JP2019049200A - 施錠機能付きキャビネットの開閉体装置 - Google Patents

施錠機能付きキャビネットの開閉体装置 Download PDF

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祥悟 岡崎
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Abstract

【課題】キャビネット筐体の前面開口部に開閉可能に設ける扉等の開閉体に、引手と施錠装置を組み込み、該施錠装置が少なくとも電気錠を含むものである電気錠付き操作ユニットにおいて、開閉体への引手と施錠装置の組み付けが簡単であり、また様々な種類やサイズの開閉体にも引手配置に対する自由度を持たせることができる電気錠付き操作ユニットを提供する。【解決手段】開閉体に設ける本体ケース部40に引手3と施錠装置4を組み込み、該施錠装置が少なくとも電気錠6を含むものである電気錠付き操作ユニットであって、電気錠がソレノイド9を含む施錠機構部と認証手段10とからなり、本体ケース部に引手を挟んで施錠機構部と認証手段を配置した。本体ケース部に、電気錠のソレノイドと認証手段間を繋ぐコードを引掛ける機能81を設けた。【選択図】 図4

Description

本発明は、電気錠付き操作ユニットに係わり、更に詳しくは開閉体に取付けて引手と施錠機能を付与するための電気錠付き操作ユニットに関するものである。
従来から、キャビネット筐体の前面開口部に開閉可能に設ける扉に、引手と施錠装置が組み込まれた構造のものは各種提供されている。ここで、施錠装置としては、機械式や電気式のものがあるが、電気錠を備えた施錠装置は、電気錠が非通電時にラッチを係合状態のまま維持する、つまり施錠状態となるように構成し、通電時に施錠状態を解除してラッチを回転させ、筐体の框部に対する係合を解除して、扉を開くことができるように構成している。そして、扉を閉じてラッチが筐体の框部に係合した状態で、電気錠に対して非通電とすることで、ラッチの施錠状態に戻すというものである。
電気錠が非通電時に施錠状態となるように構成することは、扉を閉止時に常に施錠状態にすることができ、使用電力を節約できるとともに、施錠忘れを防ぎ、防盗性に優れるといった利点があるが、前記電気錠に商用電源から電力を供給している場合には停電時に、一次電池や二次電池から電力を供給している場合には電池切れ時に、施錠状態から脱却できないといった問題がある。そのため、通常は、機械錠を組み合わせた非常解錠機能を備え、電気錠に電力が供給できなくなった際にも、解錠操作ができるようにしている。
特許文献1には、什器本体の前面開口部を開閉する開閉体に設けた、該開閉体を什器本体に係脱可能に係留する係止機構に連係され、施解錠操作により、前記係止機構の動作を拘束または許容することにより、前記開閉体を施解錠しうる電気式施解錠装置と、非常時に該電気式施解錠装置を解錠しうるようにした機械式施解錠装置とを備える物品収納什器における開閉体の施解錠装置において、前記電気式施解錠装置に、入力された施解錠信号に基づいて前記係止機構の動作を拘束する施錠位置と、同じく係止機構の動作を許容する解錠位置との間を往復移動する施解錠レバーを設けるとともに、前記機械式施錠装置に、その施解錠操作により移動するデッドボルトを設け、解錠操作により前記デッドボルトを解錠方向へ移動させたとき、施錠位置に位置している前記施解錠レバーを解錠位置まで移動させうるように、前記施解錠レバーとデッドボルトとを、連係手段により連係し、かつ施解錠レバーにおけるデッドボルトとの連係部に、施錠操作により前記デッドボルトが施錠方向へ移動したとき、該デッドボルトと連係して、解錠位置にある前記施解錠レバーを施錠位置まで移動させうる連係具を、着脱可能に取付けたことを特徴とする物品収納什器における開閉体の施解錠装置が記載されている。
しかし、前述の特許文献1の開閉体の施解錠装置は、扉の背面に設けるユニットケースに電気式施解錠装置、機械式施錠装置及び把手収容ケースを組み付け、駆動部を施解錠レバーに関係づけて組み立てる必要があり、製造工程が煩雑で手間のかかる構造である。ここで、ユニットケースの一側に把手収容ケースを組み付け、他側に電気式施解錠装置と機械式施錠装置を組み付けた構造であるので、ユニットケースに対して把手が偏った位置にあるので、扉や引出しの前板等に取付ける際には、取付位置や向きに対して制限があり、配置に対する自由度は低い。
また、特許文献2には、ケース本体に引手を回動可能に取付けるとともに、押釦錠装置を組み込んだ状態で扉の表面板の背面に取付けた後、作動軸の両端にラッチを固定するとともに、中間位置に作動体を固定した状態で、該作動軸の作動体を前記ケース本体の内部に収容して指掛け体に一体となって回動する連動体と連係させるとともに、両端のラッチの基部を扉の上下縁部の軸受に回動可能に支持し、最後にケース本体に裏カバーを装着して前記押釦錠装置などの機構部を外覆する構造が開示されている。そして、ユニットケースに、押釦錠装置や指掛け体、回動軸、連動体、作動体等の部材を予め収容したものを、扉に着脱可能に装着できる構成として、複数の部品の取付け作業を簡単にし、部品相互間の取付け寸法誤差も少なくするというものである。
しかし、特許文献2のものは、ケース本体に、押釦錠装置や指掛け体、回動軸、連動体、作動体等の部材を予め収容した状態で、扉の背面に取付け、それから両端部にラッチ爪を装着した作動軸を、ケース本体に形成した挿通部に通して内部機構と連動させるとともに、両端のラッチ爪の軸部を扉の両側縁に設けた軸受部に挿入して取付け、最後にケース本体に裏カバーを装着し、作動軸がユニットケースを貫通した状態とするのであるが、作動軸の組み立て手順に若干の課題がある。
特許第5479217号公報 特開2013−019172号公報
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、キャビネット筐体の前面開口部に開閉可能に設ける扉等の開閉体に、引手と施錠装置を組み込み、該施錠装置が少なくとも電気錠を含むものである電気錠付き操作ユニットにおいて、開閉体への引手と施錠装置の組み付けが簡単であり、また様々な種類やサイズの開閉体にも引手配置に対する自由度を持たせることができる電気錠付き操作ユニットを提供する点にある。
本発明は、前述の課題解決のために、開閉体に設ける本体ケース部に引手と施錠装置を組み込み、該施錠装置が少なくとも電気錠を含むものである電気錠付き操作ユニットであって、前記電気錠がソレノイドを含む施錠機構部と認証手段とからなり、前記本体ケース部に引手を挟んで前記施錠機構部と認証手段を配置したことを特徴とする電気錠付き操作ユニットを構成した(請求項1)。
また、前記本体ケース部に、前記電気錠のソレノイドと認証手段間を繋ぐコードを引掛ける機能を設けてなることが好ましい(請求項2)。
ここで、前記本体ケース部の中央部には、前記引手を取付ける引手枠部を設け、一側部には前記施錠機構部を格納する機構部収容部を形成し、他側部には前記電気錠の認証手段及び制御回路を格納する制御部収容部を一体成形している(請求項3)。
更に、前記施錠装置は電気錠と非常解錠機構とからなり、前記本体ケース部の引手枠部に、前記開閉体に配設したシャフトを介して筐体に係脱するラッチを駆動する引手を、回動可能に取付けるとともに、前記機構部収容部に電気錠のソレノイドと非常解錠機構が組み込まれ、更に前面側に前記シャフトに設けた連動部材を受け入れる前面開放の空間部を形成し、該空間部に連動部材を受け入れると同時に前記引手に連動してなることも好ましい(請求項4)。
ここで、前記非常解錠機構は、前記電気錠が施錠状態で使用不能となったとき、解錠操作する前記機械錠のデッドボルトによって前記電気錠とは無関係に、前記開閉体を開閉制御する規制部材を解錠方向へ強制的に変位させる機構である(請求項5)。
そして、前記開閉体の表面板に前記引手の指掛け部及び前記電気錠の認証手段を出現させる引手開口部を形成し、前記開閉体の遊端側の前記表面板の背面に前記引手開口部に沿って前記シャフトを配設し、前記本体ケース部に前記引手の指掛け部から延びたアーム部の先端部を回動可能に設け、前記本体ケース部に前記シャフトを受け入れる前面開放のU字凹部を形成するとともに、前記アーム部の中間部に前記連動部材を受け入れる前面開放の凹陥部を形成してなり、該凹陥部内で前記連動部材に連動させてなることがより好ましい(請求項6)。
