[実施形態の概要]
ここで、ユーザ端末が、アンライセンスド帯域において基地局から送信された参照信号に対する測定を行うことを想定する。ユーザ端末が当該測定結果を基地局に報告することによって、基地局は、アンライセンスド帯域において当該ユーザ端末との通信の可否又は通信品質の測定を行うことができる。
しかしながら、基地局は、干渉電力の測定結果が悪い場合には、参照信号を送信できない。このため、ユーザ端末は、参照信号の送信予定タイミングを知っていたとしても、参照信号が送信されていないのか、参照信号が送信されたが干渉により参照信号を受信できなかったのか判定できない。その結果、参照信号に対する適切な測定結果を取得できない虞がある。
そこで、本出願は、アンライセンスド帯域における参照信号に対する適切な測定結果を取得可能とすることを目的とする。
実施形態に係る基地局は、アンライセンスド帯域において参照信号を送信する送信部と、前記アンライセンスド帯域における無線信号の測定結果をユーザ端末から受信する受信部と、前記測定結果から、前記アンライセンスド帯域において前記参照信号が送信されていないタイミングで測定された測定値を除外する制御部と、を備える。
前記受信部は、前記基地局が1つの参照信号を送信する機会毎に1つの測定結果を送信する前記ユーザ端末から、前記測定結果を受信してもよい。
第4実施形態に係る基地局は、ライセンスド帯域及びアンライセンスド帯域において通信可能なユーザ端末と前記アンライセンスド帯域において通信可能である。前記基地局は、前記アンライセンスド帯域における干渉電力を測定する制御部と、前記干渉電力の測定結果に基づいて、前記アンライセンスド帯域において参照信号を送信する送信部と、前記干渉電力の測定結果に基づいて前記参照信号が送信されなかったタイミングに関する送信記録を保持する記憶部と、を備る。前記制御部は、前記参照信号に対する測定結果を前記ユーザ端末から報告された場合、前記送信記録に基づいて、前記参照信号に対する測定結果から、前記参照信号が送信されていないタイミングに対応する所定の測定結果を除外する。
第4実施形態の変更例では、前記送信部は、前記アンライセンスド帯域における干渉電力の測定を前記基地局と同じタイミングで前記ユーザ端末に実行させるための設定情報を前記ユーザ端末に送信する。前記制御部は、前記ユーザ端末における前記干渉電力の測定結果を取得し、自局における前記干渉電力の測定結果と前記ユーザ端末における前記干渉電力の測定結果とに基づいて、前記ユーザ端末へ送信するデータのエラー耐性を決定する。
第4実施形態の変更例では、前記制御部は、前記データを送信する直前に前記アンライセンスド帯域における干渉電力を測定する。前記自局における前記干渉電力の測定結果は、前記参照信号の送信直前に測定された前記干渉電力の測定結果だけでなく、前記データの送信直前に測定された前記干渉電力の測定結果も含む。
各実施形態に係るユーザ端末は、ライセンスド帯域において通信可能であり、且つ、アンライセンスド帯域における干渉電力の測定結果に基づいて無線信号の送信を行う基地局と前記アンライセンスド帯域において通信可能である。前記ユーザ端末は、前記アンライセンスド帯域において所定の無線信号に対する測定を行い、当該所定の無線信号に対する測定結果を報告する制御部を備える。前記制御部は、前記アンライセンスド帯域において前記基地局から参照信号が送信されていないタイミングを特定し、当該特定されたタイミングに対応する所定の測定結果を除外する。
第1実施形態に係るユーザ端末は、前記基地局から送信される前記参照信号に関する信号系列を特定するための信号系列情報を記憶する記憶部をさらに備える。前記制御部は、前記所定の無線信号の信号系列と前記信号系列情報に基づいて特定された信号系列との相関値が閾値未満である場合、前記所定の無線信号が送信されたタイミングを、前記参照信号が送信されていないタイミングとして特定する。
第2実施形態に係るユーザ端末は、前記参照信号が送信されたタイミングに関する送信情報を受信する受信部をさらに備える。前記制御部は、前記送信情報に基づいて、前記参照信号が送信されていないタイミングを特定する。
第3実施形態に係るユーザ端末は、前記所定の無線信号に対する測定前に、前記参照信号の送信予定タイミングに関する予定情報を受信する受信部をさらに備える。前記制御部は、前記予定情報に基づいて、前記送信予定タイミングで前記所定の無線信号に対する測定を行うと共に、前記送信予定タイミングと異なるタイミングで前記アンライセンスド帯域における干渉電力の測定を行う。前記制御部は、前記異なるタイミングでの測定結果と前記送信予定タイミングでの測定結果とに基づいて、前記参照信号が送信されていないタイミングを特定する。
第3実施形態では、前記異なるタイミングは、前記送信予定タイミングの前及びの後のタイミングの少なくとも一方である。前記制御部は、前記異なるタイミングでの測定結果である第1の受信レベルが前記送信予定タイミングでの測定結果である第2の受信レベルよりも所定値以上高い場合、前記送信予定タイミングを前記参照信号が送信されたタイミングとして特定する。
[第1実施形態]
以下において、本出願の内容をLTEシステムに適用する場合の実施形態を説明する。
(システム構成)
図1は、実施形態に係るLTEシステムの構成図である。図1に示すように、実施形態に係るLTEシステムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。
UE100は、ユーザ端末に相当する。UE100は、移動型の通信装置であり、接続先のセル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100の構成については後述する。
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。eNB200の構成については後述する。
eNB200は、1又は複数のセルを管理しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータのルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能などを有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
EPC20は、コアネットワークに相当する。E−UTRAN10及びEPC20によりLTEシステムのネットワーク(LTEネットワーク)が構成される。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300を含む。EPC20は、OAM(Operation and Maintenance)を含んでもよい。
MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御などを行う。S−GWは、ユーザデータの転送制御を行う。MME/S−GW300は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。
OAMは、オペレータによって管理されるサーバ装置であり、E−UTRAN10の保守及び監視を行う。
図2は、UE100のブロック図である。図2に示すように、UE100は、複数のアンテナ101、無線送受信機110、ユーザインターフェイス120、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機130、バッテリ140、メモリ150、及びプロセッサ160を備える。UE100は、GNSS受信機130を有していなくてもよい。また、メモリ150をプロセッサ160と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)を制御部を構成するプロセッサ160’としてもよい。
アンテナ101及び無線送受信機110は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機110は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナ101から送信する。また、無線送受信機110は、アンテナ101が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ160に出力する。
無線送受信機110は、無線送受信機110A及び無線送受信機110Bを有する。無線送受信110Aは、ライセンスド帯域において無線信号を送受信し、無線送受信110Bは、アンライセンスド帯域において無線信号を送受信する。
ユーザインターフェイス120は、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタンなどを含む。ユーザインターフェイス120は、ユーザからの操作を受け付けて、該操作の内容を示す信号をプロセッサ160に出力する。GNSS受信機130は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をプロセッサ160に出力する。バッテリ140は、UE100の各ブロックに供給する電力を蓄える。
メモリ150は、プロセッサ160により実行されるプログラム、及びプロセッサ160による処理に使用される情報を記憶する。プロセッサ160は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ150に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサ160は、さらに、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサ160は、制御部に相当し、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図3は、eNB200のブロック図である。図3に示すように、eNB200は、複数のアンテナ201、無線送受信機210、ネットワークインターフェイス220、メモリ230、及びプロセッサ240を備える。なお、メモリ230をプロセッサ240と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)を制御部を構成するプロセッサ240’としてもよい。
アンテナ201及び無線送受信機210は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機210は、ライセンスド帯域において無線信号を送受信する。或いは、無線送受信機210は、ライセンスド帯域だけでなくアンライセンスド帯域において無線信号を送受信できてもよい。無線送受信機210は、プロセッサ240が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナ201から送信する。また、無線送受信機210は、アンテナ201が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ240に出力する。
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に用いられる。
メモリ230は、プロセッサ240により実行されるプログラム、及びプロセッサ240による処理に使用される情報を記憶する。プロセッサ240は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ230に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。プロセッサ240は、制御部に相当し、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。図4に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されており、第1層は物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。
MAC層は、データの優先制御、及びハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理などを行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式)、UE100への割当リソースブロックを決定(スケジューリング)するスケジューラを含む。
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のための制御信号(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRCコネクティッド状態であり、そうでない場合、UE100はRRCアイドル状態である。
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンク(DL)にはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、上りリンク(UL)にはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。
