1血液室Br1」と称する。
筒状コア111は、外周面に多数の溝部111aを備える。各溝部111aは、筒状コア111の周方向において血液流出ポート131aの設けられている側(図5、図6の下側)の一定の領域(以下、「溝非形成領域111c」と称する)を除き、周方向に沿って円弧状に延在している。隣り合う溝部111aの間には、リブ111dが形成されている。各リブ111dおよび溝非形成領域111cは、中空糸膜束112の内周面に当接する。このため、中空糸膜束112の形状安定性を向上させることができる。なお、各溝部111aは、筒状コア111の周方向全域に渡って環状に延在していてもよい(すなわち溝非形成領域111cを備えなくてもよい)。
筒状コア111は、図5および図6に示すように、筒状コア111を厚み方向に貫通するとともに各溝部111aに連通する貫通穴111bを備えている。なお、図6は、一の溝部111aおよび貫通穴111bを通過する径方向の部分断面図である。各貫通穴111bは、筒状コア111において、血液流出ポート131aが設けられている側と反対側(図5、図6の上側)に設けられている。第1血液室Br1に流入した血液は、複数の貫通穴111bを通過して、中空糸膜束112に向かうとともに、複数の溝部111aによって周方向に広がるように流れる(図6に矢印a3で血液の流れを示す)。
筒状コア111を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタラート等のエステル系樹脂、ポリスチレン、MS樹脂や、MBS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート等を用いることができる。
中空糸膜束112は、中空糸膜(図示省略)を多数重ねることによって構成している。中空糸膜は、ガス交換機能を備える多数の中空糸(図示省略)を筒状に形成することによって構成している。
中空糸膜の構成材料としては、血液との間でガス交換が可能である限り特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトル、ポリテトラフルオロチレン、ポリメチルペンテン等の疎水性高分子材料を用いることができる。
フィルタ113は、中空糸膜束112の外周面に当接するようにして設けられている。本実施形態では、フィルタ113は、略円筒形状を備えており、図5に示すように、中空糸膜束112の外周面のうち、固定部材114、115によって覆われていない部分全域を覆う。このため、フィルタ113が、中空糸膜束112の外周面のうち、固定部材114、115によって覆われていない部分を部分的に覆う場合と比較すると、より好適に気泡を捕捉することができる。なお、フィルタ113は、固定部材114、115によって覆われていない部分を部分的に覆ってもよい。また、人工肺10はフィルタ113を備えなくてもよい。
フィルタ113の外周面とハウジング13の内周面の間には、隙間が設けられている。
フィルタ113の構成は、気泡を捕捉可能である限り特に限定されない。例えば、フィルタ113は、メッシュ構造を備えるスクリーンフィルタによって構成してもよい。また、例えば、フィルタ113は、親水性を備える材料によって構成してもよいし、表面に親水化処理(例えばプラズマ処理等)を施してもよい。
固定部材114は、中空糸膜束112の長手方向の両端部のうち、ガス流入ポート132aに近い側の端部(図5の右側の端部)に設けられている。固定部材115は、中空糸膜束112の長手方向の両端部のうち、ガス流出ポート133bに近い側の端部(図5の左側の端部)に設けられている。
各固定部材114、115は、略円筒形状を備えており、ハウジング13の内面に液密に固定される。このため、固定部材114、115と、フィルタ113の外周面と、ハウジング13の内周面との間には、血液の流路(以下、「第2血液室Br2」と称する)が形成される。また、固定部材114とハウジング13の第1ヘッダ132の間には、ガスの流路となる第1ガス室Gr1が形成される。また、固定部材115とハウジング13の第2ヘッダ133の間には、ガスの流路となる第2ガス室Gr2が形成される。
人工肺10における血液の流れについて説明する。
血液は、血液流入ポート133aから、第1血液室Br1に流入する(図5に矢印a1で血液の流れを示す)。次に、血液は、第1血液室Br1を周方向に移動し、複数の貫通穴111bに向かう(図6、図7Aに矢印a2で血液の流れを示す)。なお、図7Aに示すように、第1血液室Br1に流入した血液は、血液流入ポート133aの中心軸(図中一点鎖線で示す)を境界として、第1血液室Br1の周方向に分岐するように流れる。このため、第1血液室Br1の血液流入ポート133aと反対側の領域S1の血液は、周方向の異なる方向に向かう流れの間に挟まれており、滞留しやすい。
