JP2019061206A - トナー及びトナー用外添剤 - Google Patents

トナー及びトナー用外添剤 Download PDF

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Abstract

【課題】トナーを用いた連続印刷において、継続的に高画質の画像を形成する。【解決手段】トナー用外添剤が、表面処理された樹脂粒子の粉体である樹脂粉体を含む。表面処理された樹脂粒子は、架橋構造を有するスチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面が疎水化剤で処理された粒子である。メタノールウェッタビリティ法で測定されるスチレン−アクリル酸系樹脂基材の疎水化度は、15%以上である。示差走査熱量測定において、少なくとも温度0℃以上200℃以下の範囲には、スチレン−アクリル酸系樹脂基材のガラス転移点が存在しない。【選択図】図1

Description

本発明は、トナー及びトナー用外添剤に関する。
特許文献1には、無機粒子を含む樹脂粒子を、シリコーンオイルで表面処理する技術が開示されている。
特開2015−175964号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術だけでは、連続印刷において、良好なトナーの帯電性を維持し続けることは難しい。また、特許文献1では、特殊な樹脂粒子(詳しくは、無機粒子を含む樹脂粒子)の粉体を使用しているため、粉体に含まれる複数の樹脂粒子の性質を均一にすることが難しい。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、トナーを用いた連続印刷において、継続的に高画質の画像を形成することを目的とする。
本発明に係るトナーは、ポリエステル樹脂を含有するトナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を複数含む。前記外添剤は、表面処理された樹脂粒子の粉体である樹脂粉体を含む。前記表面処理された樹脂粒子は、架橋構造を有するスチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面が疎水化剤で処理された粒子である。メタノールウェッタビリティ法で測定される前記スチレン−アクリル酸系樹脂基材の疎水化度は、15%以上である。示差走査熱量測定において、少なくとも温度0℃以上200℃以下の範囲には、前記スチレン−アクリル酸系樹脂基材のガラス転移点が存在しない。
本発明に係るトナー用外添剤は、表面処理された樹脂粒子の粉体である樹脂粉体を含む。前記表面処理された樹脂粒子は、架橋構造を有するスチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面が疎水化剤で処理された粒子である。メタノールウェッタビリティ法で測定される前記スチレン−アクリル酸系樹脂基材の疎水化度は、15%以上である。示差走査熱量測定において、少なくとも温度0℃以上200℃以下の範囲には、前記スチレン−アクリル酸系樹脂基材のガラス転移点が存在しない。
本発明によれば、トナーを用いた連続印刷において、継続的に高画質の画像を形成することが可能になる。
本発明の実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の断面構造の一例を示す図である。 図1に示されるトナー粒子の表面の一部を拡大して示す図である。 本発明の実施形態に係るトナーに含まれるスチレン−アクリル酸系樹脂基材について測定された吸熱グラフの一例を示す図である。
本発明の実施形態について説明する。なお、粉体(より具体的には、トナー母粒子、外添剤、トナー、又はキャリア等)に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、その粉体に含まれる相当数の粒子について測定した値の個数平均である。
粉体の個数平均粒子径は、何ら規定していなければ、顕微鏡を用いて測定された1次粒子の円相当径(ヘイウッド径:粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。また、粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA−750」)を用いて測定した値である。
軟化点(Tm)は、何ら規定していなければ、高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)を用いて測定した値である。高化式フローテスターで測定されたS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)において、「(ベースラインストローク値+最大ストローク値)/2」となる温度が、Tm(軟化点)に相当する。また、分子量(例えば、数平均分子量又は質量平均分子量)の測定値は、何ら規定していなければ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値である。
帯電性は、何ら規定していなければ、摩擦帯電における帯電性を意味する。摩擦帯電における正帯電性の強さ(又は負帯電性の強さ)は、周知の帯電列などで確認できる。
材料の「主成分」は、何ら規定していなければ、質量基準で、その材料に最も多く含まれる成分を意味する。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。また、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。また、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを包括的に「(メタ)アクリロニトリル」と総称する場合がある。
本願明細書中では、未処理のシリカ粒子(以下、「シリカ基体」と記載する)も、シリカ基体に表面処理を施して得たシリカ粒子(表面処理されたシリカ粒子)も、「シリカ粒子」と記載する。また、表面処理により疎水性が付与されたシリカ粒子を、「疎水性シリカ粒子」と記載する場合がある。
本実施形態に係るトナーは、正帯電性トナーである。正帯電性トナーは、複数のトナー粒子(それぞれ後述する構成を有する粒子)を含む粉体である。本実施形態に係るトナーは、静電潜像の現像に好適に用いることができる。トナーは、1成分現像剤として使用してもよい。また、混合装置(例えば、ボールミル)を用いてトナーとキャリアとを混合して2成分現像剤を調製してもよい。画像形成に適したキャリアの例としては、フェライトキャリア(詳しくは、フェライト粒子の粉体)が挙げられる。また、長期にわたって高画質の画像を形成するためには、キャリアコアと、キャリアコアを被覆する樹脂層とを備える磁性キャリア粒子を使用することが好ましい。長期にわたってトナーに対するキャリアの十分な帯電付与性を確保するためには、樹脂層がキャリアコアの表面を完全に覆っていること(すなわち、樹脂層から露出するキャリアコアの表面領域がないこと)が好ましい。キャリア粒子に磁性を付与するためには、磁性材料(例えば、フェライトのような強磁性物質)でキャリアコアを形成してもよいし、磁性粒子を分散させた樹脂でキャリアコアを形成してもよい。また、キャリアコアを被覆する樹脂層中に磁性粒子を分散させてもよい。樹脂層を構成する樹脂の例としては、フッ素樹脂(より具体的には、PFA又はFEP等)、ポリアミドイミド樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びフェノール樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂が挙げられる。高画質の画像を形成するためには、2成分現像剤におけるトナーの量は、キャリア100質量部に対して、5質量部以上15質量部以下であることが好ましい。キャリアの個数平均1次粒子径は、20μm以上120μm以下であることが好ましい。なお、2成分現像剤に含まれる正帯電性トナーは、キャリアとの摩擦により正に帯電する。
本実施形態に係るトナーは、例えば電子写真装置(画像形成装置)において画像の形成に用いることができる。以下、電子写真装置による画像形成方法の一例について説明する。
まず、電子写真装置の像形成部(例えば、帯電装置及び露光装置)が、画像データに基づいて感光体(例えば、感光体ドラムの表層部)に静電潜像を形成する。続けて、電子写真装置の現像装置(詳しくは、トナーを含む現像剤がセットされた現像装置)が、トナーを感光体に供給して、感光体に形成された静電潜像を現像する。トナーは、感光体に供給される前に、現像装置内で、キャリア、現像スリーブ、又はブレードとの摩擦により帯電する。例えば、正帯電性トナーは正に帯電する。現像工程では、感光体の近傍に配置された現像スリーブ(例えば、現像装置内の現像ローラーの表層部)上のトナー(詳しくは、帯電したトナー)が感光体に供給され、供給されたトナーが感光体の静電潜像に付着することで、感光体上にトナー像が形成される。消費されたトナーは、補給用トナーを収容するトナーコンテナから現像装置へ補給される。