以上にしてなる請求項1に係る発明の電気錠付き操作ユニットは、開閉体に設ける本体ケース部に引手と施錠装置を組み込み、該施錠装置が少なくとも電気錠を含むものである電気錠付き操作ユニットであって、前記電気錠がソレノイドを含む施錠機構部と認証手段とからなり、前記本体ケース部に引手を挟んで前記施錠機構部と認証手段を配置したので、操作ユニットを扉等の開閉体に取付けるだけで、引手や施錠装置の主要機能を開閉体に簡単に組み付けることができ、また引手の配置がユーザーの使い易さに影響を与えるが、施錠機構部と認証手段の間の中央に引手を配置することで、回動式扉や引出し等の種類や扉や引出し前板のサイズが様々ある中で、引手配置に対する自由度を持たせることができる。
請求項2によれば、前記本体ケース部に、前記電気錠のソレノイドと認証手段間を繋ぐコードを引掛ける機能を設けてなるので、配線作業が容易になるばかりでなく、配線の収まりが良い。
請求項3によれば、前記本体ケース部の中央部には、前記引手を取付ける引手枠部を設け、一側部には前記施錠機構部を格納する機構部収容部を形成し、他側部には前記電気錠の認証手段及び制御回路を格納する制御部収容部を一体成形しているので、施錠装置の主要な機構部と、電気錠の関連部品を全て組み込むことができ、配線の手間が省けて組み立てが極めて容易になる。
請求項4によれば、前記施錠装置は電気錠と非常解錠機構とからなり、前記本体ケース部の引手枠部に、前記開閉体に配設したシャフトを介して筐体に係脱するラッチを駆動する引手を、回動可能に取付けるとともに、前記機構部収容部に電気錠のソレノイドと非常解錠機構が組み込まれ、更に前面側に前記シャフトに設けた連動部材を受け入れる前面開放の空間部を形成し、該空間部に連動部材を受け入れると同時に前記引手に連動してなるので、扉等の開閉体への施錠装置の組み付けが簡単であり、またシャフトを予め開閉体に装着していても、その後に取付ける操作ユニットに組み込んだ引手との連動が容易である。
請求項5によれば、前記非常解錠機構は、前記電気錠が施錠状態で使用不能となったとき、解錠操作する前記機械錠のデッドボルトによって前記電気錠とは無関係に、前記扉を開閉制御する規制部材を解錠方向へ強制的に変位させる機構であるので、非常時に開閉体を手動で開くことができる。
請求項6によれば、前記開閉体の表面板に前記引手の指掛け部及び前記電気錠の認証手段を出現させる引手開口部を形成し、前記開閉体の遊端側の前記表面板の背面に前記引手開口部に沿って前記シャフトを配設し、前記本体ケース部に前記引手の指掛け部から延びたアーム部の先端部を回動可能に設け、前記本体ケース部に前記シャフトを受け入れる前面開放のU字凹部を形成するとともに、前記アーム部の中間部に前記連動部材を受け入れる前面開放の凹陥部を形成してなり、該凹陥部内で前記連動部材に連動させてなるので、先に開閉体の背面にシャフトを取付けることができるので、その取付作業が容易であり、またその後に操作ユニットを開閉体の背面側に取付けると同時に引手と連動させることができるので、やはり組み立てが容易になる。
本発明に係る施錠機能を備えた開閉扉付きキャビネットの斜視図である。 扉の背面側の斜視図である。 扉の引手周りの部分斜視図である。 操作ユニットの本体ケース部に引手を装着した状態の斜視図である。 電気錠と非常解錠用の機械錠が組み込まれた扉の施錠装置を扉と操作ユニットの本体ケース部を省略して示した斜視図である。 引手と規制部材及びラッチ駆動機構の連動部材との関係を破断して示す部分斜視図である。 扉の引手周りの横断面図である。 通常施錠・解錠機構と非常解錠機構を示す要部の正面図である。 電気錠と機械錠による施錠・解錠の動作を示し、(a)は施錠状態の部分断面図、(b)は非常解錠状態の部分断面図である。 電気錠と機械錠と、それを格納する格納容器の分解斜視図である。 格納用容器に電気錠と機械錠とを格納した状態の斜視図である。 図11の状態から格納容器の本体を省略して示した斜視図である。 規制部材と連係具の連結構造を示す斜視図である。 操作ユニットの本体ケース部に電気錠と機械錠とを格納した格納用容器を装着した状態の部分正面図である。 操作ユニットの本体ケース部に設ける電気錠の認証手段と制御回路を収容する部分を一部破断して示した斜視図である。
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1は本発明を適用した施錠機能を備えた開閉扉付きキャビネットを示し、図2は扉の背面を示し、図3〜図15は本発明の詳細を示し、図中符号Aはキャビネット、1は筐体、2は回動開閉式の扉、3は引手、4は施錠装置、5はラッチ、6は電気錠、7は機械錠、8は操作ユニットをそれぞれ示している。本発明の開閉体は、キャビネットの回動式扉や引出しの前板に対応し、特に限定されるものではないが、本実施形態では回動式扉を例に説明する。
本発明のキャビネットAは、筐体1の前面開口部に開閉可能に扉2,2を設け、該扉2には、引手3と施錠装置4及び前記引手3に連動して筐体1の框部に係脱するラッチ5とを備えた構造である。ここで、前記施錠装置4は、通常施錠・解錠機構を構成する電気錠6と、非常解錠機構を構成する機械錠7とで構成され、施錠・解錠操作によって前記引手3の回動を規制・許容し、施錠状態では前記ラッチ5が筐体1の上下框部に形成した係合孔(図示せず)に係合した状態を維持するようになっている。本実施形態では、前記電気錠6は、ソレノイド9と該ソレノイド9に通電、非通電の指令を出す認証手段10及び制御回路と電池ユニット(共に図示せず)とからなる。また、前記機械錠7は、本実施形態ではシリンダー錠を用い、その鍵穴11は、図3に示すように、指入れ空間12の内部の目立たない位置に設けている。そして、前記引手3と施錠装置4は、合成樹脂製で一体成形された操作ユニット8に組み込み、前記扉2の背面に取付け、裏カバー13で外覆されている。前記引手3の回動は、前記扉2の背面遊端側に沿って配置されたラッチ駆動機構14で連動されている。ここで、前記認証手段10における認証パターンとしては、タッチパネルに指で触れて入力するタッチ認証やICカードによるカード認証などがある。タッチ認証では、ワンタッチ認証やジェスチャ認証があり、これらとカード認証を組み合わせる認証もある。
前記ソレノイド9は、電磁コイルに電流を流すことにより発生する磁力を応用し、プランジャー(可動鉄芯)を直線運動させるものである。ソレノイドの種類は、コイル部が可動部に働きかける構造によって、コイル部からプランジャーを押し出すプッシュ(push)形と、コイル部がプランジャーを吸引するプル(pull)形と、更にコイルを二つ有し、押す・吸引の二つのコイルを利用した構造のプッシュプル(push-pull)形があるが、本実施形態では一般的なプル形を用いている。
先ず、前記扉2は、図2、図3及び図7に示すように、表面板15は、周囲を背面側に折曲して縁板16を形成するとともに、上面と両側面は更に内向きに補強板17を折曲形成し、更に補強板17の内縁を表面板15に向かって折曲して折曲板18を形成している。そして、前記扉2の表面板15であって遊端側の側縁部には、前記操作ユニット8に組み込んだ前記引手3と認証手段10を前面側に出現させるために引手開口部19を形成している。前記引手開口部19は、図7に示すように、前記表面板15を背面側にハゼ折り加工して形成し、その周囲背面に正面視略ロ字状の取付金具20がスポット溶接されており、該取付金具20の内周縁に沿って直角に立起させた係合板21と扉2の遊端側と反対側に前記裏カバー13を取付けるための支持板22を直角に立起させている。前記操作ユニット8は、一側端部に形成した係合段部23を前記扉2の遊端側の折曲板18に係合させるとともに、前記係合板21に弾性爪24を抜け止め係合して取付ける。また、前記裏カバー13は、一側端部の嵌合部25を同じく前記扉2の遊端側の折曲板18に係合させるとともに、他側の側面板26を前記支持板22の外側に重合し、適宜ネジ止めして取付け、前記操作ユニット8を外覆する。
