JP2019049062A - ブラジャー - Google Patents
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Abstract
【課題】運動時の胸の揺れ軽減効果、すなわち防振性に優れるブラジャーを提供する。【解決手段】一対のカップ部、該カップ部の前中心側を互いに連結する連結部、該カップ部の脇側に隣接するウイング部、及び端部が該一対のカップ部と該ウイング部とに連結された肩紐部を備えたブラジャーであり、該連結部のヨコ方向10%繰り返し伸張試験における3回目伸張時の伸張応力が10N〜30Nであり、且つ上縁高応力部、下縁高応力部、肩紐部及びサブウイング部からなる群から選択される1つ以上の防振部を有するブラジャー。【選択図】図1
Description
本発明は着用動作時の胸の揺れを抑えるブラジャーに関する。より詳細には、本発明は、快適性を損なわずに着用動作時の胸の揺れ抑制効果、すなわち防振性を備えたブラジャーに関する。
ブラジャーは胸の形をきれいに整えることを主な目的の一つとするが、運動時の胸の揺れを抑えることも大きな役割の一つである。しかし、ブラジャーを着用していても、歩いたり、走ったりすると、胸が大きく揺れる場合が多い。特に胸のサイズが大きい場合には、その揺れは非常に大きくなり、不快及び着用者への負担になるばかりか胸の下垂の原因にもなる。この揺れを軽減する方法としては強い着圧のブラジャーをつける方法が効果を奏するが、この方法では着用快適性は著しく悪化する。また、運動時においては、特に胸の揺れはさらに大きくなるため、着用者の動作の妨げになったり、負担になったりと問題がより顕在化する。このため、運動時の胸の揺れを軽減するブラジャーとしてスポーツ用ブラジャーが多数開発されている(特許文献1及び2)。しかし、スポーツ用ブラジャーは運動時の揺れを抑えるために、被覆面積が大きく、胸の谷間を覆うデザインが多い。このため、審美性に欠け、日常での使用が好まれないことが多い。
このため、日常での使用を考慮すると、胸の谷間を大きく開け、審美性を保った状態で、日常の軽い運動時に胸の揺れを軽減し、着圧も適正であるブラジャーの開発が望まれている。
特許文献3は、一対のカップ部、該カップ部の前中心側を互いに連結する連結部、ウイング部、及び端部が該一対のカップ部と該ウイング部とに連結された肩紐部を備えたブラジャーにおいて、該カップ部が少なくともパッドを有し、該パッドが、パッド上縁、若しくはパッド下縁、又はこれらの両者に沿って延びるパッド高応力部であって、パッドのバストトップ部の伸張応力S1に対するパッド高応力部の伸張応力S2の比S2/S1が2/1〜80/1であるパッド高応力部を有する、ブラジャーを記載する。
特許文献3に記載される技術では、カップ部からウイング部の一部に亘る領域において、ブラジャー本体上にサブウイング部を配置している。本体の布帛と引張応力の異なる生地布帛から作製されたサブウイングを配置することで、着用時に本体布帛とサブウイングの引張応力差により、カップ部におけるサブウイング部の接合部からウイング部に向けて引っ張る力が働き、防振効果が発揮されるようにしている。
上記のブラジャーにおいては、サブウイングによる効果により、胸の谷間を大きく開けながらも、快適性を損なうことなく、動作時の揺れを抑えることは可能となる。しかし、本ブラジャーの着用時の揺れ感及び快適感の主観評価は、通常のブラジャーと比べると向上しており、且つ揺れ値も低減されているものの、快適性の面において多少の違和感を生じることがあった。
従って、本発明が解決しようとする課題は、運動時の胸の揺れ軽減効果、すなわち防振性に優れるブラジャーを提供することであり、好ましくは、防振性に加え、快適性にも優れるブラジャーを提供することである。
本発明者らは、特許文献3に示すブラジャーのようにバスト全体の揺れを抑えているような製品においても、実際はバストがカップ内にて3次元方向に細かく揺れていることを、加速度計を用いた測定により見出した。加速度から見ると、バスト全体の揺れを抑えている製品において胸の大きな揺れは抑えられているものの、細かな振動による加速度があらゆる方向に発生しており、常に胸は加速度に起因する衝撃を受けていることになる。このことが、着用時の揺れは収まっているものの、違和感が感じられる原因であると考えられる。このため、さらなる着用快適性の向上をするためには、この加速度の発生を低減する必要があると考えられる。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究し、実験を重ねた結果、開口部且つ特定の防振部を有するブラジャーにおいて、カップ部を繋ぐ連結部の物性を所定の値にすることで、着圧を上げることなく、動作時の加速度を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] 一対のカップ部、該カップ部の前中心側を互いに連結する連結部、該カップ部の脇側に隣接するウイング部、及び端部が該一対のカップ部と該ウイング部とに連結された肩紐部を備えたブラジャーであり、該連結部のヨコ方向10%繰り返し伸張試験における3回目伸張時の伸張応力が10N〜30Nであり、且つ
以下の(I)〜(III):
(I)該カップ部においてカップ上縁に沿って伸びる上縁高応力部であって、カップ中央部の伸張応力S1に対する上縁高応力部の伸張応力S2の比S2/S1が2/1〜400/1である、上縁高応力部、及び、該カップ部においてカップ下縁に沿って延びる下縁高応力部であって、カップ中央部の伸張応力S1に対する下縁高応力部の伸張応力S3の比S3/S1が2/1〜400/1である、下縁高応力部、のいずれか一方又は両方、
(II)平均断面積が20〜120mm2である肩紐部、並びに
(III)該カップ部の一部から該ウイング部の一部に亘る領域において本体上に配置されたサブウイング部であって、該カップ部のバストトップから該ウイング部の背中心まで延ばした線分が最長になるようにブラジャーを配置し、かつ該線分と同一方向の法線を有する平面を規定した場合に、該線分上の該バストトップから該背中心に向かって5〜25%の位置の該平面上及び55〜100%の位置の該平面上に、該サブウイング部と該本体との接合部が存在し、かつ該サブウイング部は該本体と接合されていない領域を有するサブウイング部
からなる群から選択される1つ以上の防振部を有するブラジャー。
[2] 上記(I)及び(II)の防振部を有する、上記態様1に記載のブラジャー。
[3] 上記(III)の防振部を有する、上記態様1に記載のブラジャー。
[4] 上記(I)の防振部を有する、上記態様3に記載のブラジャー。
[5] 上記(II)の防振部を有する、上記態様3に記載のブラジャー。
[6] 上記(II)の防振部を有する、上記態様4に記載のブラジャー。
[7] 肩紐部のカップ部前中心側端点の距離が最大となるようにブラジャーを配置したときに、カップ最下点を結ぶ線分の中点と肩紐部のカップ部前中心側端点を結ぶ線分の中点とを結ぶ線分L3の長さに対する、線分L3上の連結部部位に対応する線分L4の長さの比L4/L3が、0.10〜0.50である、上記態様1に記載のブラジャー。
[8] 肩紐部のカップ部前中心側端点の距離が最大となるようにブラジャーを配置したときに、肩紐部のカップ部前中心側端点と該連結部の前中心下端点とを結んで形成される三角形の面積に対する、ブラジャー構成部材で覆われていない部分の面積の割合が60%以上である、上記態様1〜7のいずれかに記載のブラジャー。
[9] 最大着圧が50hPa以下である、上記態様1〜8のいずれかに記載のブラジャー。
以下の(I)〜(III):
(I)該カップ部においてカップ上縁に沿って伸びる上縁高応力部であって、カップ中央部の伸張応力S1に対する上縁高応力部の伸張応力S2の比S2/S1が2/1〜400/1である、上縁高応力部、及び、該カップ部においてカップ下縁に沿って延びる下縁高応力部であって、カップ中央部の伸張応力S1に対する下縁高応力部の伸張応力S3の比S3/S1が2/1〜400/1である、下縁高応力部、のいずれか一方又は両方、
(II)平均断面積が20〜120mm2である肩紐部、並びに
(III)該カップ部の一部から該ウイング部の一部に亘る領域において本体上に配置されたサブウイング部であって、該カップ部のバストトップから該ウイング部の背中心まで延ばした線分が最長になるようにブラジャーを配置し、かつ該線分と同一方向の法線を有する平面を規定した場合に、該線分上の該バストトップから該背中心に向かって5〜25%の位置の該平面上及び55〜100%の位置の該平面上に、該サブウイング部と該本体との接合部が存在し、かつ該サブウイング部は該本体と接合されていない領域を有するサブウイング部
からなる群から選択される1つ以上の防振部を有するブラジャー。
[2] 上記(I)及び(II)の防振部を有する、上記態様1に記載のブラジャー。
[3] 上記(III)の防振部を有する、上記態様1に記載のブラジャー。
[4] 上記(I)の防振部を有する、上記態様3に記載のブラジャー。
[5] 上記(II)の防振部を有する、上記態様3に記載のブラジャー。
[6] 上記(II)の防振部を有する、上記態様4に記載のブラジャー。
[7] 肩紐部のカップ部前中心側端点の距離が最大となるようにブラジャーを配置したときに、カップ最下点を結ぶ線分の中点と肩紐部のカップ部前中心側端点を結ぶ線分の中点とを結ぶ線分L3の長さに対する、線分L3上の連結部部位に対応する線分L4の長さの比L4/L3が、0.10〜0.50である、上記態様1に記載のブラジャー。