次に、血液は、複数の溝部111aを介して筒状コア111の周方向に広がるように流れる(図6に矢印a3で血液の流れを示す)。また、血液は、中空糸膜束112およびフィルタ113を径方向に通過し、第2血液室Br2に流れ込む(図5および図6に矢印a4で血液の流れを示す)。次に、血液は、血液流出ポート131aに向かって流れる(図5、図6、図7Bに矢印a5で示す)。
このように、血液は、血液流入ポート133aから流入した後、中空糸膜束112内を広がるようにして、第2血液室Br2に到達する。このため、第2血液室Br2における血液の速度は、ハウジング13の血液流入ポート133aにおける血液の速度よりも、全体的に遅くなる。また、第2血液室Br2に到達した血液のうち、ハウジング13の内表面付近の血液は、壁面との摩擦および血液の粘性等に起因して、特に速度が遅くなり易く、血液の滞留が生じやすい。特に、図7Bに示すように、第2血液室Br2の血液は、血液流出ポート131aに向かって流れ込む。このため、第2血液室Br2において血液流出ポート131aを挟んだハウジング13の両端付近の領域S2の血液は、周方向の異なる位置から血液流出ポート131aに向かう流れの間に挟まれており、滞留しやすい。このように第2血液室Br2における血液には、速度分布が生じる。血液は、長時間に渡って滞留すると、血栓を生じる。本実施形態に係る体外循環システム1は、詳細は後述するが、振動部40によって血液の滞留を抑制または解消し、血栓の発生を抑制する。
人工肺10におけるガスの流れについて説明する。
酸素濃度の高いガスが、図5に示すように、ガス流入ポート132aを介して、ガス供給部60から人工肺10に供給される。次にガスは、第1ガス室Gr1に流れる。次に、ガスは、中空糸膜束112に供給され、中空糸膜束112を介して、血液に酸素を供給し、血液から二酸化炭素を受け取る(ガス交換)。これによって、中空糸膜束112内のガスの酸素濃度が低下する。次に、ガスは、第2ガス室Gr2に流れる。次に、ガスは、ガス流出ポート133bを介して人工肺10から排出される。
熱交換部12について説明する。
本実施形態では、熱交換部12は、べローズ型の熱交換体121を備えている。熱交換体121の内部空間(図示省略)には、後述するハウジング13の熱媒体流入ポート132bからの熱媒体が流入する。熱交換体121を介して血液との間で熱交換を行った熱媒体は、後述するハウジング13の熱媒体流出ポート132cから人工肺10の外に排出される。なお、熱交換部12の構成は、血液の温度を調整可能である限り特に限定されない。
(ポンプ)
本実施形態では、ポンプ20は、遠心ポンプによって構成している。ポンプ20は、図3、図4に示すように、ヘッド21と、ヘッド21に設けられるとともに、脱血カテーテルC1を接続可能な血液流入ポート22と、ヘッド21に設けられるとともに、チューブC4を介して人工肺10の血液流入ポート133a連通する血液流出ポート23と、ヘッド21に接続されるモータドライブ24と、を備えている。なお、ポンプ20は、血液を人工肺10に送液可能であればよく、遠心ポンプに限定されない。ポンプ20は、例えば、ローラポンプによって構成してもよい。
(ホルダ)
ホルダ30は、図3、図4に示すように、基板31と、基板31に対し着脱自在に装着される連結部材32と、を備えている。
基板31は、図4に示すように、平坦部311と、平坦部311の両端に連なるとともに平坦部311と交差する方向に立ち上がる縦壁312、313と、を備えている。
平坦部311において縦壁312、313が立ち上がっている側の面(以下、「正面」と称する)には、連結部材32と係合する係合部311aが設けられている。本実施形態では、係合部311aは、フック状の突起によって構成している。縦壁312、313には、後述する振動部40の回転軸411、412が連結されている。
連結部材32は、クランク状の板部材によって構成している。連結部材32には、人工肺10を保持する人工肺保持部321と、ポンプ20を保持するポンプ保持部322と、基板31の係合部311aと係合する被係合部323と、連結部材32を基板31に対し着脱する際に使用者が把持するハンドル324と、が設けられている。
