JP2019061776A - 多心ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】耐捻回性に優れた細径の多心ケーブルを提供する。【解決手段】複数本の電線10,30が撚り合わされた集合体2と、集合体2の外側で複数の金属素線4a,5aが二層に螺旋巻きされたシールド層(内シールド層4,外シールド層5)と、シールド層(内シールド層4,外シールド層5)の外側を覆う外被6と、を備え、金属素線4a,5aは、引張強さが320MPa以上450MPa以下、かつ破断伸びが10%以上15%以下の銅合金線である。【選択図】図1
Description
本発明は、多心ケーブルに関する。
特許文献1には、複数の同軸ケーブルが束ねられ、束の周囲にシールド層が形成された多心ケーブルが開示されており、シールド層が2重に横巻きされたものでもよいと記載されている。
さらに耐捻回性に優れた細径の多心ケーブルが望まれている。
本発明は、耐捻回性に優れた細径の多心ケーブルを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る多心ケーブルは、
複数本の電線が撚り合わされた集合体と、前記集合体の外側で複数の金属素線が二層に螺旋巻きされたシールド層と、前記シールド層の外側を覆う外被と、を備え、
前記金属素線は、
引張強さが320MPa以上450MPa以下、かつ破断伸びが10%以上15%以下の銅合金線である。
複数本の電線が撚り合わされた集合体と、前記集合体の外側で複数の金属素線が二層に螺旋巻きされたシールド層と、前記シールド層の外側を覆う外被と、を備え、
前記金属素線は、
引張強さが320MPa以上450MPa以下、かつ破断伸びが10%以上15%以下の銅合金線である。
上記発明によれば、耐捻回性に優れた細径の多心ケーブルを提供することができる。
(本発明の実施形態の説明)
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係る多心ケーブルは、
(1)複数本の電線が撚り合わされた集合体と、前記集合体の外側で複数の金属素線が二層に螺旋巻きされたシールド層と、前記シールド層の外側を覆う外被と、を備え、
前記金属素線は、
引張強さが320MPa以上450MPa以下、かつ破断伸びが10%以上15%以下の銅合金線である。
上記構成によれば、シールド層の金属素線を、引張強さが320MPa以上450MPa以下、かつ破断伸びが10%以上15%以下の銅合金線とすることにより、耐捻回性に優れた細径の多心ケーブルとすることができる。
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係る多心ケーブルは、
(1)複数本の電線が撚り合わされた集合体と、前記集合体の外側で複数の金属素線が二層に螺旋巻きされたシールド層と、前記シールド層の外側を覆う外被と、を備え、
前記金属素線は、
引張強さが320MPa以上450MPa以下、かつ破断伸びが10%以上15%以下の銅合金線である。
上記構成によれば、シールド層の金属素線を、引張強さが320MPa以上450MPa以下、かつ破断伸びが10%以上15%以下の銅合金線とすることにより、耐捻回性に優れた細径の多心ケーブルとすることができる。
(2)前記集合体と前記シールド層との間に、前記集合体の外周に巻かれた金属層付樹脂テープを有していてもよい。
上記構成によれば、集合体の外周に金属層付樹脂テープが巻かれていることにより、シールド効果がさらによくなる。
上記構成によれば、集合体の外周に金属層付樹脂テープが巻かれていることにより、シールド効果がさらによくなる。
(本発明の実施形態の詳細)
本発明の実施形態に係る多心ケーブルの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。
なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施形態に係る多心ケーブルの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。
なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1は、多心ケーブルの長さ方向に垂直な断面図を示す。図1に示すように、多心ケーブル1は、複数本の電線が撚りあわされた集合体2と、集合体2の外周を覆う抑え巻3と、抑え巻3の外周を覆う内シールド層4と、内シールド層4の外周を覆う外シールド層5と、外シールド層5の外周を覆う外被6とを備えている。