[8] 肩紐部のカップ部前中心側端点の距離が最大となるようにブラジャーを配置したときに、肩紐部のカップ部前中心側端点と該連結部の前中心下端点とを結んで形成される三角形の面積に対する、ブラジャー構成部材で覆われていない部分の面積の割合が60%以上である、上記態様1〜7のいずれかに記載のブラジャー。
[9] 最大着圧が50hPa以下である、上記態様1〜8のいずれかに記載のブラジャー。
本発明のブラジャーは、所定の物性を有する連結部を備えることにより、各方向に発生する加速度を低減することが可能となり、動作時の違和感(揺れ感)を低減することができる。かつ、上記連結部と特定の防振部との組み合わせにより、大きいカップサイズの場合でも運動時の胸の上下動(Y方向)及び左右動(X方向)さらには前後動(Z方向)の胸全体の大きな揺れを抑えつつ、カップ内での細かな揺れも抑制することが可能となり、快適なブラジャーを提供できる。また、本発明の特定の態様においては、カップの下縁及び/若しくは上縁に高応力部を設けること、特定の肩紐部を設けること、サブウイング部を設けること、又はこれらの任意の2つ以上の組合せにより、更に良好な揺れ抑制効果を発揮できる。本発明は、一般的なブラジャーに好適に適用できる。また、本発明によれば、大きいカップサイズの場合の揺れ抑制効果が特に顕著である。
以下、本発明の典型的な態様の例について詳細に説明する。
本開示の一態様は、一対のカップ部、該カップ部の前中心側を互いに連結する連結部、該カップ部の脇側に隣接するウイング部、及び端部が該一対のカップ部と該ウイング部とに連結された肩紐部を備えたブラジャーであり、該連結部のヨコ方向10%繰り返し伸張試験における3回目伸張時の伸張応力が10N〜30Nであり、且つ特定の防振部を有するブラジャーを提供する。連結部と特定の防振部とを併存させることにより、連結部のみ存在させる場合と比べてさらに高い防振効果が得られる。
本開示の一態様は、一対のカップ部、該カップ部の前中心側を互いに連結する連結部、該カップ部の脇側に隣接するウイング部、及び端部が該一対のカップ部と該ウイング部とに連結された肩紐部を備えたブラジャーであり、該連結部のヨコ方向10%繰り返し伸張試験における3回目伸張時の伸張応力が10N〜30Nであり、且つ特定の防振部を有するブラジャーを提供する。連結部と特定の防振部とを併存させることにより、連結部のみ存在させる場合と比べてさらに高い防振効果が得られる。
図1を参照し、本発明の一態様に係るブラジャー100は、一対のカップ部102(図中では、一対のうち一方を点線で囲まれた領域として示している)と、該カップ部の前中心側を互いに連結する連結部101と、ウイング部103(これはカップ部102の脇側(すなわち着用者の脇側)に配置されている)を備える。連結部101は、例えば下辺テープとしてカップ部102の下縁に沿って延びてブラジャー下端を形成していてもよい。ウイング部103は着用者の背側に向かって延びる。ウイング部103は、基部と下辺部(例えばテープ)とを有することができる。各部材は布帛で構成されている。ブラジャーは、端部がウイング部103と一対のカップ部102とに連結された肩紐部110を更に備える。
本開示のブラジャーにおいて、カップは着用者の***を受け入れることが想定される。また、連結部は、該カップ部の前中心側を互いに連結することが想定される。また肩紐部は、フロント部から延びて着用者の左右各々の肩に掛け渡された後、着用者の背面側でウイング部に接続することが想定される。
本開示で、「着用者側」とは、ブラジャーの裏側(すなわちカップが凹形状となる側)を意図し、「外側」とは上記着用者側と反対側を意図する。
本開示で、ブラジャーに関して言及する「ヨコ方向」(例えば、連結部のヨコ方向)とは、2つのカップの配列方向であり、具体的には、2つのカップのバストトップ位置が互いに最も離れるようにブラジャーを置いたときの、2つのバストトップ位置を結ぶ直線の方向を意図する。本開示で、ブラジャーの「タテ方向」とは、上記ヨコ方向と垂直の方向であり、着用者の身体の上下方向に対応することが意図される。
本開示で、「バストトップ位置」とは、ブラジャー着用時に着用者のバストトップに対応する位置(すなわち着用者の乳首に対応する位置)を意図する。バストトップ位置は、カップの膨らみ形状(凸形状)の頂部である。本開示で、ブラジャーの「前中心線」及び「背中心線」とは、それぞれ、2つのバストトップ位置を結ぶ線分の中点を通ってブラジャーのタテ方向に延びる線であって、前中心線はフロント部上、背中心線はウイング部上の線である。
本開示で、ブラジャーの周長とは、本体において、前中心線から背中心線を通って前中心線に戻るように引いた線の最短長さ(但し、ブラジャーが長さ調節機構(例えば後述の図4中の長さ調節機構106)を有する場合には周長が最大となるように長さ調節機構を調節した状態での値)を意図する。
本開示において、カップ部の前中心側を互いに連結する連結部101の、ヨコ方向10%繰り返し伸張試験における3回目伸張時の伸張応力は10N〜30Nである。更に、本開示のブラジャーにおいては、本連結部に加えて特定の防振部を1つ以上組み合わせることで、動作時の細かな振動を抑制することが可能となり、身体への動作時の負荷を低減でき、且つ高い快適性を有することができる。
通常、カップは着用者の***を受け入れることが想定される。しかし、実際にはカップ内では、胸はカップに完全に沿っておらず、固定されていない。このため、動作時に胸が揺れる際に、カップ内にて胸は細かな振動が起こっていると考えられる。この細かな振動は、外観上胸の揺れが発生していなくとも、X、Y、Z方向のいかなる方向にも発生している。これは、ブラジャー着用時において、着用時にヨコ方向に伸張される際に、ウイング部の伸張を起点とした、ヨコ方向の伸張力が働き、カップ連結部の生地が伸張される。このため、連結部が浮いてしまい、肌との間に隙間が発生してしまうと考えられる。この隙間が発生することにより、カップ前面付近にてカップと胸が設置しない面積、つまり胸が逃げることが可能となる領域が発生してしまうことで、カップの固定力が低減してしまうと考えられる。このため、着用時において、外観上大きな揺れが発生していなくとも、揺れ感及び違和感を感じるのは、本現象が原因であると推測される。
連結部のヨコ方向10%繰り返し伸張試験における3回目伸張時の伸張応力は、10N〜30Nであることが、上記揺れを抑える観点で有利である。上記伸張応力は、好ましくは、15N〜25Nである。上記伸張応力が10N以上であると、連結部が伸張しにくくなり、連結部が固定点となることで、連結部が浮かずにカップ前面から側面にかけて胸を固定することが可能となり、細かな振動を抑えることが可能である。また30N以下であると、着用時に生地が硬くなり過ぎないために快適性を損なわず揺れを抑えることが可能となる。
尚、ヨコ方向の伸張応力は、具体的には、水平方向(例えば後述の図3中の直線L1の方向)に各部を伸張させたときの応力として測定される。本開示の伸び及び伸張応力は、特記がない限り、JIS L1096.8.12.1 A法のカットストリップ法引張り試験に準拠して測定される値である。
なお本開示で言及される物性値は、特記がない限り、ブラジャーの各部(例えば連結部)の端部を把持して測定してもよいし、各部から布帛を切り出して測定してもよく、いずれかの方法で測定される物性値が本開示の値となればよいことが意図される。
サブウイング部を設けること、カップ上縁及び/又は下縁の高応力部を設けること、並びに肩紐部に防振部を設けることによっても、外観上の大きな揺れを抑制すると同時に、胸を体幹に引き寄せる効果との相乗効果によって、さらにカップと胸がしっかりと密着することで細かな揺れもより抑制することが可能となる。
特定の態様において、ブラジャーはカップの上縁に沿って延びる上縁高応力部(例えば図1における上縁高応力部104)を有する。
特定の態様において、ブラジャーはカップの下縁に沿って延びる下縁高応力部(例えば図1における下縁高応力部105)を有する。
図2を特に参照し、特定の態様において、ブラジャーは、防振部として、サブウイング部109を有する。サブウイング部は、着用することにより、カップ部からウイング部にかけて生地が伸長することにより、体の体幹方向に胸を引きよせることで、カップと胸との密着性を高め、これらを一体化させる効果に優れ、動作時の胸の浮きを防ぐ効果がある。これにより、動作時の外観上の大きな揺れを抑制することが可能となる。
典型的な態様において、サブウイング部は、カップ部の一部である領域とウイング部の一部である領域とに亘って連続する領域の本体に重ねられている。特定の態様において、サブウイング部は、各々のカップ部のバストトップHと対応するウイング部の背中心Cとを結ぶ線分Iが最長となるようにブラジャーを配置し、且つ該線分と同一方向の法線を有する平面Sを規定した場合に、該線分I上のバストトップHから該背中心に向かって5〜25%の位置の該平面上及び55〜100%の位置の該平面上に、該サブウイング部と該本体との接合部(例えば図2中のカップ側接合部107aS及びウイング側接合部107bS)が存在し、かつ該サブウイング部は本体と接合されていない領域を有する。本開示で、背中心とは、着用者の背中心に対応する線上の、ウイング部布帛上下方向中央の点を意味する。例えば、ウイング部がホック部を有する場合には、ホック部を留めた状態で背中心が規定される。本開示で、「背中心」を用いて画定される形状又は寸法に関する規定について、ウイング部に長さ調節機構が存在する場合には、長さ調節機構のいずれか1つの位置で規定される背中心に関して上記規定が満たされればよいことに留意すべきである。
