JP2019061199A - 虚像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的簡易な構造で、画素間の隙間を目立たなくして画像の視認性を良好な状態とすることが可能な虚像表示装置を提供すること。【解決手段】式(1)を満たすように、微細構造部MSや、画像表示装置10及び接眼光学系20を構成することによって、映像光GLに対して、映像素子である画像表示装置10を構成する各画素のサイズを考慮して適切な程度の拡散作用を比較的簡易な構成で与えることができ、画素間の隙間を目立たなくして画像の視認性を良好な状態にできる。【選択図】図1
Description
本発明は、頭部に装着して映像素子等によって形成された映像を観察者に提示する虚像表示装置に関する。
近年、観察者の頭部に装着するヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDあるいは頭部搭載型表示装置とも言う)等の虚像表示装置においては、広画角化のため、画像を拡大して視認させることが進んでいる。
画像の拡大に伴い、映像素子等において、例えば画素間に配置されたブラックマトリクスも拡大されて観察者に視認されてしまうという問題がある。これに対して、例えばマイクロレンズアレイシートの各レンズ部分で拡大することにより画素間の隙間を目立たなくするもの(特許文献1)が知られている。
しかしながら、上記の場合、各画素よりも小さい幅を有するマイクロレンズアレイシートを配置することになるため、画素ピッチが小さくなるほど、精度よくマイクロレンズアレイシートを作ることが難しくなる。
また、上記の場合、映像素子等の近くにマイクロレンズアレイシートを配置するため、マイクロレンズアレイシートの高精度に配置しないと、モアレが発生する可能性がある。
本発明は、比較的簡易な構造で、画素間の隙間を目立たなくして画像の視認性を良好な状態とすることが可能な虚像表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の虚像表示装置は、映像光を射出する映像素子と、映像素子からの映像光を虚像による画像として視認させる接眼光学系と、接眼光学系に設けられ、映像光を拡散する微細構造部とを備え、微細構造部における微細構造表面の前後での媒質の屈折率差をΔn、微細構造表面の光軸に対する最大傾き角をθとし、映像素子を構成する画素1つの幅をtとし、光学系全体の焦点距離をfとした場合に、
を満たす。
を満たす。
上記虚像表示装置では、上記要件を満たす微細構造部を有することによって、映像光に対して、映像素子を構成する各画素サイズを考慮して適切な程度の拡散作用を与えることで、画素間の隙間を目立たなくして画像の視認性を良好な状態にできる。
本発明の具体的な側面では、微細構造部は、映像素子を構成する画素1つの幅tに対応する映像光の光線束の幅よりも細かな凹凸を有する。この場合、画素1つ分の画像に対して、1つ以上の微細構造部の凹凸が作用することで、確実な拡散作用をもたらすことができる。
本発明の別の側面では、微細構造部は、0.05mmから2mmまでの間の大きさの凹凸で構成される凹凸構造部を有する。この場合、微細構造部を構成する凹凸構造部の作製を比較的容易なものとしつつ、凹凸を所望の大きさとすることができる。
本発明のさらに別の側面では、微細構造部において、凹凸構造部は、間隔の範囲で大きさの違いを有した非周期的な凹凸を有している。この場合、適切な拡散作用をもたらすことができる。
本発明のさらに別の側面では、微細構造部は、接眼光学系のうち、最も観察者側の面に形成される。この場合、光路中において最も広がった状態の映像光に対して拡散作用を及ぼすようにできる。
本発明のさらに別の側面では、微細構造部は、接眼光学系を構成するレンズのうち、樹脂製のレンズ上に設けられ、接眼光学系を構成する他のレンズと接合されて形成される。この場合、樹脂製のレンズ上に設けることで、微細構造部の作製を比較的容易にしつつ、他のレンズに接合されることで、微細構造部への汚れの付着等を回避できる。
本発明のさらに別の側面では、接眼光学系は、樹脂製またはガラスモールド製のレンズで構成される。
本発明のさらに別の側面では、微細構造部は、シート状の拡散部材である。この場合、微細構造部の接眼光学系への取付けを容易にできる。
本発明のさらに別の側面では、微細構造部は、接眼光学系を構成するレンズの有効径のうち中心側の一部のみに設けられる。この場合、微細構造部を設ける範囲を限定して、構造を簡易なものとしつつ、人の視力に関して、情報受容能力に優れる有効視野の画像の状態を良好に維持できる。
上記虚像表示装置では、上記要件を満たす微細構造部を有することによって、映像光に対して、映像素子を構成する各画素サイズを考慮して適切な程度の拡散作用を与えることで、画素間の隙間を目立たなくして画像の視認性を良好な状態にできる。
〔第1実施形態〕
以下、図1等を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る虚像表示装置について詳細に説明する。