人工肺保持部321は、連結部材32の正面の片側(図4の右側)に設けた複数の爪321aによって構成している。人工肺保持部321は、複数の爪321aを人工肺10の外周面に設けられた窪み(図示省略)に引っ掛けることによって、人工肺10を連結部材32に対して固定する。ただし、人工肺保持部321の構成は、人工肺10を保持可能である限り特に限定されない。
ポンプ保持部322は、連結部材32の片側(図4の左側)に設けた円環状の枠部322aによって構成している。ポンプ保持部322は、円環状の枠部322aにポンプ20を嵌合することによって、ポンプ20を連結部材32に対して固定する。ただし、ポンプ保持部322の構成は、ポンプ20を保持可能である限り特に限定されない。
被係合部323は、連結部材32を厚み方向に貫通する貫通穴によって構成している。被係合部323に、基板31の係合部311aを挿通して引っ掛けることによって、連結部材32を基板31に連結することができる。ただし、係合部311aおよび被係合部323の構成は、連結部材32と基板31を連結可能である限り特に限定されない。
ハンドル324は、被係合部323の近傍に設けられている。使用者は、ハンドル324を把持し、人工肺10およびポンプ20を保持する連結部材32を、基板31に容易に着脱できる。
ホルダ30の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、MS樹脂、MBS樹脂)、ポリカーボネート等の樹脂材料あるいは種々のセラミックス材料、金属材料等を用いることができる。
(振動部)
振動部40は、ホルダ30を人工肺10の周方向Rに振動可能な第1振動部41と、第1振動部41を支持する支持部42と、支持部42を人工肺10の長手方向と交差する方向Zに振動可能な第2振動部43と、を備えている。
第1振動部41は、ホルダ30の縦壁312、313に連結された回転軸411、412と、回転軸411、412を支持部42に対して回転可能に支持する回転支持部413、414と、回転軸411に連結されるとともに回転軸411を回転させるモータ415と、を備えている。なお、ホルダ30の回転軸411、412の長手方向は、人工肺10の長手方向と一致する(図3において一点鎖線で示す)。
後述するコントローラ100の制御部110がモータ415を駆動させることによって、回転軸411、412とともにホルダ30が人工肺10の周方向Rに振動する。このため、人工肺10は、周方向Rに振動する。図6に示すように、ハウジング13は円筒形状である。このため、第1血液室Br1の血液が振動によって周方向Rに移動するのを妨げるものはなく、第1振動部41は、第1血液室Br1において滞留している血液(特に図7Aの領域S1の血液)を好適に撹拌できる(強制的に流れを作ることができる)。また、第2血液室Br2の血液も、振動によって周方向Rに移動するのを妨げるものがないため、第1振動部41は、第2血液室Br2において滞留している血液(特に図7Bの領域S2の血液)を好適に撹拌できる。このため、血液の滞留を好適に抑制または解消することができる。また、ポンプ20は人工肺10とともに回転する。このため、振動時に、人工肺10に対するポンプ20の相対的な位置を固定することができ、人工肺10とポンプ20を連結するチューブC4(図3参照)が捻じれたり、チューブC4による人工肺10とポンプ20の連結が解除されたりするのを防止することができる。また、第1振動部41は、ポンプ20内における血液の滞留を抑制または解消することができる。なお、第1振動部41がホルダ30を周方向Rに振動させる際の角度範囲(振幅)は特に限定されないが、例えば、90度振動させることができる。
支持部42は、図3、図4に示すように、平板によって構成している。支持部42には、回転支持部413、414が固定される。
第2振動部43は、直動機構431と、支持部42と直動機構431を連結する連結部432と、を備えている。直動機構431は、支持部42を人工肺10の長手方向と交差する方向Zに振動可能である限り特に限定されないが、例えば、リニアブッシュ機構、シリンダストローク機構、ボールねじ機構、等の公知の直動機構によって構成することができる。なお、本実施形態では、図3に示すように、人工肺10の長手方向が水平方向となるように人工肺10をホルダ30に配置し、かつ、血液流出ポート131aが下側に位置するように人工肺10を配置した状態で、直動機構431は、鉛直方向(図3の上下方向)に支持部42を振動させる。
