JP2019060733A - 駆動回路、角速度検出装置、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器及び移動体 - Google Patents

駆動回路、角速度検出装置、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器及び移動体 Download PDF

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【課題】角速度検出素子の駆動振動に基づいて発生する漏れ信号を低減させることが可能な駆動回路を提供すること。【解決手段】角速度検出素子を駆動する駆動回路であって、前記角速度検出素子を駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成回路と、前記角速度検出素子に印加されるバイアス信号を生成するバイアス信号生成回路と、を含み、前記角速度検出素子の検出電極から、前記角速度検出素子の駆動振動に基づいて発生する漏れ信号と、前記角速度検出素子に加わる角速度に基づいて発生するコリオリ信号と、が出力され、前記バイアス信号は、前記漏れ信号が最大となるタイミングにおける電圧値が、前記コリオリ信号が最大となるタイミングにおける電圧値よりも小さい、駆動回路。【選択図】図4

Description

本発明は、駆動回路、角速度検出装置、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器及び移動体に関する。
近年、角速度検出素子に設けられている対向する電極間に生じる静電容量の容量値が角速度の大きさ及び向きに応じて変化することを利用して角速度を検出する静電容量型の角速度検出装置が開発されている。例えば、シリコンMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いた静電容量型の角速度検出装置が広く知られている。
一般に、静電容量型の角速度検出装置では、角速度検出素子の動作を制御する制御回路に含まれる駆動回路が、角速度検出素子の可動部に一定の高電圧(例えば十数V)であるバイアス電圧(DC電圧)を印加するとともに、角速度検出素子の固定部に設けられた駆動電極に駆動信号(正弦波等)を入力することにより、駆動電極と可動部との間に静電引力を発生させて可動部が駆動振動する。可動部が駆動振動している状態で振動方向と直交する軸回りの回転(角速度)が加わると、振動方向と回転軸とに直交する方向のコリオリ力が発生し、コリオリ力によって、固定部に設けられた検出電極と可動部との間の静電容量が変化する。この静電容量の変化により、検出電極から出力される電流(コリオリ信号)が変化するので、制御回路に含まれる検出回路が、検出電極から出力されるコリオリ電流に基づいて角速度を検出することができる。
ところが、角速度検出素子の製造時において、加工精度の限界により、可動部の側面が基板に対して完全に垂直にはならず傾きが生じ、この傾きにより、可動部の振動方向が基板に対して完全に水平方向とはならず、基板に対して垂直な方向の振動成分(不要振動)が発生する。この不要振動により、検出電極と可動部との間の静電容量が変化し、これにより、検出電極から不要な電流(漏れ信号)が出力される。コリオリ信号と漏れ信号とは90°の位相差を有しているため、検出回路において、コリオリ信号が発生する周期に合せて同期検波を行うことによりコリオリ信号が抽出されるが、漏れ信号も一部抽出されてしまい、生成される角速度信号のS/N比(Signal to Noise Ratio)が低下する問題が生じ得る。
これに対して、特許文献1には、互いに直交する2つの軸を第1軸および第2軸とし、第1軸と第2軸とを含む面の法線に平行な軸を第3軸としたとき、支持体と、支持体に接続され、第1軸方向の振動を検出する検出部と、記支持体に接続され、第1軸に沿って延出されている第1部分と、第1部分に接続され、第1部分の第1軸に沿った寸法よりも短く第2軸に沿って延出されている第2部分と、を有する駆動連結部と、駆動連結部に接続され、駆動連結部を介して支持体と接続されている質量部と、を備え、質量部は、第3軸方向に駆動振動するジャイロ素子が開示されている。このジャイロ素子によれば、第3軸方向に振動する質量部の振動成分が駆動連結部を介して検出部に伝わることによって生じる振動成分は、第3軸方向を主成分として第2軸方向の振動成分を含むことになるが、検出部の検出振動は第1軸方向であるため、検出部の検出振動を生じさせにくいので、漏れ信号を低減させることができる。
特開2015−141065号公報
特許文献1に記載のジャイロ素子を用いることにより、S/N比が高い角速度信号を生成する角速度検出装置を実現することが可能であるが、素子の構造が複雑になるため、低コスト化が難しい。従って、角速度検出素子を駆動する駆動回路において、角速度検出素子の検出電極から出力される漏れ信号を低減させるための技術の開発が望まれる。
本発明のいくつかの態様によれば、角速度検出素子の駆動振動に基づいて発生する漏れ信号を低減させることが可能な駆動回路を提供することができる。また、本発明のいくつかの態様によれば、当該駆動回路を用いることにより、角速度信号のS/N比を向上させることが可能な角速度検出装置を提供することができる。また、本発明のいくつかの態様によれば、当該角速度検出装置を用いることにより、外部に送信される慣性データの精度を向上させることが可能な慣性計測装置を提供することができる。また、本発明のいくつかの態様によれば、当該慣性計測装置を用いることにより、移動体の位置を高精度に測定可能な移動体測位装置を提供することができる。また、本発明のいくつかの態様によれば、当該角速度検出装置を用いることにより、検出された角速度に基づく処理を高精度に行うことが可能な携帯型電子機器、電子機器及び移動体を提供することができる。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係る駆動回路は、角速度検出素子を駆動する駆動回路であって、前記角速度検出素子を駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成回路と、前記角速度検出素子に印加されるバイアス信号を生成するバイアス信号生成回路と、を含み、前記角速度検出素子の検出電極から、前記角速度検出素子の駆動振動に基づいて発生する漏れ信号と、前記角速度検出素子に加わる角速度に基づいて発生するコリオリ信号と、が出力され、前記バイアス信号は、前記漏れ信号が最大となるタイミングにおける電圧値が、前記コリオリ信号が最大となるタイミングにおける電圧値よりも小さい。
本適用例に係る駆動回路では、角速度検出素子に印加されるバイアス信号は、角速度検出素子の駆動振動に基づいて発生する漏れ信号が最大となるタイミングにおける電圧値が、角速度検出素子に加わる角速度に基づいて発生するコリオリ信号が最大となるタイミングにおける電圧値よりも小さい。そのため、漏れ信号が最大となるタイミングにおいて角速度検出素子に充電される電荷量は、コリオリ信号が最大となるタイミングにおいて角速度検出素子に充電される電荷量よりも小さくなる。そして、角速度検出素子において充電された電荷が検出電極に移動することによりコリオリ信号及び漏れ信号が発生する。従って、本適用例に係る駆動回路によれば、バイアス信号の電圧が一定である従来構成の駆動回路と比較して、角速度検出素子の駆動振動に基づいて発生する漏れ信号を低減させることができる。
[適用例2]
上記適用例に係る駆動回路において、前記バイアス信号は、前記漏れ信号が最大となるタイミングにおいて電圧値が最小となり、前記コリオリ信号が最大となるタイミングにおいて電圧値が最大となってもよい。
本適用例に係る駆動回路によれば、漏れ信号が最大となるタイミングにおいてバイアス信号の電圧値が最小となるため漏れ信号をより低減させることができるとともに、コリオリ電流が最大となるタイミングでバイアス信号の電圧値が最大となるためコリオリ信号を増大させることができる。
[適用例3]
上記適用例に係る駆動回路において、前記角速度検出素子の駆動モニター電極から、前記駆動信号が帰還された帰還信号が出力され、前記駆動信号生成回路は、前記帰還信号に基づいて、前記駆動信号を生成し、前記バイアス信号生成回路は、前記帰還信号に基づく信号に基づいて、前記バイアス信号を生成してもよい。
本適用例に係る駆動回路では、駆動信号が帰還された帰還信号は、駆動信号に同期しているため、バイアス信号生成回路は、帰還信号に基づく信号に基づいて、バイアス信号を生成することができる。従って、本適用例に係る駆動回路によれば、駆動信号生成回路の一部の構成をバイアス信号の生成に兼用することができるので、バイアス信号生成回路の面積の増加を低減させることができる。
[適用例4]
上記適用例に係る駆動回路において、前記バイアス信号生成回路は、前記帰還信号に基づく信号を整流する整流回路と、直流電圧を生成し、前記直流電圧に前記整流回路によって整流された信号を重畳させて前記バイアス信号を生成し、前記バイアス信号を出力するバイアス信号出力回路と、を含んでもよい。
本適用例に係る駆動回路によれば、整流回路によって整流された信号は、駆動信号の2倍の周期で電圧値が変化するので、漏れ信号が最大となるタイミングにおける電圧値が、コリオリ信号が最大となるタイミングにおける電圧値よりも小さいバイアス信号を生成することができる。
[適用例5]
上記適用例に係る駆動回路において、前記バイアス信号生成回路は、前記帰還信号に基づく信号を2逓倍する逓倍回路と、直流電圧を生成し、前記直流電圧に前記逓倍回路によって2逓倍された信号を重畳させて前記バイアス信号を生成し、前記バイアス信号を出力するバイアス信号出力回路と、を含んでもよい。
本適用例に係る駆動回路によれば、逓倍回路によって2逓倍された信号は、駆動信号の2倍の周期で電圧値が変化するので、漏れ信号が最大となるタイミングにおける電圧値が、コリオリ信号が最大となるタイミングにおける電圧値よりも小さいバイアス信号を生成することができる。
[適用例6]
上記適用例に係る駆動回路において、前記バイアス信号生成回路は、前記バイアス信号の振幅を調整する振幅調整回路を含んでもよい。