以下、図1等を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る虚像表示装置について詳細に説明する。
図1に概念的に示すように、本実施形態の虚像表示装置100は、映像素子である画像表示装置10と、接眼光学系(アイピース光学系)20とを備え、虚像表示装置100を装着した観察者又は使用者に対して虚像による画像光(映像光)を視認させることができるヘッドマウントディスプレイ(HMDあるいは頭部搭載型表示装置)である。さらに、本実施形態では、接眼光学系20に設けられ、画像表示装置10からの映像光を拡散する微細構造部MSを備える。微細構造部MSは、微細な多数の凹凸を有することで、拡散作用を示すものとなっている。なお、図示を省略するが、画像表示装置10や接眼光学系20は、装着時に観察者の眼前を覆う外装部に収納・保護されている。ここで、虚像表示装置100において、光学系の光軸AXは、Z方向となっているものとする。また、光軸AXは、画像表示装置10の画像表示領域の中心位置を通っている。また、ここでは、図示のように、Z方向は、観察者が真正面を向く方向に沿った方向を想定しており、光軸AXを観察者の眼EYの画角(視野角)が0°となる軸であるものとする。すなわち、光軸AXが標準的な観察者の眼EYの視軸に一致するようになっている。さらに、観察者の左右の眼EYの並ぶ方向となる水平方向をX方向とする。言い換えると、眼EYの並ぶ方向すなわち左右方向に対応する方向を水平方向とし、これを想定して虚像表示装置100が構成されており、図示ではこの方向をX方向としている。さらに、水平方向に直交する方向である観察者にとっての上下方向を垂直方向とし、図1等では、Y方向とする。
以下、虚像表示装置100による映像光GLの光路について概略説明すると、まず、画像表示装置10から射出された映像光GLは、接眼光学系20さらにこれに付随して設けられる微細構造部MSを経て観察者の眼EYのある場所として想定される位置に達する。
以下、虚像表示装置100による映像光GLの導光をするための各部の構造等についての一例を概念的に説明する。
図1は、虚像表示装置100を観察者が装着した場合の側方から見た光軸AXでの断面の様子を示しており、図2は、接眼光学系20に設けられた微細構造部MSの様子を示す図である。なお、図1及び図2では、説明のため、微細構造部MSを構成する多数の凹凸がなす凹凸構造部USを誇張して表現しているが、実際には、凹凸構造部USは、非常に微細な凹凸部で構成された構造である。微細構造部MSは、接眼光学系20の表面に凹凸構造部USとなるべき材料を融着や接着等により取り付けることで形成される。
なお、画像表示装置10、接眼光学系20及び微細構造部MSは、右眼用と左眼用とについてそれぞれ用意される左右一対構成(微細構造部MSにおける凹凸の左右での微差による非対称性等を除く)であるが、対称性により、ここでは、省略して左右のうち一方(左眼用)のみを示している。すなわち、図1等において、+X側が外側(耳側)であり、−X側が内側(鼻側)である。なお、左右一対の一方のみ、すなわち単独でも虚像表示装置として機能する。また、詳しい説明は省略するが、図1に例示したような左右一対構成とせず、単眼用に虚像表示装置を構成することも可能である。
画像表示装置10は、画像を表示するための映像素子(映像表示素子あるいは画像表示部)である。すなわち、画像表示装置10は、画像を表示する画像表示部として、本体部分であるパネル部で画像形成を行うとともに形成された画像光である映像光GLを必要に応じて偏光状態を変換しつつ射出する装置である。画像表示装置10は、例えば有機EL等の自発光型の素子(OLED)で構成される映像素子により構成することができる。また、例えば透過型の空間光変調装置である映像素子のほか、映像素子へ照明光を射出するバックライトである照明装置(不図示)や動作を制御する駆動制御部(不図示)を有する構成としてもよい。また、本実施形態では、画像表示装置10として、一辺の長さを1インチ以下とするマイクロディスプレイをパネルに採用している。
接眼光学系20は、映像光GLの光路について、画像表示装置10の光路後段(−Z側)に配置される一方、装着時に観察者の眼前に配置され、画像表示装置10からの映像光GLを観察者側へ射出させる。接眼光学系20は、非テレセントリックな光学系であり、画像表示装置10で表示される画像を拡大された虚像として観察者に視認させる拡大光学系である。なお、ここでの例では、説明の簡略化のため、接眼光学系20は、1つのレンズLSで構成されているものとしているが、接眼光学系20は、単数または複数のレンズで構成される場合のほか、例えば、レンズを主要部としつつ、偏光変換部材、半透過型偏光板といった光学部品によって構成され一部の光を折り返す構造を有する場合もある。他の構成例について詳しくは、別途後述する。また、レンズLSについては、例えば配向複屈折±0.01以下、または、光弾性定数10[10−12/Pa]以下であるゼロ複屈折性の樹脂レンズまたは低複屈折性の樹脂レンズのいずれかで構成されていることで、複屈折を生じにくいものとしてもよい。