後述するコントローラ100の制御部110が直動機構431を駆動させると、支持部42は人工肺10の長手方向と交差する方向Zに振動する。このため、第2振動部43は、人工肺10を長手方向と交差する方向Zに振動させることができる。第2振動部43は、第1血液室Br1および第2血液室Br2における血液の流れ(図6の矢印a2およびa5で示す)と交差する方向に人工肺10を振動させるため、滞留領域における血液を、血液が正常に流れている領域へ移動させ、血液の滞留を抑制または解消することができる。
なお、振動部40は、人工肺10を振動させる際に、周方向Rおよび長手方向と交差する方向Zの両方に人工肺10を振動させてもよいし、周方向Rにのみ人工肺10を振動させてもよいし、長手方向と交差する方向Zにのみ人工肺10を振動させてもよい。ただし、周方向Rに人工肺10を振動させる場合の方が、長手方向と交差する方向Zに振動させる場合と比較して、滞留をより一層容易に解消できる。このため、振動部40は、少なくとも周方向Rに人工肺10を振動させることが好ましい。
(滞留検出部)
滞留検出部50は、図1に示すように、人工肺10に対向するようにして配置されるとともに第2血液室Br2の血液を撮像可能な撮像部51と、人工肺10に対向するようにして配置されるとともに人工肺10に光を照射する光源52と、を備えている。
撮像部51は、第2血液室Br2の血液を撮像可能な限り特に限定されないが、例えば、CCDカメラによって構成することができる。なお、撮像部51は、第2血液室Br2の滞留が生じやすい領域S2(図7B参照)を撮像できる位置に配置することが好ましい。
光源52は、撮像部51が撮影した複数の画像から血液の流れを解析できる程度に、人工肺10の撮影される領域を明るくできればよく、例えば、ハロゲンランプによって構成することができる。なお、血液中のヘモグロビン(赤血球中に存在)は赤外線を吸収することから、例えば、撮像部51を赤外線カメラによって構成し、光源52を赤外線光源によって構成してもよい。
血液の体外循環中は、後述するコントローラ100の制御部110は、撮像部51を駆動させ一定の時間間隔で第2血液室Br2の血液を撮像する。次に、制御部110は、各撮像画像を2値化し、各撮像画像内の赤血球を抽出した赤血球抽出画像を作成する。そして、連続する2枚の赤血球抽出画像から相関法を用いて赤血球の速度ベクトルを計算する。制御部110は、赤血球の速度が所定の値以下となっている場合は、血液が滞留していると判断する。このように、本明細書では、血液の滞留とは、速度が0となっている血液だけを指すのではなく、速度が所定の値以下となっている血液も含む。
なお、滞留検出部50は、人工肺10を拡大して観察可能な顕微鏡をさらに備えていてもよく、顕微鏡によって拡大された像を撮像部51が撮像するように構成してもよい。また、滞留検出部50の構成は、人工肺10内の血液の滞留を検出可能である限り特に限定されない。例えば、滞留検出部は、人工肺の血液流入ポートの上流側と人工肺の血液流出ポートの下流側の圧力を計測し、コントローラ100の制御部110は、圧力損失が増加傾向にある場合、または、圧力損失が所定の値を超えた場合に、滞留が発生したと判断し、人工肺を振動させてもよい。
(ガス供給部)
ガス供給部60は、酸素ボンベと、空気ボンベと、酸素ボンベおよび空気ボンベに気密に連結されるとともに酸素と空気の混合ガスを人工肺10に供給するガスブレンダ(いずれも図示省略)と、を備えている。ガスブレンダは、人工肺10のガス流入ポート132aに連通している(図5参照)。
(気泡検出部)
気泡検出部70は、図1に示すように、送血カテーテルC2を流れる気泡を検出する。気泡検出部70は、送血カテーテルC2を流れる気泡を検出可能である限り特に限定されないが、例えば、送血カテーテルC2を挟んで配置される超音波送受信器や、光送受信器によって構成することができる。
(クランプ)
クランプ80は、気泡検出部70よりも下流側に設けられており、送血カテーテルC2の流路を閉塞することができる。仮に、血液の体外循環中に、気泡検出部70によって気泡が検出された場合には、制御部110は、クランプ80を制御して、送血カテーテルC2の流路をただちに閉塞する。これによって、気泡が患者Mの体内に流入するのを防止することができる。
(ディスプレイ)
ディスプレイ90は、体外循環システム1の操作に供する情報を表示する。例えば、ディスプレイ90は、滞留検出部50によって取得された人工肺10内の血液の速度分布を表示することができる。このため、使用者は、人工肺10内の血液の速度分布を好適に把握することができる。
(コントローラ)
