JP2019048964A - 不飽和ポリエステル樹脂組成物、成形材料、成形品、および、人造大理石 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂組成物、成形材料、成形品、および、人造大理石 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた平滑性、耐熱水性および透明性を有する成形品を得るための不飽和ポリエステル樹脂組成物、その不飽和ポリエステル樹脂組成物を含む成形材料、その成形材料の硬化物を含む成形品、および、その成形材料の硬化物を含む人造大理石を提供すること。【解決手段】不飽和ポリエステル樹脂組成物は、不飽和ポリエステルと重合性単量体と架橋ポリスチレンとを含む。不飽和ポリエステルは、第1不飽和ポリエステルおよび第2不飽和ポリエステルを含む。第1不飽和ポリエステルは、第1多塩基酸と第1多価アルコールとの重合生成物である。第1多価アルコールは、水素化ビスフェノールAを含む。第2不飽和ポリエステルは、第2多塩基酸と第2多価アルコールとの重合生成物である。第2多価アルコールは、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物および/またはビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、不飽和ポリエステル樹脂組成物、成形材料、成形品、および、人造大理石に関し、詳しくは、不飽和ポリエステル樹脂組成物、不飽和ポリエステル樹脂組成物を含む成形材料、成形材料の硬化物を含む成形品、および、成形材料の硬化物を含む人造大理石に関する。
従来、人造大理石などの成形品は、浴槽、キッチンカウンターの天板、キッチンカウンターのシンク、洗面台のカウンターなどの住宅設備用途として、幅広く用いられている。
通常、このような成形品は、樹脂組成物と、ガラス繊維などの強化繊維とを含む成形材料の硬化物から形成されている。
樹脂組成物として、例えば、ジカルボン酸と、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物およびビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物とを重縮合することにより得られる不飽和ポリエステル樹脂と、充填材と、低収縮化剤とを含む成形材料用組成物が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
特開2001−114998号公報
近年、特許文献1の成形材料用組成物を用いて得られる成形品よりも、さらなる平滑性、耐熱水性および透明性が要求されている。
とりわけ、成形品の機械的強度を確保するために、繊維長の長いガラス繊維を使用する場合に、成形品の平滑性および透明性が低下するという不具合がある。
本発明の目的は、優れた平滑性、耐熱水性および透明性を有する成形品を得るための不飽和ポリエステル樹脂組成物、その不飽和ポリエステル樹脂組成物を含む成形材料、その成形材料の硬化物を含む成形品、および、その成形材料の硬化物を含む人造大理石を提供することにある。
本発明[1]は、不飽和ポリエステルと、重合性単量体と、架橋ポリスチレンとを含み、前記不飽和ポリエステルは、第1不飽和ポリエステルおよび第2不飽和ポリエステルを含み、前記第1不飽和ポリエステルは、第1多塩基酸と、第1多価アルコールとの重合生成物であり、前記第1多価アルコールは、水素化ビスフェノールAを含み、前記第2不飽和ポリエステルは、第2多塩基酸と、第2多価アルコールとの重合生成物であり、前記第2多価アルコールは、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物および/またはビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物を含む、不飽和ポリエステル樹脂組成物である。
この不飽和ポリエステル樹脂組成物によれば、不飽和ポリエステルは、第1不飽和ポリエステルおよび第2不飽和ポリエステルを含み、第1不飽和ポリエステルは、第1多塩基酸と、第1多価アルコールとの重合生成物であり、第2不飽和ポリエステルは、第2多塩基酸と、第2多価アルコールとの重合生成物であり、第1多価アルコールが、水素化ビスフェノールAを含み、第2多価アルコールは、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物および/またはビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物を含むので、不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて得られる成形品は、平滑性、耐熱水性および透明性に優れる。
本発明[2]は、第2多価アルコールが、さらに、水素化ビスフェノールAを含む、上記[1]に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物を含んでいる。
この不飽和ポリエステル樹脂組成物によれば、第2多価アルコールが、さらに、水素化ビスフェノールAを含むので、この不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて得られる成形品は、光沢、平滑性および耐熱水性に優れる。
本発明[3]は、前記第2多価アルコールがビスフェノールAのエチレンオキシド付加物およびビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物を含み、前記第2多価アルコールにおいて、前記ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物の含有量が、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物の含有量よりも多い、上記[1]または[2]に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物を含んでいる。
この不飽和ポリエステル樹脂組成物によれば、第2多価アルコールがビスフェノールAのエチレンオキシド付加物およびビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物を含むので、この不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて得られる成形品は、平滑性、耐熱水性および透明性に優れるとともに、強度(具体的には、アイゾット衝撃値)に優れる。
また、第2多価アルコールにおいて、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物の含有量が、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物の含有量よりも多いので、この不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて得られる成形品は、光沢、平滑性および耐熱水性に優れる。
本発明[4]は、前記ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物における、エチレンオキシドの平均付加モル数が、3を超過する、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物を含んでいる。
この不飽和ポリエステル樹脂組成物によれば、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物における、エチレンオキシドの平均付加モル数が、3を超過するので、この不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて得られる成形品は、強度(具体的には、アイゾット衝撃値)に優れる。
本発明[5]は、前記第2多価アルコール100モル部に対する、前記ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物および前記ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物の総モル部が、50モル部未満である、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物を含んでいる。
