JP2019046401A - 均平作業対象領域特定システム - Google Patents
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Abstract
Description
したがって、高度のばらつきが原因で作物の生育状態のばらつきまたは作物の収穫量のばらつきが大きくなっている可能性が高い領域に対して均平作業を行うことができるので、作物の収穫量の増大を図ることができる。さらに、収穫量の向上に寄与しない均平作業を削減することができるので、均平作業の負担が軽減される。
ここで、ばらつき領域とそれ以外の領域とでは領域内の土の量が異なっている場合がある。そのため、ばらつき領域のみを均平作業の対象とすると、均平作業において、ばらつき領域とそれ以外の領域とを同じ高度にできないおそれがある。そのため、圃場内の複数の領域の全てを均平作業の対象とすることによって、圃場内の高度のばらつきの低減を確実に図ることができる。ひいては、作物の収穫量の増大を図ることができる。
この構成によれば、圃場全体が均平作業の対象とされるのではないため、均平作業の対象領域が縮小される。そのため、均平作業の負担を一層軽減することができる。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る均平作業対象領域特定システム1の構成を示す模式図である。
均平作業対象領域特定システム1は、圃場Fにおいて、均平作業を行うべき領域を特定するためのシステムである。均平作業対象領域特定システム1は、圃場Fを走行しながら圃場F内の作物Pを収穫する収穫機2と、収穫機2が作物Pを収穫する際に取得された位置情報や作物情報に基づいて、圃場F内における均平作業の対象とすべき領域の有無について評価する圃場評価サーバ4とを含む。作物情報には、この形態では、収穫機2が収穫した作物Pの量(収穫量)等の収穫情報が含まれる。位置情報は、緯度経度情報および高度情報からなる。
収穫機2は、収穫機2の識別情報、位置情報、稼働情報、作物情報等を圃場評価サーバ4に送信する。収穫機2から圃場評価サーバ4に送信される収穫機2の識別情報は、この形態では、収穫機2に設けられた通信端末12(後述する図3参照)の電話番号である。この識別情報は、収穫機2に割り当てられた個別の識別情報である機番であってもよい。
図2は、収穫機2が圃場F内を走行する様子を説明するための模式図である。
図3を参照して、収穫機2は、収穫機制御装置10と、収穫量センサ11と、通信端末12とを備えている。収穫機制御装置10は、収穫機2の各部の電気機器を制御する。収穫機2が例えばコンバインである場合には、収穫機制御装置10は、走行装置、刈取装置、搬送装置、脱穀装置等のコンバインの各部の電気機器を制御する。
収穫機2がコンバインである場合、収穫量センサ11は、例えば、歪みゲージや圧電素子等である。この場合、収穫機2によって作物Pから脱穀された穀粒は、走行機体3に設けられた穀粒貯留部(図示せず)に投入される。収穫量センサ11は、穀粒貯留部に投入される穀粒が収穫量センサ11に衝突する際の衝撃の大きさを検出する。収穫量センサ11は、検出された衝撃の大きさに基づく信号を出力する。
通信端末12は、収穫機2の走行機体3に搭載されている。詳しくは、通信端末12は、収穫機2のキャビン内でユーザが操作可能なように、走行機体3に取り付けられている。通信端末12は、走行機体3に対して着脱可能であってもよいし着脱不能であってもよい。この実施形態では、通信端末12には、通信用の電話番号が設定されている。
位置情報算出部21は、均平作業候補領域Wを走行する収穫機2の水平方向における位置および高さ方向における位置を所定時間毎(例えば1分毎)に算出することができる。以下では、水平方向における収穫機2の位置のことを単に「収穫機2の位置」という。また、高さ方向における収穫機2の位置のことを「収穫機2の高度」という。
ばらつき演算部50は、高度Zのばらつきと収穫量Qのばらつきとを演算するように構成されている。具体的には、ばらつき演算部50は、データテーブル35に基づいて、各領域ARについてのデータ(時刻T、位置X,Y、高度Zおよび収穫量Q)を抽出して、図5に示す領域別テーブル36を作成する。そして、ばらつき演算部50は、領域別テーブル36を用いて各領域ARにおける収穫機2の高度Zのばらつきおよび収穫量Qのばらつきを演算する。