コントローラ100は、体外循環システム1の各部の動作を制御する制御部110と、使用者からの体外循環システム1に対する指示を受付可能な操作部120と、を備えている。
制御部110は、CPUと、記憶部と、を備えている。記憶部は、予め各種プログラムやデータを格納しておくROM、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM、各種プログラムやデータを格納し、または画像処理により得られた画像データ等を一時的に保存するために使用されるハードディスク等からなる。記憶部は、詳細は後述するが、(i)血液の体外循環中に滞留検出部50によって人工肺10内の血液の滞留の有無を監視し、(ii)滞留を検出した場合は人工肺10を振動させ、(iii)人工肺10の振動動作の完了後に滞留が解消されたか否かを確認する一連のプログラムを、記憶している。
制御部110は、図8に示すように、ポンプ20、振動部40、滞留検出部50、ガス供給部60、気泡検出部70、クランプ80、ディスプレイ90、および、操作部120に電気的に接続している。制御部110は、ポンプ20、振動部40、ガス供給部60、クランプ80、ディスプレイ90の動作を制御する。また、制御部110は、滞留検出部50からの信号に基づいて血液の滞留の有無を判断する。また、制御部110は、気泡検出部70からの信号に基づいて、送血カテーテルC2内の気泡の有無を判断する。
(操作方法)
人工肺10の操作方法および体外循環システム1の制御方法の例として、人工肺10による患者Mの心肺補助動作を行う際の流れについて説明する。
体外循環システム1を用いて、患者Mの血液の体外循環を行うのに先立って、体外循環システム1および体外循環回路Cをプライミング液で満たし、体外循環システム1および体外循環回路C内の気泡を除去するプライミング工程を実施する。
まず、使用者は、切り替え部C3を操作して、体外循環回路Cの患者Mの体内への経路を遮断し、患者Mの体外のみを通るとともにプライミング液供給部Pに連通する循環回路を形成する(図2参照)。
次に、使用者は、操作部120を操作して、制御部110に対してプライミング開始の指示を行う。
その結果、制御部110は、ポンプ20を駆動させ、プライミング液で体外循環回路C内を満たす。体外循環回路C内でプライミング液を複数周循環させ、気泡を体外循環回路C上の気泡排出ポート(図示省略)から排出する。なお、プライミング液を循環させている際、気泡検出部70によって体外循環回路C内を流れる気泡の有無を検出してもよい。
次に、使用者は、目視や気泡検出部70の信号に基づいて、プライミングが完了したことを確認した後、操作部120を操作して、制御部110に対してプライミング完了の指示を行う。その結果、制御部110は、ポンプ20を停止させる。
次に、使用者は、切り替え部C3を操作して、体外循環回路Cを、患者Mの体内を通る回路に切り替える(図1参照)。
次に、使用者は、操作部120を操作して、血流量、ガス供給量、振動部40が人工肺10を振動させる際の振幅、周期等を設定し、制御部110に対して血液の体外循環開始の指示を行う。
その結果、制御部110は、設定した血流量に基づいてポンプ20を駆動し、設定したガス供給量に基づいてガス供給部60を駆動する。ポンプ20を駆動することによって、脱血カテーテルC1から脱血されてくる血液が、ポンプ20を経由して人工肺10に流入する。血液は、人工肺10との間でガス交換(酸素付加、二酸化炭素除去)を行う。ガス交換した血液は、送血カテーテルC2から患者Mの体内に送血される。なお、仮に、気泡検出部70によって気泡が検出された場合は、制御部110は、クランプ80を駆動させ、送血カテーテルC2の流路を閉塞して、送血を停止させる。
制御部110は、血液の体外循環中、滞留検出部50からの信号に基づいて、人工肺10内の血液の滞留の有無を監視する。制御部110は、人工肺10内の血液の滞留を検出した場合は、振動部40を駆動させ、ホルダ30を振動させる(振動工程)。その結果、人工肺10が振動し、人工肺10内の血液の滞留を解消することができる。このため、人工肺10内での血栓の発生を抑制できる。なお、制御部110は、第1振動部41および第2振動部43の両方を振動させてもよいし、第1振動部41または第2振動部43のいずれか一方を振動させてもよい。
