JP2019048914A - 燃料添加剤および燃料 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも分散性に優れた炭素系ナノ材料を包含し、燃焼効率をさらに向上させる効果を奏する燃料添加剤および燃料を得る。【解決手段】本発明は、少なくともカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、フラーレン、および黒鉛の中から選択される1以上の炭素系ナノ材料を有した流体を含む燃料添加剤であって、前記炭素系ナノ材料を有した流体が、粒子を分散して含むことが可能な媒質である分散媒と、前記分散媒中に均一に分散する複数の前記炭素系ナノ材料とを含んでいるpH値が2.5〜8.0のものであり、前記炭素系ナノ材料の表面の活性点の少なくとも一部にOH基、CO基およびCHO基のうちいずれか1つ以上が修飾されていることを特徴とする燃料添加剤、および、前記燃料添加剤を含むことを特徴とする燃料である。【選択図】なし

Description

本発明は、炭素系ナノ材料を含む、燃料添加剤および燃料に関するものであり、特に単位時間当たりの燃料エネルギーを増大させる燃料添加剤、および該燃料添加剤を含む燃料に関するものである。
近年、カーボンナノチューブ(以下、CNTと表現する場合がある。)を始めとする炭素系ナノ材料は、高強度、高導電性、高熱伝導性等の優れた特性を持つことから、多くの分野から注目を集めている。かかる炭素系ナノ材料に関し、単独での利用のみならず、これを他の材料に分散させた複合材料として利用することについても種々提案されている。例えば特許文献1には、炭素繊維構造体を含む燃料油組成物が開示されている。
特開2007−119694号公報
上記特許文献1に開示されている燃料油組成物では、炭素繊維構造体が均一に分散分布され、燃焼効率を高めることができ、一定の効果を奏することができるとは思われるが、近年では、自動車のエンジンなどにおいて、燃料であるガソリンの燃焼効率をより一層向上させることが求められている。
そこで、本発明は、従来よりも分散性に優れた炭素系ナノ材料を包含し、燃焼効率をさらに向上させる効果を奏する燃料添加剤および燃料の提供を目的とした。
(1) 本発明の燃料添加剤は、少なくともカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、フラーレン、および黒鉛の中から選択される1以上の炭素系ナノ材料を有した流体を含むものである。また、前記炭素系ナノ材料を有した流体は、粒子を分散して含むことが可能な媒質である分散媒と、前記分散媒中に均一に分散する複数の前記炭素系ナノ材料とを含んでいる、pH値が2.5〜8.0のものであるとともに、前記炭素系ナノ材料表面の活性点の少なくとも一部にOH基、CO基およびCHO基のうちいずれか1つ以上が修飾されていることを特徴とする。なお、前記炭素系ナノ材料として前記カーボンナノチューブが選択された場合、前記カーボンナノチューブにおける酸素原子含有率は、5wt%以上であることが好ましく、より好ましくは15wt%以上である。
(2) 上記(1)の燃料添加剤においては、前記炭素系ナノ材料の直径が、0.01nm〜500nmであることが好ましい。
(3) 上記(1)の燃料添加剤においては、液状炭化水素燃料、液化ガス燃料、または固形燃料に用いるものであることが好ましい。
(4) 上記(1)の燃料添加剤においては、前記カーボンナノチューブが、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属硫化物、金属窒化物、ホウ酸塩金属、または合金を充填したものであってもよい。
(5) 上記(1)の燃料添加剤においては、前記分散媒が、水、または、水と有機溶媒との混合物であってもよい。
(6) 上記(5)の燃料添加剤においては、前記有機溶媒が、アルコール、スチレン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、および、アセトンの中から選択される1以上の液体であってもよい。
(7) 上記(6)のの燃料添加剤においては、前記アルコールが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、t−ブタノール、t−ペンタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、および、プロピレングリコールモノエチルエーテルの中から選択される1以上の液体であってもよい。