本適用例に係る駆動回路では、角速度検出素子の構造に合わせてバイアス信号の振幅を調整することにより、漏れ信号の最大値を所定値以下まで低減させることができる。すなわち、本適用例によれば、複数種類の角速度検出素子に対して漏れ信号を低減させることが可能な汎用性の高い駆動回路を実現することができる。また、本適用例に係る駆動回路によれば、角速度検出素子の製造ばらつきに対して、角速度検出素子毎に、漏れ信号の最大値を所定値以下まで低減させることができる。
[適用例7]
本適用例に係る角速度検出装置は、上記のいずれかの駆動回路と、前記角速度検出素子の前記検出電極から出力される信号に基づいて、角速度信号を生成する検出回路と、前記角速度検出素子と、を含む。
本適用例に係る角速度検出装置では、角速度検出素子に印加されるバイアス信号は、角速度検出素子の駆動振動に基づいて発生する漏れ信号が最大となるタイミングにおける電圧値が、角速度検出素子の駆動振動に基づいて発生するコリオリ信号が最大となるタイミングにおける電圧値よりも小さいので、漏れ信号を低減させることができる。さらに、漏れ信号が低減されることにより、その分だけ検出回路の初段の回路の利得を大きくすることができる。従って、本適用例に係る角速度検出装置によれば、生成される角速度信号のS/N比を向上させることができる。
[適用例8]
本適用例に係る慣性計測装置は、上記の角速度検出装置と、前記角速度検出装置から出力された前記角速度信号を取得し、前記角速度信号を処理する信号処理回路と、前記信号処理回路の処理によって得られた慣性データを外部に送信する通信回路と、を含む。
本適用例に係る慣性計測装置によれば、角速度検出装置によって角速度信号のS/N比が向上するので、外部に送信される慣性データの精度を向上させることができる。
[適用例9]
本適用例に係る移動体測位装置は、移動体に搭載され、前記移動体の位置を測定する移動体測位装置であって、上記の慣性計測装置と、測位用衛星から衛星信号を受信し、前記衛星信号に重畳されている測位用情報を取得する衛星信号受信部と、前記測位用情報に基づいて、前記移動体の位置を算出する位置算出部と、前記慣性計測装置から出力される前記慣性データに基づいて、前記移動体の姿勢を算出する姿勢算出部と、前記姿勢に基づいて前記位置を補正する位置補正部と、を含む。
本適用例に係る移動体測位装置によれば、慣性計測装置により精度の高い慣性データが得られるので、移動体の位置を高精度に測定することができる。
[適用例10]
本適用例に係る携帯型電子機器は、上記の角速度検出装置と、前記角速度検出装置が収容されているケースと、前記ケースに収容され、前記角速度検出装置からの出力データを処理する処理部と、前記ケースに収容されている表示部と、前記ケースの開口部を塞いでいる透光性カバーと、を含む。
本適用例に係る携帯型電子機器によれば、角速度検出装置によって角速度信号のS/N比が向上するので、角速度検出装置によって検出された角速度に基づく処理を高精度に行うことができる。
[適用例11]
本適用例に係る電子機器は、上記の角速度検出装置と、前記角速度検出装置から出力された前記角速度信号に基づいて演算処理を行う演算処理装置と、を含む。
本適用例に係る電子機器によれば、角速度検出装置によって角速度信号のS/N比が向上するので、角速度検出装置によって検出された角速度に基づく演算処理を高精度に行うことができる。
[適用例12]
本適用例に係る移動体は、上記の角速度検出装置と、前記角速度検出装置から出力された前記角速度信号に基づいて姿勢の制御を行う姿勢制御部と、を含む。
本適用例に係る移動体によれば、角速度検出装置によって角速度信号のS/N比が向上するので、角速度検出装置によって検出された角速度に基づく姿勢制御を高精度に行うことができる。
角速度センサーの平面図。 角速度センサーに含まれる角速度検出素子の側面図。 第1実施形態の角速度検出装置の構成を示す図。 図3のA点〜G点における信号波形の一例を示す図。 第2実施形態の角速度検出装置の構成を示す図。 図5のA点〜G点における信号波形の一例を示す図。 本実施形態の慣性計測装置の構成例を示す図。 本実施形態の移動体測位装置の構成例を示す図。 本実施形態の電子機器の機能ブロック図。 電子機器の一例であるスマートフォンの外観の一例を示す図。 電子機器の一例である腕装着型の携帯機器の外観の一例を示す図。 電子機器の一例であるリスト機器(腕時計型の活動計)の外観の一例を示す図。 リスト機器(腕時計型の活動計)の機能ブロック図。 本実施形態の移動体の一例を示す斜視図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.角速度検出装置
1−1.第1実施形態
[角速度センサーの構成及び動作]
まず、本実施形態の角速度検出装置に含まれる角速度センサーの一例について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における角速度センサー2を模式的に示す平面図である。図2は、角速度センサー2に含まれる角速度検出素子4の側面図である。図1及び図2には、互いに交差(理想的には直交)する3軸として、X軸、Y軸およびZ軸が図示されている。
なお、以下では、説明の便宜上、図1中の紙面手前側および図2中の上側を「上」、図1中の紙面奥側および図2中の下側を「下」とも言う。また、以下では、X軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」とも言う。また、各軸の矢印先端側を「プラス側」とも言い、反対側を「マイナス側」とも言う。
図1に示すように、角速度センサー2は、角速度検出素子4を含む。なお、角速度検出素子4は、不図示の蓋体と基板202(図2参照)とで構成される容器に収容されている。この容器の収容空間は、減圧状態(好ましくは、10Pa以下程度)であることが好ましい。これにより、粘性抵抗が減り、角速度検出素子4を効率的に振動(駆動)させることができる。
角速度検出素子4は、2つの構造体240(240a,240b)を有している。また、図1及び図2に示すように、角速度検出素子4は、2つの固定検出電極205(205a,205b)を有している。固定検出電極205a,205bは、基板202の上面に、構造体240a,240bとそれぞれ対向するように設けられている。
固定検出電極205の材料としては、例えば、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、Ti(チタン)、タングステン(W)等の金属材料、これら金属材料を含む合金、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ZnO、IGZO等の酸化物系の透明導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
2つの構造体240a,240bは、Y軸方向に並んで設けられており、X軸に沿う仮想直線αに対して対称となっている。
構造体240は、駆動部241と、駆動ばね部242と、固定部243と、可動駆動電極244と、固定駆動電極245,246と、可動駆動モニター電極247と、固定駆動モニター電極248,249と、錘部250と、連結部251と、を有している。
駆動部241は、矩形の枠体である。そして、駆動部241の4隅にそれぞれ駆動ばね部242の一端部が接続されている。駆動ばね部242は、Y軸方向に弾性を有し、駆動部241をY軸方向に変位可能に支持している。このような駆動ばね部242は、蛇行形状をなしており、X軸方向に往復しながらY軸方向に延びている。駆動ばね部242の他端部は、固定部243に接続されており、固定部243は、基板202の上面に接合されている。
これにより、駆動部241および駆動ばね部242が基板202から浮いた状態で支持された状態となる。なお、固定部243と基板202の接合方法としては、例えば、陽極接合を用いることができる。
錘部250は、駆動部241の内側に配置されている。錘部250は、矩形の板状をなしており、連結部251を介して駆動部241に連結されている。
可動駆動電極244は、駆動部241に設けられており、本実施形態では、駆動部241のX軸方向プラス側に1つ、X軸方向マイナス側に1つ、計2つ設けられている。これら可動駆動電極244は、それぞれ、駆動部241からX軸方向に延出する支持部と、支持部からY軸方向両側に延出する複数の電極指とを備えた櫛歯形状となっている。なお、可動駆動電極244の配置や数は、特に限定されない。
固定駆動電極245,246は、基板202に接合(固定)されている。そして、1組の固定駆動電極245,246の間に1つの可動駆動電極244が位置している。これら固定駆動電極245,246は、それぞれ、X軸方向に延在する支持部と、支持部からY軸方向一方側(可動駆動電極244側)に延出する複数の電極指と、を備えた櫛歯形状となっている。
このような構成では、可動駆動電極244と固定駆動電極245,246との間に駆動電圧を印加し、可動駆動電極244と固定駆動電極245との間に静電引力が生じる状態と、可動駆動電極244と固定駆動電極246との間に静電引力が生じる状態とを繰り返すことで、駆動ばね部242をY軸方向に伸縮(弾性変形)させつつ、駆動部241をY軸方向に振動させることができる。以下では、この振動モードを「駆動振動モード」と言う。ここで、構造体240aと構造体240bとでは、固定駆動電極245と固定駆動電極246の配置が対称である。そのため、2つの駆動部241は、互いに接近、離間するようにY軸方向に逆位相で振動する。これにより、2つの駆動部241の振動をキャンセルすることができ、振動漏れを低減することができる。
可動駆動モニター電極247は、駆動部241に設けられており、本実施形態では、駆動部241のX軸方向プラス側に1つ、X軸方向マイナス側に1つ、計2つ設けられている。これら可動駆動モニター電極247は、それぞれ、駆動部241からX軸方向に延出する支持部と、支持部からY軸方向両側に延出する複数の電極指とを備えた櫛歯形状となっている。なお、可動駆動モニター電極247の配置や数は、特に限定されない。