接眼光学系20を構成するレンズLSは、観察者の眼EYの位置として想定される位置(本願ではこの位置も眼EYとして示している。)に対向して配置される観察者側レンズであるとも言える。すなわち、レンズLSは、画像表示装置10からの映像光GLを集光して観察者の眼前側へ射出させるための凸レンズである。なお、レンズLSについては、樹脂製またはガラスモールド製とすることが考えらえるが、ここでは、一例として、上記した複屈折性が十分低減された樹脂レンズを採用するものとする。
ここで、画像表示装置10と接眼光学系20(レンズLS)とのサイズの大小関係の一例を記載する。ここでは、図示のように、接眼光学系20について、接眼光学系20の光学面のサイズが、画像表示装置10の画像表示領域のサイズよりも大きいものとなっている。具体的には、円形状のレンズLSの光学面のサイズに相当するレンズLSの横方向(X方向)あるいは縦方向(Y方向)についてのレンズ有効径が、画像表示装置10の画像表示領域のサイズに相当するパネルサイズの横方向(X方向)や縦方向(Y方向)についての長さよりも大きくなっている。これにしたがって、接眼光学系20は、発散型の非テレセントリックな光学系となっている。これにより、全体の像高を小さくすることができる、すなわち、一辺の長さを1インチ以下(より望ましくは、12〜13mm程度)とするマイクロディスプレイのような小型パネルを用いた画像表示装置10の画像を拡大して広画角な画像形成を可能としている。
微細構造部MSは、樹脂レンズで構成される接眼光学系20(レンズLS)のレンズ面20aやレンズ面20b上に例えば多数の凸部TP,TP…を形成することで設けられた凹凸構造部USを主要部分とする。なお、図示の例では、接眼光学系20のうち、最も観察者側の面であるレンズ面20aに形成されている。図1あるいは図2に示すように、微細構造部MSは、多数の凹凸を有する凹凸構造部USによって、通過する光に対して拡散作用を示す。図2に示す一例では、接眼光学系20のレンズ面20aの全体に多数の半球状の凸部TP,TP…を2次元状に並べて凹凸構造部USを構成している。ここで、多数の凸部TP,TP…については、例えば、ある程度の大きさの違いを有した非周期的(ランダム)な配置とするものとすることが考えられる。特に、ここでは、各凸部TPの大きさは、画像表示装置10を構成する画素のサイズや画素間を構成するブラックマトリクスのサイズ、さらには、光学系全体の焦点距離を考慮して、図示のXY面内で径(幅)HHが、0.05mmから2mmまでの間で適宜定められているものとする。
ここで、一般に、HMD等の虚像表示装置においては、広画角化が進んでおり、例えば画角(全画角(FOV)あるいは視野角)について最大値が50°を超えるようなものが存在し、本実施形態においても、全画角(FOV)の最大値が50°を超えるように設計されている。このような広画角化に伴い、画像表示装置10の画像をより拡大して視認させることが必要となる。しかしながら、画像表示装置10において、例えば画素間に配置されたブラックマトリクスも拡大されて観察者に視認されてしまう可能性があり、これを回避すべく画素間の隙間を目立たなくなるようにしたいという要請がある。
本実施形態では、上記観点を考慮して、光学系の構成に応じて所定の要件を満たす形状を有した微細構造部MSを設けることで、映像光GLに対して、画像表示装置10を構成する各画素サイズを考慮して適切な程度の拡散作用を与えることを可能にしている。これにより、適度に画像をぼかして画素間の隙間を目立たなくしつつ、ぼかし過ぎないようにして画像の視認性を良好な状態にできるようにしている。
以下、図3及び図4等を参照して、本実施形態における微細構造部MSの形状及び構造や、微細構造部MSと映像素子である画像表示装置10を構成する画素との関係について説明する。
まず、図3を参照して、微細構造部MSを構成する凹凸構造部USの形状・構造や拡散作用について説明する。既述のように、微細構造部MSを構成する凹凸構造部USは、例示した多数の凸部TP等によって多数の凹凸を有した形状となっている。この凹凸形状(あるいは起伏形状)については、図2に例示したような形状(正面視円形状の凸部)に限らず、様々の凹凸形状とすることが考えられ、例えば図3に示すような断面形状を有する凹凸形状であるものとしてもよい。ここで、図3において、凹凸構造部US(あるいは微細構造部MS)の表面SFのうち、光軸AXに対して最も傾いている位置での傾斜角(最大傾き角)をθとする。ここでは、拡散作用の標準的な一例として、最大傾き角θとなる面を通過する光軸AXに平行な光線に対する場合の微細構造部MSの拡散作用について考える。また、その他の各種数値を以下のように規定する。まず、微細構造部MSの表面SFの前後での媒質の屈折率差をΔnとする。すなわち、図示の場合、微細構造部MSを構成する樹脂部材の屈折率をn1とし、微細構造部MSを通過した後の空気層の部分の屈折率をn2とする。この場合、屈折率差Δnは、Δn=|n2−n1|となる。また、虚像表示装置100を構成する光学系全体の焦点距離をfとする。さらに、図4Aに示すように、画像表示装置10を構成するマトリクス状に配置された画素PX,PX…について、各画素PXの1つの幅をtとする。