続く転写工程では、電子写真装置の転写装置が、感光体上のトナー像を中間転写体(例えば、転写ベルト)に転写した後、さらに中間転写体上のトナー像を記録媒体(例えば、紙)に転写する。その後、電子写真装置の定着装置(定着方式:加熱ローラー及び加圧ローラーによるニップ定着)がトナーを加熱及び加圧して、記録媒体にトナーを定着させる。その結果、記録媒体に画像が形成される。例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの4色のトナー像を重ね合わせることで、フルカラー画像を形成することができる。転写工程の後、感光体上に残ったトナーは、クリーニング部材(例えば、クリーニングブレード)により除去される。なお、転写方式は、感光体上のトナー像を、中間転写体を介さず、記録媒体に直接転写する直接転写方式であってもよい。
本実施形態に係るトナーは、次に示す構成(以下、基本構成と記載する)を有する。
(トナーの基本構成)
トナーが、ポリエステル樹脂を含有するトナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を複数含む。外添剤は、表面処理された樹脂粒子の粉体である樹脂粉体を含む。表面処理された樹脂粒子は、架橋構造を有するスチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面が疎水化剤で処理された粒子である。以下、架橋構造を有するスチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面が疎水化剤で処理された粒子を、「特定架橋樹脂粒子」と記載する場合がある。メタノールウェッタビリティ法で測定されるスチレン−アクリル酸系樹脂基材の疎水化度は15%以上である。以下、メタノールウェッタビリティ法で測定される疎水化度を、「MW疎水化度」と記載する場合がある。示差走査熱量測定において、少なくとも温度0℃以上200℃以下の範囲には、スチレン−アクリル酸系樹脂基材のガラス転移点が存在しない。
外添剤は、内添剤とは異なり、トナー母粒子の内部には存在せず、トナー母粒子の表面のみに選択的に存在する。外添工程においては、例えば、トナー母粒子(粉体)と外添剤(粉体)とを一緒に攪拌することで、トナー母粒子の表面に外添剤粒子を付着させることができる。トナー母粒子と外添剤粒子とは、互いに化学反応せず、化学的ではなく物理的に結合する。トナーの流動性を向上させるためには、外添剤粒子が、主にファンデルワールス力又は静電気力によってトナー母粒子の表面に付着していることが好ましい。トナー母粒子と外添剤粒子との結合の強さは、混合条件(より具体的には、混合時間、及び攪拌の回転速度等)、外添剤粒子の粒子径、外添剤粒子の形状、外添剤粒子の硬さ、及び外添剤粒子の表面状態などによって調整できる。
前述の基本構成を有するトナーでは、トナー母粒子がポリエステル樹脂を含有する。これにより、定着性に優れるトナーが得られ易くなる。また、架橋スチレン−アクリル酸系樹脂は、正帯電性に優れ、メラミン樹脂等と比べて、均一な形状及び寸法を有する微粒子を作製し易い。また、架橋スチレン−アクリル酸系樹脂は、良好な耐久性及び帯電安定性を有する。帯電安定性に関しては、特に高温高湿環境における帯電量の低下が抑制される。
さらに、本願発明者は、架橋構造を有するスチレン−アクリル酸系樹脂により、硬い樹脂粒子を形成できることを見出した。トナー粒子の外添剤が硬い樹脂粒子を含む場合、その硬い樹脂粒子が、クリーニングブレードのクリーニング性を向上させるように作用する。詳しくは、クリーニングブレードは、感光体ドラムの表面を擦ることにより、感光体ドラム上の付着物を掻き取って除去する。トナー粒子から脱離した樹脂粒子が、感光体ドラムとクリーニングブレードとの間に溜まることで、感光体ドラム上の付着物をクリーニングブレードのエッジ部で堰き止め易くなる。クリーニングブレードのエッジ部に適量の樹脂粒子が存在することで、感光体ドラム上の付着物が感光体ドラムの表面とクリーニングブレードのエッジ部との間をすり抜けにくくなる。また、硬い樹脂粒子は、研磨性を有する。このため、硬い樹脂粒子により、感光体ドラムの表面をリフレッシュできる。
しかしながら、硬い樹脂粒子(外添剤)は、トナー母粒子から脱離し易い傾向がある。そして、樹脂粒子(外添剤)の脱離は、トナーの帯電性を変動させる傾向がある。本願発明者は、スチレン−アクリル酸系樹脂基材(すなわち、未処理のスチレン−アクリル酸系樹脂粒子)の表面を疎水化剤で処理することによって、トナー母粒子(詳しくは、ポリエステル樹脂を含有するトナー母粒子)から脱離しにくいスチレン−アクリル酸系樹脂粒子が得られることを見出した。前述の基本構成を有するトナーでは、外添剤が、特定架橋樹脂粒子(詳しくは、架橋構造を有するスチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面が疎水化剤で処理された粒子)を含む。疎水化剤は、樹脂基材(詳しくは、スチレン−アクリル酸系樹脂基材)の表面に親油性基(より具体的には、アルキル基等)を付与する。疎水化剤の親油性基の作用によって、トナー母粒子(詳しくは、ポリエステル樹脂を含有するトナー母粒子)に対するスチレン−アクリル酸系樹脂粒子の付着力が向上すると考えられる。なお、外添剤として使用されている一般的な樹脂粒子は、表面処理されていない。
また、加熱及び加圧に対する樹脂粒子(外添剤)の耐性が不十分であると、クリーニングブレードのエッジ部で加熱及び加圧された樹脂粒子が、塑性変形して、感光体ドラムの表面に固着し易くなる。一般に、感光体ドラムの表面に異物が固着することを、「ドラムフィルミング」と呼ぶ。樹脂粒子が感光体ドラムの表面に固着すると、形成された画像中に、ダッシュマーク(詳しくは、感光体ドラムの表面に存在する固着物に起因した画像欠陥)が生じ易くなる。前述の基本構成を有するトナーでは、示差走査熱量測定において、少なくとも温度0℃以上200℃以下の範囲には、スチレン−アクリル酸系樹脂基材のガラス転移点が存在しない。このことは、スチレン−アクリル酸系樹脂基材が密な架橋構造を有することを意味する。密な架橋構造を有する樹脂中では、分子の移動が規制され、分子が動きにくい状態になっている。このため、密な架橋構造を有するスチレン−アクリル酸系樹脂基材は、加熱及び加圧されても変形しにくい。
連続印刷にトナーを用いる場合、印刷初期においてはトナー母粒子からの外添剤の脱離が発生し易い。しかし、累積印刷枚数が多くなると、トナー母粒子に対する外添剤の埋没が生じ易くなる。前述の基本構成を有するトナーでは、外添剤が特定架橋樹脂粒子を含む。疎水化剤が特定架橋樹脂粒子の付着性を向上させることで、トナー母粒子からの特定架橋樹脂粒子の脱離が抑制される。また、前述の基本構成を有するトナーでは、スチレン−アクリル酸系樹脂基材のMW疎水化度が15%以上である。こうした構成により、トナーが長期にわたって使用された場合においても、外添剤の埋没が生じにくくなると考えられる。詳しくは、トナーは、例えば現像装置内で攪拌されてストレスを受ける。このため、トナーが長期にわたって使用されると、特定架橋樹脂粒子の表面に存在する疎水化剤が剥がれて、スチレン−アクリル酸系樹脂基材が露出する。スチレン−アクリル酸系樹脂のMW疎水化度が小さいほど、ポリエステル樹脂との親和性が高くなる傾向がある。前述の基本構成を有するトナーでは、スチレン−アクリル酸系樹脂基材のMW疎水化度が十分高い(詳しくは、15%以上である)ことで、スチレン−アクリル酸系樹脂基材が露出しても、特定架橋樹脂粒子がトナー母粒子(詳しくは、ポリエステル樹脂を含有するトナー母粒子)中に埋没しにくくなる。
以上説明したとおり、前述の基本構成を有するトナーによれば、連続印刷において、継続的に高画質の画像を形成することが可能になる。
トナー母粒子は、シェル層を備えないトナー母粒子(以下、非カプセルトナー母粒子と記載する)であってもよいし、シェル層を備えるトナー母粒子(以下、カプセルトナー母粒子と記載する)であってもよい。非カプセルトナー母粒子(トナーコア)の表面にシェル層を形成することで、カプセルトナー母粒子を製造することができる。シェル層は、実質的に熱硬化性樹脂のみからなってもよいし、実質的に熱可塑性樹脂のみからなってもよいし、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との両方を含有してもよい。シェル層の形成方法の例としては、in−situ重合法、液中硬化被膜法、又はコアセルベーション法が挙げられる。
トナー母粒子(詳しくは、非カプセルトナー母粒子)は、例えば粉砕法又は凝集法により作製できる。一般に、トナーは、粉砕トナーと重合トナー(ケミカルトナーとも呼ばれる)とに大別される。粉砕法で得られたトナーは粉砕トナーに属し、凝集法で得られたトナーは重合トナーに属する。前述の基本構成を有するトナーは、粉砕トナーであることが好ましい。トナーの耐熱保存性と低温定着性との両立を図るためには、トナー粒子が、溶融混練されたポリエステル樹脂と内添剤とを含有することが特に好ましい。
粉砕法の一例では、まず、ポリエステル樹脂及び内添剤(例えば、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤)を混合する。続けて、得られた混合物を、溶融混練装置(例えば、1軸又は2軸の押出機)を用いて溶融混練する。続けて、得られた溶融混練物を粉砕し、得られた粉砕物を分級する。これにより、所望の粒子径を有するトナー母粒子が得られる。