図6Aのヒストグラムの横軸は、ある領域ARにおける収穫機2の高度Zの平均値と、当該領域AR内の各検出位置Mにおける高度Zの検出値との差を示している。図6Aのヒストグラムの縦軸は、確率密度を示している。当該領域ARにおける収穫機2の高度Zのばらつきが小さいほど、ばらつきの度合を示す指標となる標準偏差σが小さくなる。当該領域ARにおける収穫機2の高度Zのばらつきが大きいほど、標準偏差σが大きくなる。ここでは、標準偏差σの2倍(2σ)を収穫機2の高度ZのばらつきAとする。図6Aの実線のヒストグラムは、ばらつきAが比較的小さいときの例を示しており、図6Aの二点鎖線のヒストグラムは、ばらつきAが比較的大きいときの例を示している。
横軸は、ある領域ARで検出された収穫量Qの平均値と当該領域AR内の各検出位置Mにおける収穫量Qの検出値との差を示しており、縦軸は、確率密度を示している。当該領域ARにおける収穫量Qのばらつきが小さければ、標準偏差σが小さくなる。当該領域ARにおける収穫量Qのばらつきが大きければ、標準偏差σが大きくなる。ここでは、標準偏差の2倍(2σ)を収穫量QのばらつきBとする。図6Bの実線のヒストグラムは、ばらつきBが比較的小さいときの例を示しており、図6Bの二点鎖線のヒストグラムは、ばらつきBが比較的大きいときの例を示している。
具体的には、ばらつき領域判定部51は、式(1)で算出された収穫機2の高度ZのばらつきAが所定の閾値α(第1閾値)よりも大きく、かつ、式(2)で算出された収穫量QのばらつきBが所定の閾値β(第2閾値)よりも大きい領域ARをばらつき領域Vと判定する。ばらつき領域判定部51は、式(1)で算出された収穫機2の高度ZのばらつきAが所定の閾値α以下であるという条件と、式(2)で算出された収穫量QのばらつきBが所定の閾値β以下であるという条件とのうち少なくとも一方の条件を満たす領域ARをばらつき領域Vではないと判定する。
次に、均平作業対象領域特定システム1による均平作業対象領域Uの特定方法の具体例について説明する。
図7では、圃場Fが2つ図示されている。図7の紙面の上側の圃場Fを圃場F1といい、図7の紙面の下側の圃場Fを圃場F2という。圃場F1および圃場F2の均平作業候補領域Wのそれぞれは、9つの領域AR1〜AR9に分けられている。圃場F1および圃場F2は、作物Pの収穫が完了した後の圃場Fである。
均平作業対象領域Uの特定処理では、領域ARの数をn個とし、領域ARが1つずつ順番に評価される。領域AR1〜領域ARnは、この順番で評価される。領域ARは、複数(本実施形態では9個)設けられているので、nは、2以上である。j番目に判定される領域ARを領域ARjという。また、領域ARjにおける収穫機2の高度ZのばらつきAをAjという。領域ARjにおける収穫量QのばらつきBをBjという。
ステップS6では、ばらつき領域判定部51は、jを1だけインクリメントする(j=j+1)。そして、ばらつき領域判定部51は、jがn以下であるか否かを判定する(ステップS7)。j≦nであれば、ステップS2に戻る(ステップS7:YES)。これにより、ステップS2〜ステップS6が繰り返される。
詳しくは、圃場F内にばらつき領域Vが1つでも存在する場合、均平作業対象領域特定部52は、当該圃場F内の複数の領域AR1〜ARnの全体を均平作業対象領域とする。一方、圃場F内にばらつき領域Vが存在しない場合、当該圃場Fは均平作業の対象とされることなく、当該圃場Fについての均平作業対象領域Uの特定処理が終了される。圃場Fが複数存在する場合、この特定処理が圃場Fの数だけ行われる。
その一方で、圃場F内の高度のばらつきA以外の原因で収穫量QのばらつきBが大きくなっている可能性が高い領域ARを、均平作業対象領域Uから除外することができる。
また、圃場Fが複数存在する場合(例えば図7に示す例の場合)には、均平作業の対象となる圃場Fの数が低減されるので、均平作業の負担が特に軽減される。
ここで、ばらつき領域Vとそれ以外の領域ARとでは領域AR内の土の量が異なっている場合がある。そのため、ばらつき領域Vのみを均平作業の対象とすると、均平作業において、ばらつき領域Vとそれ以外の領域ARとを同じ高度にできないおそれがある。そのため、圃場F内の複数の領域ARの全てを均平作業の対象とすることによって、圃場F内の高度のばらつきAの低減を確実に図ることができる。ひいては、作物Pの収穫量Qの増大を図ることができる。
この構成によれば、収穫機2による収穫の際に、各領域AR内の複数の位置Mの高度Zと、各領域ARにおける収穫量Qとを一度に検出することができる。そのため、高度Zと収穫量Qとを効率良く検出できる。
図10は、本発明の第2実施形態に係る均平作業対象領域特定システム1Pの構成を示す模式図である。第2実施形態では、第1実施形態と主に異なる部分のみを説明し、今まで説明した部材と同じ部材には同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