この不飽和ポリエステル樹脂組成物によれば、第2多価アルコール100モル部に対する、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物およびビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物の総モル部が、50モル部未満であるので、この不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて得られる成形品は、光沢、平滑性および耐熱水性に優れる。
本発明[6]は、請求項1〜5に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物と、強化繊維とを含む、成形材料を含んでいる。
この成形材料によれば、上記の不飽和ポリエステル樹脂組成物を含むので、この成形材料を用いて得られる成形品は、平滑性、耐熱水性および透明性に優れる。
本発明[7]は、上記[6]に記載の成形材料の硬化物を含む、成形品を含んでいる。
この成形品によれば、上記の成形材料の硬化物を含むので、平滑性、耐熱水性および透明性に優れる。
本発明[8]は、上記[6]に記載の成形材料の硬化物を含む、人造大理石を含んでいる。
この人造大理石によれば、上記の成形材料の硬化物を含むので、平滑性、耐熱水性および透明性に優れる。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物では、不飽和ポリエステルは、第1不飽和ポリエステルおよび第2不飽和ポリエステルを含み、第1不飽和ポリエステルは、第1多塩基酸と、第1多価アルコールとの重合生成物であり、第1多価アルコールは、水素化ビスフェノールAを含み、第2不飽和ポリエステルは、第2多塩基酸と、第2多価アルコールとの重合生成物であり、第2多価アルコールは、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物および/またはビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物を含む。
そのため、この不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて得られる成形品は、平滑性、耐熱水性および透明性に優れる。
本発明の成形材料は、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物を含むので、この成形材料を用いて得られる成形品は、平滑性、耐熱水性および透明性に優れる。
本発明の成形品は、本発明の成形材料の硬化物を含むので、平滑性、耐熱水性および透明性に優れる。
本発明の人造大理石は、本発明の成形材料の硬化物を含むので、平滑性、耐熱水性および透明性に優れる。
図1は、表面平滑性の評価において、各評価基準における投影像のイメージを示したイメージ図であり、図1(a)は、評価基準が「◎」である場合のイメージ図を示し、図1(b)は、評価基準が「○」である場合のイメージ図を示し、図1(c)は、評価基準が「△」である場合のイメージ図を示し、図1(d)は、評価基準が「×」である場合のイメージ図を示す。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、不飽和ポリエステルと、重合性単量体と、架橋ポリスチレンとを含んでいる。
不飽和ポリエステルは、第1不飽和ポリエステルおよび第2不飽和ポリエステルを含んでおり、好ましくは、第1不飽和ポリエステルおよび第2不飽和ポリエステルからなる。
第1不飽和ポリエステルは、第1多塩基酸と、第1多価アルコールとの重合生成物である。
第1多塩基酸は、必須成分としての不飽和多塩基酸と、任意成分としての飽和多塩基酸とを含む。
不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アニコット酸、ジヒドロムコン酸などの脂肪族不飽和二塩基酸、例えば、これらの酸のハロゲン化物、例えば、これらの酸のアルキルエステルなどが挙げられる。
また、不飽和多塩基酸には、上記の脂肪族不飽和二塩基酸から誘導される酸無水物、例えば、無水マレイン酸などが含まれる。
不飽和多塩基酸としては、好ましくは、無水マレイン酸、フマル酸が挙げられる。
飽和多塩基酸としては、例えば、脂肪族飽和多塩基酸、脂環族飽和多塩基酸、芳香族飽和多塩基酸(エチレン性不飽和二重結合不含芳香族多塩基酸)、これらの酸のハロゲン化物、例えば、これらの酸のアルキルエステルなどが挙げられる。
脂肪族飽和多塩基酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、ヘキシルコハク酸、グルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルコハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸など脂肪族飽和二塩基酸などが挙げられる。
また、脂肪族飽和多塩基酸には、上記の脂肪族飽和二塩基酸から誘導される酸無水物、例えば、無水シュウ酸、無水コハク酸などが含まれる。
脂環族飽和多塩基酸としては、例えば、ヘット酸、1,2−ヘキサヒドロフタル酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(cis−またはtrans−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸もしくはその混合物)、ダイマー酸などの脂環族飽和二塩基酸が挙げられる。
芳香族飽和多塩基酸としては、例えば、フタル酸(オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸)、トリメリット酸、ピロメリット酸などの芳香族飽和二塩基酸が挙げられる。
また、芳香族飽和多塩基酸には、上記の芳香族飽和二塩基酸から誘導される酸無水物、例えば、無水フタル酸などが含まれる。
飽和多塩基酸としては、好ましくは、芳香族飽和多塩基酸が挙げられ、より好ましくは、芳香族飽和二塩基酸、さらに好ましくは、フタル酸、とりわけ好ましくは、イソフタル酸が挙げられる。
第1多塩基酸は、単独使用または2種以上併用でき、好ましくは、不飽和多塩基酸および飽和多塩基酸を併用し、より好ましくは、無水マレイン酸およびイソフタル酸を併用する。
不飽和多塩基酸および飽和多塩基酸を併用した場合において、第1多塩基酸100モル部に対して、不飽和多塩基酸の配合割合は、例えば、70モル部以上、好ましくは、85モル部以上であり、飽和多塩基酸の配合割合は、例えば、30モル部以下、好ましくは、15モル部以下である。
第1多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−または1,3−プロパンジオールもしくはその混合物)、ブチレングリコール(1,2−または1,3−または1,4−ブチレングリコールもしくはその混合物)、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,2−トリメチルペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタンなどのアルカンジオール、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのエーテルジオールなどの脂肪族ジオール、例えば、シクロヘキサンジオール(1,2−または1,3−または1,4−シクロヘキサンジオールもしくはその混合物)、シクロヘキサンジメタノール(1,2−または1,3−または1,4−シクロヘキサンジメタノールもしくはその混合物)、シクロヘキサンジエタノール(1,2−または1,3−または1,4−シクロヘキサンジエタノールもしくはその混合物)、水素化ビスフェノールAなどの脂環族ジオール、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物などの芳香族ジオールなどの2価アルコール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリイソプロパノールアミンなどの3価アルコール、例えば、テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール)、ジグリセリンなどの4価アルコール、例えば、キシリトールなどの5価アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、アリトール、イジトール、ダルシトール、アルトリトール、イノシトール、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコールなどが挙げられる。
これらの第1多価アルコールのうち、第1多価アルコールは、必須成分として、水素化ビスフェノールAを含み、任意成分として、好ましくは、2価アルコール、より好ましくは、脂肪族ジオール、さらに好ましくは、プロピレングリコールを含む。