固定駆動モニター電極248,249は、基板202に接合(固定)されている。そして、1組の固定駆動モニター電極248,249の間に1つの可動駆動モニター電極247が位置している。これら固定駆動モニター電極248,249は、それぞれ、X軸方向に延在する支持部と、支持部からY軸方向一方側(可動駆動モニター電極247側)に延出する複数の電極指と、を備えた櫛歯形状となっている。
構造体240を駆動振動モードで振動させると、駆動部241のY軸方向の変位によって可動駆動モニター電極247と固定駆動モニター電極248,249とのギャップが変化し、それに伴って、可動駆動モニター電極247と固定駆動モニター電極248,249との間の静電容量が変化する。そのため、この静電容量の変化に応じて、固定駆動モニター電極248,249から出力される電流(駆動モニター信号)に応じて、駆動部241の振動状態をモニターすることができる。
図1に示すように、基板202において、角速度検出素子4の配置領域周辺には、配線351〜360が設けられている。配線351〜360の材料としては、例えば、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、Ti(チタン)、タングステン(W)等の金属材料、これら金属材料を含む合金、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ZnO、IGZO等の酸化物系の透明導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
配線352は、端子302および各固定駆動電極245と電気的に接続されている。配線353は、端子303および各固定駆動電極246と電気的に接続されている。そして、端子302,303から供給される互いに逆相の駆動信号が、配線352,353を伝搬して各固定駆動電極245,246に供給される。
配線354は、端子304および各固定部243と電気的に接続されている。そして、端子304から供給されるバイアス信号が、配線354を伝搬し、各固定部243、駆動部241、錘部250等に供給される。
配線355は、端子305および各固定駆動モニター電極248と電気的に接続されている。配線356は、端子306および各固定駆動モニター電極249と電気的に接続されている。そして、各固定駆動モニター電極248,249から出力される互いに逆相の電流(駆動モニター信号)が、配線355,356を伝搬して端子305,306から出力される。
配線358は、端子308および固定検出電極205aと電気的に接続されている。配線359は、端子309および固定検出電極205bと電気的に接続されている。そして、固定検出電極205a,205bから出力される互いに逆相の電流(検出信号)が、配線358,359を伝搬して端子308,309から出力される。
配線351,357,360は、端子301,307,310とそれぞれ電気的に接続されており、端子301,307,310から供給される一定のガード電圧(例えば0V)となる。
駆動振動モードで駆動部241を駆動させた状態で、角速度検出素子4にX軸回りの角速度ωxが加わると、錘部250は、コリオリの力によって変位する。このとき、構造体240aの錘部250(250a)と、構造体240bの錘部250(250b)とは、Z軸方向に互いに反対方向に変位する。錘部250a,250bがコリオリの力に応じてZ軸方向に互いに反対方向に変位することにより、錘部250aと構造体240aと対向する固定検出電極205(205a)とのギャップおよび錘部250bと構造体240bと対向する固定検出電極205(205b)のギャップが変化する。そのため、錘部250aと固定検出電極205aとの間の静電容量C1および錘部250bと固定検出電極205bとの間の静電容量C2が変化する。このとき、錘部250a,250bには、バイアス信号が供給されているため、この静電容量の変化量に応じて電荷が移動し、固定検出電極205a,205bから電流(コリオリ電流)が出力される。
ここで、角速度センサー2の製造時において、加工精度の限界のため、構造体240a,240bの側面が基板202に対して完全に垂直にはならず傾き(チルト角)が生じる。この傾きにより、錘部250a,250bの変位方向(振動方向)が基板202に対して完全に水平方向とはならず、基板202に対して垂直な方向(Z軸方向)の振動成分(不要振動)が発生する。チルト角が非常に小さい場合(例えば1°未満)でも不要振動が発生する。そして、不要振動により、錘部250aと固定検出電極205aとの間の静電容量C1および錘部250bと固定検出電極205bとの間の静電容量C2が変化し、これにより、固定検出電極205a,205bから不要な電流(クアドラチャー電流)が出力される。
そのため、固定検出電極205a,205bから出力される電流(検出信号)には、コリオリ電流(コリオリ信号)とクアドラチャー電流(クアドラチャー信号)とが含まれている。コリオリ電流が錘部250a,250bの振動速度に比例して発生するのに対し、クアドラチャー電流は錘部250a,250bの振動変位に比例して発生するため、クアドラチャー電流とコリオリ電流とは90°の位相差を有している。そこで、この位相差が90°であることを利用し、固定検出電極205a,205bから出力される電流に対して、コリオリ電流が発生する周期に合せて同期検波を行うと、理論上、クアドラチャー電流がキャンセルされてコリオリ電流のみが抽出されるため、X軸回りの角速度ωxを求めることができる。
しかしながら、実際には、駆動信号の周波数の設計値からの変動や同期検波の参照信号の位相ずれなどに起因して、クアドラチャー電流を完全にキャンセルすることが難しい場合が多い。従来、クアドラチャー電流はコリオリ電流よりも桁違いに大きいため、クアドラチャー電流を低減させることは、安定した検出特性を得るためには非常に重要となる。そこで、後述するように、本実施形態では、バイアス信号の電圧値をコリオリ電流に同期して変化させることで、クアドラチャー電流を低減させるとともに、コリオリ電流を増加させる。
[角速度検出装置の構成及び動作]
図3は、第1実施形態の角速度検出装置1の構成を示す図である。また、図4は、図3のA点〜G点における信号波形の一例を示す図である。図3に示すように、第1実施形態の角速度検出装置1は、図1に示される角速度センサー2と、制御回路3とを含む。制御回路3は、不図示の2つの外部端子を介して電源電圧(例えば、1.8V)及びグラウンド電圧(0V)が供給され、基準電圧Vcom(電源電圧の1/2)を基準に動作する。図3に示すように、角速度センサー2の端子302,303,304,305,306,308,309は、制御回路3の端子D1,D2,BIAS,M1,M2,S1,S2とそれぞれボンディングワイヤー等の配線で接続されている。なお、図3では図示が省略されているが、角速度センサー2の端子301,307,310は、制御回路3のガード電圧(例えば、グラウンド電圧(0V))を出力する3つの端子とそれぞれボンディングワイヤー等の配線で接続されている。また、角速度検出装置1は、制御回路3の端子SCL,SDAと接続される不図示の外部端子を介してIC(Inter-Integrated Circuit)バスと接続され、当該ICバスを介して不図示の外部装置とシリアル通信が可能である。なお、角速度検出装置1は、SPI(Serial Peripheral Interface)バス等のICバスとは異なるバスと接続されてもよい。
制御回路3は、駆動回路10、検出回路20、記憶部30及びシリアルインターフェース(I/F)回路40を含む。制御回路3は、例えば、1チップの集積回路(IC:Integrated circuit)として構成されてもよい。
駆動回路10は、角速度センサー2が有する角速度検出素子4(図1及び図2参照)を駆動する回路であり、角速度センサー2の端子305,306(角速度検出素子4の固定駆動モニター電極248,249)から出力され、端子DM1,DM2を介して入力される互いに逆相の電流(駆動モニター信号)に基づいて互いに逆相の駆動信号を生成し、端子D1,D2を介して角速度センサー2の端子302,303(角速度検出素子4の固定駆動電極245,246)に駆動信号を出力する。駆動回路10は、駆動信号を出力して角速度検出素子4を駆動し、角速度検出素子4からフィードバック信号を受ける。この駆動ループにより角速度検出素子4を励振させる。
駆動回路10は、駆動信号生成回路11とバイアス信号生成回路12とを含む。
駆動信号生成回路11は、角速度検出素子4を駆動する駆動信号を生成する。本実施形態では、駆動信号生成回路11は、駆動信号が帰還された帰還信号である駆動モニター信号に基づいて、駆動信号を生成する。図3に示すように、駆動信号生成回路11は、Q/Vアンプ(チャージアンプ)111A,111B、位相調整回路112A,112B、差動増幅器113、整流回路114、積分回路115、駆動信号出力回路116及びコンパレーター117,118を含んで構成されている。
Q/Vアンプ111Aは、端子M1から入力される電流(駆動モニター信号)(図4(B点の信号)参照)を交流電圧信号に変換する(図4(C点の信号)参照)。同様に、Q/Vアンプ111Bは、端子M2から入力される電流(駆動モニター信号)を交流電圧信号に変換する。
Q/Vアンプ111A,111Bからそれぞれ出力される交流電圧信号は、位相調整回路112A,112Bにそれぞれ入力され、位相調整回路112A,112Bによって位相が調整される。Q/Vアンプ111A,111Bから出力される交流電圧信号は、端子M1,M2から入力される電流(駆動モニター信号)に対して位相が90°進んでいる(270°遅れている)。そのため、例えば、位相調整回路112A,112Bが、Q/Vアンプ111A,111Bから出力される交流電圧信号の位相を約90°遅らせることにより、駆動ループの位相が360°になり、角速度検出素子4の振動が安定して維持される。
位相調整回路112A,112Bの出力信号は、差動増幅器113に入力される。差動増幅器113は、位相調整回路112Aの出力信号と位相調整回路112Bの出力信号とを差動増幅した信号を出力する。
また、位相調整回路112A,112Bの出力信号は、コンパレーター117に入力される。コンパレーター117は、位相調整回路112Aの出力信号の電圧と位相調整回路112Bの出力信号の電圧とを比較し、矩形波信号を出力する。
