JP2019059918A - 硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラスチック基材との密着性、硬化物の低反り性及び金型離型性に優れる硬化物を与える硬化性組成物を提供する。【解決手段】ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A)と、ウレタン結合を有さない3〜6官能の(メタ)アクリレート(B)と、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート(C)と、ホモポリマーのガラス転移温度が40〜300℃であるウレタン結合を有さない単官能(メタ)アクリレート(D)と、前記(メタ)アクリレート(C)及び(メタ)アクリレート(D)以外のウレタン結合を有さないSP値が8.5〜12(cal/cm3)1/2である単官能又は2官能(メタ)アクリレート(E)と、オキシアルキレン基を有するポリシロキサン(F)と、ラジカル重合開始剤(G)とを含有する硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は硬化性組成物及びその硬化物に関する。
従来、液晶ディスプレイに使用されるプリズムシートや、プロジェクションTVに使用されるフレネルレンズ及びレンチキュラーレンズといった光学レンズは、金型内面にプラスチック基材がセットされた型内に硬化性組成物を流し込み、活性エネルギー線を照射し、硬化させることで製造されている(例えば特許文献1参照)。
このプロセスは、生産性の面で優位であるため、光学部材(プラスチックレンズ、プリズム及び光ファイバー等)、電気・電子部材(フレキシブルプリント配線板用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜及び感光性光導波路等)、シーリング材、接着剤並びに紙及びプラスチック等のコーティング剤等幅広い分野で使用されている。
しかし、一般に、プラスチック基材への密着性と、硬化物の低反り性及び金型離型性とは相反する性能であり、従来の硬化性組成物では、硬化後に、プラスチック基材への密着性、硬化物の低反り性及び金型離型性の全てを満足できていなかった。
特開平11−240926号公報
本発明の目的は、プラスチック基材との密着性、硬化物の低反り性及び金型離型性に優れる硬化物を与える硬化性組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A)と、
ウレタン結合を有さない3〜6官能の(メタ)アクリレート(B)と、
下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート(C)と、
ホモポリマーのガラス転移温度が40〜300℃であるウレタン結合を有さない単官能(メタ)アクリレート(D)と、
前記(メタ)アクリレート(C)及び(メタ)アクリレート(D)以外のウレタン結合を有さないSP値が8.5〜12(cal/cm1/2である単官能又は2官能(メタ)アクリレート(E)と、
オキシアルキレン基を有するポリシロキサン(F)と、
ラジカル重合開始剤(G)とを含有する硬化性組成物(H)であって、前記(メタ)アクリレート(A)が、ビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物及びポリオキシアルキレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオールと、脂環式ポリイソシアネート及び芳香族ポリイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネートとの重付加物であるイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマーに、水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートを付加してなるウレタン(メタ)アクリレートを含有する硬化性組成物であり、前記硬化性組成物の硬化物である。
Figure 2019059918
[式(1)中、2個あるR及び2個あるRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し;m+n個あるRは、それぞれ独立に炭素数2〜3のアルキレン基を表し;m及びnは、それぞれ独立に1〜30の整数である。]
本発明の硬化性組成物の硬化物は、プラスチック基材との密着性に優れ、かつ低反り性と金型離型性に優れるという効果を奏する。
本発明の硬化性組成物(H)は、
ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A)と、
ウレタン結合を有さない3〜6官能の(メタ)アクリレート(B)と、
下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート(C)と、
ホモポリマーのガラス転移温度が40〜300℃であるウレタン結合を有さない単官能(メタ)アクリレート(D)と、
前記(メタ)アクリレート(C)及び(メタ)アクリレート(D)以外のウレタン結合を有さないSP値が8.5〜12(cal/cm1/2である単官能又は2官能(メタ)アクリレート(E)と、
オキシアルキレン基を有するポリシロキサン(F)と、
ラジカル重合開始剤(G)
とを含有する。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」の表記は、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル」の表記は、アクリル及び/又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリロイル基」の表記は、アクリロイル基及び/又はメタアクリロイル基を意味する。
本発明の硬化性組成物(H)における必須成分であるウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A)は、少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基と少なくとも1個のウレタン基とを有する単量体である。
本発明の硬化性組成物(H)は、前記の(メタ)アクリレート(A)を含有することにより、硬化物に靭性を付与することができるため、金型離型性が良好な硬化物の作成が可能となる。
前記の(メタ)アクリレート(A)は、ポリオール(p)、ポリイソシアネート(q)及び水酸基を有する(メタ)アクリレート(r)の反応物である。
ポリオール(p)としては、鎖状脂肪族ポリオール(p1)、脂環式ポリオール(p2)及び芳香族ポリオール(p3)並びにこれらのアルキレンオキサイド[エチレンオキサイド(以降EOと略記することがある)、1,2−又は1,3−プロピレンオキサイド(以降POと略記することがある)及び1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−ブチレンオキサイド等]付加物等が挙げられる。
鎖状脂肪族ポリオール(p1)としては、直鎖の脂肪族ジオール(エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール及び1,10−ドデカンジオール等)、分岐の脂肪族ジオール(1,2−、1,3−又は2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール及び3−メチル−1,5−ペンタンジオール等)及び鎖状脂肪族3〜8価アルコール(ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン及びジペンタエリスリトール等)等が挙げられる。
脂環式ポリオール(p2)としては、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘプタンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン及び1,3,5−シクロヘキサントリオール等が挙げられる。
芳香族ポリオール(p3)としては、レゾルシノール、ハイドロキノン、ナフタレンジオール及びビスフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等)等が挙げられる。