第1多価アルコールが、水素化ビスフェノールAを含めば、不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて得られる成形品(後述)は、光沢、平滑性、耐熱水性および透明性に優れるとともに、不飽和ポリエステル樹脂組成物が柄材(後述)を含む場合には、柄材意匠発現性にも優れる。
第1多価アルコールの水酸基価(測定方法:JIS K6901(2008年)に準拠)は、例えば、100mgKOH/g以上、好ましくは、150mgKOH/g以上、より好ましくは、200mgKOH/g以上であり、例えば、2000mgKOH/g以下、好ましくは、1800mgKOH/g以下、より好ましくは、1600mgKOH/g以下である。
第1多価アルコールは、単独使用または2種以上併用できる。
第1不飽和ポリエステルは、第1多塩基酸と、第1多価アルコールとを重縮合(縮合重合)することにより得られる。
第1多塩基酸と、第1多価アルコールとを重縮合(縮合重合)させるには、第1多価アルコールに対する第1多塩基酸のモル比(第1多塩基酸/第1多価アルコール)が、例えば、0.9以上、好ましくは、0.95以上、また、例えば、1.2以下、好ましくは、1.1以下になるように、配合し、常圧、窒素雰囲気下で撹拌する。
反応温度としては、例えば、150℃以上、好ましくは、190℃以上であり、また、例えば、250℃以下、好ましくは、230℃以下である。
反応時間としては、例えば、8時間以上、また、例えば、30時間以下である。
なお、上記の反応において、必要に応じて、公知の溶剤および公知の触媒を配合することもできる。
これにより、第1不飽和ポリエステルが得られる。
第1不飽和ポリエステルの酸価(測定方法:JIS K6901(2008年)に準拠)は、例えば、20mgKOH/g以上であり、また、例えば、40mgKOH/g未満である。
第1不飽和ポリエステルの重量平均分子量は、例えば、6000以上、好ましくは、8000以上であり、また、例えば、25000以下、好ましくは、20000以下である。
なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量であり、第1不飽和ポリエステルをGPC測定することにより求めることができる。
第2不飽和ポリエステルは、第2多塩基酸と、第2多価アルコールとの重合生成物である。
第2多塩基酸は、例えば、上記の第1多塩基酸と同じ多塩基酸が挙げられ、必須成分としての上記の不飽和多塩基酸と、任意成分としての上記の飽和多塩基酸とを含む。
不飽和多塩基酸としては、好ましくは、無水マレイン酸、フマル酸が挙げられ、より好ましくは、フマル酸が挙げられる。
飽和多塩基酸としては、好ましくは、芳香族飽和多塩基酸が挙げられ、より好ましくは、芳香族飽和二塩基酸、さらに好ましくは、フタル酸、とりわけ好ましくは、イソフタル酸が挙げられる。
第2多塩基酸は、単独使用または2種以上併用でき、好ましくは、不飽和多塩基酸および飽和多塩基酸を併用し、より好ましくは、フマル酸およびイソフタル酸を併用する。
不飽和多塩基酸および飽和多塩基酸を併用した場合において、第2多塩基酸100モル部に対して、不飽和多塩基酸の配合割合は、例えば、50モル部以上、好ましくは、60モル部以上であり、飽和多塩基酸の配合割合は、例えば、50モル部以下、好ましくは、40モル部以下である。
第2多価アルコールとしては、例えば、上記の第1多価アルコールと同じ多価アルコールが挙げられる。
これらの第2多価アルコールのうち、第2多価アルコールは、必須成分として、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物および/またはビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物を含む。
第2多価アルコールが、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物および/またはビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物を含めば、この不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて得られる成形品(後述)は、光沢、平滑性、耐熱水性および透明性に優れるとともに、不飽和ポリエステル樹脂組成物が柄材(後述)を含む場合には、柄材意匠発現性にも優れる。
また、第2多価アルコールは、好ましくは、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物を含み、より好ましくは、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物およびビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物を含む。すなわち、より好ましくは、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物およびビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物を併用する。
第2多価アルコールが、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物およびビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物を含めば、この不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて得られる成形品(後述)は、平滑性、耐熱水性および透明性に優れるとともに、強度(具体的には、アイゾット衝撃値)に優れる。
第2多価アルコールが、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物およびビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物を含む場合に、好ましくは、第2多価アルコールにおいて、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物の含有量は、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物の含有量よりも多い。
具体的には、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物に対するビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物のモル比(ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物/ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物)が、例えば、1を超過、好ましくは、2以上、より好ましくは、3以上、さらに好ましくは、4以上であり、また、例えば、10以下である。
第2多価アルコールにおいて、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物の含有量が、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物の含有量よりも多ければ、この不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて得られる成形品は、光沢、平滑性および耐熱水性に優れる。
また、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物における、エチレンオキシドの平均付加モル数は、例えば、2以上、好ましくは、3を超過し、より好ましくは、3.5以上であり、また、例えば、10以下である。
上記のエチレンオキシドの平均付加モル数は、上記の範囲内であれば、この不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて得られる成形品(後述)は、強度(具体的には、アイゾット衝撃値)に優れる。
また、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物における、プロピレンオキシドの平均付加モル数は、例えば、2以上、また、例えば、4以下である。
なお、エチレンオキシドの平均付加モル数およびプロピレンオキシドの平均付加モル数は、水酸基価(測定方法:JIS K6901(2008年))、H−NMRなどにより求めることができる。