前記操作ユニット8を前記扉2の背面側に嵌着する前に、前記ラッチ5を引手3に連動させるためのラッチ駆動機構14を前記扉2の遊端側背面に取付けている。前記ラッチ駆動機構14は、扉2の遊端側に沿って配置するシャフト27と、該シャフト27の中間位置にシャフト27に対して回転不能に外嵌した連動部材28と、前記ラッチ5を回動可能に支持して前記扉2の遊端側コーナー部に取付けるラッチ受け部材29とからなり、前記シャフト27の端部は前記ラッチ5の軸部に供回り回転不能に嵌挿している。尚、前記シャフト27は角棒で構成し、前記連動部材28はシャフト27の側方から嵌合し、前記ラッチ5の軸部は軸方向から嵌挿している。ここで、前記操作ユニット8を前記扉2の背面側に嵌着すると同時に、該操作ユニット8の内部に前記シャフト27を受け入れて、前記引手3と連動部材28が連係し、該引手3を手前に引く動作で前記ラッチ駆動機構14を介して前記ラッチ5が筐体1の上下框部の係合孔に対する係合が解除される方向に回転するようになっている。また、前記ラッチ受け部材29は、正面視略L字形の部材であり、前記扉2のコーナー部を挟んで両辺部に嵌合し、つまり表面板15の背面と両縁板16,16に当接するとともに、両折曲板18,18に噛合して扉2の両辺縁部を一体化し、地震によって前記筐体1に揺れ、変形が生じて前記ラッチ5に大きな力が加わっても、前記扉2の縁部、特に上下縁部の変形を抑制するようになっている。
次に、施錠機構及び前記引手3とラッチ駆動機構14の連係について図4〜図8に基づいて説明する。本発明に係る扉の施錠装置4の要部である施錠機構は、前記扉2の表面板15に形成した引手開口部19に臨むように前記引手3の指掛け部30を配置するとともに、該指掛け部30から延びたアーム部31の先端部を前記表面板15の背面側位置で回動可能に枢支し、前記アーム部31の中間部と前記表面板15間で該表面板15に接して配置し、前記電気錠6の施錠・解錠操作によって前記引手3の回動中心軸に平行な方向へスライド変位する規制部材32を備え、前記アーム部31の中間部に凸部33と凹部34を形成するとともに、前記規制部材32に解錠状態で前記アーム部31の凸部33を受け入れて引手3の回動を許容する逃がし凹部35と、施錠状態で前記アーム部31の凸部33に当止して引手3の回動を規制する規制凸部36を形成したことを特徴とする。
前記引手3は、図4及び図7に示すように、指掛け部30が滑らかに湾曲した面となっている。前記指掛け部30は奥部になるにつれて後退しており、表面からの厚さが増すような形状であるので、前記引手3を合成樹脂製で一体成形すると、成形上、前面側の肉をとってリブを形成せざるを得ない。そこで、本実施形態では、前記指掛け部30の前面側に、別部材で成形した化粧部材37を嵌合して、前面をフラットにしている。前記引手3を操作ユニット8の引手装着空間38に装着した状態では、前面側からは前記化粧部材37のみが見えるようになっている。尚、前記引手装着空間38に前記引手3を装着した後の残余の空間が前記指入れ空間12となる。
更に詳しくは、前記引手3のアーム部31の中間部に、該引手3の回動中心軸に平行な方向へ一定間隔で交互に前記凸部33と凹部34を複数形成するとともに、前記規制部材32の前記表面板15に対する摺動面39と反対側に、該規制部材32のスライド方向へ一定間隔で交互に前記規制凸部36と逃がし凹部35を複数形成している。本実施形態では、前記引手3のアーム部31の凸部33と、前記規制部材32の規制凸部36は、3箇所に形成し、それぞれその両側と間に凹部34と逃がし凹部35を4箇所に形成している。
前記操作ユニット8の本体ケース部40には、図4、図6及び図15に示すように、前記引手装着空間38から連続した位置に、前記引手3のアーム部31の先端両側部に突設した支軸41,41を回動可能に支持する軸受部42,42を形成している。前記支軸41,41を軸受部42,42に無理嵌めして枢支する。前記規制部材32は、前記扉2の表面板15に沿う直線状の制御部43を、前記操作ユニット8の本体ケース部40の引手枠部44に形成したガイド溝45,45に遊挿して前記表面板15とで取り囲んでスライド可能に支持し、前記制御部43からクランク状に屈曲して延びた連係部46を連係具47に回動継手構造にて連結している。前記連係具47は、後述のように前記電気錠6と機械錠7とで操作される部材である。つまり、前記電気錠6の施錠・解錠操作に伴って直線駆動する前記ソレノイド9のプランジャー48に連係してカム部材49が回動し、該カム部材49の回転変位によって前記規制部材32がスライド変位して、前記凸部33と凹部34の位置を前記引手3の規制凸部36と逃がし凹部35に対して変化させるのである。
ここで、図4に示すように、前記操作ユニット8の本体ケース部40の中央部には、前記引手枠部44を設け、上部には電気錠6のソレノイド9と機械錠7及び前記連係具47、カム部材49等の施錠装置4の施錠機構部(駆動部)を格納する機構部収容部50を形成し、下部には電気錠6の認証手段10及び制御回路を格納する制御部収容部51を一体成形している。勿論、前記操作ユニット8の本体ケース部40を取付ける向きによって、前記引手枠部44、機構部収容部50及び制御部収容部51の位置関係は上下左右に変更されるが、前記引手3を取付ける引手枠部44を挟んで一側に機構部収容部50を、他側に制御部収容部51が配置されることは共通である。ここで、前記電気錠6に電力を供給するための電池ユニットは、前記本体ケース部40の外側の表面板15の裏面に適宜な手段で取り付けるが、前記制御部収容部51の内部に収容することも可能である。尚、前記ソレノイド9と機械錠7及び前記連係具47、カム部材49等は、図9〜図12に示すように、予め駆動部格納容器52に組み込んで、該駆動部格納容器52を前記機構部収容部50に嵌着するようになっている。ここで、前記引手3は中心線で対称に形成してあり、前記操作ユニット8の本体ケース部40に設ける機構部収容部50の位置が反対になっても前記規制部材32を反転させて使用できるように、前記凸部33と凹部34、規制凸部36と逃がし凹部35の関係は反転しても対称な形状となっている。
次に、前記引手3とラッチ駆動機構14の連係について説明する。前記ラッチ5を端部に固定し、前記扉2の表面板15の背面に回動可能に装着したシャフト27の中間位置に、連動部材28を回転に対して一体に設け、該連動部材28に側設した連動片53を前記引手3のアーム部31に形成した凸部33に連続して前記引手3の回動中心軸に平行な方向へ延びた操作突起54に常時当接した状態としている。
前記操作ユニット8の本体ケース部40に前記引手3を回動可能に設けるとともに、前記施錠装置4及び規制部材32を組み込み、更に前記引手3のアーム部31の前面側で回動中心軸と前記凸部33との間にアーチ状の凹陥部55を設けるとともに、その延長線上の前記本体ケース部40に前面側へ開放したU字凹部56を形成し、前記操作ユニット8を前記扉2の表面板15の背面に取付ける際に、前記シャフト27を前記本体ケース部40のU字凹部56に、前記連動部材28を前記引手3の凹陥部55に受け入れると同時に、前記連動片53を前記アーム部31の操作突起54に当接してなるのである。
前記連動部材28の両端部であって、前記連動片53を設けた側とは反対側に押圧片57,57を側設し、該押圧片57の先端部に圧縮コイルばね58を装着し、前記操作ユニット8を扉2の背面に取付けた際に、本体ケース部40のU字凹部56の近傍に設けた当止面59に圧縮コイルばね58を圧縮状態で当止し、前記連動片53が前記引手3の操作突起54を押圧する方向に弾性付勢している。つまり、前記ラッチ5が筐体1の框部の係合孔に係合する方向に弾性付勢されている。
また、前記操作ユニット8の本体ケース部40で、前記引手装着空間38と機構部収容部50との間の前記引手枠部44の側面には、前記機械錠7の鍵穴11を引手装着空間38に臨むように開口60を形成している。つまり、図3に示すように、前記鍵穴11は、視線から隠れる指入れ空間12の上面部分に設けられ、該指入れ空間12に差し入れたキー61を前記鍵穴11に係合し、前記機械錠7を施錠・解錠操作すると、該機械錠7のデッドボルト62が直線駆動するようになっている。