差動増幅器113の出力信号とコンパレーター117の出力信号とは整流回路114に入力される。整流回路114は、差動増幅器113の出力信号を全波整流した信号を出力する。
整流回路114の出力信号は積分回路115に入力される。積分回路115の出力信号とコンパレーター117の出力信号とは駆動信号出力回路116に入力される。駆動信号出力回路116は、コンパレーター117の出力信号の論理レベルに従い、積分回路115の出力信号又はその極性反転信号を選択することにより、互いに逆相の矩形波信号(図4(A点の信号)参照)を出力する。駆動信号出力回路116から出力される互いに逆相の矩形波信号は、端子D1,D2を介して、駆動信号として角速度センサー2の端子302,303(角速度検出素子4の固定駆動電極245,246)にそれぞれ入力される。この固定駆動電極245,246に入力される駆動信号により角速度検出素子4が駆動される。
位相調整回路112A,112Bの出力信号は、コンパレーター118にも入力される。コンパレーター118は、位相調整回路112Aの出力電圧と位相調整回路112Bの出力電圧とを比較し、矩形波信号を出力する。図3の例では、コンパレーター118から出力される矩形波信号は、後述する参照信号SDETとして使用される。
バイアス信号生成回路12は、角速度検出素子4に印加されるバイアス信号を生成する。本実施形態では、バイアス信号生成回路12は、駆動モニター信号に基づく信号に基づいて、バイアス信号を生成する。図3に示すように、バイアス信号生成回路12は、振幅調整回路121、整流回路122及びバイアス信号出力回路123を含む。
振幅調整回路121は、Q/Vアンプ111A,111Bから出力される交流電圧信号を差動増幅し、あらかじめ記憶部30に記憶されている振幅調整情報に基づいて所定範囲の振幅Vacに調整したシングルエンドの信号(図4(D点の信号)参照)を出力する。
整流回路122は、駆動モニター信号に基づく信号である振幅調整回路121の出力信号を整流(全波整流)した信号(図4(E点の信号)参照)を出力する。
バイアス信号出力回路123は、直流電圧Vdc(例えば十数V)を生成し、直流電圧Vdcに、振幅調整回路121によって振幅が調整され、整流回路122によって整流された信号を重畳させてバイアス信号(図4(F点の信号)参照)を生成し、当該バイアス信号を出力する。バイアス信号出力回路123は、例えば、昇圧回路によって電源電圧(例えば、1.8V)を昇圧し、昇圧された電圧からレギュレーターによって直流電圧Vdcを生成してもよい。直流電圧Vdcを基準として、バイアス信号の振幅はVacである。すなわち、振幅調整回路121は、バイアス信号の振幅をVacに調整する回路として機能している。バイアス信号出力回路123から出力されるバイアス信号は、制御回路3の端子BIASを介して、角速度センサー2の端子304(角速度検出素子4の各固定部243、駆動部241、錘部250等)に供給される。
角速度センサー2の端子308,309(角速度検出素子4の固定検出電極205a,205b)から出力される電流(検出信号)は、角速度検出素子4に加わる角速度に基づいて発生するコリオリの力に基づく角速度成分であるコリオリ電流(コリオリ信号)(図4(G点の信号)参照)と、角速度検出素子4の励振振動に基づいて発生する自己振動成分であるクアドラチャー電流(角速度検出素子4の駆動振動に基づいて発生する漏れ信号)(図4(G点の信号)参照)とを含んでいる。角速度検出素子4の固定検出電極205aから出力されるコリオリ電流とクアドラチャー電流とは位相が90°ずれている。同様に、角速度検出素子4の固定検出電極205bから出力されるコリオリ電流とクアドラチャー電流とは位相が90°ずれている。また、固定検出電極205aから出力されるコリオリ電流と固定検出電極205bから出力されるコリオリ電流とは互いに逆相である。また、一般的には、固定検出電極205aから出力されるクアドラチャー電流と固定検出電極205bから出力されるクアドラチャー電流とは互いに逆相である。
図4に示すように、バイアス信号出力回路123から出力されるバイアス信号は、クアドラチャー電流が最大となるタイミングにおける電圧値Vdcが、コリオリ電流が最大となるタイミングにおける電圧値Vdc+Vacよりも小さい。具体的には、バイアス信号は、クアドラチャー電流が最大となるタイミングにおいて電圧値が最小となり、コリオリ電流が最大となるタイミングにおいて電圧値が最大となる。前述の通り、コリオリ電流とクアドラチャー電流がとは位相が90°ずれている。従って、コリオリ電流が最大となるタイミングでクアドラチャー電流が最小(ゼロ)となり、クアドラチャー電流が最大となるタイミングでコリオリ電流が最小(ゼロ)となる。本実施形態では、コリオリ電流が最大となるタイミングでバイアス信号の電圧値が最大となるため、角速度検出素子4の錘部250a,250bに充電される電荷量が最大となる。その結果、本実施形態では、例えば、一定電圧値Vdc+Vac/2であるバイアス電圧が錘部250a,250bに印加される従来構成におけるコリオリ電流(図4のG点の信号(破線))と比較して、コリオリ電流(図4のG点の信号(実線))が増大する。また、クアドラチャー電流が最大となるタイミングでバイアス信号の電圧値が最小となるため、錘部250a,250bに充電される電荷量が最小となる。その結果、本実施形態では、例えば、一定電圧値Vdc+Vac/2であるバイアス電圧が錘部250a,250bに印加される従来構成におけるクアドラチャー電流(図4のG点の信号(破線))と比較して、クアドラチャー電流(図4のG点の信号(実線))が低減される。
検出回路20は、駆動信号により駆動される角速度検出素子4の固定検出電極205a,205bから出力される電流(検出信号)に基づいて、角速度データSO(「角速度信号」の一例)を生成する。
本実施形態では、検出回路20は、Q/Vアンプ(チャージアンプ)21A,21B、差動増幅器22、同期検波回路23、AC増幅器24、ローパスフィルター25、A/D変換器26及びデジタル処理回路27を含んで構成されている。
Q/Vアンプ21Aは、角速度検出素子4の固定検出電極205aから出力される電流(検出信号)を電圧に変換して出力する。同様に、Q/Vアンプ21Bは、角速度検出素子4の固定検出電極205bから出力される電流(検出信号)を電圧に変換して出力する。
Q/Vアンプ21Aから出力された交流電圧信号とQ/Vアンプ21Bから出力された交流電圧信号とは、差動増幅器22に入力される。差動増幅器22は、Q/Vアンプ21Aの出力信号とQ/Vアンプ21Bの出力信号とを差動増幅した信号を出力する。
差動増幅器22から出力された信号は、同期検波回路23に入力される。同期検波回路23は、差動増幅器22の出力信号を参照信号SDETに基づいて同期検波する。より詳細には、同期検波回路23は、参照信号SDETがハイレベルのときは差動増幅器22の出力信号を選択し、参照信号SDETがローレベルのときは差動増幅器22の出力信号の極性を反転させた信号を選択することにより全波整流し、全波整流して得られた信号を出力する。参照信号SDETと差動増幅器22の出力信号に含まれるコリオリ信号(コリオリ電流に応じた電圧信号)とはほぼ同相であるため、同期検波回路23の同期検波によってコリオリ信号が抽出される。一方、差動増幅器22の出力信号に含まれるクアドラチャー信号(クアドラチャー電流に応じた電圧信号)は、コリオリ信号と位相が90°ずれているため、参照信号SDETとも位相が90°ずれており、同期検波回路23の同期検波によってほとんど抽出されない。
同期検波回路23の出力信号は、AC増幅器24に入力され、AC増幅器24は同期検波回路23の出力信号を増幅した信号を出力する。
AC増幅器24の出力信号は、ローパスフィルター25に入力され、ローパスフィルター25は、AC増幅器24の出力信号に含まれるコリオリ信号を通過させるとともに、高周波のノイズ信号を減衰させる。ローパスフィルター25から出力される信号は、コリオリ電流の大きさ及び向きに応じた電圧となる。
A/D変換器26は、ローパスフィルター25から出力された信号をデジタル信号に変換する。
デジタル処理回路27は、A/D変換器26から出力されたデジタル信号に対して、高周波ノイズ成分を減衰させるローパスフィルター処理や、補正処理(例えば、温度補正)等を行う。デジタル処理回路27によって処理されたデジタル信号は、角速度データSOとしてシリアルインターフェース回路40に入力される。
シリアルインターフェース回路40は、端子SCL,SDAを介して、不図示の外部装置とシリアル通信を行うための回路である。シリアルインターフェース回路40を介した通信では、例えば、外部装置がマスターとして機能し、制御回路3(角速度検出装置1)がスレーブとして機能する。そして、外部装置は、シリアルインターフェース回路40を介して、記憶部30に対するデータ(例えば、振幅調整情報)の書き込みや読み出しを行うことができる。また、外部装置は、シリアルインターフェース回路40を介して、角速度データSOを読み出すことができる。このように、角速度検出装置1は、外部装置からの要求に応じて、角速度データSOを出力可能に構成されている。
このように構成されている検出回路20では、Q/Vアンプ21A,21Bから出力される信号には、その後段の各回路において発生するノイズが重畳されるため、角速度データSOのS/N比を向上させるためには、Q/Vアンプ21A,21Bの出力信号の最大電圧が電源電圧を超えない範囲(クリップしない範囲)で、Q/Vアンプ21A,21Bの利得(増幅率)ができるだけ大きいことが好ましい。前述の通り、Q/Vアンプ21A,21Bに入力される電流にはコリオリ電流だけでなくクアドラチャー電流も含まれており、しかも、一般的にクアドラチャー電流はコリオリ電流よりも大きいため、クアドラチャー電流の最大値が大きいほど、Q/Vアンプ21A,21Bの利得が小さくなってしまう。これに対して、本実施形態では、前述の通り、クアドラチャー電流が低減されるので、Q/Vアンプ21A,21Bの利得を大きくすることができる。さらに、コリオリ電流が増大するので、Q/Vアンプ21A,21Bの出力信号のS/N比が向上し、その結果、角速度データSOのS/N比も向上する。
[作用効果]
