JP2019049951A - 構造物管理装置、構造物管理方法、及び構造物管理プログラム - Google Patents

構造物管理装置、構造物管理方法、及び構造物管理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】構造物における進行性変状を効果的に把握する。【解決手段】構造物管理用図面作成装置10は、構造物の構造パラメータ及び構造物の撮影写真を登録する登録部11と、構造物の3Dモデル60を構造パラメータを用いて作成する3Dモデル作成部15と、3Dモデル作成部15により作成された3Dモデル60と登録部11により登録された前回写真70とが対応付けられている状態で、登録部11により今回写真80が登録された場合、前回写真70と今回写真80との対応点を特徴量マッチング手法により取得する対応点取得部103と、対応点取得部103により取得された対応点を選別する対応点選別部104と、対応点選別部104により選別された対応点に基づいて今回写真80を3Dモデル60と対応付けて3D空間に配置する3D空間配置部16とを備える。【選択図】図51

Description

本発明は、橋梁などの構造物を管理するための構造物管理装置、構造物管理方法、及び構造物管理プログラムに関し、特に、橋梁などの構造物における進行性変状を効果的に把握する技術に関する。
橋梁などの構造物は、検査−計画−工事といった一連の流れで管理すべきであり、こういった総合的マネジメント手法としてアセットマネジメントがある。アセットマネジメントでは、検査や工事の履歴を適切かつ時系列に管理することが重要であり、その管理を容易にするため、基本管理図と呼ばれる構造物管理用図面を用いるのが一般的である。
基本管理図を作成するには、橋梁構造物を測定する必要がある。その測定方法としては、TS(トータルステーション)による方法と、地上レーザーによる方法と、ステレオカメラによる方法の3通りの方法が知られている。また、基本管理図の管理方法としては、2次元的な管理方法や、撮影写真による管理方法がある。2次元的な管理方法は、橋梁構造物を2次元図面で管理する方法であり、紙ベースやCADなどで管理する場合によく用いられる。一方、撮影写真による管理方法とは、橋梁構造物の測定時や点検時などに橋梁構造物をデジタルカメラなどで撮影し、その撮影写真を管理しておくというものである。この管理方法は、橋梁構造物のありのままの変状を記録・管理したい場合に適している。撮影写真は膨大な枚数になるため、電子化してリスト形式やカタログ形式によりコンピュータ上で管理するのが一般的である。
しかしながら、このような従来技術によると、橋梁構造物の測定が煩雑となり、また基本管理図の作成コストが掛かるという課題がある。すなわち、TSや地上レーザーなどの高価な測定装置を用いれば、高精度に橋梁構造物を測定することができるが、基本管理図は、通常維持管理の検査業務のベースマップに使用するものであり、必要以上に高精度である必要はない。また、基本管理図を作成するための必要要件は、現地での測定作業が少なく、室内作業において容易に基本管理図を作成できることである。さらに、現地での測定作業を少なくするという意味では、ステレオカメラを用いた方法は有効であるが、橋梁構造物を一から作成することは室内作業工数が掛かるため実現的でない。
そこで、本出願人は、上記課題を解決するため、時系列管理に適した構造物管理用図面を容易に作成することのできる構造物管理用図面作成装置を提案している(特許文献1参照)。特許文献1に開示される構造物管理用図面作成装置によれば、撮影写真や変状・補修図形を時系列管理することができるため、時系列管理に適した構造物管理用図面を容易に作成することが可能となる。
特許4790090号公報
ところで、検査作業においては、予防保全の観点から、ひび割れなどの変状がどのように進行しているか適切に記録し、時系列に履歴管理することが重要である。検査作業は、煩雑で且つ時間を要する作業であるため、簡単な操作で効率的に行えるようにすることが要望されている。具体的には、継続的検査における要望として、2回目以降の検査作業の効率化を図りたい(誰もが簡単に行えるデータ更新方法を実現したい)という要望がある。また、劣化の進行性を把握するために正確に記録したい(時系列で整合性の取れた記録方法を実現したい)という要望もある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、構造物における進行性変状を効果的に把握することのできる構造物管理装置、構造物管理方法、及び構造物管理プログラムを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る構造物管理装置は、構造物を管理するための構造物管理装置であって、前記構造物の構造パラメータ及び前記構造物の撮影写真を登録する登録部と、前記構造物の3Dモデルを前記構造パラメータを用いて作成する3Dモデル作成部と、前記3Dモデル作成部により作成された3Dモデルと前記登録部により登録された前回の撮影写真とが対応付けられている状態で、前記登録部により今回の撮影写真が登録された場合、前回の撮影写真と今回の撮影写真との対応点を特徴量マッチング手法により取得する対応点取得部と、前記対応点取得部により取得された対応点を選別する対応点選別部と、前記対応点選別部により選別された対応点に基づいて今回の撮影写真を前記3Dモデルと対応付けて3D空間に配置する3D空間配置部とを備えたことを要旨とする。
本発明の一態様に係る構造物管理方法は、構造物を管理するための構造物管理方法であって、前記構造物の構造パラメータ及び前記構造物の撮影写真を登録する登録ステップと、前記構造物の3Dモデルを前記構造パラメータを用いて作成する3Dモデル作成ステップと、前記3Dモデル作成ステップで作成された3Dモデルと前記登録ステップで登録された前回の撮影写真とが対応付けられている状態で、前記登録ステップで今回の撮影写真が登録された場合、前回の撮影写真と今回の撮影写真との対応点を特徴量マッチング手法により取得する対応点取得ステップと、前記対応点取得ステップで取得された対応点を選別する対応点選別ステップと、前記対応点選別ステップで選別された対応点に基づいて今回の撮影写真を前記3Dモデルと対応付けて3D空間に配置する3D空間配置ステップとを含むことを要旨とする。
本発明の一態様に係る構造物管理プログラムは、前記構造物管理装置としてコンピュータを機能させることを要旨とする。
本発明によれば、構造物における進行性変状を効果的に把握することのできる構造物管理装置、構造物管理方法、及び構造物管理プログラムを提供することが可能である。
基本技術における構造物管理用図面作成装置の構成図である。 基本技術におけるステレオ撮影装置の概観図である。 基本技術における基本管理図作成方法を示す図である。 基本技術における部材寸法測定方法を示す図である。 基本技術における数式の説明図である。 基本技術における寸法測定条件の判定機能の説明図である。 基本技術におけるステレオ撮影装置の測定精度判定機能とキャリブレーション機能の説明図である。 基本技術における撮影写真管理方法を示す図である。 基本技術における経年変化管理方法を示す図である。 基本技術における変状箇所の位置算出方法を示す図である。 レンズ歪みなどを除去している場合の表示結果を示す図である。 レンズ歪みなどを除去していない場合の表示結果を示す図である。 デジタルカメラの内部機構に起因する歪み(誤差)要因の説明図である。 基本技術における検査、補修管理(変状測定)方法を示す図である。 変状箇所の位置及び数量を正確に測定する原理を示す図である。 基本技術における構造物管理用図面作成装置の動作を示すフローチャートである。 基本技術における構造物管理用図面作成装置の動作を示すフローチャートである。 基本技術における橋梁3Dモデル再構成処理の説明図である。 基本技術における橋梁3Dモデル再構成処理に必要な各種データの説明図である。 基本技術における橋梁3Dモデル再構成処理に必要な各種データの説明図である。 基本技術における橋梁(ラーメン高架橋)の3Dモデルの説明図である。 基本技術における橋梁(ラーメン高架橋)の3Dモデルの説明図である。 基本技術における橋梁3Dモデル再構成処理を示すフローチャートである。 基本技術における橋梁3Dモデル再構成処理を示すフローチャートである。 基本技術における橋梁の柱・はり・床版の骨格部材の平面図である。 基本技術における橋梁の柱・はり・床版の骨格部材の平面図である。 基本技術における橋梁の柱・はり・床版の骨格部材の平面図である。 基本技術における展開図作成処理の説明図である。 基本技術における展開図作成処理の説明図である。 基本技術における展開図作成処理の説明図である。 基本技術における展開図作成処理を示すフローチャートである。 基本技術における変状測定処理の説明図である。 基本技術における変状測定処理に必要な各種データの説明図である。 基本技術における変状測定処理を示すフローチャートである。 基本技術における変状測定処理の説明図である。 基本技術における変状測定処理の説明図である。 基本技術における変状測定処理の説明図である。 基本技術における撮影写真と変状・補修図形の時系列管理法の説明図である。 基本技術における撮影写真と変状・補修図形の時系列管理法の説明図である。 基本技術における撮影写真の時系列管理の具体例1を示す図である。 基本技術における撮影写真の時系列管理の具体例2を示す図である。 基本技術における変状・補修箇所の時系列管理の具体例1を示す図である。 基本技術における変状・補修箇所の時系列管理の具体例2を示す図である。 基本技術における変状・補修箇所の時系列管理の具体例3を示す図である。 従来の写真同士の対応付け適用分野の説明図である。 本発明の概要の説明図である。 本発明における関係性決定の説明図である。 本発明における関係性決定の説明図である。 本発明における第1の選別方法の説明図である。 本発明における第2、第3の選別方法の説明図である。 本発明における構造物管理用図面作成装置の構成図である。 本発明における進行性変状把握処理に必要な各種データの説明図である。 本発明における進行性変状把握理動作を示すフローチャートである。 本発明における進行性変状把握理動作を示すフローチャートである。 本発明における進行性変状把握理動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