集合体2には、複数の電線(絶縁電線10と同軸電線30)が含まれている。本例の集合体2では、6本の絶縁電線10が集合体2の内側に配置され、絶縁電線10の周囲に8本の同軸電線30が同一円周上に配置されている。さらに6本の絶縁電線10の内側の集合体2の中心部にはフィラー20等が配置されている。絶縁電線10は、例えば電力供給用または低速信号用の電線として、同軸電線30は、例えば高速伝送用の電線として使用可能である。
絶縁電線10は、導体11を外被12で覆った、例えばAWG(American Wire Gauge)規格の#22〜26〜30相当の電線である。導体11は、例えば複数本の軟銅線や銅合金線で構成される。外被12は、例えば、FEPやPFAやETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)等のフッ素系樹脂で形成されている。
なお、絶縁電線10同士は、互いに撚り合わされて集合されていてもよい。撚り合わされた絶縁電線10は、その外周が樹脂テープ等で覆われていてもよい。絶縁電線は太さの異なる電線が混在してもよい。
同軸電線30は、中心導体31が絶縁層32で覆われ、絶縁層32の外周に外部導体33が配置され、外部導体33の周囲が外被34で覆われた同軸構造を有している。
中心導体31は、例えば軟銅線が複数(本例では7本)撚り合わされて形成されている。中心導体31の断面積は、例えば0.01mm2〜0.05mm2である。
絶縁層32は、例えばFEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PFA、ETFE等のフッ素系樹脂で形成されている。外部導体33は、例えば外径0.03mm〜0.05mmの金属細線が複数本、絶縁層32の外部に螺旋巻き(横巻きともいう)されること構成される。外被34は、例えばフッ素系樹脂やポリエステルテープで形成されている。
絶縁層32は、例えばFEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PFA、ETFE等のフッ素系樹脂で形成されている。外部導体33は、例えば外径0.03mm〜0.05mmの金属細線が複数本、絶縁層32の外部に螺旋巻き(横巻きともいう)されること構成される。外被34は、例えばフッ素系樹脂やポリエステルテープで形成されている。
絶縁電線10と同軸電線30との隙間には、例えばアラミド繊維からなる抗張力繊維40が設けられていてもよい。同軸電線30と絶縁電線10とは、抗張力繊維40とともに一括して螺旋状に撚り合わされて集合されていてもよい。中心の絶縁電線が撚られて集合され上に外層の同軸電線が撚られて集合されてもよい。
抑え巻3は、例えばPETなどのポリエステルテープやポリエチレンテープなどの樹脂テープまたは、銅またはアルミニウムなどの金属層をPET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂テープに接着または蒸着した金属層付樹脂テープで形成されている。例えば、樹脂テープの厚さは2μm以上10μm以下程度、金属層の厚さは0.1μm以上10μm以下程度である。抑え巻3は、集合された絶縁電線10と同軸電線30とを覆うようにして同軸電線30の外周に巻かれている。
内シールド層4は、絶縁電線10と同軸電線30とをシールドするために抑え巻3の外側に形成された二層のシールド層のうちの内側に配置されたシールド層である。内シールド層4は、複数の金属素線4aによって構成されている。
複数の金属素線4aは、抑え巻3の周囲に例えば並列に接触した状態で横巻き(螺旋巻き)されている。各々の金属素線4aの外径は、0.03mm〜0.09mm以下である。
外シールド層5は、絶縁電線10と同軸電線30とをシールドするために抑え巻3の外側に形成された二層のシールド層のうちの外側に配置されたシールド層である。外シールド層5は、複数の金属素線5aによって構成されている。
複数の金属素線5aは、内シールド層4の金属素線4aと同様に、例えば並列に接触した状態で横巻き(螺旋巻き)されている。また、金属素線5aの外径は、金属素線4aと同様である。
本実施形態では、後述の実施例における捻回試験および多心ケーブルの外径変化の評価の結果に鑑みて、上記の金属素線4a,5aは、引張強さが320MPa以上450MPa以下、かつ破断伸びが10%以上15%以下の銅合金線とする。
なお、内シールド層4の横巻きの方向と外シールド層5の横巻きの方向は、同方向であっても逆方向であってもよいが、捻回試験では同方向とする方が有利である。
外被6は、例えばポリ塩化ビニルやポリオレフィン系樹脂等を押出被覆することによって形成されている。外被6は、PET等の樹脂テープを横巻きすることにより形成されてもよい。外被6の外径は、例えば3.5mm〜6mmである。
このような構成を有する多心ケーブル1は、例えばUSBインターフェース用のケーブルとして好適である。