凝集法の一例では、まず、ポリエステル樹脂及び内添剤(例えば、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤)の各々の微粒子を含む水性媒体中で、これらの微粒子を所望の粒子径になるまで凝集させる。これにより、ポリエステル樹脂及び内添剤(例えば、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤)を含む凝集粒子が形成される。続けて、得られた凝集粒子を加熱して、凝集粒子に含まれる成分を合一化させる。これにより、所望の粒子径を有するトナー母粒子が得られる。
特定架橋樹脂粒子のスチレン−アクリル酸系樹脂基材の形成方法の例としては、乳化重合法、シード重合法、又は分散重合法が挙げられる。これらの方法で使用できる重合開始剤の例としては、無機過酸化物(より具体的には、過硫酸アンモニウム、又は過酸化水素等)、有機過酸化物(より具体的には、t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロキシパーオキサイド、又はパラメンタンパーオキサイド等)、又はアゾ化合物(より具体的には、アゾビスジイソブチルニトリル、又は2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド等)が挙げられる。ただし、重合開始剤としては、過硫酸塩(より具体的には、過硫酸カリウム又は過硫酸アンモニウム等)が特に好ましい。
スチレン−アクリル酸系樹脂基材を疎水化剤で表面処理することにより、特定架橋樹脂粒子が得られる。表面処理方法の例としては、樹脂基材(詳しくは、スチレン−アクリル酸系樹脂基材の粉体)を高速で攪拌しながらその樹脂基材に向けて疎水化剤を滴下又は噴霧する第1の方法と、疎水化剤の溶液又は分散液を攪拌しながらその液中に樹脂基材(詳しくは、スチレン−アクリル酸系樹脂基材の粉体)を添加する第2の方法とが挙げられる。また、疎水化剤が付着した樹脂基材を加熱することで、樹脂基材の表面の性質を安定化させることができる。疎水化剤は、有機溶剤に溶解させてもよい。また、市販の疎水化剤を有機溶剤で希釈して使用してもよい。
前述の基本構成において、特定架橋樹脂粒子の個数平均1次粒子径は35nm以上150nm以下であることが好ましい。特定架橋樹脂粒子が適度に大きいことで、トナー粒子間で特定架橋樹脂粒子がスペーサーとして機能し、トナー粒子同士の凝集が抑制される。また、特定架橋樹脂粒子の個数平均1次粒子径が大き過ぎないことで、特定架橋樹脂粒子がトナーの流動性を阻害しない。また、特定架橋樹脂粒子の個数平均1次粒子径が大き過ぎると、特定架橋樹脂粒子がトナー母粒子から脱離し易くなる。
また、十分なトナーの帯電安定性を確保するためには、前述の基本構成において、スチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面にカチオン界面活性剤が存在し、特定架橋樹脂粒子の個数平均1次粒子径が60nm以上100nm以下であることが特に好ましい(例えば、後述するトナーTA−6参照)。スチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面にカチオン界面活性剤が存在することで、特定架橋樹脂粒子が正に帯電し易くなる。また、特定架橋樹脂粒子が適度に大きいことで、特定架橋樹脂粒子が、摩擦帯電により正電荷を発生させ易くなるとともに、発生した正電荷を保持し易くなる。こうした特定架橋樹脂粒子は、トナーの正帯電性を向上させる。
例えば、スチレン−アクリル酸系樹脂基材の材料(樹脂原料)とカチオン界面活性剤とを含む液中で、スチレン−アクリル酸系樹脂基材を形成するための重合反応(すなわち、樹脂原料の重合)を行い、液からスチレン−アクリル酸系樹脂基材を取り出した後に、スチレン−アクリル酸系樹脂基材を洗浄しない(又は、洗浄工程においてスチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面に存在するカチオン界面活性剤を完全には除去しない)ことで、スチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面にカチオン界面活性剤を存在させることができる。カチオン界面活性剤は、スチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面に付着する。カチオン界面活性剤としては、炭素数10以上25以下のアルキル基を有するアルキルトリメチルアンモニウム塩と、炭素数10以上25以下のアルキル基を有するアルキルアミン酢酸塩とからなる群より選択される1種以上の界面活性剤が特に好ましい。
前述の基本構成において、外添剤は、特定架橋樹脂粒子に加えて、他の外添剤粒子(例えば、無機粒子)を含んでいてもよい。トナーの流動性を向上させるためには、外添剤が、個数平均1次粒子径35nm以上150nm以下の特定架橋樹脂粒子の粉体と、個数平均1次粒子径5nm以上30nm以下の無機粒子の粉体とを含むことが好ましい。個数平均1次粒子径5nm以上30nm以下の無機粒子は、トナーに流動性を付与し易い。また、無機粒子よりも大きい粒子径を有する特定架橋樹脂粒子が存在することで、ストレスが無機粒子に加わりにくくなり、トナー母粒子中への無機粒子の埋没が抑制される。ただし、特定架橋樹脂粒子の個数平均1次粒子径が大き過ぎると、特定架橋樹脂粒子がトナー母粒子から脱離し易くなる。無機粒子の埋没と特定架橋樹脂粒子の脱離との両方を抑制するためには、特定架橋樹脂粒子の個数平均1次粒子径が60nm以上100nm以下であることが特に好ましい。
以下、図1及び図2を参照して、前述の基本構成を有するトナーに含まれるトナー粒子の構造の一例について説明する。なお、図1は、トナー粒子の構造の一例を示す図である。図2は、図1に示されるトナー粒子の一部を拡大して示す図である。
図1に示されるトナー粒子10は、トナー母粒子11と、無機粒子12の粉体と、特定架橋樹脂粒子13の粉体とを備える。無機粒子12の粉体は、例えば個数平均1次粒子径5nm以上30nm以下のシリカ粒子の粉体である。複数の特定架橋樹脂粒子13はそれぞれ、架橋構造を有するスチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面が疎水化剤で処理された粒子である。特定架橋樹脂粒子13の個数平均1次粒子径は、例えば35nm以上150nm以下である。無機粒子12の粉体と特定架橋樹脂粒子13の粉体とは、トナー母粒子11側から、無機粒子12の粉体、特定架橋樹脂粒子13の粉体の順の積重構造を有する。詳しくは、図2に示すように、無機粒子12の粉体と特定架橋樹脂粒子13の粉体とは、トナー母粒子11側から、無機粒子12の粉体、特定架橋樹脂粒子13の粉体の順に積み重なる態様で、トナー母粒子11の表面に存在する。無機粒子12は特定架橋樹脂粒子13よりもトナー母粒子11側に位置する。全ての無機粒子12が特定架橋樹脂粒子13よりもトナー母粒子11側に位置する。すなわち、無機粒子12よりもトナー母粒子11側に位置する特定架橋樹脂粒子13は存在しない。無機粒子12は、トナー母粒子11の表面に付着している。特定架橋樹脂粒子13は、無機粒子12の表面に付着している。ただし、トナー母粒子11の表面領域のうち無機粒子12が存在しない領域においては、トナー母粒子11の表面に特定架橋樹脂粒子13が付着することがある。
例えば、次に示すような第1外添工程及び第2外添工程により、トナー母粒子の表面に、第1外添剤と第2外添剤との積重構造(1段目:第1外添剤、2段目:第2外添剤)を形成することができる。第1外添剤は無機粒子12の粉体であり、第2外添剤は特定架橋樹脂粒子13の粉体である。第1外添工程では、トナー母粒子(粉体)と第1外添剤(詳しくは、無機粒子12の粉体)とを一緒に攪拌することで、トナー母粒子の表面に無機粒子12が付着する。以下、表面に複数の無機粒子12が付着したトナー母粒子(詳しくは、無機粒子12を外添した後、かつ、特定架橋樹脂粒子13を外添する前のトナー母粒子)を、第1外添後トナー母粒子と記載する場合がある。続く第2外添工程では、第1外添後トナー母粒子(粉体)と第2外添剤(詳しくは、特定架橋樹脂粒子13の粉体)とを一緒に攪拌することで、第1外添後トナー母粒子の表面に特定架橋樹脂粒子13が付着する。
トナー母粒子(粉体)と第1外添剤と第2外添剤とを混合するためのミキサーとしては、例えばFMミキサー(日本コークス工業株式会社製)が好ましい。FMミキサーは、温度調節用ジャケット付きの混合槽を備え、混合槽内に、デフレクタと、温度センサーと、上羽根と、下羽根とをさらに備える。FMミキサーを用いて、混合槽内に投入された材料(より具体的には、粉体又はスラリー等)を混合する場合、下羽根の回転により、混合槽内の材料が旋回しながら上下方向に流動する。これにより、混合槽内に材料の対流が生じる。上羽根は、高速回転して、材料に剪断力を与える。FMミキサーは、材料に剪断力を与えることで、強力な混合力で材料を混合することを可能にしている。