以上の場合において、拡散作用としては、図4Aに示す各画素PXの間を隔絶するブラックマトリクスBMの大きさ等にもよるが、ブラックマトリクスBMによる隙間を目立たなくできる程度に適度にぼかす、すなわち、各画素PXからの光を拡散させつつも、画素構成に応じた程度の解像度を維持すべく光の拡散の程度を抑えることが望ましい。このための条件としては、上記で規定した各数値に関して、
を満たすものとすることが考えられる。ここで、上式(1)のうち左右の辺に現れるt/fは、上記規定から、画素PXの幅tと焦点距離fとの比率(度合)である。一方、上式(1)のうち中辺の値は、屈折率差Δnと、最大傾き角θの正接との積であり、微細構造部MSの通過による最大傾き角θとなる位置で光軸AXに平行な光線に与える拡散作用の度合を示している。したがって、上式(1)は、微細構造部MSでの拡散作用の度合が、幅tと焦点距離fとの度合と比較して、0.2倍から1倍の範囲内程度となるように、微細構造部MSの材料や形状・構成を定められていることを示している。言い換えると、微細構造部MSによる拡散作用の程度が、表示画像として視認される画像中における画素0.2個分から1個分程度であるものとなっている。上記の場合では、微細構造部MSでの拡散作用を上式(1)で規定されるような範囲内とすることによって、ブラックマトリクスBMに起因する画素間の隙間を感じさせないようにしつつも、隣り合う画素間が混じり合って見た目の解像度が劣化してしまうことを回避可能にしている。
を満たすものとすることが考えられる。ここで、上式(1)のうち左右の辺に現れるt/fは、上記規定から、画素PXの幅tと焦点距離fとの比率(度合)である。一方、上式(1)のうち中辺の値は、屈折率差Δnと、最大傾き角θの正接との積であり、微細構造部MSの通過による最大傾き角θとなる位置で光軸AXに平行な光線に与える拡散作用の度合を示している。したがって、上式(1)は、微細構造部MSでの拡散作用の度合が、幅tと焦点距離fとの度合と比較して、0.2倍から1倍の範囲内程度となるように、微細構造部MSの材料や形状・構成を定められていることを示している。言い換えると、微細構造部MSによる拡散作用の程度が、表示画像として視認される画像中における画素0.2個分から1個分程度であるものとなっている。上記の場合では、微細構造部MSでの拡散作用を上式(1)で規定されるような範囲内とすることによって、ブラックマトリクスBMに起因する画素間の隙間を感じさせないようにしつつも、隣り合う画素間が混じり合って見た目の解像度が劣化してしまうことを回避可能にしている。
なお、最大傾き角θの大きさが、比較的小さい場合には、θ≒sinθ≒tanθとなること等を考慮して、上式(1)の中辺の値を、屈折率差Δnと、最大傾き角θとの積とすることも考えられる。
また、上記のような程度の拡散作用を各画素PXごとにムラなく確実に行うためには、微細構造部MSで構成される凹凸の1つ分が、少なくとも1つは各画素に対応する画像に収まっている程度の大きさとなっていることが必要であると考えられる。すなわち、1つの画素PXの幅tに対応する映像光GLの光線束の幅よりも、細かな凹凸で凹凸構造部US(あるいは微細構造部MS)を構成しておくことが考えられる。典型的には、図4Bに概念的に示すように、1つの凸部TPが、1つの画素PXの幅tに対応する映像光GLの成分であって凹凸構造部USを通過する際における成分の光線束の幅taに対応している、すなわち両者のピッチが揃っているようにすることが考えられる。あるいは、図5に示すように、映像光GLの成分であって凹凸構造部USを通過する際における成分の光線束の幅よりも、より細かな凹凸を凹凸構造部USが有するものとしてもよい。
図5は、上記した虚像表示装置100の一変形例における画像表示装置10を構成する画素PX1に対応する成分光GL1と、凹凸構造部USのうち成分光GL1に対応する箇所との関係について説明するための図である。図示のように、ここでは、画像表示装置10を構成する画素の1つである画素PX1から、映像光GLの成分光GL1が射出されているものとする。この場合、画素PX1からの成分光GL1は、拡大光学系としての接眼光学系20により光線束の幅を広げつつ、観察者の眼EYに到達する。すなわち、観察者の眼EYに近づくほど、1つ分の画素に相当する画像となるべき成分光の光線束の幅は大きくなる。ここで、成分光GL1が、微細構造部MSを通過する範囲を領域AR1とする。図示では、破線で囲んで示すように、領域AR1及びその周辺の領域を一部拡大して示している。ここでは一例として、領域AR1内において、一方向につき3つ分程度の凸部TPすなわち一方向につき3回分程度の凹凸を有するように凹凸構造部USを形成している。これにより、1つの画素PX1に相当する画像に対して、ムラなく十分に拡散作用をもたらすことができると考えられる。
また、上記の場合、微細構造部MSは、接眼光学系20のうち最も観察者に近い側の面であるレンズ面20aに形成されているので、光路中において最も広がった状態の映像光に対して拡散作用を及ぼすようにできる。すなわち、従来のような映像素子を構成する各画素の直近にマイクロレンズアレイシートを貼り付けるような場合のように、画素と同程度に細かく、かつ、高精度な形状とする、といったことを要しない。