本実施形態では、制御部110は、振動部40を、一定時間駆動させた後、停止させる。次に、制御部110は、滞留検出部50によって、人工肺10内の血液の滞留の有無を確認する。これによって、振動によって、人工肺10内の血液の滞留が解消されたか否かを確認することができる。仮に人工肺10内の血液の滞留が解消されていない場合は、制御部110は、もう一度、振動部40を駆動させ、人工肺10を振動させる。なお、制御部110は、本実施形態のように振動部40を停止させず、使用者から血液の体外循環の停止指示があるまで、振動部40を連続駆動させてもよい。
次に、使用者は、所望のタイミングで、操作部120を操作して、制御部110に対して、血液の体外循環の停止を指示する。
その結果、制御部110は、ポンプ20およびガス供給部60を停止させる。また、制御部110は、振動部40が駆動している場合は、振動部40を停止させる。
以上、本実施形態に係る人工肺10の操作方法によれば、血液の体外循環中に、人工肺10を振動させ、人工肺10内の血液の滞留を抑制または解消する振動工程を備える。このため、人工肺10内における血栓の発生を抑制することができる。
また、振動工程では、人工肺10内で血液の滞留を検出した後に、人工肺10を振動させる。このため、人工肺10内の血液の滞留を解消して、血栓の発生を好適に防止することができる。また、滞留を検出したタイミングで人工肺10を振動させるため、人工肺10を振動させるために必要な電力を抑制することができる。
また、人工肺10は、長手方向に伸びる中空のハウジング13を備え、血液は長手方向に沿ってハウジング13内に流入した後、ハウジング13内を広がるように流れ、振動工程では、人工肺10を長手方向と交差する方向Zに振動させる。このため、ハウジング13内を広がるように流れて遅くなった血液を、血流と交差する方向Zに振動させることができる。このため、人工肺10内の血液の滞留を好適に抑制または解消できる。
また、人工肺10は、長手方向に伸びる円筒形状のハウジング13を備え、振動工程では、人工肺10をハウジング13の周方向Rに振動させる。ハウジング13は円筒形状であって周方向Rには障壁となるものが存在しないため、人工肺10を周方向Rに振動させることによって、血液を好適に撹拌することができる。このため、人工肺10内の血液の滞留を好適に抑制または解消できる。
また、本実施形態に係る体外循環システム1によれば、血液の体外循環回路Cに組み込まれるとともに、血液との間でガス交換を行う人工肺10と、体外循環回路Cに組み込まれるとともに、血液を人工肺10に送液可能なポンプ20と、人工肺10を振動させる振動部40と、ポンプ20および振動部40の動作を制御可能な制御部110と、有している。制御部110は、血液の体外循環中に、振動部40の動作を制御して人工肺10を振動させて、人工肺10内の血液の滞留を抑制または解消する。このため、人工肺10内における血栓の発生を抑制することができる。
また、体外循環システム1は、人工肺10内の血液の滞留を検出可能な滞留検出部50をさらに有し、制御部110は、滞留検出部50が人工肺10内の血液の滞留を検出した場合に、振動部40の動作を制御して人工肺10を振動させる。このため、人工肺10内の血液の滞留を解消して、血栓の発生を好適に防止することができる。また、滞留を検出したタイミングで人工肺10を振動させるため、人工肺10を振動させるために必要な電力を抑制することができる。
また、人工肺10は、長手方向に伸びる中空のハウジング13を備え、血液は長手方向に沿ってハウジング13内に流入した後、ハウジング13内を広がるように流れ、振動部40は、人工肺10を長手方向と交差する方向Zに振動させる。このため、人工肺10内を広がるように流れて遅くなった血液を、血流と交差する方向Zに振動させることができる。このため、人工肺10内の血液の滞留を好適に抑制または解消できる。
また、人工肺10は、長手方向に伸びる円筒形状のハウジング13を備え、振動部40は、人工肺10をハウジング13の周方向Rに振動させる。ハウジング13は円筒形状であって、周方向には障壁となるものが存在しないため、人工肺10を周方向に振動させることによって、血液を好適に撹拌することができる。このため、人工肺10内の血液の滞留を好適に抑制または解消できる。
また、体外循環システム1は、人工肺10およびポンプ20を保持するホルダ30をさらに備え、振動部40は、ホルダ30を振動させる。このため、ポンプ20内の血液の滞留も抑制または解消できる。また、人工肺10とポンプ20を連動して振動させることができるため、人工肺10とポンプ20の連結が解除されるのを好適に防止することができる。
<変形例>