サブウイング部と本体とは、典型的には以下の2つの接合部を有する。第1の接合部は、前述のように規定される平面Sに関し、線分I上のバストトップHから背中心Cに向かって、5〜25%、好ましくは8〜25%、より好ましくは10〜23%の位置の該平面上に存在する。第1の接合部の位置がバストトップから背中心に向かって5%以上である場合は、バストトップに引っ張り力が大きくかかり過ぎず着用感が良い。一方25%以下である場合はバストを身体の体幹方向に引き寄せる力が働きやすく高い防振性が得られる。第2の接合部は、前述の平面Sに関し、線分I上のバストトップHから背中心Cに向かって、55〜100%、好ましくは55〜95%の位置の該平面上に存在する。第2の接合部の位置がバストトップから背中心に向かって55%以上である場合は、バストトップに引っ張り力がかかりやすく高い防振性が得られる。一方、該接合部の位置がバストトップから背中心に向かって100%以下である場合は、バストを身体の体幹方向に引き寄せる力が働きやすく高い防振性が得られる。
サブウイング部と本体との接合部は、前述のように規定される平面Sに関し、線分I上のバストトップHから背中心Cに向かって5〜25%の位置の該平面上及び55〜100%の位置の該平面上以外の部位にさらに存在してもよい。しかし、サブウイング部による防振効果をより良好に得る観点から、上記平面Sに関し、上記線分I上のバストトップから背中心に向かって、例えば25%超から55%未満の位置の該平面上に接合部が存在しないことが望ましい。
サブウイング部の、着用時に引張力を受ける領域の面積のうち、本体と接合されていない領域の面積は、良好な防振効果を得る観点から、好ましくは30%以上、より好ましくは60%以上、更に好ましくは80%以上であり、サブウイング部と本体とがしっかりと接合されているという観点から、好ましくは99.5%以下、より好ましくは99%以下、更に好ましくは98%以下である。
サブウイング部長さは、典型的には、後述のように規定される線分La+Lbの長さである。線分Lbの長さは、ウイング部の長さの20〜90%であることが好ましい。ウイング部の長さ、並びにLaの幅及びLbの幅の求め方を以下に図3及び4を参照して説明する。
ブラジャー最下端に接するように引いた直線L1から、カップ上縁とカップ脇縁との境界点Paまでの最短距離を規定する線分L2を仮想する。線分L2を通りかつ線分L2と垂直をなす平面と、本体の布帛表面(着用者からみて外側の表面)との交線のうち、カップ部領域内の長さが最大となる交線を選び、該交線とカップ脇縁との交点をM1とし、該交線とカップ側接合部107aSにおけるサブウイング部端部側の辺縁との交点をM2とし、該交線上のM1とM2との間の線分を線分Laとする。該交線とウイング側接合部107bSのサブウイング部端部側の辺縁との交点をM3とする。該交線上のM2とM3との間の線分を線分Lbとする。
ウイング部の長さとは、M1から、ウイング部の背部端(ウイング部端にホック部を有する場合はホック部との境界、ホック部を有さなければ着用時の背中心Cまでの布帛上での最短長さを意味する。
上記線分L2の長さは、5cm〜25cmが適当である。
サブウイング部長さm1は本体との接合部のM2とM3とを結ぶ生地の中での最短長さとする。また、本体における線分La及び線分Lbの合計の長さを本体の接合部間長さm2とする。通常ブラジャーは15〜25%程度伸張させた状態で着用する。サブウイング長さm1、本体における接合部間長さm2、並びに、サブウイング部及び本体の生地の応力は、所望の伸び率で所望の防振効果を実現するように設計することが好ましい。
ここでの着用時の本体伸び率、すなわち{(アンダーバストサイズ)/(ブラジャーの最下部の周長)×100}−100(%)をE2とし、一方、サブウイング部が設定の応力を与えるためのサブウイング部伸び率をE1とすると、下記式:
(1+E2/100)×m2=(1+E1/100)×m1
の関係となり、m1は、
m1={(1+E2/100)×m2}/(1+E1/100)
で表される。
(1+E2/100)×m2=(1+E1/100)×m1
の関係となり、m1は、
m1={(1+E2/100)×m2}/(1+E1/100)
で表される。
具体的な態様において、サブウイング部の生地物性としては、ブラジャーのヨコ方向における30%繰り返し伸張試験における3回目伸張時の伸張応力が1.5〜8.0Nであることが望ましい。上記サブウイング部の伸張応力が1.5N以上あれば、所望の応力が良好に得られるため、防振効果が良好であり、一方8.0N以下であれば、サブウイングがきつすぎず、着用時に不快にならない。
上記の伸張応力と伸び率との関係は、JIS L1096.8.12.1 A法のカットストリップ法に準拠して実施する。
上記の伸張応力と伸び率との関係は、JIS L1096.8.12.1 A法のカットストリップ法に準拠して実施する。
サブウイング部の布帛は必ずしも本体の布帛より伸びにくい必要はなく、サブウイング部の伸びやすさに応じてm1とm2との長さを上述の式により調整することにより、ブラジャーの肌へのフィット効果を高め、且つ、着用時にサブウイング部のカップ側接合部に引張り力がかかり、防振効果を発揮させることができる。なお、所望の伸張応力を良好に発揮する観点から、m1及びm2の長さは、それぞれ、上記式で定められる設計の値から、±10%、又は±8%、又は±5%を超えて外れないようにすることが好ましい。
サブウイング部は胸のX、Y、Z方向の揺れのうち、特にX及びZの方向の防振性に大きく寄与する。すなわちサブウイング部は、カップと胸との密着性を高めてこれらを一体化させる効果に優れ、動作時の胸のはみ出しを防ぐ効果がある。カップと胸との密着性を高めてこれらを一体化させる効果は特にZ方向の防振性により有効に発揮され、胸のはみ出しを防ぐ効果は特に引っ張り力のかかっているX方向の防振性により有効に発揮される。
サブウイング部はカップを斜め後ろ方向(X方向及びZ方向の複合方向に対応する)に引っ張ることで、胸を体幹方向に引き寄せることで、カップと胸との密着性を高めている。しかし、同時にサブウイング無しのブラジャーと比較するとより胸がサイドに引き寄せられる傾向が見られる。このため、同時に連結部においては、サブウイングに起因する引張り力において、左右方向に引っ張られることにより伸張することとなる。このため、連結部付近(胸中心)部においては、サブウイング無しのブラジャーと比較すると、カップと胸に隙間ができやすくなってしまう。このとき、サブウイング部を有するブラジャーにおいては、連結部が所定の応力を有することにより、連結部が固定点となり、さらに胸を体幹に引き寄せる引っ張り力が発生するとともに、連結部が浮くことを抑制することが可能となり、動作時の細かな揺れを抑制することが可能となる。
サブウイング部は、綿織物、ポリエステル織編物等の、本体の布帛よりも伸びの小さい布帛、又はパワーネット組織の編地等の、本体の布帛よりも伸びの大きい布帛によって構成することができる。サブウイング部の本体との接合部がカップ部側とウイング部側との両端である場合、カップ部側及びウイング部側の両端で本体用の布帛とサブウイング部用の布帛とを重ね、縫合、溶着又はその他の方法で固定することによりサブウイング部を形成できる。
別の態様では、カップの上縁部に高応力部を配することにより防振効果を発現できる。上縁高応力部は、カップ上縁部に沿って延びて配置されている。なお、上縁高応力部はカップ部の実質的な周縁部分の少なくとも一部を構成すればよい。
カップ部において、中央部の伸張応力S1に対する上縁高応力部S2の伸張応力の比S2/S1は、2/1〜400/1であることが好ましい。本開示で、カップの中央部とは、カップのトップ部(すなわち着用者のバストのトップ部に対応する位置)を含み単一の伸張応力を有している領域を意味する。本開示において、伸張応力とは、JIS L1096.8.12.1 A法のカットストリップ法引張り試験に準拠して布帛のタテ方向10%伸張時応力(N/2.5cm幅、以下単にNと記す)及びヨコ方向10%伸張時応力(N)を測定し、これらを平均した値(以下、タテヨコ平均伸張応力、又は単に伸張応力ともいう)をいう。
カップ部が2層以上(例えばウレタンパッド及び布帛の2層)から構成されている場合には、2層以上を重ねた状態で伸張応力を測定する。
上記比S2/S1が2/1以上であれば、高応力部による胸の揺れの抑制効果が大きい。一方上記比S2/S1が400/1以下であれば、該高応力部における伸張応力が高くなりすぎず、硬くフィットしにくいブラジャーとなることを回避できる。上記比S2/S1は、3/1〜100/1であることが好ましく、5/1〜80/1であることがより好ましく、特に好ましくは10/1〜60/1である。