前記施錠装置4は、前記電気錠6の施錠・解錠操作によって変位する駆動部と連係具47を介して接触状態で連係した規制部材32を変位させ、前記扉2を開閉制御する構造の通常施錠・解錠機構と、前記電気錠6が施錠状態で使用不能となったとき、解錠操作する前記機械錠7のデッドボルト62によって前記電気錠6とは無関係に、前記規制部材32を解錠方向へ強制的に変位させる非常解錠機構と、を備えてなることを特徴とする。
そして、前記電気錠6は、ソレノイド9と該ソレノイド9に通電、非通電の指令を出す認証手段10とからなり、前記ソレノイド9が非通電時に弾性付勢力によってプランジャー48が突出又は引込終端に位置して施錠状態となり、通電時に弾性付勢力に抗して前記プランジャー48が逆方向へ変位して解錠状態となり、前記規制部材32は、施錠状態になる方向へそれ自体が弾性付勢されており、該規制部材32とプランジャー48の連係機構は前記機械錠7のデッドボルト62によって解錠方向へ変位させる際には解除される構造である。
前記ソレノイド9は、通電時に弾性付勢力に抗してプランジャー48を引き込むプル形であり、前記連係機構は、前記プランジャー48の引き込み動作時に直線運動を回転運動に変換するカム部材49の作動片63を、前記規制部材32に連結した連係具47の係止部64に該規制部材32の弾性付勢力によって当止し、前記機械錠7を操作して前記デッドボルト62を変位させたときに、前記規制部材32をその弾性付勢力に抗して前記連係具47の係止部64が前記作動片63から離れる方向へ変位させる非常時連係機構を備えてなる。ここで、前記非常時連係機構は、直線運動する前記デッドボルト62の先端摺動部65を、前記規制部材32に連結した連係具47の側面に形成した傾斜面66を圧接して、該傾斜面66が先端摺動部65から逃げる方向に変位させる構造である。
更に詳しくは、図9及び図10に示すように、前記駆動部格納容器52の内部に前記ソレノイド9と機械錠7を、前記プランジャー48とデッドボルト62の駆動方向を平行にして格納し、前記連係具47をプランジャー48とデッドボルト62の先端側でその駆動方向に対して直交する方向にスライド可能に保持している。前記カム部材49は、正面視略L字形の部材であり、中央部を前記駆動部格納容器52の内部に突設した支軸67にて回動可能に保持し、該カム部材49の一端部は前記作動片63であり、他端部は前記プランジャー48の先端部に回動可能に連結する駆動片68となっている。前記駆動片68とプランジャー48の連結は、前記プランジャー48の先端部に直径方向にスリット溝69を形成し、該スリット溝69を横切るようにピン70を嵌挿し、前記駆動片68の先端部を前記スリット溝69内に遊挿し、該駆動片68の先端に開放した係合溝71を前記ピン
70に係合させた構造である。
前記プランジャー48は、ソレノイド9の本体72と先端部に外着したEリング等の係止リング73との間に圧縮コイルばね74を巻装し、該プランジャー48が突出する方向に弾性付勢している。また、前記連係具47の基端部と駆動部格納容器52の内壁との間に圧縮コイルばね75を介装し、該連係具47が駆動部格納容器52から突出する方向へ弾性付勢している。前記連係具47の先端部には側方へ張り出した部分に前記傾斜面66を先端側へ向けて傾斜するように形成し、該先端部に前記規制部材32の連係部46を連係具47に回動継手構造にて連結している。この回動継手構造は、図9、図10及び図13に示すように、前記連係具47の先端部に側設した軸部76の先端に直径方向へ二つのダボ77,77を突設し、一方、前記規制部材32の連係部46に前記軸部76とダボ77,77の外形に一致した挿入孔78を形成し、該挿入孔78に前記軸部76とダボ77,77を挿入し、ダボ77,77が挿入孔78を貫通した状態で前記規制部材32を90°回転させて抜け止め状態で使用する。前記連係具47と規制部材32は直線状に連結して使用するので、その向きとは90°異なる向きで挿入できるように形成している。
また、前記機械錠7のデッドボルト62の先端は、前記連係具47の傾斜面66に摺接する先端摺動部65となっているが、具体的には先端摺動部65は、前記傾斜面66と同傾斜の斜面で形成している。尚、前記デッドボルト62の先端を屈曲して前記先端摺動部65としても良い。
先ず、電気錠6を用いて解錠状態にするには、前記扉2の表面側の認証手段10に暗礁番号を入力し、その制御回路からの指令を受けて前記ソレノイド9に通電すると、前記プランジャー48は、圧縮コイルばね74の弾性付勢力に抗して本体72側に引き込まれ、前記カム部材49を図9(a)の時計回りに回転させ、前記作動片63が前記連係具47の係止部64に当接した状態で、前記圧縮コイルばね75の弾性付勢力に抗して該連係具47を駆動部格納容器52の内部に引き込むようにスライド変位させる。当然、前記連係具47のスライド変位と同じように前記規制部材32がスライド変位し、該規制部材32の規制凸部36と前記引手3のアーム部31の凸部33の位置がずれて当該引手3を手前に引いて回転させることができ、それによって前記ラッチ駆動機構14の連動部材28の連動片53を操作突起54で押して、シャフト27を回転させ、前記ラッチ5を回転させて筐体1の框部に対する係合を解除して扉2を開くことができる。
それから、前記ソレノイド9への通電を遮断すると、前記圧縮コイルばね74の弾性付勢力によって前記プランジャー48が突出し、前記圧縮コイルばね75の弾性付勢力によって前記連係具47が駆動部格納容器52から突出して初期状態に復帰し、前記規制部材32の規制凸部36と前記引手3のアーム部31の凸部33の位置が一致して、前記引手3を引いても扉2の表面板15と間に規制部材32を挟み込むので、それ以上の回転は規制され、もって前記ラッチ5は筐体1の框部に対する係合が維持され、施錠装置4が施錠状態となる。
ここで、電池切れ等の何らかの故障で前記ソレノイド9に通電できなくなった場合、つまり非常時に扉2を開く必要が生じると、前記指入れ空間12からキー61を鍵穴11に差し込んで、前記機械錠7を解錠状態に回転させると、前記デッドボルト62が図9(b)の矢印の方向に突出し、先端摺動部65が連係具47の傾斜面66を押圧し、該傾斜面66が退避する方向、つまり前記連係具47が駆動部格納容器52の内部に引き込まれる方向に力が作用し、前記圧縮コイルばね75の弾性付勢力に抗して該連係具47が駆動部格納容器52の内部に引き込まれ、前記ソレノイド9に通電したときと同じように、前記規制部材32を解錠状態にスライド変位させることができ、前記引手3を手前に引けるようになり、前記ラッチ5を回転させて筐体1の框部に対する係合を解除して扉2を開くことができる。この際に、前記カム部材49の作動片63から連係具47の係止部64は離れ、カム部材49とは無関係に動作する。
また、非常解錠状態から、前記キー61を施錠操作すると、前記デッドボルト62が反対に後退し、前記連係具47は圧縮コイルばね75の弾性付勢力によって駆動部格納容器52から突出する方向にスライド変位し、また前記規制部材32も同様にスライド変位して初期状態に復帰し、施錠装置4が施錠状態となるのである。
前記駆動部格納容器52は、図10に示すように、本体容器79と蓋80からなり、本体容器79に前述のソレノイド9、機械錠7、連係具47、カム部材49及び圧縮コイルばね75等の部品を組み込んで、蓋80を嵌め殺し的に嵌合する。このように組み立てた駆動部格納容器52を図14に示すように、前記操作ユニット8の機構部収容部50に嵌着して施錠装置4を内蔵させる。
前述のように、前記操作ユニット8の本体ケース部40の中央部に前記引手枠部44を設け、該引手枠部44を挟んで一側に機構部収容部50を、他側に制御部収容部51が配置されているが、前記機構部収容部50にはソレノイド9を収容し、前記制御部収容部51には認証手段10と制御回路が収容されるので、前記本体ケース部40に電気錠6のソレノイド9と認証手段10間を繋ぐコード(図示せず)を引掛ける機能を設けている。つまり、図14及び図15に示すように、前記本体ケース部40の外側側面にコードフック81,…を複数設けている。
A キャビネット、