また、第2多価アルコールは、任意成分として、好ましくは、2価アルコール、より好ましくは、脂肪族ジオール、脂環族ジオール、さらに好ましくは、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールAを含む。
つまり、第2多価アルコールは、好ましくは、さらに、水素化ビスフェノールAを含む。
第2多価アルコールが、さらに、水素化ビスフェノールAを含めば、この不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて得られる成形品(後述)は、光沢、平滑性および耐熱水性に優れる。
第2多価アルコール100モル部に対する、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物および/またはビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物の総モル部は、例えば、80モル部以下、好ましくは、70モル部以下、より好ましくは、50モル部未満、さらに好ましくは、30モル部以下であり、また、例えば、10モル部以上である。
上記の総モル部が、上記の範囲内であれば、この不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて得られる成形品(後述)は、光沢、平滑性および耐熱水性に優れる。
第2多価アルコールの水酸基価(測定方法:JIS K6901(2008年)に準拠)は、例えば、100mgKOH/g以上、好ましくは、150mgKOH/g以上、より好ましくは、200mgKOH/g以上であり、例えば、2000mgKOH/g以下、好ましくは、1800mgKOH/g以下、より好ましくは、1600mgKOH/g以下である。
第2多価アルコールは、単独使用または2種以上併用できる。
第2不飽和ポリエステルは、第2多塩基酸と、第2多価アルコールとを重縮合(縮合重合)することにより得られる。
第2多塩基酸と、第2多価アルコールとを重縮合(縮合重合)させるには、第2多塩基酸と第2多価アルコールと配合し、常圧、窒素雰囲気下で撹拌する。
配合条件、反応条件は、上記した第1多塩基酸と、第1多価アルコールとを重縮合(縮合重合)させる条件と同じである。
これにより、第2不飽和ポリエステルが得られる。
第2不飽和ポリエステルの酸価(測定方法:JIS K6901(2008年)に準拠)は、例えば、20mgKOH/g以上、好ましくは、25mgKOH/g以上、より好ましくは、30mgKOH/g以上であり、また、例えば、40mgKOH/g未満である。
第2不飽和ポリエステルの重量平均分子量は、例えば、6000以上、好ましくは、8000以上であり、また、例えば、25000以下、好ましくは、20000以下である。
なお、重量平均分子量は、上記の第1不飽和ポリエステルの重量平均分子量の測定方法と同じ方法により求めることができる。
これにより、不飽和ポリエステルが得られる。
不飽和ポリエステル(第1不飽和ポリエステルと第2不飽和ポリエステルと総量)に対して、第1不飽和ポリエステルの配合割合は、例えば、20質量%以上、好ましくは、40質量%以上であり、また、例えば、80質量%以下、好ましくは、60質量%以下である。また、第2不飽和ポリエステルの配合割合は、例えば、20質量%以上、好ましくは、40質量%以上であり、また、例えば、80質量%以下、好ましくは、60質量%以下である。
この不飽和ポリエステルは、上記の第1不飽和ポリエステルおよび上記の第2不飽和ポリエステルを含むので、この不飽和ポリエステルを含む不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて得られる成形品(後述)は、光沢、平滑性、耐熱水性および透明性に優れるとともに、不飽和ポリエステル樹脂組成物が柄材(後述)を含む場合には、柄材意匠発現性にも優れる。
なお、不飽和ポリエステルは、第1不飽和ポリエステルおよび第2不飽和ポリエステル以外の不飽和ポリエステル(他の不飽和ポリエステル)を含むこともできる。
不飽和ポリエステルが他の不飽和ポリエステルを含む場合には、不飽和ポリエステル(第1不飽和ポリエステルと第2不飽和ポリエステルと他の不飽和ポリエステルとの総量)に対して、第1不飽和ポリエステルと第2不飽和ポリエステルとの総量は、例えば、50質量%以上、好ましくは、80質量%以上であり、また、例えば、10質量%未満である。
重合性単量体は、不飽和ポリエステルを溶解するための溶剤であり、かつ、不飽和ポリエステル樹脂(後述)の硬化時には、不飽和ポリエステルと架橋可能な架橋性単量体(反応性希釈剤)であって、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレンなどのスチレン系モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル)、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、例えば、(メタ)アクリル酸アリルなどの(メタ)アクリル酸アリルエステル、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチルなどの環構造含有(メタ)アクリル酸エステル、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、例えば、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステルおよびこれらのクロライド塩、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデカフルオロデシルなどの(メタ)アクリル酸フルオロアルキルエステルなどの(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、例えば、グリセリンモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテルなどのアリル系モノマーなどが挙げられ、好ましくは、スチレン系モノマー、より好ましくは、スチレンが挙げられる。なお、(メタ)アクリルは、メタクリルおよび/またはアクリルと同義である。
重合性単量体は、単独使用または2種以上併用できる。
架橋ポリスチレンは、不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて得られる成形品(後述)を得る場合に、成形品(後述)の硬化収縮および熱収縮を抑制するために配合される。
また、架橋ポリスチレンは、スチレン単量体を単独で、または、スチレン単量体と、スチレン単量体と共重合可能な重合性単量体(以下、共重合性単量体とする。)とを、架橋剤の存在下で重合させることにより得られる3次元の網目構造を有する架橋重合体である。
共重合性単量体としては、例えば、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、アクリドアミドなどが挙げられる。
共重合性単量体は、単独使用または2種以上併用できる。
架橋剤としては、特に制限されないが、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエンなどのジビニルベンゼン誘導体、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどアルキレンジメタクリレート、例えば、ジアリルフタレートなどが挙げられる。
架橋剤は、単独使用または2種以上併用できる。
架橋ポリスチレンが、スチレン単量体と共重合性単量体とを重合させることにより得られる場合には、スチレン単量体の含有割合は、スチレン単量体と共重合性単量体との総量100質量%に対して、好ましくは、50質量%以上である。
架橋ポリスチレンの平均粒子径は、例えば、10μm以上、好ましくは、15μm以上であり、また、例えば、60μm以下、好ましくは、40μm以下である。
また、架橋ポリスチレンは、市販品を用いることができ、具体的には、SGP−70C(平均粒子径:20μm)、SGP−150C(平均粒子径:55μm)(以上綜研化学社製)などが挙げられる。
架橋ポリスチレンは、単独使用または2種以上併用できる。
そして、不飽和ポリエステル樹脂組成物は、不飽和ポリエステル(第1不飽和ポリエステルおよび第2不飽和ポリエステル)と、重合性単量体と、架橋ポリスチレンとを配合することにより得ることができる。
不飽和ポリエステルの配合割合は、不飽和ポリエステルと重合性単量体と架橋ポリスチレンとの総量(以下、樹脂成分)に対して、例えば、30質量%以上、好ましくは、40質量%以上であり、また、例えば、60質量%以下である。
重合性単量体の配合割合は、樹脂成分に対して、例えば、30質量%以上、好ましくは、35質量部%以上であり、また、例えば、60質量部%以下である。