上縁高応力部は胸のX、Y、Z方向の揺れのうち、特にX及びYの方向の防振性に大きく寄与する。歩く、走る等の動作時には人体の上下動に対し、幾分かの遅れをもって、カップに納まっている胸が上下する。この場合の上方への胸の揺れは、上縁高応力部を設けることにより、効果的に抑制できる。さらに歩く、走る等の動作時には人体の上下動に加えて、体を回転させる左右動も同時に発生する。更に、上縁高応力部をカップ上縁に沿って延びるように設けると、通常、上縁高応力部を水平方向に対してやや斜めに取り付けることができる。これにより、左右動による胸の内側への揺れ、すなわちX方向の揺れを抑制することが可能となる。
上縁高応力部はカップ部の上部に幅0.5〜5.0cmに亘って配置されていることが好ましい。上記幅は1.0〜4.0cmであることがさらに好ましい。また、上記幅は任意にデザインできる。例えば、上縁高応力部の幅は、カップ部の着用者身体の前中心側で細く、脇側で太くなるようにデザインできる。
また、別の態様では、カップの下縁部に高応力部を配することにより防振効果を発現できる。下縁高応力部は、カップ部の下縁部に沿って延びて配置されている。なお、下縁高応力部はカップ部の実質的な周縁部分の少なくとも一部を構成すればよい。
カップ部において、中央部の伸張応力S1に対する下縁高応力部S3の伸張応力の比S3/S1は、2/1〜400/1であることが好ましい。S3/S1が2/1以上であれば、高応力部による胸の揺れの抑制効果が大きい。一方上記比S3/S1が400/1以下であれば、該高応力部における伸張応力が高くなりすぎず、硬くフィットしにくいブラジャーとなることを回避できる。上記比S3/S1は、3/1〜100/1であることが好ましく、5/1〜80/1であることがより好ましく、特に好ましくは10/1〜60/1である。
下縁高応力部は胸のX、Y、Z方向の揺れのうち、特にY方向の防振性に大きく寄与する。歩く、走る等の動作時には人体の上下動に対し、幾分かの遅れをもって、カップに納まっている胸が上下する。この場合の下方にたたきつけるような胸の揺れが、下縁高応力部を設けることにより、効果的に抑制できる。
下縁高応力部はカップ部の下部に幅0.5〜4.0cmに亘って配置されていることが好ましい。上記幅は1.0〜3.0cmであることがさらに好ましい。上記幅は任意にデザインできる。例えば、カップ部の着用者身体の前中心側で細く、脇側で太くなるようにデザインできる。
上縁高応力部と下縁高応力部とをともに設ける場合には、カップ部全体の面積に対する上縁高応力部と下縁高応力部との面積の和の割合は10%〜50%であることが好ましく、20%〜40%であることが特に好ましい。上記割合が10%以上である場合補強効果が大きく、大きいカップであっても胸の揺れ抑制効果が良好に得られる。一方、上記割合が50%以下である場合、着用時の不快感を良好に回避できる。上縁高応力部と下縁高応力部との面積比率は特に限定されない。
上縁高応力部及び下縁高応力部の伸張応力S2及びS3は、それぞれ20〜500Nであることが好ましく、より好ましくは50〜400N、更に好ましくは100〜350Nである。上記伸張応力が20N以上である場合、補強効果が大きく、500N以下である場合、着用時の不快感を良好に回避できる。上縁高応力部と下縁高応力部との伸張応力比率は特に限定されない。また、中央部の伸張応力は0.5〜50Nであることが好ましく、より好ましくは1〜20N、更に好ましくは1.5〜15N、特に好ましくは2〜10Nである。上記伸張応力が0.5N以上である場合、着用時及び洗濯時に破れ等が起こりにくく、50N以下である場合、着用時の不快感を良好に回避できる。
カップ部に上縁高応力部及び/又は下縁高応力部を形成する場合には、カップの所定の位置において、編組織、使用糸尚デニールの変更により伸張応力の高い部位を配してもよい。また、ブラジャーの内側(すなわち着用者肌面側)に、上縁高応力部又は下縁高応力部となる補強布を縫いつけ又は接着する方法を用いることができる。若しくは、カップにウレタンパッドを使用する場合は、ウレタンパッドをモールド処理する際等に、高応力部となる織物等を挟み込むことで、パットの一部の剛性を高める方法等を使用してもよい。
特定の態様において、防振部としての肩紐部は、平均の断面積が20〜120mm2である。この場合、防振性を良好に達成できる。該平均断面積は25〜100mm2であるとさらに好ましい。断面積は肩紐の幅(mm)×肩紐の厚み(mm)を意味する。平均断面積は、肩紐部の両端部及びその間を10等分した各部で測定された断面積の数平均値である。平均断面積は、具体的には以下のように算出できる。
図1及び図4を参照し、肩紐部の平均断面積は、肩紐部のカップ部側(すなわち前側)の端部(すなわち付け根部)の幅W1×厚み(図示せず)で算出される断面積、ウイング部側(すなわち後側)の端部(すなわち付け根部)の幅W2×厚み(図示せず)で算出される断面積、及び、カップ部側の端部とウイング部側の端部との間を肩紐部の長さ方向に10等分する断面(すなわち9つの断面)について、各々の幅×厚み(図示せず)(例えば図1中の幅W3×厚み)で算出される断面積、の数平均値である。なお、幅W1及び幅W2は、それぞれ、肩紐部とカップ部及びウイング部のそれぞれとの脇側の連結点P1及びP2から、肩紐部の中心側までの最短距離を意味する。なお、肩紐の長さを調節するアジャスターを備える場合には、アジャスターの長さを最大にして計測する。
胸の重さは肩紐部分に大きくかかり、特にカップサイズの大きい場合にはその力は非常に大きくなる。そのため、スポーツブラ及びカップサイズの大きいブラジャーの場合には肩紐部の幅を大きくする工夫がされている。しかし、肩紐部の幅が広い場合には、セクシーさが失われ、審美性に劣る。肩紐部の幅が狭い場合であっても、肩紐部の断面積を大きくすることで、振動を吸収し、カップ部を安定して支えることができる。肩紐部の平均断面積が20mm2より小さい場合には振動を吸収する効果が小さい傾向がある。肩紐部の平均断面積が120mm2より大きい場合には振動は吸収するが、幅を大きくした場合には審美性が損なわれ、厚みを大きくした場合にはごわつき等の肌触り及びアウターへの響きが問題になる傾向がある。ただし、前述のようにブラジャーの他の部位で補強を施した場合には、肩紐部の平均断面積を20mm2の例えば約80%以上とすればブラジャーの優れた防振性を保つことができる。例えば、上縁高応力部、下縁高応力部、及びサブウイング部の1つ又は2つ以上を設ける場合、肩紐部の平均断面積を16mm2以上120mm2以下とすることができる。
肩紐部の背側連結中心は、ウイング部の背中心からカップ部側に向かってウイング部の長さの好ましくは25〜60%、より好ましくは30〜50%離れた位置に存在する。肩紐部の背側連結中心の、ウイング部の背中心からのずれが25%以上である場合、防振性に優れる利点があり、60%以下である場合、肩紐部がずり落ち難い利点がある。なおウイング部の長さは前述のように規定される。また肩紐部の背側連結中心とは、図4中、幅W2をなす線分の中点からウイング部の長さをなす線分に下ろした垂線と、該ウイング部の長さをなす線分との交点を意味する。
肩紐部の伸度(パワー)は、長さ方向に0.5N/mm2の加重時の伸びで計測され、30〜80%であることが好ましく、40〜70%であることがさらに好ましい。伸びはJIS L1096.8.12.1 A法のカットストリップ法引張り試験に準拠して測定できるが、肩紐部全体をつかみ間隔とし、測定の荷重は平均断面積に0.5Nを乗じた荷重とする。肩紐部のパワーが30%以上であれば硬くなりすぎず、振動を良好に吸収できる。肩紐部のパワーが80%以下であれば伸びが大きくなりすぎず、振動を良好に吸収できる。
肩紐部110は、一部に、他の部分よりも小さい伸張応力を有する低応力部を有することが好ましい。このような低応力部を設けることにより着圧の集中を防ぎ、快適性を高めることができる。例えば、図1を参照し、肩部110aを含む領域に、他の部分よりも小さい伸張応力を有する低応力部を有することが望ましい。
肩紐部は胸のX、Y、Z方向の揺れのうち、特にY方向の防振性に大きく寄与する。歩く、走る等の動作時には人体の上下動が起こり、幾分かの遅れをもって、カップに納まっている胸の上下動が起こるが、一定以上の断面積をもつ肩紐部でカップを上から支えることにより、胸の上下動を押えることができる。さらに肩紐部を中央近くではなく脇側近くに取り付けることにより、胸のX、Y、Z方向の揺れのうち、X方向の防振性にも大きく寄与する。肩紐部を脇側近くに取り付けることにより、カップを斜め上側に引っ張る力が働くため、歩く、走る等の動作時の人体の回転の動きを効果的に抑制できる。肩紐部の取り付け位置は、前側はカップの脇側端部から概ねX方向に3cm以内の位置、後側は背中心と脇中心(すなわち前中心と背中心との中間)との中点から脇側に5cm以内の位置が好ましい。さらに肩紐部は体の後面側に向かって前面のカップを引っ張っているため、Z方向の防振性にも寄与する。
本発明のブラジャーは、上述したとおり、カップ連結部に所定の物性を有した部材を使用し、且つ防振部が、サブウイング部、カップの上縁高応力部、カップの下縁高応力部、及び特定の平均断面積の肩紐部のうち1つ又は2つ以上の組合せである場合、特にサブウイング部を備える場合においては、特段の防振効果を発現できる。特にそれぞれのX、Y又はZの方向への防振効果を組み合わせることにより、より一層防振性を高めることができる。例えば、連結部とサブウイング部と、カップの上縁高応力部若しくはカップの下縁高応力部若しくは肩紐部又はこれらの2つ以上との組合せは、X、Y及びZの各方向の揺れを軽減かつ分散することができ、非常に好ましい。また、防振部が、サブウイング部、カップの上縁高応力部、カップの下縁高応力部、及び特定の平均断面積の肩紐部、のうち2つ以上の組合せである場合には、各々における特性値(特に、前述の高応力部についての伸張応力比、及び肩紐部の平均断面積)の好ましい範囲の下限値を20%程度低減することも可能である。例えば、肩紐部の平均の断面積が20〜120mm2である場合には良好な防振性が得られるが、前述のように、他の部位にも防振部を設けた場合には平均断面積16〜120mm2で良好な防振性が得られる。