上記(p1)〜(p3)のアルキレンオキサイド付加物としては、(p1)〜(p3)のアルキレンオキサイド[EO、PO及び1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−ブチレンオキサイド等]付加物等が挙げられる。
これらのポリオール(p)の内、金型離型性の観点から好ましくは、鎖状脂肪族ジオール(p1)のアルキレンオキサイド付加物及び芳香族ジオール(p3)のアルキレンオキサイド付加物であり、更に好ましくは、直鎖の脂肪族ジオールのアルキレンオキサイド付加物、分岐の脂肪族ジオールのアルキレンオキサイド付加物及びビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましくは、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物及びポリテトラメチレングリコールである。
なお、直鎖の脂肪族ジオールのアルキレンオキサイド付加物及び分岐の脂肪族ジオールのアルキレンオキサイド付加物は、ポリオキシアルキレングリコールとも言う。
ポリオール(p)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリオール(p)として、鎖状脂肪族ポリオール(p1)、脂環式ポリオール(p2)又は芳香族ポリオール(p3)のアルキレンオキサイド付加物を用いる場合、アルキレンオキサイドの付加モル数は、金型離型性の観点から1〜50モルであることが好ましく、更に好ましくは4〜20モルである。
ポリイソシアネート(q)としては、鎖状脂肪族ポリイソシアネート(q1)、脂環式ポリイソシアネート(q2)及び芳香族ポリイソシアネート(q3)等が挙げられる。
鎖状脂肪族ポリイソシアネート(q1)としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びリジンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネート(q2)としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2,4−又は2,6−メチルシクロヘキサンジイソシアネート(水添TDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI。以降、MDIHと表記することがある)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート及びダイマー酸ジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート(q3)としては、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、m−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート及びm−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が挙げられる。
これらのポリイソシアネート(q)の内、金型離型性の観点から好ましくは、脂環式ポリイソシアネート(q2)及び芳香族ポリイソシアネート(q3)であり、更に好ましくはIPDI、MDIH、XDI、TMXDI、MDI及びTDIである。
ポリイソシアネート(q)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
水酸基を有する(メタ)アクリレート(r)は、水酸基を有し、(メタ)アクリロイル基を1個有する(メタ)アクリレートである。
水酸基を有する(メタ)アクリレート(r)としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(r1)、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(r2)及びアルキロール(メタ)アクリルアミド(r3)等が挙げられる。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(r1)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(r2)としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルキロール(メタ)アクリルアミド(r3)としては、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
これらの内、ウレタン化反応の反応性及び硬化物の金型離型性の観点から好ましくは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(r1)であり、更に好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
水酸基を有する(メタ)アクリレート(r)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明における(メタ)アクリレート(A)のうち、金型離型性の観点から、好ましくはビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物及びポリテトラメチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオールと、IPDI、MDIH、XDI、TMXDI、MDI及びTDIからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネートと、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応物である(メタ)アクリレートの組み合わせであり、更に好ましくはポリテトラメチレングリコールとMDIHと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応物である(メタ)アクリレートである。
(メタ)アクリレート(A)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記の(メタ)アクリレート(A)の構成原料であるポリオール(p)、ポリイソシアネート(q)及び水酸基を有する(メタ)アクリレート(r)について、ポリイソシアネート(q)が有するイソシアネート基と、ポリオール(p)及び水酸基を有する(メタ)アクリレート(r)が有する水酸基とのモル比[(q)が有するイソシアネート基/(p)が有する水酸基と(r)が有する水酸基の合計]は、特に限定されないが、貯蔵安定性の観点から好ましくは1/0.5〜1/10、更に好ましくは1/0.7〜1/5、特に好ましくは1/1〜1/2である。
前記の(メタ)アクリレート(A)の数平均分子量(以下、Mnと略記することがある。)は、好ましくは500〜50,000であり、更に好ましくは700〜20,000であり、特に好ましくは782〜20,000である。
500以上であると硬化物の靭性が優れるため金型離型性が良好となり、50,000以下であると硬化性組成物の粘度が適正となり硬化物の微細構造の再現性が良好となる。
尚、本発明におけるMnは、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー法により、以下の条件で測定することができる。
[1]装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフィー「HLC−8120GPC」、東ソー(株)製
[2]カラム :「TSKgel GMHXL」2本+「TSKgel Multipore HXL−M 」、東ソー(株)製
[3]溶離液 :テトラヒドロフラン
[4]基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)、東ソー(株)製
[5]注入条件:サンプル濃度0.25重量%、カラム温度40℃
本発明における(メタ)アクリレート(A)は、ポリオール(p)、ポリイソシアネート(q)及び水酸基を有する(メタ)アクリレート(r)を公知の方法で反応させて製造することができる。