≪基本技術≫
本発明は、特許文献1に開示される技術(以下、「基本技術」という。)の改良発明である。そのため、まずは基本技術の内容について説明する。
図1は、基本技術における構造物管理用図面作成装置10の構成図である。この構造物管理用図面作成装置10は、橋梁などの構造物の管理用図面(以下、「基本管理図」という場合がある。)を作成する装置であって、図1に示すように、登録部11と、基本管理図作成部12と、出力部13と、記憶部14と、3D(dimension)モデル作成部15と、3D空間配置部16と、3Dモデル再構成部17と、変状測定部18とを備えている。
登録部11は、構造物の構造パラメータや構造物の撮影写真などの各種情報を登録する。構造物の撮影写真としては、ステレオ撮影装置20により撮影されたステレオ撮影写真(右,左)を用いることができる。記憶部14は、各種情報を記憶するためのメモリである。3Dモデル作成部15は、構造物の3Dモデルを構造パラメータなどを用いて作成する。3D空間配置部16は、撮影写真を3D空間(X,Y,Z)に配置する。3Dモデル再構成部17は、3Dモデルの部材寸法を撮影写真を用いて更新し、更新後の部材寸法を用いて3Dモデルを再構成する。基本管理図作成部12は、再構成された3Dモデルを用いて管理用図面を作成する。出力部13は、作成された管理用図面を出力する。変状測定部18は、撮影写真上の変状箇所の位置及び数量を測定する。以下、機能別に詳しく説明する。
(基本管理図作成方法)
既に説明した通り、従来技術によると、橋梁構造物の測定が煩雑となり、また基本管理図の作成コストが掛かるという課題がある。そこで、基本技術では、時系列管理に適した基本管理図を容易に作成できるようにするため、以下の手法を採用している。
図2は、基本技術におけるステレオ撮影装置20の概観図である。このステレオ撮影装置20は、図2に示すように、一脚21の一方端にステレオ架台22を備え、そのステレオ架台22には、2台のデジタルカメラ23が所定の間隔で取り付けられている。2台のデジタルカメラ23には、リモートシャッターケーブル24が接続されており、2台同時シャッターリリースが可能となっている。
図3は、基本技術における基本管理図作成方法を示す図である。まず、橋梁構造別の橋梁3Dモデルのうち所望の橋梁3Dモデルを選択する。例えば、「ラーメン高架橋」「コンクリート単T桁(ゲルバー桁)」「コンクリート単版桁(スラブ桁)」「PC構造(I形桁、T形桁)」などの橋梁構造別の橋梁3Dモデルのうち「ラーメン高架橋」を選択すると、図3(A)に示すように、ラーメン高架橋の構造パラメータを入力するための画面が表示される。次いで、ラーメン高架橋の構造パラメータを入力すると、図3(B)に示すように、ラーメン高架橋の初期橋梁3Dモデルが表示される。初期橋梁3Dモデルが表示されると、ステレオ撮影写真を用いて部材寸法を測定する。この測定方法の詳細については後述するが、図3(C)に示すように、撮影写真上で測定したい箇所のみを指示すればよいようになっている。部材寸法を測定すると、図3(D)に示すように、測定した部材寸法に再構成された橋梁3Dモデルが完成する。この状態で出力を指示すると、図3(E)に示すように、完成した橋梁3Dモデルを用いて基本管理図(例えば展開図)が作成され、作成された基本管理図が出力される。
図4は、基本技術における部材寸法測定方法を示す図である。まず、図4(A)に示すように、測定したい部位(縦ばり)を選択すると、対応する撮影写真(対応する左右2つの画像)が表示される。ここで、図4(B)に示すように、左画像上で寸法測定箇所を2点指示すると、図4(C)に示すように、この2点に対応する右画像上の位置が自動的に探索される。その結果、〔数1〕〜〔数3〕により2点のXYZ座標が計算され、これらXYZ座標に基づいて寸法値(6805mm)が算出される。ここで、〔数1〕は、ステレオカメラ(モデル)の関係式であり、〔数2〕は、ステレオモデルのモデル座標(X,Y,Z)の計算式であり、〔数3〕は、ステレオモデルの実座標(X,Y,Z)の計算式である(図5参照)。なお、図5(B)では、測定対象に直交座標系を設定し、左カメラ位置にXYZ座標の原点を設定している。
図6は、基本技術における寸法測定条件の判定機能の説明図である。測定精度を確保するためには、ステレオ撮影装置20の仕様に合わせて次の条件を満足しなければならない。
(1)撮影距離25m以内(推奨20m以内)で撮影する。焦点距離24mm(35mm版カメラ換算)では撮影画角が広いため、対象接近しての撮影が可能である。
(2)測定対象に正対して撮影する。 ただし、やむを得ず斜めから撮影する場合、±30度以内(推奨±15度以内)とする。
そこで、部材寸法測定時に〔数4〕及び〔数5〕の計算を行う。〔数4〕は、距離Lの計算式である。〔数4〕中の|ベクトルOS|及び|ベクトルOE|は、それぞれ、撮影位置Oから測点S及びEまでの距離である。〔数5〕は、角度θの計算式である。ベクトルMOとベクトルMSの内積により角度θを計算し、撮影角|θ−90|を求める。
ここで、距離Lが25m以内(推奨20m以内)であるかどうかを判定するとともに、撮影角|θ−90|が30度以内(推奨15度以内)であるかどうかを判定する。この寸法測定条件を満たさない場合は、測定精度が所定制限を超える場合があることのメッセージを表示し、他の撮影写真を用いて測定することを促す等の処置を行う。
図7は、基本技術におけるステレオ撮影装置20の測定精度判定機能とキャリブレーション機能の説明図である。すなわち、構造物管理用図面作成装置10は、測定精度を確実に確保するために、ステレオ撮影装置20を用いた測定が所定の測定精度を満たすかどうかを判定する精度判定機能と、所定の測定精度を満たさない場合のキャリブレーション機能を備えている。
例えば、図7(A)に示すように、現場で看板の寸法をメジャーで測定したところ、縦×横=91cm×60cmであったとする。この場合、図7(B)に示すように、実測値をmm単位で入力すると、入力された実測値が所定の測定精度を満たすかどうか判定され、その判定結果が表示される。ここでは、所定の測定精度を満たす場合を想定しているため、判定結果として「○」が表示されている。一方、所定の測定精度を満たさない場合は、図7(C)に示すように、実測値の誤差が最小になるようにステレオ撮影装置20の撮影パラメータを調整する。なお、判定基準は特に限定されるものではないが、ここでは、誤差10mm以内、あるいは誤差率1%以内である場合を「○」としている。
以上のように、基本技術によれば、撮影写真を用いて橋梁3Dモデルを再構成し、再構成した橋梁3Dモデルを用いて基本管理図を作成するという手法を採用しているため、時系列管理に適した基本管理図を容易に作成することが可能となる。
(撮影写真管理方法)
従来技術によると、撮影写真の管理が煩雑で、橋梁構造物との位置関係が把握できないという課題がある。すなわち、橋梁構造物の測定や点検においては、撮影写真がどの部位をどの位置から撮影したものであるかを知っておくことは重要である。しかしながら、撮影した橋梁部位と撮影位置を対応付けて管理することは非常に面倒な作業であり、それぞれの撮影写真の位置関係を把握することはさらに困難である。そこで、基本技術では、橋梁構造物の位置関係を視覚的に把握できるようにするため、以下の手法を採用している。
図8は、基本技術における撮影写真管理方法を示す図である。まず、構造物管理用図面作成装置10には、橋梁構造物毎に撮影された撮影写真が登録されている。この状態で、図8(A)に示すように、登録された撮影写真を対象橋梁の径間や柱間などの区間分割した箇所にドラッグ&ドロップすると、ドロップされた3D空間上の位置に撮影写真が配置される。この時点では概略的な配置であるが、橋梁3Dモデルと撮影写真を対応付けることで、図8(B)に示すように、撮影写真の正確な配置が可能となり、また撮影写真から測定可能部位の対応付けが可能となる。
以上のように、基本技術によれば、3D空間上で撮影写真が管理されるため、橋梁構造物の位置関係を視覚的に把握することが可能となる。また、3D空間上の自由な位置に撮影写真を配置することができるため、例えば、橋梁構造物を下から上向きに撮影した写真を管理することも可能である。さらに、ステレオとして撮影写真を管理することができるため、その撮影写真を用いて距離・角度・面積などを測定することが可能となる。加えて、橋梁構造物別に撮影写真を検索することができるため、橋梁構造物別の撮影写真を時系列で管理することが可能となる。
(経年変化管理方法)
従来技術によると、補修履歴など橋梁構造物の経年変化を2次元図面で管理するため、実物の橋梁構造物をイメージしにくく、変状箇所の経年変化を把握しにくいという課題がある。そこで、基本技術では、変状箇所の経年変化を容易に把握できるようにするため、以下の手法を採用している。
図9は、基本技術における経年変化管理方法を示す図である。前記した3D空間上での撮影写真管理方法は、橋梁維持点検業務に活用することも可能である。すなわち、対象橋梁を撮影した複数枚の撮影写真を時系列かつ橋梁構造部位別に管理することにより、変状箇所の経年変化管理を実現することができる。具体的には、図9(A)中の点線で描いた矩形に示すように、橋梁構造物全体の橋梁3Dモデルにおいて経年変化を見たい箇所の構造物部位を選択する。これにより、図9(B)に示すように、選択された構造物部位について経年変化ビューアが表示されるようになっている。この経年変化ビューアを表示する際、撮影写真の撮影年月日や点検時のメモなどを記載・編集するための画面を表示するとともに、対象撮影写真をサムネイル表示することも可能である。