また、重合性単量体の配合割合は、不飽和ポリエステル100質量部に対して、例えば、50質量部以上、好ましくは、70質量部以上であり、また、例えば、200質量部以下である。
架橋ポリスチレンの配合割合は、樹脂成分に対して、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、20質量%以下である。
これにより、不飽和ポリエステル樹脂組成物が得られる。
また、不飽和ポリエステル樹脂組成物には、必要により、重合禁止剤、硬化剤、離型剤、充填材、着色剤、増粘剤、柄材などの添加剤を配合することができる。これら添加剤は、単独使用または2種以上併用できる。
重合禁止剤は、可使時間、硬化反応を調整するために配合され、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノンなどのハイドロキノン化合物、例えば、p−ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノンなどのベンゾキノン化合物、例えば、t−ブチルカテコールなどのカテコール化合物、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4−メトキシフェノールなどのフェノール化合物、例えば、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラピペリジン−1−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−アセテート、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−2−エチルヘキサノエート、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ステアレート、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−4−t−ブチルベンゾエート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)コハク酸エステル、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジピン酸エステル、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)n−ブチルマロン酸エステル、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)フタレート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)イソフタレート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)テレフタレート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ヘキサヒドロテレフタレート、N,N’−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジパミド、N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カプロラクタム、N−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ドデシルサクシンイミド、2,4,6−トリス−[N−ブチル−N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)]−s−トリアジン、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オンなどのN−オキシル化合物が挙げられ、好ましくは、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラピペリジン−1−オキシルが挙げられる。
重合禁止剤の配合割合は、樹脂成分100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上であり、また、例えば、0.5質量部以下、好ましくは、0.1質量部以下である。
重合禁止剤は、単独使用または2種以上併用できる。
硬化剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−アミルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシアセテートなどのパーオキサイドが挙げられ、好ましくは、パーオキシイソプロピルモノカーボネートであるt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−アミルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネートなどが挙げられる。
硬化剤の配合割合は、樹脂成分100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、好ましくは、0.8質量部以上、より好ましくは、1質量部以上であり、また、例えば、10質量部以下、好ましくは、3質量部以下である。
硬化剤は、単独使用または2種以上併用できる。
離型剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸などの脂肪酸、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、例えば、パラフィン、液体ワックス、フッ素ポリマー、シリコン系ポリマーなどが挙げられ、好ましくは、脂肪酸金属塩、より好ましくは、ステアリン酸亜鉛が挙げられる。
離型剤の配合割合は、樹脂成分100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、3質量部以上であり、また、例えば、10質量部以下である。
離型剤は、単独使用または2種以上併用できる。
充填材としては、例えば、アルミナ、チタニアなどの酸化物、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸化物、例えば、炭酸カルシウムなどの炭酸塩、硫酸バリウムなどの硫酸塩、例えば、シリカ(例えば、結晶性シリカ、溶融シリカ、フュームドシリカ、乾式シリカ(アエロジル)など)、ガラスパウダー、ガラスバルーン、珪砂、珪藻土、マイカ、クレー、カオリン、タルクなどのケイ酸塩、例えば、ホタル石などのフッ化物、例えば、リン酸カルシウムなどのリン酸塩、例えば、スメクタイトなどの粘土鉱物などの無機充填材などが挙げられ、好ましくは、水酸化アルミニウム、ガラスパウダーが挙げられる。
なお、ガラスパウダーは、モース硬度が高く、このようなガラスパウダーを、ステンレス製のSMC装置(後述)およびTMC装置(後述)において用いると、装置の摩擦が生じる場合がある。そのため、ガラスパウダーは、例えば、ハードクロムメッキを施したBMC装置(後述)において、用いられることが好ましい。
充填材の配合割合は、樹脂成分100質量部に対して、例えば、100質量部以上、好ましくは、130質量部以上であり、また、例えば、300質量部以下、好ましくは、250質量部以下、さらに好ましくは、200質量部以下である。
充填材は、単独使用または2種以上併用できる。
着色剤としては、特に制限されず、例えば、酸化チタン、ポリエステルトナー(酸化チタン含有ポリエステル着色剤)、カーボンブラックなどが挙げられ、好ましくは、ポリエステルトナーが挙げられる。
着色剤の配合割合は、樹脂成分100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、3質量部以上であり、また、例えば、20質量部以下である。
着色剤は、単独使用または2種以上併用できる。
増粘剤は、不飽和ポリエステル樹脂組成物を加熱圧縮成形に適した粘度まで増粘させるために配合され、好ましくは、不飽和ポリエステル樹脂組成物を強化繊維(後述)に含浸させる前(好ましくは、直前)に配合され、例えば、酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属酸化物、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物などが挙げられ、好ましくは、アルカリ土類金属酸化物、より好ましくは、酸化マグネシウムが挙げられる。
増粘剤の配合割合は、樹脂成分100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、好ましくは、0.8質量部以上、より好ましくは、1質量部以上であり、また、例えば、10質量部以下、好ましくは、3質量部以下である。