中でも、(p)と(q)とを重付加反応させて、イソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマーを製造した後に、(r)を付加化反応させて製造することが好ましい。
上記の重付加反応及び付加反応においては、ウレタン化触媒を用いても良い。
ウレタン化触媒としては、金属化合物(有機ビスマス化合物、有機スズ化合物及び有機チタン化合物等)及び4級アンモニウム塩等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物(H)における必須成分であるウレタン結合を有さない3〜6官能の(メタ)アクリレート(B)としては、ポリオールと(メタ)アクリル酸を反応させた(メタ)アクリレートのうち、分子内にウレタン結合を含まない3〜6官能の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
具体的には、トリ(メタ)アクリレート(B1)、テトラ(メタ)アクリレート(B2)、ペンタ(メタ)アクリレート(B3)及びヘキサ(メタ)アクリレート(B4)等が挙げられる。
前記のトリ(メタ)アクリレート(B1)としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記のテトラ(メタ)アクリレート(B2)としては、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記のペンタ(メタ)アクリレート(B3)としては、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記のヘキサ(メタ)アクリレート(B4)としては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリレート(B)の内、金型離型性の観点から好ましいのは、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートである。
(メタ)アクリレート(B)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物における必須成分である(メタ)アクリレート(C)は、上述の通り、一般式(1)で表される(メタ)アクリレートである。
式(1)中、2個あるRは、水素原子又はメチル基である。
ここで、2つのRがメチル基の場合は、ビスフェノールA骨格を有する(メタ)アクリレートであり、2つのRが水素原子の場合はビスフェノールF骨格を有する(メタ)アクリレートである。
式(1)中、m+n個あるRは、それぞれ独立に炭素数2〜3のアルキレン基(エチレン基及びプロピレン基)である。
ここで、Rがエチレン基である場合、ORは、オキシエチレン基を表し、エチレンオキサイドの付加に相当する。また、Rがプロピレン基である場合、ORは、オキシプロピレン基を表し、プロピレンオキサイドの付加に相当する。
式(1)中、m及びnは、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドの付加モル数を表し、1〜30の整数である。
m及びnの数は、金型離型性の観点から好ましくは2〜20である。
式(1)中、2個あるRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、水素原子の場合はアクリロイル基が末端であり、メチル基の場合はメタクリロイル基が末端になる。 Rの内、重合反応性の観点から好ましいのは水素原子である。
前記の(メタ)アクリレート(C)の内、金型離型性の観点から好ましくは、ビスフェノールAのEO付加物(EO2〜20モル付加物)のジ(メタ)アクリレートである。
(メタ)アクリレート(C)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物における必須成分であるウレタン結合を有さない単官能(メタ)アクリレート(D)は、上述の通り、ホモポリマーのガラス転移温度(以下、Tgと略記する。)が40〜300℃である。
(メタ)アクリレート(D)のホモポリマーのTgは、金型離型性の観点から、40〜300℃であり、好ましくは50〜300℃であり、更に好ましくは60〜300℃である。
なお、本発明におけるそのホモポリマーのTgとは、(メタ)アクリレート(D)を単独重合させた硬化物の動的粘弾性を下記の方法で測定した際に、損失正接(tanδ)が最大値を示す温度のことである。
<Tg測定用テストピースの作成>
開始剤として、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキュア184」、BASF社製]を、(メタ)アクリレート(D)に対して3重量%添加した後、紫外線照射装置により、紫外線を1,000mJ/cm照射して、硬化させ、縦幅40mm、横幅5mm、厚み1mmのテストピースを作成する。
<動的粘弾性測定方法>
このテストピースを用いて、動的粘弾性測定装置(例えば、Rheogel−E4000、UBM社製)により、周波数:10Hz、昇温速度:4℃/分の条件で測定する。
前記の(メタ)アクリレート(D)としては、脂環式(メタ)アクリレート(D1)、アクリルアミド(D2)及びビニルピロリドン(D3)等が挙げられる。
前記の脂環式(メタ)アクリレート(D1)としては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート及び1−アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの内、プラスチックとの密着性の観点から好ましいのは、イソボルニル(メタ)アクリレートである。
前記のアクリルアミド(D2)としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ノルマルプロピル(メタ)アクリルアミド及びN−イソプロピル(メタ)アクリルアミド及びアクリロイルモルホリン等が挙げられる。
これらの内、金型離型性の観点から好ましいのは、イソボルニルアクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン及びN−ビニルピロリドンである。
ビニルピロリドン(D3)としては、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリレート(D)の内、プラスチック基材との密着性の観点から好ましいのは、脂環式(メタ)アクリレート(D1)であり、更に好ましいのはイソボルニルアクリレートである。
(メタ)アクリレート(D)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物における必須成分である(メタ)アクリレート(C)及び(メタ)アクリレート(D)以外のウレタン結合を有さないSP値が8.5〜12(cal/cm1/2である単官能又は2官能(メタ)アクリレート(E)は、前記(メタ)アクリレート(C)及び、(メタ)アクリレート(D)以外の(メタ)アクリレートであり、溶解度パラメーター(以下、SP値と略記する。)が8.5〜12(cal/cm1/2である。
なお、前記の(メタ)アクリレート(E)は、後記するポリシロキサン(F)以外のものである。
前記の(メタ)アクリレート(E)のSP値は、上述の通り8.5〜12(cal/cm1/2であり、好ましくは8.5〜10.5(cal/cm1/2である。(メタ)アクリレート(E)のSP値が8.5〜12(cal/cm1/2の範囲を外れると相溶性が悪くなるという問題がある。
なお、本発明におけるSP値は次式で求められるものである。
SP=(ΔH/V)1/2
但し、式中、ΔHはモル蒸発熱(cal/モル)、Vはモル体積(cm/モル)を表す。また、ΔH及びVは、「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,February,1974,Vol.14,No.2,Robert F. Fedors.(147〜154頁)」に記載の原子団のモル蒸発熱(△ei)の合計(ΔH)と、モル体積(△vi)の合計(V)を用いることができる。