以上のように、基本技術によれば、橋梁3Dモデルを用いて3D空間上で経年変化を管理することができるため、3D構造物をイメージしやすく、変状箇所の経年変化を容易に把握することが可能となる。
(変状測定方法)
従来技術によると、変状箇所の位置及び数量を正確かつ安全に測定することが容易でないという課題がある。すなわち、実際の橋梁構造物に生じている変状箇所の位置及び数量を測定するには、高所作業車などにより対象箇所に接近し、スケールにより測定することとなるが、このような測定方法は、準備作業の作業負担や作業者の安全性の点で課題がある。また、ズームカメラによる点検作業を行うことも可能であるが、この場合、変状箇所の位置及び数量の測定に正確性を欠く。さらに、その結果を基本管理図に記載する場合、記載自体が模式図的なものになってしまう。そこで、基本技術では、変状箇所の位置及び数量を正確かつ安全に測定できるようにするため、以下の手法を採用している。
図10は、基本技術における変状箇所の位置算出方法を示す図である。すなわち、図10中に1〜4の点で示すように、橋梁3Dモデルと撮影写真を対応付ける。これにより、撮影写真のレンズ歪みなどを考慮した橋梁3Dモデルに基づいて正確に変状箇所の位置を算出することが可能となる。以下、レンズ歪みなどを除去している場合としていない場合の違いについて詳しく説明する。
図11は、レンズ歪みなどを除去している場合の表示結果を示す図である。すなわち、レンズ歪みなどを除去している場合は、図11(A)に示すように、正確に撮影位置を算出した後の撮影写真が配置される。そこで、配置された撮影写真(例えば、丸印で囲った撮影写真)をダブルクリックすると、図11(B)に示すように、この撮影写真が橋梁3Dモデルと重ね合わせて表示される。この図を見ても明らかなように、樽上のレンズ歪みが除去されているため、橋梁3Dモデルと撮影写真がピッタリと合っている。
図12は、レンズ歪みなどを除去していない場合の表示結果を示す図である。ここでも、図11(B)と同様、撮影写真が橋梁3Dモデルと重ね合わせて表示された状態を示している。ただし、樽上のレンズ歪みが除去されていないため、図12を見ても明らかなように、周辺部で橋梁3Dモデルと撮影写真のズレが大きくなっている。
図13は、デジタルカメラの内部機構に起因する歪み(誤差)要因の説明図である。すなわち、民生用に市販されているデジタルカメラは、写真測量用に製作されたものではない。そこで、基本技術では、民生用に市販されているデジタルカメラを測定用に利用するため、公称値の焦点距離補正量(Δf)、レンズ中心位置ズレ(xp,yp)、レンズ歪み量(ラジアル方向(樽型)レンズ歪み係数k1,k2)を正確に検定し、算出するようにしている。この作業は、写真測量ではカメラキャリブレーション(カメラ検定)と呼ばれている。そのため、焦点距離補正量(Δf)、レンズ中心位置ズレ(xp,yp)、ラジアル方向レンズ歪み係数(k1,k2)をカメラキャリブレーションデータと呼ぶ。他に、タンジェンシャル方向(糸巻型)レンズ歪み係数(p1,p2)を加える場合もある。タンジェンシャル方向のレンズ歪み係数も含めた場合の歪み補正量(Δx,Δy)の計算式を以下に示す。r2=x’2+y’2,(x ,y )は写真座標である。
Δx = (x/f)Δf + xp0 − x(k1r2+k2r4)−(p1(r2+2x2)+p2xy)
Δy = (y/f)Δf + yp0 − y(k1r2+k2r4)−( p1(r2+2y2)+p2xy)
図14は、基本技術における検査、補修管理(変状測定)方法を示す図である。すなわち、基本技術では、3D空間上に配置された撮影写真を用いた変状測定方法を採用している。具体的には、図14(A)に示すように、橋梁セットより作成済みの橋梁3Dモデルを選択し、この橋梁3Dモデルと単写真との間で特徴点を対応付ける。これにより、撮影位置が自動取得され、単写真が3D空間上に自動配置される。次いで、図14(B)中の矩形に示すように、3D空間上に配置された単写真上の変状をなぞる。これにより、なぞられた変状箇所の位置及び数量(長さや面積など)が測定され、変状を示す図形が橋梁3Dモデル上に作図されるとともに基本管理図上に出力される。測定された変状箇所の位置及び数量は、展開図以外の図面(変状展開図など)に反映させることも可能である。
図15は、変状箇所の位置及び数量を正確に測定する原理を示す図である。すなわち、基本技術によれば、橋梁3Dモデルと撮影写真の位置関係が正確に求まっている。そのため、撮影写真上の変状箇所が橋梁3Dモデルを構成する部材のどの面に対応しているかを判断することができる。例えば、図15に示すように、撮影写真L上の点A、B、C、Dは、対応する部材面L´上の点A´、B´、C´、D´にそれぞれ対応している。これにより、図14を用いて説明したように、単写真上で変状箇所を入力すると、その変状箇所の位置及び数量を正確に測定することが可能となる。
以上のように、基本技術によれば、撮影写真のレンズ歪みなどを考慮した橋梁3Dモデルと撮影写真を対応付けることができるため、変状箇所の位置及び数量を正確かつ安全に測定することが可能となる。
(構造物管理用図面作成装置10の動作)
図16は、基本技術における構造物管理用図面作成装置10の動作を示すフローチャートである。以下、図16を用いて構造物管理用図面を作成する動作について説明する。
まず、対象橋梁情報を予約登録する(ステップS1)。具体的には、橋梁名、橋梁形式、路線名、橋梁コード、セット番号、起点終点方駅名、キロ程、橋梁種別、撮影作業予定者、撮影予定日、対象橋梁構造別の構造パラメータを入力し、「予約登録」を指示する。これにより、対象橋梁の各種情報が記憶部14上のプロジェクトDBに予約登録される。
次いで、ステレオ撮影装置20により対象橋梁を撮影する(ステップS2)。
次いで、対象橋梁情報を本登録する(ステップS3)。具体的には、現地撮影の結果を踏まえ、予約登録されている橋梁情報を修正し、「本登録」を指示する。これにより、対象橋梁の各種情報がプロジェクトDBに本登録され、本登録された橋梁種別及びその構造パラメータを用いて初期の橋梁3Dモデルが作成される(ステップS4)。
次いで、ステレオ撮影写真を登録する(ステップS5)。具体的には、ステレオ撮影装置20をPCに接続し、デジタルカメラ内の記録メディアからPCに撮影写真を取り込む。左右カメラ内の記録メディアには、予め左カメラ及び右カメラの名称が付けられている。そのため、撮影写真を取り込むと、撮影時刻が同期してペアリングされ、自動的に左写真と右写真がリストアップされる。撮影時刻や左右写真の内容を確認して「登録」を指示すると、ステレオ撮影写真が登録される。
次いで、部材情報を付与する(ステップS6)。具体的には、ステレオ撮影写真を部材情報及び大まかな位置情報と対応付ける。このステップS5により、部材の寸法測定操作や撮影写真の3D空間配置操作をスムーズに行うことができる。
次いで、部材寸法を測定する(ステップS7)。具体的には、測定したい部材を選択後、その部材のステレオ撮影写真を呼び出し、写真上で部材両端をマウスカーソルで指示する。これにより、指示された2点の位置が自動的に探索されて部材寸法が測定される。
次いで、ステレオ撮影装置20を用いた測定が所定の測定精度を満たすかどうかを判定する(ステップS8)。ここで、所定の測定精度を満たさない場合はステレオ撮影装置20のキャリブレーションを行う(ステップS8→S9)。一方、所定の測定精度を満たす場合は部材寸法が更新され、更新後の部材寸法を用いて橋梁3Dモデルが再構成される(ステップS8→S10)。
次いで、基本管理図を作成して出力する(ステップS11→S12)。具体的には、完成した橋梁3Dモデルを用いて基本管理図(例えば展開図)を作成し、作成した基本管理図をディスプレイやプリンタなどに出力する。出力形式は、jpg形式やdxf形式など様々あり、特に限定されるものではない。
図17は、基本技術における構造物管理用図面作成装置10の動作を示すフローチャートである。以下、図17を用いて変状箇所を入力する動作について説明する。
まず、ステレオ撮影装置20により変状箇所を撮影する(ステップS21)。この撮影に使用するカメラはズーム機能付きのカメラであればよく、単カメラを使用してもよい。
次いで、対象橋梁情報をオープンする(ステップS22)。具体的には、変状箇所の入力対象橋梁のプロジェクトをプロジェクトDBからオープンする。
次いで、撮影写真を登録し、使用カメラを選択する(ステップS23)。具体的には、撮影写真をPCに取り込み、撮影写真を登録する。また、使用したカメラの情報を設定する。
次いで、部材情報を付与する(ステップS24)。具体的には、ステレオ撮影写真を部材情報及び大まかな位置情報と対応付ける。このステップS24により、部材の寸法測定操作や撮影写真の3D空間配置操作をスムーズに行うことができる。なお、このステップS24を省略して次のステップS25を実行することも可能である。
次いで、橋梁3Dモデルを撮影写真と対応付ける(ステップS25)。具体的には、橋梁3Dモデルと写真画像のそれぞれで最低4点以上の同一点を指示し、橋梁3Dモデルと写真画像の関係式を算出する。対応付けが完了すると、撮影位置と撮影方向が正確に求められ、この情報を用いて3D空間上に撮影写真を正確に配置する。配置された撮影写真は正確に橋梁3Dモデルと重なるため、撮影写真上で入力した変状箇所が橋梁3Dモデルの実座標系に投影され、変状箇所の位置及び数量を正確に測定することが可能となる。
次いで、変状箇所を入力する(ステップS26)。具体的には、写真画像上で入力した変状箇所のデータを画像座標系から橋梁3Dモデル上の実座標系に変換し、対象部材上の位置及び数量を算出する。また、変状箇所を入力する際、ひび割れ、剥離、鉄筋浮きなどの属性情報や判定区分などを入力座標値データと合わせて登録する。