以上のように多心ケーブル1によれば、内シールド層4および外シールド層5を構成する金属素線4a,5aは、引張強さが320MPa以上450MPa以下で、破断伸びが10%以上15%以下の銅合金線で形成されている。このため、内シールド層4および外シールド層5をそれぞれ引張強さと破断伸びとのバランスがよいシールド層とすることができ、細径であっても耐捻回性に優れた多心ケーブル1を得ることができる。
また、金属素線4a,5aの破断伸びが10%以上15%以下であるため、抑え巻3の外周に螺旋巻きされた金属素線4a,5aが抑え巻3から浮き上がってしまうという不具合を防止することができる。このため、外径にばらつきがない多心ケーブル1とすることができる。
また、シールド層を内シールド層4と外シールド層5との二層巻きとすることにより、多心ケーブル1のシールド特性を向上させることができる。集合体2の外周に金属層付樹脂テープで構成される抑え巻3が巻かれているとシールド効果をさらに良くすることができる。
(捻回試験および外径変化の評価)
実施例および比較例における多心ケーブルの捻回試験、および多心ケーブルの外径変化の評価について説明する。
上述の実施形態の多心ケーブル1と同様に、複数本(16本)の電線が集められた集合体の周囲に抑え巻、二層のシールド層(内シールド層と外シールド層)、および外被を順次積層して、表1に示すNo.1〜No.4の構成を満たす多心ケーブルを作製する。表1に示すNo.1〜No.4の多心ケーブルでは、シールド層を構成する金属素線の材質およびその特性(引張強さ、破断伸び)を変えている。そして、作製したそれぞれの多心ケーブルについて下記の条件で捻回試験を行った。また、それぞれの多心ケーブルについて下記の条件で外被の外径変化の評価を行った。なお、No.1は多心ケーブルの実施例1を示し、No.2〜No.4は多心ケーブルの比較例1〜3を示す。
実施例および比較例における多心ケーブルの捻回試験、および多心ケーブルの外径変化の評価について説明する。
上述の実施形態の多心ケーブル1と同様に、複数本(16本)の電線が集められた集合体の周囲に抑え巻、二層のシールド層(内シールド層と外シールド層)、および外被を順次積層して、表1に示すNo.1〜No.4の構成を満たす多心ケーブルを作製する。表1に示すNo.1〜No.4の多心ケーブルでは、シールド層を構成する金属素線の材質およびその特性(引張強さ、破断伸び)を変えている。そして、作製したそれぞれの多心ケーブルについて下記の条件で捻回試験を行った。また、それぞれの多心ケーブルについて下記の条件で外被の外径変化の評価を行った。なお、No.1は多心ケーブルの実施例1を示し、No.2〜No.4は多心ケーブルの比較例1〜3を示す。
表1に示すように、No.1の多心ケーブルでは、シールド層を構成する金属素線として、引張強さが400MPaで、破断伸びが12%の錫メッキ錫銅合金線を用いた。
No.2の多心ケーブルでは、シールド層を構成する金属素線として、引張強さが250MPaで、破断伸びが15%の錫メッキ軟銅線を用いた。
No.3の多心ケーブルでは、シールド層を構成する金属素線として、引張強さが1000MPaで、破断伸びが3%の銀銅合金線を用いた。
No.4の多心ケーブルでは、シールド層を構成する金属素線として、引張強さが750MPaで、破断伸びが3%の錫銅合金線(軟化処理なし)を用いた。
なお、No.1〜No.4の全てにおいて内シールド層の横巻き方向と外シールド層の横巻き方向とは同方向とし、金属素線の外径は0.05mmとした。
No.2の多心ケーブルでは、シールド層を構成する金属素線として、引張強さが250MPaで、破断伸びが15%の錫メッキ軟銅線を用いた。
No.3の多心ケーブルでは、シールド層を構成する金属素線として、引張強さが1000MPaで、破断伸びが3%の銀銅合金線を用いた。
No.4の多心ケーブルでは、シールド層を構成する金属素線として、引張強さが750MPaで、破断伸びが3%の錫銅合金線(軟化処理なし)を用いた。
なお、No.1〜No.4の全てにおいて内シールド層の横巻き方向と外シールド層の横巻き方向とは同方向とし、金属素線の外径は0.05mmとした。
(捻回試験)
図2に示すように、長さ2mの多心ケーブルCを鉛直に垂れ下がらせて、多心ケーブルCの上端と下端とをそれぞれチャック51で把持した。下端のチャック51を固定させた状態で、上端のチャック51を多心ケーブルCの軸A回りに左右へ−360°から+360°まで30回転/分の速度で捻回させた。1万回捻じった後、多心ケーブルCを構成する全ての同軸電線の断線の有無を調べ、いずれの中心導体にも断線がなければ合格、いずれかの中心導体に断線があれば不合格とした。なお、各同軸電線は、上記実施形態で説明した構成の電線とする。