前記の(メタ)アクリレート(E)としては、SP値が8.5〜12(cal/cm1/2であり、前記(メタ)アクリレート(C)及び(メタ)アクリレート(D)以外の芳香環を有する(メタ)アクリレート(E1)、SP値が8.5〜12(cal/cm1/2であり、前記(メタ)アクリレート(C)及び(メタ)アクリレート(D)以外の水酸基を有する(メタ)アクリレート(E2)、SP値が8.5〜12(cal/cm1/2であり、前記(メタ)アクリレート(C)及び(メタ)アクリレート(D)以外のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(E3)並びにSP値が8.5〜12(cal/cm1/2であり、前記(メタ)アクリレート(C)及び(メタ)アクリレート(D)以外の、(E1)〜(E3)以外のその他の(メタ)アクリレート(E4)等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレート(E)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記の芳香環を有する(メタ)アクリレート(E1)としては、芳香環を有する単官能(メタ)アクリレート(E11)及び芳香環を有する2官能の(メタ)アクリレート(E12)等が挙げられる。
前記の芳香環を有する単官能(メタ)アクリレート(E11)としては、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、o−、m−又はp−フェニルフェノールのモノ(メタ)アクリレート、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルのモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及び2.5モルのスチレンがフェノールに付加したスチレン化フェノールのモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記の芳香環を有する2官能の(メタ)アクリレート(E12)としては、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン等が挙げられる。
前記の水酸基を有する(メタ)アクリレート(E2)としては、水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート(E21)及び水酸基を有する2官能の(メタ)アクリレート(E22)等が挙げられる。
前記の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート(E21)としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロックポリマーのモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記の水酸基を有する2官能の(メタ)アクリレート(E22)としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロックポリマーのジ(メタ)アクリレート及びビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリル酸付加物等が挙げられる。
前記のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(E3)としては、1,4−ブタンジオールジアクリレート及び1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリレート(E3)の内、基材への密着性の観点から好ましいのは、1,4−ブタンジオールジアクリレートである。
前記のその他の(メタ)アクリレート(E4)としては、単官能のその他の(メタ)アクリレート(E41)及び2官能のその他の(メタ)アクリレート(E42)等が挙げられる。
前記の単官能のその他の(メタ)アクリレート(E41)としては、テトラヒドロフルフリルアクリレート等が挙げられる。
前記の2官能のその他の(メタ)アクリレート(E42)としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの(E)の内、基材への密着性の観点から、好ましいのはベンジル(メタ)アクリレート(SP値:10.1(cal/cm1/2)、フェノキシエチルアクリレート(SP値:10.1(cal/cm1/2)、1,4−ブタンジオールジアクリレート(SP値:9.7(cal/cm1/2)及びテトラヒドロフルフリルアクリレート(SP値:10.0(cal/cm1/2)であり、更に好ましいのは、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート及び1,4−ブタンジオールジアクリレートである。
本発明の硬化性組成物における必須成分であるオキシアルキレン基を有するポリシロキサン(F)は、分子内にオキシアルキレン基と、複数のシロキサン結合とを含有する化合物であれば特に限定されない。
前記のポリシロキサン(F)は、分子内に2〜100個のオキシアルキレン基を有するものが好ましい。
オキシアルキレン基を2個以上含有するポリシロキサンは、硬化性組成物を構成する他の原料との相溶性が良好であり、オキシアルキレン基が100個以下のポリシロキサンは、金型離型性が良好になり、好ましい。
ポリシロキサン(F)のオキシアルキレン基の数は、H−NMRを測定することによって得られる積分比を計算することで求められる。
ポリシロキサン(F)としては、アルキレンオキサイド(以下、AOと略記する)変性ポリジアルキルシロキサン等が挙げられ、末端がAOで変性されたポリジアルキルシロキサン(F1)及びポリシロキサンの側鎖がAOで変性されたポリジアルキルシロキサン(F2)等が挙げられる。
なお、前記のポリジアルキルシロキサン(F1)及びポリジアルキルシロキサン(F2)は、更に(メタ)アクリロイル変性されたものであってもよい。
前記のポリジアルキルシロキサン(F1)としては、末端がEOで変性されたポリジメチルシロキサン、末端がEO及びPOで変性されたポリジメチルシロキサン、末端がEOで変性されたポリジエチルシロキサン並びにこれらポリジメチルシロキサンの(メタ)アクリロイル変性物等が挙げられる。
前記のポリジアルキルシロキサン(F2)としては、側鎖がPOで変性されたポリジメチルシロキサン、側鎖がEO及びブチレンオキサイドで変性されたポリジメチルシロキサン、側鎖がEO及びPOで変性されたポリジメチルシロキサン並びにこれらポリジメチルシロキサンの(メタ)アクリロイル変性物等が挙げられる。
これらのポリシロキサン(F)のうち、金型離型性の観点から好ましいのは前記のポリジアルキルシロキサン(F2)であり、更に好ましいのは側鎖がEO及びPOで変性されたポリジメチルシロキサンである。
ポリシロキサン(F)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記のポリシロキサン(F)としては、前記の(メタ)アクリレート(A)〜(E)と相溶することが好ましい。
好ましいものとして、具体的には、アルキレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサン、アルキレンオキサイド及びアクリロイル変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。更に好ましくものとしては、これらの「アルキレンオキサイド」がポリエチレンオキサイド及び/又はポリプロピレンオキサイドであるものである。
本発明の硬化性組成物における必須成分であるラジカル重合開始剤(G)としては、光重合開始剤(G1)及び熱重合開始剤(G2)等が挙げられる。
前記の光重合開始剤(G1)としては、ベンゾイン化合物(G1−1)、アルキルフェノン化合物(G1−2)、アントラキノン化合物(G1−3)、チオキサントン化合物(G1−4)、ケタール化合物(G1−5)、ベンゾフェノン化合物(G1−6)、ホスフィンオキシド(G1−7)及びオキシムエステル化合物(G1−8)等が挙げられる。
ベンゾイン化合物(G1−1)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル及びベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。
アルキルフェノン化合物(G1−2)としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン及び2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等が挙げられる。