最後に、変状箇所を基本管理図と合成して出力する(ステップS27)。具体的には、測定した変状箇所を別レイヤーとして基本管理図(例えば展開図)上に合成出力する。
(特徴的な処理)
以上説明したように、基本技術の構造物管理用図面作成装置10によれば、従来にない新規な処理を実行することができる。その中でも特徴的な処理を以下に改めて列挙する。
(1)橋梁3Dモデル再構成処理
初期橋梁3Dモデルの部材寸法を撮影写真を用いて更新し、更新後の部材寸法を用いて橋梁3Dモデルを再構成する。その際、更新の対象部材が隣接している他部材との関係を考慮し、橋梁3Dモデルの全部材の位置・寸法値をリアルタイムに更新し、橋梁3Dモデルを変形して再構成する。例えば、図18(A)(B)(C)は、再構成前の橋梁3Dモデルを示し、図18(D)(E)(F)は再構成後の橋梁3Dモデルを示している。ここで、図18(A)の矢印に示す2つの部材を更新すると、これら部材に隣接している各種部材が自動的に変形される。具体的には、図18(B)(E)に示すように、床版部の形状は長方形から矩形形状へ変形され、図18(C)(F)に示すように、柱形状も長方形から矩形形状へ変形されることになる。
図19及び図20は、橋梁3Dモデル再構成処理に必要な各種データの説明図である。以下、これらの図を用いて、橋梁3Dモデル再構成処理をさらに詳しく説明する。
基本管理図作成DB30は、記憶部14に記憶されるデータベースであり、図19に示すように、プロジェクト情報テーブル31と、ステレオカメラ情報テーブル32と、カメラ情報テーブル33とを含んでいる。プロジェクト情報テーブル31は、図20(A)に示すように、「ID」「プロジェクト名」「予定入力者」等のプロジェクト情報を格納するためのテーブルである。ステレオカメラ情報テーブル32は、図20(B)に示すように、「ID」「カメラペア名」「撮影方式」等のステレオカメラ情報を格納するためのテーブルである。カメラ情報テーブル33は、図20(C)に示すように、「ID」「カメラ名」「シリアル番号」等のカメラ情報を格納するためのテーブルである。プロジェクト情報テーブル31中のカメラペアIDは、ステレオカメラ情報テーブル32中のカメラペア名に対応付けされており、また、ステレオカメラ情報テーブル32中の左カメラID及び右カメラIDは、カメラ情報テーブル33中のカメラ名に対応付けされている。
図19に示すように、プロジェクト情報ファイル35にプロジェクトデータ34が設定されると、そのプロジェクトデータ34はプロジェクト情報テーブル31にも格納される(更新時も同様)。プロジェクトデータ34に設定された橋梁構造及び構造パラメータは、 橋梁3Dモデル情報ファイル36に記述される。3Dモデルデータフォルダ37は、橋梁3Dモデル情報ファイル36に記述されている橋梁3Dモデルを構成する各部材の3Dモデルデータ用のフォルダである。部材寸法が測定されると、3Dモデルデータフォルダ37内の部材寸法値が更新される。展開図用内部ファイル38は、橋梁3Dモデル情報に基づいて展開図出力用に作成される内部ファイルである。この内部ファイル38に基づいてjpg形式やdxf形式などの展開図ファイル39が出力される。ステレオ写真情報ファイル40には、ステレオ写真情報(例えば、ステレオペア毎にペアの画像ファイル名、3D空間に配置した時の対応点情報、撮影位置情報など)が記述される。実写真画像は、左写真画像データフォルダ「L」41と右写真画像データフォルダ「R」フォルダ42に格納される。ステレオ測定時の測定データは、一時的に記憶メモリ上に格納されるが、ファイルへは出力されない。
図21及び図22は、橋梁(ラーメン高架橋)の3Dモデルの説明図である。
橋梁3Dモデルは、図21(A)(B)に示すように、柱・縦ばり・横ばり・床版などの各部材の3Dモデルから構成される。これら部材の3Dモデルデータが「柱i−j.x」「縦i−j.x」「横i−j.x」「床i−j.x」等である。これら部材をステレオ撮影写真からの寸法測定値に基づいて更新し、全体の橋梁3Dモデルを再構築する。図22に示すように、i(=1,…,m)とj(=1,…,n)で柱位置を定義し、柱i−j、梁(縦i−j、横i−j、中縦/中横i−j)の部位名称を決める。mは、線路方向(起点から終点への方向)の柱の数であり、nは、線路直交方向(左から右への方向)の柱の数である。
図23は、橋梁3Dモデル再構成処理を示すフローチャートである。
まず、初期の橋梁3Dモデルが作成され(ステップS31)、部材寸法が測定されると(ステップS32)、対象部材の寸法が変更され(ステップS33)、対象部材に接続される橋梁3Dモデル情報が読み込まれる(ステップS34)。対象部材に接続(隣接)されているかどうかは、橋梁3Dモデル情報ファイル36の内容に基づいて判定することができる。
次いで、橋梁3Dモデル情報に基づいて柱3Dモデルデータへの影響が判定される(ステップS35)。柱3Dモデルデータとは、橋梁を構成する柱の3Dモデルデータである。
ここで、柱3Dモデルデータへの影響がないと判定された場合は、対象部材の3Dモデルデータが更新される(ステップS36)。柱3Dモデルデータへの影響がない場合とは、(1)高欄の高さを変更する場合、(2)床版張り出し部の長さを変更する場合、(3)中層縦(横)ばりの高さ・幅を変更する場合など、その部材自体の寸法変更が他の部材へ影響を与えない場合をいう。
一方、柱3Dモデルデータへの影響があると判定された場合は、対象部材に接続される柱3Dモデルデータが抽出され(ステップS37)、抽出された柱3Dモデルデータが対象部材の寸法変更に基づいて更新される(ステップS38)。「柱3Dモデルデータの更新」とは、柱の位置XYと寸法を更新することを意味する。さらに、このように更新された柱3Dモデルに接続される部材の3Dモデルデータが抽出され、(ステップS39)、抽出された部材の3Dモデルデータが同様に更新される(ステップS40)。
全ての接続部材の3Dモデルデータの更新が完了すると(ステップS41)、再構成された橋梁3Dモデルが作成される(ステップS42)。以上の処理は、全ての部材寸法が測定される度に繰り返される(ステップS43→S32)。
図24は、橋梁3Dモデル再構成処理を示すフローチャートであり、図25、図26、及び図27は、橋梁の柱・はり・床版の骨格部材の平面図である。以下、これらの図を用いて、柱3Dモデルデータの更新(図23、ステップS38)、及び部材3Dモデルデータの更新(図23、ステップS40)をさらに詳しく説明する。
まず、横ばり長さがL0からL1に変更されると(ステップS51)、この寸法変更を全ての横ばりに適用するかどうかが判定される(ステップS52)。ここで、図25(A)に示すように、寸法変更を全ての横ばりに適用する場合は、基準(固定)柱として柱i−1を選択し(ステップS53)、基準柱i−1の中心位置を決定するために基準柱i−1をΔLだけ移動させた後(ステップS54)、縦ばりiをΔLだけ移動させる(ステップS55)。ΔLは“L1−L0”である。さらに、横ばりiの寸法をL0からL1に変更すると(ステップS56)、図25(B)に示すように、全ての横ばりの寸法が更新されることになる。
一方、図26(A)に示すように、寸法変更を1つの横ばりに適用する場合は、基準柱として柱1−1を選択する(ステップS57)。そして、図26(B)に示すように、柱1−2の中心位置を決定するために柱1−2をΔLだけ移動させた後(ステップS58)、lやlなどの直線式を計算し(ステップS59)、柱i−2の位置を決定する。この柱i−2の位置を決定する方法としては、移動後の柱1−2位置と、この柱1−2位置から最も離れた位置にある柱4−2位置とを通る直線lを求め、この直線lと直線l及びlとの交点をそれぞれ柱2−2位置及び柱3−2位置とするのが好ましい。このようにすれば、個々の柱i−2の位置を精度よく且つ高速に決定することができる。
次いで、図26(C)に示すように、直線lと直線lのなす角θを算出し(ステップS60)、変形後の柱寸法W´を算出した後、柱・縦ばり・横ばりの形状を変更する(ステップS61→S62)。具体的には、図26(D)に示すように、柱の寸法より直線lの平行線である補助直線l 及びl を求めて縦ばり形状を変更する。そして、横ばりの寸法より直線lの平行線である補助直線l 及びl を求め、直線l とl との交点、直線l とl との交点を計算し、横ばり形状を変更する。柱の変形角度は、直線lとlとのなす角θに基づいて算出でき、柱の変形角度を算出できれば、変形前の正方形や長方形の寸法Wより変形後の寸法W´を算出できる。全ての柱・横ばり・縦ばりの形状が変更されると(ステップS63)、擬似アフィン変換式を算出し(ステップS64)、図26(E)に示すように、擬似アフィン変換式を用いて床版部の形状を変更する(ステップS65)。
さらに、縦ばりの寸法が短くなるように変更する場合について説明する。この場合は、図27(A)に示すように、○印の柱を基点とし、現在の縦ばり方向に沿って長さを調整する。具体的には、図27(B)に示すように、対の柱を固定し、移動した柱位置との間で直線lを求める。そして、この直線lの平行補助直線l 及びl を求め、直線l 、直線l 、直線l 、直線l との交点を計算すると、図27(C)に示すように、柱・縦ばり・横ばりの形状を変更することができる。
(2)展開図作成処理
完成した橋梁3Dモデルから基本管理図である展開図を作成する。その際、橋梁3Dモデルを構成する個々の3Dモデルについて全ての面を展開するのではなく、図28や図29に示すように、他の部材と接している面(外部から見えない面)は展開しない。すなわち、個々の部材の位置や隣接関係を考慮し、展開図に含めるべき面を判断するようになっている。このようにすれば、橋梁を管理するうえで不要な面が展開図に含まれないため、管理が容易になるというメリットがある。なお、図30に示すように、展開図には、その展開図に含まれる部材に対応する撮影写真を埋め込むことも可能である。