1 筐体、 2 扉(開閉体)、
3 引手、 4 施錠装置、
5 ラッチ、 6 電気錠、
7 機械錠、 8 操作ユニット、
9 ソレノイド、 10 認証手段、
11 鍵穴、 12 指入れ空間、
13 裏カバー、 14 ラッチ駆動機構、
15 表面板、 16 縁板、
17 補強板、 18 折曲板、
19 引手開口部、 20 取付金具、
21 係合板、 22 支持板、
23 係合段部、 24 弾性爪、
25 嵌合部、 26 側面板、
27 シャフト、 28 連動部材、
29 ラッチ受け部材、 30 指掛け部、
31 アーム部、 32 規制部材、
33 凸部、 34 凹部、
35 逃がし凹部、 36 規制凸部、
37 化粧部材、 38 引手装着空間、
39 摺動面、 40 本体ケース部、
41 支軸、 42 軸受部、
43 制御部、 44 引手枠部、
45 ガイド溝、 46 連係部、
47 連係具、 48 プランジャー、
49 カム部材、 50 機構部収容部、
51 制御部収容部、 52 駆動部格納容器、
53 連動片、 54 操作突起、
55 凹陥部(空間部)、 56 U字凹部(空間部)、
57 押圧片、 58 圧縮コイルばね、
59 当止面、 60 開口、
61 キー、 62 デッドボルト、
63 作動片、 64 係止部、
65 先端摺動部、 66 傾斜面、
67 支軸、 68 駆動片、
69 スリット溝、 70 ピン、
71 係合溝、 72 本体、
73 係止リング、 74 圧縮コイルばね、
75 圧縮コイルばね、 76 軸部、
77 ダボ、 78 挿入孔、
79 本体容器、 80 蓋、
81 コードフック。
本発明は、施錠機能付きキャビネットの開閉体装置に係わり、更に詳しくはキャビネットの扉や引出しの前板に対応する開閉体に、認証手段を備えた電気錠と機械錠とからなる施錠装置を設けた施錠機能付きキャビネットの開閉体装置に関するものである。
従来から、キャビネット筐体の前面開口部に開閉可能に設ける扉に、引手と施錠装置が組み込まれた構造のものは各種提供されている。ここで、施錠装置としては、機械式や電気式のものがあるが、電気錠を備えた施錠装置は、電気錠が非通電時にラッチを係合状態のまま維持する、つまり施錠状態となるように構成し、通電時に施錠状態を解除してラッチを回転させ、筐体の框部に対する係合を解除して、扉を開くことができるように構成している。そして、扉を閉じてラッチが筐体の框部に係合した状態で、電気錠に対して非通電とすることで、ラッチの施錠状態に戻すというものである。
電気錠が非通電時に施錠状態となるように構成することは、扉を閉止時に常に施錠状態にすることができ、使用電力を節約できるとともに、施錠忘れを防ぎ、防盗性に優れるといった利点があるが、前記電気錠に商用電源から電力を供給している場合には停電時に、一次電池や二次電池から電力を供給している場合には電池切れ時に、施錠状態から脱却できないといった問題がある。そのため、通常は、機械錠を組み合わせた非常解錠機能を備え、電気錠に電力が供給できなくなった際にも、解錠操作ができるようにしている。
特許文献1には、什器本体の前面開口部を開閉する開閉体に設けた、該開閉体を什器本体に係脱可能に係留する係止機構に連係され、施解錠操作により、前記係止機構の動作を拘束または許容することにより、前記開閉体を施解錠しうる電気式施解錠装置と、非常時に該電気式施解錠装置を解錠しうるようにした機械式施解錠装置とを備える物品収納什器における開閉体の施解錠装置において、前記電気式施解錠装置に、入力された施解錠信号に基づいて前記係止機構の動作を拘束する施錠位置と、同じく係止機構の動作を許容する解錠位置との間を往復移動する施解錠レバーを設けるとともに、前記機械式施錠装置に、その施解錠操作により移動するデッドボルトを設け、解錠操作により前記デッドボルトを解錠方向へ移動させたとき、施錠位置に位置している前記施解錠レバーを解錠位置まで移動させうるように、前記施解錠レバーとデッドボルトとを、連係手段により連係し、かつ施解錠レバーにおけるデッドボルトとの連係部に、施錠操作により前記デッドボルトが施錠方向へ移動したとき、該デッドボルトと連係して、解錠位置にある前記施解錠レバーを施錠位置まで移動させうる連係具を、着脱可能に取付けたことを特徴とする物品収納什器における開閉体の施解錠装置が記載されている。
しかし、前述の特許文献1の開閉体の施解錠装置は、扉の背面に設けるユニットケースに電気式施解錠装置、機械式施錠装置及び把手収容ケースを組み付け、駆動部を施解錠レバーに関係づけて組み立てる必要があり、製造工程が煩雑で手間のかかる構造である。ここで、ユニットケースの一側に把手収容ケースを組み付け、他側に電気式施解錠装置と機械式施錠装置を組み付けた構造であるので、ユニットケースに対して把手が偏った位置にあるので、扉や引出しの前板等に取付ける際には、取付位置や向きに対して制限があり、配置に対する自由度は低い。
また、特許文献2には、ケース本体に引手を回動可能に取付けるとともに、押釦錠装置を組み込んだ状態で扉の表面板の背面に取付けた後、作動軸の両端にラッチを固定するとともに、中間位置に作動体を固定した状態で、該作動軸の作動体を前記ケース本体の内部に収容して指掛け体に一体となって回動する連動体と連係させるとともに、両端のラッチの基部を扉の上下縁部の軸受に回動可能に支持し、最後にケース本体に裏カバーを装着して前記押釦錠装置などの機構部を外覆する構造が開示されている。そして、ユニットケースに、押釦錠装置や指掛け体、回動軸、連動体、作動体等の部材を予め収容したものを、扉に着脱可能に装着できる構成として、複数の部品の取付け作業を簡単にし、部品相互間の取付け寸法誤差も少なくするというものである。
しかし、特許文献2のものは、ケース本体に、押釦錠装置や指掛け体、回動軸、連動体、作動体等の部材を予め収容した状態で、扉の背面に取付け、それから両端部にラッチ爪を装着した作動軸を、ケース本体に形成した挿通部に通して内部機構と連動させるとともに、両端のラッチ爪の軸部を扉の両側縁に設けた軸受部に挿入して取付け、最後にケース本体に裏カバーを装着し、作動軸がユニットケースを貫通した状態とするのであるが、作動軸の組み立て手順に若干の課題がある。
特許第5479217号公報 特開2013−019172号公報
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、キャビネット筐体の前面開口部に開閉可能に設ける扉や引出しの前板に対応する開閉体に、引手と、認証手段を備えた電気錠と機械錠とからなる施錠装置を設けた施錠機能付きキャビネットの開閉体装置を提供する点にある。
本発明は、前述の課題解決のために、以下に示す施錠機能付きキャビネットの開閉体装置を構成する。
(1)
筐体の前面開口部に開閉可能に設けた開閉体に、引手と施錠装置及び前記引手に連動して筐体の框部に係脱するラッチとを備え、前記施錠装置は、通常施錠・解錠機構を構成する電気錠と、非常解錠機構を構成する機械錠とで構成され、施錠状態では前記ラッチが筐体の上下框部に形成した係合孔に係合した状態を維持し、前記電気錠は、ソレノイドと該ソレノイドに通電、非通電の指令を出す認証手段及び制御回路と電池ユニットとからなる施錠機能付きキャビネットの開閉体装置。
(2)
前記開閉体を構成する表面板に前記引手と施錠装置を取付け、該表面板に形成した開口から前記引手と認証手段を前面側に出現させている(1)記載の施錠機能付きキャビネットの開閉体装置。
(3)
前記開閉体を構成する表面板の背面に、前記電気錠を構成するソレノイドと認証手段及び制御回路を取付けるとともに、それらとは別に電池ユニットを取付け、該表面板の背面に取付けた裏カバーで、少なくとも前記引手と前記ソレノイドと認証手段及び制御回路が外覆されている(1)又は(2)記載の施錠機能付きキャビネットの開閉体装置。
(4)
前記裏カバーは、一側端部の嵌合部を前記開閉体の表面板の遊端側に形成した折曲板に係合させるとともに、他側を適宜ネジ止めして取付けてなる(3)記載の施錠機能付きキャビネットの開閉体装置。
(5)
前記開閉体の表面板は、周囲を背面側に折曲して縁板を形成し、該縁板から内向きに補強板を折曲形成し、更に補強板の内縁を表面板に向かって折曲して前記折曲板を形成したものである(4)記載の施錠機能付きキャビネットの開閉体装置。