図5に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのサブキャリア及び1つのシンボルによりリソースエレメントが構成される。UE100に割り当てられる無線リソースのうち、周波数リソースはリソースブロックにより構成され、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により構成される。
(アンライセンスド帯域を利用した通信)
以下において、本実施形態に係るアンライセンスド帯域を利用した通信について説明する。
UE100は、セルラネットワークオペレータに免許が付与されたライセンスド帯域(Licensed band/Licensed spectrum)だけでなく、免許不要で利用できるアンライセンスド帯域(Unlicensed Band/Unlicensed spectrum)を利用した通信を行うことができる。
具体的には、第1に、UE100は、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation:CA)によって、アンライセンスド帯域を利用した通信を行うことができる。
CAでは、LTEとの後方互換性を確保しながら広帯域化を実現すべく、LTEにおけるキャリア(周波数帯)をコンポーネントキャリアと位置付け、UE100が複数のコンポーネントキャリア(複数のサービングセル)を同時に使用して通信を行う。CAにおいて、UEがRRC接続を開始する際に所定の情報の提供を行うセルはプライマリセル(PCell)と称される。例えば、プライマリセルは、RRC接続確立/再確立/ハンドオーバ時にNASモビリティ情報(例えば、TAI)の提供を行ったり、RRC接続再確立/ハンドオーバ時にセキュリティ情報の提供を行ったりする。一方、プライマリセルと対をなす補助的なサービングセルはセカンダリセル(SCell)と称される。セカンダリセルは、プライマリセルと一緒に形成される。
アンライセンスド帯域を利用した通信にCAを利用する場合、アンライセンスド帯域内の所定周波数(キャリア)をセカンダリセルとして利用するケースがある。以下において、所定周波数をセカンダリセルとして利用する場合、当該セカンダリセルは、U−SCellと称される。
第2に、UE100は、二重接続方式(Dual Connectivity:DC)によって、アンライセンスド帯域を利用した通信を行うことができる。
DCでは、UE100には、複数のeNB200から無線リソースが割り当てられる。DCは、eNB間キャリアアグリゲーション(inter−eNB CA)と称されることもある。
DCでは、UE100との接続を確立する複数のeNB200のうち、マスタeNB(MeNB)のみが当該UE100とのRRC接続を確立する。これに対し、当該複数のeNB200のうちセカンダリeNB(SeNB)は、RRC接続をUE100と確立せずに、追加的な無線リソースをUE100に提供する。MeNBとSeNBとの間にはXnインターフェイスが設定される。Xnインターフェイスは、X2インターフェイス又は新たなインターフェイスである。
DCでは、UE100は、MeNBが管理するN個のセル及びSeNBが管理するM個のセルを同時に利用したキャリアアグリゲーションが可能である。また、MeNBが管理するN個のセルからなるグループは、マスタセルグループ(MCG)と称される。また、SeNBが管理するM個のセルからなるグループは、セカンダリセルグループ(SCG)と称される。また、SeNBが管理するセルのうち、少なくとも上りリンクの制御信号(PUCCH)の受信機能を持つセルは、PSCellと称される。PSCellは、PCellと同様のいくつかの機能を有するが、例えば、UE100とRRC接続を行わず、RRCメッセージを送信しない。なお、アンライセンスド帯域における所定周波数(キャリア)がSCellとして利用される場合には、当該SCellは、U−SCellと称され、PSCellとして利用される場合には、当該SCellは、U−PSCellと称される。
ここで、アンライセンスド帯域を利用した通信の一形態として、LAA(LAA:Licensed−Assited Access)を利用することが想定される。LAAでは、UE100は、ライセンスド帯域で運用されるセル(以下、ライセンスドセル)とアンライセンスド帯域で運用されるセル(以下、アンライセンスドセル)と通信を行う。ライセンスドセルは、PCellとして使用され、アンライセンスドセルは、SCell(又はPSCell)として使用されてもよい。UE100がライセンスドセル及びアンライセンスドセルと通信を行う場合、当該ライセンスドセル及び当該アンライセンスドセルは、1つのノード(例えば、eNB200)によって管理されていてもよい。なお、当該ライセンスドセル及び当該アンライセンスドセルは、1つのeNB200によって管理(制御)されている場合、アンライセンスドセル(及びライセンスドセル)は、無線送受信機を有するRRH(Remote Radio Head)によって形成されてもよい。或いは、ライセンスセルは、eNB200に管理され、アンライセンスドセルは、当該eNB200とは異なる無線通信装置に管理されていてもよい。eNB200と当該無線通信装置とは、所定のインターフェイス(X2インターフェイス又はS1インターフェイス)を介して後述する各種情報のやり取りを行うことができる。ライセンスセルを管理するeNB200は、UE100から取得した情報を無線通信装置に通知してもよいし、無線通信装置から取得した情報をUE100に通知してもよい。
アンライセンスド帯域においては、LTEシステムとは異なるシステム(無線LAN等)又は他のオペレータのLTEシステムとの干渉を回避するために、無線信号を送信する前にCCA(Clear channel Assessment)を実行すること(いわゆる、LBT(Listen Befor Talk))が要求されている。具体的には、CCAでは、eNB200は、アンライセンスド帯域内の周波数(キャリア)が空いているか否かを確認するために、干渉電力を測定する。eNB200は、干渉電力の測定結果に基づいて、空きチャネルであることが確認された周波数(キャリア)に含まれる無線リソースをUE100に割り当てる(スケジューリング)。eNB200は、アンライセンスドセルを介して、アンライセンスドセルにおけるスケジューリングを行う。或いは、eNB200は、ライセンスドセルを介して、アンライセンスドセルにおけるスケジューリングを行ってもよい(すなわち、クロスキャリアスケジューリング)。
以下において、eNB200による動作を、eNB200が管理するセルによる動作として適宜説明する。また、以下において、1つのeNB200がライセンスド帯域における周波数(ライセンスドセル)及びアンライセンスド帯域における周波数(アンライセンスドセル)によってUE100と通信を行うケースを中心に説明するが、これに限られないことに留意すべきである。