増粘剤は、単独使用または2種以上併用できる。
柄材は、不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて得られる成形品(後述)の意匠性を向上させるために配合され、とりわけ、成形品が人造大理石である場合には、塊状または鱗片状の柄材などが挙げられる。
柄材の寸法は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
塊状の柄材としては、不飽和ポリエステル樹脂、充填材、顔料の混合物の粉砕品などを用いることができる。
また、鱗片状の柄材は、市販品を用いることができ、具体的には、マイクログラス メタシャインシリーズ(日本板硝子社製)などが挙げられる。
柄材の配合割合は、樹脂成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.3質量部以上であり、また、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
柄材は、単独使用または2種以上併用できる。
また、不飽和ポリエステル樹脂組成物には、必要により、例えば、難燃剤、抗菌剤、親水剤、光触媒、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、粘度低下剤、分離防止剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、潤滑分散剤、チクソ付与剤、チクソ安定剤、重合促進剤などの添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で、配合することができる。これら添加剤は、単独使用または2種以上併用できる。
なお、上記した説明では、不飽和ポリエステルと、重合性単量体と、架橋ポリスチレンと、必要により配合される添加剤とを配合し、不飽和ポリエステル樹脂組成物を得たが、まず、不飽和ポリエステルを重合性単量体に溶解させることにより、不飽和ポリエステル樹脂を調製し、その後、得られた不飽和ポリエステル樹脂と、重合性単量体と、架橋ポリスチレンと、必要により配合される添加剤とを配合することもできる。
不飽和ポリエステル樹脂の調製においては、不飽和ポリエステルおよび重合性単量体を配合するとともに、必要により、適宜、上記の添加剤(例えば、重合禁止剤)を配合することもできる。
不飽和ポリエステル樹脂の調製においては、重合性単量体の配合割合は、不飽和ポリエステル100質量部に対して、例えば、35質量部以上であり、また、例えば、150質量部以下であり、重合禁止剤の配合割合は、不飽和ポリエステル100質量部に対して、例えば、0.001質量部以上、好ましくは、0.005質量部以上であり、また、例えば、0.5質量部以下、好ましくは、0.1質量部以下である。
また、まず、第1不飽和ポリエステルを重合性単量体に溶解させることにより、第1不飽和ポリエステル樹脂を調製し、別途、第2不飽和ポリエステルを重合性単量体に溶解させることにより、第2不飽和ポリエステル樹脂を調製し、その後、得られた第1不飽和ポリエステル樹脂と、第2不飽和ポリエステル樹脂と、重合性単量体と、架橋ポリスチレンと、必要により配合される添加剤とを配合することもできる。
第1不飽和ポリエステル樹脂の調製においては、第1不飽和ポリエステルおよび重合性単量体を配合するとともに、必要により、適宜、上記の添加剤(例えば、重合禁止剤)を配合することもできる。
第1不飽和ポリエステル樹脂の調製においては、重合性単量体の配合割合は、第1不飽和ポリエステル100質量部に対して、例えば、35質量部以上であり、また、例えば、150質量部以下であり、重合禁止剤の配合割合は、第1不飽和ポリエステル100質量部に対して、例えば、0.001質量部以上、好ましくは、0.005質量部以上であり、また、例えば、0.5質量部以下、好ましくは、0.1質量部以下である。
第2不飽和ポリエステル樹脂の調製においては、第2不飽和ポリエステルおよび重合性単量体を配合するとともに、必要により、適宜、上記の添加剤(例えば、重合禁止剤)を配合することもできる。
第2不飽和ポリエステル樹脂の調製においては、重合性単量体の配合割合は、第2不飽和ポリエステル100質量部に対して、例えば、35質量部以上であり、また、例えば、150質量部以下であり、重合禁止剤の配合割合は、第2不飽和ポリエステル100質量部に対して、例えば、0.001質量部以上、好ましくは、0.005質量部以上であり、また、例えば、0.5質量部以下、好ましくは、0.1質量部以下である。
そして、このような不飽和ポリエステル樹脂組成物に、ガラス繊維などの公知の強化繊維を配合させることにより、成形材料を調製できる。そして、このような成形材料から、公知の方法により、成形品(例えば、人造大理石)を得ることができる。
強化繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維などの無機繊維、例えば、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、フッ素樹脂系繊維、フェノール系繊維などの有機繊維、例えば、麻、ケナフなどの天然繊維などが挙げられ、好ましくは、無機繊維、より好ましくは、ガラス繊維が挙げられる。
これらの強化繊維の形状は、例えば、ロービングクロスなどのクロス状、チョップドストランドマット、プリフォーマブルマット、コンティニュアンスストランドマット、サーフェーシングマットなどのマット状、ストランド状、ロービング状、不織布状、ペーパー状などが挙げられ、好ましくは、ロービング状が挙げられる。
これらの強化繊維のうち、好ましくは、ガラス繊維が挙げられ、より具体的には、ガラスロービングが好ましく、さらに具体的には、ガラスロービングを所定の長さに切断したガラスチョップが好ましい。
強化繊維の長さは、平滑性を向上させる観点から、例えば、1.5mm以上、好ましくは、5mm以上であり、また、例えば、10mm未満である。
強化繊維の長さが、上記上限以下および上記下限以上であれば、成形材料を用いて得られる成形品は、平滑性に優れる。
また、上記した不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて、成形材料を調製する場合には、強化繊維が長くても、平滑性を確保することができるため、強度を向上させる観点から、好ましくは、10mm以上、より好ましくは、13mm以上、さらに好ましくは、15mm以上、とりわけ好ましくは、最も好ましくは、17mm以上、さらには、20mm以上であり、また、例えば、50mm以下、より好ましくは、40mm以下、さらに好ましくは、30mm以下である。
強化繊維の長さが、上記上限以下および上記下限以上であれば、成形材料を用いて得られる成形品は、強度(具体的には、曲げ強さ)に優れる。
そして、成形材料は、強化繊維に不飽和ポリエステル樹脂組成物を含浸させることより例えば、シート状の成形材料として得られる。
強化繊維の配合割合(例えば、強化繊維がガラス繊維である場合には、以下、ガラス含有率とする。)は、不飽和ポリエステル樹脂組成物および強化繊維の総量に対して、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上、より好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、40質量%以下、好ましくは、30質量%以下である。
成形材料を調製する方法としては、公知の方法が挙げられ、例えば、SMC(シートモールディングコンパウンド)、TMC(シックモールディングコンパウンド)、BMC(バルクモールディングコンパウンド)などが挙げられ、好ましくは、成形品の強度を向上させる観点から、長い強化繊維(例えば、5mm以上)を配合した成形材料を調製する方法に適したSMC、TMCが挙げられる。
これにより、上記の不飽和ポリエステル樹脂組成物と強化繊維とを含む成形材料が得られる。
この成形材料は、上記の不飽和ポリエステル樹脂組成物を含むので、この成形材料を用いて得られる成形品は、平滑性、耐熱水性および透明性に優れる。とりわけ、成形材料が、長い強化繊維(例えば、5mm以上)を含む場合には、この成形材料を用いて得られる成形品は、平滑性、耐熱水性および透明性に優れるとともに、強度にも優れる。
次いで、このような成形材料を、加熱圧縮成形(後述)できるように、増粘させるため、好ましくは、例えば、20℃以上60℃以下、8時間以上120時間以下で熟成する。
これにより、成形材料が、例えば、シート状に保形される。
そして、成形品は、成形材料を、公知の方法により、加熱圧縮成形することにより得られる。