図31は、展開図作成処理を示すフローチャートである。
まず、橋梁3Dモデルが作成され(ステップS71)、対象部材に接続される橋梁3Dモデル情報が読み込まれると(ステップS72)、この橋梁3Dモデル情報に基づいて展開図として出力する面が判定される(ステップS73)。ここでは、面の全領域が他部材と隣接しない面であり(ステップS74)、かつ、外部から見える面である場合(ステップS75)は、展開図として出力すべき面であると判定することとしている。「面の全領域が他部材と隣接しない」とは、面の一部でも他部材と隣接しない領域があることを意味する。
このように展開図として出力すべき面を判定すると、その面を展開図出力メモリへ登録し(ステップS76)、同部材のグループ化を行った後(ステップS77)、指定位置に配置出力する(ステップS78)。全ての部材について展開図出力が完了すると(ステップS79)、展開図内部ファイルを出力し(ステップS80)、jpg形式やdxf形式などで展開図を出力する(ステップS81)。
(3)変状測定処理
作成した橋梁3Dモデルを撮影写真と対応付けることにより、撮影写真上で変状箇所(コンクリートのひび割れ、剥離、鉄筋露出など)を入力すると、その変状箇所の位置及び数量が画像座標系から橋梁3Dモデルの実座標系に変換され、変状の長さや面積が正確に測定される。これにより、図32に示すように、変状箇所を撮影した撮影写真1上で変状箇所を入力すると、その変状箇所は展開図1にも正確に反映される。その後の点検業務で同じ部材について新しい変状箇所を撮影した場合は、この撮影写真2上で新しい変状箇所を入力する。これにより、これまでの変状結果を示す展開図2がインポートされ、その展開図2に新しい変状箇所が反映される(展開図3参照)。
図33は、変状測定処理に必要な各種データの説明図である。図19と異なる点は、変状測定情報ファイル43と、変状測定用内部ファイル44と、変状図ファイル45とが追加された点である。変状測定情報ファイル43は、変状箇所の測定情報を格納するファイルである。変状測定用内部ファイル44は、変状箇所の測定情報に基づいて変状図出力用に作成される内部ファイルである。この内部ファイル44に基づいてjpg形式やdxf形式などの変状図ファイル45やcsv形式の変状数量表45が出力される。
図34は、変状測定処理を示すフローチャートであり、図35、図36、及び図37は、変状測定処理の説明図である。以下、これらの図を用いて、変状測定処理をさらに詳しく説明する。
まず、レンズ歪みが除去された写真画像を作成し(ステップS91)、橋梁3Dモデルと写真画像の対応点を取得する(ステップS92)。次いで、撮影位置(Xo,Yo,Zo)と撮影方向角(Ω,Φ,Κ)を算出し(ステップS93)、写真画像上の変状(長さ・面積)を測定する(ステップS94)。さらに、図35に示すように、撮影位置(視点)からの視線ベクトルVsを計算して橋梁3Dモデルと交差する3Dモデル面を抽出し(ステップS95→S96)、抽出した3Dモデル面の数を判定する(ステップS97)。
ここで、3Dモデル面を抽出しなかった場合は、「対象3D面が存在しません。別の写真を使用下さい。」等のメッセージを表示する(ステップS98)。また、1個の3Dモデル面を抽出した場合は、図36に示すように、視線ベクトルと対象3Dモデル面の交点座標XYZを計算する(ステップS99)。また、2個以上の3Dモデル面を抽出した場合は、図37に示すように、面法線ベクトルVと視線ベクトル距離Sを計算し(ステップS100)、最適面を選定する(ステップS101)。最適面とは、抽出した2個以上の3Dモデル面のうちの最適な面であり、例えば、(1)VとVのなす角θが180度に最も近い面や、(2)Sが最も近い面を選定する(ステップS102)。このようにすれば、(1)VとVのなす角θが180度に近い面ほど作業者に正対しており、また、(2)Sが最も近い面は作業者から見て最も手前にあるため、最適面を選定することができる。
次いで、算出されたXYZ座標を面XY座標に変換し(ステップS103)、変状測定結果の属性情報を登録する(ステップS104)。そして、全ての箇所について変状測定が完了すると、変状測定データを出力する(ステップS105→S106)。過去の変状測定結果がある場合は、その過去の変状測定データを読み込み、展開図に重ね合わせて出力する(ステップS107→S108→S109)。
(4)時系列管理
基本技術の構造物管理用図面作成装置10によれば、撮影写真や、変状・補修箇所の位置(どの部材、どの位置にあるか)、形状(図形)、数量(長さや面積)を時系列管理することができる。撮影写真の時系列管理は、主に、登録部11、3D空間配置部16、ステレオ写真情報ファイル40によって実現される。すなわち、登録部11は、撮影写真(単写真)の属性情報をステレオ写真情報ファイル40に記述し、3D空間配置部16は、撮影写真を3D空間に配置する際、ステレオ写真情報ファイル40を参照して撮影写真の属性情報を利用する。また、変状・補修箇所の位置、形状、数量の時系列管理は、主に、変状測定部18、基本管理図作成部12、変状測定情報ファイル43によって実現される。すなわち、変状測定部18は、変状・補修図形の属性情報を変状測定情報ファイル43に記述し、基本管理図作成部12は、基本管理図を作成する際、変状測定情報ファイル43を参照して変状・補修図形の属性情報を利用する。以下、このような時系列管理を図面に従って詳しく説明する。
図38は、撮影写真と変状・補修図形の時系列管理法の説明図である。まず、工事(撮影)歴や検査(撮影)歴は、図38(A)に示すように、ステレオ写真の登録画面において設定することができる。例えば、ある橋梁に対して次のような4回の撮影が行われたとする。
(1)2007/12/10の基図作成撮影
(2)2009/01/10の通常全般検査撮影
(3)2009/12/14の○○工事-00-00
(4)2010/11/26の通常全般検査撮影
これら全ての撮影写真は、対象橋梁のプロジェクトに登録される。次いで、撮影写真の属性を設定する。ここでは、図38(A)に示すように、撮影写真が「基図作成」「検査情報」「工事情報」のいずれに該当するかラジオボタンで選択するようになっている。「基図作成」を選択すると、図38(B)に示すように、「撮影日時」「撮像種別」「撮影名称」等を設定することができる。「検査情報」を選択すると、図38(C)に示すように、「検査日時」「検査種別」「検査名称」等を設定することができる。「工事情報」を選択すると、図38(D)に示すように、「工事日時」「工事種別」「工事名称」等を設定することができる。検査名称は、検査日時と検査種別を用いて自動的に設定され、工事名称は、工事日時と工事種別を用いて自動的に設定されるようになっている。もちろん、このように設定された検査名称や工事名称は、手動で修正することが可能である。次いで、図38(E)に示すように、検査または工事歴の撮影写真を登録し、管理する。変状・補修図形の検査または工事歴は、入力済みの撮影写真の工事歴を継承することができる。なお、以下では主に工事歴を例示して説明するが、検査歴についても同様である。
図39は、撮影写真と変状・補修図形の時系列管理法の説明図である。まず、図39(A)に示すように、時系列管理画面において表示条件(表示セット)を選択する。ここでは、表示条件として「全ての撮影」が選択されている。その他の表示条件としては、「2007/12/10基図作成」「2009/01/10通常全般検査」「2009/12/14の○○工事-00-00」「2010/11/26の通常全般検査撮影」「最新の工事」などがある。表示条件を選択することにより、チェックボックスのOn/Offを効率よく設定することができる。この時系列管理画面において所望の工事歴を選択すると、図39(C)(D)(E)に示すように、その対象の撮影写真や変状・補修箇所、展開図が表示される。
図40は、撮影写真の時系列管理の具体例1を示す図である。まず、工事歴を選択すると、図40(A)に示すように、その対象の撮影写真が写真リスト画面に表示される。また、図40(B)に示すように、その対象の撮影写真が3D空間上に配置され、3D空間画面に表示される。この状態で、図40(B)中に丸印で示す撮影写真をダブルクリックすると、図40(C)に示すように、その撮影写真の情報(例えば「2009/01/10通常全般検査」)がステータスバー上に表示される。ここで、所望の部材を選択した状態で矢印キー「←」「→」「↑」「↓」を押下すると、その部材の撮影写真が順次表示される。撮影写真の表示順序(移動方法)は特に限定されるものではない。例えば、「←」「→」キーを押下した場合は同じ工事内で移動し、「↑」キーを押下した場合は過去に移動し、「↓」キーを押下した場合は異なる工事へ移動するようになっている。
図41は、撮影写真の時系列管理の具体例2を示す図である。この具体例は、図9に示されるソフトウェアの実画面に相当するものである。図中、左上の画面で所望の部材を選択すると、矢印(イ)に示すように、その部材を撮影したサムネイル写真の一覧が表示される。この状態で所望のサムネイル写真をダブルクリックすると、矢印(ロ)に示すように、その撮影写真の管理画面が表示される。また、図中、左下の画面で変状図形を選択した場合も、矢印(ハ)に示すように、その変状図形に関連付けされている撮影写真の管理画面が表示されるようになっている。
図42は、変状・補修箇所の時系列管理の具体例1を示す図である。まず、工事歴を選択すると、図42(A)に示すように、その工事の際に入力された変状・補修箇所の図形が3D空間画面に表示される。この状態で3D空間画面上の撮影写真(図示せず)を選択すると、図42(B)に示すように、その撮影写真の情報がポップアップで表示される。そこで、変状・補修箇所を選択すると、その変状・補修箇所についてコメントや判定区分が表示される。ここでは、スペースキーを押下することで写真と変状とを切り替えることができる。