(第1実施形態に係る動作)
次に、第1実施形態に係る動作について、図6を用いて説明する。図6は、第1実施形態に係る動作を説明するための図である。
図6において、UE100は、eNB200が管理するPCell(ライセンスドセル)に在圏している。UE100は、RRCアイドル状態であってもよいし、RRCコネクティッド状態であってもよい。図6の初期状態において、UE100は、eNB200が管理するU−SCell(アンライセンスドセル)との通信を開始していない。或いは、UE100は、U−SCelとの通信を行っていてもよい。
図6に示すように、ステップS101において、PCell(eNB200)は、信号系列情報を送信する。信号系列情報は、共通信号(例えば、SIB、PDCCH)によって送信されてもよいし、個別信号(例えば、PDSCH)によって送信されてもよい。UE100は、受信した信号系列情報をメモリ150に記憶する。
信号系列情報は、U−SCell(eNB200)から送信される参照信号に関する信号系列を特定するための情報である。参照信号は、例えば、発見参照信号(DRS:Discovery Reference signal)である。DRSは、同期信号(プライマリ同期信号(PSS)及び/又はセカンダリ同期信号(SSS))、セル参照信号、チャネル状態情報参照信号(CSI−RS)、下りリンクにおける復調参照信号(DL−DMRS)の少なくともいずれかの信号を含む。従って、DRSは、セルの識別、同期、チャネル状況の観測の少なくともいずれかに用いられる。
また、信号系列情報は、サブフレーム番号、セル識別子(Cell ID)、CSI識別子(CSI ID)などである。UE100は、信号系列情報に基づいて、U−SCellから送信される参照信号の信号系列を算出する。
ステップS102において、U−SCell(eNB200)は、参照信号(DRS)を送信する。参照信号は、U−SCellが運用される特定周波数(キャリア)を用いて送信される。ここで、eNB200は、参照信号が送信される前に、特定周波数において干渉電力の測定を行う。
なお、eNB200は、参照信号を周期的に(例えば、Xms間隔で)送信するように設定されている。しかしながら、eNB200は、アンライセンスド帯域内の所定周波数における干渉電力を測定した結果、干渉電力が閾値を超えていた場合(干渉を検知した場合)、無線信号の送信を中止する。従って、eNB200が無線信号を設定通りに送信できない期間が存在し得る。
以下において、干渉電力が閾値未満であると仮定して説明を進める。
UE100は、アンライセンスド帯域における無線信号に対する測定(Measurement)を行う。UE100は、PCellからDRSの送信タイミングに関する情報及び/又はU−SCellが運用される特定周波数を示す情報を受信し、当該情報に基づいて、測定を行ってもよい。
ここで、UE100は、取得した測定結果がDRSに対する測定結果であるかを確認する。まず、UE100は、測定中に受信した無線信号の信号系列を算出し、この信号系列と信号系列情報に基づいて算出された信号系列との相関値を求める。次に、UE100は、求められた相関値が閾値未満であるか否かを判定する。UE100は、相関値が閾値未満である場合、測定中に受信した無線信号がU−SCellから送信された参照信号でないと判定する。この場合、UE100は、測定したタイミングを参照信号が送信されていないタイミングとして特定する。一方、UE100は、相関値が閾値以上である場合、受信した無線信号がU−SCellから送信された参照信号であると判定する。この場合、UE100は、測定したタイミングを参照信号が送信されたタイミングとして特定する。なお、閾値は、UE100が予め保持していてもよいし、eNB200から提供されてもよい。
UE100は、測定したタイミングを参照信号が送信されていないタイミングとして特定した場合、測定結果を記憶しなくてもよい。これにより、参照信号が送信されていないタイミングに対応する測定結果を報告対象から除外することができる。或いは、UE100は、無線信号に対する測定値と測定時間とを関連付けて記憶し、UE100は、測定結果を報告する前に上記判定を行って、参照信号が送信されていないタイミングに対応する測定結果を報告対象から除外してもよい。
ステップS103において、UE100は、アンライセンスド帯域における無線信号に対する測定結果をPCellに送信する。測定結果は、受信レベル(RSRP/RSRQ)に関する結果であってもよいし、チャネル状態に関する結果(具体的には、CSI、PMI、RIなど)であってもよい。
UE100は、参照信号が送信されていないタイミングに対応する測定結果を報告対象から除外しているため、測定結果は、参照信号が送信されていないタイミングで測定された測定結果を含まない。このため、eNB200(PCell)は、測定結果に基づいて、アンライセンスド帯域においてUE100と通信に関して適切に判定できる。例えば、eNB200は、測定結果に基づいて、PSCellと通信(接続)可能か否かを判定したり、PSCellにおける通信品質を算出したりすることが可能となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る動作について、図7を用いて説明する。図7は、第2実施形態に係る動作を説明するための図である。上述した実施形態と同様の部分は、説明を適宜省略する。
第2実施形態では、UE100は、eNB200から受信した情報に基づいて、参照信号が送信されていないタイミングに対応する測定結果を報告対象から除外する。
図7に示すように、ステップS201において、U−SCell(eNB200)は、U−SCellが運用される特定周波数において干渉電力の測定(CCA)を行う。ここでは、干渉電力が閾値未満であると仮定して説明を進める。
ステップS202において、U−SCellは、特定周波数においてDRSを送信する。
ステップS203において、UE100は、特定周波数において無線信号に対する測定を行う。UE100は、測定結果(第1の測定結果)を記憶する。測定結果は、測定時間と関連づけて記憶される。
ステップS204において、U−SCellは、ステップS201におけるCCAを行ってから所定時間経過した後、干渉電力の測定を行う。ここでは、干渉電力が閾値以上であると仮定して説明を進める。この場合、U−SCellは、DRSの送信を中止する。
ステップS205において、UE100は、特定周波数において無線信号に対する測定を行い、測定結果(第2の測定結果)を記憶する。