アントラキノン化合物(G1−3)としては、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン及び2−アミルアントラキノン等が挙げられる。
チオキサントン化合物(G1−4)としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン及び2−クロロチオキサントン等が挙げられる。
ケタール化合物(G1−5)としては、アセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
ベンゾフェノン化合物(G1−6)としては、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド及び4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
ホスフィンオキシド(G1−7)としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフォィンオキサイド及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
オキシムエステル化合物(G1−8)としては、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン2−(O−ベンゾイルオキシム)及びエタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
前記の熱重合開始剤(G2)としては、有機過酸化物(G2−1)及びアゾ開始剤(C2−2)等が挙げられる。
有機過酸化物(G2−1)としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ジラウロイルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジーメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α、α‘−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド及びt−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
アゾ開始剤(G2−2)としては、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾジ−t−オクタン及びアゾジ−t−ブタン等が挙げられる。
また、有機過酸化物は、還元剤〔重亜硫酸塩(重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム及び重亜硫酸アンモニウム等)、還元性金属塩[硫酸鉄(II)等]、遷移金属塩のアミン錯体[塩化コバルト(III)のペンタメチレンヘキサミン錯体及び塩化銅(II)のジエチレントリアミン錯体等]及び有機性還元剤[アスコルビン酸、3級アミン(ジメチルアミノ安息香酸(塩)及びジメチルアミノエタノール等)等]等〕と組み合わせることにより、レドックス反応により硬化性組成物を硬化することも可能である。
熱重合開始剤(G2)を単独で用いる場合は、ラジカル熱重合の常套手段にしたがって行えばよく、光重合開始剤(G1)と併用する場合は、光硬化させた後に更に反応率を向上させる目的で熱硬化を行うこともできる。
これらのラジカル重合開始剤(G)のうち、硬化性組成物を硬化する工程時間が短縮できる観点から光重合開始剤(G1)が好ましい。
光重合開始剤(G1)のうち、硬化物が黄変しにくいという耐光性の観点から好ましいのは、アルキルフェノン化合物(G1−2)及びホスフィンオキシド(G1−7)であり、更に好ましいのは、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド及びビス−(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、特に好ましいのは、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドである。
ラジカル重合開始剤(G)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
本発明の照射硬化性組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要によりその他の添加剤を含有させることができる。
添加剤としては、金型離型剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン光安定剤、紫外線吸収剤、耐電防止剤、着色剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、充填剤、界面活性剤、可塑剤、分散剤及びチクソトロピー性付与剤(増粘剤)等が挙げられる。
また、金型離型剤としては、特開2011−202106に記載の塩(C)、即ち、リン酸エステル(モノエステル及び/又はジエステル)と、3級アミン(3級脂肪族アミン、1級脂肪族アミンのアルキレンオキシド付加物及び2級脂肪族アミンのアルキレンオキシド付加物等)との塩等を好ましく用いることができる。
中でも、2−エチルヘキシルアルコールのリン酸エステルとN,N−ジメチルステアリルアミンとの塩及びトリデカノールEO10モル付加物のリン酸エステルとN,N−ジメチルステアリルアミンとの塩が好ましい。
また、前記の塩(C)を構成するリン酸エステルと3級アミンのモル比は、好ましくは0.5/1〜3/1であり、更に好ましくは0.8/1〜2/1であり、特に好ましくは1:1である。
本発明の硬化性組成物が含有する前記の(メタ)アクリレート(A)の重量割合は、金型離型性の観点から、(A)〜(E)の合計重量に基づいて、好ましくは5〜50重量%であり、更に好ましくは10〜40重量%であり、特に好ましくは15〜35重量%であり、最も好ましくは20〜30重量%である。
本発明の硬化性組成物が含有する前記の(メタ)アクリレート(B)の重量割合は、金型離型性の観点から、(A)〜(E)の合計重量に基づいて、好ましくは1〜40重量%であり、更に好ましくは2〜30重量%であり、特に好ましくは2〜25重量%である。
本発明の硬化性組成物が含有する前記の(メタ)アクリレート(C)の重量割合は、金型離型性の観点から、(A)〜(E)の合計重量に基づいて、好ましくは5〜40重量%であり、更に好ましくは5〜35重量%であり、特に好ましくは10〜35重量%である。
本発明の硬化性組成物が含有する前記の(メタ)アクリレート(D)の重量割合は、金型離型性の観点から、(A)〜(E)の合計重量に基づいて、好ましくは5〜40重量%であり、更に好ましくは5〜30重量%であり、特に好ましくは5〜25重量%である。
本発明の硬化性組成物が含有する前記の(メタ)アクリレート(E)の重量割合は、金型離型性の観点から、(A)〜(E)の合計重量に基づいて、好ましくは5〜40重量%であり、更に好ましくは10〜35重量%、特に好ましくは20〜35重量%である。
本発明の硬化性組成物が含有する前記のオキシアルキレン基を有するポリシロキサン(F)の重量割合は、金型離型性の観点から、硬化性組成物の合計重量に基づいて好ましくは0.05〜10重量%であり、更に好ましくは0.05〜7重量%であり、特に好ましくは0.05〜5重量%である。
本発明の硬化性組成物が含有する前記のラジカル重合開始剤(G)の重量割合は、硬化性組成物の合計重量に基づいて好ましくは0.1〜5重量%であり、更に好ましくは1〜4重量%である。
ラジカル重合開始剤(G)の重量割合が小さい場合、硬化が不十分となり金型から離型することができない。また、ラジカル重合開始剤(G)の重量割合が大きい場合、未反応のラジカル重合開始剤Gが多くなり硬化物中の不純物となり硬化物が脆くなり金型から離型する際のひび割れの原因になる。
前記硬化性組成物がその他の添加剤を含有する場合には、その他の添加剤の重量割合は、硬化物の機械的強度の観点から、硬化性組成物の合計重量に基づいて、好ましくは10重量%以下であり、更に好ましくは5重量%以下である。