以上のように、本実施形態では、上式(1)を満たすように、微細構造部MSや、画像表示装置10及び接眼光学系20を構成することによって、映像光GLに対して、映像素子である画像表示装置10を構成する各画素PXのサイズを考慮して適切な程度の拡散作用を比較的簡易な構成で与えることができ、画素PXの間の隙間を目立たなくして画像の視認性を良好な状態にできる。
〔第2実施形態〕
以下、図6を参照して、第2実施形態に係る虚像表示装置について説明する。本実施形態では、第1実施形態において詳細を説明しなかった接眼光学系を搭載した一例について説明する。すなわち、虚像表示装置の接眼光学系が、複数のレンズで構成され、かつ、レンズを主要部としつつ、偏光変換部材、半透過型偏光板といった光学部品によって構成され一部の光を折り返す構造を有するものについて、一例を説明する。なお、図6は、虚像表示装置を観察者が装着した場合の上方から見た光軸での断面の様子を示している。
以下、図6を参照して、第2実施形態に係る虚像表示装置について説明する。本実施形態では、第1実施形態において詳細を説明しなかった接眼光学系を搭載した一例について説明する。すなわち、虚像表示装置の接眼光学系が、複数のレンズで構成され、かつ、レンズを主要部としつつ、偏光変換部材、半透過型偏光板といった光学部品によって構成され一部の光を折り返す構造を有するものについて、一例を説明する。なお、図6は、虚像表示装置を観察者が装着した場合の上方から見た光軸での断面の様子を示している。
図6に示す本実施形態に係る虚像表示装置200は、映像素子である画像表示装置210と、接眼光学系220と、微細構造部MSとを備える。なお、微細構造部MSは、接眼光学系220を構成するレンズのレンズ面に設けられるが、例えば図中のレンズ面S1〜S3のうち、いずれにおいても形成可能である。
画像表示装置210は、画像形成を行う主要な本体部分であるパネル部11と、直線偏光の成分を抽出する偏光板12と、偏光板12を経た成分を円偏光にして射出する第1の1/4波長板(λ/4板)13とを備える。
パネル部11は、例えば有機EL等の自発光型の素子(OLED)で構成することができる。また、例えば透過型の空間光変調装置である映像表示素子(映像素子)のほか、映像表示素子へ照明光を射出するバックライトである照明装置(不図示)や動作を制御する駆動制御部(不図示)を有する構成としてもよい。
偏光板12は、パネル部11からの光のうち射出すべき映像光を直線偏光にする。さらに、第1の1/4波長板13は、偏光板12を経た成分を円偏光にする。
以上のような構成となっていることにより、画像表示装置210は、円偏光の映像光GLを射出する。
接眼光学系220は、観察者側から順に並ぶ4つの第1〜第4レンズL1〜L4に加え、ハーフミラー21と、光学素子OPとを備える。光学素子OPは、偏光変換部材22と、半透過型偏光板23とで構成される。これらのうち、第4レンズL4を除く、第1〜第3レンズL1〜L3と、ハーフミラー21と、光学素子OPとについては、図示のように、貼り付けられてユニット化されている。なお、第1〜第4レンズL1〜L4のうち、少なくとも、第2レンズL2については、ゼロ複屈折性の樹脂レンズまたは低複屈折性の樹脂レンズのいずれかで構成され、複屈折を生じにくいものとなっていることが望ましいが、第1〜第4レンズL1〜L4については、例えば一部を樹脂製とし、他の一部をガラスモールド製としてもよい。
第1レンズL1は、接眼光学系220のうち、観察者の眼EYの位置に一番近い位置に配置される観察者側レンズである。なお、観察者側レンズとしての第1レンズL1は、映像光GLを集光して観察者の眼前側へ射出させるための凸レンズである。
第2レンズL2は、第1レンズL1との相対的関係では前段に配置され、第1レンズL1等の後段に配置される光学部材に向けて画像表示装置210からの映像光GLを入射させるレンズである。ここでは、第2レンズL2を、第1レンズL1(観察者側レンズ)に対して、表示側レンズとも呼ぶこととする。第2レンズL2は、画像を十分に広画角なものとすべく、例えば屈折率1.55以上の屈折レンズとなっている凸レンズである。
第3レンズL3は、表示側レンズである第2レンズL2の前段に設けられ、アッベ数等が適宜調整された色消しレンズである。第3レンズL3は、色消し目的のレンズとして機能すべく、第2レンズL2に接合して設けられている凹レンズである。特に、ここでは、ハーフミラー21を間に挟み込むようにして、第2レンズL2と接合している。言い換えると、ハーフミラー21と半透過型偏光板23との間にアッベ数の小さい負のパワーを持つ第3レンズL3を配置することによって、色収差を抑えることが可能となる。