(8) 本発明の燃料は、上記(1)〜(5)に記載の燃料添加剤を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、炭素系ナノ材料を従来よりも十分に分散して包含し、従来よりも、単位時間当たりの燃料エネルギーが増大し、燃焼効率が高い燃料添加剤および燃料を提供できる。また、本発明の流体中の炭素系ナノ材料においては、分散安定性が優れており、長期間分散できるという効果を奏する。また、炭素系ナノ材料は、炭素粒子の直径を小さくすればするほど嵩密度が高くなり表面積も増大し、さらに官能基が修飾されやすくなるので、燃焼時に熱分解しやすく燃えやすくなり、より燃焼効率を高めることができる。また、本発明の燃料添加剤および燃料が自動車エンジン用ガソリンに用いられる場合、従来よりもガソリンの燃焼効率を高めることができ、自動車の燃費の向上を図ることができる。なお、本発明の燃料添加剤および燃料は、液状炭化水素燃料、液化ガス燃料、固形燃料などの各種用途に応じて、使用することができる。
続いて、本発明の一実施形態に係る燃料添加剤および燃料について、詳細に説明する。本実施形態の燃料添加剤は、少なくともカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、フラーレン、および黒鉛の中から選択される1以上の炭素系ナノ材料を有した流体を含むものであって、本実施形態の燃料は、該燃料添加剤を液状炭化水素燃料、液化ガス燃料、または固形燃料などの燃料中に混合してなるものである。
本実施形態における液状炭化水素燃料としては、例えば、ガソリン、灯油、軽油、重油などが挙げられる。また、本実施形態における液化ガス燃料としては、例えば、メタンなどを主成分とする液化天然ガス(LNG)、プロパンなどを主成分とする液化石油ガス(LPG)などが挙げられる。なお、液化天然ガスは、シェールガスを主成分とするものであっても良い。また、本実施形態における固形燃料としては、例えば、ろうそくなどが挙げられる。
本実施形態における炭素系ナノ材料は、直径が0.01nm〜500nm(好ましくは0.01nm〜50nm)であり、炭素系ナノ材料がCNTの場合は多層グラファイト層を備えたものである。なお、本実施形態における炭素系ナノ材料は、直径が小さいほど表面積が増加し、OH基、CO基およびCHO基のうちいずれか1つ以上が修飾されやすくなり、燃えやすくなる。したがって、本実施形態における炭素系ナノ材料は、直径が0.01nm〜500nmであるが、この中でも直径が小さいものが好ましい。
また、CNTを始めとする各炭素系ナノ材料の製造方法に関しては特に制限されるものではなく、公知の方法で製造できる。例えば、CNTの場合、炭素含有ガスを触媒と接触させる熱分解法、炭素棒間にてアーク放電を発生させてなるアーク放電法、カーボンターゲットにレーザーを照射するレーザー蒸発法、金属微粒子の存在下で炭素源のガスを高温で反応させるCVD法、一酸化炭素を高圧下で分解するHiPco法等のいずれでも良い。また、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属硫化物、金属窒化物、ホウ酸塩金属、または合金を充填されてなる炭素系ナノ材料であっても良い。また、上記多層グラファイト層に、窒素、ホウ素、リン、または硫黄原子がドープされていても良い。
本実施形態の燃料は、後述する分散媒および上記炭素系ナノ材料を有したpH2.5〜pH8.0の流体を燃料に混合したものが好ましい。該流体中の炭素系ナノ材料の割合は、0.01wt%〜10wt%程度に調整されていることが好ましい。なお、後述する分散剤については、必要に応じて使用して良い。
上記流体における分散媒としては、炭素系ナノ材料と反応せずに、分散剤を用いた場合でも該分散剤とともに安定した溶媒である。具体的には、水、または、水と水溶性有機溶媒のいずれか一種以上とからなる混合溶媒でも良い。
また、本実施形態における流体中の炭素系ナノ材料の表面の活性点(欠陥)の少なくとも一部には、OH基、CO基およびCHO基のうちいずれか1つ以上が修飾されている。これにより、水素結合を利用することができるので、該炭素系ナノ材料の分散媒中への分散性を高めることができる。特に、水を分散媒として利用した場合、顕著である。
上記水溶性有機溶媒としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ベンジルアルコールなど)、多価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコールなど)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルなど)、アミン類(エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミンなど)、アミド類(ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなど)、複素環類(2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、スルホン類(スルホランなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、その他、テトラヒドロフラン、尿素、アセトニトリルなどを使用することができる。