本発明の硬化性組成物は、例えば前記の(メタ)アクリレート(A)、前記の(メタ)アクリレート(B)、前記の(メタ)アクリレート(C)、前記の(メタ)アクリレート(D)、前記の(メタ)アクリレート(E)、前記のオキシアルキレン基を有するポリシロキサン(F)及び前記のラジカル重合開始剤(G)並びに必要に応じて、前記のその他の添加剤を、公知の機械的混合方法(メカニカルスターラー及びマグネティックスターラー等を用いる方法)を用いて均一混合することで、製造することができる。
硬化性組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要により溶剤で希釈することができる。
溶剤としては、他の成分との相溶性、分散性の観点から、有機溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール及びオクタノール等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等)、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等)、エーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル及びジエチレングリコールモノブチルエーテル等)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン及びキシレン等)及びアミド(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等)等が挙げられる。
これらの内、硬化性組成物との相溶性の観点から好ましいのは、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、トルエン及びキシレンである。
前記の溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記の溶剤の重量割合は、揮発性有機化合物(VOC)低減及び硬化時の工数削減(光硬化性組成物塗工後の溶剤揮発工程の削減)の観点から、前記硬化性組成物の重量を基準として1重量%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.1重量%以下であり、特に好ましくは0重量%[即ち、硬化性組成物を溶剤で希釈しない]である。
本発明の硬化性組成物は、硬化させることで光学部品として使用可能な成形体を製造することができる。
以下に、本発明の硬化性組成物(H)を硬化させて、成形体を製造する方法について説明する。
本発明の硬化性組成物を用いた成形体の製造方法は、特に限定されないが、微細な凹凸構造を有する三次元形状のプラスチックレンズは、例えば微細な凹凸構造を有する平らな金型を用いて硬化性組成物を光硬化させ金型から離型することにより得ることができる。
より具体的な成形体の製造方法としては、以下の方法等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物を予め20〜50℃に温調し、成形体形状(例えば光学レンズ形状)が得られる上述の金型(型温は20〜50℃、好ましくは25〜40℃)にディスペンサー等を用いて、硬化後の厚みが20〜150μmとなるように塗工(又は充填)し、塗膜上からプラスチック基材(透明フィルムを含む)を空気が入らないように加圧積層する。
そして、該プラスチック基材上から活性エネルギー線を照射して該塗膜を硬化させる。なお、ラジカル重合開始剤(G)として、熱重合開始剤(G2)を含有する場合は、50〜250℃に加熱することによっても該塗膜を硬化させることができる。
その後、硬化物を型から離型し、成形体(例えばレンズシート)を得る。
プラスチック基材(透明フィルムを含む)としては、ポリイミド、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、メチルメタクリレート(共)重合物、ポリエチレンテレフタレート及びポリシクロオレフィン等の樹脂を用いて構成されるもの等が挙げられる。
また、プラスチック基材は、後述の活性光線を用いて硬化させる場合、透明であることが好ましい。
本発明における活性エネルギー線としては、熱線、活性光線及び電子線等が挙げられる。
本発明において、活性光線とは250nm〜830nmの波長を有する紫外線を意味する。
本発明の組成物を活性エネルギー線により硬化させる場合は、種々の活性エネルギー線照射装置[活性エネルギー線として活性光線を用いる場合は、フュージョンUVシステムズ(株)製、活性エネルギー線照射装置(型番:VPS/I600)]が使用できる。
使用するランプとしては、高圧水銀灯及びメタルハライドランプ等が挙げられる。
活性エネルギー線の照射量は、組成物の硬化性及び硬化物の可撓性の観点から好ましくは10〜10,000mJ/cm、更に好ましくは100〜5,000mJ/cmである。
本発明の硬化性組成物の硬化物は、プラスチック基材との密着性に優れ、かつ、硬化物の低反り性と金型離型性が優れているため、光学部材及び電気・電子部材として有用である。
また、本発明の硬化物を用いた光学部品も、プラスチック基材との密着性、硬化物の低反り性及び金型離型性が優れているため、フィルム状やシート状で使われるほか、プラスチックレンズ(プリズムレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ、視野角向上レンズ、視野角制御レンズ及びコントラスト向上レンズ等)、光学補償フィルム、位相差フィムル、電磁波シールド用フィルム、プリズム、光ファイバー、フレキシブルプリント配線用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜及び感光性光導波路として有用である。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、製造例1〜4で合成したウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A−1)〜(A−4)のMnは、以下の条件のGPCにより測定した。
[1]装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフィー 「HLC−8120GPC」、東ソー(株)製
[2]カラム :「TSKgel GMHXL」2本+「TSKgel Multipore HXL−M 」、東ソー(株)製
[3]溶離液 :テトラヒドロフラン
[4]基準物質:標準ポリスチレン (TSKstandard POLYSTYRENE)、東ソー(株)製
[5]注入条件:サンプル濃度0.25重量%、カラム温度40℃
また、製造例1〜4において、イソシアネート含有量は、試料に残存するイソシアネート基の重量を試料の重量に対する重量割合で表したものであり、JIS K 1603−1:2007に記載のイソシアネート基含有率(重量%)の測定方法に準拠して測定した。
<製造例1:ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A−1)の製造>
撹拌装置及び温度計を取り付けたガラス製の反応容器に、ポリテトラメチレングリコール[商品名:PTMG−1000、三菱化学(株)製、以降、PTMGと略記する]65.0重量部、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート[商品名:デスモジュールW、住化バイエルウレタン(株)製、以降、MDIHと略記する]26.6重量部、触媒としてビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)の2−エチルヘキサン酸50重量%溶液[商品名:ネオスタンU−600、日東化成(株)製]を0.5重量部仕込み、攪拌して均一溶液とした後、80℃に昇温した。容器内の温度を80℃に温度調整しながら、1段目のウレタン化反応を6時間行った。
イソシアネート含有量が5.65重量%以下になったのを確認した後、重合禁止の目的で酸素濃度を8体積%に調整した窒素と酸素の混合気体を液中に通気しながら、2−ヒドロキシエチルアクリレート(以降、HEAと略記する)を8.4重量部加え、75℃で2段目のウレタン化反応を2時間行った。イソシアネート含有量が0.01重量%以下になったのを確認した後、60℃に冷却し、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A−1)を得た。(A−1)のMnは3,100であった。