(6)
前記認証手段は、タッチパネルに指で触れて入力するタッチ認証と、ICカードによるカード認証とを備えている(1)〜(5)何れか1に記載の施錠機能付きキャビネットの開閉体装置。
以上にしてなる本発明の施錠機能付きキャビネットの開閉体装置は、以下に示す効果を奏する。
(1)の構成によれば、開閉体に引手と、施錠装置を構成する電気錠と機械錠とを備え、通常は認証手段によって施錠・解錠操作をすることができ、電気錠が使用できなくなったときには機械錠によって非常解錠することができる。
(2)の構成によれば、開閉体の表面板の開口から前面側に出現した引手と認証手段を利用できる。
(3)の構成によれば、施錠装置を構成する電気錠と機械錠の主要部分が裏カバーで覆われるので外観性に優れている。
(4)及び(5)の構成によれば、裏カバーの取付けが容易である。
(6)の構成によれば、認証手段がタッチ認証とカード認証とを備えているので、タッチ認証又はカード認証のどちらか一方のみによる認証や、タッチ認証とカード認証の両方による認証などが可能になり、使い勝手が良い。
本発明を適用した施錠機能を備えた開閉扉付きキャビネットの斜視図である。 扉の背面側の斜視図である。 扉の引手周りの部分斜視図である。 操作ユニットの本体ケース部に引手を装着した状態の斜視図である。 電気錠と非常解錠用の機械錠が組み込まれた扉の施錠装置を扉と操作ユニットの本体ケース部を省略して示した斜視図である。 引手と規制部材及びラッチ駆動機構の連動部材との関係を破断して示す部分斜視図である。 扉の引手周りの横断面図である。 通常施錠・解錠機構と非常解錠機構を示す要部の正面図である。 電気錠と機械錠による施錠・解錠の動作を示し、(a)は施錠状態の部分断面図、(b)は非常解錠状態の部分断面図である。 電気錠と機械錠と、それを格納する格納容器の分解斜視図である。 格納用容器に電気錠と機械錠とを格納した状態の斜視図である。 図11の状態から格納容器の本体を省略して示した斜視図である。 規制部材と連係具の連結構造を示す斜視図である。 操作ユニットの本体ケース部に電気錠と機械錠とを格納した格納用容器を装着した状態の部分正面図である。 操作ユニットの本体ケース部に設ける電気錠の認証手段と制御回路を収容する部分を一部破断して示した斜視図である。
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1は本発明を適用した施錠機能を備えた開閉扉付きキャビネットを示し、図2は扉の背面を示し、図3〜図15は本発明の詳細を示し、図中符号Aはキャビネット、1は筐体、2は回動開閉式の扉、3は引手、4は施錠装置、5はラッチ、6は電気錠、7は機械錠、8は操作ユニットをそれぞれ示している。本発明の開閉体は、キャビネットの回動式扉や引出しの前板に対応し、特に限定されるものではないが、本実施形態では回動式扉を例に説明する。
本発明のキャビネットAは、筐体1の前面開口部に開閉可能に扉2,2を設け、該扉2には、引手3と施錠装置4及び前記引手3に連動して筐体1の框部に係脱するラッチ5とを備えた構造である。ここで、前記施錠装置4は、通常施錠・解錠機構を構成する電気錠6と、非常解錠機構を構成する機械錠7とで構成され、施錠・解錠操作によって前記引手3の回動を規制・許容し、施錠状態では前記ラッチ5が筐体1の上下框部に形成した係合孔(図示せず)に係合した状態を維持するようになっている。本実施形態では、前記電気錠6は、ソレノイド9と該ソレノイド9に通電、非通電の指令を出す認証手段10及び制御回路と電池ユニット(共に図示せず)とからなる。また、前記機械錠7は、本実施形態ではシリンダー錠を用い、その鍵穴11は、図3に示すように、指入れ空間12の内部の目立たない位置に設けている。そして、前記引手3と施錠装置4は、合成樹脂製で一体成形された操作ユニット8に組み込み、前記扉2の背面に取付け、裏カバー13で外覆されている。前記引手3の回動は、前記扉2の背面遊端側に沿って配置されたラッチ駆動機構14で連動されている。ここで、前記認証手段10における認証パターンとしては、タッチパネルに指で触れて入力するタッチ認証やICカードによるカード認証などがある。タッチ認証では、ワンタッチ認証やジェスチャ認証があり、これらとカード認証を組み合わせる認証もある。
前記ソレノイド9は、電磁コイルに電流を流すことにより発生する磁力を応用し、プランジャー(可動鉄芯)を直線運動させるものである。ソレノイドの種類は、コイル部が可動部に働きかける構造によって、コイル部からプランジャーを押し出すプッシュ(push)形と、コイル部がプランジャーを吸引するプル(pull)形と、更にコイルを二つ有し、押す・吸引の二つのコイルを利用した構造のプッシュプル(push-pull)形があるが、本実施形態では一般的なプル形を用いている。
先ず、前記扉2は、図2、図3及び図7に示すように、表面板15は、周囲を背面側に折曲して縁板16を形成するとともに、上面と両側面は更に内向きに補強板17を折曲形成し、更に補強板17の内縁を表面板15に向かって折曲して折曲板18を形成している。そして、前記扉2の表面板15であって遊端側の側縁部には、前記操作ユニット8に組み込んだ前記引手3と認証手段10を前面側に出現させるために引手開口部19を形成している。前記引手開口部19は、図7に示すように、前記表面板15を背面側にハゼ折り加工して形成し、その周囲背面に正面視略ロ字状の取付金具20がスポット溶接されており、該取付金具20の内周縁に沿って直角に立起させた係合板21と扉2の遊端側と反対側に前記裏カバー13を取付けるための支持板22を直角に立起させている。前記操作ユニット8は、一側端部に形成した係合段部23を前記扉2の遊端側の折曲板18に係合させるとともに、前記係合板21に弾性爪24を抜け止め係合して取付ける。また、前記裏カバー13は、一側端部の嵌合部25を同じく前記扉2の遊端側の折曲板18に係合させるとともに、他側の側面板26を前記支持板22の外側に重合し、適宜ネジ止めして取付け、前記操作ユニット8を外覆する。
前記操作ユニット8を前記扉2の背面側に嵌着する前に、前記ラッチ5を引手3に連動させるためのラッチ駆動機構14を前記扉2の遊端側背面に取付けている。前記ラッチ駆動機構14は、扉2の遊端側に沿って配置するシャフト27と、該シャフト27の中間位置にシャフト27に対して回転不能に外嵌した連動部材28と、前記ラッチ5を回動可能に支持して前記扉2の遊端側コーナー部に取付けるラッチ受け部材29とからなり、前記シャフト27の端部は前記ラッチ5の軸部に供回り回転不能に嵌挿している。尚、前記シャフト27は角棒で構成し、前記連動部材28はシャフト27の側方から嵌合し、前記ラッチ5の軸部は軸方向から嵌挿している。ここで、前記操作ユニット8を前記扉2の背面側に嵌着すると同時に、該操作ユニット8の内部に前記シャフト27を受け入れて、前記引手3と連動部材28が連係し、該引手3を手前に引く動作で前記ラッチ駆動機構14を介して前記ラッチ5が筐体1の上下框部の係合孔に対する係合が解除される方向に回転するようになっている。また、前記ラッチ受け部材29は、正面視略L字形の部材であり、前記扉2のコーナー部を挟んで両辺部に嵌合し、つまり表面板15の背面と両縁板16,16に当接するとともに、両折曲板18,18に噛合して扉2の両辺縁部を一体化し、地震によって前記筐体1に揺れ、変形が生じて前記ラッチ5に大きな力が加わっても、前記扉2の縁部、特に上下縁部の変形を抑制するようになっている。
次に、施錠機構及び前記引手3とラッチ駆動機構14の連係について図4〜図8に基づいて説明する。本発明に係る扉の施錠装置4の要部である施錠機構は、前記扉2の表面板15に形成した引手開口部19に臨むように前記引手3の指掛け部30を配置するとともに、該指掛け部30から延びたアーム部31の先端部を前記表面板15の背面側位置で回動可能に枢支し、前記アーム部31の中間部と前記表面板15間で該表面板15に接して配置し、前記電気錠6の施錠・解錠操作によって前記引手3の回動中心軸に平行な方向へスライド変位する規制部材32を備え、前記アーム部31の中間部に凸部33と凹部34を形成するとともに、前記規制部材32に解錠状態で前記アーム部31の凸部33を受け入れて引手3の回動を許容する逃がし凹部35と、施錠状態で前記アーム部31の凸部33に当止して引手3の回動を規制する規制凸部36を形成したことを特徴とする。