図43は、変状・補修箇所の時系列管理の具体例2を示す図である。図43(A)に示すように、変状・補修箇所の入力写真画像画面でも工事歴を選択し、その対象の変状・補修箇所を表示する。これにより、過去の変状・補修箇所が現在どのような状況に変化したかを容易に把握することができる。また、図43(B)に示すように、展開図の表示画面上でも同様に工事歴毎に変状・補修箇所を表示する。これにより、変状・補修箇所がどのように分布し、進行しているか時系列に把握することができ、補修計画立案に役立てることが可能となる。
図44は、変状・補修箇所の時系列管理の具体例3を示す図である。図44(A)に示すように、変状・補修箇所の集計出力においても工事歴を選択し、その対象の変状・補修箇所を表示する。これにより、工事歴毎に部材毎の変状量や補修量を集計することができる。また、図44(B)に示すように、異なる時期の集計結果により変状面積と補修面積の変化を把握することが可能となる。
なお、ここでは、主に変状・補修箇所の図形の時系列管理及び集計について説明したが、基本技術はこれに限定されるものではない。すなわち、変状・補修箇所の図形の時系列管理及び集計を行う対象は、より具体的に説明すると、変状・補修箇所の位置(どの部材、どの位置にあるか)、形状(図形)、数量(長さや面積)である。
以上のように、基本技術における構造物管理用図面作成装置10によれば、撮影写真や変状・補修図形を時系列管理することができる。すなわち、撮影写真を工事歴毎に3D空間上で管理することができる。また、写真リスト画面や一覧リスト画面でも撮影写真を工事歴毎に管理することができる。入力した変状・補修図形についても同様、3D空間画面上、展開図画面上、入力写真画面上で工事歴毎に管理することができる。また、撮影写真を入力する際に、入力済みの変状・補修図形を重ねて表示することができる。さらに、変状・補修図形の集計出力において工事歴を指定することで、その時の変状・補修箇所を集計することができる。
なお、前記の説明では特に言及しなかったが、展開図作成処理や変状測定処理は、必ずしも再構築処理が行われていることを前提とする処理ではない。すなわち、再構築処理後の3Dモデルではなく初期の3Dモデルを用いても、前記と同様の手法で展開図作成処理や変状測定処理を行うことができる場合がある。
すなわち、変状測定処理では、3Dモデルと撮影写真を正確に対応付けることで、正確な測定を可能としている。言い換えると、初期の3Dモデルは、実際の橋梁構造の寸法値と違う未完成3Dモデルであり、正確性に欠ける。しかし、多くの橋梁は標準形であり、標準形の橋梁については、初期の3Dモデルを用いても問題なく展開図作成処理や変状測定処理を行うことができる。
≪本発明の実施の形態≫
次に、本発明について、基本技術と異なる点を中心に説明する。本発明は、基本技術の改良発明であり、写真同士の対応付けにより進行性変状を効果的に把握する技術である。もちろん、本発明は、基本技術の内容の全てを備えている。
(従来の写真同士の対応付け適用分野)
写真同士の対応付けとは、2枚以上の写真間で同じ位置の点(対応点)を見つけ出すことである。
図45は、従来の写真同士の対応付け適用分野の説明図である(出典:コンピュータビジョン最先端ガイド2)。具体的には、図45(A)は、対応点探索による画像のマッチング(モザイク画像作成)の一例を示している。図45(B)は、特徴点追跡(人物追跡)の一例を示している。図45(C)は、特定画像による物体認識(道路標識認識)の一例を示している。これらの図に示すように、写真同士の対応付け手法である特徴量マッチングについては、これまで多くの適用事例が紹介されている。
しかし、これらはコンピュータビジョンの画像解析での適用事例であり、橋梁構造物などのインフラの維持管理分野での適応事例ではない。特に、変状の進行性を把握するためには、撮影した写真と橋梁構造物の3Dモデルとを正確に対応付ける必要がある。そこで、本発明では、3D空間上に配置した撮影写真を用い、写真同士の対応付けを行うことで、撮影写真と3Dモデルとの正確な対応付けにより進行性変状を効果的に把握する手法を採用している。
(本発明の概要)
図46は、本発明の概要の説明図である。ここでは、構造物管理用図面作成装置10を用いて写真同士を対応付け、進行性変状の把握と記録を行う様子を示している。構造物管理用図面作成装置10は、室内に設置されたコンピュータでもよいが、現場検査作業で用いるタブレット端末でもよい。説明の都合上、画面を一部拡大したり着目箇所を枠で囲ったりしているが、もちろん、これらの画面は単なる一例である。
まず、図46(A)では、前回検査の状態の3Dモデル60を画面に表示し、枠F1内に示される変状50に着目している。変状50は、3Dモデル60上に配置されたひび割れ等の変状図形である。
次いで、図46(B)では、前回検査において撮影された写真(以下、「前回写真」という。)70を画面左側に表示し、今回検査において撮影された写真(以下、「今回写真」という。)80を画面右側に表示している。前回写真70は、既に3Dモデル60と対応付けられているものとする。この状態で前回写真70と今回写真80とを対応付けることにより、今回写真80を正確に3D空間に配置することができる。
次いで、図46(C)では、前回検査において入力した変状50を今回写真80と重畳表示し(枠F2参照)、その変状50の箇所を拡大して表示している(枠F3参照)。このとき、今回検査の変状が進行している場合は、その進行性箇所を変状50に追加的に入力する(枠F4参照)。この追加的入力は自動でもよいし、手動でもよい。例えば、作業者は、今回写真80上の変状が進行していることを確認すると、その進行性箇所をなぞるようにして変状50の図形を編集するようにしてもよい。
最後に、図46(D)では、今回検査の状態の3Dモデル60を画面に表示している。この画面では、図46(C)の編集結果が反映されている。すなわち、枠F5内に示される変状50のうち一番左の変状50については、下方向にひび割れが進行している。
以上のように、本発明によれば、異なる時期の写真同士を対応付けることにより、2回目以降の検査作業の効率化を図ることができる。また、変状の進行性を正確に記録できることはいうまでもなく、検査−計画−工事といった一連の流れで橋梁の保守管理を行うサイクルの中で、変状の補修工事の記録を適切に反映し、時系列に履歴管理する場合にも活用できる。そのため、3Dモデル60を情報共有・管理の基図として,橋梁の検査記録の品質と効率を高め,維持管理の全体最適化を推進できる。
(今回写真と3Dモデルとの正確な関係性決定)
図47及び図48は、今回写真80と3Dモデル60との正確な関係性決定の説明図である。正確な関係性決定とは、3Dモデル60に対して、どの位置から、どの方向に向いて撮影したかを正確に決定すること(写真測量における単写真標定)である。
まず、図47(A)に示すように、前回写真70上のXYと3Dモデル60上のXYZとが対応付けられているものとする。これにより、図47(B)に示すように、前回写真70と3Dモデル60とを重畳表示した場合、前回写真70と3Dモデル60とを正確に一致させることができる。
このとき、図48(A)に示すように、前回写真70と3Dモデル60の各面が対応し、透過した状態となっている。例えば、前回写真70上の点71のXYは、3Dモデル60上のXYZと対応している。そこで、図48(B)に示すように、前回写真70と今回写真80を表示した状態で「対応付け実行」を指示すると、自動的に、前回写真70と今回写真80との対応点が特徴量マッチング手法により取得され、その対応点の中から関係性決定に使用する点として4点〜8点が選別される。これにより、今回写真80上の点81のXYと3Dモデル60上のXYZとの正確な関係性が決定される。
以上のように、本発明では、既に3Dモデル60と対応付けられている前回写真70を仲介にして、今回写真80上の点81のXYと3Dモデル60上のXYZとの正確な関係性を決定するようにしている。これにより、今回写真80と3Dモデル60とを重畳表示した場合でも、今回写真80と3Dモデル60とを正確に一致させることができる。
(対応点の選別方法)
次に、本発明における対応点の選別方法について詳細に説明する。本発明では、以下に説明する3つの選別方法を適宜組み合わせ、対応点を選別するようにしている。以下の説明では、特徴量マッチング手法により取得された段階の対応点を「取得点」といい、その取得点の中から選別された対応点を「選別点」という場合がある。
なお、特徴量マッチング手法とは、写真内のエッジやコーナー点などの特徴量をもとに二つの写真同士で同じ位置である対応点(ここでは取得点)を見つけ出す手法のことである。特徴量マッチング手法を使った場合は、手動により同一点を見つける方法に比べ、画像処理によるこの手法の方が誰もが簡単に行うという利点があり、さらに、取得点から選別点を抽出する処理が適用しやすい利点がある。
(1)3Dモデル60の活用による選別方法
今回写真80と3Dモデル60との正確な関係性を決定するために、3Dモデル部分以外に存在する取得点は不要である。そこで、本発明では、前回写真70と3Dモデル60とを内部処理で重畳表示させ、マスク処理により3Dモデル部分以外に存在する取得点を除外するようにしている。
図49は、3Dモデル60の活用による選別方法の説明図である。従来技術によれば、図49(A)に示すように、3Dモデル60を活用しないため、3Dモデル60と関係ない箇所(鉄塔、家など)でも対応点が取得される。一方、本発明によれば、図49(B)に示すように、3Dモデル部分のマスク60Mを用いてマスク処理を行う。すなわち、3Dモデル60を活用するため、3Dモデル60と関係ない箇所で取得された対応点が除外される(枠F11,F12参照)。これにより、3Dモデル60との関係で有効な取得点のみが容易に選別され、今回写真80と3Dモデル60とを正確に対応付けることが可能になる。また、対応点を取得した後にマスク処理を行うことにより、いったんは3Dモデル60と関係ない箇所でも対応点が取得されるため、3Dモデル60の輪郭部分で対応点を取得できるという効果もある。