流体に必要に応じて使用する分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸アルカリ金属塩等の水溶性樹脂、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース類が好ましく、さらにカルボキシメチルセルロースが好ましい。これらの水溶性樹脂および/またはセルロース類を採用した場合には、他の分散剤を併用することも可能である。ここで、分散媒に含有される分散剤の濃度は、含有される分散質である炭素系ナノ材料の量によっても異なるが、炭素系ナノ材料が溶媒に充分になじむ程度の濃度であることが必要である。
なお、上記の水溶性樹脂および/またはセルロース類を併用可能なその他分散剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の分散性向上作用を有する公知の分散剤を使用できる。
アニオン性界面活性剤としては、芳香族スルホン酸系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルフェニルエーテルスルホン酸塩等)、モノソープ系アニオン性界面活性剤、エーテルサルフェート系界面活性剤、フォスフェート系界面活性剤、カルボン酸系界面活性剤などである。コール酸、オレイン酸なども好適に使用でき、アニオン性官能基を有する糖類であるアルギン酸、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸等はそのまま好適に使用でき、シクロデキストリンなどはアニオン性官能基で修飾することによって使用することが可能である。エステル基を有するポリマー、オリゴマーは、エステル部分を加水分解してアニオン性官能基に変換して使用することも可能である。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アルキルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルアミン塩等のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド等のカチオン性基を有する化合物である。
ノニオン性界面活性剤としては、エーテル系(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等)およびエステル系(ポリオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレンジステアレート、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等)、ソルビトールおよびグリセリン等の多価アルコール脂肪酸のアルキルエーテルおよびアルキルエステル、アミノアルコール脂肪酸アミド等を使用できる。
両性界面活性剤としてはアルキルベタイン系界面活性剤(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、プロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、スルホベタイン系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤を使用することができる。
また、流体に配合が可能な他の成分としては、各種の水溶性樹脂、水分散性樹脂、タンパク質等の生体内の高分子等、炭素系ナノ材料の用途に応じて必要な成分を配合することが可能である。
(燃料添加剤および燃料の製造方法)
次に、炭素系ナノ材料の一例としてCNTを用いて、本実施形態に係るCNTを有した流体を含む燃料添加剤の製造方法、および、本実施形態に係る燃料の製造方法について説明する。以下、本実施形態に係るCNTを有した流体を含む燃料添加剤の製造工程を示し、詳細に説明する。本実施形態の燃料添加剤の製造工程においては、CNTを原料とし、最終製品として、CNTの分散安定性が優れているものを得ることができる。