前記引手3は、図4及び図7に示すように、指掛け部30が滑らかに湾曲した面となっている。前記指掛け部30は奥部になるにつれて後退しており、表面からの厚さが増すような形状であるので、前記引手3を合成樹脂製で一体成形すると、成形上、前面側の肉をとってリブを形成せざるを得ない。そこで、本実施形態では、前記指掛け部30の前面側に、別部材で成形した化粧部材37を嵌合して、前面をフラットにしている。前記引手3を操作ユニット8の引手装着空間38に装着した状態では、前面側からは前記化粧部材37のみが見えるようになっている。尚、前記引手装着空間38に前記引手3を装着した後の残余の空間が前記指入れ空間12となる。
更に詳しくは、前記引手3のアーム部31の中間部に、該引手3の回動中心軸に平行な方向へ一定間隔で交互に前記凸部33と凹部34を複数形成するとともに、前記規制部材32の前記表面板15に対する摺動面39と反対側に、該規制部材32のスライド方向へ一定間隔で交互に前記規制凸部36と逃がし凹部35を複数形成している。本実施形態では、前記引手3のアーム部31の凸部33と、前記規制部材32の規制凸部36は、3箇所に形成し、それぞれその両側と間に凹部34と逃がし凹部35を4箇所に形成している。
前記操作ユニット8の本体ケース部40には、図4、図6及び図15に示すように、前記引手装着空間38から連続した位置に、前記引手3のアーム部31の先端両側部に突設した支軸41,41を回動可能に支持する軸受部42,42を形成している。前記支軸41,41を軸受部42,42に無理嵌めして枢支する。前記規制部材32は、前記扉2の表面板15に沿う直線状の制御部43を、前記操作ユニット8の本体ケース部40の引手枠部44に形成したガイド溝45,45に遊挿して前記表面板15とで取り囲んでスライド可能に支持し、前記制御部43からクランク状に屈曲して延びた連係部46を連係具47に回動継手構造にて連結している。前記連係具47は、後述のように前記電気錠6と機械錠7とで操作される部材である。つまり、前記電気錠6の施錠・解錠操作に伴って直線駆動する前記ソレノイド9のプランジャー48に連係してカム部材49が回動し、該カム部材49の回転変位によって前記規制部材32がスライド変位して、前記凸部33と凹部34の位置を前記引手3の規制凸部36と逃がし凹部35に対して変化させるのである。
ここで、図4に示すように、前記操作ユニット8の本体ケース部40の中央部には、前記引手枠部44を設け、上部には電気錠6のソレノイド9と機械錠7及び前記連係具47、カム部材49等の施錠装置4の施錠機構部(駆動部)を格納する機構部収容部50を形成し、下部には電気錠6の認証手段10及び制御回路を格納する制御部収容部51を一体成形している。勿論、前記操作ユニット8の本体ケース部40を取付ける向きによって、前記引手枠部44、機構部収容部50及び制御部収容部51の位置関係は上下左右に変更されるが、前記引手3を取付ける引手枠部44を挟んで一側に機構部収容部50を、他側に制御部収容部51が配置されることは共通である。ここで、前記電気錠6に電力を供給するための電池ユニットは、前記本体ケース部40の外側の表面板15の裏面に適宜な手段で取り付けるが、前記制御部収容部51の内部に収容することも可能である。尚、前記ソレノイド9と機械錠7及び前記連係具47、カム部材49等は、図9〜図12に示すように、予め駆動部格納容器52に組み込んで、該駆動部格納容器52を前記機構部収容部50に嵌着するようになっている。ここで、前記引手3は中心線で対称に形成してあり、前記操作ユニット8の本体ケース部40に設ける機構部収容部50の位置が反対になっても前記規制部材32を反転させて使用できるように、前記凸部33と凹部34、規制凸部36と逃がし凹部35の関係は反転しても対称な形状となっている。
次に、前記引手3とラッチ駆動機構14の連係について説明する。前記ラッチ5を端部に固定し、前記扉2の表面板15の背面に回動可能に装着したシャフト27の中間位置に、連動部材28を回転に対して一体に設け、該連動部材28に側設した連動片53を前記引手3のアーム部31に形成した凸部33に連続して前記引手3の回動中心軸に平行な方向へ延びた操作突起54に常時当接した状態としている。
前記操作ユニット8の本体ケース部40に前記引手3を回動可能に設けるとともに、前記施錠装置4及び規制部材32を組み込み、更に前記引手3のアーム部31の前面側で回動中心軸と前記凸部33との間にアーチ状の凹陥部55を設けるとともに、その延長線上の前記本体ケース部40に前面側へ開放したU字凹部56を形成し、前記操作ユニット8を前記扉2の表面板15の背面に取付ける際に、前記シャフト27を前記本体ケース部40のU字凹部56に、前記連動部材28を前記引手3の凹陥部55に受け入れると同時に、前記連動片53を前記アーム部31の操作突起54に当接してなるのである。
前記連動部材28の両端部であって、前記連動片53を設けた側とは反対側に押圧片57,57を側設し、該押圧片57の先端部に圧縮コイルばね58を装着し、前記操作ユニット8を扉2の背面に取付けた際に、本体ケース部40のU字凹部56の近傍に設けた当止面59に圧縮コイルばね58を圧縮状態で当止し、前記連動片53が前記引手3の操作突起54を押圧する方向に弾性付勢している。つまり、前記ラッチ5が筐体1の框部の係合孔に係合する方向に弾性付勢されている。
また、前記操作ユニット8の本体ケース部40で、前記引手装着空間38と機構部収容部50との間の前記引手枠部44の側面には、前記機械錠7の鍵穴11を引手装着空間38に臨むように開口60を形成している。つまり、図3に示すように、前記鍵穴11は、視線から隠れる指入れ空間12の上面部分に設けられ、該指入れ空間12に差し入れたキー61を前記鍵穴11に係合し、前記機械錠7を施錠・解錠操作すると、該機械錠7のデッドボルト62が直線駆動するようになっている。
前記施錠装置4は、前記電気錠6の施錠・解錠操作によって変位する駆動部と連係具47を介して接触状態で連係した規制部材32を変位させ、前記扉2を開閉制御する構造の通常施錠・解錠機構と、前記電気錠6が施錠状態で使用不能となったとき、解錠操作する前記機械錠7のデッドボルト62によって前記電気錠6とは無関係に、前記規制部材32を解錠方向へ強制的に変位させる非常解錠機構と、を備えてなることを特徴とする。
そして、前記電気錠6は、ソレノイド9と該ソレノイド9に通電、非通電の指令を出す認証手段10とからなり、前記ソレノイド9が非通電時に弾性付勢力によってプランジャー48が突出又は引込終端に位置して施錠状態となり、通電時に弾性付勢力に抗して前記プランジャー48が逆方向へ変位して解錠状態となり、前記規制部材32は、施錠状態になる方向へそれ自体が弾性付勢されており、該規制部材32とプランジャー48の連係機構は前記機械錠7のデッドボルト62によって解錠方向へ変位させる際には解除される構造である。
前記ソレノイド9は、通電時に弾性付勢力に抗してプランジャー48を引き込むプル形であり、前記連係機構は、前記プランジャー48の引き込み動作時に直線運動を回転運動に変換するカム部材49の作動片63を、前記規制部材32に連結した連係具47の係止部64に該規制部材32の弾性付勢力によって当止し、前記機械錠7を操作して前記デッドボルト62を変位させたときに、前記規制部材32をその弾性付勢力に抗して前記連係具47の係止部64が前記作動片63から離れる方向へ変位させる非常時連係機構を備えてなる。ここで、前記非常時連係機構は、直線運動する前記デッドボルト62の先端摺動部65を、前記規制部材32に連結した連係具47の側面に形成した傾斜面66を圧接して、該傾斜面66が先端摺動部65から逃げる方向に変位させる構造である。