次に、図9を参照して、変形例に係る体外循環システム2について説明する。変形例に係る体外循環システム2は、滞留検出部50を備えない点および人工肺10を振動させるタイミングにおいて、上記実施形態に係る体外循環システム1と相違する。以下、変形例に係る人工肺10の操作方法および体外循環システム2の制御方法について説明する。なお、上記実施形態に係る体外循環システム1と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
体外循環システム2も、上記実施形態に係る体外循環システム1と同様に、患者Mの血液の体外循環を行うのに先立って、体外循環システム2および体外循環回路Cをプライミング液で満たし、体外循環システム2および体外循環回路C内の気泡を除去するプライミング工程を実施する。なお、プライミング工程、およびプライミング工程から血液の体外循環工程に切り替えるための詳細な手順は、上記実施形態の説明において詳述したため、省略する。
プライミング工程から血液の体外循環工程に切り替える作業が完了した後、使用者は、
操作部120を操作して、血流量、ガス供給量、振動部40が人工肺10を振動させる際の振幅、周波数等を設定し、制御部110に対して血液の体外循環開始の指示を行う。
その結果、制御部110は、設定した血流量に基づいてポンプ20を駆動し、設定したガス供給量に基づいてガス供給部60を駆動し、設定した振幅・周波数等に基づいて振動部40を駆動する。血液の体外循環開始時点は、血液の体外循環のためにポンプ20を駆動させた時点とすることができる。すなわち、体外循環回路C内に、プライミング液が残留しており、体外循環回路C内が完全に血液で満たされていなくても、血液の体外循環のためにポンプ20を駆動した時点を、血液の体外循環の開始時点とすることができる。このように、血液の体外循環の開始時点であるポンプ20駆動と同時に振動部40を駆動させるため、人工肺10内の血液の滞留の発生を抑制することができる。なお、制御部110は、第1振動部41および第2振動部43の両方を振動させてもよいし、第1振動部41または第2振動部43のいずれか一方を振動させてもよい。また、制御部110は、後述する体外循環の停止指示があるまで振動部40を連続駆動させてもよいし、後述する体外循環の停止指示があるまで所望の時間間隔(例えば6時間)ごとに振動部40を駆動させてもよい。
次に、使用者は、所望のタイミングで、操作部120を操作して、制御部110に対して、血液の体外循環の停止を指示する。
その結果、制御部110は、ポンプ20、ガス供給部60および振動部40を停止させる。
以上、変形例に係る人工肺10の操作方法によれば、血液の体外循環の開始と同時に、人工肺10を振動させる振動工程を備える。また、制御部110は、血液の体外循環のためにポンプ20を駆動させるのと同時に、振動部40の動作を制御して人工肺10を振動させる。このため、人工肺10内における血液の滞留を抑制することができる。このため、人工肺10内における血栓の発生を好適に抑制することができる。
以上、実施形態および変形例を通じて本発明に係る人工肺の操作方法および体外循環を説明したが、本発明は説明した各構成のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、上記実施形態では、制御部が振動部を駆動させて人工肺を振動させる構成を説明したが、使用者が血液の体外循環中に、人工肺を手動で振動させてもよい。
また、例えば、人工肺を振動させるタイミングは、血液の体外循環の開始以降(血液の体外循環のためにポンプを駆動させた時以降)であれば、特に限定されない。例えば、体外循環システムが、滞留検出部を備えず、体外循環回路内の血液の流れを検出する血流検出部を備え、制御部は、血流検出部からの信号に基づいて体外循環回路内に血液が流れていると判断した場合は、人工肺を振動させてもよい。なお、血流検出部は、体外循環回路における血液の流れを検出可能である限り特に限定されないが、例えば、体外循環回路に対向するように設けられたCCDカメラによって構成することができる。制御部は、撮像画像において体外循環回路内が赤色の場合は、血液が流れていると判断する。
また、人工肺全体を振動させる限り、人工肺の振動方向は特に限定されず、上記実施形態の方向(周方向および鉛直方向)でなくてもよい。また、「長手方向と交差する方向」には、上記実施形態において説明した鉛直方向だけでなく、鉛直方向から傾斜し、かつ、長手方向と交差する方向も含む。また、振動部は、第1振動部または第2振動部のいずれか一方しか備えなくてもよい。