以上に説明したように、第1実施形態の角速度検出装置1では、駆動回路10において、角速度検出素子4に印加されるバイアス信号は、クアドラチャー電流が最大となるタイミングにおける電圧値が、コリオリ電流が最大となるタイミングにおける電圧値よりも小さいため、クアドラチャー電流が最大となるタイミングにおいて角速度検出素子4の錘部250a,250bに充電される電荷量は、コリオリ電流が最大となるタイミングにおいて錘部250a,250bに充電される電荷量よりも小さくなる。そして、角速度検出素子4において充電された電荷が検出電極に移動することによりコリオリ電流及び漏れ電流が発生する。従って、駆動回路10によれば、バイアス信号の電圧が一定である従来構成の駆動回路と比較して、クアドラチャー電流を低減させることができる。特に、クアドラチャー電流が最大となるタイミングにおいてバイアス信号の電圧値が最小となるためクアドラチャー電流をより低減させることができるとともに、コリオリ電流が最大となるタイミングでバイアス信号の電圧値が最大となるためコリオリ電流を増大させることができる。さらに、コリオリ電流が低減されることにより、その分だけ検出回路20の初段のQ/Vアンプ21A,21Bの利得を大きくすることができる。従って、第1実施形態の角速度検出装置1によれば、検出回路20において、Q/Vアンプ21A,21Bの出力信号のS/N比が向上するので、Q/Vアンプ21A,21Bの出力信号に基づいて生成される角速度データSOのS/N比を向上させることができる。
また、第1実施形態の角速度検出装置1では、駆動信号が帰還された駆動モニター信号は、駆動信号に同期しているため、バイアス信号生成回路12は、Q/Vアンプ111A,111Bによって駆動モニター信号が変換された信号に基づいて、バイアス信号を生成することができる。従って、第1実施形態の角速度検出装置1によれば、Q/Vアンプ111A,111Bをバイアス信号の生成に兼用することができるので、バイアス信号生成回路12の面積の増加を低減させることができる。
1−2.第2実施形態
以下、第2実施形態の角速度検出装置1について、第1実施形態と重複する説明は省略し、第1実施形態と異なる内容を中心に説明する。
図5は、第2実施形態の角速度検出装置1の構成を示す図である。また、図6は、図5のA点〜G点における信号波形の一例を示す図である。図5に示すように、第2実施形態の角速度検出装置1では、制御回路3において、駆動回路10に含まれるバイアス信号生成回路12の構成が第1実施形態(図3)と異なり、その他の構成は第1実施形態(図3)と同様である。
図5に示すように、第2実施形態では、バイアス信号生成回路12は、逓倍回路126、振幅調整回路127及びバイアス信号出力回路128を含む。
逓倍回路126は、Q/Vアンプ111A,111Bから出力される交流電圧信号を差動増幅し、2逓倍したシングルエンドの信号(図6(D点の信号)参照)を出力する。
振幅調整回路127は、逓倍回路126の出力信号を、あらかじめ記憶部30に記憶されている振幅調整情報に基づいて所定範囲の振幅Vacに調整した信号(図6(E点の信号)参照)を出力する。
バイアス信号出力回路128は、直流電圧Vdc(例えば十数V)を生成し、直流電圧Vdcに、逓倍回路126によって2逓倍され、振幅調整回路127によって振幅が調整された信号を重畳させてバイアス信号(図6(F点の信号)参照)を生成し、当該バイアス信号を出力する。バイアス信号出力回路128は、例えば、昇圧回路によって電源電圧(例えば、1.8V)を昇圧し、昇圧された電圧からレギュレーターによって直流電圧Vdcを生成してもよい。直流電圧Vdcを基準として、バイアス信号の振幅はVacである。すなわち、振幅調整回路127は、バイアス信号の振幅をVacに調整する回路として機能している。バイアス信号出力回路128から出力されるバイアス信号は、制御回路3の端子BIASを介して、角速度センサー2の端子304(角速度検出素子4の各固定部243、駆動部241、錘部250等)に供給される。
図6に示すように、バイアス信号出力回路128から出力されるバイアス信号は、クアドラチャー電流が最大となるタイミングにおける電圧値Vdc−Vacが、コリオリ電流が最大となるタイミングにおける電圧値Vdc+Vacよりも小さい。具体的には、バイアス信号は、クアドラチャー電流が最大となるタイミングにおいて電圧値が最大となり、コリオリ電流が最大となるタイミングにおいて電圧値が最小となる。コリオリ電流が最大となるタイミングでバイアス信号の電圧値が最大となるため、角速度検出素子4の錘部250a,250bに充電される電荷量が最大となる。その結果、本実施形態では、例えば、一定電圧値Vdcであるバイアス電圧が錘部250a,250bに印加される従来構成におけるコリオリ電流(図6のG点の信号(破線))と比較して、コリオリ電流(図6のG点の信号(実線))が増大する。また、クアドラチャー電流が最大となるタイミングでバイアス信号の電圧値が最小となるため、錘部250a,250bに充電される電荷量が最小となる。その結果、本実施形態では、例えば、一定電圧値Vdcであるバイアス電圧が錘部250a,250bに印加される従来構成におけるクアドラチャー電流(図6のG点の信号(破線))と比較して、クアドラチャー電流(図6のG点の信号(実線))が低減される。
以上に説明したように、第2実施形態の角速度検出装置1では、第1実施形態と同様、クアドラチャー電流を低減させることができるとともに、コリオリ電流が最大となるタイミングでバイアス信号の電圧値が最大となるためコリオリ電流を増大させることができる。さらに、コリオリ電流が低減されることにより、その分だけ検出回路20の初段のQ/Vアンプ21A,21Bの利得を大きくすることができる。従って、第2実施形態の角速度検出装置1によれば、検出回路20において、Q/Vアンプ21A,21Bの出力信号のS/N比が向上するので、Q/Vアンプ21A,21Bの出力信号に基づいて生成される角速度データSOのS/N比を向上させることができる。
また、第2実施形態の角速度検出装置1では、第1実施形態と同様、駆動信号が帰還された駆動モニター信号は、駆動信号に同期しているため、バイアス信号生成回路12は、Q/Vアンプ111A,111Bによって駆動モニター信号が変換された信号に基づいて、バイアス信号を生成することができる。従って、第2実施形態の角速度検出装置1によれば、Q/Vアンプ111A,111Bをバイアス信号の生成に兼用することができるので、バイアス信号生成回路12の面積の増加を低減させることができる。
1−3.変形例
上記の第1実施形態では、バイアス信号生成回路12において、振幅調整回路121は、整流回路122の前段に設けられているが、整流回路122の後段に設けられていてもよい。また、上記の第2実施形態では、バイアス信号生成回路12において、振幅調整回路127は、逓倍回路126の後段に設けられているが、逓倍回路126の前段に設けられていてもよい。
また、上記の各実施形態では、バイアス信号生成回路12は、Q/Vアンプ111A,111Bから出力される交流電圧信号に基づいてバイアス信号を生成しているが、駆動モニター信号に基づく他の信号に基づいてバイアス信号を生成してもよい。例えば、バイアス信号生成回路12は、位相調整回路112A,112Bの出力信号に基づいてバイアス信号を生成してもよい。この場合、位相調整回路112A,112Bの出力信号は、Q/Vアンプ111A,111Bから出力される交流電圧信号に対して、90°位相が遅れているため、上記の各実施形態におけるバイアス信号生成回路12において、その入力から出力に至る信号経路上に90°位相を進める(270°位相を遅らせる)位相調整回路をさらに設ければよい。
また、上記の各実施形態では、角速度検出装置1が出力する角速度信号はデジタル信号であるが、アナログ信号であってもよい。
また、上記の各実施形態の角速度検出装置1は、1軸分の角速度を検出するが、互いに交差する複数軸(2軸、3軸あるいは4軸以上)回りの角速度を検出してもよい。この変形例の角速度検出装置1は、例えば、角速度検出素子、駆動回路及び検出回路が軸毎に独立して設けられていてもよいし、各軸回りの角速度をそれぞれ検出する複数の角速度検出素子に対して駆動回路及び検出回路の一方又は両方が共通に設けられていてもよい。
2.慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)
図7は、本実施形態の慣性計測装置の構成例を示す図である。図7に示されるように、本実施形態の慣性計測装置400は、互いに交差(理想的には、直交)する3軸(x軸、y軸、z軸)の角速度をそれぞれ検出する3つの角速度検出装置411〜413、互いに交差(理想的には、直交)する3軸(x軸、y軸、z軸)の加速度をそれぞれ検出する3つの加速度検出装置421〜423、信号処理回路430、記憶部440及び通信回路450を含んで構成されている。なお、本実施形態の慣性計測装置400は、図7に示される構成要素(各部)の一部を省略または変更してもよいし、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
角速度検出装置411は、x軸回りに生じる角速度を検出し、検出したx軸角速度の大きさ及び向きに応じた角速度信号を出力する。角速度検出装置412は、y軸回りに生じる角速度を検出し、検出したy軸角速度の大きさ及び向きに応じた角速度信号を出力する。角速度検出装置413は、z軸回りに生じる角速度を検出し、検出したz軸角速度の大きさ及び向きに応じた角速度信号を出力する。
加速度検出装置421は、x軸回りに生じる加速度を検出し、検出したx軸加速度の大きさ及び向きに応じた加速度信号を出力する。加速度検出装置422は、y軸回りに生じる加速度を検出し、検出したy軸加速度の大きさ及び向きに応じた加速度信号を出力する。加速度検出装置423は、z軸回りに生じる加速度を検出し、検出したz軸加速度の大きさ及び向きに応じた加速度信号を出力する。
なお、3つの角速度検出装置411〜413は、1つのパッケージに収容されて3軸角速度検出モジュールを構成してもよい。同様に、3つの加速度検出装置421〜423は、1つのパッケージに収容されて3軸加速度検出モジュールを構成してもよい。