均平作業対象領域特定システム1Pは、収穫機2および圃場評価サーバ4に加えて、圃場Fの上方を飛行しながら、圃場Fを撮影する飛行体80を含む。飛行体80は、例えば、圃場Fの画像を撮影しながら遠隔操作可能な無人航空機である。飛行体80は、飛行機体81と、飛行機体81に取り付けられた複数のプロペラ82と、複数のプロペラ82を駆動する電動モータ等の駆動部83と、圃場Fを撮影する撮影部84とを含む。
図11を参照して、第2実施形態の収穫機2の走行機体3には、収穫量センサ11が搭載されていない。また、第2実施形態の収穫機2の収穫機制御装置10には、収穫量算出部40が設けられていない。第2実施形態では、通信端末12は、作物情報を圃場評価サーバ4に送信しない。通信端末12は、収穫機2の位置情報を圃場評価サーバ4に送信する。
位置情報算出部86は、衛星測位システムに基づいて飛行体80の位置情報を算出する。具体的には、位置情報算出部86は、複数の測位衛星7(図10参照)からの衛星信号を受信して、飛行体80の位置情報を所定時間毎に算出する。飛行体80は、飛行体80の位置情報および作物情報等を圃場評価サーバ4に送信する。通信部87は、制御部85が通信網6を介して圃場評価サーバ4と通信するための通信インタフェースである。
NDVI値算出部55は、飛行体80の撮影部84によって撮影された2バンドの画像に基づいてNDVI値を算出する。前述したように、NDVI値は、作物の生育状態を示す指標である。位置情報算出部86によって算出された飛行体80の位置と、NDVI値算出部55によって算出されたNDVI値とに基づいて、領域AR内の複数の位置M(図2参照)における作物P(図10参照)の生育状態が検出される。このように、撮影部84およびNDVI値算出部55は、作物生育状態検出部として機能する。NDVI値は、作物情報に含まれるため、作物生育状態検出部は、作物情報検出部の一例である。
図12は、NDVI画像を用いて第2演算部54が作成するヒストグラムの一例である。横軸は、ある領域ARで検出されたNDVI値の平均値と、当該領域AR内の各検出位置Mにおいて検出されたNDVI値との差を示しており、縦軸は、確率密度を示している。当該領域ARにおけるNDVI値のばらつきが小さければ、標準偏差σが小さくなる。当該領域ARにおける収穫量Qのばらつきが大きければ、標準偏差σが大きくなる。ここでは、標準偏差の2倍(2σ)をNDVI値のばらつきCとする。図12の実線のヒストグラムは、ばらつきCが比較的小さいときの例を示しており、図12の二点鎖線のヒストグラムは、ばらつきCが比較的大きいときの例を示している。
図13を参照して、第2実施形態における均平作業対象領域Uの特定処理は、収穫量QのばらつきBの代わりに、NDVI値のばらつきCが用いられること以外の部分に関しては、第1実施形態における均平作業対象領域Uの特定処理とほぼ同様である。領域ARjにおけるNDVI値のばらつきCをCjという。
ステップS16では、ばらつき領域判定部51は、jを1だけインクリメントする(j=j+1)。ばらつき領域判定部51は、jがn以下であるか否かを判定する(ステップS17)。j≦nであれば、ステップS12に戻る(ステップS17:YES)。これにより、ステップS12〜ステップS16が繰り返される。
その一方で、圃場F内の高度のばらつきA以外の原因で作物Pの生育状態のばらつきCが大きくなっている可能性が高い領域ARを、均平作業対象領域Uから除外することができる。
また、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、圃場F内にばらつき領域Vが存在する場合に、当該圃場F内の複数の領域ARの全てが均平作業対象領域Uに特定される。そのため、第1実施形態と同様に、圃場F内の高度のばらつきAの低減を確実に図ることができる。ひいては、作物Pの収穫量Qの増大を図ることができる。
例えば、上述の実施形態では、圃場Fが複数の領域ARを有するとした。しかし、圃場Fが複数存在する場合は、圃場Fが複数の領域ARに分けられていないことも有り得る。すなわち、複数の圃場F全体を一つの大きな圃場として、各圃場Fが、当該大きな圃場が有する一つの領域ARを構成していてもよい。
また、上述の実施形態では、収穫機2の走行経路100は、つづら折り状であるとした(図2参照)。しかしながら、収穫機2の走行経路は、上述の実施形態とは異なっていてもよい。例えば、図14に示すように収穫機2の走行経路100は、圃場Fの周縁から中心に向かうらせん状であってもよい。