ステップS206において、U−SCellは、ステップS204におけるCCAを行ってから所定時間経過した後、干渉電力の測定を行う。ここでは、干渉電力が閾値未満であると仮定して説明を進める。
ステップS207において、U−SCellは、特定周波数においてDRSを送信する。
ステップS208において、UE100は、特定周波数において無線信号に対する測定を行い、測定結果(第3の測定結果)を記憶する。
ステップS209において、PCellは、参照信号が送信されたタイミングに関する送信情報(transmission information)を送信する。UE100は、送信情報を受信する。送信情報は、共通信号(例えば、SIB、PDCCH)によって送信されてもよいし、個別信号(例えば、PDSCH)によって送信されてもよい。
送信情報は、参照信号が送信されたタイミングを示す情報であってもよいし、参照信号が送信されなかったタイミングを示す情報であってもよい。例えば、送信情報は、サブフレーム番号のリストであってもよい。また、送信情報は、参照信号が送信されなかったタイミングに対応する測定結果の削除を要求するメッセージに含まれていてもよい。
eNB200は、参照信号が送信されたタイミング及び参照信号が送信されなかったタイミングの少なくとも一方を記憶する。なお、参照信号が送信されなかったタイミングは、参照信号の送信が予定されたタイミングで、且つ、干渉電力の測定結果に基づいて、参照信号が送信できなかったタイミングであってもよい。
一方、UE100は、送信情報に基づいて、参照信号が送信されていないタイミングを特定する。UE100は、特定したタイミングに対応する測定結果を報告対象から除外する。本実施形態において、送信情報は、ステップS204の後の参照信号の送信が予定されたタイミングを示すと仮定する。UE100は、送信情報によって示されるタイミングに対応する第2の測定結果を報告対象から除外する。
UE100は、送信情報の受信をトリガとして、測定結果を報告対象から除外する動作を行ってもよいし、測定結果を報告するための動作を開始したことをトリガとして、測定結果を報告対象から除外する動作を行ってもよい。
ステップS210において、UE100は、測定結果をPCellに送信する。測定結果は、第1の測定結果及び第3の測定結果を含み、参照信号に対する測定結果でない第2の測定結果を含まない。これにより、eNB200は、適切な測定結果を取得できる。従って、eNB200は、測定結果に基づいて、アンライセンスド帯域における通信に関して適切に判定できる。
なお、本実施形態において、送信情報は、参照信号に関する複数のタイミングを示していたが、これに限られない。送信情報は、DRSが送信されなかった度にUE100に送信されてもよいし、DRSが送信される度にUE100に送信されてもよい。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る動作について、図8を用いて説明する。図8は、第3実施形態に係る動作を説明するための図である。上述した各実施形態と同様の部分は、説明を適宜省略する。
第3実施形態では、UE100は、干渉電力の測定結果に基づいて、参照信号が送信されていないタイミングに対応する測定結果を報告対象から除外する。
図8(A)に示すように、UE100の近傍には、第1の無線通信装置(WT400−1)が存在し、eNB200の近傍には、第2の無線通信装置(WT400−2)が存在する。WT400−1及びWT400−2は、アンライセンスド帯域における特定周波数において無線信号を送信する(図8(B)参照)。
また、eNB200は、参照信号の送信予定タイミングに関する設定情報を送信する。UE100は、参照信号の送信予定タイミングに関する設定情報を受信する。設定情報は、特定周波数における参照信号に対する測定タイミングを指定する情報であってもよい。設定情報は、共通信号(例えば、SIB、PDCCH)によって送信されてもよいし、個別信号(例えば、PDSCH)によって送信されてもよい。UE100は、設定情報に基づいて、参照信号の送信予定タイミングで特定周波数における参照信号に対する測定を行う。
さらに、UE100は、参照信号の送信予定タイミングと異なるタイミングで、特定周波数における干渉電力の測定(CCAの実行)を行う。異なるタイミングは、送信予定タイミングの前及び後のタイミングの少なくとも一方である。異なるタイミングは、参照信号に対する測定を行うタイミングよりも所定時間前のタイミング及び/又は所定時間後のタイミングであってもよい。異なるタイミングは、eNB200が干渉電力を測定するタイミングと同じタイミングであってもよい。本実施形態において、UE100は、送信予定タイミングの前及び後のタイミングで干渉電力の測定を行う(図8(B)参照)。
図8(B)に示すように、t1からt3において、WT400−1は、特定周波数において無線信号の送信を行っている。t4からt6において、WT400−2は、特定周波数において無線信号の送信を行っている。
t1において、eNB200及びUE100は、干渉電力の測定を行う。eNB200は、WT400−1から遠いため、eNB200における干渉電力が閾値未満である。その結果、eNB200は、t2において参照信号を送信すると決定する。
t2において、eNB200は、特定周波数において参照信号を送信する。UE100は、特定周波数における測定を行う。
t3において、UE100は、干渉電力の測定を行う。
t4において、eNB200及びUE100は、干渉電力の測定を行う。eNB200は、WT400−2から近いため、eNB200における干渉電力が閾値以上である。その結果、eNB200は、t5において参照信号を送信しないと決定する。
t5において、eNB200が参照信号を送信しないが、UE100は、特定周波数における測定を行う。
t6において、特定周波数における測定を行う。
t7からt9において、eNB200及びUE100は、t1からt3と同様に動作する。
図8(B)におけるCCA結果は、UE100における測定結果(測定値:受信レベル)を示す。
次に、UE100は、異なるタイミングでの測定結果(具体的には、t1、t3、t4、t6、t7、t9)と送信予定タイミングでの測定結果(具体的には、t2、t5、t8)とに基づいて、参照信号が送信されていないタイミングを特定する。
UE100は、t2における受信レベルがt1(t3)における受信レベルよりも所定値以上高いため(すなわち、t2の受信レベル−t1(t3)の受信レベル>所定値であるため)、eNB200が参照信号を送信したと推測する。従って、UE100は、t2のタイミングと参照信号が送信されたタイミングとして特定する。