信号処理回路430は、角速度検出装置411〜413から出力された3軸角速度信号を取得し、加速度検出装置421〜423から出力された3軸加速度信号を取得し、取得した3軸角速度信号及び3軸加速度信号を処理する。例えば、信号処理回路430は、取得した3軸角速度信号及び3軸加速度信号を順次A/D変換して3軸角速度データ及び3軸加速度データからなる慣性データを生成し、時刻情報を付して慣性データを記憶部440に記憶する処理を行う。また、信号処理回路430は、角速度検出装置411〜413及び加速度検出装置421〜423の各々の取り付け角誤差(各検出軸とx軸,y軸,z軸との誤差)に応じてあらかじめ算出された補正パラメーターを用いて、記憶部440に記憶した慣性データをxyz座標系のデータに変換(補正)し、記憶部440に記憶する処理を行う。また、信号処理回路430は、xyz座標系のデータに変換して記憶部440に記憶した慣性データを時刻順に読み出し、時刻情報と慣性データとを含むパケットデータを生成し、通信回路450に出力する。
また、信号処理回路430は、慣性データに対して、オフセット補正処理や温度補正処理を行ってもよいし、角速度検出装置411〜413及び加速度検出装置421〜423の各々の検出動作(例えば、検出周期等)を制御してもよい。
通信回路450は、信号処理回路430の処理によって得られたパケットデータ(時刻情報付きの慣性データ)を受け取って、当該パケットデータをあらかじめ決められた通信フォーマットに合わせたシリアルデータに変換し、外部に送信する。
なお、角速度検出装置411〜413が出力する3軸角速度信号及び加速度検出装置421〜423が出力する3軸加速度信号は、デジタル信号であってもよい。また、本実施形態の慣性計測装置400は、3つの角速度検出装置411〜413と3つの加速度検出装置421〜423とを含むが、少なくとも1つの角速度検出装置を含めばよい。
本実施形態の慣性計測装置400において、角速度検出装置411〜413の少なくとも何れかとして、上記の各実施形態又は各変形例の角速度検出装置1が適用される。本実施形態の慣性計測装置400によれば、角速度検出装置411〜413の少なくとも何れかとして、角速度信号のS/N比を向上させることが可能な角速度検出装置1が適用されるので、高い計測精度を達成することができる。
3.移動体測位装置
図8は、本実施形態の移動体測位装置の構成例を示す図である。図8に示されるように、本実施形態の移動体測位装置500は、センサーモジュール510、処理部520、操作部530、記憶部540、表示部550、音出力部560及び通信部570を含んで構成されており、各種の移動体に搭載される。なお、本実施形態の移動体測位装置500は、図8に示される構成要素(各部)の一部を省略または変更してもよいし、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
センサーモジュール510は、慣性計測装置511と衛星信号受信部512とを含む。
慣性計測装置511は、3軸(x軸、y軸、z軸)回りに生じる角速度をそれぞれ検出する不図示の3つの角速度検出装置と、3軸(x軸、y軸、z軸)回りに生じる加速度をそれぞれ検出不図示の3つの加速度検出装置と、を含む。そして、センサーモジュール510は、3つの角速度検出装置によって検出された3軸角速度信号及び3つの加速度検出装置によって検出された3軸加速度信号に対して、所定の処理(A/D変換処理、取り付け角誤差の補正処理等)を行う。さらに、センサーモジュール510は、所定の処理を行って得られた慣性データ(3軸角速度データ及び3軸加速度データ)を処理部520に出力する。慣性計測装置511として、上記の実施形態の慣性計測装置400が適用される。
衛星信号受信部512は、不図示のアンテナを介して、GPS(Global Positioning System)衛星等の測位用衛星から、当該測位用衛星の軌道情報や時刻情報等を含む航法メッセージ(「測位用情報」の一例)が重畳された電波(衛星信号)を受信する。衛星信号受信部512は、例えば3つ以上の測位用衛星からそれぞれ送信された衛星信号を受信し、例えば公知の技術により、受信した各衛星信号に重畳されている航法メッセージを復調(取得)し、各航法メッセージを処理部520に出力する。なお、衛星信号受信部512は、GPS以外の全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)の測位用衛星やGNSS以外の測位用衛星からの衛星信号を用いてもよいし、WAAS(Wide Area Augmentation System)、EGNOS(European Geostationary-Satellite Navigation Overlay Service)、QZSS(Quasi Zenith Satellite System)、GLONASS(GLObalNAvigation Satellite System)、GALILEO、BeiDou(BeiDou Navigation Satellite System)等の衛星測位システムのうち1つ、あるいは2つ以上のシステムの測位用衛星からの衛星信号を利用してもよい。
図8では、慣性計測装置511と衛星信号受信部512とは、センサーモジュール510に含まれているが、センサーモジュール510として一体化されていなくてもよい。すなわち、慣性計測装置511と衛星信号受信部512とは1つのパッケージに収容されていなくてもよい。
操作部530は、操作キーやボタンスイッチ等により構成される入力装置であり、ユーザーによる操作に応じた操作信号を処理部520に出力する。
記憶部540は、処理部520が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶するROM(Read Only Memory)や、処理部520の作業領域として用いられ、ROMから読み出されたプログラムやデータ、操作部530から入力されたデータ、処理部520が各種プログラムにしたがって実行した演算結果等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)を含む。
表示部550は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro-Luminescence Display)、電気泳動ディスプレイ等により構成される表示装置であり、処理部520から入力される表示信号に基づいて各種の情報を表示する。
音出力部560は、スピーカー等の音を出力する装置である。
通信部570は、処理部520と外部装置との間のデータ通信を成立させるための各種制御を行う。
処理部520は、記憶部540に記憶されているプログラムに従い、各種の計算処理や制御処理を行う。具体的には、処理部520は、慣性計測装置511から慣性データを取得し、衛星信号受信部512から航法メッセージを取得し、取得したこれらのデータや操作部530からの操作信号に応じた各種の処理、外部装置とデータ通信を行うために通信部570を制御する処理、表示部550に各種の情報を表示させるための表示信号を送信する処理、音出力部560に各種の音を出力させる処理等を行う。
特に、本実施形態では、処理部520は、記憶部540に記憶されているプログラムを実行することにより、姿勢算出部521、位置算出部522及び位置補正部523の各部として機能する。
姿勢算出部521は、慣性計測装置511から出力される慣性データに基づいて、例えば公知の手法により、移動体測位装置500が搭載される移動体の姿勢を算出する。
位置算出部522は、衛星信号受信部512から出力される航法メッセージに基づいて、移動体の位置を算出する。具体的には、位置算出部522は、衛星信号受信部512から出力される3つ以上の航法メッセージに含まれる衛星信号の発信時刻や受信時の電波伝搬遅れ等の情報を用いて、移動体測位装置500が搭載される移動体と3つ以上の測位用衛星との各距離を算出する。そして、位置算出部522は、算出した距離から移動体の位置を算出する。
位置補正部523は、姿勢算出部521が算出した移動体の姿勢に基づいて、位置算出部522が算出した移動体の位置を補正する。例えば、位置補正部523は、移動体の姿勢から移動体の水平面に対する傾斜角度を算出し、算出した傾斜角度に基づいて、移動体の水平面上の位置を移動体が移動する面における位置に補正してもよい。
処理部520は、移動体の位置や姿勢等の情報を、表示部550に表示させ、あるいは音出力部560から出力させ、あるいは、通信部570を介して外部装置に送信する。
なお、衛星信号受信部512が各衛星信号を受信して航法メッセージを復調し、位置算出部522が航法メッセージを用いて移動体と各測位用衛星との距離を算出して移動体の位置を算出しているが、衛星信号受信部512が、移動体と各測位用衛星との距離を算出してもよいし、移動体の位置を算出してもよい。すなわち、衛星信号受信部512が、位置算出部522が行う処理の少なくとも一部を行ってもよい。
本実施形態の移動体測位装置500によれば、慣性計測装置511として、高い計測精度を達成することが可能な慣性計測装置400が適用されるので、例えば、移動体の位置や姿勢等をより高精度に測定することができる。
4.電子機器
図9は、本実施形態の電子機器の機能ブロック図の一例である。図9に示されるように、本実施形態の電子機器600は、角速度検出装置610、演算処理装置620、操作部630、ROM640、RAM650、通信部660、表示部670、音出力部680を含んで構成されている。なお、本実施形態の電子機器600は、図9に示される構成要素(各部)の一部を省略または変更してもよいし、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
角速度検出装置610は、1軸又は複数軸(2軸、3軸、あるいは4軸以上)回りに生じる角速度をそれぞれ検出し、角速度信号を演算処理装置620に出力する。角速度検出装置610として、上記の各実施形態又は各変形例の角速度検出装置1が適用される。