各部材は、それぞれ別個の布帛で形成されていてもよいし、連続した布帛で形成され、形状のみで部材間の境界が画定されてもよい。後者の場合、特にカップ部の外縁は、カップの膨らみの縁が明確であれば縁の位置、不明確であれば膨らみ形状から想定される縁と見なされる位置として画定される。
防振部は、本体とは別の布帛の補強部として構成されてもよく、例えばサブウイング部は前述のように本体を構成する生地(本開示で、身生地ともいう。)に接合されて取り付けられる。このような補強部は、身生地にパワー切替え等により(すなわち伸張応力の強弱をつけることにより)設けられるものと比べ、防振性がより良好であるという利点を有する。
身生地は、それぞれ別個の布帛で形成されていてもよいし、連続した布帛で形成され、形状のみで部材間の境界が画定されてもよい。後者の場合、特にカップの外縁は、カップの膨らみの縁が明確であれば縁の位置、不明確であれば膨らみ形状から想定される縁と見なされる位置として画定される。
図5を参照し、特定の態様においては、肩紐部のカップ部前中心点Q1、Q2間の距離が最大となるようにブラジャーを配置した時に、肩紐部のカップ部前中心側端点Q1、Q2と連結部の前中心下端点Q3とを結んで形成される三角形Tの面積に対する、ブラジャー構成素材で覆われない部分111の面積割合が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましく、最も好ましいのは、100%である。この三角形は、いわゆる胸の谷間の部分を形成する。上記割合が60%以上ある場合、谷間が隠れてしまうことを防止して良好な審美性を実現できる。本発明のブラジャーは、例えば、特定の防振部を有することによって達成される、後述のような特定の揺れ値を有することができる。本開示のブラジャーは、上記割合が60%以上である、いわゆる開放された状態であっても、防振性に優れる点で有利である。
図6を参照し、連結部の垂直方向の長さにおいては、肩紐部のカップ部前中心側端点の距離が最大となるようにブラジャーを配置したときに、カップ最下点B1,B2を結ぶ線分の中点Kと肩紐部のカップ部前中心側端点Q1及びQ2を結ぶ線分の中点Rとを結ぶ線分L3の長さに対する、線分L3上の連結部部位に対応する線分L4の長さの比L4/L3が、0.10〜0.50であることが好ましく、さらに好ましくは0.15〜0.45である。なお、線分L3上の連結部部位に対応する線分L4とは、連結部から線分L3上に下ろした垂線と線分L3との交点の集合を意味する。上記比が0.10以上であることで、カップ部及び連結部の設置面積が十分担保されることから、カップ中央部において、カップと胸が密着し、着用時に生じるウイング部を起点とする脇方向への伸張力に対して、固定点となることで、カップ前面から側面にかけて胸をしっかりと固定することが可能となり、細かな振動を抑えることが可能である。また、0.50以下であることにより、連結部の面積が過度に大きくなりすぎず、胸の開口部面積を十分に保持することが可能となり高い審美性を有すると同時に、連結部が硬くなり過ぎないため、着用快適性も低下しない。
本開示のブラジャーは、特定の防振部を有することによって、良好な防振性を示す。従って、胸の揺れを抑えながら、各部位の着圧を50hPa以下にすることができるために本開示の最大着圧を50hPa以下にすることができ、着用時の不快な締め付け感を回避できる。一般には、胸の揺れを抑制するためには締め付けを強くすることが多く、特に肩部の着圧が非常に高いブラジャーが散見される。しかし、ブラジャーの各部位の着圧が50hPaを超えると一般に不快である傾向がある。本発明においては、X、Y、Zの各方向の胸の動きが抑制され、分散されているために、着圧の集中も防ぐことができる。特に上述の肩紐部の補強は着圧分散効果に優れる。最大着圧は、より好ましくは45hPa以下、更に好ましくは40hPa以下である。一方、最大着圧は着用時のずれを抑え、また揺れを抑える観点から、例えば、好ましくは10hPa以上、より好ましくは13hPa以上、更に好ましくは15hPa以上であることができる。
本開示のブラジャーの各部材(すなわち、身生地及び補強部をそれぞれ構成する部材)の素材は特に限定されず、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維等の合成繊維、レーヨン、キュプラ、アセテート等のセルロース系繊維、及び綿、麻等の天然繊維が好適に用いられる。各部材を構成する布帛の構造も特に限定されず、編物、織物、不織布等が用いられる。また、捲縮された繊維を用いてもよい。本発明においては、各部材に適正な伸張特性を有する布帛を配置することが有効である。各部材においては、ポリウレタン弾性繊維が交編された伸びを有する編地が好適に用いられる。また、カップ及びウイング部の生地にはダブル丸編、トリコット編、ラッセル編等を使用でき、トリコットハーフ生地が好適に用いられる。使用する編機の編ゲージとしては20〜40GGが好ましい。また、高応力部には織物又は経挿入の経編み物等が好適に用いられ、若干伸びのあるレース等は意匠性にも優れ非常に好適に用いられる。
各部材は、モノフィラメント又はマルチフィラメントで構成できる。マルチフィラメント糸には、二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されていてもよい。
本開示のブラジャーの各部材を構成する布帛素材の総繊度は、衣料等で一般的に使用されている範囲であることができる。中でも、強度及びソフトさの観点から、総繊度が約22〜700dtexであることが好ましい。
ブラジャーの各部材に用いる布帛の目付は特に限定されないが、約50〜500g/m2が好ましい。
また、各部材に用いる布帛には吸水加工を施すことが望ましい。
カップにウレタンパッドを使用する場合は、厚み2〜15mmのウレタンパッドが好適に用いられるが、立体編み物をカップに用いて通気性を高めることも好ましい。
補強部に使用する布帛としては、特に限定はしないが、綿織物、ポリエステル織編物、ポリアミド素材の織編物又はパワーネット組織の編地、ツーウエイ組織の編地等のポリウレタン弾性繊維を含む布帛等によって構成することができる。
本開示のブラジャーは防振性に極めて優れる。揺れの程度を客観的に評価するために、以下の方法を用いることができる。身長160cm±8cmで(トップバスト寸法−アンダーバスト寸法)の値が17.5cm以上である5名の被験者にブラジャーを着用させ、トレッドミルで速度5.5km/h、1分間に150歩のペースで、着地時に片足が地面から離れているように小走りさせる。この際、鎖骨部及びバストトップ部に直径2.0cmの反射球を取り付けておき、反射球を2台の高速カメラで20秒間撮影する。鎖骨部の揺れが7.0cm程度となるように小走りしたときの胸の揺れの指標として、(バストトップの揺れ)−(鎖骨の揺れ)(cm)の20秒間での(極大値の平均)−(極小値の平均)(cm)を、ヨコ(X)、タテ(Y)及び奥行き(Z)の3方向について算出する。ここでX方向はブラジャーのヨコ方向を意味し、Y方向及びZ方向はそれぞれX方向に対して垂直である。3方向の値のうち最も大きい値を着用時の揺れ(cm)とし、(トップバスト寸法−アンダーバスト寸法)の値(cm)で除して揺れ値とする。揺れ値が0.4以下であると揺れが小さく、有利である。揺れ値は0.3以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましい。揺れ値は小さい程好ましいが、過度な圧迫を回避し良好な着用感を容易に得る観点から、例えば、好ましくは0.03以上であることが好ましい。
本開示におけるカップ内の胸の細かな揺れの程度を客観的に評価するために、以下の方法を用いることができる。上述する外観の胸の揺れの評価の際に、3軸加速度計(SA12ZSCA:富士セラミックス社製)を被験者のバストトップの近傍(ブラジャーの内側に位置することとなる)に直接取り付けておき、トレッドミルで速度5.5km/h、1分間に150歩のペースで、着地時に片足が地面から離れているように小走りさせる。この際の20秒間の測定において、x方向(ヨコ方向)、y方向(タテ方向)、z方向(奥行方向)の加速度を測定し、各方向の(極大値の平均)−(極小値の平均)(m/s2)を各3方向について算出する。加速度は、低い方がカップ内の胸の細かい揺れが少ないことを表しており、値が小さい方が望ましい。特に50m/s2以下であると、カップ内での胸の細かい振動を抑えることが可能となり、着用動作時の違和感を低減することが可能となる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。無論、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で得たブラジャーは、以下の方法で評価した。
(1)各部材の生地のタテヨコ平均伸張応力