まず、CNT粉末と硫酸とを少量ずつ所定の割合で混合撹拌し、混合液を生成する(工程S1)。続いて、この混合液に所定の割合で硝酸を混合し撹拌する(工程S2)。その後、十分に煮沸するまで該混合液を加熱(工程S3)した後、加熱を止め、冷却する(工程S4)。続いて、該混合液をpH12〜13のアルカリ水溶液で希釈してpH値を調整(工程S5)した後、さらに大気中において冷却する(工程S6)。該混合液を十分に冷却した後、該混合液をろ過して、ろ過水を取り出す(工程S7)。そして、該混合液を水で希釈する(工程S8)。ここで、工程S7および工程S8については、さらに1回以上繰り返しても良い。続いて、遠心分離機を用いて該混合液をろ過(工程S9)した後、さらに超音波洗浄機を用いてろ過を行う(工程S10)。ここで、工程S9および工程S10については、それぞれさらに1回以上繰り返してもいいし、工程S9または工程S10のいずれか一方のみをさらに1回以上繰り返してもよい。続いて、水で希釈して、所定の濃度に調整することで、本実施形態に係るCNTを有した流体を含む燃料添加剤は完成する。その後、燃料に該燃料添加剤を添加した後に撹拌し、該燃料と、該燃料添加剤と、所定量の上述した分散媒とを混合することによって、本実施形態に係る燃料を得る。なお、一変形例として、CNT表面への官能基の形成は、水中においてCNT表面をプラズマ処理することによって得ても良い。また、上記製造方法では、CNTの調整を行ったが、市販品のCNTを調整せずに、そのまま用いても良い。
また、一変形例として、本実施形態に係るCNTを有した流体を含む燃料添加剤には、必要に応じて、上述した分散媒または/および分散剤を加えて、該燃料添加剤をさらに調整しても良い。また、本実施形態の燃料には、必要に応じて他の成分を添加しても良い。他の成分としては、シリコン、ソルベントナフサ、尿素、飽和炭化水素、飽和炭化水素系化合物、モリブデン化合物、有機モリブデン化合物などが挙げられる。
本実施形態によれば、カーボンナノチューブなどの炭素系ナノ材料を従来よりも十分に分散して包含し、従来よりも、単位時間当たりの燃料エネルギーが増大し、燃焼効率が高い燃料添加剤および燃料を提供できる。また、本発明の流体中のカーボンナノチューブなどの炭素系ナノ材料においては、分散安定性が優れており、長期間分散できるという効果を奏する。また、炭素系ナノ材料は、炭素粒子の直径を小さくすればするほど嵩密度が高くなり表面積も増大し、さらに官能基が修飾されやすくなるので、燃焼時に熱分解しやすく燃えやすくなり、より燃焼効率を高めることができる。また、本発明の燃料添加剤および燃料が自動車エンジン用ガソリンに用いられる場合、従来よりもガソリンの燃焼効率を高めることができ、自動車の燃費の向上を図ることができる。
なお、本発明の燃料添加剤および燃料は、液状炭化水素燃料、液化ガス燃料、または固形燃料などの各種用途に応じて、使用することができる。例えば、本発明の燃料添加剤は、電気炉の金属溶解時の助燃剤、金属溶融炉の溶融時の助燃剤として使用することができ、また、溶接棒に含有または被覆させる助燃材料としても使用可能である。また、本発明の燃料添加剤は、火力発電所の石炭炉またはゴミ焼却炉などの炉で用いる燃料の助燃剤として使用することで、燃焼効率を高めることができるので、燃料の減量を図ることができ、資源の節約にも繋がる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
本発明の燃料添加剤および燃料に分散して包含されるCNTについて、酸素の含有率の測定を行った。具体的には、上述した製造方法によって製造したCNTを有した流体を十分に乾燥させて得た水分散乾燥フィルムについて、酸素分析装置 EMGA−920(株式会社堀場製作所製)を用いて、不活性ガス中インパルス加熱・融解−NDIR法で、酸素の含有率の測定を行った。また、比較例として、未処理である元のCNT原料についても同様の測定を行った。なお、CNT原料には、宇部興産株式会社製のAMC(登録商標)を使用した。
上記の測定結果について、水分散乾燥フィルムは、酸素原子の含有率が15.8wt%、CNT原料は、酸素原子の含有率が0.8wt%であった。よって、水分散乾燥フィルムは、CNT原料に比べて、酸素原子の含有率が約19.8倍であり、OH基、CO基、CHO基などの酸素原子を含んだ官能基を多く有していることが考えられる。
(実施例2)
本発明に係るCNTを包含する燃料添加剤を、固形燃料であるキャンドルミニに配合して、燃焼比較実験を行った。具体的には、本発明に係るCNTを包含する燃料添加剤を下記表1に示す配合比率で蝋に配合し、この蝋を綿糸などの芯の周囲に円柱状に成型したキャンドルミニ(表1における試料1〜3)の燃焼温度の測定を行った。また、比較例として、実施例と同様、宇部興産株式会社製のAMC(登録商標)を純水中で界面活性剤を用いて分散したものを下記表1に示す配合比率で蝋に配合し、この蝋を綿糸などの芯の周囲に円柱状に成型したキャンドルミニ(表1における試料4、5)の燃焼温度の測定を行った。なお、燃焼温度の測定には、放射温度計(株式会社エー・アンド・デイ製 型番:AD−5616)を使用した。また、測定条件として、室内温度は28℃、測定距離は30cm、測定回数は4回とした。また、本発明に係るCNTを包含する燃料添加剤の原料となるCNTには、宇部興産株式会社製のAMC(登録商標)を使用した。また、試料1〜5の測定結果を下記表2に示す。
Figure 2019048914
Figure 2019048914