前述の基本構成において、外添剤が、個数平均1次粒子径5nm以上30nm以下のシリカ粒子の粉体と、個数平均1次粒子径35nm以上150nm以下の特定架橋樹脂粒子とを含む場合には、トナー母粒子100質量部に対して、シリカ粒子の量が0.6質量部以上2.5質量部以下であり、特定架橋樹脂粒子の量が、0.2質量部以上1.8質量部以下であることが好ましい。
前述の基本構成において、スチレン−アクリル酸系樹脂基材は、スチレン系モノマーとアクリル酸系モノマーと架橋剤とを含む単量体(樹脂原料)の重合物を含有することが特に好ましい。基材を構成する樹脂中にスチレン系モノマーに由来する単位が存在することは、基材のMW疎水化度を高めるように作用する。また、スチレン−アクリル酸系樹脂基材のMW疎水化度を15%以上にするためには、上記重合物(詳しくは、スチレン系モノマーとアクリル酸系モノマーと架橋剤とを含む単量体の重合物)中の架橋剤の割合を増やすことが好ましい。例えば、スチレン−アクリル酸系樹脂基材を構成する上記重合物のうち、架橋剤に由来する単位の割合を50モル%以上にすることで、スチレン−アクリル酸系樹脂基材のMW疎水化度を15%以上にすることができる。架橋剤としては、2個以上の不飽和結合を有する架橋剤が好ましく、ジビニルベンゼンが特に好ましい。架橋剤としてジビニルベンゼンを使用した場合には、スチレン−アクリル酸系樹脂基材を構成する上記重合物のうち、ジビニルベンゼンに由来する単位の割合が30モル%以上45モル%以下であっても、スチレン−アクリル酸系樹脂基材のMW疎水化度を15%以上にすることができる。なお、トナーの生産性の観点からは、スチレン−アクリル酸系樹脂基材のMW疎水化度は50%以下であることが好ましい。
前述の基本構成において、スチレン−アクリル酸系樹脂基材のガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計(例えば、セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)で測定された吸熱グラフ(縦軸:熱流、横軸:温度)に基づいて測定される。スチレン−アクリル酸系樹脂基材がガラス転移点(Tg)を有する場合には、吸熱グラフ中にガラス転移に起因する変曲点が現れる。この変曲点の温度(詳しくは、ベースラインの外挿線と立ち下がりラインの外挿線との交点の温度)が、Tg(ガラス転移点)に相当する。スチレン−アクリル酸系樹脂基材がガラス転移点(Tg)を有しない場合には、吸熱グラフ中にガラス転移に起因する変曲点が現れない。
図3に、前述の基本構成を有するトナーに含まれるスチレン−アクリル酸系樹脂基材について測定された吸熱グラフ(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)を示す。図3に示されるように、0℃以上200℃以下の温度範囲において、吸熱グラフ中にガラス転移に起因する変曲点が現れていない。0℃以上200℃以下の温度範囲において、熱流(DSC信号)は一定であり、Tgは検出されない。すなわち、示差走査熱量測定において、少なくとも温度0℃以上200℃以下の範囲には、スチレン−アクリル酸系樹脂基材のガラス転移点が存在しない。
画像形成に適したトナーを得るためには、トナーの体積中位径(D50)が4μm以上9μm以下であることが好ましい。
次に、非カプセルトナー母粒子の構成の好適な例について説明する。トナーの用途に応じて必要のない成分を割愛してもよい。
[トナー母粒子]
トナー母粒子は、結着樹脂を含有する。また、トナー母粒子は、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉の少なくとも1つ)を含有してもよい。
(結着樹脂)
一般に、結着樹脂は、トナーの主成分となる。磁性粉を含む磁性トナーの好適な一例では、トナー母粒子の約60質量%を結着樹脂が占める。磁性粉を含まない非磁性トナーの好適な一例では、トナー母粒子の約85質量%を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(より具体的には、水酸基価、酸価、Tg、又はTm等)を調整することができる。結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナー母粒子はアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂がアミノ基を有する場合には、トナー母粒子はカチオン性になる傾向が強くなる。
前述の基本構成を有するトナーでは、トナー母粒子がポリエステル樹脂を含有する。
ポリエステル樹脂は、1種以上の多価アルコール(より具体的には、以下に示すような、脂肪族ジオール、ビスフェノール、又は3価以上のアルコール等)と1種以上の多価カルボン酸(より具体的には、以下に示すような2価カルボン酸又は3価以上のカルボン酸等)とを縮重合させることで得られる。また、ポリエステル樹脂は、他のモノマー(多価アルコール及び多価カルボン酸のいずれでもないモノマー)に由来する繰返し単位を含んでいてもよい。
脂肪族ジオールの好適な例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、α,ω−アルカンジオール(より具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、又は1,12−ドデカンジオール等)、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノールの好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、又はビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、芳香族ジカルボン酸(より具体的には、フタル酸、テレフタル酸、又はイソフタル酸等)、α,ω−アルカンジカルボン酸(より具体的には、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、又は1,10−デカンジカルボン酸等)、アルキルコハク酸(より具体的には、n−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、又はイソドデシルコハク酸等)、アルケニルコハク酸(より具体的には、n−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、又はイソドデセニルコハク酸等)、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、又はシクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸が挙げられる。
結着樹脂としては、ガラス転移点(Tg)50℃以上65℃以下、軟化点(Tm)80℃以上150℃以下、数平均分子量(Mn)1000以上2000以下、質量平均分子量(Mw)30000以上100000以下のポリエステル樹脂が特に好ましい。こうした物性を有するポリエステル樹脂としては、アルコール成分として、ビスフェノール(例えば、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物及び/又はビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物)を含むポリエステル樹脂が好ましい。
(着色剤)
トナー母粒子は、着色剤を含有してもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。画像形成に適したトナーを得るためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナー母粒子は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含有していてもよい。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、又は194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、又はC.I.バットイエローを好適に使用できる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、又は254)を好適に使用できる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、又は66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、又はC.I.アシッドブルーを好適に使用できる。
(離型剤)
トナー母粒子は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素ワックス;酸化ポリエチレンワックス又はそのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスのような植物性ワックス;みつろう、ラノリン、又は鯨ろうのような動物性ワックス;オゾケライト、セレシン、又はペトロラタムのような鉱物ワックス;モンタン酸エステルワックス又はカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような、脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスを好適に使用できる。1種類の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