また、UE100は、t5における受信レベルがt4(t6)における受信レベルよりも所定値以上高くないため(すなわち、t5の受信レベル−t4(t6)の受信レベル<所定値であるため)、eNB200が参照信号を送信していないと推測する。従って、UE100は、t2のタイミングと参照信号が送信されていないタイミングとして特定する。
また、UE100は、t8における受信レベルがt7(t9)における受信レベルよりも所定値以上高いため(すなわち、t8の受信レベル−t7(t9)の受信レベル>所定値であるため)、eNB200が参照信号を送信したと推測する。従って、UE100は、t2のタイミングと参照信号が送信されたタイミングとして特定する。
以上より、UE100は、t5における測定結果を報告対象から除外し、t2及びt8における測定結果をeNB200に報告する。従って、eNB200は、測定結果に基づいて、アンライセンスド帯域における通信に関して適切に判定できる。
[第4実施形態]
(第4実施形態に係る動作)
次に、第4実施形態に係る動作について、図9を用いて説明する。図9は、第4実施形態に係る動作を説明するための図である。上述した各実施形態と同様の部分は、説明を適宜省略する。
第4実施形態では、eNB200が、参照信号の送信記録に基づいて、測定結果を除外する。
図9における動作環境は、第1実施形態(図6)における動作環境と同様である。
ステップS301からS308は、ステップS201からS208に対応する。
ステップS309において、UE100は、測定結果をPCellに送信する。ここでの測定結果は、第1の測定結果及び第3の測定結果だけでなく、第2の測定結果も含む。
ここで、本実施形態では、eNB200は、第2実施形態と同様に、参照信号が送信されたタイミング及び参照信号が送信されなかったタイミングの少なくとも一方を記憶する。具体的には、eNB200は、参照信号が送信されなかったタイミングに関する送信記録を保持する。具体的には、eNB200は、参照信号が送信されたタイミング及び参照信号が送信されなかったタイミングの少なくとも一方を送信記録に残す。本実施形態では、eNB200は、ステップS304の測定結果によって参照信号が送信されなかったタイミングを送信記録に残す。
ステップS310において、PCell(eNB200)は、UE100から報告された測定結果から、参照信号が送信されていないタイミングに対応する測定結果を除外する。本実施形態では、eNB200は、ステップS304の後の参照信号の送信が予定されたタイミングに対応する第2の測定結果を除外する。これにより、eNB200は、適切な測定結果を取得できる。
(第4実施形態の変更例)
次に、第4実施形態の変更例に係る動作について、図10を用いて説明する。図10は、第4実施形態の変更例に係る動作を説明するための図である。上述した各実施形態と同様の部分は、説明を適宜省略する。
第4実施形態の変更例では、UE100は、参照信号に対する測定結果だけでなく、干渉電力の測定結果をeNB200に報告する。eNB200は、干渉電力の測定結果に基づいて、UE100へ送信するデータのMCS(送信レート、エラー耐性)を決定する。
図10(A)に示すように、UE100−1の近傍には、第1の無線通信装置(WT400−1)が存在し、UE100−2及びeNB200の近傍には、第2の無線通信装置(WT400−2)が存在する。WT400−1及びWT400−2は、アンライセンスド帯域における特定周波数において無線信号を送信する(図10(B)参照)。
また、eNB200は、参照信号の送信予定タイミングに関する第1の設定情報を送信する。各UE100(UE100−1及びUE100−2)は、参照信号の送信予定タイミングに関する第1の設定情報を受信する。各UE100は、第1の設定情報に基づいて、参照信号の送信予定タイミングで特定周波数における参照信号に対する測定を行う。
さらに、eNB200は、各UE100に対して干渉電力の測定を実行させるための第2の設定情報を各UE100に送信する。この第2の設定情報は、アンライセンスド帯域内の特定周波数における干渉電力の測定をeNB200と同じタイミングでUE100に実行させるための情報を含む。各UE100は、第2の設定情報に基づいて、eNB200と同じタイミングで干渉電力の測定を行う。なお、各UE100は、第2の設定情報を受信しない場合であっても、第1の設定情報に基づいて、eNB200が干渉電力を測定するタイミングを推測してもよい。
図10(B)に示すように、t1において、WT400−1は、特定周波数において無線信号の送信を行っている。t2において、WT400−2は、特定周波数において無線信号の送信を行っている。
t1において、eNB200及び各UE100は、同じタイミングで干渉電力の測定を行う。eNB200は、WT400−1から遠いため、eNB200における干渉電力が閾値未満である。その結果、eNB200は、参照信号を送信すると決定する。
次に、eNB200は、特定周波数において参照信号を送信する。各UE100は、特定周波数における測定を行う。UE100−1の測定結果は、WT400−1からの干渉を受けた測定結果である。
t2において、eNB200及びUE100は、同じタイミングで干渉電力の測定を行う。eNB200は、WT400−2から近いため、eNB200における干渉電力が閾値以上である。その結果、eNB200は、参照信号を送信しないと決定する。eNB200が参照信号を送信しないが、各UE100は、特定周波数における測定を行う。UE100−2の測定結果は、WT400−2からの干渉を受けた測定結果である。
t3において、各UE100は、参照信号に対する測定結果(DRS結果)だけでなく、干渉電力の測定結果(CCA結果)もeNB200に報告する。eNB200は、第1の測定結果及び第2の測定結果を受信(取得)する。
t4において、eNB200は、干渉電力の測定を行う。eNB200における干渉電力が閾値未満である。その結果、eNB200は、t1と同様にeNB200において干渉を受けていないと判断する。eNB200は、UE100へデータを送信すると決定する。
eNB200は、UE100からのDRS結果が第1閾値よりも大きい場合、当該DRS結果の送信元のUE100の近くに干渉源が存在すると判断する。その結果、eNB200は、当該UE100への送信データのエラー耐性を高くする。第1閾値は、eNB200が干渉の検出に用いる閾値であってもよいし、eNB200が送信した参照信号(DRS)の送信電力に対応する閾値であってもよい。