JIS L1096.8.12.1 A法のカットストリップ法に準拠し、生地サンプルの応力を計測した。10%伸張時応力特性については任意に設定した第1の方向の伸張10%時応力と、第1の方向と垂直の第2の方向の伸張10%時応力(幅2.5cmあたり)を測定し、これらの平均値を算出した。
試験片の幅:2.5cm
試験片のつかみ長さ:10cm
伸張速度:30cm/min
各部材の生地サンプルについて上記条件で測定を行ったが、試験片のつかみ長さが取れない場合には適宜長さを変更した。試験片の幅が取れない場合には、適宜幅を変更し、得られた応力値を2.5cm幅あたりの数値に換算した。
JIS L1096.8.12.1 A法のカットストリップ法に準拠し、生地サンプルの応力を計測した。10%伸張時応力特性については任意に設定した第1の方向の伸張10%時応力と、第1の方向と垂直の第2の方向の伸張10%時応力(幅2.5cmあたり)を測定し、これらの平均値を算出した。
試験片の幅:2.5cm
試験片のつかみ長さ:10cm
伸張速度:30cm/min
各部材の生地サンプルについて上記条件で測定を行ったが、試験片のつかみ長さが取れない場合には適宜長さを変更した。試験片の幅が取れない場合には、適宜幅を変更し、得られた応力値を2.5cm幅あたりの数値に換算した。
(2)本体の生地の伸張応力及び伸び
JIS L1096.8.12.1 A法のカットストリップ法に準拠し、22.1Nまでの伸びを計測し、設定の応力に対応する伸びを求めた。
JIS L1096.8.12.1 A法のカットストリップ法に準拠し、22.1Nまでの伸びを計測し、設定の応力に対応する伸びを求めた。
(3)連結部生地のヨコ方向伸張応力の測定
連結部の伸縮性編地の伸張応力は次の方法により測定した。
試料の大きさ:長さ20mm(把持部を除く)
試験片の幅:25mm
引張り試験機:テンシロン引張り試験機((株)オリエンテック製 RTC−1210A)
初荷重:0.1N
引張り速度:300mm/min
引張り長及び測定:ヨコ方向に10%伸張まで伸張し、同じ速度で伸張後元の長さに戻し(回復させ)、この条件で伸張、回復を3回繰り返し、3回目の10%伸張時の伸張応力値を求めた。
上記条件で測定を行ったが、試験片のつかみ長さが取れない場合には適宜長さを変更した。試験片の幅が取れない場合には、適宜幅を変更し、得られた応力値を2.5cm幅あたりの数値に換算した。
連結部の伸縮性編地の伸張応力は次の方法により測定した。
試料の大きさ:長さ20mm(把持部を除く)
試験片の幅:25mm
引張り試験機:テンシロン引張り試験機((株)オリエンテック製 RTC−1210A)
初荷重:0.1N
引張り速度:300mm/min
引張り長及び測定:ヨコ方向に10%伸張まで伸張し、同じ速度で伸張後元の長さに戻し(回復させ)、この条件で伸張、回復を3回繰り返し、3回目の10%伸張時の伸張応力値を求めた。
上記条件で測定を行ったが、試験片のつかみ長さが取れない場合には適宜長さを変更した。試験片の幅が取れない場合には、適宜幅を変更し、得られた応力値を2.5cm幅あたりの数値に換算した。
(4)サブウイング部生地のヨコ方向伸張応力の測定
伸縮性編地の伸張応力は次の方法により測定した。
試料の大きさ:長さ100mm(把持部を除く)
試験片の幅:25mm
引張り試験機:テンシロン引張り試験機((株)オリエンテック製 RTC−1210A)
初荷重:0.1N
引張り速度:300mm/min
引張り長及び測定:30%伸張まで伸張し、同じ速度で伸張後元の長さに戻し(回復させ)、この条件で伸張、回復を3回繰り返し、3回目の30%伸張時の伸張応力値を求めた。
伸縮性編地の伸張応力は次の方法により測定した。
試料の大きさ:長さ100mm(把持部を除く)
試験片の幅:25mm
引張り試験機:テンシロン引張り試験機((株)オリエンテック製 RTC−1210A)
初荷重:0.1N
引張り速度:300mm/min
引張り長及び測定:30%伸張まで伸張し、同じ速度で伸張後元の長さに戻し(回復させ)、この条件で伸張、回復を3回繰り返し、3回目の30%伸張時の伸張応力値を求めた。
(5)肩紐部の伸度
JIS L1096.8.12.1 A法のカットストリップ法に準拠し、肩紐部の伸張時応力特性を計測した。肩紐の長さ方向に0.5(N)×断面積(mm2)の荷重をかけ、伸度(%)を測定した。なお補強部の肩紐が存在する場合は、身生地の肩紐部と補強部の肩紐の各々の伸度を測定した。
試験片のつかみ長さ:10cm
伸張速度:30cm/min
各部材の生地サンプルについて上記条件で測定を行ったが、試験片のつかみ長さが取れない場合には適宜長さを変更した。試験片の幅が取れない場合には、適宜幅を変更し測定した。
JIS L1096.8.12.1 A法のカットストリップ法に準拠し、肩紐部の伸張時応力特性を計測した。肩紐の長さ方向に0.5(N)×断面積(mm2)の荷重をかけ、伸度(%)を測定した。なお補強部の肩紐が存在する場合は、身生地の肩紐部と補強部の肩紐の各々の伸度を測定した。
試験片のつかみ長さ:10cm
伸張速度:30cm/min
各部材の生地サンプルについて上記条件で測定を行ったが、試験片のつかみ長さが取れない場合には適宜長さを変更した。試験片の幅が取れない場合には、適宜幅を変更し測定した。
(6)着用時の揺れ
身長160cm±8cmで(トップバスト−アンダーバスト)によるブラジャーサイズが38DD(イギリスサイズ)(日本サイズでは85E)である5名の被験者にブラジャーを着用させ、トレッドミルで速度5.5km/h、1分間に150歩のペースで、着地時に片足が地面から離れているように小走りさせた。(この際、鎖骨部及びバストトップ部に直径2.0cmの反射球を取り付けておき、反射球を2台の高速カメラ(200コマ/SEC)で20秒間撮影した。鎖骨部の揺れは13cm程度とした。着用時の胸の揺れの指標として、(バストトップの揺れ)−(鎖骨の揺れ)(cm)の20秒間での(極大値の平均)−(極小値の平均)(cm)を算出し、ヨコ(X)、タテ(Y)及び奥行き(Z)の値のうち最も大きい方向の値を着用時の揺れ(cm)とし、(トップバスト−アンダーバスト)(cm)で除して揺れ値とした。5名の結果を平均して算出した。
身長160cm±8cmで(トップバスト−アンダーバスト)によるブラジャーサイズが38DD(イギリスサイズ)(日本サイズでは85E)である5名の被験者にブラジャーを着用させ、トレッドミルで速度5.5km/h、1分間に150歩のペースで、着地時に片足が地面から離れているように小走りさせた。(この際、鎖骨部及びバストトップ部に直径2.0cmの反射球を取り付けておき、反射球を2台の高速カメラ(200コマ/SEC)で20秒間撮影した。鎖骨部の揺れは13cm程度とした。着用時の胸の揺れの指標として、(バストトップの揺れ)−(鎖骨の揺れ)(cm)の20秒間での(極大値の平均)−(極小値の平均)(cm)を算出し、ヨコ(X)、タテ(Y)及び奥行き(Z)の値のうち最も大きい方向の値を着用時の揺れ(cm)とし、(トップバスト−アンダーバスト)(cm)で除して揺れ値とした。5名の結果を平均して算出した。
(7)着用時の加速度
着用時の揺れの測定時、3軸加速度計(SA12ZSCA:富士セラミックス社製)を被験者のバストトップの近傍(ブラジャーの内側に位置することとなる)に直接取り付けておき、上記揺れの測定試験時と同様に、トレッドミルで速度5.5km/h、1分間に150歩のペースで、着地時に片足が地面から離れているように小走りさせる。この際の20秒間の測定において、x方向(ヨコ方向)、y方向(タテ方向)、z方向(奥行方向)の加速度を測定し、各方向の(極大値の平均)−(極小値の平均)(m/s2)を各3方向について算出する。なお、加速度は、各方向の値において、5名の被験者の結果を平均して算出を行った。
着用時の揺れの測定時、3軸加速度計(SA12ZSCA:富士セラミックス社製)を被験者のバストトップの近傍(ブラジャーの内側に位置することとなる)に直接取り付けておき、上記揺れの測定試験時と同様に、トレッドミルで速度5.5km/h、1分間に150歩のペースで、着地時に片足が地面から離れているように小走りさせる。この際の20秒間の測定において、x方向(ヨコ方向)、y方向(タテ方向)、z方向(奥行方向)の加速度を測定し、各方向の(極大値の平均)−(極小値の平均)(m/s2)を各3方向について算出する。なお、加速度は、各方向の値において、5名の被験者の結果を平均して算出を行った。
(8)最大着圧
(株)エイエムアイ・テクノ社製の多点接触圧計(AMI3037−10)を用いて、ブラジャー着用時に、ウイング部における下辺テープ部、ウイング部中央部、肩紐部の肩中央部、肩紐部の後側付け根部、カップ上方、カップ脇部、及びカップ下方において、着用者とブラジャーとの間にセンサーを挿入して着圧を測定し、得られた値のうち最大値を最大着圧(hPa)とした。
(株)エイエムアイ・テクノ社製の多点接触圧計(AMI3037−10)を用いて、ブラジャー着用時に、ウイング部における下辺テープ部、ウイング部中央部、肩紐部の肩中央部、肩紐部の後側付け根部、カップ上方、カップ脇部、及びカップ下方において、着用者とブラジャーとの間にセンサーを挿入して着圧を測定し、得られた値のうち最大値を最大着圧(hPa)とした。
(9)快適性及び揺れ感
快適性
(6)の着用試験時に以下の基準で評価し、モニターの評価を平均した。
5: 圧迫感がほとんどなく非常に快適である