第4レンズL4は、画像表示装置210の直近後段に設けられた凸レンズであり、画像表示装置210からの映像光GLを、第3レンズL3以下に配置される後段の光学部材に向けて射出する。言い換えると、第4レンズL4は、接眼光学系220のうち、画像表示装置210に一番近い位置に配置されて映像光GLの光路を調整する前段側レンズである。第4レンズL4を入れることによって、より解像度性能を向上させることができ、また画像表示装置210におけるパネルサイズを小さくすることができる。また、画像表示装置210から射出される光線のテレセン角を抑えることもできるため、パネル視野角特性によって輝度や色度の変化が生じるのをさらに抑えられる。
ハーフミラー21は、既述のように、映像光の一部を透過させるとともに他の一部を反射させる半反射半透過膜であり、例えば、誘電体多層膜等で構成され、第2レンズL2と第3レンズL3との間に形成されており、観察者側から見て凹の曲面形状となっている。
光学素子OPのうち、偏光変換部材22は、通過する光の偏光状態を変換するための部材であり、ここでは、1/4波長板(第2の1/4波長板あるいは第2のλ/4板)で構成されているものとする。偏光変換部材22は、表示側レンズである第2レンズL2と半透過型偏光板23との間に設けられており、半透過型偏光板23に向かう成分等、偏光変換部材22とハーフミラー21との間を往復する成分の偏光状態を変換する。ここでは、円偏光の状態にある映像光GLを直線偏光に変換する、あるいは、逆に、直線偏光の状態にある映像光GLを円偏光に変換する。
光学素子OPのうち、半透過型偏光板23は、表示側レンズである第2レンズL2と観察者側レンズである第1レンズL1との間に設けられる部材であり、ここでは、反射型のワイヤーグリッド偏光板で構成されるものとする。ここでは、ワイヤーグリッド偏光板である半透過型偏光板23の偏光透過軸の方向A1を眼の並ぶ方向として想定される水平方向(X方向)とする。なお、反射型のワイヤーグリッド偏光板で構成される半透過型偏光板23については、入射する成分の偏光の状態に応じて透過・反射の特性を変えることから、反射型偏光板と呼ぶこともあるものとする。
以下、映像光GLの光路について概略説明する。ここでは、既述のように、ワイヤーグリッド偏光板で構成される半透過型偏光板(あるいは反射型偏光板)23については、水平方向(X方向)を偏光透過軸の方向としている。すなわち、半透過型偏光板23は、X方向についての偏光成分を透過させ、これに垂直な成分を反射する特性を持つ。また、図に示されている映像光GLの光路は、XZ面に平行な面内を通るものである。したがって、この図においては、P偏光及びS偏光を規定する上では、入射面がXZ面に平行な面であり、境界面がXZ面に垂直な面(Y方向に平行な面)として捉えることになる。半透過型偏光板23は、P偏光を透過させS偏光を反射する。
以上において、まず、画像表示装置210のパネル部11で変調され射出された映像光GLは、透過型波長板である偏光板12にてP偏光に変換後、第1の1/4波長板13により円偏光に変換され、接眼光学系220に向けて射出される。その後、映像光GLは、接眼光学系220のうち、第4レンズL4を経て、第3レンズL3に入射し、第2レンズL2との界面に成膜されたハーフミラー21に達する。映像光GLのうち一部の成分が、ハーフミラー21を通過し、第2の1/4波長板である偏光変換部材22にてS偏光に変換されて半透過型偏光板(あるいは反射型偏光板)23に到達する。ここで、S偏光である映像光GLは、半透過型偏光板23にて反射され、再び偏光変換部材22にて円偏光となり、ハーフミラー21に達する。ハーフミラー21において、映像光GLのうち一部の成分はそのまま透過するが、残りの成分は反射され、反射された映像光GLの成分は、偏光変換部材22で今度はP偏光に変換される。P偏光となっている映像光GLの成分は、半透過型偏光板23を通過し、第1レンズL1(観察者側レンズ)に達する。映像光GLは、第1レンズL1を通過後に観察者の眼EYのある場所として想定される位置に達する。この場合、光路中にハーフミラー21を設けることで光路を折り曲げ、広画角でかつ小型化を実現しつつ、ハーフミラー21と半透過型偏光板23との間に偏光変換部材22を設けて、ハーフミラー21と半透過型偏光板23との間を往来する成分の偏光状態を適切に変換することができ、ゴースト光の発生を抑制し、観察者に高品質な映像を視認させることができる。
以上のような場合において、既述のように、微細構造部MSは、接眼光学系220を構成するレンズL1〜L4のうち、例えばレンズ面S1〜S3に形成させることが考えられる。
まず、レンズ面S1は、レンズL1のうち観察者側すなわち、最も観察者に近い側の面である。したがって、レンズ面S1に微細構造部MSを形成すれば、光路中において最も広がった状態の映像光に対して拡散作用を及ぼすようにできる。