表2の結果から、キャンドルミニにおいて本発明に係る燃料添加剤中のCNTの配合比率が高くなるほど、燃焼温度が上昇することがわかる。また、宇部興産株式会社製のAMC(登録商標)だけを蝋に入れた場合の試料4、5(比較例)よりも、試料2、3(実施例)それぞれの燃焼効率は大きく向上していることがわかった。よって、本発明に係るCNTを包含する燃料添加剤を用いることで、従来よりもキャンドルミニの燃料エネルギーが増大し、燃焼効率を向上させることが確認された。
(実施例3)
本発明に係るCNTを包含する燃料添加剤を、液状炭化水素燃料である灯油に混合し、この灯油を灯油ランプに適用して燃焼比較実験を行った。具体的には、CNTを包含する燃料添加剤とサラダオイル(日清オイリオグループ株式会社製 商品名:食用調合油 日清サラダ油)とを1:1の割合で混合した混合液を作成し、この混合液を灯油に添加(灯油ランプの灯油全体に対して10%となるように添加)し撹拌したもの(表3における試料3)を灯油ランプに適用して、燃焼温度の測定を行った。また、比較例として、灯油のみのもの(表3における試料1)、灯油にサラダオイル(日清オイリオグループ株式会社製 商品名:食用調合油 日清サラダ油)を添加(灯油ランプの灯油全体に対して5%となるように添加)し撹拌したもの(表3における試料2)についても同様の測定を行った。なお、燃焼温度の測定には、放射温度計(株式会社エー・アンド・デイ製 型番:AD−5616)を使用した。また、測定条件として、室内温度は28℃、測定距離は30cm、測定回数は4回とした。また、本発明に係るCNTを包含する燃料添加剤の原料となるCNTには、宇部興産株式会社製のAMC(登録商標)を使用した。結果を下記表3に示す。
Figure 2019048914
表3の結果から、試料1および2(比較例)に比べて、試料3(実施例)を灯油ランプに適用した場合の燃焼温度が明らかに高いことがわかる。よって、本発明に係るCNTを包含する燃料添加剤を用いることで、従来よりも灯油の燃料エネルギーが増大し、燃焼効率を大幅に向上させることが確認された。

Claims (9)

  1. 少なくともカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、フラーレン、および黒鉛の中から選択される1以上の炭素系ナノ材料を有した流体を含む燃料添加剤であって、
    前記炭素系ナノ材料を有した流体が、粒子を分散して含むことが可能な媒質である分散媒と、前記分散媒中に均一に分散する複数の前記炭素系ナノ材料とを含んでいる、pH値が2.5〜8.0のものであり、
    前記炭素系ナノ材料表面の活性点の少なくとも一部にOH基、CO基およびCHO基のうちいずれか1つ以上が修飾されていることを特徴とする燃料添加剤。
  2. 前記炭素系ナノ材料として選択されたものが前記カーボンナノチューブであって、
    前記カーボンナノチューブにおける酸素原子含有率が5wt%以上であることを特徴とする請求項1に記載の燃料添加剤。
  3. 前記炭素系ナノ材料の直径が、0.01nm〜500nmであることを特徴とする請求項1に記載の燃料添加剤。
  4. 前記燃料添加剤が、液状炭化水素燃料、液化ガス燃料、または固形燃料に用いるものであることを特徴とする請求項1に記載の燃料添加剤。
  5. 前記カーボンナノチューブが、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属硫化物、金属窒化物、ホウ酸塩金属、または合金を充填したカーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブを含む燃料添加剤。
  6. 前記分散媒が、水、または、水と有機溶媒との混合物であることを特徴とする請求項1に記載の燃料添加剤。
  7. 前記有機溶媒が、アルコール、スチレン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、および、アセトンの中から選択される1以上の液体であることを特徴とする請求項6に記載の燃料添加剤。
  8. 前記アルコールが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、t−ブタノール、t−ペンタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、および、プロピレングリコールモノエチルエーテルの中から選択される1以上の液体であることを特徴とする請求項7に記載の燃料添加剤。
  9. 請求項1〜8に記載の燃料添加剤を含むことを特徴とする燃料。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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