収穫機2は、例えば、正方形状の四隅の一つから圃場Fの中央に向けて、らせん状に圃場Fを走行する。より具体的には、収穫機2は、第1方向L3における圃場Fの一端(下端)で、かつ、第2方向L4における圃場Fの一端(左端)の位置から、第1方向L3に沿って走行する。収穫機2は、第1方向L3における他端付近に到達すると、90°旋回する。収穫機2は、第2方向L4に沿って走行し、第2方向L4における他端(右端)付近に到達すると、90°旋回する。この動作を続けることで、圃場Fを例えば時計回りに約一周する。そして、収穫機2は、第1方向L3における圃場Fの一端(下端)で、かつ、第2方向L4における圃場Fの一端(左端)の位置に戻ったときには、圃場Fにおいて既に作物Pが収穫されている領域の手前で90°旋回する。そして、収穫機2は、第1方向L3に沿って走行し、圃場Fにおいて既に作物Pが収穫されている領域の手前で90°旋回する。そして、収穫機2は、第2方向L4に沿って走行し、圃場Fにおいて既に作物Pが収穫されている領域の手前で90°旋回する。この動作を繰り返すことで、収穫機2は、一周目よりも内側で圃場Fを一周する。この動作を繰り返すことによって、収穫機2は、外側から内側に向けてらせん状に圃場Fを走行し、圃場Fの略中央に達したときに圃場F内の作物Pを収穫し終える。
また、これまでの説明では、圃場Fは、均平作業候補領域Wと非均平作業候補領域Nに分けられるとした。しかしながら、圃場Fには、非均平作業候補領域Nが設けられておらず、圃場Fの全体が均平作業候補領域Wであってもよい。
1P :均平作業対象領域特定システム
2 :収穫機
7 :測位衛星
11 :収穫量センサ(作物情報検出部)
21 :位置情報算出部(高度検出部)
40 :収穫量算出部(作物情報検出部)
51 :ばらつき領域判定部
52 :均平作業対象領域特定部
53 :第1演算部
54 :第2演算部
55 :NDVI値算出部(作物情報検出部)
84 :撮影部(作物情報検出部)
A :収穫機の高度のばらつき(圃場内の高度のばらつき)
B :収穫量のばらつき
C :NDVI値のばらつき
M :複数の検出位置(複数の位置)
P :作物
Q :収穫量
AR :領域
U :均平作業対象領域
V :ばらつき領域
Z :収穫機の高度
α :所定の閾値(第1閾値)
β :所定の閾値(第2閾値)
γ :所定の閾値(第2閾値)
Claims (5)
- 複数の領域を有する圃場において、均平作業を行うべき領域を特定する均平作業対象領域特定システムであって、
前記圃場内の高度のばらつきを演算する第1演算部と、
前記圃場における作物の生育状態のばらつきまたは作物の収穫量のばらつきを演算する第2演算部と、
前記第1演算部の演算結果および前記第2演算部の演算結果に基づいて、前記圃場内において、高度のばらつきが所定の第1閾値よりも大きく、かつ、作物の生育状態のばらつきまたは作物の収穫量のばらつきが所定の第2閾値よりも大きいばらつき領域の有無を判定するばらつき領域判定部とを含む、均平作業対象領域特定システム。 - 前記圃場内に前記ばらつき領域が存在する場合に、当該圃場内の前記複数の領域の全てを均平作業対象領域に特定する均平作業対象領域特定部をさらに含む、請求項1に記載の均平作業対象領域特定システム。
- 前記圃場内に前記ばらつき領域が存在する場合に、前記ばらつき領域と、前記ばらつき領域に近接する近接領域とを、均平作業対象領域に特定する均平作業対象領域特定部をさらに含む、請求項1に記載の均平作業対象領域特定システム。
- 各前記領域内の複数の位置の高度を検出する高度検出部と、
各前記領域内の複数の位置において、作物の生育状態または作物の収穫量を検出する作物情報検出部とをさらに含み、
前記第1演算部が、前記高度検出部によって検出された結果に基づいて、各前記領域内の高度のばらつきを演算するように構成されており、
前記第2演算部が、前記作物情報検出部によって検出された結果に基づいて、各前記領域における作物の生育状態のばらつきまたは作物の収穫量のばらつきを演算するように構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の均平作業対象領域特定システム。 - 前記圃場内を走行しながら作物を収穫する収穫機をさらに含み、
前記高度検出部が、前記収穫機に搭載され、測位衛星からの測位信号に基づいて、各前記領域内の複数の位置において前記収穫機の高度を検出するように構成されており、
前記作物情報検出部が、前記収穫機に搭載された収穫量センサと、前記収穫量センサの出力信号に基づいて、各前記領域内の複数の位置において作物の収穫量を算出する収穫量算出部とを含む、請求項4に記載の均平作業対象領域特定システム。
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