(2)既存配置済の撮影写真の活用による選別方法
3D空間に配置済みの撮影写真で選別済み(3Dモデルと撮影写真との間で同じ位置が正確に選定されている)の対応点(以下、選別済みの対応点)は、3Dモデル60上で重要な点である。そこで、マスク処理により選別した対応点のうち、選別済みの対応点位置に近いものを優先して選別するようにしてもよい。
図50(A)の左側の写真は、3D空間に配置済の前回写真70であり、図50(A)の右側の写真は、これから3D空間に配置する今回写真80である。ここでは、選別済みの対応点2(大きな○印)、対応点4(大きな○印)の近く(例えば、100ピクセル以内)に取得点があるため、その取得点(小さな○印)を選別している。これにより、3Dモデル60上で重要な点を優先して選別することができるため、3Dモデルと撮影写真との間で同じ位置が正確に選定できていると判断できるため、より正確に今回写真80と3Dモデル60とを対応付けることが可能になる。
(3)均等配置及び取得範囲を考慮した選別方法
多数の対応点が取得された場合、選別点の偏りを排除することが重要である。そこで、マスク処理により選別した対応点のうち、取得点を囲む矩形82の四隅に近いものを優先して選別するようにしてもよい。
図50(B)は、これから3D空間に配置する今回写真80を示している。ここでは、取得点を囲む矩形82の四隅の近く(例えば、100ピクセル以内)に取得点があるため、その取得点を優先して選別している。これにより、選別点の偏りを排除することができるだけでなく、取得点を囲む矩形82の最大範囲から取得点を選別することができるため、より正確に今回写真80と3Dモデル60とを対応付けることが可能になる。
以上のように、本発明では、特徴量マッチング手法により取得された対応点を選別し、今回写真80と3Dモデル60とを正確に対応付けることが可能である。なお、上記した3つの選別方法の実行順序は、“(1)3Dモデル60の活用による選別方法”が最初であればよく、“(2)既存配置済の撮影写真の活用による選別方法”と“(3)均等配置及び取得範囲を考慮した選別方法”の実行順序は特に限定されるものではない。
(構造物管理用図面作成装置)
図51は、本発明における構造物管理用図面作成装置10の構成図である。この構造物管理用図面作成装置10は、構造物を管理するための構造物管理装置であって、図51に示すように、登録部11と、基本管理図作成部12と、出力部13と、記憶部14と、3Dモデル作成部15と、3D空間配置部16と、3Dモデル再構成部17と、変状測定部18に加え、画像処理パラメータ登録部101と、時系列リンク管理部102と、対応点取得部103と、対応点選別部104とを備えている。
画像処理パラメータ登録部101は、画像処理で使用する各種パラメータを登録する処理部である。具体的には、対応点取得部103の画像処理で使用する処理方法や処理結果の判定閾値を登録するようになっている。
時系列リンク管理部102は、変状図形や撮影写真を時系列にリンクさせて管理する処理部である。具体的には、変状図形を入力した写真(画像)の撮影時期と時系列(検査工事歴)とを結び付けて管理するようになっている。
対応点取得部103は、写真同士の対応点(例えば、前回写真70と今回写真80との対応点)を特徴量マッチング手法により取得する処理部である。特徴量マッチング手法は、特徴点抽出による候補点(KeyPointとも呼ばれる。)の抽出と候補点から、その点の特徴量を類似度判定に用いるマッチング手法である。
対応点選別部104は、対応点取得部103により取得された対応点の中から、3D空間配置部16で使用する対応点を選別する処理部である。選別方法としては、(1)3Dモデル60の活用による選別方法、(2)既存配置済の撮影写真の活用による選別方法、(3)均等配置及び取得範囲を考慮した選別方法などを採用することができる。
(各種データ)
図52は、進行性変状を効果的に把握するために必要な各種データの説明図である。図33と異なる点は、検査工事情報ファイル111と、変状補修情報ファイル112と、写真対応付け処理内部ファイル113とが追加された点である。
検査工事情報ファイル111は、検査や工事毎の情報を登録し、時系列管理を行うためのファイルである。検査や工事毎の情報としては、検査工事ID、検査・工事区分、検査工事の名称、検査工事日、作業者、検査対象区分(内面、外面の区分)などがある。
変状補修情報ファイル112は、入力変状図形の図形情報や属性情報を登録し、さらにその撮影写真ID、検査工事IDを登録したファイルである。図形情報としては、図形区分(連続線分、矩形)、図形データ(写真上と3Dモデル60上の座標値)などがある。属性情報としては、変状ID、変状種別、変状サイズ、判定区分、概要、記事などがある。変状IDをキーに、検査工事ID、撮影写真IDが関連付けられている。修繕工事により変状が補修されるため、補修済みの情報も変状補修情報ファイル112で管理している。
写真対応付け処理内部ファイル113は、特徴量マッチング処理で使用するパラメータやマッチング結果を一時的に内部で管理するためのファイルである。
なお、図52には、図33にない3Dモデルデータファイル37A、左写真画像ファイル41A、右写真画像ファイル42Aを追加しているが、これらは補足的に追加したものである。すなわち、3Dモデルデータファイル37Aは、3Dモデルデータフォルダ37に格納される3Dモデルデータである。左写真画像ファイル41Aは、左写真画像データフォルダ「L」41に格納される実写真画像である。右写真画像ファイル42Aは、右写真画像データフォルダ「R」42に格納される実写真画像である。
(進行性変状把握動作)
図53及び図54は、本発明における構造物管理用図面作成装置(タブレット端末)10を用いて進行性変状を把握する動作を示すフローチャートである。図53及び図54の全てのステップで、橋梁3Dモデル情報ファイル36、変状補修情報ファイル112、ステレオ写真情報ファイル40、検査工事情報ファイル111の4つのデータを使用する。
まず、変状リストを表示する(ステップS111)。具体的には、現場でタブレット端末を操作し、変状補修情報ファイル112から変状IDをキーにして現状の変状データをリスト表示する。
次いで、変状図形・撮影写真を表示する(ステップS112)。具体的には、変状の進行性を判断するために、変状リストから変状データを選択し、3Dモデル60上の前回検査の変状図形の位置とその変状に該当する撮影写真(前回写真70)を表示する。
次いで、現在の変状状況を判断する(ステップS113)。このとき、変状に進行性がない場合は、ステップS128に進む。一方、変状に進行性がある場合は、進行性変状の更新入力を行うためにデジタルカメラ等で写真撮影を行い(ステップS114)、その撮影写真(今回写真80)をWi−Fi等でタブレット端末に転送し、当該プロジェクトにインポートして登録する(ステップS115)。
次いで、前回写真70と今回写真80の2写真を表示する(ステップS116)。前回写真70は、前回検査において撮影された写真(既存変状を入力した時の写真)である。今回写真80は、今回検査において撮影された写真(現在の写真)である。前回検査は、今回検査の1回前の検査であってもよいし、2回以上前の検査であってもよい。
次いで、写真同士の対応付けを行う(ステップS117)。具体的には、特徴量マッチング処理を行い、前回写真70と今回写真80との対応点を取得する。このマッチング結果は、一時的に写真対応付け処理内部ファイル113に記録される。
次いで、対応付け判定閾値による点抽出を行う(ステップS118)。具体的には、ステップS117で取得した対応点のうち、閾値による判定を行い、類似度の高い対応点を抽出する。この点抽出結果も、一時的に写真対応付け処理内部ファイル113に記録される。
次いで、対応点を選別する(ステップS119)。具体的には、ステップS118で抽出した対応点のうち、(1)3Dモデル60の活用による選別方法、(2)既存配置済の撮影写真の活用による選別方法、(3)均等配置及び取得範囲を考慮した選別方法などにより対応点を選別する。このステップS119の詳細については後述する。
次いで、選別対応点の3D座標値を算出する(ステップS120)。具体的には、ステップS119で選別した画像上対応点に対応する3Dモデル60上の3D座標値を算出する。
次いで、選別対応点による写真配置を行う(ステップS121)。具体的には、ステップS120で算出した3D座標値(画像上、3Dモデル60上)を用いて単写真標定を行い、3D空間に今回写真80を配置する。単写真標定とは、撮影写真の撮影位置と撮影方向を算出することである。
次いで、進行性変状の確認表示を行う(ステップS122)。具体的には、ステップS121の写真配置によって、正確に3Dモデル60と今回写真80との関係性が決定されたため、今回写真80上に前回検査の変状を重畳表示し、進行性変状の状況を確認する。
次いで、進行の状態に従って変状の形状を更新し(ステップS123)、図形分割が必要かどうかを判断する(ステップS124)。図形分割とは、進行性変状とそうでない変状とを区別するために、グループ化されている変状から進行性変状を分割する処理である。
このとき、図形分割が必要である場合は、図形分割を行い(ステップS125)、属性情報の更新が必要かどうかを判断する(ステップS126)。また、属性情報の更新が必要である場合は、属性情報(例えば、進行性変状の判定種別)を更新する(ステップS127)。図形の長さや面積は図形形状を更新すると同時に自動的に更新されるようになっている。