図2に示すように、長さ2mの多心ケーブルCを鉛直に垂れ下がらせて、多心ケーブルCの上端と下端とをそれぞれチャック51で把持した。下端のチャック51を固定させた状態で、上端のチャック51を多心ケーブルCの軸A回りに左右へ−360°から+360°まで30回転/分の速度で捻回させた。1万回捻じった後、多心ケーブルCを構成する全ての同軸電線の断線の有無を調べ、いずれの中心導体にも断線がなければ合格、いずれかの中心導体に断線があれば不合格とした。なお、各同軸電線は、上記実施形態で説明した構成の電線とする。
(外径変化の評価)
作製されたNo.1〜No.4の多心ケーブルにおける外被の外径を測定した。外被の外径は、設計値を4.45mmとした。長さ2mの多心ケーブルにおいて、
外被の外径が設計値から1%以上大きくなる(4.49mmを超える)箇所があった場合、外径変化の評価を不合格とした。
作製されたNo.1〜No.4の多心ケーブルにおける外被の外径を測定した。外被の外径は、設計値を4.45mmとした。長さ2mの多心ケーブルにおいて、
外被の外径が設計値から1%以上大きくなる(4.49mmを超える)箇所があった場合、外径変化の評価を不合格とした。
(捻回試験結果)
No.1,No.3,No.4の多心ケーブルでは、捻回試験後において、いずれの中心導体にも断線が生じなかった。これに対して、No.2の多心ケーブルでは、捻回試験後において、中心導体と外部導体とに断線が生じた。これは、No.2のシールド層を構成する金属素線(錫メッキ軟銅線)の引張強さ(250MPa)が弱いためと考えられる。捻回試験によりシールド層の錫メッキ軟銅線に断線が生じ、捻回の力が同軸電線におよんだことによって外部導体および中心導体が断線したと考えられる。No.1のようにシールド層を構成する金属素線の引張強さを400MPaとすることで、捻回性について優れた耐性を実現できることが確認できた。
No.1,No.3,No.4の多心ケーブルでは、捻回試験後において、いずれの中心導体にも断線が生じなかった。これに対して、No.2の多心ケーブルでは、捻回試験後において、中心導体と外部導体とに断線が生じた。これは、No.2のシールド層を構成する金属素線(錫メッキ軟銅線)の引張強さ(250MPa)が弱いためと考えられる。捻回試験によりシールド層の錫メッキ軟銅線に断線が生じ、捻回の力が同軸電線におよんだことによって外部導体および中心導体が断線したと考えられる。No.1のようにシールド層を構成する金属素線の引張強さを400MPaとすることで、捻回性について優れた耐性を実現できることが確認できた。
(外径変化の評価結果)
No.1,No.2の多心ケーブルでは、外被の外径が4.49mm以下であり、外径変化の許容範囲内であった。これに対して、No.3,No.4の多心ケーブルでは、外被の外径が4.49mmを超える箇所が発生した。No.3,No.4の多心ケーブルで外被の外径が大きくなったのは、シールド層を構成する金属素線の伸びが小さい(破断伸びがいずれも3%である)ために、金属素線の浮き上がりが発生したためと考えられる。「金属素線の浮き上がり」とは、抑え巻の外周に螺旋巻きされた内シールド層の金属素線、あるいは内シールド層の外周に螺旋巻きされた外シールド層の金属素線が、まっすぐな状態に戻ろうとして伸びて抑え巻あるいは内シールド層から浮き上がってしまう現象のことを意味する。このため、シールド層の外周に外被が被覆されたとしても、浮いた状態の金属素線の上に被覆されるので外被の外径がその浮いた分だけ大きくなってしまったと考えられる。No.1のようにシールド層を構成する金属素線の破断伸びを15%以下とすることで外被の外径変化を許容範囲内に抑えられることが確認できた。
No.1,No.2の多心ケーブルでは、外被の外径が4.49mm以下であり、外径変化の許容範囲内であった。これに対して、No.3,No.4の多心ケーブルでは、外被の外径が4.49mmを超える箇所が発生した。No.3,No.4の多心ケーブルで外被の外径が大きくなったのは、シールド層を構成する金属素線の伸びが小さい(破断伸びがいずれも3%である)ために、金属素線の浮き上がりが発生したためと考えられる。「金属素線の浮き上がり」とは、抑え巻の外周に螺旋巻きされた内シールド層の金属素線、あるいは内シールド層の外周に螺旋巻きされた外シールド層の金属素線が、まっすぐな状態に戻ろうとして伸びて抑え巻あるいは内シールド層から浮き上がってしまう現象のことを意味する。このため、シールド層の外周に外被が被覆されたとしても、浮いた状態の金属素線の上に被覆されるので外被の外径がその浮いた分だけ大きくなってしまったと考えられる。No.1のようにシールド層を構成する金属素線の破断伸びを15%以下とすることで外被の外径変化を許容範囲内に抑えられることが確認できた。