4: 圧迫感が小さく快適である
3: やや圧迫感があるが不快ではない
2: 圧迫感があり不快である
1: 圧迫感が強く非常に不快である
揺れ感
(6)の着用試験時に以下の基準で評価し、モニターの評価を平均した。
5: 胸の揺れが気にならない
4: 胸の揺れがあまり気にならない
3: どちらともいえない
2: 胸の揺れが気になる
1: 胸の揺れがかなり気になる
快適性
(6)の着用試験時に以下の基準で評価し、モニターの評価を平均した。
5: 圧迫感がほとんどなく非常に快適である
4: 圧迫感が小さく快適である
3: やや圧迫感があるが不快ではない
2: 圧迫感があり不快である
1: 圧迫感が強く非常に不快である
揺れ感
(6)の着用試験時に以下の基準で評価し、モニターの評価を平均した。
5: 胸の揺れが気にならない
4: 胸の揺れがあまり気にならない
3: どちらともいえない
2: 胸の揺れが気になる
1: 胸の揺れがかなり気になる
[実施例1]
以下の方法で、図2に示す形状である、イギリスサイズ38DDのブラジャー(日本サイズのE85に対応)(トップバスト寸法とアンダーバスト寸法との差は、20cm、バストトップから背中心線までの最短距離が最長になるようにブラジャーを配置したときの当該最短距離は、27cm)を作製した。
以下の方法で、図2に示す形状である、イギリスサイズ38DDのブラジャー(日本サイズのE85に対応)(トップバスト寸法とアンダーバスト寸法との差は、20cm、バストトップから背中心線までの最短距離が最長になるようにブラジャーを配置したときの当該最短距離は、27cm)を作製した。
カップに厚み6mmで10%タテヨコ平均伸張応力が3.0Nのウレタン成形品を用い、ナイロン56dtexポリウレタン44dtexの28GGツーウエイトリコット編地で、10%タテヨコ平均伸張応力が0.4Nの生地でカップを包み、カップ部102を作製した。カップ部全体の10%タテヨコ平均伸張応力は3.7Nであった。ウイング部103にも同じツーウエイトリコット編地を用い、下辺テープにはラッセル1cm幅テープであってタテヨコ平均伸張応力が1.7Nのものを用いた。
連結部においては、ナイロン56dtexのトリコット生地を作製した。本連結部のヨコ方向10%繰り返し伸張試験において、3回目の10%伸張時の伸張応力は19Nであった。また、連結部のL4/L3比は0.27であった。
バストトップHから背中心Cに向かって、15%の位置(カップ部上に存在)に第1の接合部を、80%の位置に第2の接合部(ウイング上に存在)を有するサブウイングを、ナイロン44dtex及びポリウレタン44dtex及び挿入糸としてポリウレタン310dtexからなるパワーネットにより形成した。パワーネットのヨコ方向の30%伸張応力は2.70Nであった。また、サブウイングにおけるLbは、ウイングの長さに対して85%にて形成した。
肩紐部は経糸に640dtexポリウレタンに70dtexのナイロン加工糸をダブルカバーリングした糸(ドラフト3.5)と155dtexのナイロン加工糸を1本交互で配し、緯糸に155dtexのナイロン加工糸を用いた織物を作製した。W1において、幅1.0cm、厚みは2.0mm及び、W2において、幅1.2cm、厚みは1.8mm、中間点であるW3において、幅1.8cm、厚みは2.0cm(平均断面積は27mm2)とし取り付けた。肩紐部の長さ方向の伸度は肩中央部で64%であった。
カップの下縁部及び上縁部に幅2cmのマーキゼット織物をウレタンカップに挟み込み、モールドすることで、カップと一体化させた。本防振部における10%平均伸張応力は35Nであった。
肩紐部のカップ部前中心側端点Q1,Q2と連結部の前中心下端点Q3とを結んで形成される三角形の面積において、ブラジャー構成素材で覆われていない面積は72%であった。
作製したブラジャーを着用したときの着用時の胸の揺れの防振効果は大きく、また着圧の最大値は小さく、加速度の絶対値も小さく抑えられており、快適性にも優れていた。更に肩紐部のカップ部前中心側端点P1,P2と連結部の前中心下端点P3とを結んで形成される三角形の面積の72%がブラジャー構成素材で覆われておらず、審美性にも優れていた。
[実施例2]
実施例1のブラジャーにおいて、カップの上縁部に防振部を設けないブラジャーを作製し、着用試験を実施した。
実施例1のブラジャーにおいて、カップの上縁部に防振部を設けないブラジャーを作製し、着用試験を実施した。
[実施例3]
実施例1のブラジャーにおいて、カップの下縁部及び上縁部に防振部を設けないブラジャーを作製し、着用試験を実施した。
実施例1のブラジャーにおいて、カップの下縁部及び上縁部に防振部を設けないブラジャーを作製し、着用試験を実施した。
[実施例4]
実施例1のブラジャーにおいて、肩紐部に経糸に640dtexポリウレタンに70dtexのナイロン加工糸をダブルカバーリングした糸(ドラフト3.5)と155dtexのナイロン加工糸を1本交互で配し、緯糸に155dtexのナイロン加工糸を用いた織物を作製した。W1において、幅1.0cm、厚みは1.5mm及び、W2において、幅1.0cm、厚みは1.5mm、中間点であるW3において、幅1.0cm、厚みは1.5cm(平均断面積は15mm2)とし取り付けた。肩紐部の長さ方向の伸度は肩中央部で68%であった。本ブラジャーを使用し、着用試験を実施した。
実施例1のブラジャーにおいて、肩紐部に経糸に640dtexポリウレタンに70dtexのナイロン加工糸をダブルカバーリングした糸(ドラフト3.5)と155dtexのナイロン加工糸を1本交互で配し、緯糸に155dtexのナイロン加工糸を用いた織物を作製した。W1において、幅1.0cm、厚みは1.5mm及び、W2において、幅1.0cm、厚みは1.5mm、中間点であるW3において、幅1.0cm、厚みは1.5cm(平均断面積は15mm2)とし取り付けた。肩紐部の長さ方向の伸度は肩中央部で68%であった。本ブラジャーを使用し、着用試験を実施した。
[実施例5]
実施例3のブラジャーにおいて、カップの下縁部及び上縁部に防振部を設けないブラジャーを作製し、着用試験を実施した。
実施例3のブラジャーにおいて、カップの下縁部及び上縁部に防振部を設けないブラジャーを作製し、着用試験を実施した。
[実施例6]
実施例1のブラジャーにおいて、連結部のヨコ方向10%繰り返し伸張試験において、3回目の10%伸張時の伸張応力は19Nであり、連結部のL4/L3比が0.60にてブラジャーを作製した。本ブラジャーを使用し、着用試験を実施した。
実施例1のブラジャーにおいて、連結部のヨコ方向10%繰り返し伸張試験において、3回目の10%伸張時の伸張応力は19Nであり、連結部のL4/L3比が0.60にてブラジャーを作製した。本ブラジャーを使用し、着用試験を実施した。
[実施例7]
実施例1のブラジャーにおいて、サブウイングを設けないブラジャーを作製し、着用試験を実施した。
実施例1のブラジャーにおいて、サブウイングを設けないブラジャーを作製し、着用試験を実施した。
[比較例1]
以下の方法で、図2に示す形状である、イギリスサイズ38DDのブラジャー(日本サイズのE85に対応)(トップバスト寸法とアンダーバスト寸法との差は、20cm、バストトップから背中心線までの最短距離が最長になるようにブラジャーを配置したときの当該最短距離は、27cm)を作製した。
以下の方法で、図2に示す形状である、イギリスサイズ38DDのブラジャー(日本サイズのE85に対応)(トップバスト寸法とアンダーバスト寸法との差は、20cm、バストトップから背中心線までの最短距離が最長になるようにブラジャーを配置したときの当該最短距離は、27cm)を作製した。
カップに厚み6mmで10%タテヨコ平均伸張応力が3.0Nのウレタン成形品を用い、ナイロン56dtexポリウレタン44dtexの28GGツーウエイトリコット編地で、10%タテヨコ平均伸張応力が0.4Nの生地でカップを包み、カップ部102を作製した。カップ部全体の10%タテヨコ平均伸張応力は3.7Nであった。ウイング部103にも同じツーウエイトリコット編地を用い、下辺テープにはラッセル1cm幅テープであってタテヨコ平均伸張応力が1.7Nのものを用いた。
連結部においては、ナイロン56dtexのトリコット生地を作製した。本連結部のヨコ方向10%繰り返し伸張試験において、3回目の10%伸張時の伸張応力は5.2Nであった。また、連結部の面積であるL4/L3は0.30であった。
バストトップHから背中心Cに向かって、15%の位置(カップ部上に存在)に第1の接合部を、70%の位置に第2の接合部(ウイング上に存在)を有するサブウイングを、ナイロン78dtex及びポリウレタン310dtexからなるパワーネットにより形成した。パワーネットのヨコ方向の30%伸張応力は3.50Nであった。また、サブウイングにおけるLbは、ウイングの長さに対して80%にて形成した。
肩紐部は経糸に640dtexポリウレタンに70dtexのナイロン加工糸をダブルカバーリングした糸(ドラフト3.5)と155dtexのナイロン加工糸を1本交互で配し、緯糸に155dtexのナイロン加工糸を用いた織物を作製した。W1において、幅1.0cm、厚みは2.0mm及び、W2において、幅1.2cm、厚みは1.8mm、中間点であるW3において、幅1.8cm、厚みは2.0cm(平均断面積は21mm2)とし取り付けた。肩紐部の長さ方向の伸度は肩中央部で62%であった。