(電荷制御剤)
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤(より具体的には、ピリジン、ニグロシン、又は4級アンモニウム塩等)を含有させることで、トナー母粒子のカチオン性を強めることができる。ただし、トナーにおいて十分な帯電性が確保される場合には、トナー母粒子に電荷制御剤を含有させる必要はない。
(磁性粉)
トナー母粒子は、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、又はこれら金属の1種以上を含む合金等)、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、又は二酸化クロム等)、又は強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)を好適に使用できる。磁性粉からの金属イオン(例えば、鉄イオン)の溶出を抑制するためには、表面処理された磁性粒子を磁性粉として使用することが好ましい。1種類の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
[外添剤]
前述の基本構成を有するトナーでは、トナー母粒子の表面に外添剤が付着している。外添剤は、複数の特定架橋樹脂粒子(詳しくは、架橋構造を有するスチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面が疎水化剤で処理された粒子)を含む。
特定架橋樹脂粒子のスチレン−アクリル酸系樹脂基材は、架橋スチレン−アクリル酸系樹脂を含有する。架橋スチレン−アクリル酸系樹脂は、1種以上のスチレン系モノマーと1種以上のアクリル酸系モノマーと架橋剤とを含む単量体(樹脂原料)の重合物である。架橋スチレン−アクリル酸系樹脂を合成するためには、例えば以下に示すような、スチレン系モノマー、アクリル酸系モノマー、及び架橋剤を好適に使用できる。
スチレン系モノマーの好適な例としては、スチレン、アルキルスチレン(より具体的には、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、2,3−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、o−tert−ブチルスチレン、m−tert−ブチルスチレン、又はp−tert−ブチルスチレン等)、又はハロゲン化スチレン(より具体的には、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、又はp−クロロスチレン等)が挙げられる。
アクリル酸系モノマーの好適な例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル、又は(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの好適な例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、又は(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。
架橋剤の例としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリルアミド、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリルアミド、1,4−ブタンジオールジメタクリルアミド、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリルアミド、1,6−ヘキサンジオールジメタクリルアミド、ジ(エチレングリコール)ジアクリレート、ジ(エチレングリコール)ジアクリルアミド、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、トリ(プロピレングリコール)ジアクリルアミド、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリルアミド、テトラ(エチレングリコール)ジアクリレート、テトラ(エチレングリコール)ジアクリルアミド、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリルアミド、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、又はビス(2−メタクリロイル)オキシエチルジスルフィドが挙げられる。これらの中でも、2個以上の不飽和結合を有する化合物が好ましく、不飽和結合を有する官能基を2個以上有する単環化合物(より具体的には、ジビニルベンゼン等)、又は、それぞれ不飽和結合を有する官能基を有する2以上の1価カルボン酸と1つの多価アルコールとの縮合物(より具体的には、エチレングリコールジメタクリレート、又はブタンジオールジメタクリレート等)が特に好ましい。不飽和結合を有する官能基の例としては、ビニル基(CH2=CH−)、又はビニル基中の水素が置換された官能基が挙げられる。
特定架橋樹脂粒子のスチレン−アクリル酸系樹脂基材を構成する架橋スチレン−アクリル酸系樹脂の好適な例としては、エステル部に炭素数1以上4以下のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル(例えば、エステル部に炭素数4のブチル基を有するメタクリル酸ブチル)と、スチレン系モノマー(例えば、スチレン)と、2個以上の不飽和結合を有する架橋剤(例えば、ジビニルベンゼン)とを含む単量体(樹脂原料)の重合物が挙げられる。
特定架橋樹脂粒子の疎水化剤としては、シラン化合物又は有機チタン化合物が好ましい。
疎水化剤として好適なシラン化合物の例としては、アルキルハロシラン(より具体的には、トリクロロ(メチル)シラン、ジクロロジメチルシラン、クロロトリメチルシラン、又はtert−ブチルジメチルクロロシラン等)、フェニルハロシラン(より具体的には、フェニルトリクロロシラン、又はジクロロジフェニルシラン等)、ビニルハロシラン(より具体的には、ビニルトリクロロシラン等)、テトラアルコキシシラン(より具体的には、テトラメトキシシラン、又はテトラエトキシシラン等)、アルキルアルコキシシラン(より具体的には、トリメトキシ(メチル)シラン、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、イソブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、又はデシルトリメトキシシラン等)、ハロゲン化アルキルアルコキシシラン(より具体的には、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等)、フェニルアルコキシシラン(より具体的には、トリメトキシフェニルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、又はジフェニルジエトキシシラン等)、ビニルアルコキシシラン(より具体的には、ビニルトリメトキシシラン、又はビニルトリエトキシシラン等)、(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤(より具体的には、メタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル等)、エポキシ基を有するシランカップリング剤(より具体的には、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、又は3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン等)、又はメルカプト基を有するシランカップリング剤(より具体的には、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等)が挙げられる。これらの中でも、炭素数1以上6以下のアルキル基を有するシランカップリング剤(例えば、メチルトリメトキシシラン)が特に好ましい。
疎水化剤として好適な有機チタン化合物の例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコレート、チタニウム(IV)アセチルアセトナート、チタニウム(IV)ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)、チタニウム(IV)ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)、チタニウム(IV)ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)、チタニウム(IV)ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)、又はプロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)のようなチタネートカップリング剤が挙げられる。これらの中でも、炭素数1以上6以下のアルキル基を有するチタネートカップリング剤(例えば、テトライソプロピルチタネート)が特に好ましい。