加熱圧縮成形の条件は、目的および用途に応じて、適宜設定され、具体的には、成形温度は、例えば、100℃以上、また、例えば、200℃以下であり、また、成形圧力は、例えば、0.1MPa以上、好ましくは、1MPa以上、より好ましくは、5MPa以上であり、また、例えば、20MPa以下、好ましくは、15MPa以下である。
これにより、成形材料が硬化するとともに、成形材料が成形される。
これにより、成形品が得られる。
成形品としては、好ましくは、柄材を配合した不飽和ポリエステル樹脂組成物を含む成形材料から成形された人造大理石が挙げられる。
この成形品(好ましくは、人造大理石)は、上記の成形材料の硬化物を含むため、平滑性、耐熱水性および透明性に優れる。
このような成形品(好ましくは、人造大理石)は、浴槽、キッチンカウンターの天板、キッチンカウンターのシンク、洗面台のカウンターなどの住宅設備用途において、幅広く用いられる。
以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。また、以下の記載において特に言及がない限り、「部」および「%」は質量基準である。
1. 各成分の詳細
各合成例、各実施例および各比較例で用いた各成分の略称を以下に記載する。
IPA:イソフタル酸
FA:フマル酸
MAN:無水マレイン酸
PG:プロピレングリコール
HBPA:水素化ビスフェノールA
NPG:ネオペンチルグリコール
BPA−2.2PO:ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物、プロピレンオキシド平均付加モル数2.2モル、水酸基価315mgKOH/g
BPA−2.2EO:ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、エチレンオキシド平均付加モル数2.2モル、水酸基価345mgKOH/g
BPA−4EO:ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、エチレンオキシド平均付加モル数4.0モル、水酸基価280mgKOH/g
1.不飽和ポリエステル樹脂の調製
合成例1
温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器および攪拌機を備えたフラスコに、IPA 1.0モル、PG 8.0モル、HBPA 2.5モルを仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら200℃〜210℃で重縮合反応させるとともに、反応生成物の酸価を測定した。なお、酸価の測定方法は、JIS K6901(2008年)に準拠した。その後、反応生成物の酸価が20mgKOH/gになった時点で150℃まで冷却し、MAN 9.0モルを仕込み、再び210℃〜220℃で反応させ、酸価24.5mgKOH/gの不飽和ポリエステルを得た。得られた不飽和ポリエステル100質量部に対し、重合禁止剤としてハイドロキノンを0.01質量部、スチレンを66.7質量部添加し、これらを均一に混合して、不飽和ポリエステル樹脂を得た。
合成例2
配合処方を、表1の記載に従って変更した以外は、合成例1と同様に処理して、不飽和ポリエステル樹脂を得た。
合成例3
温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器および攪拌機を備えたフラスコに、IPA 3.0モル、HBPA 2.5モル、NPG 5.0モル、BPA−2.2PO 2.0モル、BPA−4EO 0.5モルを仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら200℃〜210℃で重縮合反応させるとともに、反応生成物の酸価を測定した。その後、反応生成物の酸価が20mgKOH/gになった時点で150℃まで冷却し、FA 7.0モルを仕込み、再び210℃〜220℃で反応させ、酸価32.4mgKOH/gの不飽和ポリエステルを得た。得られた不飽和ポリエステル100質量部に対し、重合禁止剤としてハイドロキノンを0.01質量部、スチレンを66.7質量部添加し、これらを均一に混合して、不飽和ポリエステル樹脂を得た。
合成例4〜合成例8
配合処方を、表1の記載に従って変更した以外は、合成例3と同様に処理して、不飽和ポリエステル樹脂を得た。
合成例9
温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器および攪拌機を備えたフラスコに、IPA 3.0モル、PG 3.5モル、NPG 7.0モルを仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら200℃〜210℃で重縮合反応させるとともに、反応生成物の酸価を測定した。その後、反応生成物の酸価が15mgKOH/gになった時点で150℃まで冷却し、MAN 7.0モルを仕込み、再び210℃〜220℃で反応させ、酸価24.7mgKOH/gの不飽和ポリエステルを得た。得られた不飽和ポリエステル100質量部に対し、重合禁止剤としてハイドロキノンを0.01質量部、スチレンを66.7質量部添加し、これらを均一に混合して、不飽和ポリエステル樹脂を得た。
2.不飽和ポリエステル樹脂組成物および成形材料の調製
実施例1
第1不飽和ポリエステル樹脂として、合成例1の不飽和ポリエステル樹脂35質量部(すなわち、不飽和ポリエステル21質量部、スチレン14質量部)、第2不飽和ポリエステル樹脂として、合成例3の不飽和ポリエステル樹脂35質量部(すなわち、不飽和ポリエステル21質量部、スチレン14質量部)、スチレン18質量部(すなわち、スチレンの総量46質量部)、架橋ポリスチレン(綜研化学社製、SGP−70C)12質量部、重合禁止剤としてt−ブチルハイドロキノン0.05部、硬化剤としてt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート1.0部、離型剤としてステアリン酸亜鉛5部、着色剤としてポリエステルトナー(酸化チタンを含有する顔料を不飽和ポリエステル樹脂に分散させたもの、白色)5部、白色柄材(不飽和ポリエステル樹脂、水酸化アルミニウム、酸化チタン混合物の硬化物粉砕品、平均粒子径2mm)3部、充填材として水酸化アルミニウム 150部を混合して不飽和ポリエステル樹脂組成物を得た。
不飽和ポリエステル樹脂組成物に、増粘剤として、酸化マグネシウム1.0部を添加後、強化繊維としてガラスロービングを連続的に25mm長に切断したガラスチョップをガラス含有率が25質量%となるように添加して、公知のSMC含浸機で成形材料(SMC)を製造後、40℃で48時間熟成させ、成形材料が加熱圧縮成形可能な状態まで増粘させた。
実施例2〜9
配合処方を、表2の記載に従って変更した以外は、実施例1と同様に処理して、成形材料を得た。
なお、実施例8および実施例9では、公知のTMC含浸機で成形材料(TMC)を得た。
実施例10
第1不飽和ポリエステル樹脂として、合成例1の不飽和ポリエステル樹脂35質量部(すなわち、不飽和ポリエステル21質量部、スチレン14質量部)、第2不飽和ポリエステル樹脂として、合成例3の不飽和ポリエステル樹脂35質量部(すなわち、不飽和ポリエステル21質量部、スチレン14質量部)、スチレン18質量部(すなわち、スチレンの総量46質量部)、架橋ポリスチレン(綜研化学社製、SGP−70C)12質量部、重合禁止剤としてt−ブチルハイドロキノン0.05部、硬化剤としてt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート1.0部、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛5部、着色剤としてポリエステルトナー(酸化チタンを含有する顔料を不飽和ポリエステル樹脂に分散させたもの。白色)5部、白色柄材(不飽和ポリエステル樹脂、水酸化アルミニウム、酸化チタン混合物の硬化物粉砕品、平均粒子径2mm)3部を混合して不飽和ポリエステル樹脂組成物を得た。この不飽和ポリエステル樹脂組成物と、充填剤として水酸化アルミニウム 250部、強化繊維として、チョップドストランド(繊維長1.5mm)10部、増粘剤として、酸化マグネシウム1.0部を公知のプラネタリーミキサーで30分混練し、成形材料(BMC)を製造した。成形材料を40℃で48時間熟成し、BMCが加熱圧縮成形可能な状態まで増粘させた。
実施例11
配合処方を、表2の記載に従って変更した以外は、実施例10と同様に処理して、成形材料(BMC)を得た。
比較例1〜5
配合処方を、表2の記載に従って変更した以外は、実施例1と同様に処理して、成形材料を得た。
なお、比較例4では、公知のTMC含浸機で成形材料(TMC)を得た。