演算処理装置620は、ROM640等に記憶されているプログラムに従い、各種の計算処理や制御処理を行う。具体的には、演算処理装置620は、角速度検出装置610から出力された角速度信号に基づいて演算処理(例えば、各種の計算処理や制御処理など)を行う。また、演算処理装置620は、操作部630からの操作信号に応じた各種の処理、外部とデータ通信を行うために通信部660を制御する処理、表示部670に各種の情報を表示させるための表示信号を送信する処理、音出力部680に各種の音を出力させる処理等を行う。
操作部630は、操作キーやボタンスイッチ等により構成される入力装置であり、ユーザーによる操作に応じた操作信号を演算処理装置620に出力する。
ROM640は、演算処理装置620が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。
RAM650は、演算処理装置620の作業領域として用いられ、ROM640から読み出されたプログラムやデータ、操作部630から入力されたデータ、演算処理装置620が各種プログラムにしたがって実行した演算結果等を一時的に記憶する。
通信部660は、演算処理装置620と外部装置との間のデータ通信を成立させるための各種制御を行う。
表示部670は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro-Luminescence Display)、電気泳動ディスプレイ等により構成される表示装置であり、演算処理装置620から入力される表示信号に基づいて各種の情報を表示する。
音出力部680は、スピーカー等の音を出力する装置である。
本実施形態の電子機器600によれば、角速度検出装置610として、角速度信号のS/N比を向上させることが可能な角速度検出装置1が適用されるので、例えば、角速度の変化に基づく処理(例えば、姿勢に応じた制御など)をより高精度に行うことができる。
電子機器600としては種々の電子機器が考えられる。例えば、作業用ロボット、ヘルスモニタリング装置、無人運転装置、パーソナルコンピューター(例えば、モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター、タブレット型パーソナルコンピューター)、携帯電話機などの移動体端末、ディジタルカメラ、インクジェット式吐出装置(例えば、インクジェットプリンター)、ルーターやスイッチなどのストレージエリアネットワーク機器、ローカルエリアネットワーク機器、移動体端末基地局用機器、テレビ、ビデオカメラ、ビデオレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ゲーム用コントローラー、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS(point of sale)端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、ヘッドマウントディスプレイ、モーショントレース、モーショントラッキング、モーションコントローラー、PDR(歩行者位置方位計測)等が挙げられる。
図10は、電子機器600の一例であるスマートフォンの外観の一例を示す図であり、図11は、電子機器600の一例としての腕装着型の携帯機器の外観の一例を示す図である。図10に示される電子機器600であるスマートフォンは、操作部630としてボタンを、表示部670としてLCDを備えている。図11に示される電子機器600である腕装着型の携帯機器は、操作部630としてボタンおよび竜頭を、表示部670としてLCDを備えている。これらの電子機器600は、角速度検出装置610として、角速度信号のS/N比を向上させることが可能な角速度検出装置1が適用されるので、角速度の変化に基づく処理(例えば、姿勢に応じた表示制御など)をより高精度に行うことができる。
更に、電子機器600の一例として携帯型電子機器の1つである腕時計型の活動計(アクティブトラッカー)がある。腕時計型の活動計は、バンド等によって手首等の部位(被検体)に装着され、デジタル表示の表示部を備え無線通信が可能である。上述した本実施形態に係る角速度検出装置1は、腕時計型の活動計に組み込まれている。
表示部670を構成する液晶ディスプレイ(LCD)では、種々の検出モードに応じて、例えば、GPSや地磁気センサーを用いた位置情報、移動量や加速度センサーや角速度センサーなどを用いた運動量などの運動情報、脈波センサーなどを用いた脈拍数などの生体情報、もしくは現在時刻などの時刻情報などが表示される。
図12は、携帯型の電子機器600の実施形態に係るリスト機器800(腕時計型の活動計)の平面図である。リスト機器800は、ランニングウォッチ、ランナーズウォッチ、デュアスロンやトライアスロン等マルチスポーツ対応のランナーズウォッチ、アウトドアウォッチ、及び衛星測位システム、例えば、GPSを搭載したGPSウォッチ、等に広く適用できる。
リスト機器800は、ユーザー(装着者)の所与の部位(例えば、手首)に装着され、ユーザーの位置情報や運動情報などを検出することができる。リスト機器は、ユーザーに装着されて位置情報や運動情報などを検出する機器本体810と、機器本体810に取り付けられ機器本体810をユーザーに装着するための第1のバンド部821および第2のバンド部822と、を含む。なお、リスト機器800には、ユーザーの位置情報や運動情報に加えて、例えば脈波情報などの生体情報を検出する機能や時刻情報などを取得する機能を設けることができる。
機器本体810は、ユーザーへの装着側にケースとしてのボトムケース(不図示)が配置され、ユーザーへの装着側と反対側には、表側に開口する開口部を有するケースとしてのトップケース830が配置されている。ここで、ボトムケースとトップケース830とによって、ケースが構成される。機器本体810の表側(トップケース830)に位置する開口部の外側には、ベゼル840が設けられるとともに、このベゼル840の内側にベゼル840と並んで配置されて内部構造を保護する天板部分(外壁)としての風防板(例えば、ガラス板)850が設けられている。風防板850は、透光性カバーとして機能し、トップケース830の開口部を塞ぐように配置されている。機器本体810の表側(トップケース830)の側面には、複数の操作部871(操作ボタン)が設けられている。なお、ベゼル840には、表側から視認可能な表示を設けることができる。
また、機器本体810は、風防板850の直下に配置されている液晶ディスプレイ(LCD)などで構成される表示部874と、風防板850の外縁部分と表示部874との間に配置されている吸湿部材860と、を有しており、表示部874及び吸湿部材860はケースに収容されている。なお、吸湿部材860には、表側から視認可能な表示を設けることができる。機器本体810は、風防板850を介して、表示部874の表示や吸湿部材860の表示をユーザーが閲覧可能な構成としてもよい。つまり本実施形態のリスト機器800では、検出した位置情報や運動情報、或いは時刻情報等の種々の情報を表示部874に表示し、当該表示を機器本体810のトップ側からユーザーに提示するものであってもよい。また、ボトムケースの両側には、第1のバンド部821および第2のバンド部822との接続部である一対のバンド装着部(不図示)が設けられている。
図13は、リスト機器800の機能ブロック図の一例である。図13に示すように、リスト機器800は、処理部870、GPSセンサー880、地磁気センサー881、圧力センサー882、加速度センサー883、角速度センサー884、脈拍センサー885、温度センサー886、操作部871、計時部872、記憶部873、表示部874、音出力部875、通信部876、バッテリー877などを含んで構成されており、これらの各部はケースに収容されている。但し、リスト機器800の構成は、これらの構成要素の一部を削除又は変更し、あるいは他の構成要素を追加したものであってもよい。
通信部876は、リスト機器800と他の情報端末との間の通信を成立させるための各種制御を行う。通信部876は、例えば、Bluetooth(登録商標)(BTLE:Bluetooth Low Energyを含む)、Wi−Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)、Zigbee(登録商標)、NFC(Near field communication)、ANT+(登録商標)等の近距離無線通信規格に対応した送受信機や通信部876はUSB(Universal Serial Bus)等の通信バス規格に対応したコネクターを含んで構成される。
処理部870(プロセッサー)は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により構成される。処理部870は、記憶部873に格納されたプログラムと、操作部871から入力された信号とに基づき、各種の処理を実行する。処理部870による処理には、GPSセンサー880、地磁気センサー881、圧力センサー882、加速度センサー883、角速度センサー884、脈拍センサー885、温度センサー886、計時部872の各出力信号(出力データ)に対するデータ処理、表示部874に画像を表示させる表示処理、音出力部875に音を出力させる音出力処理、通信部876を介して情報端末と通信を行う通信処理、バッテリー877からの電力を各部へ供給する電力制御処理などが含まれる。
処理部870は、高精度のGPS機能により計測開始からのユーザーが移動した合計距離を計測する。また、処理部870は、距離計測の結果から、ユーザーの現在の走行ペースを計測し表示する。また、処理部870は、ユーザーの走行開始から現在までの平均スピードを算出し表示する。また、処理部870は、GPS機能により、標高を計測し表示する。また、処理部870は、GPS電波が届かないトンネル内などでもユーザーの歩幅を計測し表示する。また、処理部870は、ユーザーの1分あたりの歩数(ピッチ)を計測し表示する。また、処理部870は、脈拍センサーによりユーザーの心拍数を計測し表示する。また、処理部870は、ユーザーの山間部でのトレーニングやトレイルランにおいて、地面の勾配を計測し表示する。また、処理部870は、事前に設定した一定距離や一定時間を走った時に、自動でラップ計測(オートラップ)を行う。また、処理部870は、ユーザーの消費カロリーを表示する。また、処理部870は、ユーザーの運動開始からの歩数の合計を表示する。