特定架橋樹脂粒子のスチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面に存在する疎水化剤は、シリコーンオイルを含んでいてもよい。疎水化剤として好適なシリコーンオイルの例としては、ストレートシリコーンオイル(より具体的には、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、又はメチルハイドロジェンシリコーンオイル等)、反応性の変性シリコーンオイル(より具体的には、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、メタクリル酸変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、又はアルコール変性シリコーンオイル等)、又は非反応性の変性シリコーンオイル(より具体的には、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、又はメチルスチリル変性シリコーンオイル等)が挙げられる。
十分なトナーの帯電安定性を確保するためには、前述の基本構成において、スチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面に、スチレン−アクリル酸系樹脂基材よりも強い正帯電性を有するカチオン界面活性剤が存在することが好ましい。カチオン界面活性剤としては、窒素(N)含有カチオン界面活性剤が好ましい。窒素含有カチオン界面活性剤の好適な例としては、4級アンモニウム塩界面活性剤(より具体的には、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、又は塩化ベンゼトニウム等)、アルキルアミン塩界面活性剤(より具体的には、アルキルアミン酢酸塩、又はアルキルアミン塩酸塩等)、又はピリジン環を有する界面活性剤(より具体的には、塩化ブチルピリジニウム又は塩化セチルピリジニウム等)が挙げられる。カチオン界面活性剤としては、炭素数10以上25以下のアルキル基を有するアルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、炭素数18のアルキル基を有するステアリルトリメチルアンモニウムクロライド)、又は炭素数10以上25以下のアルキル基を有するアルキルアミン酢酸塩(例えば、炭素数18のアルキル基を有するステアリルアミンアセテート)が特に好ましい。
ただし、スチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面にカチオン界面活性剤が存在することは必須ではなく、スチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面に、スチレン−アクリル酸系樹脂基材よりも強い負帯電性を有するアニオン界面活性剤が存在してもよい。アニオン界面活性剤の例としては、硫酸エステル界面活性剤(より具体的には、アルキル硫酸エステル塩等)、スルホン酸界面活性剤(より具体的には、アルキルスルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ペルフルオロアルキルスルホン酸塩、又はナフタレンスルホン酸塩等)、カルボン酸界面活性剤(より具体的には、炭素数6以上25以下のアルキル基を有する脂肪酸塩、又はペルフルオロ脂肪酸塩等)、又はリン酸エステル界面活性剤(より具体的には、リン酸エステル又はアルキルリン酸エステル塩等)が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、硫酸アニオン基(−OSO3 -)又はスルホン酸アニオン基(−SO3 -)を有するアニオン界面活性剤(より具体的には、硫酸エステル界面活性剤又はスルホン酸界面活性剤等)が好ましく、炭素数10以上25以下の直鎖アルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、炭素数12の直鎖アルキル基を有するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、又は炭素数10以上25以下のアルキル基を有するアルキル硫酸エステル塩(例えば、炭素数12のアルキル基を有するラウリル硫酸ナトリウム)が特に好ましい。
トナー母粒子の表面には、特定架橋樹脂粒子に加えて無機粒子が付着していてもよい。無機粒子(外添剤)としては、シリカ粒子、又は金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウム等)の粒子が好ましく、シリカ粒子及び酸化チタン粒子からなる群より選択される1種以上の粒子が特に好ましい。無機粒子は、表面処理されていてもよい。
本発明の実施例について説明する。表1に、実施例又は比較例に係るトナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−6(それぞれ静電潜像現像用の正帯電性トナー)を示す。また、表2には、表1に示される各トナーの製造に用いられる外添剤(詳しくは、樹脂粉体RA−1〜RA−6及びRB−1〜RB−6)を示す。
Figure 2019061206
表1中、「粒子径(単位:nm)」は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定された1次粒子の円相当径の個数平均値を示す。
Figure 2019061206
表2中の樹脂原料のモル比に関して、「M1」〜「M3」、「L1」、及び「L2」の意味は、下記のとおりである。
M1:スチレン
M2:メタクリル酸メチル
M3:メタクリル酸n−ブチル
L1:ジビニルベンゼン
L2:ジメタクリル酸エチレングリコール
表2中の乳化剤の種類に関して、「E−1」〜「E−2」の意味は、下記のとおりである。
E−1:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
E−2:ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド
表2中の表面処理に関して、「S−1」〜「S−2」の意味は、下記のとおりである。
S−1:メチルトリメトキシシラン
S−2:テトライソプロピルチタネート
表2中の基材に関して、「MW疎水化度」は、メタノールウェッタビリティ法(MW法)により測定された疎水化度を意味する。
以下、トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−6の製造方法、評価方法、及び評価結果について、順に説明する。なお、誤差が生じる評価においては、誤差が十分小さくなる相当数の測定値を得て、得られた測定値の算術平均を評価値とした。
[外添剤:樹脂粉体RA−1〜RA−6及びRB−1〜RB−6の調製]
(樹脂基材の作製)
攪拌装置、還流冷却管、温度計、及び窒素導入管を備えたガラス製の容器を、温度80℃のウォーターバスにセットし、その容器内に、イオン交換水100質量部と、表2に示す種類及び量の乳化剤(詳しくは、各樹脂粉体に定められた乳化剤E−1又はE−2)とを入れた。例えば、樹脂粉体RA−1の調製では、100質量部のイオン交換水と、5質量部の乳化剤E−1(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)とを添加した。また、樹脂粉体RA−6の調製では、100質量部のイオン交換水と、3質量部の乳化剤E−2(ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド)とを添加した。
続けて、容器内容物を攪拌しながら、容器内に、過硫酸アンモニウム0.2質量部と、表2に示すモル比のモノマー混合物(すなわち、樹脂原料)20質量部とを1時間かけて添加した。例えば、樹脂粉体RA−1の調製では、過硫酸アンモニウム0.2質量部に加えて、モノマーM1(スチレン)とモノマーM2(メタクリル酸メチル)と架橋剤L1(ジビニルベンゼン)とを、そのモル比が1:1:1(=M1:M2:L1)になるように添加した。これら樹脂原料(モノマーM1及びM2、並びに架橋剤L1)の合計量は、添加開始時の容器内容物105質量部(詳しくは、イオン交換水100質量部及び乳化剤5質量部)に対して20質量部であった。また、樹脂粉体RA−2の調製では、過硫酸アンモニウム0.2質量部に加えて、モノマーM1(スチレン)とモノマーM3(メタクリル酸n−ブチル)と架橋剤L1(ジビニルベンゼン)と架橋剤L2(ジメタクリル酸エチレングリコール)とを、そのモル比が2:1:1:2(=M1:M3:L1:L2)になるように添加した。これら樹脂原料(モノマーM1及びM3、並びに架橋剤L1及びL2)の合計量は、添加開始時の容器内容物105質量部(詳しくは、イオン交換水100質量部及び乳化剤5質量部)に対して20質量部であった。