また、本発明に係る体外循環システムは、人工肺と、ポンプと、振動部と、制御部と、を有する限り特に限定されず、例えば、これらに加えて、体外循環回路中に設けられるとともに血液の濾過や気泡除去を行う血液フィルタ、体外循環回路中に設けられるとともに血液の流量を計測可能な流量検出部、体外循環回路中に設けられるとともに血液の酸素濃度を計測可能な酸素濃度検出部、体外循環回路中に組み込まれる貯血槽(リザーバ)等をさらに有していてもよい。
また、人工肺の外形形状、内部の構成、血液の流れる経路等は特に限定されない。例えば、人工肺は、中空の直方体形状を備え、その内部に、矩形状の熱交換部およびガス交換部を収容してもよい。また、人工肺は、熱交換部を備えなくてもよい。
また、人工肺において血液流入ポートおよび血液流出ポート、ガス流入ポートおよびガス流出ポート、熱媒体流入ポートおよび熱媒体流出ポートを設ける位置は特に限定されない。
また、上記実施形態では、人工肺およびポンプを保持するホルダを振動させることによって人工肺およびポンプの両方を振動させる形態を説明した。しかし、少なくとも人工肺を振動させることができればよく、ポンプは振動させなくてもよい。
1、2 体外循環システム、
10 人工肺、
13 ハウジング、
20 ポンプ、
30 ホルダ、
40 振動部、
50 滞留検出部、
110 制御部、
C 体外循環回路、
R 周方向、
Z 長手方向と交差する方向。

Claims (11)

  1. 血液の体外循環回路に組み込まれるとともに前記血液との間でガス交換を行う人工肺の操作方法であって、
    前記血液の体外循環中に、前記人工肺を振動させ、前記人工肺内の前記血液の滞留を抑制または解消する振動工程を有する、人工肺の操作方法。
  2. 前記振動工程では、前記人工肺内で前記血液の滞留を検出した場合に、前記人工肺を振動させる、請求項1に記載の人工肺の操作方法。
  3. 前記振動工程では、前記血液の体外循環の開始と同時に、前記人工肺を振動させる、請求項1に記載の人工肺の操作方法。
  4. 前記人工肺は、長手方向に伸びる中空のハウジングを備え、
    前記血液は、前記長手方向に沿って前記ハウジング内に流入した後、前記ハウジング内を広がるように流れ、
    前記振動工程では、前記人工肺を前記長手方向と交差する方向に振動させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の人工肺の操作方法。
  5. 前記人工肺は、長手方向に伸びる円筒状のハウジングを備え、
    前記振動工程では、前記人工肺を前記ハウジングの周方向に振動させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の人工肺の操作方法。
  6. 血液の体外循環回路に組み込まれるとともに、前記血液との間でガス交換を行う人工肺と、
    前記体外循環回路に組み込まれるとともに、前記血液を前記人工肺に送液可能なポンプと、
    前記人工肺を振動させる振動部と、
    前記ポンプおよび前記振動部の動作を制御可能な制御部と、有し、
    前記制御部は、前記血液の体外循環中に、前記振動部の動作を制御して前記人工肺を振動させ、前記人工肺内の前記血液の滞留を抑制または解消する、体外循環システム。
  7. 前記人工肺内の前記血液の滞留を検出可能な滞留検出部をさらに有し、
    前記制御部は、前記滞留検出部が前記人工肺内の前記血液の滞留を検出した場合に、前記振動部の動作を制御して前記人工肺を振動させる、請求項6に記載の体外循環システム。
  8. 前記制御部は、前記血液の体外循環のために前記ポンプを駆動させるのと同時に、前記振動部の動作を制御して前記人工肺を振動させる、請求項6に記載の体外循環システム。
  9. 前記人工肺は、長手方向に伸びる中空のハウジングを備え、
    前記血液は、前記長手方向に沿って前記ハウジング内に流入した後、前記ハウジング内を広がるように流れ、
    前記振動部は、前記人工肺を前記長手方向と交差する方向に振動させる、請求項6〜8のいずれか1項に記載の体外循環システム。
  10. 前記人工肺は、円筒状のハウジングを備え、
    前記振動部は、前記人工肺を前記ハウジングの周方向に振動させる、請求項6〜9のいずれか1項に記載の体外循環システム。
  11. 前記人工肺および前記ポンプを保持するホルダをさらに備え、
    前記振動部は、前記ホルダを振動させる、請求項6〜10のいずれか1項に記載の体外循環システム。
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