一方、eNB200は、UE100からのCCA結果が第2閾値(例えば、第1閾値よりも低い閾値)よりも小さい場合、当該第1の測定結果の送信元のUE100の近くに干渉源が存在しないと判断する。その結果、eNB200は、当該UE100への送信データのエラー耐性を低くする。
さらに、eNB200は、データを送信する直前の自局におけるCCA結果と、自局における過去のCCA結果(例えば、参照信号を送信する直前のCCA結果)とを比較して、送信データのエラー耐性を決定することができる。eNB200は、例えば、以下のようにエラー耐性(MCS)を決定する。
eNB200は、UE100−1からのCCA結果に基づいて、t1においてUE100−1が干渉を受けていたと判断する。また、eNB200は、t1において、eNB200は干渉を受けていないにもかかわらず、UE100−1が干渉を受けている。このため、eNB200は、t4において干渉を受けていないが、UE100−1がt4において干渉を受ける可能性があると判断する。そこで、eNB200は、UE100−1からのt1におけるDRS結果に基づいて、UE100−1への送信データに対するMCSを、エラー耐性の高いMCSに決定する。
或いは、eNB200は、UE100−1が干渉を受けていないCCA結果(又はDRS結果)に基づいて、エラー耐性を決定する。ここで、eNB200は、t2において、参照信号(DRS)を送信していない。このため、eNB200は、通常、UE100−1からのt2におけるDRS結果に基づいてエラー耐性(MCS)を決定しない。一方で、UE100−1からのCCA結果から、eNB200が干渉を受けている時にUE100−1は干渉を受けていないことを知る。
一方、eNB200は、t1におけるCCA結果から、t1において、eNB200と同様に、UE100−2が干渉を受けていないと判断する。このため、eNB200は、t4において干渉を受けていないので、t4においてUE100−2が干渉を受ける可能性が低いと判断する。これにより、eNB200は、t1におけるDRS結果に基づいて、UE100−2への送信データに対するMCS(を、送信レートの高いMCS(エラー耐性の低いMCS)に決定する。
このケースにおいて、eNB200は、t4において、UE100−1及びUE100−2の一方にのみデータを送信する場合には、例えば、干渉を受ける可能性が低いUE100−2にデータを(優先的に)送信すると決定できる。
なお、仮に、eNB200において、t4におけるCCA結果が、t1におけるCCA結果よりも大きく、且つ、t2におけるCCA結果よりも小さい(t2結果>t4結果>t1結果)というケースを想定する。この場合、eNB200は、UE100−2からのCCA結果に基づいて、UE100−2がeNB200と同様に干渉を受けていると判断する。従って、eNB200は、t4におけるeNB200のCCA結果に基づいて、t4においてUE100−2が干渉を受けている可能性が高いと判断する。eNB200は、t4におけるUE100−2への送信データに適用するMCSをエラー耐性の高いMCSに決定する。
一方、eNB200は、UE100−1からのt2におけるCCA結果に基づいて、UE100−1がeNB200と同様に干渉を受けていないと判断する。従って、eNB200は、t4におけるeNB200のCCA結果に基づいて、t4においてUE100−1が干渉を受ける可能性が低いと判断する。eNB200は、UE100−2への送信データに適用するMCSを伝送レートが高いMCSに決定する。
このケースにおいて、eNB200は、t4において、UE100−1及びUE100−2の一方にのみデータを送信する場合には、例えば、干渉を受ける可能性が低いUE100−1にデータを(優先的に)送信すると決定できる。
このように、eNB200は、eNB200におけるCCA結果(特に、UE100へのデータ送信の直前のCCA結果)と、各UE100のDRS結果及びCCA結果とに基づいて、データの送信先となるUE100及びMCSを決定できる。
[その他の実施形態]
上述した各実施形態では、UE100が、測定結果をeNB200に報告するケースを説明したが、これに限られない。UE100は、eNB200から参照信号が送信されていないタイミングに対応する測定結果が除外された有効性の高い測定結果に基づいて、所定の判定を行ってもよい。例えば、UE100は、有効性の高い測定結果に基づいて、アンライセンスドセルの通信環境に関する判定を行うことができる。
上述した実施形態では、移動通信システムの一例としてLTEシステムを説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のシステムに本出願の内容を適用してもよい。
[付記]
(1)導入
この付記では、LAA RRM測定のための参照信号のデザインを述べる。参照信号へのアプローチを考慮した他の機能性についての見解も提供する。
(2)RRM測定のための参照信号のデザイン
Rel−12 DRSが、アンライセンスド帯域でのRRM測定において用いられる参照信号のデザインのための出発点であることが合意された。Rel−12DRSデザインに基づいて、eNBは、例外なく、一定の間隔でPSS/SSS/CRS(及びCSI−RS)を送信することが要求される。それは、eNBは、DRSを送信するために割り当てられたライセンスド帯域のリソースを使用するので、問題なく達成することができる。しかしながら、ライセンスド帯域とは対照的に、1より多い無線システム/ノードは、アンライセンスド帯域を共有することができるだろう。アンライセンスド帯域を共有することに加えて、各システムは、一部の国/地域で要求される衝突を回避するためにLBT(Listen Befor Talk)を使用する。従って、DRSは、我々の見解では、DRSがアンライセンスド帯域で送信された場合、LBTが必要である。
一つのデザインの観点は、LBTは必須機能であるべきか否かを検討することである。LBTは、EUと日本では必須の機能であるが、EU規制は、信号の存在のための周波数を検知することなく、管理及び制御フレームの送信、すなわち、短時間制御シグナリング送信(Short Control Signalling Transmission)を許可する。EU規制によれば、適応型機器の短時間制御シグナリング送信は、50ミリ秒の観察期間内に最大10%の負荷サイクルを有するべきである。上記の要件に基づいて、DRS送信が条件を満たす場合、LTE eNBは、LBTを実行せずにアンライセンスド帯域でDRSを送信することができる。しかしながら、他のシステムとの公正な共存を取得し、衝突を回避するのに役立つので、LBTが義務付けられるべきである。LBTの義務付けは、また、シンプルなデザインと見なされ、かつ、LAAが展開されると予想されるすべての地域のための1つの汎用ソリューションを提供することができるだろう。