続けて、窒素雰囲気で、容器内容物の温度を85℃に上昇させた。続けて、容器内容物を攪拌しながら、温度85℃で容器内容物を5時間攪拌して、エマルションを得た。続けて、得られたエマルションを乾燥して、表2に示すMW疎水化度及びTg(ガラス転移点)を有する基材(粉体)を得た。例えば、樹脂粉体RA−1の基材に関しては、MW疎水化度が28%であり、Tg(ガラス転移点)は検出されなかった。樹脂基材のTg(ガラス転移点)及びMW疎水化度の各々の測定方法は、以下のとおりであった。
<Tgの測定方法>
示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて、樹脂基材(測定対象:樹脂粉体RA−1〜RA−6及びRB−1〜RB−6のいずれかの基材)の吸熱グラフ(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)を測定した。測定された吸熱グラフの温度範囲は、0℃以上200℃以下であった。続けて、得られた吸熱グラフから樹脂基材のTg(ガラス転移点)を読み取った。得られた吸熱グラフにおいて、ガラス転移に起因する変曲点の温度(詳しくは、ベースラインの外挿線と立ち下がりラインの外挿線との交点の温度)が、樹脂基材のTg(ガラス転移点)に相当する。ただし、0℃以上200℃以下の温度範囲において、ガラス転移に起因する変曲点が検出されない場合には、「Tg無し」と判定した。例えば、樹脂粉体RA−1〜RA−6の各々の基材では、0℃以上200℃以下の温度範囲において、熱流(DSC信号)がほとんど変化せず、Tgが検出されなかった。
<MW疎水化度の測定方法>
樹脂基材のMW疎水化度は、メタノールウェッタビリティ法(MW法)により測定した。詳しくは、容量200mLのガラス製ビーカー内に、精製水100gを入れた後、さらに樹脂基材(測定対象:樹脂粉体RA−1〜RA−6及びRB−1〜RB−6のいずれかの基材)1gを投入した。そして、マグネチックスターラーを用いて回転速度150rpmでビーカー内容物を攪拌しながら、少量ずつメタノールを滴下し、樹脂基材が全て濡れて沈降(すなわち、全沈)した時のメタノール滴下量Mm(単位:g)を求めた。そして、次の式に基づいて樹脂基材のMW疎水化度(単位:%)を算出した。例えば、樹脂基材全沈時のメタノール滴下量Mmが100gであれば、樹脂基材のMW疎水化度は50%である。
MW疎水化度=100×Mm/(Mm+100)
なお、樹脂粉体RB−3の基材は、架橋構造を有するアクリル酸系樹脂基材であり、樹脂粉体RB−4の基材は、架橋構造を有しないスチレン−アクリル酸系樹脂基材であり、他の樹脂粉体の基材はそれぞれ、架橋構造を有するスチレン−アクリル酸系樹脂基材であった。樹脂粉体RA−1〜RA−6の各々の基材は、スチレン系モノマー(詳しくは、スチレン)とアクリル酸系モノマー(詳しくは、メタクリル酸メチル又はメタクリル酸n−ブチル)と架橋剤(詳しくは、ジビニルベンゼン及び/又はジメタクリル酸エチレングリコール)との重合物を含有していた。樹脂粉体RA−1、RA−3、RA−5、及びRA−6の各々の基材に含有される重合物のうち、架橋剤(詳しくは、ジビニルベンゼン)に由来する単位の割合は33モル%(=100×1/3)であった。樹脂粉体RA−2及びRA−4の各々の基材に含有される重合物のうち、架橋剤(詳しくは、ジビニルベンゼン及びジメタクリル酸エチレングリコール)に由来する単位の割合は50モル%(=100×3/6)であり、ジビニルベンゼンに由来する単位の割合は17モル%(=100×1/6)であった。
樹脂粉体RB−2、RB−5、及びRB−6の各々の調製では、下記表面処理を行わなかった。このため、上記のようにして得た樹脂基材(粉体)が、樹脂粉体(詳しくは、樹脂粉体RB−2、RB−5、及びRB−6)に相当する。他の樹脂粉体の調製では、上記のようにして得た樹脂基材(粉体)に下記表面処理を行った。
(表面処理)
上記のようにして得た樹脂基材(粉体)を、容量10LのFMミキサー(日本コークス工業株式会社製)に投入し、樹脂基材(粉体)100質量部に対して、表2に示す表面処理剤(詳しくは、各樹脂粉体に定められた表面処理剤S−1又はS−2)5質量部をゆっくり滴下した。例えば、樹脂粉体RA−1の調製では、樹脂基材100質量部に対して5質量部の表面処理剤S−1(メチルトリメトキシシラン)を滴下した。また、樹脂粉体RA−4の調製では、樹脂基材100質量部に対して5質量部の表面処理剤S−2(テトライソプロピルチタネート)を滴下した。
続けて、上記のように表面処理剤が付与された樹脂基材を、温度150℃に設定された防爆乾燥炉中で1時間乾燥させた。その後、加熱処理後の固形物(詳しくは、表面処理剤が付与された後に加熱処理が施された樹脂基材)を、ジェットミルを用いて解砕して、表1に示す粒子径を有する樹脂粉体(すなわち、樹脂粉体RA−1〜RA−6及びRB−1〜RB−6)を得た。例えば、樹脂粉体RA−1に関しては、個数平均1次粒子径が46nmであった。樹脂粉体の個数平均1次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影した粒子投影像から求めた。樹脂粉体に含まれる500個の1次粒子の各々について、粒子投影像に基づいて測定された円相当径の個数平均値を、樹脂粉体の個数平均1次粒子径とした。
[トナーの製造]
(トナー母粒子の準備)
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(詳しくは、ビスフェノールAを骨格にしてエチレンオキサイドを付加したアルコール)に、多官能基を有する酸(詳しくは、テレフタル酸)を反応させることにより、酸価5.6mgKOH/g、軟化点(Tm)120℃、ガラス転移点(Tg)56℃、数平均分子量(Mn)1500、質量平均分子量(Mw)45000のポリエステル樹脂を得た。
上記のようにして得たポリエステル樹脂100質量部と、着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3、成分:銅フタロシアニン顔料)4質量部と、カルナバワックス(株式会社加藤洋行製「カルナウバワックス1号」)5質量部と、電荷制御剤(4級アンモニウム塩:オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」)1質量部とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて混合した。
続けて、得られた混合物を、2軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて溶融混練した。続けて、得られた混練物を圧延しながら冷却した後、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミル」)を用いて粉砕した。続けて、得られた粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)6.8μmのトナー母粒子が得られた。
(外添工程)
続けて、上記のようにして得たトナー母粒子(粉体)100質量部と、疎水性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA−200H」、内容:トリメチルシリル基とアミノ基とで表面修飾された乾式シリカ粒子、個数平均1次粒子径:約12nm)1.5質量部とを、容量10LのFMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて5分間混合した。続けて、そのFMミキサーに、表1に示す樹脂粉体(詳しくは、各トナーに定められた樹脂粉体RA−1〜RA−6及びRB−1〜RB−6のいずれか)0.6質量部をさらに投入し、FMミキサーの内容物(すなわち、トナー母粒子、シリカ粒子、及び樹脂粒子)をさらに5分間混合した。
上記外添工程により、トナー母粒子の表面に外添剤(詳しくは、シリカ粒子及び樹脂粒子)が付着した。その後、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別を行った。その結果、多数のトナー粒子を含むトナー(トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−6)が得られた。
[評価方法]
各試料(トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−6)の評価方法は、以下の通りである。
(評価用現像剤の調製)
温度25℃かつ湿度50%RHの環境下で、現像剤用キャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「FS−C5100DN」用キャリア)100質量部と、トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−6のいずれか)8質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、評価用現像剤(詳しくは、2成分現像剤)を得た。
(帯電性)
評価機としては、プリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−C5100DN」)を用いた。上記のように調製した評価用現像剤を評価機の現像装置に投入した。