比較例6
配合処方を、表2の記載に従って変更した以外は、実施例10と同様に処理して、成形材料(BMC)を得た。
3.評価
(硬化収縮率)
成形材料を、300mm×300mm平板金板を用いて、加熱圧縮成型して、厚み4mmの平板状の成形品を得た。
成形は、金型温度が製品面、裏面とも140℃、成形圧力10MPa、金型内保持時間420秒の条件で実施した。その後、成形品を金型から脱型し、直ちに鉄板の間に挟んで冷却した。その後、成形品を25℃で24時間放置し、25℃における成形品の4辺の寸法を測定し、上記の平板金型の寸法との比率により収縮率を測定した。その結果を表2に示す。
(曲げ強さ、曲げ弾性率)
硬化収縮率測定用に成形した成形品から、試験片(長さ80mm、幅10mm)を切り出し、JIS K6911(1995年)に準拠し、曲げ強さ、曲げ弾性率を測定した。その結果を表2に示す。
(アイゾット衝撃試験)
硬化収縮率測定用に成形した成形品から、試験片(長さ65mm、幅10mm)を切り出し、アイゾット衝撃試験をJIS K7062(1992年)に準拠して実施した。試験はフラットワイズ、ノッチなしの条件で実施した。その結果を表2に示す。
(表面平滑性)
成形材料を、300×300mm平板金型を用いて加熱圧縮成形して、厚み4mmの平板状の成形品を成形した。成形は、金型温度が、製品面145℃、裏面130℃、成形圧力10MPa、金型内保持時間420秒の条件で実施した。得られた平板状の成形品の表面に、その表面の上方1.5mから直管蛍光灯2本を投影し、投影像の目視観察により、成形品の表面平滑性を評価した。
表面平滑性に関して次の基準で優劣を評価した。その結果を表2に示す。
評価基準:
◎:投影像に「うねり」がほとんどなく、直線性、平行性が高い。
○:投影像の直線性、平行性は高いが、わずかに「うねり」が認められる。
△:投影像に「うねり」、歪が認められる。
×:投影像に大きな「うねり」が認められ、歪が大きい。
なお、表面平滑性の評価において、各評価基準における投影像のイメージを示したイメージ図を図1に示す。図1(a)は、評価基準が「◎」である場合のイメージ図を示し、図1(b)は、評価基準が「○」である場合のイメージ図を示し、図1(c)は、評価基準が「△」である場合のイメージ図を示し、図1(d)は、評価基準が「×」である場合のイメージ図を示す。
(光沢(鏡面光沢度))
表面平滑性測定用に成形した成形品の製品面の鏡面光沢度をJIS Z8741(1997年)に準拠し、入射角60度、受光角60度の条件で測定した。その結果を表2に示す。
(光線透過率)
表面平滑性測定用に成形した成形品の光線透過率を日本電色株式会社製ヘーズメータNDH 5000を使用して測定した。その結果を表2に示す。
(柄材意匠発現性)
表面平滑性測定用に成形した成形品の製品面を約400mm離れた位置で目視で観察し、柄材の見え方を目視で評価した。柄材意匠発現性に関して次の基準で優劣を評価した。その結果を表2に示す。
評価基準:
◎:成形品の裏面まで透けて見え、柄材が非常良く見える
○:成形品内部が透けて見え、内部の柄材が見える
△:成形品表面付近の柄材のみ見える
×:ほとんど柄材が見えない
(耐熱水性)
表面平滑性測定用に成形した成形品より切り出した150mm角の試験片を、90℃に保った湯浴中に浸漬し、100時間毎に製品面のブリスター(膨れ)を目視観察することにより、ブリスター発生までの時間を測定した。そして、500時間浸漬後、製品面の色調を測定し、浸漬前の色調と比較により色差(ΔE)を算出した。色調の測定には、日本電色株式会社製分光色差計SE 6000を使用した。その結果を表2に示す。
4.考察
1)不飽和ポリエステルが、第1不飽和ポリエステルおよび第2不飽和ポリエステルを含む実施例1〜実施例11は、第1不飽和ポリエステルを含まない比較例1に比べて、平滑性および耐熱水性に優れることがわかる。
2)不飽和ポリエステルが、第1不飽和ポリエステルおよび第2不飽和ポリエステルを含み、SMCにより得られた実施例1〜実施例7は、第2不飽和ポリエステルを含まず、SMCにより得られた比較例2に比べて、透明性に優れることがわかる。
このことは、TMCにより得られた実施例8および実施例9と、比較例5との比較、BMCにより得られた実施例10および実施例11と、比較例6との比較においても、同様である。
3)第1不飽和ポリエステルにおいて、第1多価アルコールが水素化ビスフェノールAを含む第1不飽和ポリエステル樹脂(合成例1)と、第2不飽和ポリエステルにおいて、第2多価アルコールが、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物および/またはビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物を含む第2不飽和ポリエステル樹脂(合成例3〜合成例3〜8)とを含む不飽和ポリエステル樹脂を用いた実施例1〜実施例11は、第1不飽和ポリエステルにおいて、第1多価アルコールが水素化ビスフェノールAを含まない第1不飽和ポリエステル樹脂(合成例2)を含む比較例4に比べて、平滑性、耐熱水性および透明性に優れることがわかる。
また、実施例1〜実施例11は、第2不飽和ポリエステルにおいて、第2多価アルコールが、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物および/またはビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物を含まない第2不飽和ポリエステル樹脂(合成例9)を含む比較例3に比べて、平滑性、耐熱水性および透明性に優れることがわかる。

Claims (8)

  1. 不飽和ポリエステルと、重合性単量体と、架橋ポリスチレンとを含み、
    前記不飽和ポリエステルは、第1不飽和ポリエステルおよび第2不飽和ポリエステルを含み、
    前記第1不飽和ポリエステルは、第1多塩基酸と、第1多価アルコールとの重合生成物であり、
    前記第1多価アルコールは、水素化ビスフェノールAを含み、
    前記第2不飽和ポリエステルは、第2多塩基酸と、第2多価アルコールとの重合生成物であり、
    前記第2多価アルコールは、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物および/またはビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物を含むことを特徴とする、不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  2. 第2多価アルコールが、さらに、水素化ビスフェノールAを含むことを特徴とする、請求項1に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  3. 前記第2多価アルコールがビスフェノールAのエチレンオキシド付加物およびビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物を含み、
    前記第2多価アルコールにおいて、前記ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物の含有量が、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物の含有量よりも多いことを特徴とする、請求項1または2に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  4. 前記ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物における、エチレンオキシドの平均付加モル数が、3を超過することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  5. 前記第2多価アルコール100モル部に対する、前記ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物および前記ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物の総モル部が、50モル部未満であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物と、強化繊維とを含むことを特徴とする、成形材料。
  7. 請求項6に記載の成形材料の硬化物を含むことを特徴とする、成形品。
  8. 請求項6に記載の成形材料の硬化物を含むことを特徴とする、人造大理石。
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