提案1:提言1:LAAのDRS送信ベースのRel−12 DRSにLBT機能性を適用することに同意すべきである。
提案1が合意事項として認められる場合、LBT機能性は、使用中チャネル(busy channel)が検出された場合、eNBがそのDRSをアンライセンスド帯域で送信することを許可しない(図10参照)。結果として、eNBがDRSの送信機会のいくつかの間にDRSを送信していない場合には、測定の精度要件を満たさないかもしれない。RSRP測定の現在の定義によれば、UEは、発見信号機会として設定されるサブフレーム内のRSRPを測定しなければならない。これは、UEが設定された無線リソースを監視しなければならず、かつ、DRSがこれらのリソースで実際に送信されたかどうかにかかわらず最終的な測定結果にUEがこれらのリソース結果を含めるかもしれないことを意味する。さらに、RSRPを決定するためにUEが使用する測定周波数帯内及び測定期間内のリソースエレメントの数は、対応する測定精度の要件が満たされなければならない制約を持つUEの実装に任されている。従って、報告されたRSRPが非常に不正確になる可能性がある。RSRP測定に基づくUEの実装とeNBのLBT機能性が原因であるいくつかのDRS送信の利用できないこととの組み合わせは、UEがeNBに正確なアンライセンスド帯域の正確な無線環境情報を提供することができないという問題をもたらす。
上述の課題は、RAN4で解決しなければならないと考える。1つのアプローチは、RAN1が、現在の測定正確要件が既存の仕様によって満足するかどうかを確かめるための調査を実行するために、要求LSをRAN4へ送ることである。現在の仕様が正確な要件を満たさないケースでは、新たな解決策を検討することができる。以下に候補の選択肢がいくつかある。
選択肢1:eNBがライセンスド帯域でDRS測定指示をブロードキャスト/ユニキャストする。
この選択肢では、eNBは、サブフレームのRSRPが計算されるべき条件について、UEにライセンスド帯域を介して通知する。RSRPの計算の間、アンライセンスド帯域でのRSRP測定条件についてeNBから提供された情報に従って、UEがDRS測定を採用及び修正することが期待される。eNBがこの情報をUEへいつ及びどのように提供できるかはさらなる課題である。
選択肢2:LAAのためのRSRP測定に基づく(DRSに含まれる)CRSを規定すること。
この選択肢2では、RSRPを決定するために、UEがDRS測定を実行する方法にいくつかの制約が適用される。例えば、UEは、1DRSバースト毎に1つの測定結果を送るべきである。eNBは、どのDRSがアンライセンスド帯域で送信されたかを認識しているので、当該eNBは、特定のUEから受信した測定報告が信頼できるかできないかを決定できる(図11参照)。
提案2:提案1が合意事項として認められる場合、RAN1が、現在の測定正確要件が既存の仕様によって満足するかどうかを要求するLSをRAN4へ送るべきである。
(3)LAAのための機能性の分析
RRM測定とは異なり、他の機能性をサポートするための参照信号は、扱われなかった。もし提案1が合意事項として認められる場合、LBTを伴うRel−12 DRSも同様に、他の機能性のための出発点であるべきである。AGC(Automatic Gain Control)設定、粗い同期及びCSI測定は、LAAのために上記のDRSを使用して実行できると考える。これは、ベースライン解決策であるだろう。しかしながら、eNBが、DRSの送信機会のいくつかの間のどこかでDRSを送信しないケースのために更なる研究が必要とされる。前で説明したように、この状況は、RRM測定に似ている。
一方、eNBが、現在仕様化された最大DRS間隔よりもDRSを送信できない場合、少なくとも復調用の細かい周波数/時間推定はできない可能性がある。既存の仕様は、160msecよりも長いDRS間隔を保証できない。この課題が次の章で考察される。
提案3:LBTを伴うRel−12 DRSに基づくLAA DRSも、AGC設定、粗い同期及びCSI測定に使用されるべきである。
(4)同期信号デザイン
上述の通り、送信に基づくLBTは、様々な国/地域でアンライセンスド帯域において必要とされる。従って、eNBが、同じ帯域を共有する隣接ノードによる他の送信の存在が原因で、長期間、アンライセンスド帯域でDRSを伝送することができない可能性がある。一つのアプローチは、2つのDRS送信の間の期間に関する固定上限、例えば160msecを設定することである。eNBが、DRSを上限よりも長い時間を送信できない場合、細かい周波数/時間推定が保証されないと想定されるべきである。しかしながら、干渉が原因でUEが正確なDRS送信のいくつかを検出/デコードできない可能性もある。この状況は、DRS送信に加えて、データ送信の中に他の同期信号を提供することを検討することを強制する。一つの解決策は、eNBは、データ領域(例えば、サブフレームの最初のシンボル)の前に位置するシンボルで同期信号(LAAシンク(LAA sync))を送信する(図12参照)。このアプローチは、D2D同期信号デザインに非常に類似している。そのケースでは、UEは、DRSを用いて粗い同期を実現し、上記LAAシンクを用いて細かい周波数/時間推定を実現する。この解決策が適用される場合、LAAシンクがUEで受信された最初のサブフレーム内のデータ領域の次に配置されているので、AGC設定は、DRSの代わりに、LAAシンクに基づいて行われる。
現在の物理制御チャネル領域がLAAシンクにより置き換わるべきであることを提案する。物理制御チャネルを送信するために使用されるリソースエレメントの数は、例えば、サブフレームにスケジュールされたUEの数に応じて変更される。低交通状況のケースでは、物理制御チャネル領域が十分に占有されていない可能性があり、低リソースエレメント密度及び近隣ノードによってより高い誤検出という結果になるOFDMシンボルにわたる結果的な低送信電力をもたらす。近隣ノードがそれぞれの送信のためにチャネルが利用可能であると仮定する可能性があるので、これは、衝突をもたらす。衝突を回避するために、物理制御チャネルはアンライセンスド帯域送信から取り除くべきであり、代わりとして、LAAシンクが送信されるべきであることを提案する。どのようにLAAシンクがデータ領域の直前にマッピングされるかさらなる研究が必要とされる。
提案4:現在の物理制御チャネル領域は、このLAAシンクに置き換えるべきである。
なお、米国仮出願第62/109850号(2015年1月30日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。