温度25℃かつ湿度50%RHの環境下で、評価機の現像装置を駆動して、画像形成は行わないまま、現像装置内の現像剤(詳しくは、評価用現像剤)を攪拌した。この攪拌(すなわち、現像装置の空転駆動)を、0.1時間連続で行ったタイミングと、0.5時間連続で行ったタイミングと、12時間連続で行ったタイミングとの各々で、現像装置内から所定量の現像剤を取り出した。そして、各タイミングで取り出された現像剤に含まれるトナーの帯電量(単位:μC/g)を、Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS」)を用いて測定した。以下、上記攪拌を0.1時間連続で行ったタイミングで測定されたトナーの帯電量を、「Q1」と記載する。また、上記攪拌を0.5時間連続で行ったタイミングで測定されたトナーの帯電量を、「Q2」と記載する。また、上記攪拌を12時間連続で行ったタイミングで測定されたトナーの帯電量を、「Q3」と記載する。Q2をQ1で除して、「Q2/Q1」を算出した。Q3をQ2で除して、「Q3/Q2」を算出した。
2/Q1が、0.90以上1.00以下であれば◎(非常に良い)と評価し、0.75以上0.90未満であれば○(良い)と評価し、0.75未満であれば×(悪い)と評価した。なお、いずれのトナーでも、Q2/Q1は1.00以下であった。
3/Q2が、0.90以上1.00以下であれば◎(非常に良い)と評価し、0.80以上0.90未満であれば○(良い)と評価し、0.80未満であれば×(悪い)と評価した。なお、いずれのトナーでも、Q3/Q2は1.00以下であった。
(ドラムフィルミング)
評価機としては、プリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−C5100DN」)を用いた。前述のように調製した評価用現像剤を評価機の現像装置に投入し、評価機のトナーコンテナに補給用トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−6のいずれか)を投入した。
上記評価機を用いて、温度25℃かつ湿度50%RHの環境下で、印字率40%の連続印刷を5000枚の紙(A4サイズの印刷用紙)に行った。その後、トナー載り量0.5mg/cm2の条件で、評価用紙(モンディ社製「ColorCopy(登録商標)」、A4サイズ、90g/m2)に未定着のソリッド画像を形成した。そして、評価用紙上のソリッド画像を目視で観察した。
形成されたソリッド画像にダッシュマークが観察されなければ○(良い)と評価し、形成されたソリッド画像にダッシュマークが観察されれば×(良くない)と評価した。なお、ダッシュマークは、トナーが感光体ドラムの表面に固着することに起因して生じ得る画像欠陥である。
[評価結果]
トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−6の各々について、帯電性(初期:Q2/Q1、耐久:Q3/Q2)、及びドラムフィルミング(ダッシュマークの有無)を評価した結果を、表3に示す。なお、トナーTB−3の評価では、ドラムフィルミング以外の原因で画像不良が生じたため、ドラムフィルミングを評価しなかった。また、トナーTB−4の評価では、「Q2/Q1」が著しく悪く、印刷初期から画像不良が生じたため、「Q3/Q2」の評価を行わなかった。
Figure 2019061206
トナーTA−1〜TA−6(実施例1〜6に係るトナー)はそれぞれ、前述の基本構成を有するトナーであった。詳しくは、トナーTA−1〜TA−6はそれぞれ、ポリエステル樹脂を含有するトナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を複数含んでいた。外添剤は、特定架橋樹脂粒子(詳しくは、架橋構造を有するスチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面が疎水化剤で処理された粒子)の粉体である樹脂粉体を含んでいた。メタノールウェッタビリティ法で測定されるスチレン−アクリル酸系樹脂基材の疎水化度は15%以上であった(表2参照)。示差走査熱量測定において、少なくとも温度0℃以上200℃以下の範囲には、スチレン−アクリル酸系樹脂基材のガラス転移点が存在しなかった(表2参照)。すなわち、スチレン−アクリル酸系樹脂基材が密な架橋構造を有していた。
表3に示されるように、トナーTA−1〜TA−6はそれぞれ、連続印刷において、良好な帯電性を維持して、継続的に高画質の画像を形成することができた。
トナーTB−1(比較例1に係るトナー)の評価では、ドラムフィルミングが発生した。
トナーTB−2(比較例2に係るトナー)の評価では、トナー母粒子からの樹脂粒子(外添剤)の脱離量が多かった。
トナーTB−3(比較例3に係るトナー)の評価では、多くの樹脂粒子(外添剤)がトナー母粒子中へ埋没した。また、トナー母粒子の表面に存在する離型剤が、画像形成装置の部品に付着し、画像不良を引き起こした。
トナーTB−4(比較例4に係るトナー)の評価では、印刷初期から画像不良が生じた。
トナーTB−5(比較例5に係るトナー)の評価では、トナー母粒子からの樹脂粒子(外添剤)の脱離量が多かった。
トナーTB−6(比較例6に係るトナー)の評価では、トナー母粒子からの樹脂粒子(外添剤)の脱離量が多かった。また、トナー母粒子から脱離した樹脂粒子(外添剤)がキャリア粒子に付着した。
本発明に係るトナー及びトナー用外添剤はそれぞれ、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。
10 トナー粒子
11 トナー母粒子
12 無機粒子
13 特定架橋樹脂粒子

Claims (9)

  1. ポリエステル樹脂を含有するトナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を複数含む、トナーであって、
    前記外添剤は、表面処理された樹脂粒子の粉体である樹脂粉体を含み、
    前記表面処理された樹脂粒子は、架橋構造を有するスチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面が疎水化剤で処理された粒子であり、
    メタノールウェッタビリティ法で測定される前記スチレン−アクリル酸系樹脂基材の疎水化度は、15%以上であり、
    示差走査熱量測定において、少なくとも温度0℃以上200℃以下の範囲には、前記スチレン−アクリル酸系樹脂基材のガラス転移点が存在しない、トナー。
  2. 前記疎水化剤は、シラン化合物及び有機チタン化合物からなる群より選択される1種以上の疎水化剤であり、
    前記樹脂粉体の個数平均1次粒子径は35nm以上150nm以下である、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記疎水化剤は、炭素数1以上6以下のアルキル基を有するチタネートカップリング剤であり、
    前記樹脂粉体の個数平均1次粒子径は35nm以上150nm以下である、請求項1に記載のトナー。
  4. 前記疎水化剤は、炭素数1以上6以下のアルキル基を有するシランカップリング剤であり、
    前記樹脂粉体の個数平均1次粒子径は35nm以上150nm以下である、請求項1に記載のトナー。
  5. 前記スチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面には、カチオン界面活性剤が存在し、
    前記樹脂粉体の個数平均1次粒子径は60nm以上100nm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 前記外添剤は、個数平均1次粒子径5nm以上30nm以下の無機粒子の粉体をさらに含む、請求項2〜5のいずれか一項に記載のトナー。
  7. 前記スチレン−アクリル酸系樹脂基材は、スチレン系モノマーとアクリル酸系モノマーと架橋剤とを含む単量体の重合物を含有し、
    前記スチレン−アクリル酸系樹脂基材に含有される前記重合物のうち、前記架橋剤に由来する単位の割合は、50モル%以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 前記スチレン−アクリル酸系樹脂基材は、スチレン系モノマーとアクリル酸系モノマーとジビニルベンゼンとを含む単量体の重合物を含有し、
    前記スチレン−アクリル酸系樹脂基材に含有される前記重合物のうち、前記ジビニルベンゼンに由来する単位の割合は、30モル%以上45モル%以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。
  9. 表面処理された樹脂粒子の粉体である樹脂粉体を含み、
    前記表面処理された樹脂粒子は、架橋構造を有するスチレン−アクリル酸系樹脂基材の表面が疎水化剤で処理された粒子であり、
    メタノールウェッタビリティ法で測定される前記スチレン−アクリル酸系樹脂基材の疎水化度は、15%以上であり、
    示差走査熱量測定において、少なくとも温度0℃以上200℃以下の範囲には、前記スチレン−アクリル酸系樹脂基材のガラス転移点が存在しない、トナー用外添剤。
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