以上の処理を全ての変状について繰り返す(ステップS128→S129でNO→S112→・・・)。全ての変状について作業が終了すると(ステップS128→S129でYES)、更新入力した変状内容を変状リストに反映する(ステップS130)。
(対応点選別動作)
以下、ステップS119の対応点選別について更に詳しく説明する。なお、以下の説明では、選別基準を満たす場合を「採用」といい、満たさない場合を「不採用」という。
図55は、対応点を選別する動作を示すフローチャートである。図55の全てのステップでも、橋梁3Dモデル情報ファイル36、変状補修情報ファイル112、ステレオ写真情報ファイル40、検査工事情報ファイル111の4つのデータを使用する。
まず、3Dモデル60のマスク60Mを作成する(ステップS131)。具体的には、前回写真70に合致するように3Dモデル60を回転・移動させ、3Dモデル部分のマスク60Mを作成する。
次いで、マスク60Mによる不採用対応点を除去する(ステップS132)。具体的には、マスク60M以外の箇所に対応点がある場合、その対応点は不採用として除外する。
次いで、四隅の近傍点を採用する(ステップS133)。具体的には、ステップS132で採用された対応点(マスク60Mの箇所にある点)を囲む矩形82の四隅の近傍に対応点がある場合は、この対応点を採用する。
次いで、選別済みの対応点の近傍点を採用する(ステップS134)。具体的には、前回写真70で選別済みの対応点の近傍に対応点がある場合は、この対応点を採用する。
これにより、採用点の数が4点以上8点以下に達した場合は対応点選別処理を終了する(ステップS135→終了)。一方、採用点が4点以上8点以下に達しない場合は次の対応点について同様の処理を繰り返す(ステップS135,S138,S137,S136→S133→・・・)。全ての採用点について同様の処理を繰り返しても採用点が4点未満である場合は手動で対応点を追加する(ステップS135→S139)。
なお、ステップS133とS134の順番は逆でもよい。
以上説明したように、本発明における構造物管理用図面作成装置10は、構造物を管理するための構造物管理装置であって、構造物の構造パラメータ及び構造物の撮影写真を登録する登録部11と、構造物の3Dモデル60を構造パラメータを用いて作成する3Dモデル作成部15と、3Dモデル作成部15により作成された3Dモデル60と登録部11により登録された前回写真70とが対応付けられている状態で、登録部11により今回写真80が登録された場合、前回写真70と今回写真80との対応点を特徴量マッチング手法により取得する対応点取得部103と、対応点取得部103により取得された対応点を選別する対応点選別部104と、対応点選別部104により選別された対応点に基づいて今回写真80を3Dモデル60と対応付けて3D空間に配置する3D空間配置部16とを備える。これにより、写真同士の対応付けにより進行性変状を効果的に把握することが可能となる。
また、対応点選別部104は、前回写真70と3Dモデル60とを重畳させ、マスク処理により3Dモデル部分以外に存在する対応点を除外してもよい。これにより、3Dモデル60との関係で有効な取得点のみが容易に選別され、今回写真80と3Dモデル60とを正確に対応付けることが可能になる。また、いったんは3Dモデル60と関係ない箇所でも対応点が取得されるため、3Dモデル60の輪郭部分で対応点を取得できるという効果もある。
また、対応点選別部104は、マスク処理により選別した対応点のうち、3D空間に配置済みの撮影写真で選別済みの対応点位置に近いものを優先して選別してもよい。これにより、3Dモデル60上で重要な点を優先して選別することができるため、より正確に今回写真80と3Dモデル60とを対応付けることが可能になる。
また、対応点選別部104は、マスク処理により選別した対応点のうち、その対応点を囲む矩形82の四隅に近いものを優先して選別してもよい。これにより、選別点の偏りを排除することができるだけでなく、取得点を囲む矩形82の最大範囲から取得点を選別することができるため、より正確に今回写真80と3Dモデル60とを対応付けることが可能になる。
また、撮影写真上に変状図形を入力する変状測定部18と、変状図形を入力した撮影写真を時系列に関連付けて管理する時系列リンク管理部102とを備え、3D空間配置部16は、前回写真70上に変状図形が入力されている場合、その変状図形を今回写真80に重畳させてもよい。これにより、重畳された変状図形と今回写真80とを比較することで、容易に進行性変状を把握することが可能になる。
また、変状測定部18は、今回写真80上の変状の進行状態に従って、今回写真80に重畳された変状図形を編集してもよい。これにより、進行性変状が最新の状態に編集されるため、正確な経年変化を管理することが可能になる。
なお、上記の説明では、本発明を構造物管理用図面作成装置10に適用した場合を例示して説明したが、図面を作成する機能などは必ずしも必要でない。すなわち、本発明は、構造物を管理するための装置全般に適用することが可能である。
また、上記の説明では、橋梁の管理する場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、橋梁以外の構造物を管理する場合も同様に本発明を適用することが可能である。
また、本発明は、構造物管理用図面作成装置10として実現することができるだけでなく、構造物管理用図面作成装置10が備える特徴的な処理部をステップとする構造物管理方法として実現したり、構造物管理用図面作成装置10としてコンピュータを機能させる構造物管理プログラムとして実現したりすることもできる。このようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのはいうまでもない。
≪その他の実施の形態≫
上記のように、いくつかの実施の形態を記載したが、開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、各実施の形態を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
このように、各実施の形態は、ここでは記載していない様々な態様を含む。
10…構造物管理用図面作成装置(構造物管理装置)
11…登録部
12…基本管理図作成部
13…出力部
14…記憶部
15…3Dモデル作成部
16…3D空間配置部
17…3Dモデル再構成部
18…変状測定部
20…ステレオ撮影装置
101…画像処理パラメータ登録部
102…時系列リンク管理部
103…対応点取得部
104…対応点選別部

Claims (8)

  1. 構造物を管理するための構造物管理装置であって、
    前記構造物の構造パラメータ及び前記構造物の撮影写真を登録する登録部と、
    前記構造物の3Dモデルを前記構造パラメータを用いて作成する3Dモデル作成部と、
    前記3Dモデル作成部により作成された3Dモデルと前記登録部により登録された前回の撮影写真とが対応付けられている状態で、前記登録部により今回の撮影写真が登録された場合、前回の撮影写真と今回の撮影写真との対応点を特徴量マッチング手法により取得する対応点取得部と、
    前記対応点取得部により取得された対応点を選別する対応点選別部と、
    前記対応点選別部により選別された対応点に基づいて今回の撮影写真を前記3Dモデルと対応付けて3D空間に配置する3D空間配置部と
    を備えたことを特徴とする構造物管理装置。
  2. 前記対応点選別部は、前回の撮影写真と前記3Dモデルとを重畳させ、マスク処理により前記3Dモデル部分以外に存在する対応点を除外することを特徴とする請求項1記載の構造物管理装置。
  3. 前記対応点選別部は、前記マスク処理により選別した対応点のうち、前記3D空間に配置済みの撮影写真で選別済みの対応点位置に近いものを優先して選別することを特徴とする請求項2記載の構造物管理装置。
  4. 前記対応点選別部は、前記マスク処理により選別した対応点のうち、その対応点を囲む矩形の四隅に近いものを優先して選別することを特徴とする請求項2記載の構造物管理装置。
  5. 撮影写真上に変状図形を入力する変状測定部と、
    前記変状図形を入力した撮影写真を時系列に関連付けて管理する時系列リンク管理部と
    を備え、
    前記3D空間配置部は、前回の撮影写真上に前記変状図形が入力されている場合、その変状図形を今回の撮影写真に重畳させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の構造物管理装置。
  6. 前記変状測定部は、今回の撮影写真上の変状の進行状態に従って、今回の撮影写真に重畳された変状図形を編集することを特徴とする請求項5に記載の構造物管理装置。
  7. 構造物を管理するための構造物管理方法であって、
    前記構造物の構造パラメータ及び前記構造物の撮影写真を登録する登録ステップと、
    前記構造物の3Dモデルを前記構造パラメータを用いて作成する3Dモデル作成ステップと、
    前記3Dモデル作成ステップで作成された3Dモデルと前記登録ステップで登録された前回の撮影写真とが対応付けられている状態で、前記登録ステップで今回の撮影写真が登録された場合、前回の撮影写真と今回の撮影写真との対応点を特徴量マッチング手法により取得する対応点取得ステップと、
    前記対応点取得ステップで取得された対応点を選別する対応点選別ステップと、
    前記対応点選別ステップで選別された対応点に基づいて今回の撮影写真を前記3Dモデルと対応付けて3D空間に配置する3D空間配置ステップと
    を含むことを特徴とする構造物管理方法。
  8. 請求項1から6のいずれか1項に記載した構造物管理装置としてコンピュータを機能させることを特徴とする構造物管理プログラム。
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