上記実施形態に係る角速度検出装置1を含む角速度センサー884は、互いに交差する(理想的には直交する)3軸方向の各々の角速度を検出し、検出した3軸角速度の大きさ及び向きに応じた信号(角速度信号)を出力する。
なお、上述したリスト機器800は、衛星測位システムとしてGPS(Global Positioning System)を利用しているが、他の全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用してもよい。例えば、EGNOS(European Geostationary-Satellite Navigation Overlay Service)、QZSS(Quasi Zenith Satellite System)、GLONASS(GLObalNAvigation Satellite System)、GALILEO、BeiDou(BeiDou Navigation Satellite System)、等の衛星測位システムのうち1又は2以上を利用してもよい。また、衛星測位システムの少なくとも1つにWAAS(Wide Area Augmentation System)、EGNOS(European Geostationary-Satellite Navigation Overlay Service)等の静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS:Satellite-based Augmentation System)を利用してもよい。
5.移動体
図14は、本実施形態の移動体の一例である自動車の構成を示す斜視図である。図14に示すように、自動車1500には角速度検出装置1が搭載されており、例えば、角速度検出装置1によって車体1501の姿勢を検出することができる。角速度検出装置1から出力される角速度信号は、車体の姿勢を制御する制御部(姿勢制御部)としての車体姿勢制御装置1503に供給され、車体姿勢制御装置1502は、その信号に基づいて車体1501の姿勢を検出し、検出結果に応じてサスペンションの硬軟を制御したり、個々の車輪1503のブレーキを制御したりすることができる。また、角速度検出装置1は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、自動運転用慣性航法の制御機器、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
また、移動体に適用される角速度検出装置1は、上記の例示の他にも、例えば、二足歩行ロボットや電車などの姿勢制御、ラジコン飛行機、ラジコンヘリコプター、およびドローンなどの遠隔操縦あるいは自律式の飛行体の姿勢制御、農業機械(農機)、もしくは建設機械(建機)などの姿勢制御において利用することができる。以上のように、各種移動体の姿勢制御の実現にあたって、角速度検出装置1、およびそれぞれの制御部(不図示)が組み込まれる。
このような移動体は、角速度信号のS/N比を向上させることが可能な角速度検出装置1、および制御部(不図示)を備えているので、制御部による角速度の変化に基づく制御(姿勢制御等)を高精度に行うことができる。
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…角速度検出装置、2…角速度センサー、3…制御回路、4…角速度検出素子、10…駆動回路、11…駆動信号生成回路、12…バイアス信号生成回路、20…検出回路、21A,21B…Q/Vアンプ(チャージアンプ)、22…差動増幅器、23…同期検波回路、24…AC増幅器、25…ローパスフィルター、26…A/D変換器、27…デジタル処理回路、30…記憶部、40…シリアルインターフェース回路、111A,111B…Q/Vアンプ(チャージアンプ)、112A,112B…位相調整回路、113…差動増幅器、114…整流回路、115…積分回路、116…駆動信号出力回路、117…コンパレーター、118…コンパレーター、121…振幅調整回路、122…整流回路、123…バイアス信号出力回路、126…逓倍回路、127…振幅調整回路、128…バイアス信号出力回路、202…基板、205,205a,205b…固定検出電極、240,240a,240b…構造体、241…駆動部、242…駆動ばね部、243…固定部、244…可動駆動電極、245…固定駆動電極、246…固定駆動電極、247…可動駆動モニター電極、248,249…固定駆動モニター電極、250,250a,250b…錘部、251…連結部、301〜310…端子、351〜360…配線、400…慣性計測装置、411,412,413…角速度検出装置、421,422,423…加速度検出装置、430…信号処理回路、440…記憶部、450…通信回路、500…移動体測位装置、510…センサーモジュール、520…処理部、521…姿勢算出部、522…位置算出部、523…位置補正部、530…操作部、540…記憶部、550…表示部、560…音出力部、570…通信部、600…電子機器、610…角速度検出装置、620…演算処理装置、630…操作部、640…ROM、650…RAM、660…通信部、670…表示部、680…音出力部、800…リスト機器、810…機器本体、821…第1のバンド部、822…第2のバンド部、830…トップケース、840…ベゼル、850…風防板、860…吸湿部材、870…処理部、880…GPSセンサー、881…地磁気センサー、882…圧力センサー、883…加速度センサー、884…角速度センサー、885…脈拍センサー、886…温度センサー、871…操作部、872…計時部、873…記憶部、874…表示部、875…音出力部、876…通信部、877…バッテリー、1500…自動車、1501…車体、1502…車体姿勢制御装置、1503…車輪

Claims (12)

  1. 角速度検出素子を駆動する駆動回路であって、
    前記角速度検出素子を駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成回路と、
    前記角速度検出素子に印加されるバイアス信号を生成するバイアス信号生成回路と、
    を含み、
    前記角速度検出素子の検出電極から、
    前記角速度検出素子の駆動振動に基づいて発生する漏れ信号と、
    前記角速度検出素子に加わる角速度に基づいて発生するコリオリ信号と、が出力され、
    前記バイアス信号は、
    前記漏れ信号が最大となるタイミングにおける電圧値が、前記コリオリ信号が最大となるタイミングにおける電圧値よりも小さい、駆動回路。
  2. 請求項1において、
    前記バイアス信号は、
    前記漏れ信号が最大となるタイミングにおいて電圧値が最小となり、前記コリオリ信号が最大となるタイミングにおいて電圧値が最大となる、駆動回路。
  3. 請求項1又は2において、
    前記角速度検出素子の駆動モニター電極から、前記駆動信号が帰還された帰還信号が出力され、
    前記駆動信号生成回路は、
    前記帰還信号に基づいて、前記駆動信号を生成し、
    前記バイアス信号生成回路は、
    前記帰還信号に基づく信号に基づいて、前記バイアス信号を生成する、駆動回路。
  4. 請求項3において、
    前記バイアス信号生成回路は、
    前記帰還信号に基づく信号を整流する整流回路と、
    直流電圧を生成し、前記直流電圧に前記整流回路によって整流された信号を重畳させて前記バイアス信号を生成し、前記バイアス信号を出力するバイアス信号出力回路と、を含む、駆動回路。
  5. 請求項3において、
    前記バイアス信号生成回路は、
    前記帰還信号に基づく信号を2逓倍する逓倍回路と、
    直流電圧を生成し、前記直流電圧に前記逓倍回路によって2逓倍された信号を重畳させて前記バイアス信号を生成し、前記バイアス信号を出力するバイアス信号出力回路と、を含む、駆動回路。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項において、
    前記バイアス信号生成回路は、
    前記バイアス信号の振幅を調整する振幅調整回路を含む、駆動回路。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の駆動回路と、
    前記角速度検出素子の前記検出電極から出力される信号に基づいて、角速度信号を生成する検出回路と、
    前記角速度検出素子と、
    を含む、角速度検出装置。
  8. 請求項7に記載の角速度検出装置と、
    前記角速度検出装置から出力された前記角速度信号を取得し、前記角速度信号を処理する信号処理回路と、
    前記信号処理回路の処理によって得られた慣性データを外部に送信する通信回路と、
    を含む、慣性計測装置。
  9. 移動体に搭載され、前記移動体の位置を測定する移動体測位装置であって、
    請求項8に記載の慣性計測装置と、
    測位用衛星から衛星信号を受信し、前記衛星信号に重畳されている測位用情報を取得する衛星信号受信部と、
    前記測位用情報に基づいて、前記移動体の位置を算出する位置算出部と、
    前記慣性計測装置から出力される前記慣性データに基づいて、前記移動体の姿勢を算出する姿勢算出部と、
    前記姿勢に基づいて前記位置を補正する位置補正部と、
    を含む、移動体測位装置。
  10. 請求項7に記載の角速度検出装置と、
    前記角速度検出装置が収容されているケースと、
    前記ケースに収容され、前記角速度検出装置からの出力データを処理する処理部と、
    前記ケースに収容されている表示部と、
    前記ケースの開口部を塞いでいる透光性カバーと、
    を含む、携帯型電子機器。
  11. 請求項7に記載の角速度検出装置と、
    前記角速度検出装置から出力された前記角速度信号に基づいて演算処理を行う演算処理装置と、
    を含む、電子機器。
  12. 請求項7に記載の角速度検出装置と、
    前記角速度検出装置から出力された前記角速度信号に基づいて姿勢の制御を行う姿勢制御部と、を含む、移動体。
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