また、レンズ面S2は、偏光変換部材22を設ける平面であり。ここでは、偏光変換部材22と第2レンズL2との間とする。この場合、レンズ面S2に微細構造部MSを形成する際には、例えば微細構造部MSをシート状の拡散部材で構成することが可能となる。このほか、レンズ面S3のように、ハーフミラー21が形成される曲面にハーフミラー21とともに微細構造部MSを形成することも考えられる。なお、レンズ面S2,S3についても、画像表示装置210から比較的離れた位置にあるため、光路中における映像光は、ある程度広がった状態となっていると考えられる。また、上記のように、レンズ面S2,S3については、光が都合3回通過するため、拡散作用についても3倍程度となる。これを加味した形状あるいは構造の微細構造部MSを形成することになる。また、レンズ面S2,S3に微細構造部MSを設けた場合、レンズ上に設けられた微細構造部MSが、接眼光学系220を構成する他のレンズと接合されて形成されるものとなる。具体的には、例えばレンズ面S3に微細構造部MSを設ける場合、ハーフミラー21となるべき誘電体多層膜とともに微細構造部MSとなるべき凹凸構造部を第3レンズL3上に形成し、これらを間に挟み込むようにして、第3レンズL3と第2レンズL2とを接合することで、各部とともに、微細構造部MSが形成される。この場合、微細構造部MSは、レンズに挟まれた状態となるので、微細構造部MSへの汚れの付着等を回避できる。また、第3レンズL3や第2レンズL2を樹脂製のレンズとすれば、微細構造部MSの作製を含めた上記レンズユニットの作製を比較的容易に行うことができると考えられる。
以上のように、本実施形態においても、映像光に対して、映像素子を構成する各画素のサイズを考慮して適切な程度の拡散作用を比較的簡易な構成で与えることができ、画素の間の隙間を目立たなくして画像の視認性を良好な状態にできる。特に、本実施形態では、接眼光学系の種々の箇所において微細構造部を設けることができる。
〔第3実施形態〕
以下、図7を参照して、第3実施形態に係る虚像表示装置について説明する。本実施形態に係る虚像表示装置は、微細構造部を設ける範囲を除いて第1実施形態の場合と同様であるので、第1実施形態の場合と同様の機能を有するものについては、同じ符号を適用し、全体構造の詳細な説明等を省略する。
以下、図7を参照して、第3実施形態に係る虚像表示装置について説明する。本実施形態に係る虚像表示装置は、微細構造部を設ける範囲を除いて第1実施形態の場合と同様であるので、第1実施形態の場合と同様の機能を有するものについては、同じ符号を適用し、全体構造の詳細な説明等を省略する。
図7に示す本実施形態に係る虚像表示装置300は、映像素子である画像表示装置10と、接眼光学系20と、微細構造部MSとを備える。
本実施形態では、微細構造部MSをレンズ面20aに設けるに際して、レンズ面20aの全体ではなく、接眼光学系20(レンズLS)の有効径のうち光軸AXに近い中心側の一部のみに設けている点において、第1実施形態の場合と異なっている。
既述のように、虚像表示装置全般における広画角化に伴い、本実施形態においても、全画角(FOV)の最大値が50°を超えるように設計されている。すなわち、図7において有効径DDに対応する破線LLで示す視認可能な範囲としての画角範囲を十分に大きくとっている。本実施形態の場合、全画角(FOV)φすなわち画角(視野角)の最大値φは、画像表示装置10及び接眼光学系20の配置や大きさ等によって決まることになる。
一方で、人の視野について、情報受容能力に優れる有効視野は、水平30°、垂直20°程度である。このことから、実際に見えている視野のうち、情報として視認できる領域は高々30°程度であると考えられ、広画角化を進めつつも良好な視認性の確保をする、という観点からは、この領域についての解像度の高さを維持することが重要となる。すなわち、画素の間の隙間を目立たなくして画像の視認性を良好な状態にすることについても、情報受容能力に優れる有効視野について対応すれば足り、周辺側領域はそれほど解像度を必要としない可能性が高い。
そこで、本実施形態では、上記人の視野特性を加味して、レンズ面20aのうち、最大値φよりも狭い画角(視野角)η=30°となる範囲あるいはこれと同程度となる範囲を少なくともカバーする領域ARRにのみ、微細構造部MSを設けている。
なお、本願のようにFOV50°を超えるような広画角となるHMDの場合では、例えば既知のヘッドトラッキング機能が設けられることが多く、観察者は、周辺部分が見たくなった場合は眼ではなく頭を動かしてみようとするため、観察者の視線は、常に画像の中心付近を向いた状態となり、周辺部分に視線が向けられることはほとんど無い。したがって、このような場合には、特に、画像表示としては解像度が必要な領域は画像表示の中心側領域に限られ、周辺側領域はそれほど解像度を必要としないと考えられる。また、ヘッドトラッキング機能については、本実施形態をはじめ、すべての実施形態において、ヘッドトラッキング機能を設けることが可能であることは言うまでもない。
以上のように、本実施形態においても、映像光に対して、映像素子を構成する各画素のサイズを考慮して適切な程度の拡散作用を比較的簡易な構成で与えることができ、画素の間の隙間を目立たなくして画像の視認性を良好な状態にできる。特に、本実施形態では、微細構造部を設ける範囲を限定して、構造を簡易なものとしつつ、人の視力に関して、情報受容能力に優れる有効視野の画像の状態を良好に維持できる。
〔その他〕
以上各実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の核実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