カップの下縁部及び上縁部に幅2cmの40番綿糸を使った平織物をウレタンカップに重ね縫製し、カップと一体化させた。本防振部における10%平均伸張応力は170Nであった。
肩紐部のカップ部前中心側端点Q1,Q2と連結部の前中心下端点Q3とを結んで形成される三角形の面積において、ブラジャー構成素材で覆われていない面積は80%であった。
作製したブラジャーを着用したときの着用時の胸の揺れの防振効果は大きく、また着圧の最大値は小さく、加速度の絶対値も小さく抑えられており、快適性にも優れていた。更に肩紐部のカップ部前中心側端点P1,P2と連結部の前中心下端点P3とを結んで形成される三角形の面積の80%がブラジャー構成素材で覆われておらず、審美性にも優れていた。
[比較例2]
比較例1のブラジャーにおいて、カップブラからウイング部に亘るサブウイング布帛を取り付けず、カップ防振部も設けないブラジャーを作製した。
比較例1のブラジャーにおいて、カップブラからウイング部に亘るサブウイング布帛を取り付けず、カップ防振部も設けないブラジャーを作製した。
肩紐部は経糸に640dtexポリウレタンに70dtexのナイロン加工糸をダブルカバーリングした糸(ドラフト3.5)と155dtexのナイロン加工糸を1本交互で配し、緯糸に155dtexのナイロン加工糸を用いた織物を作製した。W1において、幅1.0cm、厚みは1.5mm及び、W2において、幅1.0cm、厚みは1.5mm、中間点であるW3において、幅1.0cm、厚みは1.5cm(平均断面積は15mm2)とし取り付けた。肩紐部の長さ方向の伸度は肩中央部で68%であった。
[比較例3]
実施例1のブラジャーにおいて、連結部を、ナイロン56dtexのトリコット生地で作製し、配置したものを作製した。本連結部のヨコ方向10%繰り返し伸張試験において、3回目の10%伸張時の伸張応力は5.2Nであった。また、連結部の面積であるL4/L3は0.30であった。その他は、実施例1と同様のブラジャーを作製した。
実施例1のブラジャーにおいて、連結部を、ナイロン56dtexのトリコット生地で作製し、配置したものを作製した。本連結部のヨコ方向10%繰り返し伸張試験において、3回目の10%伸張時の伸張応力は5.2Nであった。また、連結部の面積であるL4/L3は0.30であった。その他は、実施例1と同様のブラジャーを作製した。
[比較例4]
実施例7のブラジャーにおいて、連結部を、ナイロン56dtexのトリコット生地で作製し、配置したものを作製した。本連結部のヨコ方向10%繰り返し伸張試験において、3回目の10%伸張時の伸張応力は5.2Nであった。また、連結部の面積であるL4/L3は0.30であった。その他は、実施例7と同様のブラジャーを作製した。
実施例7のブラジャーにおいて、連結部を、ナイロン56dtexのトリコット生地で作製し、配置したものを作製した。本連結部のヨコ方向10%繰り返し伸張試験において、3回目の10%伸張時の伸張応力は5.2Nであった。また、連結部の面積であるL4/L3は0.30であった。その他は、実施例7と同様のブラジャーを作製した。
実施例と比較例の結果からわかるように、カップ連結部において所定の応力を有することで、連結部が固定点となり、カップ前面から側面にかけて胸とカップを密着させることが可能となり、これにより動作時の胸にかかる各方向の加速度を低減することが可能となる。このため、動作時の揺れ感を軽減させることが可能となることにより快適性に優れたブラジャーを得ることができる。
各実施例及び比較例において、所定の連結部に加え、防振部があることで、全体的な大きな揺れを低減しつつも細かな揺れを減らすことが可能となり、着用時の違和感に対応する揺れ感を低減できるような高い快適性を有するブラジャーを得ることができる。
また、各実施例及び比較例1と比較例2との比較において、防振部を配することで、高い防振性を有しながらも、着用時の着用圧を低減でき快適なブラジャーを得ることができる。
本発明は、フロント部に一般的な開口部を有するような一般用ブラジャーに好適に適用できる。
100 ブラジャー
101 連結部
102 カップ部
103 ウイング部
104 上縁高応力部
105 下縁高応力部
106 長さ調節機構
107aS カップ側接合部
107bS ウイング側接合部
109 サブウイング部
110 肩紐部
111 カップフロント部における布帛に覆われていない面積
C 背中心
H バストトップ
I バストトップと背中心とを結ぶ線分
K カップ最下点を結ぶ線分の中点
P1 肩紐部とカップ部との脇側の連結点
P2 肩紐部とウイング部との脇側の連結点
Q1 肩紐部のカップ部前中心側端点
Q2 肩紐部のカップ部前中心側端点
Q3 連結部の前中心下端点
R 肩紐部のカップ部前中心側端点を結ぶ線分の中点
S 平面
T 三角形
101 連結部
102 カップ部
103 ウイング部
104 上縁高応力部
105 下縁高応力部
106 長さ調節機構
107aS カップ側接合部
107bS ウイング側接合部
109 サブウイング部
110 肩紐部
111 カップフロント部における布帛に覆われていない面積
C 背中心
H バストトップ
I バストトップと背中心とを結ぶ線分
K カップ最下点を結ぶ線分の中点
P1 肩紐部とカップ部との脇側の連結点
P2 肩紐部とウイング部との脇側の連結点
Q1 肩紐部のカップ部前中心側端点
Q2 肩紐部のカップ部前中心側端点
Q3 連結部の前中心下端点
R 肩紐部のカップ部前中心側端点を結ぶ線分の中点
S 平面
T 三角形
Claims (9)
- 一対のカップ部、該カップ部の前中心側を互いに連結する連結部、該カップ部の脇側に隣接するウイング部、及び端部が該一対のカップ部と該ウイング部とに連結された肩紐部を備えたブラジャーであり、該連結部のヨコ方向10%繰り返し伸張試験における3回目伸張時の伸張応力が10N〜30Nであり、且つ
以下の(I)〜(III):
(I)該カップ部においてカップ上縁に沿って伸びる上縁高応力部であって、カップ中央部の伸張応力S1に対する上縁高応力部の伸張応力S2の比S2/S1が2/1〜400/1である、上縁高応力部、及び、該カップ部においてカップ下縁に沿って延びる下縁高応力部であって、カップ中央部の伸張応力S1に対する下縁高応力部の伸張応力S3の比S3/S1が2/1〜400/1である、下縁高応力部、のいずれか一方又は両方、
(II)平均断面積が20〜120mm2である肩紐部、並びに
(III)該カップ部の一部から該ウイング部の一部に亘る領域において本体上に配置されたサブウイング部であって、該カップ部のバストトップから該ウイング部の背中心まで延ばした線分が最長になるようにブラジャーを配置し、かつ該線分と同一方向の法線を有する平面を規定した場合に、該線分上の該バストトップから該背中心に向かって5〜25%の位置の該平面上及び55〜100%の位置の該平面上に、該サブウイング部と該本体との接合部が存在し、かつ該サブウイング部は該本体と接合されていない領域を有するサブウイング部
からなる群から選択される1つ以上の防振部を有するブラジャー。 - 前記(I)及び(II)の防振部を有する、請求項1に記載のブラジャー。
- 前記(III)の防振部を有する、請求項1に記載のブラジャー。
- 前記(I)の防振部を有する、請求項3に記載のブラジャー。
- 前記(II)の防振部を有する、請求項3に記載のブラジャー。
- 前記(II)の防振部を有する、請求項4に記載のブラジャー。
- 肩紐部のカップ部前中心側端点の距離が最大となるようにブラジャーを配置したときに、カップ最下点を結ぶ線分の中点と肩紐部のカップ部前中心側端点を結ぶ線分の中点とを結ぶ線分L3の長さに対する、線分L3上の連結部部位に対応する線分L4の長さの比L4/L3が、0.10〜0.50である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のブラジャー。
- 肩紐部のカップ部前中心側端点の距離が最大となるようにブラジャーを配置したときに、肩紐部のカップ部前中心側端点と該連結部の前中心下端点とを結んで形成される三角形の面積に対する、ブラジャー構成部材で覆われていない部分の面積の割合が60%以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のブラジャー。
- 最大着圧が50hPa以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のブラジャー。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016009649A JP2019049062A (ja) | 2016-01-21 | 2016-01-21 | ブラジャー |
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Publications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7421807B2 (ja) | 2021-06-07 | 2024-01-25 | anynext株式会社 | 下着 |
-
2016
- 2016-01-21 JP JP2016009649A patent/JP2019049062A/ja active Pending
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