<製造例2:ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A−2)の製造>
製造例1において、PTMGに代えてビスフェノールAのPO2モル付加物[商品名:ニューポールBP2P、三洋化成工業(株)製、以降、BP2Pと略記する]54.0重量部を、MDIHに代えて3−イソシアナートメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート[商品名:VESTANAT IPDI、エボニックジャパン(株)製、以降、IPDIと略記する]を41.3部重量を用い、HEAの添加量を8.4重量部から4.5重量部に変更した以外は、製造例1と同様の操作で本発明におけるウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A−2)を得た。(A−2)のMnは4,600であった。
<製造例3:ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A−3)の製造>
製造例1において、MDIHに代えてヘキサメチレンジイソシアネート[商品名:デュラネート50M、旭化成(株)製、以降、HDIと略記する]を20.7重量部を用い、PTMGの添加量を65.0重量部から46.2重量部に変更し、HEAの添加量を8.4重量部から16.9重量部に変更した以外は、製造例1と同様の操作で本発明におけるウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A−3)を得た。(A−3)のMnは1,600であった。
<製造例4:ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A−4)の製造>
製造例1において、PTMGに代えてニューポールBP2Pを 36.1重量部を、MDIHに代えてキシリレンジイソシアナート[商品名:タケネ−ト 500、三井化学(株)製、以降、XDIと略記する]39.5重量部を用い、HEAの添加量を8.4重量部から24.4重量部に変更した以外は、製造例1と同様の操作で本発明におけるウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A−4)を得た。(A−4)のMnは4,400であった。
<実施例1及び比較例1>
混合用容器にて、表1に示す配合組成(重量部)で、各原料を25℃で混合して、実施例1の硬化性組成物(H−1)及び比較例1の比較用の硬化性組成物(R−1)を得た。
<実施例2〜9及び比較例2〜6>
混合用容器にて、表1に示す配合組成(重量部)で、各原料を80℃で混合して、硬化性組成物(H−2)〜(H−9)及び比較用の硬化性組成物(R−2)〜(R−6)を得た。
Figure 2019059918
(B−1):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート[商品名「ネオマーDA−600」、三洋化成工業(株)製、官能基数6]
(B−2):ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)アクリレート[商品名「ネオマーEA−300」、三洋化成工業(株)製、官能基数3の化合物と官能基数4の化合物との混合物]
(C−1):ビスフェノールAのEO4モル付加物のジアクリレート[商品名「ネオマーBA−641」、三洋化成工業(株)製、官能基数2]
(C−2):ビスフェノールAのEO17モル付加物のジアクリレート[商品名「NKエステル A−BPE−20」、新中村化学(株)製、官能基数2]
(D−1):イソボルニルアクリレート[商品名「ライトアクリレートIBXA」、共栄社化学(株)製、官能基数1、ホモポリマーのTg:97℃]
(D−2):N,N’−ジメチルアクリルアミド[商品名「ジメチルアクリルアミドDMAA」、KJケミカルズ(株)製、官能基数1、ホモポリマーのTg:119℃]
(D−3):N−ビニルピロリドン[商品名「NVP」、日本触媒(株)製、官能基数1、ホモポリマーのTg:80℃]
(D−4):アクリロイルモルホリン[商品名「ACMO」、KJケミカルズ(株)製、官能基数1、ホモポリマーのTg:145℃]
(E−1):ベンジルアクリレート[商品名「ファンクリルFA−BZA」、日立化成(株)製、官能基数1、SP値:10.1(cal/cm1/2、ホモポリマーのTg:6℃]
(E−2):フェノキシエチルアクリレート[商品名「ビスコート#192,PEA」、大阪有機化学工業(株)製、官能基数1、SP値:10.1(cal/cm1/2、ホモポリマーのTg:2℃]
(E−3):1,4−ブタンジオールジアクリレート[商品名「ビスコート#195」、大阪有機化学工業(株)製、官能基数2、SP値:9.7(cal/cm1/2
(E−4):ポリプロピレングリコールジアクリレート[商品名「ネオマー PA−305」、三洋化成工業(株)製、官能基数2、SP値:9.6(cal/cm1/2
(E−5):2−エチルヘキシルアクリレート[商品名「AEH」、(株)日本触媒製、官能基数1、SP値:8.6(cal/cm1/2、ホモポリマーのTg:−15℃]
(F−1):アルキレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサン[商品名「KF−352A」、信越化学工業(株)製、オキシアルキレン基数:86]
(F−2):アルキレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサン[商品名「BYK−333」、ビックケミー・ジャパン(株)製、オキシアルキレン基数:85]
(F−3):アルキレンオキサイド及びアクリロイル変性ポリジメチルシロキサン[商品名「BYK−UV3500」、ビックケミー・ジャパン(株)製、オキシアルキレン基数:61]
(G2−1−1):ジ−t−ブチルパーオキサイド[商品名「パーブチルD」、日油(株)製]
(G1−2−1):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキュア184」、BASF社製]
(G1−7−1):2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド[商品名「イルガキュアTPO」、BASF社製]
(G1−7−2):ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド[商品名「イルガキュア819」、BASF社製]
(G1−2−2):2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン[商品名「イルガキュア907」、BASF社製]
実施例1〜9の硬化性組成物(H−1)〜(H−9)及び比較例1〜6の比較用の硬化性組成物(R−1)〜(R−6)について、硬化物のプラスチック基材との密着性、反り性及び金型離型性を下記の方法で測定し、評価した。結果を表1に示す。
[プラスチック基材との密着性の評価]
(1)板ガラスの表面に、厚さが30μmになるように硬化性組成物を塗工した(塗工面積が、後に貼り合わせる基材フィルムの面積以上になるように塗工)。
(2)縦100mm×横100mm×厚さ100μmの平坦なPET脂製の基材フィルムとして、PET A4300[東洋紡(株)製]を塗工面に乗せ、ローラーを上から転がして空気を押し出して貼り合わせた。
(3−1):硬化性組成物(H−1)及び(R−1)の場合
硬化性樹脂を塗工した基材フィルムを100℃で10分加熱し、硬化性組成物を硬化させ、硬化物を作成した。基材フィルムと密着した硬化物を板ガラスから剥離し、評価用のフィルムを得た。なお、硬化性の厚さは30μmであった。
(3−2):硬化性組成物(H−1)及び(R−1)以外の硬化性組成物の場合
基材フィルム側から活性エネルギー線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、紫外線を室温で、照度:1,600mW/cm、1秒、露光量:1,000mJ/cm照射して、硬化性組成物を硬化させ、硬化物を作成した。基材フィルムと密着した硬化物を板ガラスから剥離し、評価用のフィルム(フィルムと密着した硬化物)を得た。なお、硬化性の厚さは30μmであった。