表1に示すように、引張強さと破断伸びとは相反する関係にあり、引張強さをNo.3,No.4のように大きくすると破断伸びは小さくなるので、外径変化が不合格となってしまう。一方、破断伸びをNo.2のように大きくすると、引張強さが小さくなるので、捻回試験が不合格となってしまう。
以上の捻回試験および外径変化の評価の結果を踏まえて、シールド層を構成する金属素線に、No.1に近い特性(引張強さ、破断伸び)を有する銅合金線を使用した多心ケーブル(No.5,No.6)を作製した。No.5(実施例2)、No.6(実施例3)の多心ケーブルを用いて、No.1〜No.4と同様の捻回試験および外径変化の評価を行った。その結果を表2に示す。
表2に示すように、No.5、No.6の多心ケーブルは、捻回試験および外径変化の評価の両方共合格であった。
以上の結果より、シールド層を構成する金属素線として銅合金線を使用し、その銅合金線の引張強さを320MPa以上450MPa以下、かつ破断伸びを10%以上15%以下とすることで、細径であっても優れた耐捻回性を得られることが確認できた。また、外被の外径変化を小さくできることが確認できた。
以上、本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。また、上記説明した構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等に変更することができる。
1:多心ケーブル
2:集合体
3:抑え巻
4:内シールド層
4a,5a:金属素線
5:外シールド層
6:外被
10:絶縁電線
11,21:導体
12,22:外被
20:フィラー
30:同軸電線
31:中心導体
32:絶縁層
33:外部導体
34:外被
40:抗張力繊維
2:集合体
3:抑え巻
4:内シールド層
4a,5a:金属素線
5:外シールド層
6:外被
10:絶縁電線
11,21:導体
12,22:外被
20:フィラー
30:同軸電線
31:中心導体
32:絶縁層
33:外部導体
34:外被
40:抗張力繊維
Claims (2)
- 複数本の電線が撚り合わされた集合体と、前記集合体の外側で複数の金属素線が二層に螺旋巻きされたシールド層と、前記シールド層の外側を覆う外被と、を備え、
前記金属素線は、
引張強さが320MPa以上450MPa以下、かつ破断伸びが10%以上15%以下の銅合金線である、
多心ケーブル。 - 前記集合体と前記シールド層との間に、前記集合体の外周に巻かれた金属層付樹脂テープを有する、
請求項1に記載の多心ケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017183474A JP2019061776A (ja) | 2017-09-25 | 2017-09-25 | 多心ケーブル |
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JP2017183474A JP2019061776A (ja) | 2017-09-25 | 2017-09-25 | 多心ケーブル |
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JP2019061776A true JP2019061776A (ja) | 2019-04-18 |
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JP2017183474A Pending JP2019061776A (ja) | 2017-09-25 | 2017-09-25 | 多心ケーブル |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021026812A (ja) * | 2019-07-31 | 2021-02-22 | 日立金属株式会社 | 可動部用ケーブル |
JP2021099972A (ja) * | 2019-12-24 | 2021-07-01 | 東京特殊電線株式会社 | 多芯通信ケーブル |
JP2022000842A (ja) * | 2020-06-18 | 2022-01-04 | 日立金属株式会社 | 同軸ケーブル及びケーブルアセンブリ |
US11437692B2 (en) | 2020-06-18 | 2022-09-06 | Hitachi Metals, Ltd. | Coaxial cable and cable assembly |
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2017
- 2017-09-25 JP JP2017183474A patent/JP2019061776A/ja active Pending
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