以上各実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の核実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
例えば、屈折率差Δnについては、材料を変更するほか、微細構造部MSを設ける際に凹凸構造部USを取り付けるための接着剤を用いるものとし、用いる接着剤によって変更する、といったことも考えられる。逆に、屈折率差Δnの大小によって最大傾き角θの値を調整する、すなわち微細構造部MSにおける凹凸構造部USの形状を定める。
本願発明の技術は、画像光のみを視認させるいわゆるクローズ型(シースルーでない)タイプの虚像表示装置に限らず、観察者に外界像をシースルーで視認又は観察させることができるものに採用するものとしてもよい。
また、例えば、ディスプレイと撮像装置とで構成されるいわゆるビデオシースルーの製品において、本願発明の技術を適用してもよい。さらに、ハンドヘルドタイプのディスプレイにおいて、本願発明の技術を適用してもよい。
また、図8に示す虚像表示装置400のように、大型のパネルで構成される画像表示装置410、すなわち接眼光学系20よりも大きな画像表示装置410を用いた場合において、本願発明の技術を適用してもよい。
また、画像表示装置としては、上記のほか、透過型の液晶表示デバイスとしてのHTPSや、その他種々のものを利用可能であり、例えば、反射型の液晶表示デバイスを用いた構成も可能であり、液晶表示デバイス等からなる映像表示素子に代えてデジタル・マイクロミラー・デバイス等を用いることもできる。
また、上記では、図2を参照して例示したように、接眼光学系20のレンズ面20aの全体に設けられる微細構造部USに関して、多数の半球状の凸部TP,TP…を、ある程度の大きさの違いを有した非周期的なランダム配置としているが、図9に示す一変形例のように、同一あるいはほぼ同一の大きさ・形状を有するものとして周期的な凹凸を形成するように配置してもよい。すなわち、図示に例示するように、径HHが、0.05mmから2mmまでの間隔のいずれかの一定値となっていて、周期的なピッチ幅を有する構成とすることができる。
また、観察者の眼EYの開口幅をdとした場合に、径HHは、1つの画素PXの幅tと、開口幅dとについて、2t<HH<d/3を満たすようにすることが考えられる。これにより、大きすぎて凹凸が眼に見えてしまうことや、小さすぎて凹凸による干渉が強くなってしまうことを防止できる。
10…画像表示装置、11…パネル部、12…偏光板、20…接眼光学系、20a,20b…レンズ面、21…ハーフミラー、22…偏光変換部材、23…半透過型偏光板、100…虚像表示装置、200…虚像表示装置、210…画像表示装置、220…接眼光学系、300…虚像表示装置、410…画像表示装置、A1…方向、AR1…領域、ARR…領域、AX…光軸、BM…ブラックマトリクス、DD…有効径、EY…眼、GL…映像光、GL1…成分光、HH…最大径、L1〜L4…レンズ、LL…破線、LS…レンズ、MS…微細構造部、OP…光学素子、PX,PX1…画素、S1〜S3…レンズ面、SF…表面、TP…凸部、US…凹凸構造部、f…焦点距離、t…幅、ta…幅、Δn…屈折率差、η…画角(視野角)、θ…最大傾き角、φ…最大値
Claims (9)
- 前記微細構造部は、前記映像素子を構成する画素1つの幅tに対応する映像光の光線束の幅よりも細かな凹凸を有する、請求項1に記載の虚像表示装置。
- 前記微細構造部は、0.05mmから2mmまでの間の大きさの凹凸で構成される凹凸構造部を有する、請求項1及び2のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
- 前記微細構造部において、前記凹凸構造部は、前記間隔の範囲で大きさの違いを有した非周期的な凹凸を有している、請求項3に記載の虚像表示装置。
- 前記微細構造部は、前記接眼光学系のうち、最も観察者側の面に形成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
- 前記微細構造部は、前記接眼光学系を構成するレンズのうち、樹脂製のレンズ上に設けられ、前記接眼光学系を構成する他のレンズと接合されて形成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
- 前記接眼光学系は、樹脂製またはガラスモールド製のレンズで構成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
- 前記微細構造部は、シート状の拡散部材である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
- 前記微細構造部は、前記接眼光学系を構成するレンズの有効径のうち中心側の一部のみに設けられる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
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