更に詳しくは、図9及び図10に示すように、前記駆動部格納容器52の内部に前記ソレノイド9と機械錠7を、前記プランジャー48とデッドボルト62の駆動方向を平行にして格納し、前記連係具47をプランジャー48とデッドボルト62の先端側でその駆動方向に対して直交する方向にスライド可能に保持している。前記カム部材49は、正面視略L字形の部材であり、中央部を前記駆動部格納容器52の内部に突設した支軸67にて回動可能に保持し、該カム部材49の一端部は前記作動片63であり、他端部は前記プランジャー48の先端部に回動可能に連結する駆動片68となっている。前記駆動片68とプランジャー48の連結は、前記プランジャー48の先端部に直径方向にスリット溝69を形成し、該スリット溝69を横切るようにピン70を嵌挿し、前記駆動片68の先端部を前記スリット溝69内に遊挿し、該駆動片68の先端に開放した係合溝71を前記ピン
70に係合させた構造である。
前記プランジャー48は、ソレノイド9の本体72と先端部に外着したEリング等の係止リング73との間に圧縮コイルばね74を巻装し、該プランジャー48が突出する方向に弾性付勢している。また、前記連係具47の基端部と駆動部格納容器52の内壁との間に圧縮コイルばね75を介装し、該連係具47が駆動部格納容器52から突出する方向へ弾性付勢している。前記連係具47の先端部には側方へ張り出した部分に前記傾斜面66を先端側へ向けて傾斜するように形成し、該先端部に前記規制部材32の連係部46を連係具47に回動継手構造にて連結している。この回動継手構造は、図9、図10及び図13に示すように、前記連係具47の先端部に側設した軸部76の先端に直径方向へ二つのダボ77,77を突設し、一方、前記規制部材32の連係部46に前記軸部76とダボ77,77の外形に一致した挿入孔78を形成し、該挿入孔78に前記軸部76とダボ77,77を挿入し、ダボ77,77が挿入孔78を貫通した状態で前記規制部材32を90°回転させて抜け止め状態で使用する。前記連係具47と規制部材32は直線状に連結して使用するので、その向きとは90°異なる向きで挿入できるように形成している。
また、前記機械錠7のデッドボルト62の先端は、前記連係具47の傾斜面66に摺接する先端摺動部65となっているが、具体的には先端摺動部65は、前記傾斜面66と同傾斜の斜面で形成している。尚、前記デッドボルト62の先端を屈曲して前記先端摺動部65としても良い。
先ず、電気錠6を用いて解錠状態にするには、前記扉2の表面側の認証手段10に暗礁番号を入力し、その制御回路からの指令を受けて前記ソレノイド9に通電すると、前記プランジャー48は、圧縮コイルばね74の弾性付勢力に抗して本体72側に引き込まれ、前記カム部材49を図9(a)の時計回りに回転させ、前記作動片63が前記連係具47の係止部64に当接した状態で、前記圧縮コイルばね75の弾性付勢力に抗して該連係具47を駆動部格納容器52の内部に引き込むようにスライド変位させる。当然、前記連係具47のスライド変位と同じように前記規制部材32がスライド変位し、該規制部材32の規制凸部36と前記引手3のアーム部31の凸部33の位置がずれて当該引手3を手前に引いて回転させることができ、それによって前記ラッチ駆動機構14の連動部材28の連動片53を操作突起54で押して、シャフト27を回転させ、前記ラッチ5を回転させて筐体1の框部に対する係合を解除して扉2を開くことができる。
それから、前記ソレノイド9への通電を遮断すると、前記圧縮コイルばね74の弾性付勢力によって前記プランジャー48が突出し、前記圧縮コイルばね75の弾性付勢力によって前記連係具47が駆動部格納容器52から突出して初期状態に復帰し、前記規制部材32の規制凸部36と前記引手3のアーム部31の凸部33の位置が一致して、前記引手3を引いても扉2の表面板15と間に規制部材32を挟み込むので、それ以上の回転は規制され、もって前記ラッチ5は筐体1の框部に対する係合が維持され、施錠装置4が施錠状態となる。
ここで、電池切れ等の何らかの故障で前記ソレノイド9に通電できなくなった場合、つまり非常時に扉2を開く必要が生じると、前記指入れ空間12からキー61を鍵穴11に差し込んで、前記機械錠7を解錠状態に回転させると、前記デッドボルト62が図9(b)の矢印の方向に突出し、先端摺動部65が連係具47の傾斜面66を押圧し、該傾斜面66が退避する方向、つまり前記連係具47が駆動部格納容器52の内部に引き込まれる方向に力が作用し、前記圧縮コイルばね75の弾性付勢力に抗して該連係具47が駆動部格納容器52の内部に引き込まれ、前記ソレノイド9に通電したときと同じように、前記規制部材32を解錠状態にスライド変位させることができ、前記引手3を手前に引けるようになり、前記ラッチ5を回転させて筐体1の框部に対する係合を解除して扉2を開くことができる。この際に、前記カム部材49の作動片63から連係具47の係止部64は離れ、カム部材49とは無関係に動作する。
また、非常解錠状態から、前記キー61を施錠操作すると、前記デッドボルト62が反対に後退し、前記連係具47は圧縮コイルばね75の弾性付勢力によって駆動部格納容器52から突出する方向にスライド変位し、また前記規制部材32も同様にスライド変位して初期状態に復帰し、施錠装置4が施錠状態となるのである。
前記駆動部格納容器52は、図10に示すように、本体容器79と蓋80からなり、本体容器79に前述のソレノイド9、機械錠7、連係具47、カム部材49及び圧縮コイルばね75等の部品を組み込んで、蓋80を嵌め殺し的に嵌合する。このように組み立てた駆動部格納容器52を図14に示すように、前記操作ユニット8の機構部収容部50に嵌着して施錠装置4を内蔵させる。
前述のように、前記操作ユニット8の本体ケース部40の中央部に前記引手枠部44を設け、該引手枠部44を挟んで一側に機構部収容部50を、他側に制御部収容部51が配置されているが、前記機構部収容部50にはソレノイド9を収容し、前記制御部収容部51には認証手段10と制御回路が収容されるので、前記本体ケース部40に電気錠6のソレノイド9と認証手段10間を繋ぐコード(図示せず)を引掛ける機能を設けている。つまり、図14及び図15に示すように、前記本体ケース部40の外側側面にコードフック81,…を複数設けている。
A キャビネット、
1 筐体、 2 扉(開閉体)、
3 引手、 4 施錠装置、
5 ラッチ、 6 電気錠、
7 機械錠、 8 操作ユニット、
9 ソレノイド、 10 認証手段、
11 鍵穴、 12 指入れ空間、
13 裏カバー、 14 ラッチ駆動機構、
15 表面板、 16 縁板、
17 補強板、 18 折曲板、
19 引手開口部、 20 取付金具、
21 係合板、 22 支持板、
23 係合段部、 24 弾性爪、
25 嵌合部、 26 側面板、
27 シャフト、 28 連動部材、
29 ラッチ受け部材、 30 指掛け部、
31 アーム部、 32 規制部材、
33 凸部、 34 凹部、
35 逃がし凹部、 36 規制凸部、
37 化粧部材、 38 引手装着空間、
39 摺動面、 40 本体ケース部、
41 支軸、 42 軸受部、
43 制御部、 44 引手枠部、
45 ガイド溝、 46 連係部、
47 連係具、 48 プランジャー、
49 カム部材、 50 機構部収容部、
51 制御部収容部、 52 駆動部格納容器、
53 連動片、 54 操作突起、
55 凹陥部(空間部)、 56 U字凹部(空間部)、
57 押圧片、 58 圧縮コイルばね、
59 当止面、 60 開口、
61 キー、 62 デッドボルト、
63 作動片、 64 係止部、
65 先端摺動部、 66 傾斜面、
67 支軸、 68 駆動片、
69 スリット溝、 70 ピン、
71 係合溝、 72 本体、
73 係止リング、 74 圧縮コイルばね、
75 圧縮コイルばね、 76 軸部、
77 ダボ、 78 挿入孔、
79 本体容器、 80 蓋、
81 コードフック。

Claims (1)

  1. 開閉体に設ける本体ケース部に引手と施錠装置を組み込み、該施錠装置が少なくとも電気錠を含むものである電気錠付き操作ユニットであって、前記電気錠がソレノイドを含む施錠機構部と認証手段とからなり、前記本体ケース部に引手を挟んで前記施錠機構部と認証手段を配置したことを特徴とする電気錠付き操作ユニット。
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