(4)板ガラスから剥離した硬化物をJIS K 5600−5−6に準拠し、25個(5個×5個)のマスができるよう2mm幅にカッターナイフで切込みを入れ、25個のマスに付着テープを接触させ、引きはがした。その後、25マス中、剥離せず密着しているマス目の個数を数えた。
(5)JIS K 5600−5−6に準拠し、(4)で付着テープを引きはがした試験片に、再度、付着テープを接触させ、引きはがした。その後、25マス中、剥離せず密着しているマス目の個数を数え以下の判定基準で評価した。
判定基準
◎:(4)の試験後も、(5)の試験後もフィルム上にマス目25個全部が残っている。
○:(4)の試験後にフィルム上にマス目25個全部が残っているが、(5)の試験後にフィルム上のマス目が1個以上欠けている。
×:(4)の試験後にフィルム上のマス目が1個以上欠けている。
[反り性の評価]
上記の密着性評価の硬化フィルムの作製において、PET脂製の基材フィルムの大きさを、縦100mm×横100mmから、縦150mm×横150mmに変更した以外は同様の操作で、反り性評価用のフィルムを作製した。
作成した硬化フィルムを縦100mm×横100mmの正方形に切断し(切断前の縦150mm×横150mmの正方形の中心と、切断後の縦100mm×横100mmの正方形の中心とが同一になるように切断)、室温で1時間温調した。
判定基準
この後、隙間(厚み)ゲージを用い、硬化物の四隅の反りを測定し、それによって、反り特性について試験サンプルを評価した
○:4隅の反りのうち、4つすべてが30mm以下。
×:4隅の反りのうち、1つでも30mmより大きいのがあるもの。
[金型離型性の評価]
(1)溝の深さ22μm、ピッチ幅50μmで平行に線を刻んで、微細に凹凸処理を施したSUS製の金型の表面に、金型の凹部分からの厚さが50μmになるように硬化性組成物を塗工した(塗工面積が、後に貼り合わせる基材フィルムの面積以上になるように塗工)。
(2)基材である厚さ80μmの上記記載のPET樹脂製の基材フィルムを塗工面に乗せ、ローラーを上から転がして空気を押し出して貼り合わせた。
(3−1):硬化性組成物(H−1)及び(R−1)の場合
硬化性樹脂を塗工した基材フィルムを100℃で10分加熱し、硬化性組成物を硬化させ、硬化物を作成した。
(3−2):硬化性組成物(H−1)及び(R−1)以外の硬化性組成物の場合
基材フィルム側から活性エネルギー線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、活性エネルギー線を室温で、照度:1,600mW/cm、1秒、露光量:1,000mJ/cm照射して、硬化性組成物を硬化させ、硬化物を作成した。
(4)フィルムと密着した硬化物を金型から剥離し、凹凸の転写が再現されているかをレーザー顕微鏡で確認し、以下の判定基準で評価した。
判定基準
◎:金型から剥離する際の力が5.0N/cmより小さく、剥離が容易で、金型に樹脂残りがなく、凹凸の転写が再現できている。
○:金型から剥離する際の力が5.0N/cm以上だが、金型に樹脂残りがなく、凹凸の転写が再現できている。
×:金型に樹脂残りがある又は凹凸の転写が再現できていない。
なお、PET樹脂製の基材フィルムに密着しなかった比較例5については評価できなかった。
なお、金型から剥離する際の力は、以下の方法で測定した。
PET樹脂製の基材フィルムをたわみ性被着材とみなし、金型を剛性被着剤とみなして、JIS K6854−1に記載のはく離接着強さ試験方法に準拠して、平均剥離力(N)を算出した。
算出した平均剥離力を、PET樹脂製基材フィルムの幅[つかみ移動方向と垂直方向の長さ(cm)]で除した値を、本発明における金型から剥離する際の力(N/cm)とした。
表1の結果から、実施例1〜9の本発明の硬化性組成物の硬化物は、プラスチック基材との密着性、反り性及び金型離型性が優れていることが分かる。
一方、(メタ)アクリレート(A)を含まない比較用の硬化性組成物(R−1)は、金型離形性、反り性、プラスチック基材との密着性の全てが悪い。
(メタ)アクリレート(B)を含まない比較用の硬化性組成物(R−2)は、金型離型性が悪い。
(メタ)アクリレート(C)を含まない比較用の硬化性組成物(R−3)は、反り性と金型離型性が悪い。
(メタ)アクリレート(D)を含まない比較用の硬化性組成物(R−4)は、反り性と金型離型性が悪い。
(メタ)アクリレート(E)を含まない比較用の硬化性組成物(R−5)は、プラスチック基材との密着性が悪い。
ポリシロキサン(F)を含まない比較用の硬化性組成物(R−6)は、金型離型性が悪い。
本発明の硬化性組成物の硬化物は、硬化時の反りが少なく、プラスチック基材との密着性に優れ、かつ、金型離型性が優れているため、光学部材及び電気・電子部材として有用である。
具体的には、フィルム状やシート状で使われるほか、プラスチックレンズ(プリズムレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ、視野角向上レンズ、視野角制御レンズ及びコントラスト向上レンズ等)、光学補償フィルム、位相差フィムル、電磁波シールド用フィルム、プリズム、光ファイバー、フレキシブルプリント配線用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜及び感光性光導波路として有用である。

Claims (4)

  1. ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(A)と、
    ウレタン結合を有さない3〜6官能の(メタ)アクリレート(B)と、
    下記一般式(1)で表される(メタ)アクリレート(C)と、
    ホモポリマーのガラス転移温度が40〜300℃であるウレタン結合を有さない単官能(メタ)アクリレート(D)と、
    前記(メタ)アクリレート(C)及び(メタ)アクリレート(D)以外のウレタン結合を有さないSP値が8.5〜12(cal/cm1/2である単官能又は2官能(メタ)アクリレート(E)と、
    オキシアルキレン基を有するポリシロキサン(F)と、
    ラジカル重合開始剤(G)とを含有する硬化性組成物であって、
    前記(メタ)アクリレート(A)が、ビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物及びポリオキシアルキレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオールと、脂環式ポリイソシアネート及び芳香族ポリイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネートとの重付加物であるイソシアネート基を2個以上有するウレタンプレポリマーに、水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートを付加してなるウレタン(メタ)アクリレートを含有する硬化性組成物(H)。
    Figure 2019059918
    [式(1)中、2個あるR及び2個あるRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し;m+n個あるRは、それぞれ独立に炭素数2〜3のアルキレン基を表し;m及びnは、それぞれ独立に1〜30の整数である。]
  2. 前記モノマー(E)が、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート及び1,4−ブタンジオールジアクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーである請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記(A)〜(E)の合計重量に基づいて、前記(メタ)アクリレート(A)の重量割合が5〜50重量%であり、前記(メタ)アクリレート(B)の重量割合が1〜40重量%であり、前記(メタ)アクリレート(C)の重量割合が5〜40重量%であり、前記(メタ)アクリレート(D)の重量割合が5〜40重量%であり、前記(メタ)アクリレート(E)の重量割合が5〜40重量%である請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物の硬化物。
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